JP2688349B2 - X線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装置 - Google Patents
X線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、波長分散型X線
検出器により検出された特性X線の検出信号に基づく波
長スペクトルと、エネルギー分散型X線検出器により検
出された特性X線の検出信号に基づくエネルギースペク
トルとを表示するX線マイクロアナライザ等におけるス
ペクトル表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 X線マイクロアナライザ等において
は、波長分散型X線検出器(以下WDSと略記する)や
エネルギー分散型X線検出器(以下EDSと略記する)
を取り付け、試料表面に電子線を照射することにより、
試料より放射される特性X線を検出してX線スペクトル
を表示して試料中に含まれる元素の同定を行っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、試料よりの
特性X線を検出するWDSやEDSはそれぞれ特徴があ
り、例えば、WDSでは波長分解能は良いが高次X線が
含まれるためこれを除去することが難しい。また、ED
Sではスペクトル中に高次X線は含まれないがエネルギ
ー分解能が悪く特に超軽元素、例えばベリリューム(B
e)〜フッ素(F)の検出は困難という状況にある。 【0004】従って、WDSまたはEDSのみによって
X線の検出を行い、これらのX線スペクトルをそれぞれ
個別に表示装置に表示して元素の同定を行うと、WDS
によるX線スペクトル(以下波長スペクトルという)の
表示では高次X線により含有元素の同定を誤ったり、ま
た、EDSによるX線スペクトル(以下エネルギースペ
クトルという)の表示ではエネルギー分解能が悪いため
にピークが重なり含有元素を見落とす等の欠点があっ
た。 【0005】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、波長分散型X線検出器とエネルギー分散型X線検出
器の検出信号に基づく2種のX線スペクトル波形を同一
画面上に表示することにより定性分析における分析精度
を向上させることのできるX線マイクロアナライザ等に
おけるスペクトル表示装置を提供することを目的として
いる。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、電子線を試料に照射し試料から発生する特性
X線をX線検出器によって検出してスペクトルを表示す
るX線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装
置において、前記試料の電子線照射領域から発生する特
性X線を検出するエネルギー分散型X線検出器と、前記
電子線照射領域と同一の領域から発生する特性X線を検
出する波長分散型X線検出器と、前記エネルギー分散型
X線検出器が検出した特性X線の検出信号に基づいて横
軸をエネルギー,縦軸を強度としたエネルギースペクト
ルを表示するための手段と、前記波長分散型X線検出器
が検出した特性X線の検出信号に基づいて横軸を特性X
線の波長に対応したエネルギー,縦軸を強度とした波長
スペクトルを表示するための手段とを備えたことを特徴
としている。 【0007】 【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施の
形態を詳しく説明する。図1は本発明の一実施例にかか
るX線マイクロアナライザーの概略構成図である。図中
1は電子銃、電子銃1よりの電子線2は集束レンズ3,
対物レンズ4により細く絞られて試料5上に照射され
る。6は電子線2の試料5上における照射位置を任意に
選んだり、または電子線2を試料面上で二次元的に走査
するための電子線走査コイルであり、偏向電源7より偏
向電流が供給される。8は電子線2の照射により試料5
より発生するX線のうち特定の波長のものだけを選択し
てX線検出器9に導くための分光結晶であり、この装置
には分光結晶が複数個取り付けられている。このX線検
出器9によって検出された検出パルスは図示外の増幅器
により増幅された後、計数回路10に供給され、演算制
御装置11よりの制御信号により設定された時間だけ計
数される。この計数回路10よりの計数値は記憶回路1
2に波長スペクトルとして記憶される。13は試料5よ
り発生するX線を検出するための半導体検出器である。
この半導体検出器13は入射するX線のエネルギーに応
じた波高値の電圧パルスを発生する。この電圧パルスは
