JP2684583B2 - 被加工部品の積み卸し装置と方法 - Google Patents

被加工部品の積み卸し装置と方法

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JP2684583B2
JP2684583B2 JP4321404A JP32140492A JP2684583B2 JP 2684583 B2 JP2684583 B2 JP 2684583B2 JP 4321404 A JP4321404 A JP 4321404A JP 32140492 A JP32140492 A JP 32140492A JP 2684583 B2 JP2684583 B2 JP 2684583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械加工用の工作機に
対しプリント回路基板等の被加工部品を積み卸しする装
置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の工作機ないしマシニングセンタに
も、被加工部品を自動的に積み卸しするための装置が備
えられているものがある。被加工部品が例えばプリント
回路基板である場合、複数枚のプリント回路基板を重
ね、その上下を補助板で挟んだものを“パック”と呼ぶ
と、従来、このパックを収めておくパック収納部とプリ
ント回路基板の孔開け加工をなすボール盤のワークテー
ブルとの間でパックをやり取りするための別個、独立な
装置として、数値制御ユニットによって操作軸方向の動
きが制御されるパック取扱い装置を有するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、数値制御ユニ
ットを使う従来の装置は、被加工部品を収納ないし載置
しておく装置と被加工部品を加工する装置とは全く別個
な個別装置であって、それ自体の構成が極めて複雑で高
価になり、また、ボール盤の側に大きなスペースを要す
る外、パック収納部を交換するに要するスペース等も大
きく、取扱いも極めて厄介である。
【0004】本発明は、このような従来例の欠点を解消
ないし緩和し、複雑、高価な数値制御ユニットを持つ個
別の装置によらず、工作機自体にその要部を組み込むこ
とができ、しかも機械的にできるだけ簡単な構成で高い
信頼性の得られる被加工部品の積み卸し装置ないし方法
を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を解決
するため、工作機に対し被加工部品を積み卸しする装置
として、工作機に設けられ、少なくとも一つの軸線(Y)
に沿って第一の方向とその反対の第二の方向とに往復動
することができ、かつ、被加工部品(23)を加工すると
きに当該被加工部品を載持するテーブル(14)と; 被加工部品(23)に設けられ、上記の軸線(Y) に沿って
互いに離間し、対向し合う一対の係合要素(32,33)
と; テーブル(14)に対し軸線(Y) に沿って離れた位置に備
えられ、加工の前及び後の被加工部品(23)を載置して
おく載置手段(47)と; テーブル(14)に設けられ、テーブル(14)が軸線(Y)
に沿って第一の方向に第一の所定距離だけ動く時には、
互いに平行な平面内で動くことで一対の係合要素(32,
33)の中、テーブル(14)に近い側の一方の係合要素
(32)に係合し、被加工部品(23)を載置手段(47)か
ら工作機における被加工部品の加工位置に向けてテーブ
ル(14)と共に動かす一対の顎部材(75)と; テーブル(14)が軸線(Y) に沿い第二の方向に動く時に
は、被加工部品(23)の動きを止めてテーブル(14)の
みが第二の方向に動くようにするため、載置手段(47)
とテーブル(14)との間に位置する固定の部分(87)に
設けられ、一方の係合要素(32)に対向する他方の係合
要素(33)に対し選択的に係合する保持部材(89)と; 第二の方向に動いたテーブル(14)が、再び第一の方向に
所定の距離動く時ことで被加工部品(23)を加工位置に
向けてさらに動かせるようにするため、テーブル(14)に
備えられ、一方の係合要素(32)を選択的に保持、位置決
めする位置決め装置(107) と; を有して成る被加工部品の積み卸し装置を提案する。こ
こで、上記の符号は、後述の実施例中に用いられている
対応する各構成要素に付されている符号であり、理解の
助けのために付されたものである。
【0006】さらに本発明では、工作機に設けられ、少
なくとも一つの軸線(Y) に沿って第一の方向に、及びそ
の反対方向である第二の方向にも選択的に動くことので
きる部品加工用のテーブル(14)と、被加工部品(23)
を支持する載置板(47)との間で当該被加工部品(23)
を積み卸しする方法として、被加工部品(23)に設けら
れた第一のピン(32)をテーブル(14)に係合させるス
テップと; テーブル(14)を第一の方向に動かすことにより、第一
のピン(32)を介してテーブル(14)に係合した被加工
部品(23)を載置板(47)から第一の方向に引き出すス
テップと; テーブル(14)が第二の方向に動く時に被加工部品(2
3)が動かないように、被加工部品(23)の第二のピン
(33)を保持するステップと; その後に再度、被加工部品(23)の第一のピン(32)を
テーブル(14)に係合させ、テーブル(14)を被加工部
品(23)と共に再び第一の方向に動かすステップと; を有して成る被加工部品の積み卸し方法も提案する。
【0007】
【実施例】図1には、本発明の積み卸し装置の組み付け
られた工作機の一例として、固定設置用の据え付けベッ
ド11を有するボール盤が側面図で示されている。ベッ
ド11の一部はまた、図3,4にも示されている。ベッ
ド11上には図1,8に示すように花崗岩製の摺動路1
3が備えられ、この摺動路13に沿ってワークテーブル
14が図1中の軸線Y方向に移動できる。摺動路13に
沿って設けられているスクリュ15は図示しない数値制
御サーボモータにより回転制御を受けるもので、テーブ
ル14の方に固定されているナット16にねじ込まれて
いる結果、これが回転するとテーブル14がY方向に移
動する。本実施例でワークテーブル14の移動機構とし
て利用されているこのようなスクリュ・ナット機構1
5,16は周知である。なお、便宜上、以下では上記の
軸線Yに沿う方向を長手方向ないし軸方向と呼び、これ
と直交するX方向(すなわち図面紙面を表裏に抜ける方
向)を幅方向ないし横方向と呼ぶこともある。
【0008】ボール盤にはまた、上記のX方向に伸びる
花崗岩製の横材17が設けられ、工作ヘッド19として
本実施例でのドリルヘッド19を支持するキャリッジ1
8がこの横材17に沿って横方向に移動することができ
る。この移動に関しても、スクリュ21とこれに係合す
る固定のナット22による移動機構が利用され、やはり
図示しない数値制御手法等によりスクリュ21を回転さ
