JP2621666B2 - フェノール樹脂系塗料組成物 - Google Patents
フェノール樹脂系塗料組成物Info
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- JP2621666B2 JP2621666B2 JP3020466A JP2046691A JP2621666B2 JP 2621666 B2 JP2621666 B2 JP 2621666B2 JP 3020466 A JP3020466 A JP 3020466A JP 2046691 A JP2046691 A JP 2046691A JP 2621666 B2 JP2621666 B2 JP 2621666B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度な耐薬品性、耐溶
剤性および耐蝕性を有し、塗膜は硬いが充分な可撓性と
優れた付着性を与える、フェノール樹脂系塗料組成物に
関する。本発明のフェノール樹脂系塗料組成物は、耐薬
品性塗料、高級防錆塗料、缶内面用塗料および耐スクラ
ッチ性塗料として利用することができる。
剤性および耐蝕性を有し、塗膜は硬いが充分な可撓性と
優れた付着性を与える、フェノール樹脂系塗料組成物に
関する。本発明のフェノール樹脂系塗料組成物は、耐薬
品性塗料、高級防錆塗料、缶内面用塗料および耐スクラ
ッチ性塗料として利用することができる。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノール型エポキシ樹脂とフェノ
ール/ホルムアルデヒド樹脂とを組み合わせてなる塗料
は、プライマーペイント、缶内面用塗料、耐薬品性塗料
または絶縁性塗料として幅広く使用されている。
ール/ホルムアルデヒド樹脂とを組み合わせてなる塗料
は、プライマーペイント、缶内面用塗料、耐薬品性塗料
または絶縁性塗料として幅広く使用されている。
【0003】前記のプライマーペイントは一般に焼付け
硬化方式で使用されているが、付着性および防蝕性を向
上させるために、ビスフェノール型エポキシ樹脂80〜
95重量%に対してフェノール/ホルムアルデヒド樹脂
20〜5重量%(固形分:以下同様)を配合する。ま
た、缶内面用塗料や耐薬品性塗料のように高度な耐薬品
性や耐溶剤性が要求される場合には、ビスフェノール型
エポキシ樹脂50〜80重量%に対してフェノール/ホ
ルムアルデヒド樹脂50〜20重量%を配合している。
硬化方式で使用されているが、付着性および防蝕性を向
上させるために、ビスフェノール型エポキシ樹脂80〜
95重量%に対してフェノール/ホルムアルデヒド樹脂
20〜5重量%(固形分:以下同様)を配合する。ま
た、缶内面用塗料や耐薬品性塗料のように高度な耐薬品
性や耐溶剤性が要求される場合には、ビスフェノール型
エポキシ樹脂50〜80重量%に対してフェノール/ホ
ルムアルデヒド樹脂50〜20重量%を配合している。
【0004】更に高度な耐薬品性や耐溶剤性が要求され
る場合には、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂を50
重量%以上含有させることになるが、通常、塗料組成物
におけるフェノール/ホルムアルデヒド樹脂の割合が5
0重量%を越えると物理性能(加工性)が低下する(例
えば、特開昭63−275672号公報参照)。従っ
て、同時に可撓性付与剤としてポリビニルブチラール樹
脂または塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、あるいはポ
リブタジエン等のゴム系ポリマーを配合することが行わ
れているが、充分な可撓性を得ることができず、更に耐
蝕性や耐熱性が低下してしまう。
る場合には、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂を50
重量%以上含有させることになるが、通常、塗料組成物
におけるフェノール/ホルムアルデヒド樹脂の割合が5
0重量%を越えると物理性能(加工性)が低下する(例
えば、特開昭63−275672号公報参照)。従っ
て、同時に可撓性付与剤としてポリビニルブチラール樹
脂または塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、あるいはポ
リブタジエン等のゴム系ポリマーを配合することが行わ
れているが、充分な可撓性を得ることができず、更に耐
蝕性や耐熱性が低下してしまう。
【0005】一般に、前記のような塗料組成物において
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂の量を増加させる
と、耐酸性、耐溶剤性、耐蝕性および付着性は向上する
が、塗膜が硬くて脆くなり、耐アルカリ性が低下する。
逆に、ビスフェノール型エポキシ樹脂の量を増加させる
と、前記とは反対に、可撓性や耐アルカリ性は向上する
が、耐酸性、耐溶剤性、耐蝕性および付着性が低下す
る。また、エポキシ当量の大きなビスフェノール型エポ
キシ樹脂を配合することによって可撓性や耐蝕性を向上
させることができるが、エポキシ樹脂の分子量が大きく
なるのでフェノール/ホルムアルデヒド樹脂との相溶性
が悪くなる。
フェノール/ホルムアルデヒド樹脂の量を増加させる
と、耐酸性、耐溶剤性、耐蝕性および付着性は向上する
が、塗膜が硬くて脆くなり、耐アルカリ性が低下する。
逆に、ビスフェノール型エポキシ樹脂の量を増加させる
と、前記とは反対に、可撓性や耐アルカリ性は向上する
が、耐酸性、耐溶剤性、耐蝕性および付着性が低下す
る。また、エポキシ当量の大きなビスフェノール型エポ
キシ樹脂を配合することによって可撓性や耐蝕性を向上
させることができるが、エポキシ樹脂の分子量が大きく
なるのでフェノール/ホルムアルデヒド樹脂との相溶性
が悪くなる。
【0006】以上の様に、従来の塗料組成物において、
耐酸性および耐溶剤性が要求される場合には、たとえ物
理性能(加工性)が低下することになっても、フェノー
ル/ホルムアルデヒド樹脂を多量に配合せざるを得なか
った。また、耐アルカリ性および物理性能(加工性)が
要求される場合には、たとえ耐酸性が劣ったものにな
