JP2688221B2 - 非晶質太陽電池 - Google Patents

非晶質太陽電池

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JP2688221B2 JP63227499A JP22749988A JP2688221B2 JP 2688221 B2 JP2688221 B2 JP 2688221B2 JP 63227499 A JP63227499 A JP 63227499A JP 22749988 A JP22749988 A JP 22749988A JP 2688221 B2 JP2688221 B2 JP 2688221B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は非晶質太陽電池の高効率化に関し、とくに、
pまたはn型半導体層の高品質化技術に関する。
〔背景技術〕
非晶質太陽電池を電卓や時計を駆動するための、出力
の小さいエネルギー供給源としてすでに実用化されてい
る。しかしながら、出力の大きいエネルギー供給源とし
ては、性能不足であり、性能向上をめざして、各種の検
討が実施されている。太陽電池の光電変換効率は開放端
電圧、短絡電流ならびに曲線因子の積で表される。各種
の検討の結果、短絡電流ならびに曲線因子については、
理論的に予想される値に近づいてきたが、開放端電圧は
未だ改善されていない。開放端電圧を増加するために
は、p型またはn型半導体層の品質を改善せねばならな
い。具体的には、まず第一に、光入射側に位置する第1
の導電型の半導体層、たとえばpin型非晶質太陽電池に
おいては、p型半導体薄膜の光電特性を改善せねばなら
ないことが当業者には理解されている。特性の改善とし
ては、光学バンドギャップの拡大と電気伝導率の向上が
同時に行われねばならず、ここに、技術の困難性があっ
た。この理由は、光学バンドギャップの広い材料は、一
般的に電気伝導率が低く、また、不純物のドーピングに
よっても電気伝導率の増加が少ないからであった。ま
た、電気伝導率を増加させるために、不純物の多量のド
ーピングを試みたが、結果として得られる薄膜の膜質が
低下するためか、導電率の向上にはつながらなかった。
したがって、現在まで、非晶質太陽電池の開放端電圧の
向上ははかばかしくなかった。
〔発明の基本的着想〕
本発明の基本的着想は、不純物のドーピング方法にあ
るが、より詳しくは、次のとおりである。すなわち、 導電型を支配決定する不純物は、基質からみれば、名
前のとおり不純物であり、多量の混合は基質の膜質を低
下させる。従って、従来技術におけるように、基質と不
純物を同時に分解堆積することをやめ、それぞれ、別個
に分解し、それぞれの層を別個に堆積して、導電性の半
導体層を形成して非晶質太陽電池を製造することによ
り、高変換効率を得んとするものである。
〔発明の開示〕
本発明は、透光性基板、透明電極、第1の導電型を示
す不純物を有する半導体層、i型半導体層、第2の導電
型を示す不純物を有する半導体層、裏面電極の順に積層
して形成された非晶質太陽電池において、第1の導電型
を示す不純物を有する半導体層は、該透明電極上に当該
半導体層の基質となる物質の堆積と、第1の導電型を示
す不純物の堆積を順次行うことにより形成されることを
特徴とする非晶質太陽電池、であり、 さらに具体的には、透明電極上に当該半導体層の基質
となる物質Iの堆積層Iを形成後、第1の導電型を示す
不純物の堆積、およびさらに当該半導体層の基質となる
物質IIの堆積層IIの形成を実施する非晶質太陽電池、で
あり、 さらには、透明電極上に当該半導体層の基質となる物
質Iを堆積後、第1の導電型を示す不純物の堆積、およ
び当該半導体層の基質となる物質IIの堆積が繰り返して
実施される非晶質太陽電池、である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非晶質太陽電池の構成を模式的に示したもの
が第1図である。
すなわち、本発明は、透光性基板1、透明電極2、第
1の導電型(例えばp型の導電型)を示す不純物を有す
る半導体層3、i型半導体層7、第2の導電型(例えば
n型の導電型)を示す不純物を有する半導体層8、裏面
電極9の順に積層して形成された非晶質太陽電池におい
て、第1の導電型(例えばp型の導電型)を示す不純物
