JP2683959B2

JP2683959B2 - 回転調理機

Info

Publication number: JP2683959B2
Application number: JP4677091A
Authority: JP
Inventors: 敏夫福士; 義雄吉田; 浩良瀧川; 暢子柿本; 伸介伊勢
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-03-12
Filing date: 1991-03-12
Publication date: 1997-12-03
Anticipated expiration: 2012-12-03
Also published as: JPH04282109A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は加熱される調理鍋を傾斜
させながら回転して、御飯や野菜等の調理材料を自動的
に掻き混ぜて調理する回転調理機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の回転調理機として、例え
ば特開昭６３−１７５３７５号公報に記載の装置の構成
を図６に示す。

【０００３】図６において、１は調理器の本体、２は調
理容器、３はヒンジである。４は支持部材で、ピン４ａ
と第１及び第２の支持レバー４ｂ及び４ｃからなってい
る。５は断熱部材、６は誘導加熱コイル、７は調理用
鍋、８は駆動手段、９はその回転軸である。駆動手段８
は調理容器２の内面に取り付けられ、回転軸９の先端に
調理用鍋７が固定されている。

【０００４】また、１０は蓋体、１１は小蓋、１２は調
理用鍋７のフランジ、１３はスリップリングである。蓋
体１０は調理容器２の上部に捩子着され、この蓋体１０
には更に小蓋１１が捩子着されている。１４は調理材
料、１５及び１６は回転速度及び加熱温度あるいは加熱
時間等の制御部である。

【０００５】この電磁調理器では、調理用鍋７に駆動手
段８を介して回転を与えつつ、誘導加熱コイル６に通電
させてその外周部を加熱する。調理用鍋７の加熱後、油
を入れる。油が万遍なく調理用鍋７の内部に付着したと
ころを見計らって調理材料１４を入れ、手早く蓋体１０
で調理用鍋７の上を覆う。

【０００６】続いて、調理用鍋７の加熱状態を維持して
駆動手段８で回転を与えてやると、調理材料１４は調理
用鍋７の中で加熱されつつ掻き混ぜられながら油で炒め
られ始める。頃合を見て小蓋１１を外して調味料を加え
て、必要に応じて支持部材４で調理用鍋７を傾斜させて
調理材料１４が内側部に接触するようにする。そして、
このまま調理用鍋７に加熱と回転を持続させることによ
って、自動的に調理材料１４の炒め料理が出来上がるよ
うになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような構成の電磁
調理器では鍋等を手で持ち上げて回転させながら箸や中
華ベラで調理材料１４を攪拌する等の必要がなく、従来
の調理器に比べて傾斜と回転で自動的に掻き混ぜられて
炒め料理を作ることができ調理が極めて便利になる。し
かしながら、支持部材４の締結ツマミ４ａを緩めて第１
と第２の支持部材４ｂと４ｃを引き伸ばして手動で調理
用鍋７を傾斜させるので、傾斜操作が頗る面倒である。

【０００８】そこで、予め調理の種類や容量に応じた傾
斜角や加熱時間等の調理条件を設定しておき、調理用鍋
７に調理材料１４を入れてからモータ等の動力を用いて
制御すればほぼ自動的に調理ができて一層便利になる。
一方、煮物調理や炊飯等で多少に拘らず水を使う調理の
場合は、調理用鍋７を水平に保持したまま調理したり、
調理用鍋７の傾斜を一定角以内に制限したりすることも
ある。ところが、例えば煮物料理を調理するときに誤っ
て調理用鍋７の傾斜動作を入力設定すると、調理の途中
で調理用鍋７が傾斜を始めて内部の水や調理材料が流れ
出してやり直しをしなければならないことになる。特
に、予約調理で調理中に炊事場から離れたような場合
は、水や調理材料１４が調理台上や床に流れ出して汚す
ばかりか、火災を起こす恐れがある等の問題点がある。

【０００９】本発明は上記のような従来装置の問題点を
解消するためになされたもので、調理鍋が無条件に傾い
て調理材料が流れ出ることを防止して、周りを汚したり
火災を起こす恐れ等のない回転調理機を実現しようとす
るものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、調理の種類等
を選択して設定する設定手段と、調理鍋を加熱する加熱
手段と、加熱手段により加熱された調理鍋の温度を検出
する温度検出手段と、調理鍋を回転させる回転手段と、
調理鍋を傾斜させる傾斜手段と、傾斜手段を介して調理
鍋の傾斜角を設定手段で設定した調理に対応して制御す
る制御手段とを備えた回転調理機において、加熱手段に
より加熱を開始したときの調理鍋の温度を温度検出手段
で検出して、検出温度の温度勾配に基づいて制御手段に
より調理鍋を傾斜させるような回転調理機を構成したも
のである。

【００１１】また、検出温度の温度勾配が基準値より大
きいときに傾斜手段で調理鍋を傾斜させるような回転調
理機を構成したものである。

【００１２】さらに、検出温度の温度勾配が基準値によ
り小さいときに加熱手段の加熱を停止させると共に、警
報手段を動作させるような回転調理機を構成したもので
ある。

