JPH0653532A - 光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子

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JPH0653532A
JPH0653532A JP4202405A JP20240592A JPH0653532A JP H0653532 A JPH0653532 A JP H0653532A JP 4202405 A JP4202405 A JP 4202405A JP 20240592 A JP20240592 A JP 20240592A JP H0653532 A JPH0653532 A JP H0653532A
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JP
Japan
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thin film
type semiconductor
semiconductor thin
gallium nitride
solar cell
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Application number
JP4202405A
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English (en)
Inventor
Kenji Miyaji
賢司 宮地
Yoshinori Ashida
芳徳 芦田
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透光性基板、透明電極、p型半導体薄膜、i
型半導体薄膜、n型半導体薄膜、裏面電極の順に積層し
て形成された光電変換素子において、透明電極とp型半
導体薄膜の間に、5 〜100 Åの膜厚の0.1 S/cm以上の導
電率を有するガリウム窒化物薄膜を介在させる光電変換
素子。 【効果】 本発明により、透明電極とp型半導体薄膜と
の反応や還元が抑制され、短絡光電流、特に、開放端電
圧が著しく改善された。その結果、極めて高い光電変換
効率を有する非晶質シリコン太陽電池が得られるように
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非晶質シリコン太陽電池
の高性能化に関し、とくに、開放端電圧を高めることに
より、非晶質シリコン太陽電池の高効率化を図る技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質シリコン太陽電池は電卓や時計を
駆動するための、出力の小さいエネルギー供給源として
すでに実用化されている。しかしながら、電力用に用い
る出力の大きいエネルギー供給源としては、未だ満足さ
せる性能に到達せず、性能向上をめざして、各種の検討
が実施されている。太陽電池の光電変換効率は開放端電
圧、短絡光電流ならびに曲線因子の積で表される。しか
して、各種の検討の結果、短絡光電流ならびに曲線因子
については、理論的に予想される値に近づいてきたが、
開放端電圧は未だ改善されていない。
【0003】開放端電圧を改善するためには、p型半導
体薄膜の光電特性を改善せねばならない。とくに、光学
的バンドギャップの拡大と電気伝導率の向上を同時に行
わねばならないところに、技術の困難性があった。この
理由は、光学的バンドギャップを拡大すると、一般的に
電気伝導率が低下するからであった。これまでにこのp
型半導体薄膜の改善として、原料ガスへの供給エネルギ
ーを制御したp型非晶質シリコン薄膜(例えば、特願昭
58−34407他)、アルキルシランおよびシラン化
合物を原料としたp型非晶質シリコンカーバイド薄膜
(例えば、特願昭59−247577、60−1542
08他)およびシリコンとカーボンの組成比や膜の結晶
化率が異なる二つの層が、それぞれ一定の膜厚で交互に
積層されたp型非晶質シリコンカーバイドまたは微結晶
含有p型非晶質シリコンカーバイド薄膜(例えば、特願
昭63−10907)など種々の検討を進めてきている
が、結果的には、非晶質シリコン太陽電池の開放端電圧
は、予期されるほど充分改善されたとは言い難いもので
あった。このように、p型の半導体薄膜を非晶質シリコ
ン太陽電池に必要十分な50Å〜500 Åの膜厚において、
通常、膜特性を評価している1000Å以上の厚膜の膜特性
と同等の特性で、透明電極上に形成することは極めて困
難なのか、あるいはまた、p型半導体薄膜形成時に、透
明電極が損傷を受けたために性能改善につながらなかっ
たのか、現在の技術水準においては明らかではないが、
とにかく、p型半導体薄膜特性の改善のみでは、充分な
光電変換効率の向上は図れなかった。
【0004】この解決のために特願昭63−26138
2および特願昭63−261383で提案したように透
明電極とp型半導体薄膜の間に化学的に安定で、かつ、