せることでキャリッジ18、ひいてはドリルヘッド19
の横方向位置が制御される。
【0009】ここで、ボール盤の図中右手側の空間は作
業者が作業をなす時に居る作業空間であり、以下では便
宜上、こちら側を前方空間、これに対しボール盤の図中
左手側の空間を後方空間と呼ぶ。従って、図示の軸線Y
に沿って前方に動くとは、図面紙面上で左側から右側へ
の動きを意味し、これは本願要旨構成中に言う第一の方
向の動きとなる。当然、これとは逆に、軸線Yに沿う後
方への動きは第二の方向の動きとなる。
【0010】ドリルヘッド19により穿孔加工を受ける
被加工部品23は、先に従来例に即して述べたと同様、
図2に示す通り、複数枚(図示の場合は三枚)のプリン
ト回路基板24を積層し、その上下を一対の補助板2
6,27にて挟んだものである。下側補助板26は底
板、上側補肋板27はカバー板と呼ぶこともでき、ま
た、このような積層構造にして用意されている被加工部
品23を以下では単に“パック”23と呼ぶ。
【0011】パック23は、図4中に仮想線で示されてい
るように、長手方向の両側縁28がY方向と平行になるよ
うに、従ってこれと直交する前端縁29及び後端縁31がX
方向と平行になるようにして後述の載置板47やテーブル
14上に置かれる。
【0012】パック23の底板26には一対の係合要
素、特にこの実施例の場合には当該底板26から真下に
向かって伸び出す一対の係合ピン32,33が設けられ
ている。これらのピン32,33は、パック23の両端
縁29,31の幅方向中心を通る線上に乗った所に位置
している。以下、図中で前方に位置するピン32を前ピ
ン32、後方に位置するピン33を後ピン33と呼ぶ。
【0013】符号34にて全体を示す積み卸し装置は、
それ自体をあちこちに運んで行くことができ、パック2
3を載置、収納しておく載置部ないし収納部36と、当
該載置部36に係合してこれを昇降する昇降装置37
(ないし載置部36に収められている複数のパックのど
れかを選択する選択装置37)を有しており、載置部な
いし収納部36はこの実施例の場合、実質的に立体枠構
造のラック36により構成されている。すなわちラック
36は、図3に良く示されているように、四隅に一本ず
つ設けられた計四本の支柱38を有し、各支柱38の脚
端にはそれぞれ、作業者の押し運びに便利なようにキャ
スタ41が設けられている。図3に示すように、長手方
向(図1中のY方向)に並設の関係になる二本の支柱3
8同志はそれぞれ上下一対の横桟39によって連結、固
定され、また図4に示すように、横方向(図1中のX方
向)には上部において前後二本、下部において前後二本
の計四本の横桟42により連結、固定されている。さら
に、上下一対の長手方向横桟39の中間同志は、垂直バ
ー43により連結されている。
【0014】このような枠構造を有するラック36の内
部空間は、支柱38と垂直バー43に留め付けられる平
面枠状の部材(以下、中間フレーム)44により上下に
二分割されており、中間フレーム44の上のラック内部
空間部分に複数の部品収納用小空間(以下、セル)46
が高さ方向に積層の関係で形成されるが、この実施例の
場合、その上にそれぞれパック23を載せる載置部ない
し載置手段としての各載置板47と、そのすぐ上に位置
する載置板47との間の空間がセル46を画成してい
る。最上部に位置する載置板47については、その上部
空間がセル46となる。そして、図3に示す通り、横か
ら見るとそれぞれの高さレベルでは一枚に見える載置板
47も、図4に示すように、平面的に見ると隙間48を
置いて横方向に離間した一対の載置板47,47から構
成されており、軸方向に伸びる隙間48内をパック23
の一対のピン32,33が通るようになる。
【0015】隙間48を置いて横方向に対向する一対の
載置板47,47は、それぞれ普通の固定手法で垂直バ
ー43に固定され、また支柱38に設けられている図示
しないブラケット上に載せられて水平を保っている。ブ
ラケットは載置板47を支えることができれば良いが、
例えば一枚の板を成形して得られた、載置板47を載せ
る腕部分を持つようなもので良い。
【0016】ラック36の上部における横方向の一対の
横桟42,42の間には、図4に良く示されているよう
に、互いに横方向に少し離間しながら長手方向に伸びた
一対のバー49,49が装着されており、これにはま
た、当該バー49の長さに沿ってスライドできるスライ
ダ50が係合している。スライダ50には真下に伸びる
垂直なバーないしブレード51が設けられ、このブレー
ド51がパック23の後縁を抑えて位置決める。換言す
れば、パック23の後縁が当接する位置にブレード51
を動かし、その位置にてスライダ50をバー49に対し
ネジ止め固定する。加工すべきパック23の長さが変わ
れば当然、ブレード51ないしスライダ50の長手方向
位置も変える。
【0017】昇降装置37は、図1,3に示すように、
高さの調節可能な脚で床上に載置される水平な枠部材5
2と、図1,3,4に示すように、ボール盤のベッド1
1に備えられている二つのブラケット54に対し球形動
可能な関節継手により取り外し可能に取り付く前部結合
板53を有している。昇降装置37はまた、昇降させる
べき枠型の水平フレーム(以下、昇降フレーム)55も
有し、これがパンタグラフ56により上下動させられ
る。
【0018】パンタグラフ56は図4に認められるよう
に横方向に一対設けられ、図3に示されるように上下左
右四つの支点の中、図中で左側に位置する上下二つの支
点はピン57,57によりそれぞれ固定の水平枠部材5
2と昇降フレーム55に軸着され、右側に位置する一対
の支点は回転を許容しながら水平動可能なように、固定
の水平枠部材52と昇降フレーム55のそれぞれに設け
られた断面C型の案内部材59,59内に収められたロ
ーラ58,58を有して成っている。水平枠部材52と
昇降フレーム55にはまた、固定の部材60,60(図
3)が設けられ、これらの間に線形な伸び縮みをなすこ
とでパンタグラフ56を駆動するリニアリフトアクチュ
エータ61が設けられる。このようなアクチュエータ6
1には、例えば可逆電動機によりギア減速機構を介して
スクリュ・ナット機構を駆動するタイプのものがある。
【0019】昇降フレーム55の上には平面を形成する
面部材62(図3,4)が装着され、その上には面部材
62の長手方向中心線に沿って伸びる細板状のガイド部
材63が固定されており、ガイド部材63はその後方端
(すなわち図中の左端)が面部材62よりもさらに長手
方向後方に突出し、楔形の端部64(図4)で終わって
いる。ラック36の中間フレーム44の前側端部の下に
は、図3,4に示すように、互いに横方向に離間し、そ
れぞれは長手方向に伸びる一対のブラケット66が備え
られていて、各ブラケット66にはまた、互いに長手方
向に離間し、転動面を水平にした(すなわち転動軸を垂
直にした)一対のローラ65が設けられている。上記の
ガイド部材63における楔形端部64は、後述するよう