を有する半導体層3は、該透明電極2上に当該半導体層
の基質となる物質の堆積4と、第1の導電型を示す不純
物の堆積5を順次行うことにより形成される非晶質太陽
電池、である。また、第1図は、より具体的な、透明電
極2上に当該半導体層の基質となる物質Iの堆積層4を
形成後、第1の導電型を示す不純物の堆積5、およびさ
らに当該半導体層の基質となる物質IIの堆積層4の形成
を実施する非晶質太陽電池、が示されており、特に、透
明電極上に当該半導体層の基質となる物質Iを堆積4
後、第1の導電型を示す不純物の堆積5、および当該半
導体層の基質となる物質IIの堆積4、……が繰り返して
実施される非晶質太陽電池、が示されている。
なお、第2図は、従来の非晶質太陽電池を示し、透光
性基板1、透明電極2、第1の導電型(例えばp型の導
電型)を示す不純物を有する半導体層3、i型半導体層
7、第2の導電型(例えばn型の導電型)を示す不純物
を有する半導体層8、裏面電極9の順に積層して形成さ
れた非晶質太陽電池を示す。なお、6は第1の導電型
(例えばp型の導電型)を示す不純物を有する半導体層
3とi型半導体層7との界面層を示す。該界面層の形成
は後に述べるように、必ずしも必須要件ではない。
本発明における必須の用件として、透明電極2上には
必ず当該半導体層の基質となる物質Iが堆積4されてい
ることである。これらの基質層4ならびに不純物の堆積
層5の厚みは原子オーダーから百Å程度であるが、実際
の堆積においては、これらの膜厚を厳密に測定して膜厚
制御を行う必要はない。堆積条件に応じて得られる平均
の堆積速度をあらかじめ実験的に把握しておき、この堆
積速度に基づいて堆積時間を制御することで十分に本発
明の目的を達成しうる。平均的な堆積速度は平滑な基板
上に基質層ならびに不純物層を約1000Å以上の膜厚に形
成したときの堆積時間で当該膜厚を除して得られる。基
質層の堆積厚みはについては、10Å以上高々200Å程度
で十分である。好ましくは、20Å〜200Å程度である。
複数の基質層を用いる場合には、一層あたりの堆積厚み
を薄くすれはよい。いずれの場合においても、10Å〜20
0、好ましくは20Å〜200Åの範囲において、好ましい堆
積厚みが決定される。
また、不純物は当該基質層の導電型の決定、制御する
目的でもちいられるものであり、必ずしも不純物が層状
に存在する必要はない。すなわち、島状に存在する場合
にも本発明の効果を十分に発揮できる。不純物の堆積厚
みを定義することは困難であるが、シリコン原子に対し
て0.3原子%以上、好ましくは3原子%以上存在する島
状の状態から、不純物が層状に存在している30Å以下の
堆積厚みにおいて、本発明の効果を有効に発揮できる。
基質層と不純物堆積の繰り返し回数については、基質の
堆積厚みに応じて適宜決定される。実施例に示すよう
に、繰り返し回数により、非晶質太陽電池の変換効率が
変化するが、あまり多数回の繰り返しの必要はなく、高
々10回好ましくは5回以下の繰り返しで十分である。繰
り返し回転を多くし過ぎると、かえって当該変換効率の
低下が現れる。
本発明における、半導体層の基質となる物質Iおよび
IIは必ずしも同一の物質である必要はなく、異なる堆積
条件で堆積することや異なる物質を用いることも許され
る。これらの物質は、シリコン、シリコン−カーボン合
金、シリコン−ゲルマニウム合金、シリコン−錫合金等
テトラヘドラル系の半導体となる物質であり、非晶質、
微結晶、多結晶等の結晶形態のものが有用である。具体
的な示例としては、a−Si:H、a−Si:H:F、a−SiCx:
H、a−SiCx:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:H:F等の非晶
質シリコンや非晶質シリコン合金、μc−Si、μc−Si
Cx、μc−SiCex等の微結晶シリコンや微結晶シリコン
合金、ポリシリコン等の物質を有効に用いることがてき
る。これらの物質の組成は堆積条件によって変更するこ
とがしられているが、本発明においては、特に限定され
るものではない。これらの半導体層の基質は、分子内に
シリコンを有する化合物、ゲルマン、シリルゲルマン等
の分子内にゲルマニウムを有する化合物、炭化水素ガス
等から、目的の基質に応じて適宜選択される原料ガスを
用いて堆積される。
