JP2688883B2 - アルカリ電池用封口体の製造方法 - Google Patents

アルカリ電池用封口体の製造方法

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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密封型アルカリ電池に
おける防爆型電池用封口体の射出形成による製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】密封型アルカリ電池において、過放電や
機器への装填ミスでの充電などにより、異常なガスが発
生することがあり、最悪の場合は爆発事故を招く虞があ
る。通常、この事故防止の安全対策として、防爆安全弁
を設ける方法が採られている。本発明は、熱可塑性樹脂
製の封口体に極めて薄い肉薄部を設け、電池内圧が所定
の圧力を越えるとその肉薄部が破れ、ガスを外部に排出
するようにした封口体を対象とするものである。この樹
脂製封口体は肉薄部を0.1〜0.2mm程度に極めて
薄くしないと所定の圧力を越ても破れず、ガス排出機能
が働かない。
【0003】その封口体は通常、溶融樹脂の射出成形に
より製造されているが、いままでの製造方法において
は、防爆安全弁としての極薄の肉薄部においてウエルド
や樹脂接合不良が発生しやすく、この肉薄部にウエルド
や樹脂接合不良があると所定圧力よりも低い内圧で作動
したり、アルカリ電解液が漏出するといった問題が生じ
る。このために肉薄部にはウエルドを皆無にする必要が
ある。しかしその肉薄部にウエルドを発生させないで形
成することは技術的に非常に困難であった。
【0004】その理由は、溶融樹脂はキャビテイの隙間
の広い部分に向って主として流れる性質があり、一旦流
速が低下すると金型に熱を奪われて急速に冷却凝固が始
まって粘度が低下し、その部分の流速が増々低下し、流
れは流動性の高い所に集中する性質がある。射出ゲ−ト
から充填される溶融樹脂の流れは肉薄部を構成する金型
の環状の肉薄部に当り、この流入空間が極めて狭いため
に粘度がある樹脂はここで塞ぎ止められる。この肉薄部
に接触している溶融樹脂の流れの一時停止を起因とし
て、ボス部に各種欠陥が発生する。
【0005】従来の方法の場合、溶融樹脂の流れが肉薄
部に一旦達すると流れがそこで足踏みし、肉厚部に主に
流れが向い、その肉厚部が充填された後に肉薄部に押出
されることとなる。この足踏みしている間に金型に熱を
奪われ急速に冷却凝固が始り、肉薄部の樹脂流れ先端の
流動性が低下する。このために、充填時間のズレが溶融
樹脂の流れの先端部の流動性が低下した部分と流動性が
高い部分の合流点が肉薄部にできやすい。この部分では
溶融樹脂が均一に融合せずにウエルドや樹脂接合不良が
発生することになる。
【0006】この難点を避けるために、例えば、まず肉
薄部のない樹脂製封口体を製造し、後で切削や超音波加
工にて肉薄部を形成する方法が行なわれていたが、この
場合は後加工のために高額の設備投資を必要とし、また
後加工の工賃を含めると製品コストが割高になってしま
うといった別の難点があった。したがって、通常は、始
めから肉薄部を設けた状態で溶融樹脂を一度に射出成形
する方法での各種工夫がなされているのである。
【0007】この射出成形方法の場合、射出ゲ−トの位
置においては、大別して図2に示すように2通りの方法
が採られている。一つは図2に示すように肉薄部の内部
中心ボス部側に射出ゲ−ト10を位置させる方法であ
る。もう一つは同図に示す肉薄部の外部に射出ゲ−ト9
を位置させる方法であり、この場合、図のように射出ゲ
−ト11を肉薄部に近づける方法がある。(なお同図中
の符号8はキャビティ)
【0008】肉薄部の外周部に射出ゲ−トを位置させる
方法においては、充填される溶融樹脂の流れは肉薄部を
構成する金型の環状の肉薄部に到達し、流入空間が極め
て狭いために粘度がある樹脂はここで塞ぎ止められる。
ここで塞ぎ止められた樹脂は迂回して流れ肉薄部外周部
に流入して行き、肉薄部外周部が充満するとキャビティ
の内圧が高まり、一番流動性の高い部分である射出ゲ−
トの対向側より肉薄部を通過する。そして、前述の樹脂
が最初に到達して金型に熱を奪われて急速な冷却凝固に
よって相対的な流れ抵抗が大きくなり肉薄部を通過でき
ずにいるところへ、最終的に肉薄部内の中央ボス部に流
入した樹脂と肉薄部にて合流することになるが、その合
