JP2686676B2 - 移植機 - Google Patents

移植機

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JP2686676B2
JP2686676B2 JP3004258A JP425891A JP2686676B2 JP 2686676 B2 JP2686676 B2 JP 2686676B2 JP 3004258 A JP3004258 A JP 3004258A JP 425891 A JP425891 A JP 425891A JP 2686676 B2 JP2686676 B2 JP 2686676B2
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英夫 中島
俊郎 和田
修一 清水
正俊 日朝
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Yanma Agricultural Equipment Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は移植機、詳しくは、複数
の苗を収容し、苗搬送装置で搬送される苗トレイから前
記苗を取出す移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種苗取出装置は、複数の苗を
収容し、かつ、底面に水抜孔をもつ苗トレイを支持して
案内する苗搬送装置の苗取出側に、苗取出爪をもつ苗取
出装置を設け、該苗取出爪を上下揺動させて、前記苗ト
レイに突入させ、苗トレイから苗を取出すべく構成して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記した移
植機にあっては、苗取出爪を単に苗トレイに突入させて
苗トレイから苗を取出す構成であることから、根張りの
弱い苗や苗土が固いといった場合など苗の条件が悪いと
きには、苗取出爪の苗土への突入が十分得られず苗取出
爪による苗の保持力が不足して、苗取出爪による苗の苗
トレイからの取出しが行えなかったりする問題が生じる
のであり、また、前記苗取出爪を円弧状軌跡で上下揺動
させて苗トレイに突入、退出させる場合、苗取出爪の苗
トレイ内での移動軌跡が円弧をなすため、苗取出爪の苗
土への突入時苗土の変形が生じて爪の保持力低下を助長
し、苗取出爪による苗トレイからの苗の取出しが確実に
行えなかったり、また、苗取出爪による苗取出時の苗の
姿勢が乱れたりする問題を有していた。
【0004】本発明の主たる目的は、苗取出爪の苗トレ
イへの突入による苗取出作用と、苗トレイの底面に形成
される水抜孔を利用した取出苗の苗取出爪側へ突上作用
とを併用することにより、苗取出爪の苗への突入を十分
に行わしめると同時に、苗の苗トレイからの突上作用に
より、苗取出爪による苗取出しを確実に行うことができ
移植機を提供することにあり、また、他の目的は、苗
取出爪及びピンの復動軌跡を同一方向の直線範囲内に位
置させて、苗取出爪による苗の取出しがスムーズで、か
つ、取出苗の姿勢を安定させて確実に取出すことができ
移植機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る移植機
は、苗収容部の底面に水抜孔を有する苗トレイを搬送す
る苗搬送装置と、該苗搬送装置により搬送された苗トレ
イの苗収容部に収容されている苗を取出す苗取出爪を有
する苗取出装置とを備えた移植機において、前記苗取出
装置は、前記苗取出爪を前記苗収容部に突入する突入位
置及び苗収容部の外側の苗取出位置にわたり往復移動さ
せる爪動作機構と、前記苗取出爪の往復動作に同調して
往復移動し、苗取出爪が突入位置に移動するとき、前記
苗収容部の苗を水抜孔側から突上げる苗突上機構とを備
えていることを特徴とする。
【0006】第2発明に係る移植機は、爪動作機構が、
前記苗取出爪を突入位置から苗取出位置にわたり直線状
に往復移動させる直線案内機構を備え、前記苗突上機構
は、前記苗を突上げるピンを備え、該ピンの往復動作域
を前記苗取出爪の直線状の往復動作域と同一直線範囲と
なるようにしていることを特徴とする。
【0007】
【作用】第1発明にあっては、苗取出爪で苗トレイから
苗を取出すとき、爪動作機構により苗取出爪を苗トレイ
の苗収容部に往動させて、該苗取出爪を苗収容部内の苗
土に突入させると共に、この苗取出爪が苗収容部に突入