また、第1の導電型を示す不純物ならびに、第2の導
電型を示す不純物を当該半導体層の基質となる物質の導
電型を決定する不純物であり、第1の導電型と第2の導
電型はそれぞれ反対の導電型である。すなわち、第1の
導電型をp型とする場合には、第2の導電型はn型にな
る。また、第1の導電型がn型である場合には、第2の
導電型はp型になる。非晶質太陽電池においては、光入
射側にp型の導電型の半導体層を設けること、およびn
型の導電型の半導体層を設けることのいずれの技術も当
業者には知られている。本発明においても、とくに限定
されるものではないが、光入射側にp型の導電型の半導
体層を設けた非晶質太陽電池は耐劣化特性にすぐれてい
るので、以下においては、第1の導電型をp型として、
説明する。p型の不純物としては分子内に周期律表の第
III族の元素を含有する化合物が用いられる。ジボラ
ン、フッ化ボロン、トリメチルボロン等を有効にもちい
ることができる。これらのp型の不純物は水素やヘリウ
ム、アルゴン等のガスで希釈して用いることもできる。
本発明において、p型の導電型を示す不純物を有する
半導体層は、基質と当該不純物とが順次堆積されて形成
される。形成方法としては、化学気相堆積(CVD)法と
して知られている堆積方法を用いることができる。この
方法には、プラズマCVD法、熱CVD法、光CVD法、ECR-CVD
法等種々の技法があり、基質層や当該不純物を堆積する
原料に応じて、適宜選択されて用いられる。本発明にお
いては、基質層や当該不純物は原子オーダーの厚みで制
御されることが好ましく、成膜速度の低い領域での成膜
条件の制御が容易である光CVD法が好ましい技法として
用いられる。光CVD法は185nmの紫外線を用いる直接光CV
D法や254nmの紫外線を用い、水銀を増感剤に用いる水銀
増感光CVD法のいずれを用いても本発明の目的を達成す
ることができる。また、p型の不純物として、ジボラン
を用いる場合には、熱CVD法も好ましい堆積方法であ
る。本発明においては、膜厚の制御が重要である以外、
光CVD法において用いられる成膜条件を適用できる。具
体的には、形成温度は100〜400℃、好ましくは150〜300
℃、とくに好ましくは200〜250℃程度であり、形成圧力
は0.01〜5Torr、好ましくは0.03〜1.5Torr、特に好まし
くは0.035〜1.0Torr程度である。
p型半導体層を形成した後は、当業者が容易に理解で
きるそれ自体公知の方法により、非晶質太陽電池の形成
が実施されてよい。i型半導体層はa−Si:H、a−Si:
H:F、a−SiCx:H、a−SiCx:H:F、a−SiGe:H、a−SiG
e:H:F等の非晶質シリコンや非晶質シリコン合金等であ
り、非晶質太陽電池の光活性領域を形成するものであ
る。これらi型半導体層は、分子内にシリコンを有する
化合物、ゲルマン、シリルゲルマン等の分子内にゲルマ
ニウムを有する化合物、炭化水素ガス等から、目的の半
導体層に応じて適宜選択される原料ガスに、プラズマCV
D(化学気相堆積)法や光CVD(化学気相堆積)法を適用
することにより容易に形成される。原料ガスを水素やヘ
リウム等で希釈して用いることや原料ガスにごく微量の
p型不純物を添加すること、p型半導体層とi型半導体
層の間に組成を変化させた界面層を形成すること等、i
型半導体層形成における従来技術を併用することについ
ては、なんら、本発明の効果を妨げるものではない。形
成条件は、形成温度は150〜400℃、好ましくは175〜350
℃程度であり、形成圧力は0.01〜5Torr、好ましくは0.0
3〜1.5Torr程度で行われる。i型半導体層の膜厚は太陽
電池の用途に応じて適宜決定されるものであり、本発明
の限定条件ではない。本発明の効果を達成するために
は、1000〜10000Åで十分である。
n型半導体層はn型の微結晶層やn型の非晶質層が有
効に用いられる。これらは、n型のμc−Si、μc−Si
Cx、μc−SiGex等の微結晶シリコンや微結晶シリコン
合金、n型のa−Si:H、a−Si:H:F、a−SiCx:H、a−
SiCx:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:H:F等の非晶質シリコ
ンや非晶質シリコン合金等を有効に用いることができ