図示外の増幅器を介してマルチチャンネル波高分析器1
4に供給されている。このマルチチャンネル波高分析器
14は、半導体検出器13の出力パルス(電圧パルス)
を波高値に応じて弁別してカウントする。該カウント値
は演算制御装置11により記憶回路12の各エネルギー
領域に対応した番地にエネルギースペクトルとして格納
される。15はX線スペクトルを表示する陰極線管で、
16は演算制御装置11に接続されたキーボード等の入
力装置である。17は試料5が載置された試料ステージ
で、18はステージ駆動回路であり、演算制御装置11
よりの制御信号によって制御される。 【0008】以上のように構成された装置により、WD
SとEDSとで検出されたX線をX線スペクトルとして
陰極線管15の同一画面上に表示して試料中の元素の同
定を行う場合について説明する。 【0009】先ず、試料5上に照射された電子線2によ
って試料5より発生するX線をWDSとEDSによって
検出する。WDSではX線分光器を短波長側から長波長
側(又は長波長側から短波長側)に走査させながらX線
スペクトルを収集する。EDSでは前記試料5よりのX
線を半導体検出器13により検出して、X線エネルギー
に比例した電圧パルスに変換した後、マルチチャンネル
波高分析器14によりエネルギースペクトルに変換す
る。 【0010】ところで、この装置においては、図2に示
すように陰極線管15上に、例えば横軸を波長、縦軸を
強度とした波長スペクトル波形と、横軸をエネルギー、
縦軸を強度としたエネルギースペクトル波形とを同時に
表示することができる。すなわち、演算制御回路11
は、入力装置16より入力される表示条件によって記憶
回路12に記憶されているエネルギースペクトルと波長
スペクトルを陰極線管15の画面左半分にEDSよりの
エネルギースペクトルを、画面右半分にWDSよりの波
長スペクトルを同時に表示するように制御する。この制
御によって、陰極線管15上には、EDSよりのエネル
ギースペクトルと、WDSよりの例えば4本の波長スペ
クトルが表示される。ここで、WDSよりの波長スペク
トルはデータ収集後、全スペクトルを表示する必要はな
く、これらのうちのいずれか1本又は任意の数の波長ス
ペクトルを表示して、スペクトルの細部を観察すること
も可能であり、さらに各スペクトル毎に横軸及び縦軸の
拡大縮小も行えるようになっている。また、同様にエネ
ルギースペクトルを表示する場合も横軸及び縦軸の拡大
縮小も行えるようになっている。更に、陰極線管15上
に表示される波長スペクトル上には、WDSによる波長
スペクトルによる元素の同定によって存在すると判定さ
れた元素の波長位置に同定元素名(本実施例の場合元素
a〜g)を表示し、同様にEDSによる元素同定によっ
て存在すると判定された元素のエネルギー位置に同定元
素名(本実施例の場合は元素a〜e)を表示する。更に
また、エネルギースペクトルには、元素名または原子番
号(本実施例の場合は元素f)を入力装置16より入力
すると、その元素より発生するK,L,M線のエネルギ
ー位置にKLMマーカmが表示される。同様に、波長ス
ペクトル上にも元素名又は原子番号(本実施例の場合は
元素b)とX線の次数n(本実施例の場合はn=3)を
入力すると、波長スペクトルに1〜n次数の波長位置に
KLMマーカ(m1,m2,m3)が表示される。 【0011】ここで、陰極線管15に波長スペクトルと
エネルギースペクトルを同時に表示して元素の同定を行
う場合について説明する。 【0012】A)波長スペクトルとエネルギースペクト
ルの双方に表示される元素は試料に存在するものとして
判定する。 【0013】B)エネルギースペクトル上では存在する
と判定された元素について、波長スペクトル上には存在
しない場合には、エネルギースペクトルのKLMマーカ
をWDSの波長スペクトル上で同定された他の元素のエ
ネルギースペクトル上の元素位置に表示し、位置が一致
するものが含まれている場合には、EDS側が他の元素
によるピークを誤って判定したものとして存在元素とは
判定しない。 【0014】C)又、上記とは逆に波長スペクトル上に
は存在すると判定された元素について、エネルギースペ
クトル上には存在しない場合には、他の存在すると判定
された元素の波長スペクトルの高次線のKLMマーカ
を、その波長スペクトル上の元素位置に表示し、位置が
一致するものが含まれいてる場合には、WDS側が他の
元素の高次線のピークを誤って判定したものと判断して
存在元素とは判定しない。 【0015】D)波長スペクトルに表示されている元素
gのスペクトルはEDSで検出できない超軽元素のピー
クと判定する。 【0016】上記スペクトルを表示して比較検討する際