するとき、その苗収容部の苗を底面の水抜孔から突上げ
るようにしたから、苗取出爪の苗収容部内での苗への突
入を十分に行わせることができ、しかも、苗収容部内に
安定性よく保持されている状態で苗取出爪を突入させる
から、苗収容部内の苗を安定姿勢で確実に取り出すこと
ができる。
【0008】また、爪動作機構に直線案内機構を設ける
ことにより、苗取出爪を苗トレイの苗側に突入する突入
位置から前記苗を前記苗トレイから取出す苗取出行程に
おいて直線状に往復移動させられるのであり、また、前
記苗突上機構に苗を突上げるピンを備えて、該ピンの往
復動作域と、前記苗取出爪の直線状の往復動作域と同一
直線範囲となるようにしているから、前記苗取出爪の苗
への突入時、苗土を変形させたりすることなく突入させ
られるのであり、従って、前記ピンによる苗取出爪側へ
の突上作用により、苗取出爪に対する苗の姿勢を乱すこ
となく取出しができ、これにより、苗取出爪による苗の
取出しがスムーズで、しかも、取出苗の姿勢を安定させ
て確実に取出すことができるのである。
【0009】
【実施例】図8に示したものは、本発明移植機の一例
であり、該図中1は移植機の走行機体であって、前部フ
レーム1aとミッションケース1bと後部フレーム1c
とをそれぞれ一体状に組付けて構成され、前部フレーム
1aの上部側にエンジン2を搭載し、また、後部フレー
ム1c側に後述する移植装置3を支持すると共に、前記
ミッションケース1bの車幅方向両側面に、それぞれ後
下方に向けて延びる一対の伝動ケース4,4を上下揺動
可能に設けて、その遊端側にそれぞれ駆動車輪5,5を
支持し、これら駆動車輪5,5を、エンジン2からミッ
ションケース1b及び伝動ケース4,4を介して伝達さ
れる回転動力で駆動し、前記走行機体1を自走させるご
とく構成している。
【0010】また、前記走行機体1の下部で前記駆動車
輪5の前部側には、畝Aの上面を転動しながら前記移植
装置3によるポット苗の植付株間を検出する株間検出ス
イッチ(図示せず)をもった検出ローラ6を揺動アーム
6aを介して上下動可能に支持し、該検出ローラ6から
出力される株間検出信号により、前記移植装置3の各駆
動部を間歇的に制御すべく成すと共に、前記検出ローラ
6の上下動により植付深さを制御するようにしている。
【0011】さらに、前記前部フレーム1aの前方下部
には、畝上面に沿って走行する鎮圧輪7を支持杆1dを
介して支持すると共に、該鎮圧輪7の両側部位に、前記
畝Aの側面に沿って走行する一対のガイド輪8,8を設
けている。尚、図8において中9は前記後部フレーム1
cに後上方に向けて取付けた操縦ハンドルである。
【0012】また、前記走行機体1の後部フレーム1c
側に支持する前記移植装置3は、大別して縦横に複数の
ポット苗収容部10aを配列した苗トレイ10を順次苗
取出し側に搬送する苗搬送装置20と、この苗搬送装置
20の搬送終端部で苗トレイ10からポット苗を取出す
苗取出爪31をもつ苗取出装置30と、該苗取出装置
0から苗を受取って植付動作する移植器113をもつ移
植部110とを備え、この移植部110は前記ミッショ
ンケース1b側に支持される共に、前記苗取出装置30
苗搬送装置20とは前記後部フレーム1c側に支持さ
れている。
【0013】しかして、以上のごとく構成される移植機
における移植装置3の苗搬送装置20は、図1及び図2
に示したように所定間隔をおいて相対向する一対の支持
杆21a,21aと、これら各支持杆21a,21aの
長さ方向両端部に設ける側壁21b,21b及び21
c,21cと、前記両支持杆21a,21a上部を連結
する上方連結杆21d並びに前部連結パイプ21eとか
ら成る搬送枠21を形成し、該搬送枠21の苗トレイ1
0の搬送側で、前記駆動スプロケット23と従動スプロ
ケット25との間にトレイ受部22を設けると共に、前
記側壁のうち、前方側壁21b,21b間に一対の相対
向する駆動スプロケット23,23をもつ駆動軸24を
駆動回転自由に支持し、かつ、後方側壁21c,21c
間に一対の相対向する従動スプロケット25,25をも
つ従動軸26を従動回転自由に支持して、これら各駆動
スプロケット23,23と従動スプロケット25,25
とにそれぞれ駆動チェーン27,27を掛設する一方、
これら両駆動チェーン27,27の対向面間に、両駆動
チェーン27,27を連結し、かつ、前記苗トレイ10