る。これらn型半導体層は、分子内にシリコンを有する
化合物、ゲルマン、シリルゲルマン等の分子内にゲルマ
ニウムを有する化合物、炭化水素ガス等から、目的とす
る半導体薄膜に応じて適宜選択される原料に、ホスフィ
ンやアルシン等の周期律表の第V族の化合物、ならびに
水素を混合して、プラズマCVD(化学気相堆積)法や光C
VD(化学気相堆積)法を適用することにより容易に形成
される。さらに、当該原料ガスをヘリウムやアルゴン等
の不活性ガスで希釈することは、なんら、本発明の効果
を妨げるものではない。n型半導体層の形成温度は150
〜400℃、好ましくは175〜350℃程度であり、形成圧力
は0.01〜5Torr、好ましくは0.03〜1.5Torr程度で行われ
る。n型半導体層の膜厚は、200〜500Åで十分である。
本発明において、p型半導体層の基質、i型半導体
層、n型半導体層を堆積するに好ましい原料ガスについ
てさらに具体的な示例をあげて説明する。シリコン基質
の半導体原料としては、分子内にシリコンを有する化合
物としてモノシラン、ジシラン、トリシラン等の水素化
シリコン;モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、テトラメチルシラン、エチルシラン、ジエ
チルシラン等のアルキル基置換の水素化シリコン;ビニ
ルシラン、ジビニルシラン、トリビニルシラン、ビニル
ジシラン、ジビニルジシラン、プロペニルシラン、エテ
ニルシラン等のラジカル重合可能の不飽和炭化水素基を
分子内に有する水素化シリコン;これら水素化シリコン
の水素が一部またはすべてフッ素で置換されたフッ化シ
リコンを有効に用いることができる。なお、シリコーン
カーボン合金を半導体の基質とする場合には、メタン、
エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン
等の炭化水素ガスを分子内にシリコンを有する化合物に
混合して用いることも有用である。これら炭化水素ガス
は、シリコン−カーボン合金基質の半導体層の形成にお
いて、光学的バンドギャップを変更するときに用いると
便利である。また、この目的においては、アルキル基置
換の水素化シリコン、ラジカル重合可能の不飽和炭化水
素基を分子内に有する水素化シリコン、これら水素化シ
リコンの水素が一部またはすべてフッ素で置換されたフ
ッ化シリコン等の材料も有用である。シリコン−ゲルマ
ニウム合金基質の半導体層の形成においては、シリコン
化合物に水素化ゲルマン、シリルゲルマン等のゲルマニ
ウム含有化合物を混合して原料として用いることによ
り、本発明の目的を達成することができる。
透光性基板、透明電極、裏面電極等については、とく
に、限定される条件はない。透光性基板としては青板ガ
ラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等従来用いられて
いるガラス基板材料が有用であるが、さらに、金属やプ
ラスチックスも基板材料として用いることができる。プ
ラスチックス材料においては、100℃以上の温度に耐え
る材料をさらに有効に用いることができる。透明電極と
しては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の金属
酸化物や透光性の金属等を有効に用いることができる。
裏面電極としては、必ずしも透光性である必要がないの
で、アルミニウム、クロム、ニッケル−クロム、銀、
金、白金等の金属や酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜
鉛等の金属酸化物の中から適宜、選択して用いることが
できる。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明の具体的な実施の態様を
説明する。
〔実施例1〕 太陽電池の形成装置としては、光CVD法を適用できる
形成装置を用いた。ガラス基板がp型半導体層専用の堆
積室内に設置された。真空排気ならびに原料ガスを導入
して基板加熱を行い、基板温度200℃、反応圧力0.2Torr
において、低圧水銀灯により、紫外線を照射して光CVD
実施した。p型半導体層の基質を堆積するための原料ガ
スはジシラン/アセチレン/水素を10/1/100の割合とし
た。この混合原料を用いて、2時間水銀灯を照射して堆
