JP2974587B2 - 真空脱ガス槽の槽内待機型バーナランス - Google Patents

真空脱ガス槽の槽内待機型バーナランス

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JP2974587B2
JP2974587B2 JP6322281A JP32228194A JP2974587B2 JP 2974587 B2 JP2974587 B2 JP 2974587B2 JP 6322281 A JP6322281 A JP 6322281A JP 32228194 A JP32228194 A JP 32228194A JP 2974587 B2 JP2974587 B2 JP 2974587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、槽頂部に設けたランス
挿入口からバーナランスを非操業中に槽内に降下し、当
該バーナランスにより真空脱ガス槽内に付着した地金の
付着除去および槽内を予熱、保温する一方、槽内で溶鋼
の真空脱ガス処理を行う操業中は、バーナランスをラン
ス挿入口の近傍まで引き上げ、ランス先端部を槽内に臨
ませたままの状態で待機させるようにした真空脱ガス槽
の槽内待機型バーナランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、溶鋼を真空脱ガス処理するR
H式真空脱ガス装置では、真空脱ガス槽の下部に設けた
2本の浸漬管を取鍋内の溶鋼に浸漬し、槽内を真空にし
て溶鋼を吸い上げ、一方の浸漬管に不活性ガスを吹き込
むことにより真空脱ガス槽内に溶鋼を上昇させ、他方の
浸漬管から排出して真空脱ガス槽の減圧下で脱ガスし、
溶鋼成分の調整を行っている。
【0003】RH法等の真空脱ガス槽では、連続操業す
るのではなく真空脱ガス処理を必要とする鋼種のみを対
象として使用するため間欠操業となる。このため前処理
との時間的な間隔が生じた場合には、真空脱ガス槽内の
温度が低下するので、脱ガス槽は非操業中に加熱され
る。これは槽内耐火物を加熱することによって内壁に地
金が付着しにくくなるようにすること、耐火物のスポー
リングを防止することおよび処理中の溶鋼温度降下をで
きるだけ小さくするためである。真空脱ガス槽内の加熱
は槽内に黒鉛電極を挿入して通電し、そのジュール熱に
より予熱または保熱する方式が知られている。
【0004】黒鉛電極は、強度上に問題があり、操業中
にしばしば折損して落下し、溶鋼中に混入して成分外れ
や工程トラブルを生じることがあるばかりでなく、黒鉛
酸化防止のため多量の窒素ガスを槽内に送り込む必要が
あり、また高価な電力を消費するため経済性が劣る。真
空脱ガス槽内に付着した地金が多い場合には、付着地金
が溶鋼中に落下して〔C〕が溶鋼にピックアップして
〔C〕外れとなるため、非操業中に黒鉛電極により加熱
して地金を溶解除去していた。しかしながら電極周辺部
以外の地金は除去することができず、脱ガス処理中の地
金溶解による〔C〕ピックアップが問題となっていた。
【0005】このような問題を解決するため特開平1−
159312号公報にはRH等の真空脱ガス槽内にバーナラン
スを挿入して地金を溶解除去する技術が開示されてい
る。すなわち、図9に示すように真空脱ガス槽1の頂部
にバーナランス4aを挿入し、該バーナランス4aに供
給した燃焼用ガスを真空脱ガス槽1内にて燃焼させ、燃
焼ガスを真空脱ガス槽1の上部側面に設けた煙道31およ
び下部に設けた浸漬管20の双方に分配して外部へ排出す
る。この場合、煙道31を経て排出される燃焼ガスの割合
は、煙道31の下流に設けたダンパ32によって行われる。
【0006】真空脱ガス槽1の加熱開始に際しては、図
10に示すようにまず上蓋33をシリンダ34により開動作さ