の苗収容部10aに引掛けて強制搬送する搬送部材28
を所定ピッチ間隔を置いて多数設けて、前記搬送部材2
8により苗トレイ10を強制的に1ピッチ分正確に縦送
りするごとく構成している。尚、前記駆動スプロケット
23,23の前記外周にトレイガイド200を設けてい
る。
【0014】また、前記搬送部材28としては、図1に
示されるように、前記両駆動チェーン27,27の内外
リンクプレートとローラとを連結する連結部を両端部に
備えた連結軸を用い、該連結軸28を前記苗トレイ10
の縦方向に配列される苗収容部10a,10a間の凹部
に挿入可能な軸径として、前記苗収容部10aの側壁に
引掛かるごとく成している。
【0015】さらに、図に示す実施例では、前記搬送枠
21の後部フレーム1c側への支持に際し、図3に示す
ように、前記機体1の後部フレーム1cにおける苗搬送
装置20の取付位置に、機体1の幅方向外方に張出状に
突出する左右支持フレーム11,11(実施例では、後
部フレームが兼用している。)を対向状に配置すると共
に、これら両支持フレーム11,11の対向幅間隔を前
記搬送枠21の横送り移動範囲よりも大きくする一方、
これら両支持フレーム11,11間に固定板12,13
を介して横軸14,15を支持して、これら横軸14,
15のうち、横軸14に前記搬送枠21の連結パイプ2
1eを摺動可能に挿通し、また横軸15に、支持杆21
a,21aの各下部に設ける筒軸29,29を摺動可能
に挿通して、搬送枠21を前記支持フレーム11,11
間において機体幅方向に横移動可能に支持している。
【0016】また、前記搬送枠21は、後記する苗取出
装置30の横送り軸97に設けたスライダ98をもつ連
動杆99に支持され、前記苗取出爪31の苗取出動作に
連動した前記横送り軸97の間歇回転により、該横送り
軸97のトラバース溝に係合する前記スライダ98を介
して連動杆99と共に搬送枠21、つまり、苗トレイ1
0は、ポット苗収容部10aの横方向1ピッチ分を横方
向に間歇的に横移動するように支持されている。
【0017】前記駆動スプロケット23,23をもつ駆
動軸24の駆動手段としては、主としてモータMを用
い、前記搬送枠21が左右方向何れかの横送り終端位置
に位置したとき、これを検出する一対のリミットスイッ
チL1,L2により検出して、これらリミットスイッチ
の一方からの検出信号により前記モータMを間歇的に駆
動して前記苗トレイ10を縦方向に1ピッチ分縦送りす
るごとく成している。
【0018】一方、前記苗取出装置30は、前記苗搬送
装置20の搬送終端部において、苗取出爪31を、前記
苗トレイ10の苗側に対し往復動させて前記苗を取出
し、かつ、苗放出行程において揺動させる爪動作機構3
0Aを設ける一方、前記苗トレイ10の苗取出位置下方
に、前記爪動作機構30Aによる苗取出爪31の取出動
作に同調して往復動し前記苗トレイ10の取出苗を前記
水抜孔10bを介し下方から突上げるピン75をもつ苗
突上機構30Bとを有していて、これら両機構の連動動
作により、前記苗取出爪31で苗トレイ10から苗を取
出すと共に、前記取出行程から放出行程において前記苗
取出爪31で苗を保持し、前記苗搬送装置20を回避し
た苗放出位置において前記苗を、前記苗取出爪31から
放出して下方に待機する移植部110の移植器113に
供給する如く成している。
【0019】前記爪動作機構30Aは、図4,5に示し
たごとく後部フレーム1cに、支持部材32を起設する
と共に、該支持部材32に、中心部に支持筒34をもつ
取付板33を固定し、該取付板33の支持筒34の外周
に太陽ギヤ35を固設する一方、前記支持筒34の貫通
孔に駆動軸36を貫通させて回転自由に支持し、該駆動
軸36の一端部に駆動ホイール37を嵌合固定すると共
に、他端部にロータケース38を固定して、前記駆動軸
36を介してロータケース38を前記支持筒34に前記
太陽ギヤ35の中心と同一軸心上で駆動回転自由に支持
している。
【0020】このロータケース38の内部には、前記太
陽ギヤ35に噛合う遊星ギヤ39を回転自由に支持する
と共に、この遊星ギヤ39に噛合う伝動ギヤ40を回転
可能に支持する一方、前記ミッションケ−ス1bのPT
O軸42からチェーン又はタイミングベルトなどの伝動
体43を介して前記駆動ホイール37を駆動させ、該駆
動ホイール37の回転により、前記伝動ギヤ40を遊星
ギヤ39を介して自転させながら前記太陽ギヤ35の外