り、耐溶剤性が低下することになっても、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を多量に配合する必要があった。従っ
て、いずれの場合にも、従来の塗料組成物を用いる際に
は、ハンドリングに充分な注意を払うことが必要であっ
た。
耐酸性および耐溶剤性が要求される場合には、たとえ物
理性能(加工性)が低下することになっても、フェノー
ル/ホルムアルデヒド樹脂を多量に配合せざるを得なか
った。また、耐アルカリ性および物理性能(加工性)が
要求される場合には、たとえ耐酸性が劣ったものにな
り、耐溶剤性が低下することになっても、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂を多量に配合する必要があった。従っ
て、いずれの場合にも、従来の塗料組成物を用いる際に
は、ハンドリングに充分な注意を払うことが必要であっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の塗料組成物の欠点を解消し、耐酸性、耐溶剤性、防蝕
性、塗膜硬度、付着性、可撓性および耐アルカリ性にお
いてバランスがとれた物性を有し、使用時のハンドリン
グも容易な塗料組成物を提供することにある。
の塗料組成物の欠点を解消し、耐酸性、耐溶剤性、防蝕
性、塗膜硬度、付着性、可撓性および耐アルカリ性にお
いてバランスがとれた物性を有し、使用時のハンドリン
グも容易な塗料組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、 (A)レゾール型フェノール樹脂組成物50〜80重量
%および (B)エポキシ樹脂と(C)フェノキシ樹脂との混合物
20〜50重量%からなり、エポキシ樹脂(B)とフェ
ノキシ樹脂(C)との重量基準による混合比〔フェノキ
シ樹脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25〜4で
ある樹脂成分を含有することを特徴とする、フェノール
樹脂系塗料組成物によって達成することができる。な
お、本明細書において、前記樹脂成分を構成する各樹脂
の配合量は有効固形分(焼付後に蒸発しない成分)によ
るものである。
より、 (A)レゾール型フェノール樹脂組成物50〜80重量
%および (B)エポキシ樹脂と(C)フェノキシ樹脂との混合物
20〜50重量%からなり、エポキシ樹脂(B)とフェ
ノキシ樹脂(C)との重量基準による混合比〔フェノキ
シ樹脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25〜4で
ある樹脂成分を含有することを特徴とする、フェノール
樹脂系塗料組成物によって達成することができる。な
お、本明細書において、前記樹脂成分を構成する各樹脂
の配合量は有効固形分(焼付後に蒸発しない成分)によ
るものである。
【0009】本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂
組成物(A)〔以下、フェノール樹脂組成物(A)と称
することがある〕は、フェノール類とホルムアルデヒド
とを塩基性触媒の存在下で反応させて調製することがで
きる。
組成物(A)〔以下、フェノール樹脂組成物(A)と称
することがある〕は、フェノール類とホルムアルデヒド
とを塩基性触媒の存在下で反応させて調製することがで
きる。
【0010】フェノール樹脂組成物(A)の調製に用い
るフェノール類は、炭素数1〜4個のアルキル基で置換
された2官能性フェノール類が10〜30モル%で残り
が石炭酸を主成分とする3官能性または4官能性フェノ
ール類の混合物である。石炭酸単独の場合または、アル
キル基で置換された2官能性フェノールの量が10モル
%未満であると、生成されるフェノール樹脂組成物は、
エポキシ当量が1,500以上のビスフェノール型エポ
キシ樹脂および数平均分子量が10,000以上のフェ
ノキシ樹脂と充分な相溶性がなく、焼付けられた塗膜は
半透明になる。また、アルキル基置換2官能性フェノー
ルが30モル%を越えると、反応性が低下するので好ま
しくない。
るフェノール類は、炭素数1〜4個のアルキル基で置換
された2官能性フェノール類が10〜30モル%で残り
が石炭酸を主成分とする3官能性または4官能性フェノ
ール類の混合物である。石炭酸単独の場合または、アル
キル基で置換された2官能性フェノールの量が10モル
%未満であると、生成されるフェノール樹脂組成物は、
エポキシ当量が1,500以上のビスフェノール型エポ
キシ樹脂および数平均分子量が10,000以上のフェ
ノキシ樹脂と充分な相溶性がなく、焼付けられた塗膜は
半透明になる。また、アルキル基置換2官能性フェノー
ルが30モル%を越えると、反応性が低下するので好ま
しくない。
【0011】本発明で使用することのできる3官能性フ
ェノールとしては、石炭酸以外に、例えば、m−クレゾ
ール、レゾルシン、3,5−キシレノール、m−エチル
フェノルまたはm−メトキシフェノールを挙げることが
でき、4官能性フェノールとしては、例えば、ビス(4
−オキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−オキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニ
ル)ブタンまたはビスフェノールAを挙げることがで
き、炭素数1〜4個のアルキル基で置換された2官能性
フェノールとしてはo−クレゾール、p−クレゾール、
3,4−キシレノール、2,5−キシレノール、p−t
ert−ブチルフェノール、p−プロピルフェノールま
たはp−イソプロピルフェノールを挙げることができ
る。
ェノールとしては、石炭酸以外に、例えば、m−クレゾ
ール、レゾルシン、3,5−キシレノール、m−エチル
フェノルまたはm−メトキシフェノールを挙げることが
でき、4官能性フェノールとしては、例えば、ビス(4
−オキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−オキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−オキシフェニ
ル)ブタンまたはビスフェノールAを挙げることがで
き、炭素数1〜4個のアルキル基で置換された2官能性