に、これら横方向に互いに離間する各一対のローラ65
により形成される横方向の隙間の中にガイド部材63を
通すようにして行く時、最初の案内をし易くするために
設けられたものである。従ってローラ65は、上記のガ
イド部材63に係合し得るガイド部材とも呼ぶことがで
きる。
【0020】中間フレーム44にはまた、図4に示すよ
うに、昇降フレーム55の長手方向両側縁の各々にそれ
ぞれ長手方向に離間して一対設けられている要素68に
係合する位置決め要素67が設けられている。ラック3
6の前側二本の支柱38の中の一本には、図1に示すよ
うに、歯の付いたバー(以下、歯付きバー)69が高さ
方向に沿って装着されている。歯付きバー69の隣接す
る歯の間隔は載置板47の高さ方向の間隔と同じになっ
ていて、昇降装置37の水平枠部材52に取り付けられ
ているコラム71(図4)に固定の近接センサ70(図
1,4)は一つ一つの歯の近接を検出することができ
る。そして、この一つ一つの歯の近接を検出した信号
は、当該近接センサ71からアクチュエータ61の駆動
用の図示しない電子制御回路に供給される。
【0021】ラック36は、図3,4に示すように昇降
装置37から離した状態では、図示しない積み込みステ
ーションまで、キャスタ41等を利用して動かして行
き、そこで、既に機械加工の終わったパック23を取出
し、新たに機械加工すべきパック23を各載置板47上
に搭載することができる。そうしたならば、再度ラック
36を昇降装置37のすぐ後ろ(図中ではすぐ左側)に
位置する所まで持ってくる。その状態でまず、アクチュ
エータ61を稼働させてガイド部材63の高さ位置が対
応するガイド部材であるローラ65の高さ位置に整合す
るようにパンタグラフ56を駆動する。
【0022】次に、ガイド部材63が、後端の楔形端部
64を介しスムースに一対のローラ65間に入って行く
ようにしながらラック36の方を昇降装置37に向けて
Y方向に押し、昇降装置37の昇降フレーム55の上に
ラック36の中間フレーム44が位置した所でアクチュ
エータ61を駆動して昇降フレーム55を上昇させ、位
置決め要素68を中間フレーム44側に設けられている
位置決め要素67に係合させる。
【0023】この後は、アクチュエータ61によりパン
タグラフ56を上昇動させ、昇降フレーム55を上昇動
させるとラック36が全体として持ち上がるが、図1に
示されている位置は、ラック36の一番上のセルの載置
板47に載っているパック23をワークテーブル14上
に搭載したり、あるいは逆にワークテーブル14上から
取り出したりする位置であって、この位置はまた、近接
センサ70により歯付きバー69の一番上の歯が検出さ
れる位置である。以降は、次の歯が検出されるまでアク
チュエータ61を駆動するという手順により、一番上の
載置板47から順に下に向かって、各載置板47を図1
の一番上の載置板が取っている位置に付けるように選択
して行くことができる。
【0024】しかるに、本発明のパック積み卸し装置3
4は、ワークテーブル14に組み付けられた組み付け装
置72としてのパックハンドラ72を有している。パッ
クハンドラ72は、パック23を載置部36から取出
し、ワークテーブル14上に積み込んで位置決めすると
か、逆にワークテーブル14上から降ろしたりするため
にパック23を取り扱う装置である。ワークテーブル1
4は、フレーム74と、その上に装着され、被加工部品
ないしパック23を載置して支持する支持板73を有
し、パックハンドラ72はまた、図5,6,7に示され
るように、支持板73の後方部分において下方に突出す
る二本のピン76に装着された一対の顎部材(ジョー)
75を有している。
【0025】図6に示されるように、支持板73の底側
凹部82内に備えられている一対の板状タブ81(図
6,7)には空気アクチュエータ80が装着されている
が、各ジョー75は、このアクチュエータ80の両端ロ
ッド78の各々に対しそれぞれ連結ロッド78を介して
連結したL型アーム77を有し、このアーム77が上述
のピン76に軸着されている。さらに、各ジョー75
は、図7におけるように、横から見るとZ型をなすZ型
ベント部83を有し、このZ型ベント部83において上
方に折れた後に水平に戻った後方端部分に、パック23
の側に設けられている前ピン32に選択的に係合する矩
形凹所84とガイドプレート85とを有している。これ
により、アクチュエータ80の一対のロッド79が伸び
出せば、一対のアーム77は図6中に仮想線で示すよう
にピン76の周りにそれぞれ反対方向に回って一対のガ
イドプレート85の端部が互いに相寄るようになり、ジ
ョー75としての口を閉じて、矩形凹所84も図示仮想
線で示すように文字通り矩形になって、後述のようにこ
の中に前ピン32を捕捉、把持する。このような構成に
代え、空気アクチュエータ81からは一本のロッド79
のみが伸び出し、このロッドが一対のL型アーム77の
一方に軸着され、アクチュエータ80自体の他端部が他
方のロッドに軸着されるようにし、アクチュエータ自体
はタブ81により固定されない構造としても、ジョー7
5を上記のように駆動することもできる。
【0026】パックハンドラ72はまた、図1,7に示
すように、固定の摺動路13の後方部分に固定されてい
る構造部分88に対して設けられた横方向に伸びる板8
7に取り付けられ、パック23を一時的に抑える装置8
6を有している。この装置86は、垂直方向に可動であ
って上昇位置においては上記の一対のZ型ベンド83の
間に入ることのできる垂直バー89を有し、この垂直バ
ー89が後述の理由により、場合によりパック23の動
きを抑えて保持する保持部材89となっている。
【0027】図6に示されている通り、垂直バー89の
上部は、前ピン32、後ろピン33に選択的に係合し得
るように、平面的に見ると長手方向(Y方向)に対向し
合うV字型の溝90,91を有している。垂直バーない
し保持部材89は、図7,8に示されているように横板
92と一体であり、この横板92に設けられている一対
の比較的長いピン93が固定スリーブ94内に垂直方向
に嵌められてその上下動が案内されながら、同じく横板
92には板材87に固定されている空気アクチュエータ
96のロッド95が連結しているため、当該空気アクチ
ュエータ96のロッド95の伸縮動作に伴い、垂直バー
89が安定に上下動する。
【0028】図7,8に示されているように、横板92
には別な二台の空気アクチュエータ97も装着されてお
り、その伸縮ロッド98の上端には水平軸の周りに回転
可能なローラ99も取り付けられている。このような機
構は、後述のように、パック23を一時的に持ち上げる
持ち上げ機構を構成し、この実施例の場合には、パック
23の底板26(図2)にローラ99が下から臨み、空
気アクチュエータ98によるロッド95の伸長動作でロ
ーラ99が上昇することにより(図7中、仮想線で図
示)、パック23が持ち上げられる。横板92にはま