周軌跡Kを公転させるようにしている。この場合、前記
太陽ギヤ35と伝動ギヤ40とのギヤ比は2:1となっ
ている。
【0021】そして、前記伝動ギヤ40の支持軸40a
をロータケース38の外方に突出させ、該突出端にクラ
ンクアーム41を固定し、該クランクアーム41の遊端
にカム軸44を回転不能に突設する。このカム軸44に
は、その中間部に、図6に示したように両側面に幅寸法
を変化させた側方カム面45aをもち、かつ、外周面に
半径方向の変化をもたせた外周カム面45bを備えたカ
ム45を回転不能に支持すると共に、該カム45の両側
位置に、前記カム45を挟むごとく苗取出爪31をもつ
爪支持部材46の基部を枢着する一方、前記後フレーム
1cに支持部材47を介して直線案内部48aと揺動案
内部48bとをもつガイド溝48を備えたガイド体49
を設け、前記爪支持部材46における前記クランクアー
ム41への枢着部に対し半径方向に離反した位置に、前
記ガイド溝48に移動可能に係合するガイドローラから
成る係合体50を設けて、該ガイドローラ50のガイド
溝48に沿う移動により、前記苗取出爪31の移動軌跡
を、前記トレイ10の苗側に突入する突入位置から前記
苗を前記苗トレイ10より取出す取出位置に至る苗取出
行程においては直線状とし、かつ、前記取出位置から前
苗搬送装置20を回避した苗放出位置に至る苗放出行
程においては揺動させ、苗取出爪31を苗放出位置に位
置させるごとく構成したのである。
【0022】又、前記爪支持部材46の基部には、図6
に示されるように遊端側にボール51とボール受筒51
aとを支持した一対のL字状揺動板52,52が軸5
3,53を支点に揺動自由に支持されており、前記揺動
板52,52は、スプリング54で互いに対向状に引張
作用を付与されていて、前記ボール51,51と、前記
カム45の側面に形成された側方カム面45aとの係合
で、前記カム45が回動するとき、前記揺動板52,5
2が左右方向へ対称状に揺動すると共に、この揺動動作
で前記揺動板52,52に各々支持された一対の苗取出
爪31,31を開閉動作する如く成して、前記爪支持部
材46が苗放出位置にあるとき、前記苗取出爪31,3
1を開いて苗を放出し移植部110に苗を供給する如く
成している。
【0023】しかして、前記揺動板52,52に支持す
る一対の苗取出爪31,31は、細径な棒材の先端を尖
鋭に形成したもので、前記苗取出爪31,31の各々に
は、該爪31,31の外周面に遊嵌可能な内周面をもっ
た鍔付押出筒55,55を套嵌する一方、前記爪支持部
材46の側方に突出部46aを設け、該突出部46aに
図1,3に示される如く、カムレバー56の基端部を枢
支軸57を介して揺動自由に支持すると共に、その遊端
部に、ピン58を突設し、該ピン58に弾線から成る連
結杆59を、その中間巻回部を介して支持し、かつ、該
連結杆59の両遊端部を前記苗取出爪31,31に設け
た押出筒55,55の鍔部にそれぞれ連結する一方、前
記カムレバー56の中間部に、前記爪支持部材46にお
けるカム45の外周カム面45bと当接するカムローラ
60を回転自由に支持し、かつ、該ローラ60を、前記
押出筒55と揺動板52との間に介装する圧縮ばね61
により常時前記外周カム面45bに当接させておき、前
記ローラ60が前記カム45における外周カム面45b
の長径部位に係合するとき、前記カムレバー56の遊端
を持ち上げて、該遊端に連結した連結杆59を介して押
出筒55,55を苗取出爪31,31に対し、該爪3
1,31の基部側へ退出させると共に、前記ローラ60
が外周カム面45bの短径部位に係合するとき、前記カ
ムレバー56の遊端で前記連結杆59と共に押出筒5
5,55を苗取出爪31,31の先端側へ押し下げて、
該苗取出爪31,31の苗放出動作時、前記該押出筒5
5,55の先端で苗を押圧して強制的に移植部110の
移植器113内に落下させる如く成している。
【0024】さらに、前記苗突上機構30Bは、図1,
2に示されるごとく前記固定板13,13間に固定杆7
0を架設して、該固定杆70に取付体72の基部を取付
け、該取付体72の遊端部に貫通孔71aをもつ天板部
71を設けると共に、該天板部71を介してガイド溝7
3aをもつガイド体73を固定し、該ガイド体73に、
前記ガイド溝73aに挿通するガイド杆74と前記貫通
孔71aを貫通するピン75と係合軸76とをもつ移動
体77を前記ガイド溝73aに沿って摺動自由に支持す