せてランス挿入口2を開放する。次にランス挿入口2に
バーナランス4aを挿入し、蓋35にフランジ36を密着さ
せる。バーナランス4aに点火して真空脱ガス槽1の内
部を加熱する。この場合、保護用ガス供給管37からヘッ
ダ38を介してフランジ36に複数穿孔した噴出孔39からN
2 ガス等の保護用ガスを噴出する。
【0007】バーナランス4aにより付着地金の除去作
業が終了したらバーナランス4aを槽外に出して所定位
置に停止させ、次の地金除去動作まで待機させると共
に、ただちにシリンダ34により閉動作してランス挿入口
2を密閉する。前記従来技術のバーナランス4aによる
地金の除去手段では、ランス挿入口の上蓋33による開閉
動作とそれに続くバーナランス4aの真空脱ガス槽1内
への挿入操作が必要である。このためランス4aのハン
ドリング作業に時間を要するので、短サイクルの連続的
脱ガス処理を行う場合には、前処理との間隔ではバーナ
ランス4aを十分に使用できなくなる。したがってバー
ナランス4aの使用頻度が低下しやすくなり、脱ガス槽
1に付着した地金が成長し、ついにはランス挿入口2を
閉塞してしまいバーナランス4aの使用を困難にしてし
まうことも少なくないのが実状であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、真空脱ガス槽
の頂部に設けたランス挿入口の上蓋の開閉を要すること
なく真空脱ガス槽中における溶鋼の真空脱ガス処理が終
了した後に、バーナランスを迅速に槽内に挿入して加熱
を開始することができる真空脱ガス槽の加熱手段として
本願出願人は、特願平6−118325号を出願した。
【0009】この加熱手段は、図6に示すように真空脱
ガス槽1の槽頂壁1aに設けたランス挿入口2からバー
ナランス4bをシール機構3を介して非操業中に槽内に
挿入し、当該バーナランス4bにより真空脱ガス槽1内
に付着した地金を溶解除去したり、槽内を予熱、保温す
るに際し、前記真空脱ガス槽1内で溶鋼を真空脱ガス処
理する操業中は、前記バーナランス4bをランス挿入口
2の近傍まで引き上げ、槽内に臨ませた状態で待機させ
ると共に、当該バーナランス4bの下端面に開口するガ
ス供給ノズルから不活性ガスを15〜40m/秒の線速度条
件で吹き出すことにより、操業中の溶鋼スプラッシュに
伴う前記ガス供給ノズルへの地金付着による閉塞を防止
するようにしたものである。
【0010】シール機構3は、バーナランス4bとラン
ス挿入口2との間には下部管座27に装着したグランドパ
ッキン25と気体加圧によって膨張しバーナランス4bに
密着する上部管座28に装着したゴムなどの中空弾性体26
で完全にシールする構造である。すなわちバーナランス
4bをシール機構3を介してランス挿入口2から槽内に
挿入する際には、中空弾性体26内の気体加圧を解除して
おきグランドパッキン25を通過させて挿入する。バーナ
ランス4が槽頂壁1aの下面から 2.0m以下の所定レベ
ルまで降下したら、中空弾性体26内を気体で加圧して膨
張させ気密にシールする。このようなグランドパッキン
25によるメカニカルシールに加えて中空弾性体26の気体
加圧によるシールがなされているので、バーナランス4
bが振動しても中空弾性体26が容易に追従でき、真空脱
ガス処理操業中における完全なシールを達成できる。
【0011】前述のように真空脱ガス槽1内で溶鋼を真
空脱ガス処理する操業中は、バーナランス4bをランス
挿入口2の近傍まで引き上げ、槽内に臨ませた状態のま
まで待機させ、当該バーナランス4bのガス供給ノズル
から不活性ガスを吹き出してパージすることにより、操
業中の溶鋼スプラッシュに伴うガス供給ノズルへの地金
付着を軽減することができる。
【0012】しかしながら、真空脱ガス槽内で溶鋼の真