フェノールとしてはo−クレゾール、p−クレゾール、
3,4−キシレノール、2,5−キシレノール、p−t
ert−ブチルフェノール、p−プロピルフェノールま
たはp−イソプロピルフェノールを挙げることができ
る。
【0012】ホルムアルデヒドとしては、その水溶液
(ホルマリン)または有機溶液、あるいはパラホルムア
ルデヒドを用いることができる。ホルムアルデヒドは、
フェノール類に対してモル比(ホルムアルデヒド/フェ
ノール類のモル比)1.1〜1.6、好ましくは1.3
〜1.5で使用する。モル比が1.1未満になると反応
性が著しく低下し、1.6を越えると遊離ホルムアルデ
ヒドが過剰となり環境悪化につながるので、それぞれ好
ましくない。
(ホルマリン)または有機溶液、あるいはパラホルムア
ルデヒドを用いることができる。ホルムアルデヒドは、
フェノール類に対してモル比(ホルムアルデヒド/フェ
ノール類のモル比)1.1〜1.6、好ましくは1.3
〜1.5で使用する。モル比が1.1未満になると反応
性が著しく低下し、1.6を越えると遊離ホルムアルデ
ヒドが過剰となり環境悪化につながるので、それぞれ好
ましくない。
【0013】塩基性触媒としては、通常のレゾール型フ
ェノール樹脂の調製に使用される公知の化合物、例え
ば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム)、アミン類
(例えば、アンモニア、トリエチルアミン、エタノール
アミンまたはヘキサメチレンテトラミン)、更にはアル
カリ金属などを使用することができる。塩基性触媒の好
ましい使用量は、フェノール類混合物1モルに対して
0.01〜0.15モル、特には0.02〜0.06モ
ルである。0.01モル未満では生産性が低下し、0.
15モルを越えると反応制御が難しくなる。
ェノール樹脂の調製に使用される公知の化合物、例え
ば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウム)、アミン類
(例えば、アンモニア、トリエチルアミン、エタノール
アミンまたはヘキサメチレンテトラミン)、更にはアル
カリ金属などを使用することができる。塩基性触媒の好
ましい使用量は、フェノール類混合物1モルに対して
0.01〜0.15モル、特には0.02〜0.06モ
ルである。0.01モル未満では生産性が低下し、0.
15モルを越えると反応制御が難しくなる。
【0014】本発明のフェノール樹脂組成物(A)は、
数平均分子量(Mn)が200〜400、特には250
〜350で、分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均
分子量(Mn)〕が1.4〜2.0、特には1.5〜
1.7で、遊離石炭酸およびモノメチロールフェノール
の含有率が50〜70重量%、特には55〜65重量%
であることが好ましい。数平均分子量(Mn)および分
散度が前記の範囲外のフェノール樹脂を用いると、過半
数以上のフェノール樹脂を含むエポキシ樹脂(B)およ
びフェノキシ樹脂(C)との組合せにおいて、充分の可
撓性を示さず、しかもエポキシ樹脂(B)およびフェノ
キシ樹脂(C)と充分な相溶性を示さない。また、遊離
石炭酸およびモノメチロールフェノールの含有率が50
重量%未満になると塗膜の光沢が低下すると共に物理性
能が不良となり、70重量%を越えると貯蔵安定性が極
端に低下する。
数平均分子量(Mn)が200〜400、特には250
〜350で、分散度〔重量平均分子量(Mw)/数平均
分子量(Mn)〕が1.4〜2.0、特には1.5〜
1.7で、遊離石炭酸およびモノメチロールフェノール
の含有率が50〜70重量%、特には55〜65重量%
であることが好ましい。数平均分子量(Mn)および分
散度が前記の範囲外のフェノール樹脂を用いると、過半
数以上のフェノール樹脂を含むエポキシ樹脂(B)およ
びフェノキシ樹脂(C)との組合せにおいて、充分の可
撓性を示さず、しかもエポキシ樹脂(B)およびフェノ
キシ樹脂(C)と充分な相溶性を示さない。また、遊離
石炭酸およびモノメチロールフェノールの含有率が50
重量%未満になると塗膜の光沢が低下すると共に物理性
能が不良となり、70重量%を越えると貯蔵安定性が極
端に低下する。
【0015】フェノール類とホルムアルデヒドとの反応
によって得られたフェノール樹脂組成物(A)の含有水
分を2重量%以下にすることにより、塗膜の光沢低下、
ワキおよびピンホールの欠陥を防ぐことが好ましい。ま
た、フェノール樹脂組成物(A)の貯蔵安定性を向上さ
せるために、反応終了後に減圧脱水してから、シュウ酸
などの酸により中和するのが好ましい。
によって得られたフェノール樹脂組成物(A)の含有水
分を2重量%以下にすることにより、塗膜の光沢低下、
ワキおよびピンホールの欠陥を防ぐことが好ましい。ま
た、フェノール樹脂組成物(A)の貯蔵安定性を向上さ
せるために、反応終了後に減圧脱水してから、シュウ酸
などの酸により中和するのが好ましい。
【0016】本発明のフェノール樹脂系塗料組成物に配
合することのできるエポキシ樹脂(B)は、好ましく
は、数平均分子量が約900〜6,000、特には1,
500〜4,000で、エポキシ当量が450〜5,0
00、特には850〜3,500の固形のビスフェノー
ルA型樹脂である。数平均分子量が約900未満である
と、塗膜の可撓性が低下し、6,000を越えると溶剤
溶解性および相溶性が著しく低下する。また、エポキシ
当量が450未満であると塗膜の物理性能が低下し、
5,000を越えると硬化性および相溶性が著しく低下
する。エポキシ樹脂(B)は、公知の方法により、ビス
フェノール類、例えば、ビス(4−オキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパンま
たは2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタンとエピ
クロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在下で反応させる
ことによって調製して用いるか、または市販の製品を用
いることができる。市販品としては、例えば、エピコー
ト♯1004、♯1007または♯1009(いずれも