に、当然スペクトルの微細部分を見て判定する必要があ
る場合には、前述したスペクトルの横軸,縦軸の拡大機
能を用いて表示するようにすればよい。 【0017】ところで、図2に示した表示では、エネル
ギースペクトル波形は横軸をエネルギーを単位として表
示され、一方、波長スペクトル波形は横軸を波長を単位
として表示されるので、注目元素に対応したエネルギー
スペクトルピークがエネルギースペクトル中に存在した
場合に、そのピークが波長スペクトル中にも存在するか
どうかを確認しようとしても、波長スペクトル波形中の
どの波長位置を見て良いのかわからない。そこで、図1
の装置では、記憶回路12に記憶されている波長スペク
トルの波長値を演算制御装置11によりエネルギー値に
換算し、例えば図3に示すように、陰極線管の画面右半
分には、横軸を特性X線の波長に対応したエネルギー、
縦軸を強度とした波長スペクトルを表示させ、一方、陰
極線管の画面左半分には、横軸をエネルギー、縦軸を強
度としたエネルギースペクトル波形を表示させることが
できる。このようにすれば、各々のスペクトル波形にお
ける注目元素に対応したスペクトルピークの存在確認
は、共通なエネルギー軸上で行えるので、双方のスペク
トル中における前記ピークの存在確認を容易且つ短時間
に行うことができ、試料中に含まれる元素を迅速に同定
して定性分析を行うことができる。 【0018】なお、本実施例では、エネルギースペクト
ルを1本表示し、波長スペクトルを4本表示して試料中
に含まれる元素を同定するようにしたが、表示するそれ
ぞれのスペクトルはこの表示する本数に限定されるもの
ではない。 【0019】また、本実施例では陰極線管15の画面左
半分にはEDSよりのエネルギースペクトルを表示し、
画面右半分にはWDSよりの波長スペクトルを同時に表
示するようにしたが、このような表示方法に限定される
ものではなく、たとえば画面上半分にEDSよりのエネ
ルギースペクトルを表示し、画面下半分にWDSよりの
波長スペクトルを同時に表示するようにしても良い。こ
の場合、両スペクトルが対照し易いように両スペクトル
の波長位置を合わせて表示するようにしても良い。 【0020】更に、表示するKLMマーカは本実施例に
おいては、実線で表示するようにしたが、Kマーカを実
線で、Lマーカを破線で、Mマーカを一点破線で表示す
るようにしてもよく、それぞれマーカによって表示する
色を変えても良い。 【0021】 【発明の効果】 本発明によれば、エネルギースペクト
ル波形と波長スペクトル波形が、横軸を共にエネルギー
を単位として表示されるので、各々のスペクトル波形に
おける注目元素に対応したスペクトルピークの存在確認
は、共通なエネルギー軸上で行えるので、双方のスペク
トル中における前記ピークの存在確認を容易且つ短時間
に行うことができ、試料中に含まれる元素を迅速に同定
して定性分析を行うことができる。
検出器により検出された特性X線の検出信号に基づく波
長スペクトルと、エネルギー分散型X線検出器により検
出された特性X線の検出信号に基づくエネルギースペク
トルとを表示するX線マイクロアナライザ等におけるス
ペクトル表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 X線マイクロアナライザ等において
は、波長分散型X線検出器(以下WDSと略記する)や
エネルギー分散型X線検出器(以下EDSと略記する)
を取り付け、試料表面に電子線を照射することにより、
試料より放射される特性X線を検出してX線スペクトル
を表示して試料中に含まれる元素の同定を行っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、試料よりの
特性X線を検出するWDSやEDSはそれぞれ特徴があ
り、例えば、WDSでは波長分解能は良いが高次X線が
含まれるためこれを除去することが難しい。また、ED
Sではスペクトル中に高次X線は含まれないがエネルギ
ー分解能が悪く特に超軽元素、例えばベリリューム(B
e)〜フッ素(F)の検出は困難という状況にある。 【0004】従って、WDSまたはEDSのみによって
X線の検出を行い、これらのX線スペクトルをそれぞれ
個別に表示装置に表示して元素の同定を行うと、WDS
によるX線スペクトル(以下波長スペクトルという)の
表示では高次X線により含有元素の同定を誤ったり、ま
た、EDSによるX線スペクトル(以下エネルギースペ
クトルという)の表示ではエネルギー分解能が悪いため
にピークが重なり含有元素を見落とす等の欠点があっ
た。 【0005】本発明は以上の点に鑑みてなされたもの
で、波長分散型X線検出器とエネルギー分散型X線検出
