JP2689770B2 - 密閉鍛造用金型 - Google Patents
密閉鍛造用金型Info
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- JP2689770B2 JP2689770B2 JP18070991A JP18070991A JP2689770B2 JP 2689770 B2 JP2689770 B2 JP 2689770B2 JP 18070991 A JP18070991 A JP 18070991A JP 18070991 A JP18070991 A JP 18070991A JP 2689770 B2 JP2689770 B2 JP 2689770B2
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- Japan
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- mandrel
- mold
- forged
- product
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベベルギヤに代表され
るような中空筒状の製品を密閉閉塞鍛造法によって製造
する際に使用される金型の構造に関する。
るような中空筒状の製品を密閉閉塞鍛造法によって製造
する際に使用される金型の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のディファレンシャル装置のピニ
オンギヤとして使用されるベベルギヤは浸炭鍛造法に製
造される。この浸炭鍛造法は、鍛造粗材を予め浸炭処理
した上で密閉閉塞鍛造法によって鍛造することを基本と
するもので、図4に示すように浸炭処理された中空円筒
状の鍛造粗材Wをマンドレル1に挿入しつつ上型(上ダ
イ)2と下型(下ダイ)3とで形成される製品部空間4
に収容し、鍛造粗材Wを下型3側に配したポンチ5で軸
心方向に押し込むことで所定のベベルギヤ形状に仕上げ
られる。なお、鍛造によって得られたベベルギヤGの形
状を図5に示す。
オンギヤとして使用されるベベルギヤは浸炭鍛造法に製
造される。この浸炭鍛造法は、鍛造粗材を予め浸炭処理
した上で密閉閉塞鍛造法によって鍛造することを基本と
するもので、図4に示すように浸炭処理された中空円筒
状の鍛造粗材Wをマンドレル1に挿入しつつ上型(上ダ
イ)2と下型(下ダイ)3とで形成される製品部空間4
に収容し、鍛造粗材Wを下型3側に配したポンチ5で軸
心方向に押し込むことで所定のベベルギヤ形状に仕上げ
られる。なお、鍛造によって得られたベベルギヤGの形
状を図5に示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような浸炭鍛造
法により製造されたベベルギヤGは、図6に示すように
後工程においてその背球面Fに機械加工が施されること
になるが、この機械加工時の切削代と機械加工後の残存
浸炭処理層Dの有効厚みとを考慮すると、ベベルギヤG
の歯面Qの歯すじ方向中央部と背球面Fとのなす厚み寸
法Hはかなり厳格に管理する必要がある。
法により製造されたベベルギヤGは、図6に示すように
後工程においてその背球面Fに機械加工が施されること
になるが、この機械加工時の切削代と機械加工後の残存
浸炭処理層Dの有効厚みとを考慮すると、ベベルギヤG
の歯面Qの歯すじ方向中央部と背球面Fとのなす厚み寸
法Hはかなり厳格に管理する必要がある。
【0004】例えば、鍛造粗材Wの段階での浸炭処理層
Dの深さを0.7〜0.8mm、背球面Fの機械加工時の
切削代aを0.3mm、機械加工後の背球面Fに必要な
浸炭処理層Dの有効厚みbを0.3mm以上と仮定する
と、上記の厚み寸法Hは規定寸法に対し±0.1mm以
内になるように管理されなければならない。
Dの深さを0.7〜0.8mm、背球面Fの機械加工時の
切削代aを0.3mm、機械加工後の背球面Fに必要な
浸炭処理層Dの有効厚みbを0.3mm以上と仮定する
と、上記の厚み寸法Hは規定寸法に対し±0.1mm以
内になるように管理されなければならない。
【0005】しかしながら、従来の金型構造では、鍛造
粗材Wの切断時にその材料ボリュームのばらつきの発生
が余儀なくされることから、図7に示すように上型2と
下型3との型合わせ面での余肉(ばり)Bの発生を容認
しなければならず、これによって製品部空間4が完全密
閉状態とならずに型合わせ面にわずかながら隙間Cが発
生して型開き加減になるとともにこの隙間Cがばらつく
ことになる。その結果、図6に示した厚み寸法Hを所定
の寸法公差内におさめることが困難となり、機械加工後
の背球面Fに黒皮が残ったり、あるいは浸炭処理層Dが
完全に切除されてしまうなど品質の向上に限界がある。
粗材Wの切断時にその材料ボリュームのばらつきの発生
が余儀なくされることから、図7に示すように上型2と
下型3との型合わせ面での余肉(ばり)Bの発生を容認
しなければならず、これによって製品部空間4が完全密
閉状態とならずに型合わせ面にわずかながら隙間Cが発
生して型開き加減になるとともにこの隙間Cがばらつく
ことになる。その結果、図6に示した厚み寸法Hを所定
の寸法公差内におさめることが困難となり、機械加工後
の背球面Fに黒皮が残ったり、あるいは浸炭処理層Dが
完全に切除されてしまうなど品質の向上に限界がある。
【0006】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、鍛造時の余肉の逃
げを吸収する機能を備えながら上型と下型との間の隙間
の発生を防止し、これによって製品を所定の寸法公差内
におさめることができるようにした金型構造を提供する
ことにある。
たもので、その目的とするところは、鍛造時の余肉の逃