る一方、前記移動体77の係合軸76に係合する長孔7
8aをもつ第1アーム78と第2アーム79とを固定し
た軸体80を、前記取付体72と前記支持フレーム11
に設ける支持片81との間に回転自由支持する。そし
て、前記駆動軸36に嵌合固定する駆動ホイール37の
他側に、該ホイール37と一体的に結合された連結軸8
2を延長させ、該連結軸82の延長端に第1カム体83
を設けると共に、該カム体83に係合して動作する第1
揺動杆84を図3に示したように支持フレーム11の支
持板85に揺動自由に支持し、前記揺動杆84の遊端部
に連結杆86を介して前記第2アーム79の遊端部に連
結し、前記第1カム体83の回転による前記第1揺動杆
84の揺動により、前記連結杆86が第1図矢印のごと
く引上げられることにより第1,第2アーム78,79
を介して移動体77を上方へ移動させ、前記ピン75を
前記苗トレイ10の底面における水抜孔10bを介し下
方から突上げて苗を苗取出爪側に押出すべく構成してい
る。また、前記苗突上機構30Aによる前記ピン75の
往復動軌跡と前記苗取出爪31の直線往復軌跡とを同一
方向の直線範囲に位置させるのであって、前記ピン75
の突上げタイミングは、苗取出爪31の突入時と同調さ
せ、かつ、万一苗取出爪31が苗を取損じた場合にも、
残土を排出するように前記ピン75の移動ストロークを
多く取っている。尚、同一方向の直線範囲とは、図8に
示すように苗取出爪31,31間の中間部をも含むもの
である。また、固定杆70を固定板13,13杆に介装
し、前記固定杆70に苗突上機構30Aを組込むように
しているから前記フレーム11の剛性を確保できるし、
前記苗突上機構30Bの組付けも精度よく、かつ、簡単
に行える。また前記ガイド体73及びピン75をもつ移
動体77などのガイド部品を組み立て式とすることによ
り、位置決め調整を容易に行える。また、前記カム体8
3と揺動杆84及び前記各アーム78,79の形状、大
きさを変更することにより前記ピン75の速度やストロ
ークを自由に変更できる。更に、前記ピン75の直線往
復動軌跡と苗取出爪31の直線往復動軌跡とを前記駆動
スプロケット23,23の中心上に配設するのが好まし
い。
【0025】また、前記連結軸82は図5に示している
如く、横送り駆動ケース87に貫通支持され、該横送り
駆動ケース87に、前記連結軸82と平行にクラッチ軸
88を回転自由に支持する一方、前記連結軸82に、ク
ラッチ操作用カム89を一体的に併設したギヤホイール
90を回転不能に支持している。
【0026】そして、該ギヤホイール90に、該ギヤホ
イール90に対し所定の増速比をもつクラッチピニオン
91を噛合させると共に、該ピニオン91を、前記クラ
ッチ軸88に遊転可能に支持している。
【0027】又、前記クラッチ軸88には、前記クラッ
チピニオン91に隣接させたクラッチ胴92を、前記ク
ラッチ軸88に対し相対回転不能に支持し、このクラッ
チ胴92とクラッチピニオン91との外周面に、一端を
前記クラッチ胴92に係止させ、他端を開放させたスプ
リングクラッチ93を套嵌させて、該スプリングクラッ
チ93の内周面で前記両者91,92の外周面を同時に
緊縛して動力を伝達する如く成すと共に、前記スプリン
グクラッチ93の前記開放端と、前記ギヤホイール90
に併設したカム89との間に、該カム89に係合して動
作する触子94を設け、該触子94の先端を前記スプリ
ングクラッチ93の解放端に係合させることにより、該
スプリングクラッチ93の緊縛状態を弛緩させて前記ク
ラッチピニオン91を前記クラッチ軸88に対して遊転
させ動力の伝達を間歇的に遮断する如く成している。そ
して、前記クラッチ軸88の他端を、前記横送り駆動ケ
ース87の外側方へ突出させると共に、この突出端に中
間ギヤ95を相対回転不能に支持し、該中間ギヤ95と
噛合する従動ギヤ96を、前記横送り駆動ケース87に
回転自由に支持されたトラバース溝(図示せず)をもつ
横送り軸97の一端に、該軸97に対して相対回転不能
に固定している。そして、図3に示すように、前記横送
り軸97のトラバース溝(図示せず)に係合するスライ
ダ98を介して横方向に移動する連結杆99により、該
連結杆99に支持された苗搬送装置20が、該苗搬送装
20にセットされた苗トレイ10の横方向1ピッチ分
を、前記苗取出爪31の苗取出動作に連動して間歇的に
横送りする如く成している。