油化シェルエポキシ株式会社)、あるいはアラルダルト
GY−6084、GY−6097またはGY−6099
(いずれも日本チバガイギー株式会社)を挙げることが
できる。
合することのできるエポキシ樹脂(B)は、好ましく
は、数平均分子量が約900〜6,000、特には1,
500〜4,000で、エポキシ当量が450〜5,0
00、特には850〜3,500の固形のビスフェノー
ルA型樹脂である。数平均分子量が約900未満である
と、塗膜の可撓性が低下し、6,000を越えると溶剤
溶解性および相溶性が著しく低下する。また、エポキシ
当量が450未満であると塗膜の物理性能が低下し、
5,000を越えると硬化性および相溶性が著しく低下
する。エポキシ樹脂(B)は、公知の方法により、ビス
フェノール類、例えば、ビス(4−オキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−オキシフェニル)プロパンま
たは2,2−ビス(4−オキシフェニル)ブタンとエピ
クロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在下で反応させる
ことによって調製して用いるか、または市販の製品を用
いることができる。市販品としては、例えば、エピコー
ト♯1004、♯1007または♯1009(いずれも
油化シェルエポキシ株式会社)、あるいはアラルダルト
GY−6084、GY−6097またはGY−6099
(いずれも日本チバガイギー株式会社)を挙げることが
できる。
【0017】エポキシ樹脂(B)の溶媒としては、例え
ば、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルま
たはジオキサン)、エステル類(例えば、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテルまたは酢酸エチル)、ケ
トン類(例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチ
ルケトンまたはシクロヘキサノン)あるいは炭化水素類
(例えば、トルエンまたはキシレン)を、単独でまたは
組み合わせて用いることができる。
ば、エーテル類(例えば、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルま
たはジオキサン)、エステル類(例えば、酢酸エチレン
グリコールモノエチルエーテルまたは酢酸エチル)、ケ
トン類(例えば、メチルイソブチルケトン、メチルエチ
ルケトンまたはシクロヘキサノン)あるいは炭化水素類
(例えば、トルエンまたはキシレン)を、単独でまたは
組み合わせて用いることができる。
【0018】本発明で用いることのできるフェノキシ樹
脂(C)は、好ましくは、数平均分子量10,000以
上、特には10,000〜20,000、および重量平
均分子量40,000〜100,000、特には50,
000〜80,000を有する固形の高分子ポリヒドロ
キシエーテルである。数平均分子量が10,000未満
であると可撓性が不十分となる。また重量平均分子量が
40,000未満であると可撓性が不十分となり、10
0,000を越えると相溶性が著しく低下する。前記の
フェノキシ樹脂(C)は、フェノール樹脂組成物(A)
およびエポキシ樹脂(B)とポリマーアロイを形成し、
フェノキシ樹脂(C)の特徴である可撓性を発現すると
ともに、焼付乾燥時に内部応力緩和の作用を有するので
物理性能を向上させる。また、直線状高分子中に水酸基
を含み、焼付乾燥すると三次元架橋構造を形成するので
耐溶剤性を損なうこともない。前記のフェノキシ樹脂
(C)は、公知の方法で、例えば、ビス(4−オキシフ
ェニル)メタン(ビスフェノールA)とエピクロロヒド
リンとの反応によって調製して用いるか、または市販の
製品を用いることができる。市販品としては、例えば、
PKHC、PKHHまたはPKHJ(いずれもユニオン
カーバイド日本株式会社)、またはフェノトートYP−
50(東都化成株式会社)を挙げることができる。
脂(C)は、好ましくは、数平均分子量10,000以
上、特には10,000〜20,000、および重量平
均分子量40,000〜100,000、特には50,
000〜80,000を有する固形の高分子ポリヒドロ
キシエーテルである。数平均分子量が10,000未満
であると可撓性が不十分となる。また重量平均分子量が
40,000未満であると可撓性が不十分となり、10
0,000を越えると相溶性が著しく低下する。前記の
フェノキシ樹脂(C)は、フェノール樹脂組成物(A)
およびエポキシ樹脂(B)とポリマーアロイを形成し、
フェノキシ樹脂(C)の特徴である可撓性を発現すると
ともに、焼付乾燥時に内部応力緩和の作用を有するので
物理性能を向上させる。また、直線状高分子中に水酸基
を含み、焼付乾燥すると三次元架橋構造を形成するので
耐溶剤性を損なうこともない。前記のフェノキシ樹脂
(C)は、公知の方法で、例えば、ビス(4−オキシフ
ェニル)メタン(ビスフェノールA)とエピクロロヒド
リンとの反応によって調製して用いるか、または市販の
製品を用いることができる。市販品としては、例えば、
PKHC、PKHHまたはPKHJ(いずれもユニオン
カーバイド日本株式会社)、またはフェノトートYP−
50(東都化成株式会社)を挙げることができる。
【0019】フェノキシ樹脂(C)の溶媒としては、例
えば、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コールまたはイソホロン)、エーテル類(例えば、ジオ
キサンまたはエチレングリコールモノエチルエーテル)
あるいはエステル類(例えば、酢酸エチレングリコール
モノエチルエーテル)を、単独でまたは組み合わせて用
いることができる。
えば、ケトン類(例えば、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアル
コールまたはイソホロン)、エーテル類(例えば、ジオ
キサンまたはエチレングリコールモノエチルエーテル)
あるいはエステル類(例えば、酢酸エチレングリコール
モノエチルエーテル)を、単独でまたは組み合わせて用
いることができる。
【0020】本発明のフェノール樹脂系塗料組成物は、