結合力の強い酸化タンタルや酸化ジルコニウム薄膜を介
在させることにより、透明電極の還元を抑え、高開放端
電圧化を可能としたが、該界面部にシリコン酸化物層を
形成し、p型半導体薄膜が高抵抗化すること、酸化タン
タルや酸化ジルコニウム自体の高透過率と高導電率を両
立させることなどについては、解決することが困難であ
った。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、透明電極と
p型半導体薄膜の間の接合状態や接合形成時の下地への
損傷低減などを改善し、非晶質太陽電池の性能、特に、
開放端電圧を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】現状のp型のシリコン系
半導体薄膜は、通常、還元雰囲気で形成されているた
め、その下地である透明電極すなわち透明導電性酸化物
を還元してしまう。そのため、還元された金属部で光の
透過が阻害され、短絡光電流の低下を招く。また、p型
シリコン系半導体薄膜と透明導電性酸化物との界面部に
シリコン酸化物層を形成するために、曲線因子も低く、
開放端電圧の改善も得られていない。
【0007】我々は、この透明導電性酸化物との反応や
還元、および、拡散電位の減少を抑制することが必須で
あると考え、透明導電性酸化物上に低抵抗で、可視光に
対する透過率が極めて高く、しかも、化学的に安定な半
導体薄膜であるガリウム窒化物を形成した後にp型のシ
リコン系半導体薄膜を形成して非晶質シリコン太陽電池
を作製することにより、高い開放端電圧を有する非晶質
シリコン太陽電池の形成が可能になった。
【0008】すなわち、本発明は、透光性基板、透明電
極、p型半導体薄膜、i型半導体薄膜、n型半導体薄
膜、電極の順に積層して形成された非晶質シリコン太陽
電池において、透明電極とp型半導体薄膜の間に、0.1
S/cm以上の導電率を有するガリウム窒化物薄膜を介在せ
しめた光電変換素子である。特に好ましい示例としては
ガリウム窒化物薄膜が、5 〜100 Åの厚みに形成されて
いるものである。
【0009】ここで添付図面について説明するに、図1
は、本発明により得られる非晶質太陽電池の構成の一例
を示す断面模式図であり、図2は、従来技術により得ら
れる非晶質太陽電池の構成の一例を示す断面模式図であ
る。ここで、1は透光性の基板、2は透明電極、3はガ
リウム窒化物薄膜、4はp型半導体薄膜、5はi型半導
体薄膜、6はn型半導体薄膜、7は裏面電極を示す。本
発明は、図1のごとく3のガリウム窒化物薄膜3を、透
明電極2とp型半導体薄膜4の間に介在せしめたこのを
特徴としているのである。
【0010】透明電極材料に通常用いられている酸化ス
ズは、安価で透明性、導電性に優れた材料であるが、触
媒やセンサー材料等に用いられるように化学的に極めて
活性な物質である。これに対し、本発明におけるガリウ
ム窒化物は、ワイドバンドギャップで高光導電率、高キ
ャリア密度で、かつ、化学的安定な半導体の特性を有す
るものである。しかも、亜鉛やマグネシウムなどのII族
の元素を不純物として添加することにより、p型の導電
型へ、シリコンやゲルマニウムなどのIV族の元素や酸素
を不純物として添加することにより、n型の導電型へ容
易に価電子制御可能な材料である。
【0011】かかるガリウム窒化物は金属ガリウムや窒
化ガリウム等のペレットやターゲットを原料として、ス
パッタリング法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティ
ング蒸着法などを行うことにより容易に形成される。ま
た、有機ガリウム化合物とアンモニアや窒素等を用いた
MOCVD(有機金属化学気相堆積)法やガリウムや窒
素の分子ビームを用いたMBE(分子ビームエピタキシ
ー)法等による形成でも本発明は有効に実施され、これ
らの中から目的に合わせて適宣選択されて採用される。
つまり、その金属あるいは金属窒化物あるいは金属化合
物の融点、反応性、分解速度等を考慮し、最適な方法が
選択され、多くの場合、スパッタリング法、MOCVD
法が有効な方法として採用される。なお、p型制御のた
めには、形成法の種類に適合させて、亜鉛やマグネシウ
ムなどII族の元素自体やこれら元素を含む有機化合物や
分子ビームなどを添加して実施する。n型制御の場合
も、p型の場合と同様に、シリコンやゲルマニウムなど
IV族の元素自体やこれら元素を含む有機化合物や分子ビ
ームなどを添加するか、雰囲気中に酸素を導入して実施
する。形成条件としては、形成温度は室温〜600 ℃、蒸
着速度1 〜50Å/min、圧力0.000001〜1.0 Torrで行われ
る。基板にバイアス電圧を印加して蒸着することは、な
んら、本発明の効果を妨げるものではない。
【0012】ガリウム窒化物の必要厚みは 5Å以上高々
50Åで十分である。好ましくは、10〜30Åである。これ
を過度に厚く、100 Åを越えて形成した場合には、開放
端電圧の改善効果を曲線因子の低下が打ち消して発明の
効果を達成できない。ガリウム窒化物薄膜の導電率は0.