た、ローラ99の横方向外側の位置に、それぞれ前方に
向かって水平に折れ返ったタブ101を上端に有する一
対の垂直板100も固定され、さらに、パック23の後
端縁の通過を検出するための発光ダイオード102とこ
れに対して垂直方向に対向する光電センサ103も設け
られている。
【0029】パックハンドラ72の支持板73は、図5
に示すように、当該支持板73が後退したときに(すな
わち図中、右手側から左手側に移行したときに)上述の
ローラ99にぶつかることなくこれを収めるため、支持
板後端縁から長手方向前方に向かって凹んだ溝104
と、同じくタブ101を収容するための長手方向溝10
5と、バー89の通過を許す溝106(図6)とを有し
ている。
【0030】図5に示す通り、この実施例の場合、支持
板73には好ましいことに、パック23を正確に位置決
めする装置107も備えられている。すなわちまず、支
持板73の中心部を長手方向に通る長い凹み109の中
においてパック23のピン32,33を所定の長手方向
線に沿って案内するための固定の案内バー108があ
る。案内バー108に対向しては位置決め用バー110
が設けられ、これには長手方向両端に近い位置に横方向
に所定の長さに切られたスロット111が設けられ、こ
のスロット111内に支持板73に設けられたローラ1
12が嵌入、係合し、位置決め用バー110の横方向動
をスロットの長さに応じた所定の距離範囲に限って案内
している。
【0031】位置決め装置107はまた、同じく図5に
示す通り、支持板73の裏側の凹所ないし空間114内
に空気アクチュエータ113を有しており、そのロッド
115を伸縮させることでピン117に軸着されている
T型レバー116の脚部端部を押したり引いたりし、こ
の動きはT型レバー116の両腕部のそれぞれに係合し
ているタイロッド140,ピン120に軸着されている
クランク119,そして連結ロッド118から成る一連
のリンケージを介して位置決め用バー110に伝達さ
れ、その横方向位置が制御される。
【0032】長い凹み109の前端部内にはまた、別の
固定バー121も設けられ、その後端部は、後述のよう
にパック23の前ピン32(図2)の導入を容易にする
ため、斜めに切欠かれた導入端縁122となっている。
さらに、長い凹み109の最前端部には、前ピン32を
受け止めてそれ以上パック23が長手方向前方に動かな
いようにする制限ストップないし位置決め装置123と
して、後方に向かってV字型をなす座面部123が設け
られている。
【0033】固定のバー121,108の裏側の空間1
24内にはレバー126の腕125が収容され、レバー
126は支持板73の裏側の別の凹みないし空間141
内に収容されて、支持板73に固定のピン127に軸着
されている。レバー126の他端は空気アクチュエータ
129のロッド128に連結され、図5中に実線で示す
ように、ロッド128が縮むと腕125が前方に回転
し、その先端で図示しないパック23の前ピン32を前
方に押して、当該前ピン32を確実にV字型の座面部1
23に押し付けて位置決める。逆に図5中、仮想線で示
すように、ロッド128が伸びると前ピン32の把持、
捕捉状態は解除される。
【0034】図1に示される工作機のヘッド19のキャ
リッジ18は、パック23の前後端縁29,31(図
4)を保持する保持装置を有している。その一つは、キ
ャリッジ18に固定された空気アクチュエータ131に
よりヘッド19の垂直方向軸線と平行方向に伸縮でき、
伸び出した位置にてパック23の後端縁31に当接して
抑えるブレード132を有する後部サポート装置130
である。他の一つはヘッド19の横に配置された前部サ
ポート装置133で、これは二つの平行なブラケット1
34,135と、この間に取り付けられた空気アクチュ
エータ136,137のどちらかが選択的に伸縮するこ
とで軸方向にそれぞれ個別に伸縮し、選択的にパック2
3の前端縁29に係合し得るブレード138,139と
を有して成っている。
【0035】以上のような装置構成により、パック23
を載置部ないし収納部36から取出し、ワークテーブル
14上に積み込むときの操作につき説明する。図1,7
に示すように、この実施例では複数段に設けられている
パック載置板47の中、例えば一番上の載置板47の上
に乗っているパック23を取出そうとするときには、図
示の高さ位置となるように、既述した昇降装置37を用
いて収納部(この実施例ではラック)36を持ち上げ
る。この段階ではまだ、テーブル14はラック36に対
し所定の距離だけ離間して位置しており、ジョー75は
図6に実線で示すように口を開き、また図5に示されて
いる横方向に可動の位置決め用バー110はT型レバー
116の脚部とL型クランク119が共に時計方向に回
転させられることで固定のバー108から離れる方向に
位置付けられている。さらに、先端でパック前ピン32
をV字型の座面部123に押圧すべきレバー125は、
図5中で仮想線で示す位置となるように、対応するアク
チュエータ129により回転させられている。
【0036】次に、ジョー75の開いた口の中の凹所8
4内にパック23の前ピン32が位置するように既述の
スクリュ・ナット機構(15,16)により所定の距
離、テーブル14を後退させる(図中、右手側から左手
側に以降させる)。これにより、既述したローラ99を
含む持ち上げ機構の横に位置するタブ101(図5,
7)も、支持板73の対応する凹所105内に嵌入す
る。そこで、図6に示されているアクチュエータ80を
稼働させ、それぞれ連結ロッド78を介して一対の腕7
7を互いに反対方向に回転させることによりジョー75
の口を閉じ、矩形になった凹所84(図6中、仮想線で
図示)内にパック23の前ピン32を把持、捕捉する。
この状態が図9(A)に示されている状態である。
【0037】このようにしてジョー75がパック23の
前ピン32に係合したならば、テーブル14を前方に移
動させる。当然、パック23はセル46から引き出され
て行くが、パック23の後端縁31(図4)が載置板4
7から外れても下に落ちないように、既述のタブ101
が下から支える。そして、このパック23の後端縁31
がタブ101上を右に通過して行き、光電センサ103
が所定の位置にて当該後端縁31の通過を検出すると、
そこで図示しない電子制御回路系を介し、スクリュ・ナ
ット機構(15,16)を含むテーブル移動機構の稼働
を停止する。この状態が図9(B)に示されているが、
このようにテーブル14が一旦停止した位置ではパック
23の後ピン33は垂直バーないし保持部材89の僅か
前方に位置している。また、先の図9(A)の状態から
テーブル14の動きを開始し、この図9(B)の状態に
なるまで、すなわちテーブル14の動きの開始時から光
電センサ103によるパック後端縁31の検出に伴うテ
ーブル停止までの時間により、図示しない制御回路系は
パック23の長手方向長さを計算、記憶することができ
る。
【0038】次に、図7,8に示すアクチュエータ96を