積した。この結果、基質たるa−SiCxが平均の堆積速度
0.5Å/sで形成された。また、p型半導体層の不純物堆
積用の原料ガスとして、ジボラン/水素を1/1000で導入
することにより、0.1Å/sでp型不純物が堆積すること
を確認した。これらの堆積条件を用いて、ガラス基板上
に半導体層の基質となるa−SiCxとp型不純物をそれぞ
れ60秒、3秒の繰り返しにより、各50回堆積した後、お
わりに、a−SiCxを60秒堆積して薄膜を形成した。この
充分厚く形成した薄膜の導電型はp型の性質を示すこと
を熱起電力法により、確認した。
以上、予備的に検討したこれらの形成条件を用いて、
非晶質太陽電池に適用するp型半導体層を形成した。酸
化スズからなる透明電極付きガラス基板を同じく当該形
成装置内に設置して、当該基質を60秒間堆積したのち、
原料ガスを切り換えて不純物原料を導入し、3秒間堆積
したのち、さらに、基質層を60秒/不純物を3秒/基質
層を60秒堆積して、p型半導体層を形成した。すなわ
ち、p型半導体層の層構成は、基質層/不純物層/基質
層/不純物層/基質層(繰り返し回数2回)とした。次
にアセチレン導入量を徐々に減少させた界面層を150Å
形成後、i型半導体層形成室に当該基板を移送し、モノ
シランを導入して、圧力0.05Torr、形成温度200℃の条
件で水銀増感光CVD法によりアモルファスシリコン薄膜
を約5000Åの膜厚に形成した。n型半導体層形成室に当
該基板を移送した。モノシラン/ホスフィン/水素から
なる原料ガスをそれぞれの流量が10/0.01/100の割合に
なるように導入した。圧力0.2Torr、形成温度200℃の条
件で水銀増感光CVD法によりn型半導体層を500Åの膜厚
に形成した。ついで、薄膜形成装置から取り出し、金属
電極を形成した。AM1、100mW/cm2の光をソーラーシュミ
レータにより、照射して当該非晶質シリコン太陽電池の
光電特性を測定した。この結果、開放端電圧が0.930Vと
非常に高い値を得て、本発明の効果を確認したうえに、
短絡光電流も16.87mA/cm2と大きい値であり、結果とし
て、光電変換効率は10.57%と優れたものであった。
〔実施例2〕 実施例1において、p型半導体層形成条件を変更し
た。すなわち、当該基質を20秒間堆積したのち、原料ガ
スを切り換えて不純物原料を導入し、3秒間堆積するこ
とを実施例1に従って実施した。この場合には基質の厚
みは10Åと計算される。この他は実施例1と全く同様に
して、非晶質シリコン太陽電池を形成した。当該非晶質
シリコン太陽電池の光電特性を測定した。この結果、開
放端電圧は0.755Vから得られ、本発明の効果を確認し
た。また、短絡光電流は16.94mA/cm2であり、結果とし
て、光電変換効率は8.10%と優れたものであった。本実
施例から判断して、基質の厚みは10Å以上であることが
好ましい。
〔実施例3〕 実施例2において、p型半導体層形成条件において、
基質の原料をジシラン/アセチレン/水素10/1/100の割
合からジシランのみに変更して、a−Si:Hを形成した。
この他は実施例2と全く同様にして、非晶質シリコン太
陽電池を形成した。当該非晶質シリコン太陽電池の光電
特性を測定した。この結果、開放端電圧は0.806Vが得ら
れ、本発明の効果を確認した。また、短絡光電流は15.2
5mA/cm2であり、結果として、光電変換効率は8.89%と
優れたものであった。本実施例はp型半導体層にa−Si
Cxを用いることなく変換効率の優れた非晶質シリコン太
陽電池の形成を実現できることを示すものである。
〔実施例4〕 実施例1において、p型半導体層形成条件を変更し
た。すなわち、当該基質を60秒間堆積したのち、原料ガ
スを切り換えて不純物原料を導入し、3秒間堆積し、さ
らに、当該基質を60秒間堆積してp型半導体層とした他
は実施例1と全く同様にして、非晶質シリコン太陽電池
を形成した。当該非晶質シリコン太陽電池の光電特性を
測定した。この結果、開放端電圧は0.918Vが得られ、本
発明の効果を確認した。また、短絡光電流は17.52mA/cm
2であり、結果として、光電変換効率は10.06%と優れた
ものであった。
〔実施例5〕 実施例4において、p型半導体層形成条件を変更し
た。すなわち、当該基質を60秒間堆積したのち、原料ガ