流部分では縦のウエルドラインや接合不良が発生する。
さらに封口体中央ボス部には射出ゲ−ト側に深い縦のウ
エルドラインや接合不良が発生する。
【0009】また、封口体中央ボス部には集電棒の圧入
孔があるが、環状肉薄部での部分的凝固による充填圧力
の圧損が大きく中央ボス部の樹脂密度が低下しボイドや
ヒケを起こしたり、さらに中央ボス部に深いウエルドを
発生させたりする場合がある。これらボイド、ヒケ、ウ
エルドが発生すると、その部分の強度が低下し、集電棒
を圧入(圧入孔の径に対して集電棒の径は約20%程大
きいので大きく拡張される)した時、破損が生じやすく
なる。上述のような理由によって、封口体の安全弁や密
封性としての重要な機能や、集電棒の圧入における破損
が頻繁に起こり、電池内のアルカリ電解液が漏出して品
質安定に重大な障害となっていた。
【0010】また、肉薄部の内部中心ボス部側に射出ゲ
−トを位置させる方法においては、中心ボス部側から肉
薄部を通じ外部側へ樹脂を充填させるべく封口体中心ボ
ス部より樹脂を流し込む方法で、中心ボス部端面から環
状フイルムゲ−ト、またはピンゲ−トにて樹脂を充填さ
せる方法がある。この方法では肉薄部でのウエルドは比
較的小さくて済むが、圧入孔に集電棒を圧入により組み
立てする時、射出ゲ−ト切断面に残る微小なクラックや
その対向側に生じる深い縦のウエルド、または流れの配
向といった集電棒圧入に対する耐圧入強度上の欠点があ
り、射出ゲ−ト付近における樹脂の強度不均一によっ
て、集電棒圧入部に近いために小さい変形が生じても容
易に集電棒圧入割れを起こすことが知られている。そし
てこのことがアルカリ電解液の漏液事故が頻繁に発生す
る原因の大きなウエイトを占めていた。
【0011】これら両者の方法に対して、環状肉薄部で
の部分的凝固を極力さけるために、本発明者らによって
射出ゲ−トを肉薄部外周部に複数設ける方法(特願平3
−342433)が提案されている。その方法とによっ
て品質が大きく改善されたが、それでも充填速度が遅い
場合は、合流部分ではウエルドラインや接合不良が発生
することがあり、完全に解決されたわけではないことが
わかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の上記
のような実情に鑑みてなされたもので、封口体の中心の
ボス部とそのボス部と同心状の環状肉薄部に発生するウ
エルド及びウエルド部の接合不良、さらにはボス部の密
度低下、ボイド発生等による強度低下をなくし、封口体
の安全弁や密封性としての重要な機能を充分確保し、均
一で強度的に優れた高品質の封口体の製造方法を提供す
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、防爆安全弁機能としての環状の肉薄部を
有する熱可塑性樹脂製封口体の射出形成による製造方法
において、封口体の中心集電棒圧入肉厚ボス部と肉厚外
周部との間に、そのボス部と同心環状の防爆肉薄部4と
その防爆肉薄部4から所定距離をおいて同心環状の堰止
肉薄部5を形成すると共に両肉薄部間に射出ゲ−トを設
けた金型を作成する。そして溶融樹脂の注入において、
まず周囲が堰止め状態である両肉薄部4,5間の環状通
路空間7を一気に先行充填してこの内圧を瞬時に均一に
高め、次に溶融樹脂の流れを両肉薄部からボス部及び外
周部へ向う流れを均一な同心円状に発生させて、ウエル
ドが全く発生しない防爆肉薄部4を得ると共にボス部に
は均一且つ高耐圧入強度の封口体を得るものである。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって説明すると、本発明
による封口体1を用いた密封型アルカリ電池単三型の内
部構造を示す図6において、熱可塑性樹脂製の封口体1
に極めて薄い環状の防爆肉薄部4(防爆弁)を設け、電
池内圧が所定の圧力を越えるとその防爆肉薄部4が破
れ、ガスを外部に排出するように事故防止の安全対策を
してある。この樹脂製封口体1の防爆肉薄部4は0.1
〜0.2mm程度に極めて薄くしないと所定の圧力を越
ても破れず、ガス排出機能(防爆機能)が働かない。
【0015】本発明による封口体1は、その中心にある
集電棒Sが圧入される肉厚ボス部2と、その肉厚ボス部
2周囲の電池外郭Gを封口する肉厚外周部3との間に、
厚さ0.15〜0.25mmの環状の防爆肉薄部4とそ
の防爆肉薄部4から2〜3mm外周部に同心で厚さ0.