稼働させて垂直バーないし保持部材89を上昇させ、また
図6に示すアクチュエータ80を最初の状態に戻すように
してジョー75の口を開き、ジョー75の凹所84内でのパッ
ク前ピン32の捕捉状態を解除する。その上で、テーブル
14を再び後退させるが、このとき、パック23の後ピン33
が垂直バー89の上部に設けられている前向きのV字溝90
(図6)に当接することにより、パック23自体はそれ以
上後退せず、テーブル14のみが後退を続けることになる
ので、相対的にパック23は支持板73上に徐々に乗って行
くように前方に向かって進むことになる。この動きは、
パック23の前ピン32が一対の対向し合うバー108,110(図
5)間の隙間内を長手方向に案内されながら進むことで
行なわれるが、先に述べたように、光電センサ103 を利
用して予め求めたパック23の長さに応じた移動距離だけ
テーブル14が後退したとき、そこでテーブルの当該後退
動を止める。これにより図9(C) に示すように、まずは
第一段階での長手方向位置決めとして、支持板73上にお
けるパック23の長手方向位置決めがなされる。
【0039】この図9(C) の位置においてはまた、図5
に示したアクチュエータ113 を駆動し、T型レバー116
と二つのクランク119 を含むリンケージを介し、位置決
め用バー110 を固定バー108 に向けて押圧してそれらの
間の長手方向に伸びる隙間内にパック23の前ピン32を挟
み込んで保持させる。その状態でテーブル14を再度前方
に向けて移動させ、一緒に移動するパック23の後端縁31
(図4)が、図1に即して説明した後方サポート装置13
0 のブレード132 を僅かに越した所でテーブル14の移動
を停止する。こうなった後、アクチュエータ113 を元の
状態に戻し、位置決め用バー110 を横方向に後退させて
パック23の前ピン32の捕捉状態を解くと共に、アクチュ
エータ96も元の状態に戻して垂直バー89を降下させ、一
方でキャリッジ18を移動機構(スクリュ・ナット機構2
1,22)により移動させてブレード132(図1)がパック2
3の後端縁31の幅方向中央に位置するように横方向に位
置決めし、その状態で同じく図1に示すアクチュエータ
131 を稼働させて当該ブレード132 をパック23の後端縁
31のすぐ後ろに位置するように降下させる。このように
なった状態が図9(D) に示されている。
【0040】ここで再度、テーブル14を後方に移動す
る。パック23の後端縁31は、降りているブレード1
32により抑えられているので、当該パック23は相対
的にテーブル14の支持板73上をさらに前方に進むこ
とになる。この移動のとき、パック23の前ピン32は
図5に示される前方の固定バー121の斜めに切欠かれ
た導入端縁122を介して心出しされながら相対的に前
方に進む。
【0041】このテーブル14の後方動は、パック23
の前ピン32が図5に示したパック23の制限位置決め
装置ないし制限ストップであるV字型座面部123に十
分近接した所で止め、その後、同じく図5に示したアク
チュエータ129を縮み方向に駆動し、レバー126を
時計方向へ回転させてその腕125の先端でパック23
の前ピン32を前方に押し、V字型座面部123に当接
させた状態に捕捉する。また、図5に示すもう一つのア
クチュエータ113も併せて駆動し、位置決め用バー1
10を固定バー108の方に駆動してパック23の後ピ
ン33もそれらの間に捕捉する。このような一連の動作
により、パック23の積み込みは終わり、当該パック2
3は加工されるべき所定の位置に付いた状態となる。こ
れが図9(E)に示されている。
【0042】機械加工を受けた後、パック23は、それ
が元乗っていた載置板47に戻される。以下では図10
に即し、この手順と動作に付き説明する。図10の部分
図番号は(F)から始まっているが、これは図9中の
(A)〜(E)に続いて起こる状態をそれぞれ示すもの
という意味である。
【0043】まず、テーブル14を少し後退させて、そ
の上に乗っているパック23の前端縁29(図4)が図
1に示した前部サポート装置133の前側ブレード13
8の位置より少し後ろになる位置とする。そして、図5
に示したアクチュエータ129を元の状態に戻し、腕1
25によるパック23の前ピン32の捕捉を解き、ま
た、図5中、もう一つのアクチュエータ113も元の状
態に戻して位置決め用バー110を横方向に後退させ、
固定バー108との間でのパック23の後ピン33の捕
捉も解く。その上でキャリッジ18を図1に示した移動
機構(21,22)により横方向に移動させ、上記の前
側ブレード138やこの後ろに位置する後側ブレード1
39がパック23の幅方向中心位置に付くようにし、そ
の状態で前側ブレード駆動用アクチュエータ136を駆
動して前側ブレード138を降下させ、パック23の前
端縁29の直前に位置するようにする。この状態が図1
0(F)に示されている。
【0044】次に、テーブル14を一対のブレード13
8,139の離間距離より僅かに長い距離だけ前方に移
動する。その結果、ブレード138により前方への動き
が阻止されているパック23は、相対的に後方に移動
し、図10(G)に示す位置を取る。ここでブレード1
38を上げてからテーブル14を今度は若干後方に移動
し、パック23の前端縁29が後方ブレード139のす
ぐ後ろに位置するようにした後、図1に示した後側アク
チュエータ137をのみ駆動して当該後方ブレード13
9を下降させ、パック23の前端縁29のすぐ前に位置
させる。この状態が図10(H)に示されている。
【0045】ここから再び、テーブル14を前方に移動
させると、ブレード139により前方動を抑えられてい
るパック23はその位置に留まろうとし、結局は図10
(I)に示すように、相対的にテーブル14に対し後方
に移動したことになる。
【0046】この後、テーブル14を後方に移動し、テ
ーブル14の支持板73から少し後端がはみ出している
パック23の当該後端が図1,5,7,8に即して示し
たローラ99の上に乗るようにして行く。
【0047】ローラ99の上方にパック23の後端縁が
来るようになったら、図7,8に示す一対のアクチュエ
ータ97を駆動してそのロッド98の上端に設けられて
いるローラ99を図7の仮想線で示す上昇位置に付け、
パック23の後端縁31の近傍を若干持ち上げ、載置板
47との衝突を避けるようにする。この状態は、テーブ
ル14の後方への移動に伴いパック23の後ピン33が
垂直バーないし保持部材89のすぐ後ろに位置するよう
になるまで続ける。図10(L)はこの状態を示してい
る。
【0048】図10(L)の状態になったならば、図1
に示した後側アクチュエータ137を元の状態に戻して
ブレード139を元の休止位置に戻し、その一方でアク
チュエータ97も元の状態に戻してローラ99を下降さ
せ、逆に図7,8に示すアクチュエータ89を稼働して
垂直バー89を上昇させて、当該垂直バー89の上部の