1 S/cm、とくに好ましくは100 S/cmである。導電型
としては、特に問わないが、n型であってもよい。な
お、ガリウム窒化物薄膜の必要厚みの制御は、充分厚い
薄膜例えば、1000〜2000Åのガリウム窒化物薄膜の形成
時の平均成膜速度を実測し、この成膜時間をもちいて、
膜厚を上記範囲に制御することにより達成される。
【0013】p型の半導体薄膜としては、通常、非晶質
シリコン太陽電池に用いられているp型の非晶質シリコ
ン、非晶質シリコンカーバイド、微結晶シリコン、微結
晶シリコンカーバイドまたは炭素含有微結晶シリコン薄
膜などが好適に用いられる。形成手段としては、プラズ
マCVD(化学気相堆積)法や光CVD(化学気相堆
積)法が用いられる。原料としては、シリコン化合物と
して、シラン、ジシラン、トリシランが用いられる。ま
た、p型の導電性を賦与するものとしては、ジボラン、
トリメチルボロン、三フッ化ボロン等が好ましい。さら
に、炭素含有化合物としては、メタン、エタン等の飽和
炭化水素やエチレン、アセチレン等の不飽和炭化水素や
モノメチルシラン、ジメチルシランなどのアルキルシラ
ンが用いられる。これらの混合ガスに、必要に応じてヘ
リウムやアルゴン等の不活性ガスや水素により希釈され
ることは、本発明を何ら妨げるものではない。むしろ、
微結晶系シリコン薄膜を形成する場合には、大量の水素
で希釈することは、より好ましいことである。形成条件
としては、膜厚は20〜500 Å、特に好ましくは、50〜20
0 Åであり、形成温度は150 〜400 ℃、好ましくは175
〜300 ℃、特に好ましくは200 〜250 ℃であり、形成圧
力は0.01〜5 Torr、好ましくは0.03〜1.5 Torr、特に好
ましくは0.035 〜1.0 Torrで行われる。プラズマCVD
で形成される場合は、高周波電力0.01〜10W/cm2 の範囲
で行われる。特に、微結晶シリコン系薄膜を形成する場
合には、高周波電力0.5 〜10W/cm2 の範囲で行うことが
好ましい。
【0014】i型半導体薄膜は水素化シリコン薄膜、水
素化シリコンゲルマン薄膜、水素化シリコンカーボン薄
膜等であり、非晶質シリコン太陽電池の光活性領域を形
成するものである。これらi型半導体薄膜は、分子内に
シリコンを有する化合物、ゲルマン、シリルゲルマン等
の分子内にゲルマニウムを有する化合物、炭化水素ガス
等から、目的の半導体薄膜に応じて適宜選択される原料
ガスに、プラズマCVD(化学気相堆積)法や光CVD
(化学気相堆積)法を適用することにより容易に形成さ
れる。原料ガスを水素やヘリウム等で希釈して用いるこ
とや原料ガスにごく微量のジボランを添加すること等、
i型半導体薄膜形成における従来技術を併用することに
ついては、なんら、本発明の効果を妨げるものではな
い。形成条件は、形成温度は150 〜400 ℃、好ましくは
175 〜350 ℃であり、形成圧力は0.01〜5 Torr、好まし
くは0.03〜1.5 Torrで行われる。プラズマCVDで形成
される場合は、高周波電力0.01〜10W/cm2 の範囲で行わ
れる。i型半導体薄膜の膜厚は太陽電池の用途に応じて
適宜決定されるものであり、本発明の限定条件ではな
い。本発明の効果を達成するためには、通常、1000〜10
000 Åで十分である。
【0015】n型半導体薄膜はn型の微結晶薄膜やn型
のアモルファス薄膜が有効に用いられる。これらは、n
型の微結晶シリコン薄膜、炭素含有微結晶シリコン薄
膜、微結晶シリコンカーバイド薄膜、アモルファスシリ
コン薄膜、アモルファスシリコンカーボン薄膜、アモル
ファスシリコンゲルマン薄膜等を有効に用いることがで
きる。これらn型半導体薄膜は、分子内にシリコンを有
する化合物、ゲルマン、シリルゲルマン等の分子内にゲ
ルマニウムを有する化合物、炭化水素ガス等から、目的
とする半導体薄膜に応じて適宜選択される原料に、ホス