空脱ガス処理中にバーナランス4bのガス供給ノズルか
ら不活性ガスを吹き込んでパージすると、真空脱ガス処
理中の槽内到達真空度が悪化し、それにより溶鋼の脱ガ
ス能力が低下し脱ガス処理時間の延長や溶鋼の品質低下
を招くという問題点があった。ところで、バーナランス
4bは図7および図8に示すように多重管構造であり、
最も内側(中心部)の酸素ガス供給筒17aと最も外側の
外筒18aとの間には燃焼用ガス供給筒16aが配設してあ
る。そして燃焼用ガス供給筒16aを除く酸素ガス供給管
17aと外管18aとの間は冷却水通路19aとなっている。
【0013】このため脱ガス槽1内の真空度を上げるた
めバーナランス4bに内蔵した酸素ガス供給管17aおよ
び燃焼用ガス供給管16aに不活性ガスを供給してパージ
するのを中止すると、たちまちバーナランス4bの先端
下面に開口する酸素ガス供給ノズル30aおよび燃焼用ガ
ス供給ノズル29aに真空脱ガス処理中に溶鋼が飛散して
生じるスプラッシュにより地金Bが付着し、ノズル30
a、29aを閉塞して燃焼用ガスの燃焼を阻害するように
なるという問題点があった。
【0014】本発明は前述のような事情を憂慮してなさ
れたものであって、真空脱ガス槽中における溶鋼の真空
脱ガス処理が終了した後にバーナランスを迅速に槽内に
挿入して加熱を開始することができると共に、バーナラ
ンスのガス吹き込み口に地金が付着するのを軽減するこ
とができる真空脱ガス槽の槽内待機型バーナランスを提
供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、真空脱ガス槽内に付着した地金を溶解除去
すると共に、槽内を予熱して保温するバーナランスを槽
頂壁に設けたランス挿入口からシール機構を介して挿入
し、前記真空脱ガス槽内で溶鋼を真空脱ガス処理中は、
バーナランスをランス挿入口の近傍まで引き上げ、ラン
ス先端部を槽内に臨ませたままの状態で待機させるよう
にした真空脱ガス槽の槽内待機型バーナランスであっ
て、前記バーナランスの内部に設けた燃焼用ガス供給筒
および酸素ガス供給筒にそれぞれ連通する燃焼用ガス供
給ノズルおよび酸素ガス供給ノズルを、当該バーナラン
スの先端部側壁面に複数個配分して開口させ、前記待機
中のバーナランスにパージガスを供給しないパージレス
としたことを特徴とする真空脱ガス槽の槽内待機型バー
ナランスである。
【0016】
【作用】本発明では、真空脱ガス処理する操業中はバー
ナランスはシール機構によりシールされているのでラン
ス挿入口近傍まで引き上げ、槽内に臨ませた状態のまま
で待機させることができる。操業中にもランス挿入口近
傍に臨ませて待機しているので、脱ガス終了後の非操業
時に直ちにバーナランスによる加熱作業を開始すること
ができる。
【0017】バーナランスに内蔵した燃焼用ガス供給筒
および酸素ガス供給筒にそれぞれ連通する燃焼用ガス供
給ノズルおよび酸素ガス供給ノズルを、当該バーナラン
スの先端部側壁面に複数個配分して開口させてあるの
で、各ガス供給ノズルからパージ用ガスを吹き出さない
パージレスとしても地金付着によるノズル閉塞を軽減す
ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。本発明をRH式真空脱ガス装置に適用すると図3に
示すように真空脱ガス槽1の頂壁1aの中央部に内外を
貫通するランス挿入口2を設け、このランス挿入口2の
外側にランスシール機構3を設ける。ランスシール機構
3はバーナランス4をランス挿入口2から真空脱ガス槽
1内に挿入したときに気密にシールするものである。こ
のようにしてランスシール機構3を介してランス挿入口
2から真空脱ガス槽1内に挿入されるバーナランス4
は、昇降フレーム5に取りつけたランスホルダ6に支持