後ろ向きのV字溝91(図6)をパック23の後ピン3
3の前に臨ませる。
【0049】この状態でテーブル14を前方に移動させ
ると、パック23の後ピン33が垂直バー89の後ろ向
きのV字溝91に当接してパック23の前方動は抑止さ
れ、その結果、相対的にテーブル14のみが前方に移動
して、その後端部分に設けられている既述のジョー75
がパック23の前ピン32に対応する位置となる。この
状態が図10(M)に示されている。
【0050】ここで、既に述べた駆動手法によりジョー
75の口を閉じ、パック23の前ピン32をくわえさせ
てから、テーブル14を後方に移動させると、パック2
3も一緒に後方に移動し、元の載置板47上に載る。こ
こでジョー75の口を開けば図10(N)に示される状
態となり、その後、テーブル14を前方に駆動すれば本
説明の最初の状態に戻る。その後は、既に説明した手法
により昇降装置37(図1)を再度駆動して次のパック
23を選ぶ高さ位置にラック36を持ち上げた後、これ
までの説明による動作を繰返せば良い。
【0051】以上、本発明の望ましい一実施例に即し説
明したが、本発明に従う任意の改変は自由である。例え
ば、各所に採用された空気アクチュエータは、電動式や
機械的なものに変更できる。パック23に設けた係合要
素としてのピンとこれに対応する係合装置としてのジョ
ー等も任意に設計変更できるし、パック23の前後端縁
に係合するブレード等もそのアクチュエータ共々、任意
形状に設計変更できる。さらに、被加工部品自体、図示
のようなプリント回路基板の積層パック23に限らな
い。工作機も、本発明におけるように可動のワークテー
ブルを設ければ任意の機械加工用工作機に応用すること
ができる。
【0052】
【発明の効果】本発明によると、被加工部品の載置部
(収納部ないしラック)と加工部(工作機)との間に、
従来必要とされていた別個独立な装置としての被加工部
品移送装置は介在せず、従って当然、当該装置に要して
いた複雑、高価な数値制御ユニット等も必要なくなる。
にもかかわらず、載置部から被加工部品を取出し、ワー
クテーブル上の所定位置に正確に位置決めすることがで
きる。さらに、工作機の背後のすぐ近くの位置に載置部
が位置し得るので、作業者による作業がし易い上にスペ
ースファクタが極めて良く、何台かの同種の機械を据え
付けるのにも便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明積み卸し装置の一実施例が組み込まれた
パック加工用ボール盤の一部断面による側面図である。
【図2】被加工部品としてのパックの構造例を説明する
ための説明図である。
【図3】被加工部品の載置部ないし収納部であるラック
とその昇降装置とが組み合っていない段階での当該ラッ
ク及び昇降装置の一部断面による側面図である。
【図4】図3の状態におけるラック及び昇降装置の一部
断面による平面図である。
【図5】ボール盤のテーブルないしその支持面の側に設
けられる装置の一部断面による平面図である。
【図6】パックの係合要素に選択的に係合する係合装置
であるジョーの部分における要部の詳細図である。
【図7】図1中の要部の一部断面による拡大側面図であ
る。
【図8】図1中の線VIII一VIII線に沿って見た
端面図である。
【図9】載置部からパックを取り出してワークテーブル
上の所定の加工位置にまでパックを積み込む手順の説明
図である。
【図10】加工を終えたパックをワークテーブルから降
ろし、載置部に戻す手順の説明図である。
【符号の説明】
11 工作機のベッド,13 摺動路,14 ワークテ
ーブル,15 テーブル移動機構の一構成要素であるス
クリュ,16 テーブル移動機構の一構成要素であるナ
ット,18 キャリッジ,19 ドリルヘッド,21
キャリッジ移動機構の一構成要素であるスクリュ,22
キャリッジ移動機構の一構成要素であるナット,23
被加工部品ないしパック,24 パック中の個々の被
加工部品であるプリント回路基板,26 パックの下側
補助板ないし底板,27 パックの上側補助板ないしカ
バー板,28 パックの長手方向両側縁,29 パック
の前端縁,31 パックの後端縁,32 パックに設け
られた一対の係合要素の一方である前ピン,33 パッ
クに設けられた一対の係合要素の他方である後ピン,3
4 全体としてのパック(被加工部品)積み卸し装置,
36 パックの載置部ないしラック,37 全体として
の載置部(ラック)昇降装置,38 ラックの支柱,4
4 ラックの中間フレーム,46 部品収納用小空間な
いしセル,47 パックを載せる載置板,48 横方向
に並設された一対の載置板の間の隙間,52 昇降装置
の水平な枠部材,53 昇降装置の前部結合板,54
工作機のベッドに備えられるブラケット,55 昇降装
置の昇降フレーム,56 昇降フレームを昇降させるパ
ンタグラフ,61 パンタグラフを駆動するリニアリフ
トアクチュエータ,62 昇降フレームの上面に設けら
れた面部材,63 面部材上に設けられた細板状ガイド
部材,64 ガイド部材の楔形端部,65 ガイド部材
が導入される一対のローラ,69 歯の付いた部材ない
し歯付きバー,70 近接センサ,72 全体としての
パック取り扱い装置ないしパックハンドラ,73 被加
工部品(パック)を載置して支持する支持板,75 顎
部材ないしジョー,80 ジョーを駆動する空気アクチ
ュエータ,84 ジョーの口が閉じたときに矩形となる
凹所,86 パックを一時的に抑える保持装置,89
垂直バーないし保持部材,90 垂直バーの上部に形成
された前側のV字溝,91 垂直場合の上部に形成され
た後ろ側のV字溝,96 垂直バーを上下動させる空気
アクチュエータ,97 パック持ち上げ機構の一構成要
素としての空気アクチュエータ,99 パック持ち上げ
機構の一構成要素としてのローラ,101 パックを一
時的に下から支えるためのタブ,102 発光手段ない
し発光ダイオード,103 光電センサ,107 全体
としてのパック位置決め装置,108 固定の案内バ
ー,109 長手方向に長い凹み,110 位置決め用
バー,113 位置決め用バーを駆動する空気アクチュ
エータ,116 位置決め用バー駆動用リンケージの一
構成要素であるT型レバー,119 位置決め用バー駆
動用リンケージの一構成要素であるクランク,123
パックの制限位置決め装置ないし制限ストップとしての
V字型座面部,125 レバーの腕,126 レバー,
129 レバー駆動用の空気アクチュエータ,130
全体としての後方サポート装置,131 後方サポート
装置のブレード駆動用空気アクチュエータ,132 後
方サポート装置のブレード,133 全体としての前部
サポート装置,136 前部サポート装置に設けられる
前側空気アクチュエータ,137 前部サポート装置に
設けられる後側空気アクチュエータ,138 前部サポ
ート装置に設けられる前側ブレード,139 前部サポ
ート装置に設けられる後側ブレード.