前記のとおり、レゾール型フェノール樹脂組成物(A)
50〜80重量%およびエポキシ樹脂(B)とフェノキ
シ樹脂(C)との重量基準による混合比〔フェノキシ樹
脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25〜4である
混合物20〜50重量%からなる樹脂成分を含有する。
前記のとおり、レゾール型フェノール樹脂組成物(A)
50〜80重量%およびエポキシ樹脂(B)とフェノキ
シ樹脂(C)との重量基準による混合比〔フェノキシ樹
脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25〜4である
混合物20〜50重量%からなる樹脂成分を含有する。
【0021】後記の実施例で具体的に示すように、本発
明の塗料組成物の前記樹脂成分におけるフェノール樹脂
組成物(A)の配合量が50重量%未満になると、特に
物理性能(加工性)が劣ったものになる。また、50重
量%未満になると耐酸性および耐溶剤性も低下し、80
重量%を越えると耐アルカリ性も低下する。エポキシ樹
脂(B)とフェノキシ樹脂(C)との混合比〔フェノキ
シ樹脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25未満に
なると可撓性の低下がみられ、物理性能(加工性)の向
上が実質的に認められず、前記混合比が4を越えると硬
化性の低下および粘性上昇による塗装作業性の低下をも
たらす。
明の塗料組成物の前記樹脂成分におけるフェノール樹脂
組成物(A)の配合量が50重量%未満になると、特に
物理性能(加工性)が劣ったものになる。また、50重
量%未満になると耐酸性および耐溶剤性も低下し、80
重量%を越えると耐アルカリ性も低下する。エポキシ樹
脂(B)とフェノキシ樹脂(C)との混合比〔フェノキ
シ樹脂(C)/エポキシ樹脂(B)〕が0.25未満に
なると可撓性の低下がみられ、物理性能(加工性)の向
上が実質的に認められず、前記混合比が4を越えると硬
化性の低下および粘性上昇による塗装作業性の低下をも
たらす。
【0022】本発明の塗料組成物は任意の量で任意の第
2の添加剤、例えば、添加剤、顔料、硬化促進剤、レベ
リング剤、増粘剤または滑剤を含有することができる。
顔料(例えば、チタン白、カーボンブラックまたは弁
柄)、沈降性硫酸バリウムまたはタルクなどを、例えば
前記のフェノール樹脂組成物(A)とエポキシ樹脂
(B)とフェノキシ樹脂(C)とからなる樹脂成分50
重量%以上に対して、1〜50重量%、特には20〜4
0重量%含有させると耐アルカリ性が向上するので好ま
しい。
2の添加剤、例えば、添加剤、顔料、硬化促進剤、レベ
リング剤、増粘剤または滑剤を含有することができる。
顔料(例えば、チタン白、カーボンブラックまたは弁
柄)、沈降性硫酸バリウムまたはタルクなどを、例えば
前記のフェノール樹脂組成物(A)とエポキシ樹脂
(B)とフェノキシ樹脂(C)とからなる樹脂成分50
重量%以上に対して、1〜50重量%、特には20〜4
0重量%含有させると耐アルカリ性が向上するので好ま
しい。
【0023】本発明による塗料組成物は、未処理鋼板、
処理鋼板、亜鉛鉄板、ブリキ板、クロムメッキ鋼板、ク
ロム酸処理鋼板、ニッケルメッキ鋼板、アルミメッキ鋼
板、アルミニウム板等に、例えば、スプレー塗料、ディ
ッピング塗料、刷毛塗り、ロールコータ塗料などの塗装
方式で塗装することができる。焼付乾燥の条件は特に限
定されるものではないが、被塗装物の温度が140〜2
50℃で5〜30分間の範囲が適当である。
処理鋼板、亜鉛鉄板、ブリキ板、クロムメッキ鋼板、ク
ロム酸処理鋼板、ニッケルメッキ鋼板、アルミメッキ鋼
板、アルミニウム板等に、例えば、スプレー塗料、ディ
ッピング塗料、刷毛塗り、ロールコータ塗料などの塗装
方式で塗装することができる。焼付乾燥の条件は特に限
定されるものではないが、被塗装物の温度が140〜2
50℃で5〜30分間の範囲が適当である。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、これは本発明を限定するものではない。以
下の実施例において部および%は特に断らない限り重量
による。
説明するが、これは本発明を限定するものではない。以
下の実施例において部および%は特に断らない限り重量
による。
【0025】実施例1 石炭酸0.8モル、p−クレゾール0.2モルおよびホ
ルムアルデヒド(37%水溶液)1.3モルを反応釜に
仕込み、アンモニア0.04モルを加えて80℃で90
分間反応させた。次に、約50℃に液温を下げ、窒素バ
ブリングを数回行いながら真空ポンプによる減圧下で脱
水を行った。含有水分が約5%になった段階でエチレン
グリコールモノエチルエーテルとn−ブタノールとの混
合溶液を加えて更に脱水を行い、含有水分を1.0%以
下にした。続いて、シュウ酸を加えて中和し、固形分6
0%、粘度5ポイズのフェノール樹脂組成物(A1)を
得た。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィ(GP
C)によって測定したところ、Mnは240、分散度
(Mw/Mn)は1.6、そして遊離石炭酸およびモノ
メチロールフェノール含有量は61%であった。
ルムアルデヒド(37%水溶液)1.3モルを反応釜に
仕込み、アンモニア0.04モルを加えて80℃で90
分間反応させた。次に、約50℃に液温を下げ、窒素バ
ブリングを数回行いながら真空ポンプによる減圧下で脱
水を行った。含有水分が約5%になった段階でエチレン
グリコールモノエチルエーテルとn−ブタノールとの混
合溶液を加えて更に脱水を行い、含有水分を1.0%以
下にした。続いて、シュウ酸を加えて中和し、固形分6
0%、粘度5ポイズのフェノール樹脂組成物(A1)を
得た。分子量分布をゲル浸透クロマトグラフィ(GP
C)によって測定したところ、Mnは240、分散度
(Mw/Mn)は1.6、そして遊離石炭酸およびモノ
メチロールフェノール含有量は61%であった。
【0026】ビスフェノール型エポキシ樹脂〔エピコー
ト#1007(油化シェルエポキシ株式会社):Mn=
2,900;エポキシ当量=1,750〜2,200〕
をトルエン20部とエチレングリコールモノエチルエー