【００１３】

【作用】調理鍋に調理材料が入れられてスタートスイッ
チが押されると、加熱手段が調理鍋を通して調理材料を
加熱し温度センサが調理鍋の温度の検出を開始する。温
度センサが検出した調理鍋の温度勾配は、制御部におい
て基準の温度勾配と比較される。比較の結果、温度勾配
の基準値との大小によって調理コースが判断され、小さ
いときは傾斜手段が駆動されて設定された傾斜角に応じ
て調理鍋が傾斜されて炒め調理が進められる。一般に、
水を使った煮物や炊飯コースの調理を始めて検出された
温度勾配が基準値より大きいときは誤操作と見做され、
加熱手段による調理鍋の加熱が停止し、同時に警報用の
ブザーやランプが点灯して設定エラーが報知される。

【００１４】

【実施例】図１は本発明実施例の構成説明図で、図１で
前述の図６と同一または相当部分には異なる符号が付さ
れて一部のものは構造が相違しているので、ここでやや
詳しく説明する。

【００１５】図１において、２０は基盤である。２１は
基盤２０に設けられ演算や記憶機能を備えた制御部、２
２は操作部である。制御部２１と操作部２２は共にＩＣ
等の電子回路よりなるプリント基板で構成され、操作部
２２には表示器２３や調理コース選択用等の各種のタッ
チキー２４が設けられている。２５は基盤２０に取り付
けられた支持台、２６は傾斜用モータ、２７は出力軸、
点線の２８は歯車列、２９は傾斜軸である。

【００１６】３０は調理容器である。３１はブラケッ
ト、３２は誘導加熱コイルである。調理容器３０はブラ
ケット３１により傾斜軸２９に取り付けられ、傾斜角θ
が調整可能に構成されている。３３は回転用モータ、３
４は２つのプーリ、３５はベルトである。また、３６は
鍋受けベース、３７は鍋受けベース３６の軸受けであ
る。２つのプーリ３４は回転用モータ３３と鍋受けベー
ス３６に取り付けられ、ベルト３５を介して回転用モー
タ３３の回転力が鍋受けベース３６に伝達される。調理
容器３０と鍋受けベース３６には、例えばセラミックス
や耐熱プラスチックのように非磁性材で熱の伝導率の低
い材料が用いられている。

【００１７】４０は調理鍋、４１は鍋蓋である。必要に
より調理鍋４０の内部に攪拌羽根が形成され、鍋蓋４１
には調味料等を投入するための投入口が設けられる。調
理鍋４０には磁性材が使用され、特に比透磁率が高く、
比抵抗の大きい鉄系の金属材料が適する。４３は鍋受け
ベース３６の中央部に設けられた温度センサ、４４はバ
ネである。温度センサ４３はバネ４４により上向きのバ
ネ圧が加えられ、感知面を調理鍋４０の底面に接触させ
て温度を検出して検出信号を前記制御部２１に出力す
る。また、４５は、調理鍋４０の中の調理材料である。

【００１８】このような構成の本発明実施例の調理動作
を、チャーハンの調理の場合を例示して次に説明する。

【００１９】予め、キャベツ等の野菜類や肉等の標準量
（例えば４人前）を刻んで準備すると共に、別に用意さ
れた炊飯器で標準量のご飯も炊いておく。調理機の電源
コードを引き出してコンセントに接続してから、調理鍋
４０を調理容器３０の鍋受けベース３６の上にセットす
る。電源スイッチを入れ操作部２２の表示を見ながら、
調理コースの「炒め料理」を選択してタッチキー２４で
タッチ入力する。「炒め料理」が選択されると、調理に
適した傾斜角θと回転数ｒ及び加熱温度ｔ等の調理条件
が設定されて調理開始の準備が完了する。

【００２０】準備が終わったところで、誘導加熱コイル
３２に20〜50KHz 程度の高周波の励磁電流を流すと、電
磁誘導作用によって磁界内にある調理鍋４０の内部に交
番的な渦電流が流れてジュール熱が発生する。この結
果、電磁誘導作用によって発生した熱が、調理鍋４０を
急速に加熱し始める。調理鍋４０の加熱が始まると同時
に、制御部２１に温度センサ４３による調理鍋４０の温
度の検出信号の入力も開始される。

【００２１】調理鍋４０が温められたときに、適当量の
食用油を調理鍋４０内に投入する。そして、回転用モー
タ３３を駆動して鍋受けベース３６を介して調理鍋４０
を回転させて、調理鍋４０の内面に油を行き渡たらせ
る。適当に加熱された油が行き渡ったところで、既に刻
まれた肉や野菜類の具を入れて鍋蓋４１で調理鍋４０の
上を覆って蓋をする。

【００２２】ここで、傾斜用モータ２６が駆動されて、
歯車列２８及び傾斜軸２９を介して調理鍋４０を調理容
器３０と一体に角θ傾斜させる。調理鍋４０の傾斜角θ
の大きさと回転用モータ３３の回転数ｒ及び加熱温度ｔ
は、前述のように「炒め料理」に見合った値で調理が進
められる。この場合、特に調理容器３０を傾斜させる傾
斜用モータ２６は、次に述べるような判断に基づいて駆
動動作を開始する。

