JP2688310B2 - 真空脱ガス装置 - Google Patents
真空脱ガス装置Info
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Description
使用する真空脱ガス装置に関する。
例が多くなっているが、中でもRH真空処理槽内の溶鋼
に酸素を供給し、溶鋼を積極的に脱炭する操業が広く行
われている。しかし脱炭処理に際しては溶鋼の温度が降
下するために溶鋼の温度低下に起因する多くの問題点が
発生しており、またRH真空処理槽の内壁面に多量の地
金が付着するという問題点が発生している。
る例はあるが、しかし従来の電気抵抗発熱体は溶鋼の温
度低下防止や地金の付着防止には不十分であった。また
従来の電気抵抗発熱体は設備コストや電極原単位や消費
電力コストが大きいために、RH処理コストが高くなる
という問題点がある。
ていない待機中のRH真空処理槽内を十分に予熱してお
くと、溶鋼の温度低下や地金の付着は軽減する。しかし
従来の電気抵抗発熱体では加熱能力が不十分であるし、
また電極や電力コストが高いためにRH処理コストが高
くなるという問題点がある。
にAlやSi等を添加し、真空処理槽内の溶鋼に酸素を
吹きつけて溶鋼を加熱する方法が記載されている。しか
しこの方法は高価なAlやSi等を使用する方法であ
り、またこの方法では真空処理槽に多量の地金が付着す
るという問題点がある。
処理槽内の溶鋼表面に吹付け、この酸素によって真空処
理槽内の溶鋼が放出するCOガスを燃焼させる方法が記
載されている。しかしこの方法では溶鋼が放出するCO
ガスのみを熱源として用いるために、加熱はCOガスの
放出量に制限されて、溶鋼の温度降下の防止には不十分
な場合があり、また熱源が小さいためにRH真空処理槽
への地金の付着を有効に防止することは難しい。
の地金付着の防止と付着した地金の溶解除去に専ら用い
る複数個のガス燃焼バーナと、複数個のバーナを装着し
たランスが記載されている。しかし複数のガス燃焼バー
ナや複数のバーナを装着したランスは取り扱いが煩瑣で
ある。また溶鋼に酸素を吹きつけて脱炭する際には別の
酸素専用のランスが必要となるし、溶鋼に酸素を吹きつ
けて脱炭する際、これ等の複数のバーナは邪魔になる。
ランスを用いるのみで酸素単独吹きで脱炭処理を効率よ
く行う事が可能であり、また燃料ガスと酸素とを燃焼さ
せて溶鋼を効率よく加熱する事および槽内地金付着を防
止する事が可能であり、更に待機中の真空処理槽の内壁
を十分高温に加熱しあるいは付着地金を溶解除去する事
が可能な真空脱ガス装置の提供を課題としている。
(1)上昇、下降が可能に真空処理槽内に垂下せしめた
上吹ランスを有し、該上吹ランスは、軸芯に設けたスロ
ート部とスロート部の下方に連接した末広がり部よりな
る酸素吹出部と、該末広がり部の末広がり面に設けた燃
料ガス供給孔とを有することを特徴とする、真空脱ガス
装置。
度が1°〜20°でかつ下端部の直径D1と上端部の直
径D2との比(D1/D2)が1超、40未満であり、燃
料ガス供給孔はその位置における酸素の圧力が燃料ガス
の吐出圧力に等しくなる位置より下方で下端より5mm
以上上方の末広がり面に設けられていることを特徴とす
る、前記(1)に記載の真空脱ガス装置である。
説明図で、(A)は断面の説明図、(B)は酸素吹出部にお
ける噴出気体圧力の模式説明図である。本発明の上吹ラ
ンス1は、軸芯に設けたスロート部2とスロート部の下
方に連接した末広がり部3よりなる酸素吹出部を有す
る。また末広がり部3の末広がり面に軸芯に対称に複数
個の燃料ガス供給孔4が設けられている。5は水冷部で
6は酸素、7は燃料ガスである。
し、ハードブローによる溶鋼への着酸素効率向上と閉塞
防止のために設ける。末広がり部の傾斜角度θは1°〜
20°が好ましい。1°未満では超音速が得られず、2
0°超では流れの剥離が起こり亜音速となり吐出流速が
低下する。
力で、P2は末広がり部3の下端における噴出気体圧力
である。噴出気体圧力は末広がり部3の下端にいくに従
い低下する。本発明の上吹ランス1は、真空処理槽内の
低い圧力の下で酸素を吹込みあるいは酸素と燃料とを吹
込むのに適切に設計されている。従って末広がり部3の
下端における噴出気体圧力は、1気圧よりも小さく、例
えば10〜100トルである。
径D1と上端部の直径D2の比(D1/D2)は1〜40と
する事が好ましい。D1/D2が1未満では末広がり構造
が成立せず超音速は得られない。一方、D1/D2が40
以上であると元圧が高くなり過ぎ工業上成立しない。
がり部3の末広がり面に設ける。図1(B)でスロート2
の位置では噴出気体圧力がP1で大きいために、燃料ガ
スも相応の高い圧力で供給する事となる。しかし燃料ガ
スの圧力をP1に合わせて調整して供給すると着火が不
安定となり易く、またこの調整は煩わしい。また燃料ガ
ス供給孔4を末広がり部3の下端の位置に設けると、酸
素ガスと十分に混合させる事が難しい。
ける燃料ガスの吐出圧力をP f 、スロート部2における
酸素圧力をP 1 、末広がり部3の出口部における酸素圧
力をP 2 とする。燃料ガス供給孔をその位置における酸
素の圧力が燃料ガスの吐出圧力P f に等しくなる位置S 1
より下方で下端より5mm以上上方の、図1(A)のSで
