JP2688852B2 - 耐食性塗料組成物 - Google Patents

耐食性塗料組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は耐食性及びカチオン電着塗装性に優れた塗膜
を鋼板に形成できる塗料組成物に関する。
<従来の技術及びその解決すべき課題> 近年、自動車車体、家電製品等の各種用途に使用され
る鋼板として、耐食性のよい表面処理鋼板が多く利用さ
れるようになってきた。このような表面処理鋼板として
は亜鉛メッキ鋼板を代表的なものとして挙げることがで
きるが、例えば自動車車体内板や袋構造部及びヘミング
部に適用される場合においては、その要求性能に充分対
応出来ず、そこでメッキ鋼板の上に有機塗膜を施し、更
にカチオン電着塗膜を施すことで耐食性を向上させる方
法が採用されるようになってきた。そのため表面処理鋼
板は、それ自体の高耐食性とともに、カチオン電着塗装
性のよいものが要求されるようになってきている。
しかるにこれら両特性を満足する実用性のある表面処
理鋼板は未だ開発されてない。
例えば、特公昭45−24230号、特公昭47−6882号の公
報に記載の亜鉛粉末を多量に含有せしめた皮膜を施した
表面処理鋼板は、プレス加工により皮膜が剥離しやす
く、耐食性に問題点があった。
また、特開昭57−108292号、特開昭60−50179号、特
開昭60−50180号、特公昭54−34406号等の公報に記載の
亜鉛合金メッキ鋼板に有機−無機複合皮膜を施した表面
処理鋼板は、カチオン電着塗装性に必要な皮膜の通電性
が不均一なため、カチオン電着塗膜にガスピンホール、
クレーター等の塗膜欠陥が生じやすくなる問題点があっ
た。
また、特開昭61−60766号、特開昭63−83172号、特公
昭63−2310号等の公報に記載の亜鉛、カーボンブラッ
ク、アルミニウム等の導電性物質を多量に含有せしめた
皮膜を施した表面処理鋼板は通電性がよいためカチオン
電着塗装性に優れているが、薄膜塗装した時の平滑性が
悪いため塗膜外観が悪く、更に加工により皮膜が剥離し
やすいため、耐食性に問題点があった。
また、特開昭63−357798号等の公報に記載の、カチオ
ン電着塗装性改良のため親水性ポリアミド樹脂を配合し
た皮膜を亜鉛合金メッキ鋼板に施した表面処理鋼板は、
電着前処理におけるアルカリ処理で皮膜が剥離しやす
く、耐食性に問題点があった。
更に、特開昭62−11733号等の公報に記載の、薄膜皮
膜を施した表面処理鋼板に、カチオン電着塗装性を良く
するため、ロールスキンパス等で皮膜にクラックを形成
させる方法は、処理工程が増加するだけでなく、クラッ
クを形成しているため耐食性に問題点があった。
<発明の目的> 本発明は、このような現状に鑑み、耐食性とともにカ
チオン電着塗装性に優れた表面処理鋼板を得るための塗
料組成物を提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討し
た結果、以下の成分: (i)ビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格と
の重量比率(95:5〜60:40)からなるビスフェノール骨
格と、エピクロルヒドリン骨格とより構成される、1分
子中に2個以上のエポキシ基を有するビスフェノール型
エポキシ樹脂を第1級及び/又は第2級のアミン化合物
で変性させた変性エポキシ樹脂、及び (ii)シリカ粒子、 を含む耐食性塗料組成物により上記目的が達成されるこ
とを見い出し、本発明に到達したものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明の塗料組成物を構成する変性エポキシ樹脂
(i)のアミン化合物で変性する前のビスフェノール型
エポキシ樹脂はビスフェノールAとビスフェノールFと
からなるビスフェノール類と、エピクロルヒドリンとを
常法に従って縮合反応せしめた、ビスフェノール骨格と
エピクロルヒドリン骨格とより構成される、1分子中に
2個以上のエポキシ基を有する樹脂であり、好ましくは
分子量約500〜100,000の樹脂である。前記ビスフェノー
