JP2688224B2 - ポリオキシアルキレンポリケトンの製造方法 - Google Patents

ポリオキシアルキレンポリケトンの製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリオキシアルキレンポリケトンの製造方
法に関し、さらに詳しくは、分子末端に2級水酸基を有
するポリオキシアルキレンポリオールを、脱水素触媒の
存在下に反応させることを特徴とする、ポリオキシアル
キレンポリケトンの製造方法に関するものである。
末端にカルボニル基を有するポリエーテルは、プラス
チック原料や有機合成の中間体として有用である。
〔従来の技術〕
末端に2級水酸基を有するポリオキシアルキレンポリ
オールを酸化して、末端にカルボニル基を有するポリオ
キシアルキレンポリケトンを得る方法は公知である。例
えば、ピリジン溶媒中、三酸化クロムで酸化する方法
(日本化学会第52春季年会講演予稿集)であるが、この
方法によれば、多量の酸化剤が必要であり、また、後処
理工程が複雑な上に、収率が低く、工業的にポリオキシ
アルキレンポリケトンを製造する方法としては好ましく
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、分子末端に2級水酸基を有するポリ
オキシアルキレンポリオールを、酸化して、高収率でポ
リオキシアルキレンポリケトンを得る方法を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討し、
遂に本発明に至った。
即ち、本発明は、分子末端に2級水酸基を有するポリ
オキシアルキレンポリオールを、脱水素触媒の存在下に
反応させることを特徴とする、ポリオキシアルキレンポ
リケトンの製造方法である。
本発明で用いるポリオキシアルキレンポリオールと
は、2〜8官能性で、平均分子量400以上のものが適当
である。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、ビスフェノールA、グリセリン、ヘキサントリオ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール、スクロース、ジプロピレングリコー
ル、ビスフェノールF、ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾル
シン、ナフタレンジオール、アミノフェノール、アミノ
ナフトール、フェノールホルムアルデヒド縮合物、フロ
ログルシン、メチルジエタノールアミン、エチルジイソ
プロパノールアミン、トリエタノールアミン、エチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ビス(p−アミノ
シクロヘキシル)メタン、トリレンジアミン、ジフェニ
ルメタンジアミン、ナフタレンジアミンなどに、プロピ
レンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドな
どを1種または2種以上付加せしめて得られるポリオキ
シアルキレンポリオールである。尚、分子量末端が2級
水酸基の構造である限り分子鎖内にオキシエチレン結合
を有してもよい。
本発明で用いる脱水酸触媒としては、従来公知の触媒
を使用することができ、例えばニッケル、コバルト等を
ケイソウ土、アルミナ、シリカのような担体に担持させ
た担体型触媒、ニッケル、コバルト系のラネー型触媒、
銅−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒等が代表的な例であ
る。中でも担体型触媒は特に好適な触媒の一つである。
触媒は、ポリオキシアルキレンポリオールに対し通常0.
1〜20wt%、好ましくは0.3〜10wt%、最も好ましくは0.
5〜5wt%が使用される。
本発明の反応条件は、特に限定されるものではない
が、一般には、反応温度150〜280℃、好ましくは180〜2
50℃、反応圧力、真空〜加圧、反応時間1〜20時間、好
ましくは5〜10時間で行う。反応温度が低いほど、反応
速度が小さく、また高すぎるとポリオキシアルキレンポ
リオールが分解してしまうので好ましくない。
反応終了後は、触媒濾別、水洗、乾燥等の方法を適宜
組み合わせることにより、目的物である、ポリオキシア
ルキレンポリケトンを得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 200mlの高圧オートクレーブに、ニッケルケイソウ土
触媒(Ni含有率50%)7.5g、グリセリンにプロピレンオ
キシドを付加重合させて得られるポリオキシプロピレン
トリオール(水酸基価33.4mgKOH/g、平均分子量5040;以
下ポリオールPと略称する。)150gをこの順で仕込み、
窒素置換を5回(10kg/cm2G)行った後、撹拌しながら
220℃まで昇温し、8時間反応を行った。このとき圧力
は50kg/cm2Gであった。反応終了後、触媒濾別によりポ
リオキシアルキレンポリケトンを精製した。得られたポ
リオキシアルキレンポリケトンについて、JIS K 1525に
従い、塩酸ヒドロキシルアミンによりケトン価を定量し
た。また、IRスペクトルにカルボニル基の吸収を確認し
た。結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、コバルトケイソウ土触媒(Co含有率62%)を用い、
反応時間20時間にかえた以外は、実施例1と同一条件で
反応を行った。結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、ニッケルシリカアルミナ触媒(Ni含有率50%)を用
いた以外は、実施例1と同一条件で反応を行った。結果
を第1表に示す。
実施例4 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、ラネーニッケル触媒(Ni含有率70%)を用いた以外
は、実施例1と同一条件で反応を行った。結果を第1表
に示す。
実施例5 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、ラネーコバルト触媒(Co含有率75%)を用いた以外
は実施例1と同一条件で反応を行った。結果を第1表に
示す。
実施例6 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、銅クロム触媒(CuO 45% CrO2 45%)を用いた以
外は、実施例1と同一条件で反応を行った。結果を第1
表に示す。
実施例7 実施例1において、ニッケルケイソウ土触媒のかわり
に、銅−亜鉛触媒(CuO 50% ZnO 45%)を用いた以外
は、実施例1と同一条件で反応を行った。結果を第1表
に示す。
実施例8 実施例1において、ポリオールPのかわりに、ジプロ
ピレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させ
て得られるポリオキシプロピレングリコール(水酸基価
120mgKOH/g、平均分子量1000;以下ポリオールQと略称
する。)を用いた以外は、実施例1と同一条件で反応を
行った。結果を第1表に示す。
実施例9 実施例1において、ポリオールPのかわりに、グリセ
リンにプロピレンオキシドを付加重合させて得られるポ
リオキシプロピレントリオール(水酸基価420mgKOH/g、
平均分子量400;以下ポリオールRと略称する。)を用い
た以外は、実施例1と同一条件で反応を行った。結果を
第1表に示す。
〔発明の効果〕 ポリオキシアルキレンポリオールを、脱水素触媒の存
在下に反応させることによって、従来よりも簡単な方法
で、ポリオキシアルキレンポリケトンを高収率で得るこ
とが可能となる。
本発明の方法によって得られる化合物は、プラスチッ
ク原料や有機合成の中間体として有用である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子末端に2級水酸基を有するポリオキシ
    アルキレンポリオールを、脱水素触媒の存在下に反応さ
    せることを特徴とする、ポリオキシアルキレンポリケト
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】ポリオキシアルキレンポリオールの分子量
    が、400以上である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】脱水素触媒が、ニッケル触媒である請求項
    1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】150〜280℃の温度で反応を行う請求項1記
    載の製造方法。
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