器の検出信号に基づく2種のX線スペクトル波形を同一
画面上に表示することにより定性分析における分析精度
を向上させることのできるX線マイクロアナライザ等に
おけるスペクトル表示装置を提供することを目的として
いる。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、電子線を試料に照射し試料から発生する特性
X線をX線検出器によって検出してスペクトルを表示す
るX線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装
置において、前記試料の電子線照射領域から発生する特
性X線を検出するエネルギー分散型X線検出器と、前記
電子線照射領域と同一の領域から発生する特性X線を検
出する波長分散型X線検出器と、前記エネルギー分散型
X線検出器が検出した特性X線の検出信号に基づいて横
軸をエネルギー,縦軸を強度としたエネルギースペクト
ルを表示するための手段と、前記波長分散型X線検出器
が検出した特性X線の検出信号に基づいて横軸を特性X
線の波長に対応したエネルギー,縦軸を強度とした波長
スペクトルを表示するための手段とを備えたことを特徴
としている。 【0007】 【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施の
形態を詳しく説明する。図1は本発明の一実施例にかか
るX線マイクロアナライザーの概略構成図である。図中
1は電子銃、電子銃1よりの電子線2は集束レンズ3,
対物レンズ4により細く絞られて試料5上に照射され
る。6は電子線2の試料5上における照射位置を任意に
選んだり、または電子線2を試料面上で二次元的に走査
するための電子線走査コイルであり、偏向電源7より偏
向電流が供給される。8は電子線2の照射により試料5
より発生するX線のうち特定の波長のものだけを選択し
てX線検出器9に導くための分光結晶であり、この装置
には分光結晶が複数個取り付けられている。このX線検
出器9によって検出された検出パルスは図示外の増幅器
により増幅された後、計数回路10に供給され、演算制
御装置11よりの制御信号により設定された時間だけ計
数される。この計数回路10よりの計数値は記憶回路1
2に波長スペクトルとして記憶される。13は試料5よ
り発生するX線を検出するための半導体検出器である。
この半導体検出器13は入射するX線のエネルギーに応
じた波高値の電圧パルスを発生する。この電圧パルスは
図示外の増幅器を介してマルチチャンネル波高分析器1
4に供給されている。このマルチチャンネル波高分析器
14は、半導体検出器13の出力パルス(電圧パルス)
を波高値に応じて弁別してカウントする。該カウント値
は演算制御装置11により記憶回路12の各エネルギー
領域に対応した番地にエネルギースペクトルとして格納
される。15はX線スペクトルを表示する陰極線管で、
16は演算制御装置11に接続されたキーボード等の入
力装置である。17は試料5が載置された試料ステージ
で、18はステージ駆動回路であり、演算制御装置11
よりの制御信号によって制御される。 【0008】以上のように構成された装置により、WD
SとEDSとで検出されたX線をX線スペクトルとして
陰極線管15の同一画面上に表示して試料中の元素の同
定を行う場合について説明する。 【0009】先ず、試料5上に照射された電子線2によ
って試料5より発生するX線をWDSとEDSによって
検出する。WDSではX線分光器を短波長側から長波長
側(又は長波長側から短波長側)に走査させながらX線
スペクトルを収集する。EDSでは前記試料5よりのX
線を半導体検出器13により検出して、X線エネルギー
に比例した電圧パルスに変換した後、マルチチャンネル
波高分析器14によりエネルギースペクトルに変換す
る。 【0010】ところで、この装置においては、図2に示
すように陰極線管15上に、例えば横軸を波長、縦軸を
強度とした波長スペクトル波形と、横軸をエネルギー、
縦軸を強度としたエネルギースペクトル波形とを同時に
表示することができる。すなわち、演算制御回路11
は、入力装置16より入力される表示条件によって記憶
回路12に記憶されているエネルギースペクトルと波長
スペクトルを陰極線管15の画面左半分にEDSよりの
エネルギースペクトルを、画面右半分にWDSよりの波
長スペクトルを同時に表示するように制御する。この制
御によって、陰極線管15上には、EDSよりのエネル
ギースペクトルと、WDSよりの例えば4本の波長スペ
クトルが表示される。ここで、WDSよりの波長スペク
トルはデータ収集後、全スペクトルを表示する必要はな