ル類とエピクロルヒドリンとの縮合反応は、ビスフェノ
ールAとビスフェノールFとを混合し、同時にエピクロ
ルヒドリンと反応させるのが適当であるが、ビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリンとを反応させ、更にビスフ
ェノールFを加え反応させて得られるエポキシ樹脂ある
いはビスフェノールFとエピクロルヒドリンとを反応さ
せ、更にビスフェノールAを加え反応させて得られるエ
ポキシ樹脂も本発明に含まれる。
ところでビスフェノール類としてビスフェノールAの
みから得られる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、
得られる塗膜が耐水性、耐薬品性等に優れ、かつ鋼板と
の密着性、上塗塗膜との密着性に優れている一方、塗膜
は、硬くて可撓性に劣り、また電気絶縁性であるためカ
チオン電着塗装性がやや劣るものであった。
そこで本発明者らはビスフェノールA型エポキシ樹脂
にビスフェノールF型エポキシ樹脂をブレンドしたもの
を試みたが、耐食性が低下し、またカチオン電着塗装性
も向上しないことが判明した。一方、ビスフェノールA
骨格とビスフェノールF骨格との特定比率からなるビス
フェノール骨格と、エピクロルヒドリン骨格とより構成
される1分子中に2個以上のエポキシ基を有するビスフ
ェノール型樹脂を使用した場合、予想外にも耐食性とと
もにカチオン電着塗装性も大巾に改良されることが分っ
た。
すなわち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、一般
で示される樹脂であるが、式中のビスフェノールA骨格
の一部にビスフェノールF骨格を置換、導入することで
ビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも親水性を示すよ
うになり、カチオン電着塗装時塗膜の通電抵抗が下が
り、膜全体が電気的に均一となるため、カチオン電着塗
装性がよくなるものと思われる。またビスフェノールA
型エポキシ樹脂は耐食性のよい樹脂として知られている
が、薄膜塗装した場合、鋼板素地表面粗さを完全に被覆
出来ず、水分や酸素が侵入し、耐食性が悪くなるが、ビ
スフェノールA骨格の一部にビスフェノールF骨格を置
換、導入することでガラス転移点が下り、得られる塗膜
が柔軟性をもつようになり、塗膜中に侵入した水分や酸
素が容易に系外へ出ていくため耐食性も向上するものと
思われる。
このような効果が発揮されるためにはビスフェノール
A骨格とビスフェノールF骨格の重量比率は(95:5〜6
0:40)のものが適当である。前記範囲よりビスフェノー
ルA骨格が多くなると、ビスフェノールF骨格で置換す
る前記効果が十分認められなくなり、逆に前記範囲より
ビスフェノールA骨格が少なくなると塗膜がやわらかく
なり過ぎて耐食性、耐水性等が低下するので好ましくな
い。
本発明の塗料組成物を構成する変性エポキシ樹脂
(i)は、上述のビスフェノール型エポキシ樹脂のエポ
キシ基を第1級及び/又は第2級のアミン化合物(以
下、単にアミン化合物という)で変性させたものであ
り、該変性エポキシ樹脂を使用することにより、未変性
のエポキシ樹脂を使用した場合よりも、得られる塗膜の
耐アルカリ性、耐水二次密着性等が向上する特徴を有し
ている。
変性エポキシ樹脂(i)はビスフェノール型エポキシ
樹脂のエポキシ基の30〜100%をアミン化合物で変性し
たものが適当であり、変性率が前記範囲より少ないと耐
アルカリ性等の改良効果が低下する傾向にある。
アミン化合物としては、例えばn−プロピルアミン、
iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチル
アミン、tert−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンジア
ミン、テトラエチレンジアミン、プロピレンジアミン、
N−メチルピペラジン、エタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、iso−プロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、n−プロパ