スを切り換えて不純物原料を導入し、6秒間堆積し、さ
らに、当該基質を60秒間堆積してp型半導体層とした他
は実施例1と全く同様にして、非晶質シリコン太陽電池
を形成した。当該非晶質シリコン太陽電池の光電特性を
測定した。この結果、開放端電圧は0.902Vが得られ、本
発明の効果を確認した。また、短絡光電流は17.68mA/cm
2であり、結果として、光電変換効率は10.67%と優れた
ものであった。実施例4および5から判断して、不純物
の堆積は島状であっても本発明の効果を得ることが明ら
かである。
〔実施例6〕 実施例4において、p型半導体層形成条件を変更し
た。すなわち、形成温度を50℃上昇して、250℃とし
た。当該基質を光CVD法により、60秒間堆積したのち、
紫外線ランプを消して紫外線を照射せずに、原料ガスを
切り換えて不純物原料を60秒間、導入した。ついで、実
施例4に従って、さらに、当該基質を60秒間堆積してp
型半導体層を形成した。この他は実施例4と全く同様に
して、非晶質シリコン太陽電池を形成した。当該非晶質
シリコン太陽電池の光電特性を測定した。この結果、開
放端電圧は0.882Vが得られ、本発明の効果を確認した。
また、短絡光電流は17.55mA/cm2であり、結果として、
光電変換効率は10.15%と優れたものであった。本実施
例はジボランを用いる場合には熱CVD法が有効であるこ
とを表すものである。
〔比較例1〕 実施例6において、p型半導体層形成条件を変更し
た。すなわち、当該基質を60秒間堆積後、不純物原料の
導入なしに、60秒間経過後、再度、当該基質を60秒間堆
積した以外は実施例6と全く同様にして、非晶質シリコ
ン太陽電池を形成した。しかしながら、得られた非晶質
シリコン太陽電池は0.3V以下の開放端電圧ならびに2%
以下の光電変換効率しか示さず、本発明の効果が全く現
れなかった。
〔発明の効果〕
以上の実施例ならびに比較例から明らかなように、p
型半導体層を形成するにあたり、半導体層の基質を形成
する物質と不純物とを別々に堆積することにより、用い
る基質に対応する高い開放端電圧を有する非晶質太陽電
池が形成される。これは、実用レベルにおいて、非晶質
太陽電池の光電変換効率の改善に大きく貢献するもので
ある。このように、本発明は電力用太陽電池に要求され
る高変換効率を可能にする基本的な要素技術を提供する
ものであり、エネルギー産業にとって、きわめて有用な
発明であると云わざるを得ないのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の非晶質太陽電池の構成例を示す模式図
である。第2図は従来技術による非晶質太陽電池の構成
例を示す模式図である。 図中1……透光性の基板、2……透明電極、3……第1
の導電型を示す不純物を有する半導体層例えばp型半導
体層、4……p型半導体層の基質、5……p型の不純
物、6……界面層、7……i型半導体層、8……第2の
導電型を示す不純物を有する半導体層例えばn型半導体
層、9……裏面電極を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板、透明電極、第1の導電型を示
    す不純物を有する半導体層、i型半導体層、第2の導電
    型を示す不純物を有する半導体層、裏面電極の順に積層
    して形成された非晶質太陽電池において、該第1の導電
    型を示す不純物を有する半導体層は、該透明電極上に当
    該半導体層の基質となる物質の堆積と、第1の導電型を
    示す不純物の堆積を順次行うことにより形成されること
    を特徴とする非晶質太陽電池。
  2. 【請求項2】透明電極上に当該半導体層の基質となる物
    質Iの堆積層Iを形成後、第1の導電型を示す不純物の
    堆積、およびさらに当該半導体層の基質となる物質IIの
    堆積層IIの形成を実施する請求項1に記載の非晶質太陽
    電池。
  3. 【請求項3】透明電極上に当該半導体層の基質となる物
    質Iを堆積後、第1の導電型を示す不純物の堆積、およ
    び当該半導体層の基質となる物質IIの堆積が繰り返して
    実施される請求項1に記載の非晶質太陽電池。
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