されている。
【0019】そしてランス昇降駆動装置23を駆動すると
昇降フレーム5がランス昇降ガイド7に沿って昇降する
ので、これによってバーナランス4が真空脱ガス槽1内
にランス挿入口2からシール機構3を介して挿入、挿出
移動することができるようになっている。ランス昇降ガ
イド7の下部にはバーナランス4の位置をランス挿入口
2のセンタに合わせながらガイドする位置決めガイド8
が設けてある。
【0020】ランス昇降ガイド7は上下に配設された水
平支持フレーム9の先端部に固着して支持されており、
また水平支持フレーム9の後端部は架台10の上部に取り
つけた垂直軸11を支点としてランス旋回駆動装置24を駆
動することにより操業位置と待機位置との間を旋回自在
に支持されている。バーナランス4には、図4に示すよ
うにその上部に燃焼用ガスとして液化天然ガス(LP
G)供給管12、酸素ガス(O2 )供給管13、給水管14お
よび排水管15が連結してある。そしてバーナランス4
は、図1および図2に示すように中心部にLPG供給筒
16を、その外側にO2 供給筒17を、さらにその外側にラ
ンス先端部で連通され仕切壁19bによって二重構造の冷
却水通路19を形成する外筒18を備えている。本発明では
バーナランス4に内蔵した中心部の燃焼用ガス供給筒16
に連通する燃焼用ガス供給ノズル29およびその外側の酸
素ガス供給ノズル30をバーナランス1の先端部側壁面に
複数個等分に配設し、ランス下端面は密閉した構造とす
るものである。なお、給水管14から給水された冷却水は
バーナランス4に形成した冷却水通路19を通ってランス
4を冷却した後、排水管15に排水される。
【0021】シール機構3は、図5に示すようにバーナ
ランス4とランス挿入口2との間には下部管座27に装着
したグランドパッキン25と気体加圧によって膨張しバー
ナランス4に密着する上部管座28に装着したゴムなどの
中空弾性体26で完全にシールする構造であり、図6に示
す場合と同じである。すなわちバーナランス4をランス
シール機構3を介してランス挿入口2から槽内に挿入す
る際には、中空弾性体26内の気体加圧を解除しておきグ
ランドパッキン25を通過させて挿入する。バーナランス
4が槽頂壁1aの下面から 2.0m以下の所定レベルまで
降下したら、中空弾性体26内を気体で加圧して膨張させ
気密にシールする。このようなグランドパッキン25によ
るメカニカルシールに加えて中空弾性体26の気体加圧に
よるシールがなされているので、バーナランス4が振動
しても中空弾性体26が容易に追従でき、真空脱ガス処理
操業中における完全なシールを達成できることになる。
【0022】本発明により真空脱ガス処理を行うに際し
ては、真空脱ガス槽1の底部に設けた2本の浸漬管20を
取鍋21内の溶鋼22中に浸漬し、一方の浸漬管20内にArガ
スを吹き込んでガスリフトポンプの原理で取鍋21内の溶
鋼22を真空脱ガス槽1内を真空にさらして真空脱ガスを
行う操業中には、図3に示すようにバーナランス4を頂
壁1aからたとえば2m以内のランス挿入口2の近傍ま
で引き上げ槽内に臨ませた状態として待機させておくも
のである。このときバーナランス4に冷却水を流して冷
却させてあるのはもちろんである。
【0023】本発明では、バーナランス4の先端部側壁
面にLPG供給ノズル29およびO2供給ノズル30を配設
してあるので、真空脱ガス処理を行う操業中に真空脱ガ
ス槽1内で溶鋼22がスプラッシュしても地金は、ランス
先端下面に付着するのみで燃焼用ガス供給ノズル29およ
び酸素ガス供給ノズル30に地金として付着するのを軽減
することができる。真空脱ガス槽1内を真空状態にして
脱ガス処理中にバーナランス4はランスシール機構3を
介して槽内に挿入してあるので大気が槽内にリークする