げを吸収する機能を備えながら上型と下型との間の隙間
の発生を防止し、これによって製品を所定の寸法公差内
におさめることができるようにした金型構造を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上型と下型と
で形成される製品部空間の中心部にマンドレルを配設
し、中空円筒状の鍛造粗材をマンドレルに挿入しつつ製
品部空間に収容した上で、上下型のうちいずれか一方の
型に設けられたポンチにより鍛造粗材を軸心方向にすえ
込むことで中空筒状の製品を密閉鍛造するようにした金
型において、マンドレルを鍛造粗材の長手方向のほぼ中
間部で上マンドレルと下マンドレルとに分割し、上マン
ドレルと下マンドレルとの突き合わせ部に鍛造粗材の余
肉の逃げを受容する空間部を形成したことを特徴として
いる。
で形成される製品部空間の中心部にマンドレルを配設
し、中空円筒状の鍛造粗材をマンドレルに挿入しつつ製
品部空間に収容した上で、上下型のうちいずれか一方の
型に設けられたポンチにより鍛造粗材を軸心方向にすえ
込むことで中空筒状の製品を密閉鍛造するようにした金
型において、マンドレルを鍛造粗材の長手方向のほぼ中
間部で上マンドレルと下マンドレルとに分割し、上マン
ドレルと下マンドレルとの突き合わせ部に鍛造粗材の余
肉の逃げを受容する空間部を形成したことを特徴として
いる。
【0008】
【作用】この構造によると、鍛造の進行に伴って発生す
る余肉は上マンドレルと下マンドレルの突き合わせ部の
空間部に逃げるために、従来のように上型と下型との型
合わせ面に隙間が発生することがなく、常に完全密閉状
態で鍛造を行うことができるようになる。
る余肉は上マンドレルと下マンドレルの突き合わせ部の
空間部に逃げるために、従来のように上型と下型との型
合わせ面に隙間が発生することがなく、常に完全密閉状
態で鍛造を行うことができるようになる。
【0009】
【実施例】図1の(A),(B)は本発明の一実施例を
示す図で、図4と共通する部分には同一符号を付してあ
る。
示す図で、図4と共通する部分には同一符号を付してあ
る。
【0010】図1の(A),(B)に示すように、マン
ドレル6は製品たるベベルギヤGのほぼ中間部において
上マンドレル7と下マンドレル8とに分割されており、
これら上マンドレル7と下マンドレル8は上型2と下型
3との型合わせ時もしくは型合わせに先立って相互に突
き合わされる。上マンドレル7の下端面にはテーパコー
ン状の突起9が形成されており、他方、下マンドレル8
の上端面には突起9に対応する凹部10が形成されてい
る。
ドレル6は製品たるベベルギヤGのほぼ中間部において
上マンドレル7と下マンドレル8とに分割されており、
これら上マンドレル7と下マンドレル8は上型2と下型
3との型合わせ時もしくは型合わせに先立って相互に突
き合わされる。上マンドレル7の下端面にはテーパコー
ン状の突起9が形成されており、他方、下マンドレル8
の上端面には突起9に対応する凹部10が形成されてい
る。
【0011】そして、上マンドレル7と下マンドレル8
との突き合わせ時には、突起9と凹部10とを嵌合させ
ることにより上マンドレル7と下マンドレル8との芯出
しが行われるとともに、両者の間に突起9を中心とする
環状の空間部11が形成される。
との突き合わせ時には、突起9と凹部10とを嵌合させ
ることにより上マンドレル7と下マンドレル8との芯出
しが行われるとともに、両者の間に突起9を中心とする
環状の空間部11が形成される。
【0012】したがって、図2に示すように中空円筒状
の鍛造粗材Wをマンドレル6に挿入しつつ製品部空間4
に収容した上で、ポンチ5により鍛造粗材Wをその軸心
方向にすえ込んで鍛造を行うと、余肉Bは図1の(B)
に示すように空間部11で逃げるために上型2と下型3
との間には隙間が発生せず、製品部空間4を完全な密閉
閉塞状態に維持できる。
の鍛造粗材Wをマンドレル6に挿入しつつ製品部空間4
に収容した上で、ポンチ5により鍛造粗材Wをその軸心
方向にすえ込んで鍛造を行うと、余肉Bは図1の(B)
に示すように空間部11で逃げるために上型2と下型3
との間には隙間が発生せず、製品部空間4を完全な密閉
閉塞状態に維持できる。
【0013】しかも、鍛造過程ではポンチ5によるすえ
込みのために、製品部空間4のうちベベルギヤGの最大
径部側から順に材料が充満してゆくことになるために欠
肉等の発生は全くなく、製品部空間4の形状に忠実なベ
ベルギヤGが得られる。
込みのために、製品部空間4のうちベベルギヤGの最大
径部側から順に材料が充満してゆくことになるために欠
肉等の発生は全くなく、製品部空間4の形状に忠実なベ
ベルギヤGが得られる。
【0014】また、上記の鍛造によって得られたベベル
ギヤGの内筒面Eには図3に示したように余肉Bが付帯
することになるが、この余肉Bは後工程の機械加工時に
切削除去される。この場合、余肉Bが切削除去されるこ
とにより内筒面Eの中央部では浸炭処理層Dが局部的に
深く削り取られることになるが、その位置からしてベベ
ルギヤGの機能や要求強度の上で問題となるようなこと
はない。
ギヤGの内筒面Eには図3に示したように余肉Bが付帯
することになるが、この余肉Bは後工程の機械加工時に
切削除去される。この場合、余肉Bが切削除去されるこ
とにより内筒面Eの中央部では浸炭処理層Dが局部的に
深く削り取られることになるが、その位置からしてベベ
ルギヤGの機能や要求強度の上で問題となるようなこと
はない。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、製品部空
間の中心部に配設されるマンドレルを、鍛造粗材の長手
方向のほぼ中央部で上マンドレルと下マンドレルとに分
割し、その上マンドレルと下マンドレルとの突き合わせ