2〜0.35mmの環状の堰止肉薄部5を形成する。
【0016】前記防爆肉薄部4と堰止肉薄部5との関係
は各種態様が可能であり、前記実施例とは別に、配設位
置を逆に厚さ0.2〜0.35mmの堰止肉薄部5から
2〜3mm外周部に同心で厚さ0.15〜0.25mm
の防爆肉薄部4を形成してもどちらでも良いが、安全弁
作動の確実性から前者が好ましい。また、両肉薄部は同
等の厚さでも良いが、堰止肉薄部5を多少厚くして作動
破断が防爆肉薄部4に確実に起こるようにしたほうが良
い。さらに、肉薄部4,5は封口体1の表裏いずれに設
置しても良く、平面形状は必ずしも真円でなくても良
い。また、肉薄部5の厚さは均一でなくてもバランスが
とれていれば部分的に変えることもできる。
【0017】図1の(ロ)に示すように金型Kには、そ
の両肉薄部4,5の溝幅中央に図1の(イ)に示すよう
に等分度間隔に3箇所の射出ゲ−ト6,6,6を設け
る。そして、溶融樹脂の注入において、まず内外周囲が
堰止め状態である内外両肉薄部4,5内の環状通路空間
7を瞬時に先行充填し、次に溶融樹脂Mの流れを肉薄環
部4,5からボス部2及び外周部3へ向う同心円状に発
生させることによって、ウエルドラインが全く発生しな
いようにする。この三点射出ゲ−トの場合を、図3に示
す溶融樹脂Mの流れに添って以下詳しく説明する。
【0018】まず溶融樹脂はM、加圧されてランナ−を
経て分岐ランナ−(口径2.5mm)から射出ゲ−ト
(射出口径0.7mm)6,6,6を通り金型内キャビ
ティに入る。キャビティ環状通路空間7に流れ込んだ後
の溶融樹脂Mは図3に示す(イ)〜(ヘ)の順序で充填
される。その順したがって説明すると、 (イ) 図の三箇所の黒点が射出ゲ−ト6の位置で、こ
の射出ゲ−ト6から内外両肉薄部4,5間の比較的広い
環状通路空間7に溶融樹脂Mが流入して行く。 (ロ) 溶融樹脂Mの流れ先端はそれぞれ最初に当る両
肉薄部D、Eへ到達し、その先の通過面積が狭いのでこ
こで堰止められ、部分的に若干冷却されて侵入速度が低
下する。そして堰止められて溶融樹脂Mの流れが円周方
向(矢印方向)に向う。
【0019】(ハ) 溶融樹脂Mの円周方向の流れ先端
部はFで合流する (ニ) 内外両肉薄部4,5間の比較的広い環状通路空
間7が充満する。ここまでの段階においては、射出ゲ−
ト6から流入後の時間が極めて短いので、溶融樹脂Mの
円周方向での先端部はウエルドが溶け合って一体とな
る。 (ホ) 内外両肉薄部4,5間の充満によってキャビテ
ィの内圧が高まり、溶け合って殆ど一体となった一番流
動性の高い部分の溶融樹脂Mはそこの部分(図のJ、K
部)から先に肉薄部4,5を通過して、一方はボス部2
へ、他方は外周部3へ流出する。その際、キャビティの
内圧によって最初に両肉薄部D、Eに到達した部分も僅
か遅れるが殆ど同心円状を成して放射方向に向って流出
する。 (ヘ) 最後にボス部2及び外周部3の全体に溶融樹脂
が満たされる。そして、冷却固化したら、射出ゲ−ト6
が切断されて金型から外され、封口体1ができ上がる。
【0020】以上の三点射出ゲ−ト6の場合で説明した
が、一点及び二点射出ゲ−トの場合であっても内外両肉
薄部4,5による堰止め効果があるためウエルドライン
は殆ど発生しないが、高速均一充填性から等配多点ゲ−
トが望ましい。また、複数の各射出ゲ−トからの射出の
タイミングを同一とするためには、溶融樹脂Mが分岐ラ
ンナ−を通過して射出ゲ−ト6までの到達時間が相等し
くなることが好ましく、射出ゲ−ト6の位置は等分度で
内外両肉薄部4,5の溝幅中間が好ましい。なお、溶融
