JP2687250B2 - 採血管用ガラス - Google Patents

採血管用ガラス

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尚実 平野
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は採血管用ガラスに係り、特にγ線照射によっ
て着色 を生じない採血管用ガラス組成物に関する。
(従来の技術) 従来、採血管にはソーダライムガラス製または硼珪酸
ガラス製の細管が使用されている。採血管等の医療器具
は、ガス滅菌または高圧蒸気滅菌により滅菌処理が行わ
れているが、これらの方法は有害物質が残留し、これを
除去しなければならないことや処理温度が高温になるこ
と等の欠点がある。このため、このような欠点のない滅
菌法として近年、γ線照射による方法が普及しつつあ
る。しかし、γ線照射による滅菌法ではγ線被曝による
器具材質の劣化が問題となり、採血管に関してはガラス
の着色が問題となっている。
ガラスの着色を防止する方法としては、ガラスにCeO2
を添加することが古くから知られている。また、ガラス
の着色防止に関しては陰極線管用ガラスに例が多い。た
とえば、特公昭47−29565号公報にはX線によるガラス
の褐色化を防止するためにCeO2とTiO2とを共存させて、
CeO2の添加量が少ない場合にも褐色化防止効果を奏する
ようにしたテレビジョンバルブ用ガラスが記載されてい
る。また特公昭49−48448号公報特開昭48−62812号公報
には同様の目的でCeO2とZrO2とを組合せて添加したもの
が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上記特公昭47−19565号公報および特公昭49−48448号
公報に記載されたガラスはいずれもX線遮断の必要性か
らPbOを含有している。PbOは、γ線照射に対して着色中
心となるほか、医療器具である採血管ではPbの溶出が問
題となる。またこれらのガラスは、10kGy(106r)相当
のX線照射に対して400nmにおける光の吸収率が5〜20
%程度である。医療器具の滅菌処理では通常25kGy以上
のγ線が照射されるため、前記光の吸収率は増加し、実
質的な着色防止効果が得られない。
上記特開昭48−62812号公報に開示されたガラスは、S
b2O3を含有しており、PbOと同様γ線照射により着色を
生じやすい。また、このガラスのようにBaOを多く含む
ガラスは、粘性の変化が激しいため成形性が悪く、採血
管のような細管成形には適さない。
採血管は、医師による血液の目視検査の必要性および
清潔感など取扱管理上の要求から着色に対して非常に厳
しい特性が求められており、25kGyのγ線照射に対して4
00nmでの光の吸収率が5%以下であることが望ましいと
されている。このため、採血管においてはソーダライム
ガラスにCeO2を添加して着色防止をはかっているが、十
分な効果を上げるためには少なくとも1重量%以上のCe
O2を含有させなければならない。CeO2は非常に高価な原
料であるため、着色防止をCeO2に依存することは製品の
コストを高くすることになる。
また、採血管は血液等に直接触れる容器であることか
ら、アルカリ溶出量が規定されている。この規定を満足
するために、従来はガラス表面にSiO2膜を被覆していた
が、細管状に成形した後にSiO2膜被覆を行うため、工程
が複雑になり、生産性向上の妨げとなっていた。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもの
で、アルカリ等の溶出がなく、γ線照射によって着色を
生じない安価な採血管用ガラスを提供することを目的と
する。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段と作用) 本発明は上記目的を達成するために、特定組成のソー
ダライム系ガラスに少量のCeO2とTiO2,ZrO2とを共存さ
せて添加したものである。すなわち、本発明は重量百分
率でSiO260〜75%Al2O30.5〜5%,Na2O+K2O+Li2O13〜
20%,CaO+MgO1〜13%,BaO0.1〜5%,B2O30.1〜5%,Ce
O20.1〜2%,TiO20.01〜2%,ZrO20.01〜2%からなる
組成を有することを特徴とする採血管用ガラスである。
また、上記ガラスのTiO2,ZrO2を0.005〜1%のLa2O3
に置換することも可能である。La2O3とCeO2は、共存さ
せることにより、CeO2とTiO2,ZrO2とを共存させたとき
と同様の作用・効果が得られる。この場合、TiO2,ZrO2
共各々2%を上限として、かつCeO2+TiO2+ZrO2が0.1
〜4%の範囲内となるように添加すれば、γ線照射に対
する着色防止をより効果的に実現できる。すなわち、重
量百分率でSiO260〜75%,Al2O30.5〜5%,Na2O+K2O+L
i2O13〜20%,CaO+MgO1〜13%,BaO0.1〜5%,B2O30.1〜
5%,CeO20.1〜2%,TiO20〜2%,ZrO20〜2%,CeO2+T
iO2+ZrO20.1〜4%,La2O30.005〜1%からなる組成を
有する採血管用ガラスである。
次に上記各ガラスの各成分値を限定した理由について
説明する。なお、組成範囲が同一の成分については重複
して説明しない。
SiO2はガラスを形成する主成分であるが、60%未満で
は熱膨張係数が大きくなり、化学的耐久性が劣化する。
また75%を越えると軟化温度が高くなりガラス管成形が
困難となる。Al2O3は、化学的耐久性改善に効果がある
が、0.5%未満ではその効果がなく、5%を越えると溶
融時の粘度が高くなり均質なガラスが得られない。
Na2O,K2O,Li2Oは、合量で13%未満ではガラスの軟化
温度が高くなり細管成形が困難となる。また20%を越え
ると化学的耐久性が劣化しアルカリ成分の溶出をまね