部に鍛造粗材の余肉の逃げを受容する空間部を形成した
ことにより、従来のように余肉の発生に伴って上型と下
型との間に隙間が発生することがなく、製品部空間を常
に完全密閉状態に維持できることから製品部空間の容積
がばらつくことがなく、規定の寸法および形状に忠実な
製品が得られるようになって品質が向上する。
間の中心部に配設されるマンドレルを、鍛造粗材の長手
方向のほぼ中央部で上マンドレルと下マンドレルとに分
割し、その上マンドレルと下マンドレルとの突き合わせ
部に鍛造粗材の余肉の逃げを受容する空間部を形成した
ことにより、従来のように余肉の発生に伴って上型と下
型との間に隙間が発生することがなく、製品部空間を常
に完全密閉状態に維持できることから製品部空間の容積
がばらつくことがなく、規定の寸法および形状に忠実な
製品が得られるようになって品質が向上する。
【0016】特に鍛造粗材を予め浸炭処理する浸炭鍛造
法に適用した場合には、上記のように寸法および形状精
度が向上することによって、鍛造後の製品の外表面に浸
炭処理層を均等に残すことができる利点がある。
法に適用した場合には、上記のように寸法および形状精
度が向上することによって、鍛造後の製品の外表面に浸
炭処理層を均等に残すことができる利点がある。
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(A)は鍛造終
了直後の断面図、(B)は同図(A)の要部拡大図。
了直後の断面図、(B)は同図(A)の要部拡大図。
【図2】本発明の一実施例を示す図で、鍛造が開始され
る前の状態を示す断面図。
る前の状態を示す断面図。
【図3】図2の金型構造によって製造されたベベルギヤ
の断面図。
の断面図。
【図4】従来の密閉鍛造用金型の一例を示す断面図。
【図5】図4の金型によって製造されたベベルギヤの斜
視図。
視図。
【図6】図5に示すベベルギヤの半断面図。
【図7】図4の金型により鍛造を行った場合の余肉の発
生状態を示す断面図。
生状態を示す断面図。
2…上型 3…下型 4…製品部空間 5…ポンチ 6…マンドレル 7…上マンドレル 8…下マンドレル 11…空間部 B…余肉 G…ベベルギヤ(製品) W…鍛造粗材
Claims (1)
- 【請求項1】 上型と下型とで形成される製品部空間の
中心部にマンドレルを配設し、中空円筒状の鍛造粗材を
マンドレルに挿入しつつ製品部空間に収容した上で、上
下型のうちいずれか一方の型に設けられたポンチにより
鍛造粗材を軸心方向にすえ込むことで中空筒状の製品を
密閉鍛造するようにした金型において、 マンドレルを鍛造粗材の長手方向のほぼ中間部で上マン
ドレルと下マンドレルとに分割し、上マンドレルと下マ
ンドレルとの突き合わせ部に鍛造粗材の余肉の逃げを受
容する空間部を形成したことを特徴とする密閉鍛造用金
型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18070991A JP2689770B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 密閉鍛造用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18070991A JP2689770B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 密閉鍛造用金型 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0523777A JPH0523777A (ja) | 1993-02-02 |
JP2689770B2 true JP2689770B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=16087944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18070991A Expired - Lifetime JP2689770B2 (ja) | 1991-07-22 | 1991-07-22 | 密閉鍛造用金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2689770B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8309019B2 (en) * | 2007-02-12 | 2012-11-13 | Gkn Sinter Metals, Llc | Powder metal forging and method and apparatus of manufacture |
JP4900713B2 (ja) * | 2007-09-25 | 2012-03-21 | コンドーセイコー株式会社 | 冷間鍛造による平歯車の製造方法 |
WO2020210045A1 (en) * | 2019-04-12 | 2020-10-15 | Gkn Sinter Metals, Llc | Variable diffusion carburizing method |
CN114309442B (zh) * | 2021-11-16 | 2023-08-11 | 上海纳铁福传动系统有限公司 | 一种汽车万向节内星轮的球道免铣加工方法 |
-
1991
- 1991-07-22 JP JP18070991A patent/JP2689770B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0523777A (ja) | 1993-02-02 |
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