ノールアミン、エチルエタノールアミン、3−メタノー
ルピペリジン等が代表的なものとして挙げられる。
本発明の塗料組成物を構成するシリカ粒子(ii)は、
高耐食性を更に付与させるために配合するものであっ
て、具体的には粒径1mμ〜500mμの有機溶剤分散型コロ
イダルシリカ、粉末状フュームドシリカが代表的なもの
として挙げられる。有機溶剤分散型コロイダルシリカは
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、エチルセロソルブ、エチレン
グリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムア
ミド等の有機溶剤に分散させたコロイダルシリカであ
り、市販品としては例えばOSCAL 1132、1232、1332、14
32、1532、1622、1722、1724(以上、触媒化成工業社製
商品名);MA−ST、IPA−ST、NBA−ST、IBA−ST、EG−S
T、ETC−ST、DMAC−ST、DMF−ST(以上、日産化学工業
社製商品名)等が挙げられる。
粉末状フュームドシリカの市販品としては例えばR97
4、R811、R812、R972、R805、T805、R202、RX200、RY20
0、RY300、RY380、RY180、OX50(以上、日本エアロジル
社製商品名)等が挙げられる。
シリカ粒子を配合することにより塗膜を形成させた際
シリカ粒子表面のシラノール基と鋼板表面及び上塗塗膜
との間で水素結合が生じ、また塗膜を焼付けるとシラノ
ール基の脱水縮合反応が起こり、上塗塗膜−シリカ鋼板
の一体化がなされ、著しく耐食性が向上する。
なお、シリカ粒子(ii)は前記変性エポキシ樹脂
(i)100重量部に対し5〜400重量部(固形分換算)配
合するのが適当であり、前記範囲より少ないと耐食性が
低下する傾向にあり、一方過剰に配合すると、加工性、
耐アルカリ性、上塗塗膜との密着性が低下する傾向にあ
る。
本発明の塗料組成物は以上説明した変性エポキシ樹脂
(i)とシリカ粒子(ii)を必須成分とする、好ましく
は固形分10〜60重量%の塗料である。
その他の成分としては必要に応じて適宜配合される従
来から公知の成分が配合される。具体的には各種炭化水
素系、エステル系、ケトン系、アルコール系、アミド系
等の有機溶剤;メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
ポリブロック化イソシアネート化合物等の架橋剤;有機
又は無機系顔料;分散剤;沈降防止剤、レベリング剤等
の添加剤あるいは各種改質樹脂等を配合することが可能
である。
本発明の塗料組成物は自動車、家電製品、建材等に使
用されている溶融亜鉛メッキ鋼板、溶融亜鉛、アルミ合
金メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛、ニッケ
ル合金メッキ鋼板、電気亜鉛、鉄合金メッキ鋼板、電気
亜鉛、鉄二層メッキ鋼板、冷延鋼板等の各種鋼板あるい
はクロメート化成処理、リン酸塩化成処理等の前処理し
た鋼板の下塗り用塗料として好適に適用出来るが、これ
ら被塗物に限定されるものではない。
本発明の塗料組成物は、これら鋼板に、スプレー、ロ
ールコート、シャワーコート等の手段により塗装し、15
〜300℃、好ましくは100〜240℃の温度下で硬化させる
ことが出来る。なお、膜厚は数μm前後の薄膜でも十分
性能を発揮するが、更に厚くすることを妨げるものでは
ない。
<発明の効果> 本発明の塗料組成物を塗布した表面処理鋼板は、得ら
れる塗膜が高耐食性、耐アルカリ性を付与し、また可撓
性があるため加工性もあり、更にカチオン電着塗装性が
よく、実用的価値の高い塗料といえる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。な
お、実施例中「部」、「%」は重量基準で示す。
〔変性エポキシ樹脂溶液(I)の調製〕 還流冷却器、温度計、撹拌機を取付けた三つ口フラス
コ中にビスフェノールA109.4部、ビスフェノールF64.0