示した範囲に設けると、この位置における噴出気体すな
わち酸素の圧力は、図1(B)の例えばP3となり、燃料
ガスの吐出圧力よりも低くなるため(P 3 <P f )、燃料
ガスを安定に供給することができ着火は安定する。
例を示したが、燃料ガス供給孔は、軸芯に対称な位置に
3ヶ以上設けると、形成されるフレームは上吹きランス
1の軸芯の前後、左右に更に対称となるために好まし
い。尚図1で5は水冷部、6は酸素、7は燃料ガスであ
る。
と支持の説明図であり特に代表的処理装置であるRHを
例にしている。図2(A)に示した如く、上吹ランス1は
真空処理槽の頂部に、矢印10で示した如く、上昇.下
降が可能に真空処理槽内に垂下せしめて配されている。
図2(B)は、真空処理槽の頂部と上吹ランス1のシール
の例の説明図である。
クランプ9を気密に取りつける。11はローラー支持装
置である。例えばシールクランプ9を緩め、ローラー支
持装置のローラー12を回動させて、上吹ランス1を上
昇、下降して所定の位置に設定する。その後シールクラ
ンプ9のクランプ力を強めてシールクランプ9により上
吹ランス1を気密に把持する。例えばこの操作により上
吹ランス1は所望の位置に、気密に保持されて真空処理
槽内に垂下される。尚図中13はRH真空脱ガス処理
槽、14は取鍋、15は溶鋼、16は循環ガス吹込孔で
ある。
ス7の供給を止めると、酸素のみを吹き出して、酸素単
独吹きで脱炭処理を行うことができる。また酸素吹きで
脱炭を行うと同時に溶鋼を加熱する際は、多量の酸素と
同時に所望量の燃料ガスを燃料ガス供給孔4から供給す
る。末広がり部内では圧力が徐々に低下するが、燃料ガ
ス供給孔位置の圧力が燃料ガス吐出圧力よりも低ければ
所望量の燃料ガスを同時に支障なく燃料ガス供給孔4か
ら供給する事ができる。この際、供給した酸素の一部は
燃料ガスを燃焼させ、燃焼熱は溶鋼に吹きつけられて溶
鋼を加熱し、残部の酸素は処理中の溶鋼を脱炭する。
際には、所望量の燃料ガスと、この燃料ガスを燃焼する
のに必要な流量の酸素とを上吹ランス1から供給する
が、本発明の上吹ランスは図1(B)で述べた如く、末広
がり部の下端における噴出気体圧力は小さく、このため
に緩やかな長いフレームを形成して溶鋼を効率良く加熱
する。
は付着した地金の溶解除去は大気圧下で行われる事が多
い。図1(A)で述べた上吹ランスを大気圧下で用いる
と、末広がり部の下端部が大気圧となる。このために末
広がり部の下端から一旦噴出された気体の混合は良くな
る。
温のフレームが形成される。真空処理槽内の内壁はこの
極めて高温のフレームによる輻射熱によって加熱され、
また付着した地金はこの極めて高温のフレームによる輻
射熱によって溶解し除去される。本発明で上吹ランスは
上昇、下降させる事ができるが、長さが減圧下よりも短
く極めて高温のフレームを形成させ、上吹ランスを上
昇、下降させてこの高温のフレームを上昇、降下させる
と、フレームの近傍の付着地金は溶解し、真空処理槽に
付着した地金を一層効率よく除去することができる。
ンスのみを用いるが、酸素単独吹きで脱炭処理を効率よ
く行う事ができ、また燃料ガスと酸素とを燃焼させて溶
鋼を効率よく加熱する事および真空槽内の地金付着を防
止する事ができ、更に待機中の真空処理槽の内壁を十分
高温に加熱しあるいは付着地金を溶解除去することがで
きる。本発明は高価な電極や電力や通電設備を必要とし
ないため、処理コストを低減することができる。もちろ
んRH以外の装置にも本発明は適用可能である。
は本発明における上吹ランスの配置と支持の説明図、で
ある。
部、 4:燃料ガス供給孔、 5:水冷部、 6:酸
素、 7:燃料ガス、 8:真空処理槽頂部の鉄皮、
9:シールクランプ、 11:ローラー支持装置、 1
2:ローラー、 13:RH真空処理槽、 14:取
鍋、 15:溶鋼、 16:循環ガス吹込孔。
Claims (2)
- 【請求項1】上昇、下降が可能に真空処理槽内に垂下せ
しめて配された上吹ランスを有し、該上吹ランスは、軸
芯に設けたスロート部とスロート部の下方に連接した末
広がり部よりなる酸素吹出部と、該末広がり部の末広が
り面に設けた燃料ガス供給孔とを有することを特徴とす
る、真空脱ガス装置。 - 【請求項2】末広がり部が、傾斜角度が1°〜20°
で、かつ下端部の直径D1と上端部の直径D2との比(D
1/D2)が1超、40未満であり、燃料ガス供給孔はそ
の位置における酸素の圧力が燃料ガスの吐出圧力に等し
くなる位置より下方で下端より5mm以上上方の末広が
り面に設けられていることを特徴とする、請求項1に記
載の真空脱ガス装置。
Priority Applications (12)
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Family Cites Families (3)
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-
1992
- 1992-08-26 JP JP4227633A patent/JP2688310B2/ja not_active Expired - Lifetime
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