く。CaO,MgOは、ガラスの化学的耐久性・溶融性を向上
させ、高温粘性を調整する作用をするが、合量で1%未
満ではその効果が得られず、溶融性が悪化し、13%を越
えると高温粘性は低下するものの軟化温度が上昇し、失
透傾向が強くなる。BaOは軟化温度を下げ、またガラス
の着色防止にも効果があるが0.1未満ではその効果が認
められず、5%を越えると溶融時の泡切れ性が悪くな
る。B2O3は溶融性・化学的耐久性を向上させるとともに
CeO2と併用した場合には着色防止助剤として作用するが
0.1%未満ではその効果が得られず、5%を越えると軟
化温度が上昇し、またγ線被照射時にガラスの着色を増
長させる。CeO2はγ線照射に対する着色防止剤として顕
著な効果を示すが、0.1%未満では所望の着色防止効果
が得られず、2%を越えて添加しても2%添加時以上に
は着色防止効果は改善されず、さらに加えるとCe自体に
よりガラスが着色される。TiO2は、CeO2と共存させた場
合にγ線照射に対して着色防止助剤として作用し、ガラ
スを着色しにくくするが、0.01%未満ではその効果が得
られず、2%を越えて添加しても2%添加時以上の改善
効果はなく、TiO2自体の吸収による着色を生ずるので好
ましくない。ZrO2はTiO2と同様CeO2と共存する場合にガ
ラスを着色しにくくし、また化学的耐久性を向上させ、
アルカリ成分の溶出を抑制する効果があるが、0.01%未
満ではその効果が得られず、また2%を越えて加えても
2%添加時以上には前記効果、特に着色防止効果は改善
されず、むしろ溶融性を悪化させる。
また、La2O3はCeO2と併用した場合、着色防止助剤と
してガラスの着色防止に顕著な効果を示すが、0.005%
未満ではその効果が認められず、1%を越えて添加して
も1%添加時以上の改善効果はなく、逆にLaによる着色
を生ずる。
La2O3を用い、さらにTiO2,ZrO2を添加する場合には、
TiO2,ZrO2は上記限定理由と同様の理由により、各々2
%を越えないことが好ましい。またこの場合、CeO2,TiO
2,ZrO2の合量が0.1%未満ではγ線照射に対する所望の
着色防止効果が得られず、4%を越えて添加しても実質
的な着色防止効果に変化はなく、むしろ各成分固有の吸
収が現われるので好ましくない。
(実施例) 次に本発明の実施例について説明する。本発明の実施
例を下表に示す。表中の組成は重量百分率で示し、試料
No.1〜23が本発明に係る実施例のガラス、試料No.24が
比較例のガラスである。
下表のガラスは、いずれも所定の成分組成が得られる
ように原料を調合し、白金ルツボに収容して1400〜1500
℃の温度で溶融し、撹拌・清澄後金型内に鋳込み、徐冷
した後、切断・研磨して肉厚1.0mmの平板状に成形し、
透過率測定用の試料とした。
以上のようにして作製した試料ガラスにラジエ工業
(株)製γ線照射装置RIC 1を用いてγ線25kGyを照射
し、照射前後の波長400nmにおける透過率を測定し、透
過率の変化量(透過率差)により着色の度合を評価し
た。なお、透過率の測定は、日立製作所(株)製分光光
度計340型により行った。また、アルカリ溶出量につい
てはJIS−R−3511に規定された日本薬局方一般試験法2
0注射剤用ガラス容器試験法(4)に従って測定を行っ
た。これらの測定結果を表中に示す。
下表から本実施例のガラスは、γ線照射後の透過率変
化が小さく、γ線照射に対する着色防止効果の優れたも
のであることがわかる。また本実施例のガラスは、いず
れもγ線照射前に90%以上の高い透過率を有し、γ縁照
射後も外観上の変化はなく無色透明の非常にクリアな状
態を保ってい た。これにより本発明のガラスを用いた採血管はγ線照
射による滅菌処理を行った後も光を用いた検査や目視に
よる判断を誤りなく行うことができる。また、アルカリ
溶出量についても本実施例のガラスは従来用いられてい
た比較例のガラスに較べて半分以下の低い値であり、特
にアルカリ溶出を防ぐ目的でSiO2被覆等の表面処理を施
す必要がない。
〔発明の効果〕
以上のように本発明の採血管用ガラスは、特定組成の
ソーダライム系ガラスに着色防止成分として、CeO2をTi
O2,ZrO2またはLa2O3と併存させて添加したことにより、 着色防止剤としてCeO2を単独で添加したものに較べ
て少ないCeO2含有量で、γ線照射に対して従来以上の着
色防止効果が得られるので低コストでγ線照射滅菌によ
る着色を生じない採血管が得られる。
アルカリ成分の溶出が少ないので、採血管の内容物
に影響を与えることがない。また、アルカリ溶出防止の
ための表面処理を必要としないので、製造工程が簡略化
でき、生産性向上とコストの低減がはかれる。
高温粘性の変化がゆるやかで、成形性に優れている
ため、細管成形が容易である。
等、採血管用のガラスとして極めて優れた効果を有す
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量百分率で、SiO260〜75%,Al2O30.5〜
    5%,Na2O+K2O+Li2O13〜20%,CaO+MgO1〜13%,BaO0.
    1〜5%B2O30.1〜5%,CeO20.1〜2%,TiO20.01〜2%,
    ZrO20.01〜2%からなる組成を有することを特徴とする
    採血管用ガラス。
  2. 【請求項2】重量百分率で、SiO260〜75%,Al2O30.5〜
    5%,Na2O+K2O+Li2O13〜20%,CaO+MgO1〜13%,BaO0.
    1〜5%B2O30.1〜5%,CeO20.1〜2%,TiO20〜2%,ZrO
    20〜2%,ただしCeO2+TiO2+ZrO20.1〜4%,La2O30.0
    05〜1%からなる組成を有することを特徴とする採血管
    用ガラス。
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