【0028】また、図に示す実施例では、前記駆動スプ
ロケット23,23の前記モータMによる回転を強制的
に停止する停止手段100を設けている。
【0029】この停止手段100としては、図9に示す
ように、各駆動スプロケット23,23の同心円上位置
に、苗トレイ10の1ピッチ間隔に合わせて等角度に等
分した箇所に係合孔23aをそれぞれ設ける一方、支持
フレーム1cに、前記各駆動スプロケット23,23に
対する側方位置で前記係合孔23a,23aに出退自在
としたロックピン101,101をもつロック装置10
2を設けて、前記モータMによる前記各駆動スプロケッ
ト23,23の駆動回転途中で前記ロックピン101を
前記係合孔23aに突入させることにより、前記苗トレ
イ10を縦方向に1ピッチ分縦送りした位置で前記各駆
動スプロケット23,23の回転を強制的に停止するよ
うに構成している。
【0030】この場合、前記ロック装置102は、前記
苗突上機構30Bの場合と同様に前記連結軸82に、第
2カム体103と第2揺動杆104、連結杆105とか
ら成る連動機構を介して連動連結され、前記ロックピン
101を、苗取終了動作に連動してロック解除位置から
ロック位置へと移動させ、また、苗取動作開始動作に連
動してロック位置からロック解除位置に移動させるべく
成す一方、前記ロックピン101がロック解除状態でオ
ン動作する検出スイッチSを設けると共に、前記搬送枠
31が左右方向何れかの横送り終端位置に位置したとき
オン動作してこれを検出するリミットスイッチL1,L
2とを併設して、前記検出スイッチSと前記リミットス
イッチL1又はL2の何れか一方とがオンしたときのみ
前記モータMが駆動するようにして、前記駆動軸34を
介し駆動スプロケット23,23を回転して苗トレイ1
0を縦方向に縦送りし、かつ、前記駆動スプロケット2
3,23による回転により苗トレイ10がほゞ1ピッチ
分縦送りされたタイミングで、前記ロックピン101を
ロック解除位置から前記駆動スプロケット33の係合孔
23aに突入させることにより、前記検出スイッチSが
オフして前記モータMを停止しすると同時に前記駆動ス
プロケット23の回転を強制的に停止するように構成し
ている。
【0031】斯く構成することにより、前記モータMの
停止に対する駆動スプロケット23,23の惰性回転を
なくして、その惰性回転に伴う苗トレイ10の停止位置
のずれを防止でき、これによって、苗トレイ10の苗収
容部10aを苗取出爪31の取出位置に対応した適正位
置に強制的に位置させることができるのである。尚、複
数の苗トレイ10を選択して使用する場合でも前記停止
手段100を適用できるようにするには、図9に示すよ
うに前記各駆動スプロケット23,23の前記係合孔2
3aの同心円とは径の異なる同心円上位置に、別の苗ト
レイ10の1ピッチ間隔に合わせて等角度に等分した箇
所に係合孔23bをそれぞれ設ける一方、前記ロック装
置102にロックピン101が係合孔23a又は23b
のいずかに選択的に突入できるようにロックピン101
の突入位置変更手段(図示せず)を設ければよい。
【0032】また、前記移植部110は、前記ミッショ
ンケース1bの後部側に取付られる植付伝動ケース11
1と、該植付伝動ケース111にその内部機構に連動す
る植付アーム112を介して上下方向に植付動作可能に
支持した開閉可能な移植器113とから成り、前記植付
アーム112の移動により移植器113を前記苗取出爪
31から放出されるポット苗の受取位置と畝Aへの移植
位置との範囲にわたって所定の上下動軌跡で植付動作さ
せ、前記苗取出爪31がポット苗を放出するときには、
前記移植器113を閉鎖した状態の上昇位置、つまり受
取位置でポット苗を受取り、このポット苗の受取後に前
記移植器113を前記畝A側に下動させて、この下動位
置で前記移植器113を開放させて、内部に保持したポ
ット苗を畝Aに移植するようにしている。
【0033】次に本発明移植機の作用について説明す
る。
【0034】前記移植装置3における苗取出装置30
は、伝動体43を掛設した駆動ホイール37が駆動軸3
6と共に駆動し、該駆動軸36の駆動によりロータケー
ス38が前記駆動軸36と一体的に回転する。
【0035】これにより、図5に示している如く、前記
ロータケース38に回転自由に支持されている遊星ギヤ
39が、太陽ギヤ35と噛合して自転しながら公転す
る。
【0036】そして、前記遊星ギヤ35と噛合する伝動