部及び60部の苛性ソーダを600部の水に溶解させた苛性
ソーダ水溶液を加え、撹拌しながら50℃、10分間加熱し
た。次いでエピクロルヒドリン116部を加え徐々に昇温
し、20分間で100℃とし、この温度で撹拌しながら40分
間保った。
次いで冷却後傾斜法にて、上澄み水層を除き、更に60
0部の水を加え、90℃に加温し、激しく撹拌した後、再
度の冷却後同様にして上澄み水層を除いた。このような
操作をアルカリ性を示さなくなるまで繰返し、最後に水
を充分分離した後、撹拌しながら150℃、30分間加熱脱
水し、分子量約900のエポキシ樹脂を製造した。
得られたエポキシ樹脂200部を80℃に加温したエチレ
ングリコールモノエチルエーテル200部中に溶解し、固
形分50%のエポキシ樹脂溶液(I′)を調製した。該エ
ポキシ樹脂溶液(I′)180℃を60℃に加温し、次いで
ジエタノールアミン17.7部を2時間かけて滴下し、更に
70℃で3時間反応させて固形分55%の変性エポキシ樹脂
溶液(I)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(II)の調製〕
撹拌機、温度計、滴下ロートを取付けたフラスコ中に
ビスフェノールA729.6部、ビスフェノールF160部及び10
%苛性ソーダ水溶液2572を加え、撹拌しながら50℃、10
分間加熱した。次いでエピクロルヒドリン463部を加
え、撹拌しながら100℃に加温し、30分間保った。
次いで傾斜法にて上澄み水層を除き、更に沸騰水で洗
浄を繰返し、アルカリ性を示さなくなった後、150℃に
加熱し、脱水し、分子量約1400のエポキシ樹脂を製造し
た。
得られたエポキシ樹脂300部を80℃に加温したエチレ
ングリコールモノブチルエーテル300部中に溶解し、固
形分50%のエポキシ樹脂溶液(II′)を調製した。該エ
ポキシ樹脂溶液(II′)280部にジエタノールアミン7.1
部を加え、前記溶液(I)と同様にして反応させ、固形
分51%の変性エポキシ樹脂溶液(II)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(III)の調製〕
還流冷却器、温度計、撹拌機を取付けた三つ口フラス
コ中にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト680部を加え、100℃に加熱した後、ビスフェノールA
とエピクロルヒドリンとを反応させて得られたエポキシ
当量2800〜3300のエポキシ樹脂1000部を少しづつ添加
し、溶解させた。次いでビスフェノールF25部と塩化リ
チウム1部を加え200℃、60分間反応させ、分子量約700
0、固形分60%のエポキシ樹脂溶液(III′)を調製し
た。該エポキシ樹脂溶液(III′)1167部にN−メチル
エタノールアミン7.5部を加え、前記溶液(I)と同様
にして反応させ、固形分60.2%の変性エポキシ樹脂溶液
(III)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(IV)の調製〕 前記変性エポキシ樹脂溶液(I′)450部にn−プロ
ピルアミン29.5部加え、前記溶液(I)と同様にして反
応させ、固形分53%の変性エポキシ樹脂溶液(IV)を調
製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(V)の調製〕
前記変性エポキシ樹脂溶液(I′)450部にエチレン
ジアミン30.0部加え、前記溶液(I)と同様にして反応
させ、固形分53%の変性エポキシ樹脂溶液(V)を調製
した。
〔エポキシ樹脂溶液(VI)の調製〕
ビスフェノールAを72.9部、ビスフェノールFを96部
とする以外はエポキシ樹脂溶液(I′)の調製法と同様
にして、分子量約900のエポキシ樹脂を製造し、該エポ
キシ樹脂200部を100℃に加温したエチレングリコールモ
ノエチルエーテル200部中に溶解し、固形分50%のエポ
キシ樹脂溶液(VI)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(VII)の調製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔「エピコート100