フィンやアルシン等の周期律表の第V族の化合物、なら
びに水素を混合して、プラズマCVD(化学気相堆積)
法や光CVD(化学気相堆積)法を適用することにより
容易に形成される。さらに、当該原料ガスをヘリウムや
アルゴン等の不活性ガスで希釈することは、なんら、本
発明の効果を妨げるものではない。むしろ、微結晶シリ
コン系薄膜の場合には、多量の水素で希釈することは、
より好ましいことである。形成条件は、形成温度は150
〜400 ℃、好ましくは175 〜350 ℃であり、形成圧力は
0.01〜5 Torr、好ましくは0.03〜1.5 Torrで行われる。
プラズマCVDで形成される場合は、高周波電力0.01〜
10W/cm2 の範囲で行われる。特に、微結晶シリコン系薄
膜を形成する場合には、高周波電力0.5 〜10W/cm2 の範
囲で行うことが好ましい。n型半導体薄膜の膜厚は、20
0 〜500 Åで十分である。
【0016】本発明において、用いるに好ましい原料ガ
スについてさらに具体的な示例をあげて説明する。分子
内にシリコンを有する化合物については、モノシラン、
ジシラン、トリシラン等の水素化シリコン;モノメチル
シラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメ
チルシラン、エチルシラン、ジエチルシラン等のアルキ
ル基置換の水素化シリコン;ビニルシラン、ジビニルシ
ラン、トリビニルシラン、ビニルジシラン、ジビニルジ
シラン、プロペニルシラン、エテニルシラン等のラジカ
ル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水素化
シリコン;これら水素化シリコンの水素が一部またはす
べてフッ素で置換されたフッ化シリコンを有効に用いる
ことができる。
【0017】炭化水素ガスの具体的示例として、メタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチ
レン等の炭化水素ガスが有用である。これら炭化水素ガ
スは、炭素含有微結晶シリコン薄膜、微結晶シリコンカ
ーバイド薄膜等の形成において、光学的バンドギャップ
を変更するときに用いると便利である。また、この目的
においては、アルキル基置換の水素化シリコン、ラジカ
ル重合可能の不飽和炭化水素基を分子内に有する水素化
シリコン、これら水素化シリコンの水素が一部またはす
べてフッ素で置換されたフッ化シリコン等の材料も有用
である。
【0018】透光性基板、透明電極、裏面電極等につい
ては、とくに、限定される条件はない。透光性基板とし
ては青板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等従来
用いられているガラス基板材料が有用であるが、さら
に、金属やプラスチックスも基板材料として用いること
ができる。プラスチックス材料においては、100 ℃以上
の温度に耐える材料をさらに有効に用いることができ
る。透明電極としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸
化亜鉛等の金属酸化物や透光性の金属等を有効に用いる
ことができる。裏面電極としては、必ずしも透光性であ
る必要がないので、アルミニウム、クロム、ニッケルー
クロム、銀、金、白金等の金属や酸化スズ、酸化インジ
ウム、酸化亜鉛等の金属酸化物の中から適宜、選択して
用いることができる。
【0019】
【実施例】実施例1 非晶質シリコン太陽電池の形成装置としては、高周波ス
パッタリング法、プラズマCVD法ならびに光CVD法
を適用できる成膜装置を用いた。酸化スズからなる透明
電極付きガラス基板が高周波スパッタリング成膜を適用
できる形成装置内に設置された。真空排気を行い、基板
加熱した。ターゲットには1wt%Si 添加窒化ガリウムを