ギヤ40が前記遊星ギヤ39に連動して自転しながら前
記太陽ギヤ35と噛合することなく、該太陽ギヤ35の
外周軌跡Kを公転する。この伝動ギヤ40の自転に伴
い、該伝動ギヤ40の支持軸40aに固定されたクラン
クアーム41が、図7に示す如く前記伝動ギヤ40と一
体的に回転しながら前記太陽ギヤ35の外周軌跡Kを公
転するのであり、このとき、前記爪支持部材46に設け
たガイドローラ50が、ガイド体49のカム溝48と係
合して、前記クランクアーム41が図7に示したイ位置
からホ位置へ移動するのであり、この移動に従い、前記
爪支持部材46が前記カム溝48の直線案内部48aに
沿って直線状に往動するのである。そして前記クランク
アーム41が図中ホの位置に至ったとき、爪支持部材4
6に設けたガイドローラ50が、前記カム溝48の屈曲
部を経て揺動案内溝48bの端部Zに至るのであり、こ
のとき、前記カム軸44に支持された爪支持部材46
が、苗放出位置方向へ揺動するのである。また、以上の
状態から前記ガイドローラ50が前記カム溝48を復動
する場合、前記クランクアーム41は前記往動軌跡と全
く対称軌跡を描いて元の位置イに復帰して次の往復動動
作を開始するのであって、前記伝動ギヤ40が、前記太
陽ギヤ35の外周軌跡Kを1回公転する間に、爪支持部
材46が前記カム溝48を1往復動することになる。
【0037】しかして、前記爪支持部材46の進出位置
で、苗取出爪31を苗トレイ10の取出苗に対し直線状
に突入させられるのであり、この苗取出爪31の突入動
作に同調して、前記苗突上機構30Bにより、ピン75
を前記苗トレイ10の底面における水抜孔10bを介し
下方から突上げて苗を苗取出爪側に押出すのである。つ
まり、前記苗取出爪31の突入動作に同調して、前記第
1揺動杆84が第1カム体83を介して図1に示す矢印
方向に揺動し、この揺動により、前記連結杆86が第1
図矢印のごとく引上げられて、第1,第2アーム78,
79を介して移動体77を上方へ移動させ、前記ピン7
5を前記苗トレイ10の底面における水抜孔10bを介
し下方から突上げて苗を苗取出爪側に押出すのである。
この結果、苗取出爪31の苗への突入が確実に行われる
と同時に、取出苗は苗トレイ10からの強制的に押出さ
れることになり、前記苗取出爪31による苗の取出しが
確実に行えるのである。また、前記苗取出爪31は、前
記直線案内機構により、苗トレイ10の苗側に突入する
突入位置から前記苗を前記苗トレイ10から取出す苗取
出行程において直線状に往復動するのであり、一方、前
記苗突上機構30Bによる前記ピン75の往復動も、前
記苗取出爪31の直線往復軌跡と同一方向の直線範囲に
位置して直線状に行うので、前記苗取出爪31の苗への
突入時、苗土を変形させたりすることなく突入させられ
るので、前記ピン75による取出苗を苗取出爪側への突
上作用により、苗取出爪31に対する苗の姿勢を乱すこ
となく取出すことができ、これにより、苗取出爪31に
よる苗の取出しがスムーズで、かつ、取出苗の姿勢を安
定させて確実に取出すことができるのである。
【0038】又、前記爪支持部材46に軸53,53を
介して揺動可能に支持された一対の揺動板52,52
は、該揺動板52,52のボール51,51と、前記カ
ム軸44に固定されたカム45の側方カム面45aとの
係合状態の変化に応じスプリング54の付勢力に抗して
対向状に揺動するのであり、前記苗トレイへの突入時に
は揺動板52,52に支持した苗取出爪31,31間を
開いた状態で苗土に突入し、苗トレイ10からの退出時
には苗取出爪31,31間を閉じ苗土を挟んで退出する
一方、前記苗放出位置に位置したときには、苗取出爪3
1,31を開いて放出動作して苗を放出するのである。
【0039】更に、前記苗放出時には、前記爪支持部材
46の突出部46aに支持したカムレバー56が、該レ
バー56のカムローラ60と、カム45の外周カム面4
5bにおける短径部外周面との係合で、前記揺動板52
と押出筒55の間に介装した圧縮ばね61により下方へ
揺動し、これにより、前記連結杆59を介し苗取出爪3
1,31に套嵌した押出筒55,55を前記爪31,3
1の先端側へ押し下げて、該爪31,31に保持する苗
の放出動作を強制的に助長し前記苗の落下を良好にする
のである。
【0040】又、前記苗放出後は、前記カムローラ60
が前記カム45の回動に伴い、該カム45の長径部外周
