JP2691377B2 - オリフィストラップ - Google Patents

オリフィストラップ

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JP2691377B2
JP2691377B2 JP18646590A JP18646590A JP2691377B2 JP 2691377 B2 JP2691377 B2 JP 2691377B2 JP 18646590 A JP18646590 A JP 18646590A JP 18646590 A JP18646590 A JP 18646590A JP 2691377 B2 JP2691377 B2 JP 2691377B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は蒸気使用機器や蒸気配管系に取り付けてそこ
に発生するドレンを排出するオリフィストラップに関す
る。
蒸気使用機器や蒸気配管系においてはドレンの発生は
不可避であり、適宜発生したドレンを自動的に排除する
ためにいわゆるスチームトラップが用いられてきた。こ
れらスチームトラップとしては、蒸気とドレンの比重差
をフロートで検知して弁を開閉するフロート式スチーム
トラップや、蒸気とドレンの熱力学的特性差を利用した
ディスク式スチームトラップ等が使用されてきたが、こ
れらトラップにはフロートやディスク弁等が必要であ
り、部品数が多くなったり機構が複雑となり、長期間使
用すると作動不良を起こし、蒸気を漏洩したり、あるい
は反対にドレンが発生しているにもかかわらずそのドレ
ンを排出できなくなってしまう場合があった。
従来の技術 部品点数が少なく且つ構造の簡単なものとして、従来
からオリフィストラップが用いられてきた。オリフィス
トラップは、ドレンの排出管の末端に水平あるいは垂直
に比較的径の小さなのオリフィスを取り付け、一定量の
ドレンを連続的に排出するものである。小径のオリフィ
スを設けたオリフィス部材を取り付けただけの簡単な構
造であり、発生するドレン量に適応したオリフィス径を
適宜選定することにより、蒸気漏れやドレン排出不良の
ほとんどないトラップとすることができる。
本発明が解決しようとする課題 上記従来のオリフィストラップにおいては、一定量の
ドレンが連続的に流入してくる場合にはそのドレンのみ
を排出し蒸気漏洩を発生しないが、ドレンの流入量が変
動すると、すなわち、ドレンの流入量が一定オリフィス
の流下流量よりも少なくなると蒸気を漏洩したり、反対
にドレンの流入量が一定オリフィスの流下流量よりも多
くなるとドレンを滞留してしまう問題があった。これ
は、オリフィストラップにおけるオリフィス径が固定値
であり、また、ドレンの発生量が蒸気使用機器の初期立
上時と定常運転時で変動するためである。
従って本発明の技術的課題は、ドレンの流入量が変動
しても蒸気漏れやドレン排出不良を起こさないオリフィ
ストラップを得ることである。
課題を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技
術的手段は、トラップケーシングで入口とオリフィス室
と出口を形成し、該オリフィス室に1個もしくは複数個
のオリフィスを設けてドレンを外部に排出するものにお
いて、オリフィスを板状部材に形成し、該板状部材とト
ラップケーシング一内面との間に温度応動部材を配して
上記板状部材をオリフィス室内に摺動自在に配置し、上
記板状部材とトラップケーシング一内面との間で弁・弁
座部を形成し、温度応動部材の変形により上記弁・弁座
部を開閉せしめるものである。
作用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。
蒸気使用機器の初期立上時においては、機器の温度は
常温まで低下しており低温のドレンが多量に発生する。
ドレンが低温の場合オリフィストラップ内の温度応動部
材は変形せず、板状部材とトラップケーシング一内面と
の間で形成した弁・弁座部は開弁している。従って多量
に発生した低温ドレンは、この開弁している弁・弁座部
および板状部材に設けたオリフィスを通って速やかに排
出される。
低温ドレンが排出され蒸気使用機器の温度が徐々に上
昇してくると発生するドレン量は減少すると共にその温
度も上昇する。ドレン温度が所定値まで上昇すると、温