樹脂Mの流入充填過程は射出ゲ−トの数がいずれであっ
ても殆ど同じである。
【0021】
【比較例1】本発明との比較のために従来の方法を説明
すると、図4の(イ)に示すように、左端が一点射出ゲ
−トP位置(図2の射出ゲ−ト9の場合と同じ位置)
で、まず図の(イ)に示すように射出ゲ−トPから広い
空間に流入して行く。次に、溶融樹脂の最初の肉薄部の
A位置へ到達する。そして、(ロ)に示すように、最初
の肉薄部においては冷却されて侵入速度が停止するので
流れが大きく射出ゲ−ト位置の反対側まで迂回合流し、
肉薄部外周部が充満するとキャビティの内圧が高まり、
一番流動性の高い部分である図の右の位置Bから中心部
に流入する。この状態を(ハ)に示す。そして中心部に
溶融樹脂が満たされ((ニ)に示す)た後、(ホ)に示
すように最後に肉薄部(A位置)と後から流入した位置
B(肉薄部内の位置)において接続して((ヘ)に示
す)冷却固化し、射出ゲ−ト部が切断され金型から外さ
れる。この場合前記A位置とB位置との時間差が大きい
ので肉薄部内のA、B合流位置及びその延長であるC位
置までの間に集中的にウエルド及び接合不良が発生しや
すい。
【0022】
【比較例2】また三点射出ゲ−トの場合は図5の(イ)
に示すように、肉薄部の寄りの黒点Q位置が射出ゲ−ト
の位置(図2の射出ゲ−ト11の場合と同じ)で、まず
3箇所から図5の(イ)に示すように広い外周肉厚部空
間に流入して行く。次に、溶融樹脂の最初の肉薄部のA
位置へ到達する。そして、(ロ)に示すように、最初の
肉薄部においては冷却されて侵入速度が停止するので流
れが、肉薄部外周部へ向いその肉薄部外周部が充満する
とキャビティの内圧が高まり、一番流動性の高い部分で
ある図のB位置から肉薄部を通りボス部に流入する。こ
の状態を(ハ)に示す。そしてボス部に溶融樹脂が一番
流動性の高い部分(図のB)を先頭に流入して(図の
(ニ)B)、充満後、最後に肉薄部でのA位置と後から
流入したB位置(肉薄部内の位置)において冷却固化
し、射出ゲ−ト部が切断され金型から外される。この場
合前記一点射出ゲ−トに比較してA位置とB位置との時
間差はより少ないが、それでも肉薄部にウエルド及び接
合不良の発生を完全になくすことは難しい。なお、射出
ゲ−ト数が多いほど充填時間が短くなり、冷却凝固の影
響は少なくなる傾向がある。
【0023】以上の従来技術としての比較例1,2と本
発明とを比較すると、溶融樹脂の最初の肉薄部への到達
先行部の流れはいずれも同じであるが、その後は本発明
の堰止肉薄部5があるか否かで全く異なる流れ方をし、
本発明においては肉薄部にウエルドが生じないのに対し
て、比較例1,2のように堰止肉薄部5がないとウエル
ドラインの発生を完全に防ぐことができないことが明白
である。さらに、例えば中央ボス部に射出ゲ−トを設け
る方法を採ると、射出ゲ−ト切断面に必ず残る微小なク
ラックやウエルド、また射出ゲ−ト付近における樹脂の
強度不均一等によって、集電棒圧入割れを起こす可能性
が高いという欠点がある。
【0024】
【作用】樹脂製封口体1は構造上防爆肉薄部4は均一の
厚さ強度を要し、中心ボス部2は集電棒Sを圧入するの
で高強度であり、外周部3は均一な強度を必要とされ
る。本発明は、上述のような製造方法なので、防爆肉薄
部4にウエルドが全く生じない構成なので均一の厚さと
強度を確保できる。また、溶融樹脂Mが同心円形状に一
度に防爆肉薄部4を通過するので、中央のボス部2にお
いても、射出ゲ−ト6の切断面に生じる微小なクラック
や、密度低下によるボイドの発生が少なくなる。たとえ