のを防止できるため真空度に悪影響を及ぼすことがな
い。
【0024】本発明では、真空脱ガス槽1内での真空脱
ガス処理が終了したら槽内を大気圧に戻す。引き続き、
溶鋼22の入った取鍋21を次工程の連続鋳造工場に搬送す
る。そして真空脱ガス槽1内に地金が付着している場合
には、直ちに真空脱ガス槽1の頂壁1aに設けたランス
挿入口2の近傍で槽内に臨んだ状態で待機させたバーナ
ランス4を槽内の必要なレベルまで下降させるためラン
ス昇降駆動装置23を駆動する。ランス昇降駆動装置23を
駆動すると、ランス昇降ガイド7に沿って昇降フレーム
5が下降するので、昇降フレーム5に取りつけたランス
ホルダ6に支持されたバーナランス4が下降することに
なる。バーナランス4の下端が槽内の必要なレベル位置
に達したらランス昇降駆動装置23の駆動を停止する。
【0025】次にLPG供給管12およびO2 供給管13か
らそれぞれ液化天然ガスLPGおよび酸素ガスO2 を供
給し、LPG供給筒16、O2 供給筒17を経由したのち、
バーナランス4のLPG供給ノズル29から槽内に噴射さ
れるLPGと、O2 供給ノズル30から噴射されるO2
スとによって燃焼させ火焔により槽内に付着した地金を
加熱し、これを溶解させると、下方に流れて除去され
る。このようにして真空脱ガス槽1内に付着した地金が
除去されたら、引き続きバーナランス4による真空脱ガ
ス槽1内を加熱し、次の真空脱ガス処理に備えて槽を必
要な温度に保熱する。
【0026】180 t/分能力のRH脱ガス装置において
図3に示すように真空脱ガス槽の頂壁中央部に設けたラ
ンス挿入口からランスシール機構を介してバーナランス
を炉頂壁から1.0 m下方の槽内に臨ませた状態で待機さ
せた状態とし、バーナランスの燃焼用ガスLPG供給ノ
ズルおよび酸素ガスO2 供給ノズルから不活性ガスをパ
ージすることなく溶鋼を脱炭処理した。
【0027】前記図1および図2に示す本発明のバーナ
ランスを用いてパージレスとした場合と、図7および図
8に示す比較例のバーナランスを用いてN2 ガスにより
パージする場合との操業結果を表1に比較して示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示すように比較例のバーナランスで
は、N2 ガスをパージガスとして吹き込むため脱ガス処
理中の到達真空度が 0.7トールであったが本発明のバー
ナランスでは、パージガスレスとしたため到達真空度を
0.1トールとすることができた。このため真空脱ガス開
始から溶鋼中の炭素濃度〔C〕を22ppm まで低下するま
での所要時間が比較例では17分であったのを本発明によ
れば15分に短縮でき脱炭速度を向上することができた。
なお、比較例ではパージ用ガスとしてN2 ガスを4Nm3
/hr使用していたが、本発明ではこれを零とすることが
できるのはいうまでもない。
【0030】チャージ(Ch)脱ガス処理後におけるバー
ナランスのノズル孔の状態は、比較例のバーナランスで
はパージ用ガスを吹き込んだにも拘らずノズルへの地金
付着が著しく使用不能な状態であったのに対し、本発明
によればノズルへの地金付着は全くなく、ススが付着し
ている程度で再使用が可能な状態であった。さらにバー
ナランスを燃焼させて真空脱ガス槽内の保熱能力も本発
明のバーナランスの方が比較例のものよりも優れている
ことが分かった。
【0031】なお本発明によれば、操業中に真空脱ガス
槽内に臨ませた状態でバーナランスを待機させておくこ
とができる。このため脱ガス処理終了後に、バーナラン
スにLPGおよびO2 ガスを供給を開始すれば、ただち
に真空脱ガス槽内に付着した地金の溶解、除去作業、予
熱または保熱のための加熱作業に移ることができる。本
発明によれば、従来のようにバーナランスを槽外に待機