度応動部材が変形して板状部材が摺動することにより弁
・弁座部は閉弁せしめられ、ドレンは板状部材に設けた
オリフィスのみを通って排出される。従って、蒸気使用
機器が定常状態となりドレンの発生量が少なくなっても
蒸気を漏洩することなくドレンのみを排出することがで
きる。
発明の効果 上記の様に本発明によれば、オリフィストラップへの
ドレンの流入量が変動しても、板状部材がオリフィス室
内を摺動することによって弁・弁座部を開閉弁して通過
流量を調整することにより、蒸気の漏洩やドレンの排出
不良を防止することができる。
実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する
(第1図及び第2図参照)。
入口部材1と出口部材2を締結部材としての袋ナット
3で締結してトラップケーシングを形成する。入口部材
1と出口部材2の端部にはそれぞれ配管接続用のめねじ
部4,5設ける。めねじ部4,5の間でトラップケーシング内
に形成されたほぼ円筒状のオリフィス室6に、板状部材
7を摺動自在に配置すると共にその中央部にオリフィス
8を設ける。オリフィス8の入口4側は円錐状部8aとす
る。板状部材7の外周にはトラップケーシングの内周と
の間に隙間部7a,b,c,d,e,fを設ける。板状部材7とオリ
フィス室6の出口5側端部との間に温度応動部材として
のコイル状の形状記憶合金9を配する。温度応動部材と
しては形状記憶合金以外のバイメタルやサーモワックス
あるいは液封ベローズ等を用いることもできる。入口部
材1のオリフィス室6側端部に弁座部を形成するための
合成樹脂や合成ゴムで製作したリング状の弁座部材10を
固定する。また、弁座部材10は別途材料で製作すること
なく入口部材1の該当部の仕上げ精度を上げることによ
り代替することもできる。弁座部材10に対向した板状部
材7の平面部11を弁部と成す。参照番号12は、出口部材
2に一端を固定し、他端をオリフィス8内貫通自在に形
成した断面略Y字状のオリフィス掃除棒である。
次に作用を説明する。
蒸気使用機器の初期立上時においては最初に低温のド
レンが多量に発生してオリフィストラップに流入してく
る。流入ドレンが低温の場合形状記憶合金9は変形を起
こすことなく(第1図に示す状態)板状部材7は弁座部
材10から離れている。従って、入口4から流入してきた
低温のドレンは、通過面積の大きな板状部材7の隙間部
7a,b,c,d,e,fを通って速やかに排出される。またこの場
合、オリフィス8部にはオリフィス掃除棒12が貫通して
おり(第1図に示す状態)、オリフィス8部にたまった
ドレン中の錆やカーボンやスケール等の異物を掃除して
円錐状部8aからオリフィス室6底部に至らしめる。
低温ドレンが排出されオリフィストラップへの流入ド
レン量が減少すると共にその温度が上昇し、あらかじめ
定めた温度に至ると形状記憶合金9は伸長し、板状部材
7は弁座部材10に着座すると共に、オリフィス掃除棒12
もオリフィス8の出口5側に位置し、入口4からのドレ
ンはオリフィス8を通してのみ排出される。従って、必
要以上に大きな通過面積ではなくなり蒸気を漏洩するこ
ともなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のオリフィストラップの実施例の断面
図、第2図は第1図におけるA−A線断面図である。 1:入口部材、2:出口部材 6:オリフィス室、7:板状部材 7a,b,c,d,e,f:隙間部 8:オリフィス、9:温度応動部材 10:弁座部材、12:オリフィス掃除棒

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トラップケーシングで入口とオリフィス室
    と出口を形成し、該オリフィス室に1個もしくは複数個
    のオリフィスを設けてドレンを外部に排出するものにお
    いて、オリフィスを板状部材に形成し、該板状部材とト
    ラップケーシング一内面との間に温度応動部材を配して
    上記板状部材をオリフィス室内に摺動自在に配置し、上
    記板状部材とトラップケーシング一内面との間で弁・弁
    座部を形成し、温度応動部材の変形により上記弁・弁座
    部を開閉せしめることを特徴とするオリフィストラッ
    プ。
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