テル30部との混合溶剤で溶解してビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(B)液を得た。また、フェノキシ樹脂〔U
CARフェノキシレジンPKHH(ユニオンカーバイド
日本株式会社):Mn=14,000:Mw=68,0
00〕35部をシクロヘキサノン40部とイソホロン2
5部との混合溶剤で溶解してフェノキシ樹脂(C)液を
得た。
ト#1007(油化シェルエポキシ株式会社):Mn=
2,900;エポキシ当量=1,750〜2,200〕
をトルエン20部とエチレングリコールモノエチルエー
テル30部との混合溶剤で溶解してビスフェノール型エ
ポキシ樹脂(B)液を得た。また、フェノキシ樹脂〔U
CARフェノキシレジンPKHH(ユニオンカーバイド
日本株式会社):Mn=14,000:Mw=68,0
00〕35部をシクロヘキサノン40部とイソホロン2
5部との混合溶剤で溶解してフェノキシ樹脂(C)液を
得た。
【0027】チタン白30部を、フェノール樹脂組成物
(A1)82部、ビスフェノール型エポキシ樹脂(B)
液21部およびフェノキシ樹脂(C)液30部に、ボー
ルミルにより10μm以下に分散させた。ハジキ止め用
シリコーン添加剤0.08部を加え、混合攪拌して白色
エナメル塗料組成物を製造した。
(A1)82部、ビスフェノール型エポキシ樹脂(B)
液21部およびフェノキシ樹脂(C)液30部に、ボー
ルミルにより10μm以下に分散させた。ハジキ止め用
シリコーン添加剤0.08部を加え、混合攪拌して白色
エナメル塗料組成物を製造した。
【0028】この塗料組成物を、リン酸鉄化成皮膜処理
した1.0mm厚の冷間圧延鋼板に乾燥膜厚が23±2
μmとなるようにエアースプレー塗装を行い、190℃
で25分間、熱風循環式電気炉にて乾燥硬化した。
した1.0mm厚の冷間圧延鋼板に乾燥膜厚が23±2
μmとなるようにエアースプレー塗装を行い、190℃
で25分間、熱風循環式電気炉にて乾燥硬化した。
【0029】実施例2 実施例1に記載の操作を繰り返したが、但し、フェノー
ル樹脂組成物として、生成反応を80℃にて115分間
実施して調製したフェノール樹脂組成物(A2)〔Mn
=400;分散度(Mw/Mn)=2.0;遊離石炭酸
およびモノメチロールフェノール含有量=70%〕を使
用した。
ル樹脂組成物として、生成反応を80℃にて115分間
実施して調製したフェノール樹脂組成物(A2)〔Mn
=400;分散度(Mw/Mn)=2.0;遊離石炭酸
およびモノメチロールフェノール含有量=70%〕を使
用した。
【0030】比較例1 ビスフェノール型エポキシ樹脂と相溶性が良好で、耐酸
性に優れているとされている市販の塗料用フェノール樹
脂を入手してGPC分析を行った結果、数平均分子量が
320、重量平均分子量が680、分散度が2.1、そ
して遊離石炭酸とモノメチロールフェノールの含有率が
35%であった。また、樹脂固形分は60%、粘度は2
ポイズ、そして含有水分は1.4%であった。この比較
用フェノール樹脂をフェノール樹脂組成物(D)とす
る。
性に優れているとされている市販の塗料用フェノール樹
脂を入手してGPC分析を行った結果、数平均分子量が
320、重量平均分子量が680、分散度が2.1、そ
して遊離石炭酸とモノメチロールフェノールの含有率が
35%であった。また、樹脂固形分は60%、粘度は2
ポイズ、そして含有水分は1.4%であった。この比較
用フェノール樹脂をフェノール樹脂組成物(D)とす
る。
【0031】前記フェノール樹脂組成物(D)とエポキ
シ樹脂との相溶性を試験したところ、エポキシ当量87
5〜2,100のビスフェノールA型エポキシ樹脂、例
えばエピコート♯1004および♯1007とはよく相
溶したが、エポキシ当量2,400〜3,300のビス
フェノールA型エポキシ樹脂、例えばエピコート♯10
09とは濁りが観察された。
シ樹脂との相溶性を試験したところ、エポキシ当量87
5〜2,100のビスフェノールA型エポキシ樹脂、例
えばエピコート♯1004および♯1007とはよく相
溶したが、エポキシ当量2,400〜3,300のビス
フェノールA型エポキシ樹脂、例えばエピコート♯10
09とは濁りが観察された。
【0032】チタン白30部を、比較用フェノール樹脂
組成物(D)82部、ビスフェノール型エポキシ樹脂
(B)液21部、およびフェノキシ樹脂(C)液30部
に、ボールミルによって10μm以下に分散させた。ハ
ジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え、混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
組成物(D)82部、ビスフェノール型エポキシ樹脂
(B)液21部、およびフェノキシ樹脂(C)液30部
に、ボールミルによって10μm以下に分散させた。ハ
ジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え、混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
【0033】比較例2 チタン白30部を、比較用フェノール樹脂組成物(D)
59部およびビスフェノール型エポキシ樹脂(B)液7
0部に、ボールミルにより10μm以下に分散させた。
ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
59部およびビスフェノール型エポキシ樹脂(B)液7
0部に、ボールミルにより10μm以下に分散させた。
ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
【0034】比較例3 チタン白30部を、比較用フェノール樹脂組成物(D)
82部およびビスフェノール型エポキシ樹脂(B)液4
2部に、ボールミルにより10μm以下に分散させた。
ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
82部およびビスフェノール型エポキシ樹脂(B)液4
2部に、ボールミルにより10μm以下に分散させた。
ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部を加え混合攪