1」(シェル化学社製商品名)、エポキシ当量450〜50
0〕300部をエチレングリコールモノエチルエーテル300
部に溶解し、固形分50%のエポキシ樹脂溶液(VII′)
を調製した。該エポキシ樹脂溶液(VII′)600部にジエ
タノールアミン55.4部を加え、前記溶液(I)と同様に
して反応させ、固形分54.2%の変性エポキシ樹脂溶液
(VII)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液(VII)の調製〕
ビスフェノールF型エポキシ樹脂〔「エピクロン83
0」(大日本インキ化学工業社製商品名)、エポキシ当
量約175〕300部をエチレングリコールモノエチルエーテ
ル300部に溶解し、固形分50%のエポキシ樹脂溶液(VII
I′)を調製した。該エポキシ樹脂溶液(VIII′)600部
にジエタノールアミン143.9部を加え、前記溶液(I)
と同様にして反応させ、固形分59.7%の変性エポキシ樹
脂溶液(VIII)を調製した。
〔変性エポキシ樹脂溶液IXの調製〕
前記変性エポキシ樹脂溶液(VII)と変性エポキシ樹
脂溶液(VIII)との〔2:1〕の混合物からなる、固形分5
7%の変性エポキシ樹脂溶液(IX)を調製した。
実施例1 変性エポキシ樹脂溶液(I)200部、コロイダルシリ
カ〔「ETC−ST」(日産化学工業社製商品名)、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル分散タイプ、固形分20
%〕400部及びエチレングリコールモノエチルエーテル4
18部を混合溶解し、塗料を調製した。
得られた塗料を第2表に示す各種鋼板に乾燥膜厚が3
μmとなるようロールコート塗装し、最高到達板温が30
秒で150℃になるよう焼付け、耐食性、カチオン電着塗
装性、上塗密着性、耐水二次密着性、耐アルカリ性各試
験を行ない、その結果を第2表下欄に示した。
実施例2〜8及び比較例1〜5 変性エポキシ樹脂溶液とシリカ粒子を第1表に示す割
合で配合した混合物を固形分が20%となる量のエチレン
グリコールモノエチルエーテルにて溶解して塗料を調製
した。
得られた塗料を実施例1と同様にして各試験を行な
い、その結果を第2表下欄に示した。
第2表からも明らかの通り本発明の塗料組成物を使用
した実施例1〜8は、いずれも耐食性、カチオン電着塗
装性、密着性、耐アルカリ性とも優れていた。
一方、ビスフェノールF骨格を持たないエポキシ樹脂
を使用した比較例1、ビスフェノールF骨格量が過剰の
エポキシ樹脂を使用した比較例2、ビスフェノールA骨
格を持たないエポキシ樹脂を使用した比較例3、アミン
で変性したビスフェノールA型エポキシ樹脂とアミンで
変性したビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合物を使
用した比較例4は、いずれも耐食性、カチオン電着塗装
性、密着性、耐アルカリ性とも本発明のそれと比較し劣
っていた。
また、アミン変性しないビスフェノール型エポキシ樹
脂を使用した比較例5は密着性、耐アルカリ性が本発明
のそれと比較し、劣っていた。
フロントページの続き (72)発明者 谷田 修 栃木県那須郡西那須野町下永田3丁目 1172―4 (56)参考文献 実開 昭64−51643(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)ビスフェノールA骨格とビスフェノ
    ールF骨格との重量比率(95:5〜60:40)からなるビス
    フェノール骨格と、エピクロルヒドリン骨格とより構成
    される、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するビス
    フェノール型エポキシ樹脂を第1級及び/又は第2級の
    アミン化合物で変性させた変性エポキシ樹脂、及び (ii)シリカ粒子、 を含む耐食性塗料組成物。
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