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機に対し被加工部品を積み卸しする
    装置であって; 上記工作機に設けられ、少なくとも一つの軸線(Y) に沿
    って第一の方向とその反対の第二の方向とに往復動する
    ことができ、かつ、上記被加工部品(23)を加工すると
    きに該被加工部品を載持するテーブル(14)と; 上記被加工部品(23)に設けられ、上記軸線(Y) に沿っ
    て互いに離間し、対向し合う一対の係合要素(32,33)
    と; 上記テーブル(14)に対し上記軸線(Y) に沿って離れた
    位置に備えられ、上記加工の前及び後の上記被加工部品
    (23)を載置しておく載置手段(47)と; 上記テーブル(14)に設けられ、該テーブル(14)が上
    記軸線(Y) に沿って上記第一の方向に第一の所定距離だ
    け動く時には、互いに平行な平面内で動くことで上記一
    対の係合要素(32,33)の中、該テーブル(14)に近い
    側の一方の係合要素(32)に係合し、上記被加工部品
    (23)を上記載置手段(47)から上記工作機における被
    加工部品の加工位置に向けて該テーブル(14)と共に動か
    す一対の顎部材(75)と; 上記テーブル(14)が上記軸線(Y) に沿って上記第二の
    方向に動く時には、上記被加工部品(23)の動きを止め
    て該テーブル(14)のみが該第二の方向に動くようにす
    るため、上記載置手段(47)と該テーブル(14)との間
    に位置する固定の部分(87)に設けられ、上記一方の係
    合要素(32)に対向する他方の係合要素(33)に対し選
    択的に係合する保持部材(89)と; 上記第二の方向に動いた上記テーブル(14)が、再び上記
    第一の方向に所定の距離動く時ことで上記被加工部品
    (23)を上記加工位置に向けてさらに動かせるようにす
    るため、該テーブル(14)に備えられ、上記一方の係合要
    素(32)を選択的に保持、位置決めする位置決め装置(10
    7) と; を有して成る被加工部品の積み卸し装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも一つの軸線(Y) に沿って第一
    の方向とその反対の第二の方向とに往復動することがで
    き、被加工部品としての複数枚のプリント回路基板(2
    4)を積層したパック(23)を載せるテーブル(14)を
    有する工作機に対し、該パック(23)を積み卸しする装
    置であって; 該パック(23)に設けられ、上記軸線(Y) に沿って互い
    に離間し、対向し合う一対のピン(32,33)と; 上記軸線(Y) に沿って上記テーブル(14)に近い位置に
    備えられ、上記パック(23)を載置しておく載置板(4
    7)と; 上記テーブル(14)に設けられ、互いに平行な平面内で
    開閉でき、該テーブル(14)が上記軸線(Y) に沿って上
    記第一の方向に第一の所定距離だけ動く時には閉じ、そ
    れにより上記一対のピン(32,33)の中、該テーブル
    (14)に近い側の一方のピン(32)を掴んで上記パック
    (23)を上記載置板(47)から上記工作機における被加
    工部品の加工位置に向けて該テーブル(14)と共に動かす
    一対の顎部材(75)と; 上記テーブル(14)が上記軸線(Y) に沿って上記第二の
    方向に動く時には、上記パック(23)の動きを止めて該
    テーブル(14)のみが該第二の方向に動くようにするた
    め、上記載置板(47)と該テーブル(14)との間に位置
    する固定の部分(87)に設けられ、上記一方のピン(3
    2)に対向する他方のピン(33)を選択的に捕捉する保
    持部材(89)と; 上記第二の方向に動いた上記テーブル(14)が、再び上記
    第一の方向に所定の距離動く時ことで上記パック(23)
    を上記加工位置に向けてさらに動かせるようにするた
    め、該テーブル(14)に備えられ、上記一方のピン(32)を
    選択的に保持、位置決めする位置決め装置(107) と; を有して成る被加工部品の積み卸し装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の装置であって; 上記パック(23)は、上記複数枚の積層されたプリント
    回路基板の下を抑える底板(26)と、上に被さるカバー
    板(27)との間に該複数枚のプリント回路基板を挟んで
    成り; 上記一対のピン(32,33)の中、上記一方のピン(32)
    は、上記パック(23)の上記軸線(Y) に沿う方向での前
    後各端縁(29,31)の中、前端縁(29)の幅方向中央の
    近傍において上記底板(26)から下向きに垂直に突出す
    るように取り付けられ; 上記他方のピン(33)は、上記パック(23)の後端縁
    (31)の幅方向中央の近傍において上記底板(26)から
    下向きに垂直に突出するように取り付けられている一
    方; 上記保持部材(89)は垂直に伸びるバー(89)から成
    り; 該バー(89)には上記軸線(Y) に沿って両方向に対向す
    る一対の溝(90,91)が設けられ; 上記他方のピン(33)は、上記テーブル(14)が上記軸
    線(Y) に沿って上記第二の方向に動くときにこれと一緒
    に上記パック(23)が動かないように、上記一対の溝
    (90,91)の中の一方の溝(90)により捕捉されるこ
    と; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の装置であって; 上記顎部材(75)が上記一方のピン(32)を掴み、上記
    載置板(47)から上記パック(23)を引き出して行くと
    きに、該パック(23)が落ちないように該パック(23)
    を一時的に支えておく部材(101) が上記固定の部分(8
    7)に設けられていること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の装置であって; 上記位置決め装置(107) は、該軸線(Y) に沿って伸びる
    固定のバー(108)と,該固定のバー(108)と平行に伸び
    る可動のバー(110)と,該固定のバー(108)と該可動の
    バー(110)とで上記一対のピン(32,33)の一方を選択
    的に挟み込むように把持して位置決めするとき、互いの
    平行を保ったまま、該可動のバー(110)を該固定のバー
    (108)の方に移動させる移動機構(113,116,119)と,を
    有しており; 該移動機構(113,116,119)は、上記可動のバー(108)に
    連結する一対の対称なクランク(119)と,互いの平行を
    保ったまま上記可動のバー(110)を上記固定のバー(10
    8)の方に移動させるため、該対称なクランク(119)を駆
    動する空気アクチュエータ(113)と,を有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の装置であって; 上記工作機は、ドリルヘッド(19)を支持し上記軸線
    (Y) と直交する軸(X) に沿って移動可能なキャリッジ
    (18)を有するボール盤であり; 上記キャリッジ(18)は、上記パック(23)の後端縁
    (31)に対し選択的に係合する第二の保持部材(132)を
    有すると共に; 該第二の保持部材(132)が該パック(23)の該後端縁
    (31)に係合しているとき、上記テーブル(14)の動き
    で相対的に該パック(23)が該テーブル(14)に対して
    摺動し、該テーブル(14)に設けられている制限位置決
    め装置(123)に向けて該パック(23)が動いた際に、上
    記第一のピン(32)を該制限位置決め装置(123)に対し
    て確実に係合させるべく動く、該テーブル(14)に回動
    可能に設けられた腕部材(125)を有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の装置であって; 上記キャリッジ(18)は、上記軸線(Y) に沿って互いに