面と係合して前記カムレバー56を持ち上げ、前記押出
筒55,55を苗取出爪31,31の基部側へ退去させ
るので、苗の取出行程において支障を生ずることはない
のである。
【0041】尚、以上の説明では、苗搬送装置20を横
送りさせるようにしたが、苗取出装置30を横送りする
ように構成してもよい。また、苗搬送装置20の縦送り
はチェーン27,27を用いたが平ベルト又ははしご状
ベルトを用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】第1発明に係る移植機によれば、苗取出
爪を、苗トレイの苗収容部に突入する突入位置と、苗収
容部の外側の苗取出位置とにわたり往復移動させるよう
に構成して、苗収容部内の苗に積極的に突入させ、さら
に苗突上機構を、苗取出爪の往復動作に同調して往復移
動させ、苗取出爪が苗収容部に突入するとき、その苗収
容部の苗を突き上げるようにしたから、苗取出爪の苗収
容部内での苗への突入を十分に行わせることができ、し
かも、苗収容部内に安定性よく保持されている状態で苗
取出爪を突入させるから、苗収容部内の苗を安定姿勢で
確実に取り出すことができるのである。
【0043】第2発明に係る移植機によれば、爪動作機
構は、苗取出爪が突入位置から苗取出位置にわたり直線
状に往復移動させる直線案内機構を備え、前記苗突上機
構は、前記苗を突上げるピンを備え、該ピンの往復動作
域が前記苗取出爪の直線状の往復動作域と同一直線範囲
に位置させているので、前記苗取出爪の苗の突入時、苗
土を変形させたりすることなく突入させられ、前記ピン
による取出苗の苗取出爪側への突上作用により、苗取出
爪に対する苗の姿勢を乱すことなく取出すことができ、
これにより、苗取出爪による苗の取出しがスムーズで、
さらに取出苗の姿勢を安定させて確実に取出すことがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移植装置の要部の縦断面図
【図2】移植装置における要部の斜視図
【図3】移植機における要部を理解させるため必要方向
に展開して示す平面図
【図4】苗取出装置における爪動作機構の側面図
【図5】苗取出装置の要部を理解させるため必要方向に
展開して示す横断面図
【図6】苗取出爪の説明図
【図7】爪支持部材の移動軌跡を示す説明図
【図8】苗取出爪の直線往復軌跡とピンの往復動軌跡と
を同一直線範囲に位置させた場合の説明図
【図9】停止手段を示す説明図
【図10】本発明の苗取出装置を装備した移植機の一例
を示す全体図である。
【符号の説明】
10 苗トレイ 10b 水抜孔 20 苗搬送装置 30 苗取出装置 31 苗取出爪 30A 爪動作機構 30B 苗突上機構 75 ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日朝 正俊 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マー農機株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−141513(JP,A) 特開 昭56−109509(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苗収容部の底面に水抜孔を有する苗トレ
    イを搬送する苗搬送装置と、該苗搬送装置により搬送さ
    れた苗トレイの苗収容部に収容されている苗を取出す苗
    取出爪を有する苗取出装置とを備えた移植機において、 前記苗取出装置は、前記苗取出爪を前記苗収容部に突入
    する突入位置及び苗収容部の外側の苗取出位置にわたり
    往復移動させる爪動作機構と、前記苗取出爪の往復動作
    に同調して往復移動し、苗取出爪が突入位置に移動する
    とき、前記苗収容部の苗を水抜孔側から突上げる苗突上
    機構とを備えていることを特徴とする移植機。
  2. 【請求項2】 前記爪動作機構は、前記苗取出爪を突入
    位置から苗取出位置にわたり直線状に往復移動させる直
    線案内機構を備え、前記苗突上機構は、前記苗を突上げ
    るピンを備え、該ピンの往復動作域を前記苗取出爪の直
    線状の往復動作域と同一直線範囲となるようにしている
    請求項1記載の移植機。
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