用い、アルゴンを導入し、圧力2.5mTorr、形成温度300
℃、高周波電力1.0W/cm2の条件にて20秒間スパッタリン
グさせ、20Åのガリウム窒化物薄膜を形成(蒸着速度1
Å/sec )した(同じ条件で、形成時間のみを30分(膜
厚1800Å)にして作製した薄膜の導電率を測定したとこ
ろ、10S/cmの導電率を有していた)。次に、p型半導体
薄膜形成室に当該基板を移送し、p型微結晶シリコンカ
ーバイド薄膜を形成した。p型微結晶シリコンカーバイ
ド薄膜の作製は原料ガスとして、ジシラン/ジボラン/
メタン/水素を5/0.01/2/500の割合で導入し、圧力0.2T
orr において、高周波電力2.0 W/cm2 印加して、プラズ
マCVD法により実施した。p型微結晶薄膜の形成速度
は0.2 Å/sであり、成膜時間を600 秒として、膜厚120
Åに形成した。次にi型半導体薄膜形成室に当該基板を
移送し、モノシランを導入して、圧力0.05Torr、形成温
度240 ℃の条件で、プラズマCVD法によりアモルファ
スシリコン薄膜を約7000Åの膜厚に形成した。プラズマ
CVD法は13.56 MHz の高周波放電を利用した。このと
きの、高周波電力は0.1W/cm2 であった。i型半導体薄
膜形成後、n型半導体薄膜形成室に当該基板を移送し
た。モノシラン/ホスフィン/水素からなる原料ガスを
それぞれの流量が10/0.01/500 の割合になるように導入
した。圧力0.2 Torr、形成温度240 ℃の条件でプラズマ
CVD法によりn型半導体薄膜500 Åの膜厚に形成し
た。プラズマCVD法は13.56 MHz の高周波放電を利用
した。このときの高周波電力は1.0 W/cm 2 であった。つ
いで、薄膜形成装置から取り出し、金属電極を形成し
た。AM1.5、100 mW/cm2 の光をソーラーシュミレータ
により、照射して当該非晶質シリコン太陽電池の光電特
性を測定した。この結果、開放端電圧が0.932 V と非常
に高い値を得て、本発明の効果を確認したうえに、短絡
光電流18.58mA/cm2 、曲線因子0.759 と大きい値であ
り、結果として、光電変換効率は13.1%と優れたもので
あった。また、透明電極/該ガリウム窒化物薄膜/p型
半導体薄膜間の状態をESCA (Electron spectroscopy fo
r chemical analysis)で分析した結果、該部にシリコン
酸化物層や還元されたスズなどの形成は認められなかっ
た。
【0020】実施例2 実施例1において、p型半導体薄膜として、p型微結晶
シリコンカーバイド薄膜の代わりに、p型非晶質シリコ
ンカーバイド薄膜を形成し、その他は実施例1と全く同
じ条件で非晶質シリコン太陽電池を形成した。すなわ
ち、実施例1において、p型半導体薄膜の原料ガスとし
て、ジシラン/ジボラン/アセチレン/水素を5/0.01/3
/200の割合で導入し、圧力0.2Torr において、低圧水銀
灯により、紫外線を照射して光CVD法によりp型非晶
質シリコンカーバイド薄膜を形成した。p型非晶質シリ
コンカーバイド薄膜の形成速度は0.5 Å/sであり、成膜
時間を240 秒として、膜厚120 Åに形成した。得られた
太陽電池の性能を測定したところ、開放端電圧が0.923
V と非常に高い値を得て、本発明の効果を確認したうえ
に、短絡光電流18.30mA/cm2 、曲線因子0.760 と大きい
値であり、結果として、光電変換効率12.8%と優れたも
のであった。この場合も、実施例1と同様に透明電極/
該ガリウム窒化物薄膜/p型半導体薄膜間の状態をESCA
で分析した結果、該部にシリコン酸化物層や還元された
スズなどの形成は認められなかった。
【0021】比較例1 実施例1において、ガリウム窒化物薄膜を非常に厚く、
200 Å形成し、その他は実施例1と全く同じ条件で非晶
質シリコン太陽電池を形成した。得られた太陽電池の性