    所定寸法だけ離間し、上記パック(23)を上記載置板
    (47)に向けて戻す過程で上記テーブル(14)を上記軸
    線(Y) に沿う上記第一の方向に段階的に動かす際、上記
    パック(23)の前端縁(29)に順に選択的に係合して一
    時的に該パック(23)のみの動きを止めるさらに二つの
    保持部材(138,139)を有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  8. 【請求項8】 請求項4または7に記載の装置であっ
    て; 上記バー(89)に設けられている上記一対の溝(90,9
    1)は上記軸線(Y) と直交する方向に伸びる溝であり; 該一対の溝(90,91)の中、該軸線(Y) に沿い前方に位
    置する一方の溝(90)は、上記テーブル(14)が上記第
    二の方向に動くときに上記パック(23)は動かないよう
    に上記他方のピン(33)を捕捉し、該一方の溝(90)に
    対向する他方の溝(91)は、上記テーブル(14)が上記
    第一の方向に動くときに該パック(23)は動かないよう
    に該他方のピン(33)に係合すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の装置であって; 上記固定の部分(87)には、上記パック(23)を上記載
    置板(47)に戻すに際して該パック(23)の後端縁(3
    1)が通る経路中に該後端縁が接触しながら通って行く
    ように、上記軸線(Y) と直交し上記軸(X) と平行な軸の
    回りに回転する少なくとも一つのローラ(99)が設けら
    れていること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の装置であって; 複数の小空間(46)を縦に積み重ねたラック(36)と、
    該ラック(36)を垂直方向に昇降する昇降装置(37)と
    をさらに有し; 上記パック(23)を載置する上記載置板(47)が一枚ず
    つ、上記複数の小空間(46)の一つずつに収められ; 上記昇降装置(37)は、一度には上記複数の小空間(4
    6)のどれか一つを選択してその中に収められている上
    記載置板(47)上の上記パック(23)をのみ上記顎部材
    (75)に係合させるために該ラック(36)を昇降するこ
    と; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の装置であって; 上記工作機は、上記テーブル(14)を可動に支持するベ
    ッド(11)と,該テーブル(14)の上方にてドリルヘッ
    ド(19)を支持し、上記軸線(Y) と直交する軸(X) に沿
    って移動可能なキャリッジ(18)とを有するボール盤で
    あり; 上記昇降装置(37)は、該キャリッジ(18)の後方にて
    上記ベッド(11)に連結されていること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の装置であって; 上記ラック(36)はキャスタ(41)の上に据え付けられ
    ており、上記昇降装置(37)に対し取り外し可能に連結
    されていると共に; 該ラック(36)と該昇降装置(37)には、該ラック(3
    6)を該昇降装置(37)の方に向けて押すことで上記連
    結する際にそれら互いの位置決めをなすためのガイド部
    材(63,65)が設けられていること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の装置であって; 上記複数の小空間(46)の各々の中に収められる上記載
    置板(47)は一対の載置板部材から成り、それら一対の
    載置板部材の間に上記一対のピン(32,33)の通路が形
    成されていること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の装置であって; 上記昇降装置(37)は、固定の水平枠部材(52)と,昇
    降動させられる可動の水平枠部材である昇降フレーム
    (55)と,該固定の水平枠部材(52)と該昇降フレーム
    (55)とを連結し、該昇降フレーム(55)の水平性を保
    ったまま該昇降フレーム(55)を昇降動させる一対の伸
    縮可能なたパンタグラフ(56)と,該パンタグラフ(5
    6)を選択的に伸縮させるアクチュエータ(61)と,該
    アクチュエータ(61)による該パンタグラフ(56)の伸
    縮に基づく該昇降装置(37)の昇降距離を制御するた
    め、上記ラック(36)に取り付けられた歯の付いた部材
    (69)及び当該歯の近接を検出するセンサ(70)と,を
    有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し装置。
  15. 【請求項15】 少なくとも一つの軸線(Y) に沿って第
    一の方向とその反対の第二の方向とに往復動でき、被加
    工部品(23)を載せるテーブル(14)を有する工作機に
    対し、上記テーブル(14)に対し上記被加工部品(23)
    を積み卸しする方法であって; 上記被加工部品(23)に設けられた第一のピン(32)を
    上記テーブル(14)に係合させるステップと; 該テーブル(14)を上記第一の方向に動かすことにより
    上記第一のピン(32)を介して該テーブル(14)に係合
    した上記被加工部品(23)を上記載置板(47)から該第
    一の方向に引き出すステップと; 上記テーブル(14)が上記第二の方向に動く時に上記被
    加工部品(23)は動かないように、該被加工部品(23)
    の第二のピン(33)を保持するステップと; その後に再度、上記被加工部品(23)の上記第一のピン
    (32)を上記テーブル(14)に係合させ、該テーブル
    (14)を該被加工部品(23)と共に再び上記第一の方向
    に動かすステップと; を含んで成る被加工部品の積み卸し方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法であって; 上記第一の方向、上記第二の方向、そして再び上記第一
    の方向と動かした上記テーブル(14)を、再度上記第二
    の方向に動かすときに、上記被加工部品(23)の上記軸
    線(Y) に沿う方向の該テーブル(14)に対する相対的な
    動きを制限する制限ストップ手段(123)に対し、該被加
    工部品(23)に設けられている上記第一のピン(32)を
    積極的に押し付けながら該一対のピン(32,33)の位置
    決めをなすステップをさらに有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し方法。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の方法であって; 上記テーブル(14)上に積み込んだ上記被加工部品(2
    3)を降ろすステップ群として、 少なくとも一つの保持部材(138)により上記被加工部品
    (23)を抑えた状態で上記テーブル(14)のみを上記第
    一の方向に動かすステップと, 該テーブル(14)の中間部分に該被加工部品(23)を捕
    捉するステップと, 該テーブル(14)をさらに上記第一の方向に動かして、
    再度、上記第一のピン(32)に該テーブル(14)を係合
    させるステップと,を有すること; を特徴とする被加工部品の積み卸し方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法であって; 上記載置板(47)の上に乗る高さの位置にまで上記被加
    工部品(23)を持ち上げるステップと; その状態でテーブル(14)を移動し、該被加工部品(2
    3)を該載置板(47)の上に移動させるステップと; をさらに有して成る被加工部品の積み卸し方法。
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