JP2687138B2 - チタン酸ストロンチウム系半導体磁器の粒界絶縁化方法 - Google Patents

チタン酸ストロンチウム系半導体磁器の粒界絶縁化方法

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JP2687138B2 JP63152388A JP15238888A JP2687138B2 JP 2687138 B2 JP2687138 B2 JP 2687138B2 JP 63152388 A JP63152388 A JP 63152388A JP 15238888 A JP15238888 A JP 15238888A JP 2687138 B2 JP2687138 B2 JP 2687138B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半導体磁器の粒界絶縁化方法に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、チタン酸ストロンチウム系半導体磁器は、その
結晶粒界を絶縁化することにより、大きな見掛誘電率を
持つ粒界絶縁型半導体磁器コンデンサが得られることが
知られている。この粒界絶縁型半導体磁器コンデンサは
小型で大容量が得られることからテレビジョン、ビデオ
のカップリング回路等に使用され、さらに多くの分野に
応用されている。
このような粒界絶縁型半導体磁器コンデンサの結晶粒
界の絶縁化方法としては、金属酸化物とワニスを混練し
た金属酸化物ペーストを半導体磁器に一様な厚さに塗着
し、乾燥させたのち、大気の中で熱処理する方法が一般
的である。
(発明が解決しようとする課題) 上記従来の方法では、半導体磁器一枚一枚に拡散剤を
塗着する必要があり、しかも各々均一に等しい量の拡散
剤を塗着しなければならない。また、熱処理時に拡散剤
によって素子間の接着現象が起こる。また、拡散剤塗着
量のばらつきのため電気特性のばらつきが大きくなり、
製品の歩留りが低下する欠点があった。
本発明の目的は、従来の欠点を解消し、電気特性のば
らつきを低減する半導体磁器の粒界絶縁化方法を提供す
ることである。
(課題を解決するための手段) 本発明のチタン酸ストロンチウム系半導体磁器の粒界
絶縁化方法は、拡散剤を半導体磁器に直接塗着せず、熱
処理時に使用する鞘の底部に拡散剤を塗着し、拡散剤の
上に前記半導体磁器と同種の材料によって形成され、か
つ孔が設けられた板を介して、前記半導体磁器と拡散剤
が直接接触しないように鞘詰めしたのち、熱処理を行う
ことによって結晶粒界を絶縁化するものである。
(作用) 上記構成により、半導体磁器と拡散剤とを板を介在し
て分離することによって、拡散剤による素子間の接着現
象を防止することができ、しかも熱処理用の鞘内という
狭い密閉空間の中に拡散剤の均一な雰囲気を作り出すこ
とが可能になるため、素子への拡散剤塗着量のばらつき
も低減することができるので、従来の絶縁化方法による
ものと同等の電気特性を保ちながら、そのばらつきを低
減させることができる。
(実施例) 本発明の一実施例を第1図および第2図に基づき説明
する。
SrTiO390モル%,CaTiO310モル%,Nb250.2モル%の
組成比になるように混合し、湿式ポットミルで混合した
のち、乾燥する。ポリビニルアルコール5%水溶液をバ
インダとして添加して造粒したのち、30メッシュの篩を
通して整粒し、油圧プレスを用いて直径7mm,肉厚0.4mm
の円板に1000kg/cm2の圧力で成型する。成型円板を大気
中において400℃で2時間加熱したのち、90%N2-10%
2の混合ガス気流中において1420℃で2時間還元焼成
して、直径6mm,肉厚0.35mmの半導体磁器素体を得る。
拡散剤としては、Cu2O35モル%,Bi2365モル%とワ
ニスを混練して作成した金属酸化物ペーストを用いる。
第1図に示すようにアルミナ質の鞘の底に所定量の拡
散剤を塗着し、乾燥させた高純度アルミナ板を設置し、
さらにその上に穴のあいたSrTiO3板を置いて拡散剤が直
接半導体磁器に接触しないようにしてから、半導体磁器
素体をばら詰めする。
第1図において、1はアルミナ質の鞘、2は高純度ア
ルミナ板、3は塗着した拡散剤、4は穴のあいたSrTiO3
板、5は半導体磁器素体、6はアルミナ質蓋であり、7
はSrTiO3側板である。
第1図に示すように鞘詰めしたのち、大気中において
1100℃で4時間熱処理する。熱処理によって拡散剤は蒸
発し、SrTiO3板4の穴を通って半導体磁器の結晶粒界に
拡散し、絶縁化する。
比較のため、所定量の拡散剤を半導体磁器に直接塗着
し、乾燥したものを第2図に示すような従来のやりかた
で鞘に詰めて同様の熱処理を行なった。第2図におい
て、8は拡散剤を塗着した半導体磁器素体である。熱処
理後、全素子数に対する2枚以上接着した素子数を素子
接着率として計算した。
このようにして得られた粒界絶縁型半導体磁器の両面
に電極ペーストを塗布し、850℃で焼付けてコンデンサ
とし、見掛誘電率、誘電損失、破壊電圧を測定し、静電
容量のばらつきを算出した。見掛誘電率および誘電損失
は、1V,1KHzの条件で測定し、破壊電圧はコンデンサの
電極間に1mA以上の電流が流れる直前の電圧を測定し
た。静電容量のばらつきは の式より算出した。その結果を表に示す。
表から明らかなように、従来の方法では素子間の接着
現象が発生するが、本発明の方法を用いれば、素子間の
接着現象を防止することができる。さらに、半導体磁器
素体間の拡散剤塗着量のばらつきも発生しないので、電
気特性を従来の方法の同等のレベルに保ちながら静電容
量のばらつきを低減することができる。
(発明の効果) 本発明によれば、半導体磁器と拡散剤とを板を介在し
て分離することによって、拡散剤による素子間の接着現
象を防止することができ、しかも熱処理用の鞘内という
狭い密閉空間の中に拡散剤の均一な雰囲気を作り出すこ
とが可能になるため、素子への拡散剤塗着量のばらつき
も低減させることができるので、従来法に比べて電気特
性を低下させずに、ばらつきだけを低減させることを実
現できるため、粒界絶縁型半導体磁器コンデンサを歩留
り良く製造することができ、その実用上の効果は極めて
大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における熱処理時の鞘の構成
を示す断面図、第2図は従来の熱処理時の鞘の構成を示
す断面図である。 1……アルミナ質鞘、2……高純度アルミナ板、3……
拡散剤、4……穴のあいたSrTiO3板、5……半導体磁
器、6……アルミナ質蓋、7……SrTiO3側板。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】拡散剤を半導体磁器に直接塗着せず、熱処
    理時に使用する鞘の底部に拡散剤を塗着し、この拡散剤
    の上に前記半導体磁器と同種の材料によって形成され、
    かつ孔が設けられた板を介して、前記半導体磁器と拡散
    剤が直接接触しないように鞘詰めしたのち、熱処理を行
    うことによって結晶粒界を絶縁化することを特徴とする
    チタン酸ストロンチウム系半導体磁器の粒界絶縁化方
    法。
JP63152388A 1988-06-22 1988-06-22 チタン酸ストロンチウム系半導体磁器の粒界絶縁化方法 Expired - Lifetime JP2687138B2 (ja)

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