能を測定したところ、開放端電圧は0.934 V と若干さら
に高く値となったが、ガリウム窒化物薄膜部での光損失
と直列抵抗のためと思われるが、短絡光電流が17.02mA/
cm2 に、曲線因子が0.686 へ低下して、光電変換効率が
10.9%にまで低下した。
【0022】比較例2 実施例1において、ガリウム窒化物薄膜の形成におい
て、スパッタリング用ターゲットに無添加窒化ガリウム
を用い、その他の条件は実施例1と全く同じ条件で非晶
質シリコン太陽電池を形成した。無添加窒化ガリウムを
ターゲットに用いた場合、形成時間のみを60分と延長し
て作製した薄膜の導電率は10-9S/cmと極めて低い特性で
あった。得られた太陽電池の性能を測定したところ、開
放端電圧は0.892 V 、短絡光電流は16.89mA/cm2 程度で
あり、曲線因子が0.593 と極めて低下し、光電変換効率
が8.94%にまで、大きく低下した。
【0023】比較例3 実施例1において、ガリウム窒化物薄膜を用いることな
しに、透明電極付きガラス基板上に直接p型微結晶シリ
コンカーバイド薄膜を形成することから、はじめた以外
は実施例1と全く同じ工程で非晶質シリコン太陽電池を
形成した。得られた太陽電池の性能を測定したところ、
開放端電圧が0.832 V 、短絡光電流も15.68mA/cm2 に低
下して、光電変換効率が8.48%にまで、大きく低下して
仕舞った。この場合も、実施例1と同様に透明電極/p
型半導体薄膜間の状態をESCAで分析した結果、該部にシ
リコン酸化物層や還元されたスズなどの形成が顕著に認
められた。
【0024】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例から明らか
なように、化学的に安定で、ワイドバンドギャップかつ
高導電率のガリウム窒化物薄膜を透明電極とp型半導体
薄膜間に適切な膜厚として設けることにより、該部での
透明電極との反応や還元が抑制され、従来技術で実用化
されている光CVD法ならびにプラズマCVD法を用い
ても、高い開放端電圧を有する本発明の非晶質シリコン
太陽電池が形成されるものである。すなわち、本発明は
実用レベルにおいて、非晶質シリコン太陽電池の光電変
換効率の改善に大きく貢献するものである。このよう
に、本発明は電力用太陽電池に要求される高変換効率を
可能にする技術を提供できるものであり、エネルギー産
業にとって、きわめて有用な発明であると云わざるをえ
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる非晶質太陽電池の構成の
一例を示す断面模式図。
【図2】従来技術により得られる非晶質太陽電池の構成
の一例を示す断面模式図。
【符号の説明】
1 透光性の基板 2 透明電極 3 ガリウム窒化物薄膜 4 p型半導体薄膜 5 i型半導体薄膜 6 n型半導体薄膜 7 裏面電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板、透明電極、p型半導体薄
    膜、i型半導体薄膜、n型半導体薄膜、裏面電極の順に
    積層して形成された光電変換素子において、透明電極と
    p型半導体薄膜の間に、0.1 S/cm以上の導電率を有する
    ガリウム窒化物薄膜を介在せしめたことを特徴とする光
    電変換素子。
  2. 【請求項2】 ガリウム窒化物薄膜の膜厚が5 〜100 Å
    である請求項1記載の光電変換素子。
JP4202405A 1992-07-29 1992-07-29 光電変換素子 Pending JPH0653532A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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