く、これらのうちのいずれか1本又は任意の数の波長ス
ペクトルを表示して、スペクトルの細部を観察すること
も可能であり、さらに各スペクトル毎に横軸及び縦軸の
拡大縮小も行えるようになっている。また、同様にエネ
ルギースペクトルを表示する場合も横軸及び縦軸の拡大
縮小も行えるようになっている。更に、陰極線管15上
に表示される波長スペクトル上には、WDSによる波長
スペクトルによる元素の同定によって存在すると判定さ
れた元素の波長位置に同定元素名(本実施例の場合元素
a〜g)を表示し、同様にEDSによる元素同定によっ
て存在すると判定された元素のエネルギー位置に同定元
素名(本実施例の場合は元素a〜e)を表示する。更に
また、エネルギースペクトルには、元素名または原子番
号(本実施例の場合は元素f)を入力装置16より入力
すると、その元素より発生するK,L,M線のエネルギ
ー位置にKLMマーカmが表示される。同様に、波長ス
ペクトル上にも元素名又は原子番号(本実施例の場合は
元素b)とX線の次数n(本実施例の場合はn=3)を
入力すると、波長スペクトルに1〜n次数の波長位置に
KLMマーカ(m1,m2,m3)が表示される。 【0011】ここで、陰極線管15に波長スペクトルと
エネルギースペクトルを同時に表示して元素の同定を行
う場合について説明する。 【0012】A)波長スペクトルとエネルギースペクト
ルの双方に表示される元素は試料に存在するものとして
判定する。 【0013】B)エネルギースペクトル上では存在する
と判定された元素について、波長スペクトル上には存在
しない場合には、エネルギースペクトルのKLMマーカ
をWDSの波長スペクトル上で同定された他の元素のエ
ネルギースペクトル上の元素位置に表示し、位置が一致
するものが含まれている場合には、EDS側が他の元素
によるピークを誤って判定したものとして存在元素とは
判定しない。 【0014】C)又、上記とは逆に波長スペクトル上に
は存在すると判定された元素について、エネルギースペ
クトル上には存在しない場合には、他の存在すると判定
された元素の波長スペクトルの高次線のKLMマーカ
を、その波長スペクトル上の元素位置に表示し、位置が
一致するものが含まれいてる場合には、WDS側が他の
元素の高次線のピークを誤って判定したものと判断して
存在元素とは判定しない。 【0015】D)波長スペクトルに表示されている元素
gのスペクトルはEDSで検出できない超軽元素のピー
クと判定する。 【0016】上記スペクトルを表示して比較検討する際
に、当然スペクトルの微細部分を見て判定する必要があ
る場合には、前述したスペクトルの横軸,縦軸の拡大機
能を用いて表示するようにすればよい。 【0017】ところで、図2に示した表示では、エネル
ギースペクトル波形は横軸をエネルギーを単位として表
示され、一方、波長スペクトル波形は横軸を波長を単位
として表示されるので、注目元素に対応したエネルギー
スペクトルピークがエネルギースペクトル中に存在した
場合に、そのピークが波長スペクトル中にも存在するか
どうかを確認しようとしても、波長スペクトル波形中の
どの波長位置を見て良いのかわからない。そこで、図1
の装置では、記憶回路12に記憶されている波長スペク
トルの波長値を演算制御装置11によりエネルギー値に
換算し、例えば図3に示すように、陰極線管の画面右半
分には、横軸を特性X線の波長に対応したエネルギー、
縦軸を強度とした波長スペクトルを表示させ、一方、陰
極線管の画面左半分には、横軸をエネルギー、縦軸を強
度としたエネルギースペクトル波形を表示させることが
できる。このようにすれば、各々のスペクトル波形にお
ける注目元素に対応したスペクトルピークの存在確認
は、共通なエネルギー軸上で行えるので、双方のスペク
トル中における前記ピークの存在確認を容易且つ短時間
に行うことができ、試料中に含まれる元素を迅速に同定
して定性分析を行うことができる。 【0018】なお、本実施例では、エネルギースペクト
ルを1本表示し、波長スペクトルを4本表示して試料中
に含まれる元素を同定するようにしたが、表示するそれ
ぞれのスペクトルはこの表示する本数に限定されるもの
ではない。 【0019】また、本実施例では陰極線管15の画面左
半分にはEDSよりのエネルギースペクトルを表示し、
画面右半分にはWDSよりの波長スペクトルを同時に表
示するようにしたが、このような表示方法に限定される
ものではなく、たとえば画面上半分にEDSよりのエネ
ルギースペクトルを表示し、画面下半分にWDSよりの
波長スペクトルを同時に表示するようにしても良い。こ
の場合、両スペクトルが対照し易いように両スペクトル