させる場合と比較してバーナランスの使用頻度をアップ
することができたので真空脱ガス槽内に付着地金がなく
かつ保熱の良好な状態で真空脱ガス処理を行うことがで
きるため、真空脱ガス槽内の耐火物寿命を従来の 700ヒ
ートから 900ヒートにアップすることができた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、真
空脱ガス槽内で真空脱ガス処理する操業中にはバーナラ
ンスを用いて挿入口の近傍まで引き上げ槽内で臨ませた
状態で待機してあると共に、バーナランスの先端部側壁
面に燃焼用ガス供給ノズルおよび酸素ガス供給ノズルを
開口させてあるため、真空脱ガス操業中の溶鋼スプラッ
シュに伴うガス供給ノズルへの地金付着による閉塞を防
止することができる。
【0033】その結果、真空脱ガス処理後に、ランス挿
入口近傍の槽内に待機しているバーナランスをただちに
加熱作業に移行させることができ、バーナランスの使用
頻度が向上する。また真空脱ガス槽内に地金のない状態
でかつ保温の良好な状態で真空脱ガス処理を行うことが
できるので真空脱ガス処理の効率を向上させることがで
きると共に槽内耐火物の寿命延長が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るバーナランスの先端部を
右側半分を断面で示す正面図である。
【図2】図1のA−A矢視を示す平面図である。
【図3】本発明の実施例に係る装置全体を示す正面図で
ある。
【図4】本発明に係るバーナランスを示す側面図であ
る。
【図5】本発明に係るバーナランスのシール機構を示す
断面図である。
【図6】比較例に係るバーナランスのシール機構を示す
断面図である。
【図7】比較例に係るバーナランスの先端部を示す断面
図である。
【図8】図7のA−A矢視を示す平面図である。
【図9】従来の真空脱ガス槽の加熱手段を示す模式図で
ある。
【図10】従来の真空脱ガス槽の加熱手段を示す部分断面
図である。
【符号の説明】
1 真空脱ガス槽 2 ランス挿入口 3 ランスシール機構 4 バーナランス 5 昇降フレーム 6 ランスホルダ 7 ランス昇降ガイド 8 位置決めガイド 9 水平支持フレーム 10 架台 11 垂直軸 12 LPG供給管 13 O2 供給管 14 給水管 15 排水管 16 LPG供給筒 17 O2 供給筒 18 外筒 19 冷却水通路 20 浸漬管 21 取鍋 22 溶鋼 23 ランス昇降駆動装置 24 ランス旋回駆動装置 25 グランドパッキン 26 中空弾性体 27 下部管座 28 上部管座 29 LPG供給ノズル 30 O2 供給ノズル 31 煙道

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空脱ガス槽内に付着した地金を溶解除
    去すると共に、槽内を予熱して保温するバーナランスを
    槽頂壁に設けたランス挿入口からシール機構を介して挿
    入し、前記真空脱ガス槽内で溶鋼を真空脱ガス処理中
    は、バーナランスをランス挿入口の近傍まで引き上げ、
    ランス先端部を槽内に臨ませたままの状態で待機させる
    ようにした真空脱ガス槽の槽内待機型バーナランスであ
    って、前記バーナランスの内部に設けた燃焼用ガス供給
    筒および酸素ガス供給筒にそれぞれ連通する燃焼用ガス
    供給ノズルおよび酸素ガス供給ノズルを、当該バーナラ
    ンスの先端部側壁面に複数個配分して開口させ、前記待
    機中のバーナランスにパージガスを供給しないパージレ
    スとしたことを特徴とする真空脱ガス槽の槽内待機型バ
    ーナランス。
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