拌して白色エナメル塗料組成物を調製した。塗装および
乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
【0035】比較例4 可撓性および耐薬品性に優れているとされている市販の
缶内面塗料用フェノール樹脂を入手してGPC分析を行
った結果、数平均分子量は990、重量平均分子量は
9,300、分散度は9.4、そして遊離石炭酸とモノ
メチロールフェノールの含有率が10%であった。ま
た、樹脂固形分が60%、粘度が10ポイズ、そして含
有水分が1.5%であった。このフェノール樹脂をレゾ
ール型フェノール樹脂組成物(E)とする。
缶内面塗料用フェノール樹脂を入手してGPC分析を行
った結果、数平均分子量は990、重量平均分子量は
9,300、分散度は9.4、そして遊離石炭酸とモノ
メチロールフェノールの含有率が10%であった。ま
た、樹脂固形分が60%、粘度が10ポイズ、そして含
有水分が1.5%であった。このフェノール樹脂をレゾ
ール型フェノール樹脂組成物(E)とする。
【0036】この比較用フェノール樹脂組成物(E)は
エポキシ当量875〜2,100のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂とよく相溶するが、エポキシ当量2,400
〜3,300のビスフェノール型エポキシ樹脂とでは濁
りが観察された。
エポキシ当量875〜2,100のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂とよく相溶するが、エポキシ当量2,400
〜3,300のビスフェノール型エポキシ樹脂とでは濁
りが観察された。
【0037】チタン白30部を、比較用フェノール樹脂
組成物(E)59部およびビスフェノール型エポキシ樹
脂(B)液70部に、ボールミルを使い10μm以下に
分散させた。ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部
を加え混合攪拌して白色エナメル塗料組成物を調製し
た。塗装および乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
組成物(E)59部およびビスフェノール型エポキシ樹
脂(B)液70部に、ボールミルを使い10μm以下に
分散させた。ハジキ止め用シリコーン添加剤0.08部
を加え混合攪拌して白色エナメル塗料組成物を調製し
た。塗装および乾燥は実施例1と同じ条件で行った。
【0038】物性評価 (A)評価方法 各種の塗料組成物を、実施例1に記載の方法により、塗
装し、硬化して調製した塗膜の物性を以下の方法で評価
した。
装し、硬化して調製した塗膜の物性を以下の方法で評価
した。
【0039】(1)物理性能 JISK5400に従い、直径8mmのロッドによる耐
屈曲試験によって評価した。 (2)耐酸性 5%酢酸中で2時間煮沸した。 (3)耐アルカリ性 3%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間煮沸した。 (4)耐溶剤性 フェニル酢酸エチル中に浸漬し、25℃で10時間およ
び150℃で2時間からなるサイクルを4回行った。 (5)耐蝕性 JISK5400に従い、飽和食塩水を1000時間噴
射した。 (6)耐スクラッチ性 JISK5400に従い、鉛筆引っかき試験により、素
地を剃離させ得る鉛筆の硬さを調べた。 (7)エリクセン エリクセン試験機による押出試験を実施した。。 (8)耐衝撃性 JISK5400B法に従い、直径1/2インチで50
0gのおもりにより、デュポン式裏打ち合格高さを求め
た。
屈曲試験によって評価した。 (2)耐酸性 5%酢酸中で2時間煮沸した。 (3)耐アルカリ性 3%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間煮沸した。 (4)耐溶剤性 フェニル酢酸エチル中に浸漬し、25℃で10時間およ
び150℃で2時間からなるサイクルを4回行った。 (5)耐蝕性 JISK5400に従い、飽和食塩水を1000時間噴
射した。 (6)耐スクラッチ性 JISK5400に従い、鉛筆引っかき試験により、素
地を剃離させ得る鉛筆の硬さを調べた。 (7)エリクセン エリクセン試験機による押出試験を実施した。。 (8)耐衝撃性 JISK5400B法に従い、直径1/2インチで50
0gのおもりにより、デュポン式裏打ち合格高さを求め
た。
【0040】(B)評価結果 (1)実施例1で調製したフェノール樹脂組成物(A
1)とエポキシ樹脂(B)とを各種の配合割合で組み合
わせて調製した、2成分からなるクリヤー塗料組成物の
物性を評価した。塗装および乾燥条件も実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。 (2)実施例1で調製したフェノール樹脂組成物(A
1)とエポキシ樹脂(B)とフェノキシ樹脂(C)とを
各種の配合割合で組み合わせ、更にチタン白30%(全
固形分に対して)を添加して調製した、3成分をベース
にした白色エナメル塗料組成物の物性を評価した。塗装
および乾燥条件も実施例1と同様に行った。結果を表2
に示す。 (3)実施例1および2、並びに比較例1〜4で調製し
た各種の塗料組成物について物性を比較した。結果を表
3に示す。
1)とエポキシ樹脂(B)とを各種の配合割合で組み合
わせて調製した、2成分からなるクリヤー塗料組成物の
物性を評価した。塗装および乾燥条件も実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。 (2)実施例1で調製したフェノール樹脂組成物(A
1)とエポキシ樹脂(B)とフェノキシ樹脂(C)とを
各種の配合割合で組み合わせ、更にチタン白30%(全
固形分に対して)を添加して調製した、3成分をベース
にした白色エナメル塗料組成物の物性を評価した。塗装
および乾燥条件も実施例1と同様に行った。結果を表2
に示す。 (3)実施例1および2、並びに比較例1〜4で調製し
た各種の塗料組成物について物性を比較した。結果を表
3に示す。
【0041】表1〜表3における配合量は固型分の重量
部数である。また、表1〜表3における記号は以下の意