の波長位置を合わせて表示するようにしても良い。 【0020】更に、表示するKLMマーカは本実施例に
おいては、実線で表示するようにしたが、Kマーカを実
線で、Lマーカを破線で、Mマーカを一点破線で表示す
るようにしてもよく、それぞれマーカによって表示する
色を変えても良い。 【0021】 【発明の効果】 本発明によれば、エネルギースペクト
ル波形と波長スペクトル波形が、横軸を共にエネルギー
を単位として表示されるので、各々のスペクトル波形に
おける注目元素に対応したスペクトルピークの存在確認
は、共通なエネルギー軸上で行えるので、双方のスペク
トル中における前記ピークの存在確認を容易且つ短時間
に行うことができ、試料中に含まれる元素を迅速に同定
して定性分析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】 本発明装置による表示の一実施例を示す図で
ある。 【図3】 本発明装置による表示の他の実施例を示す図
である。 【符号の説明】 1…電子銃、2…電子線、3…集束レンズ、4…対物レ
ンズ、5…試料、6…電子線走査コイル、7…偏向電
源、8…分光結晶、9…X線検出器、10…計数回路、
11…演算制御装置、12…記憶回路、13…半導体検
出器、14…マルチチャンネル波高分析器、15…陰極
線管、16…入力装置、17…試料ステージ、18…ス
テージ駆動回路
ある。 【図3】 本発明装置による表示の他の実施例を示す図
である。 【符号の説明】 1…電子銃、2…電子線、3…集束レンズ、4…対物レ
ンズ、5…試料、6…電子線走査コイル、7…偏向電
源、8…分光結晶、9…X線検出器、10…計数回路、
11…演算制御装置、12…記憶回路、13…半導体検
出器、14…マルチチャンネル波高分析器、15…陰極
線管、16…入力装置、17…試料ステージ、18…ス
テージ駆動回路
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭55−37754(JP,A)
特開 昭61−251754(JP,A)
特開 昭60−257051(JP,A)
特開 昭59−65751(JP,A)
特開 昭61−93938(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.電子線を試料に照射し試料から発生する特性X線を
X線検出器によって検出してスペクトルを表示するX線
マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装置にお
いて、前記試料の電子線照射領域から発生する特性X線
を検出するエネルギー分散型X線検出器と、前記電子線
照射領域と同一の領域から発生する特性X線を検出する
波長分散型X線検出器と、前記エネルギー分散型X線検
出器が検出した特性X線の検出信号に基づいて横軸をエ
ネルギー,縦軸を強度としたエネルギースペクトルを表
示するための手段と、前記波長分散型X線検出器が検出
した特性X線の検出信号に基づいて横軸を特性X線の波
長に対応したエネルギー,縦軸を強度とした波長スペク
トルを表示するための手段とを備えたX線マイクロアナ
ライザ等におけるスペクトル表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8298958A JP2688349B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | X線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8298958A JP2688349B2 (ja) | 1996-11-11 | 1996-11-11 | X線マイクロアナライザ等におけるスペクトル表示装置 |
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Publications (2)
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Family
ID=17866394
Family Applications (1)
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-
1996
- 1996-11-11 JP JP8298958A patent/JP2688349B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09178680A (ja) | 1997-07-11 |
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