ウエルドが発生したとしても溶融樹脂Mが殆ど同心円状
を成して放射方向に向って流出するので、縦方向には発
生せず水平方向に起こる。このようにできた封口体1の
圧入孔から集電棒Sを圧入しても(圧入孔の径に対して
集電棒の径は約20%程大きいので大きく拡張され
る)、引張り方向(水平方向)にあるウエルドは強度的
に弱点とはならない。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上の構成であるので、従来
の製造方法に比べると、製造される製品には、防爆肉薄
部4にウエルド及びウエルド部の接合不良が発生せず、
環状肉薄部の安全弁としての防爆機能が阻害されること
がないので大変安全である。また、ボス部2への充填も
均一に行なわれ、密度低下、ボイド発生がなくなり、集
電棒Sの圧入によるクラックの発生がなくなり、安定し
た高品質の製品が得られる。特にこの商品はアルカリ電
池に供され、何らかの原因でガス発生による内圧の上昇
で安全弁が機能しないと人身にかかわる重要部品で、大
量生産されるものであり、欠陥品の混入を防止する点で
大きな効果を期待できる。厳重なる品質検査が膨大な検
査工程をもって成され、それでも混入の危険性を脱し得
ない場合があることの現状を見るに品質向上、工程削
減、歩留り向上などの波及効果は計りしれないものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す(イ)が平面図、(ロ)
がその金型のA−A線縦断側面図。
【図2】従来例を示す金型の縦断側面図。
【図3】本発明の充填経過を示し、(イ)が射出ゲ−ト
溶融樹脂が流入時、(ロ)が流れ先端が両肉薄部へ到達
時、(ハ)が流れ先端の合流時、(ニ)が環状通路空間
に充満時、(ホ)が肉厚部へ流出時、(ヘ)が全体に溶
融樹脂が充満時、の各模式的平面図。
【図4】従来の一点射出ゲ−トの場合の、(イ)から
(ヘ)の順に充填経過を示す模式的平面図。
【図5】従来の三点射出ゲ−トの場合の、(イ)から
(ホ)の順に充填経過を示す模式的平面図。
【図6】本発明による封口体の使用状態を示すアルカリ
電池の要部の組立て縦断側面図。
【符合の説明】
1 封口体 2 ボス部 3 外周部 4 防爆肉薄部 5 堰止肉薄部 6 射出ゲ−ト 7 環状通路空間 K 金型 M 溶融樹脂 S 集電棒 G 電池外郭

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防爆安全弁機能としての環状の肉薄部を
    有する熱可塑性樹脂製封口体の射出形成による製造方法
    において、封口体の中心集電棒圧入肉厚ボス部と肉厚外
    周部との間に、そのボス部と同心環状の防爆肉薄部
    (4)とその防爆肉薄部(4)から所定距離をおいて同
    心環状の堰止肉薄部(5)を形成すると共に両肉薄部
    (4),(5)間に射出ゲ−トを設けた金型を作成し、
    溶融樹脂の注入において、まず周囲が堰止め状態である
    両肉薄部間の環状通路空間(7)を一気に先行充填して
    この内圧を瞬時に均一に高め、次に溶融樹脂の流れを両
    肉薄部からボス部及び外周部へ向う流れを均一な同心円
    状に発生させて、ウエルドが全く発生しない防爆肉薄部
    (4)を得ると共にボス部には均一且つ高耐圧入強度の
    封口体を得ることを特徴とするアルカリ電池用封口体の
    製造方法。
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