味である。 〇:優れている △:使用態様によっては許容される ×:許容限界以下である 〇〜△:耐アルカリ性試験において変色することを意味
する。
部数である。また、表1〜表3における記号は以下の意
味である。 〇:優れている △:使用態様によっては許容される ×:許容限界以下である 〇〜△:耐アルカリ性試験において変色することを意味
する。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
Claims (7)
- 【請求項1】 レゾール型フェノール樹脂組成物50〜
80重量%およびエポキシ樹脂とフェノキシ樹脂との混
合物20〜50重量%からなり、エポキシ樹脂とフェノ
キシ樹脂との重量基準による混合比(フェノキシ樹脂/
エポキシ樹脂)が0.25〜4である樹脂成分を含有す
ることを特徴とする、フェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項2】 レゾール型フェノール樹脂組成物の分散
度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.4〜2.0
で、数平均分子量が200〜400である、請求項1に
記載のフェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項3】 レゾール型フェノール樹脂組成物におけ
る遊離石炭酸およびモノメチロールフェノールの含有率
が50〜70重量%である、請求項1または2のいずれ
か1項に記載のフェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項4】 レゾール型フェノール樹脂組成物は、炭
素数1〜4個のアルキル基で置換されている2官能性フ
ェノール類が10〜30モル%と、残りが石炭酸を主成
分とする3官能性または4官能性フェノール類との混合
物であり、フェノル類とホルムアルデヒドのモル比(ホ
ルムアルデヒド/フェノール類のモル比)1.1〜1.
6の反応生成物である、請求項1〜3のいずれか1項に
記載のフェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項5】 エポキシ樹脂が、数平均分子量900〜
6,000およびエポキシ当量450〜5,000のビ
スフェノール型エポキシ樹脂である、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のフェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項6】 フェノキシ樹脂の数平均分子量が10,
000以上で、重量平均分子量が40,000〜10
0,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載
のフェノール樹脂系塗料組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフ
ェノール樹脂系塗料組成物を50重量%以上含み、添加
剤を1〜50重量%含むことを特徴とする、フェノール
樹脂系塗料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3020466A JP2621666B2 (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | フェノール樹脂系塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3020466A JP2621666B2 (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | フェノール樹脂系塗料組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04236278A JPH04236278A (ja) | 1992-08-25 |
JP2621666B2 true JP2621666B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=12027871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3020466A Expired - Lifetime JP2621666B2 (ja) | 1991-01-21 | 1991-01-21 | フェノール樹脂系塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2621666B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2314084B (en) * | 1996-06-10 | 1999-12-29 | Nat Science Council | Toughened modified phenolic resin |
EP4116345A4 (en) * | 2020-03-06 | 2023-08-23 | Kolon Industries, Inc. | ALCOXY RESOL-TYPE PHENOLIC RESIN AND METHOD FOR THE PRODUCTION OF THE SAME |
US20230017275A1 (en) * | 2020-03-06 | 2023-01-19 | Kolon Industries, Inc. | Alkoxylated resol-type phenol resin and method for producing same |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4980374U (ja) * | 1972-10-31 | 1974-07-11 |
-
1991
- 1991-01-21 JP JP3020466A patent/JP2621666B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04236278A (ja) | 1992-08-25 |
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