【００２３】一般に、「炊飯」や「煮物料理」等の水を
使った料理と水を殆ど使用しない「炒め料理」では、加
熱したときの温度上昇率が相違する。図２と３に、調理
コース別の温度変化の実験結果を示す。図２は水を使っ
た“白菜のクリーム煮”の温度特性で、図３は水を殆ど
使用しない“五目豆腐”等５種類の「炒め料理」の温度
特性である。図２と３には、共に横軸が時間で縦軸に温
度が目盛られている。両図の特性曲線から明らかのよう
に、温度勾配τは、 τ＝（Ｔ２−Ｔ１）／（ｔ２−ｔ１）＝△Ｔ／△ｔ …（１）であり、「炒め料理」のτ１と「煮物料理」のτ２の間
に、 τ１＞τ２ …（２）なる関係のあることが示されている。そして、上記
（２）式から基準の温度勾配τｓが選択されて、制御部
２１に記憶される。

【００２４】そこで、図４のフローチャートに示されて
いるように、調理のスタートキー２４がタッチ入力され
て誘導加熱コイル３２がオンになると、前述のように温
度センサ４３が調理鍋４０の温度の検出を開始する。温
度センサ４３の検出信号は制御部２１に出力されて、温
度勾配τが基準の温度勾配τｓと比較される。比較の結
果、温度勾配τがτ＞τｓの時は「炒め料理」と見做さ
れ、τ≦τｓのときは「煮物料理」等と判断されること
になる。

【００２５】そして、温度勾配τがτ＞τｓのときは
「炒め料理」と判断され、そのまま正常なシーケンスを
辿って傾斜用モータ２６が駆動されて調理鍋４０が所定
の傾斜角θ傾斜される。その後、同じ要領で既に炊上げ
られた御飯と調味料を調理鍋４０内に入れてから、更に
加熱と傾斜回転が一定時間継続される。この結果、調理
鍋４０の傾斜と回転によって御飯と具が満遍なく混ぜ合
されて、調理材料４５がムラなく均一に炒められる。調
理が済んだら誘導加熱コイル３２と電源スイッチをオフ
にして、調理鍋４０の回転と加熱を停止させ調理鍋４０
を水平に戻す。その後、出来上がった調理鍋４０の中の
チャーハンが、盛り付けられて食事が始められることに
なる。

【００２６】図５には、本発明の別の実施例のフローチ
ャートが示されている。「炊飯」や「煮物料理」を調理
しているときに、上記と同様に温度勾配τが基準の温度
勾配τｓと比較される。比較結果で図５の場合のように
τ≦τｓのときは、入力の誤操作と見做される。そし
て、誘導加熱コイル３２と回転用モータ３３が、オフに
なって停止する。同時に、操作部２２の表示ランプが点
滅し、アラーム音も発して誤操作を報知して異常処理が
行われるようになっている。

【００２７】なお、上述の実施例では検出した温度勾配
τと１つの基準値τｓとを比較して調理の種類を判断し
た場合を例示して説明したが、複数の基準値τｓを設け
て温度勾配τと比較して調理の種類を判断して調理に見
合った傾斜角θや加熱温度ｔその他の調理条件で調理を
行うようにしてもよい。また、実施例では調理鍋４２を
調理容器３０の内部に設けた回転用モータ３３のモータ
軸３５に固定して回転させる場合を例示して説明した
が、調理容器３０の側面に回転用モータ３３を配置して
ローラで摩擦により駆動してもよく、調理鍋４２の回転
手段や傾斜手段或いは加熱手段は実施例に限定するもの
ではない。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、調理の種類を選択して設定す
る設定手段と、調理鍋を加熱する加熱手段と、加熱手段
により加熱された調理鍋の温度を検出する温度検出手段
と、調理鍋を回転させる回転手段と、調理鍋を傾斜させ
る傾斜手段と、傾斜手段を介して調理鍋の傾斜角を設定
手段で設定した調理に対応して制御する制御手段とを備
えた回転調理機において、加熱手段により加熱を開始し
たときの調理鍋の温度を前記温度検出手段で検出して、
検出温度の温度勾配に基づいて制御手段により調理鍋を
傾斜させるような回転調理機を構成した。

【００２９】また、検出温度の温度勾配が基準値より大
きいときに傾斜手段で調理鍋を傾斜させるような回転調
理機を構成した。

【００３０】さらに、検出温度の温度勾配が基準値によ
り小さいときに加熱手段の加熱を停止させると共に、警
報手段を動作させるような回転調理機を構成した。

【００３１】この結果、従来の電磁調理器のように、調
理鍋を面倒な手動操作で傾斜させるような煩わしさがな
い。また、煮物料理を調理するときに誤って調理用鍋２
７の傾斜動作を入力設定したようなときも、調理の途中
で調理用鍋２７が傾斜して内部の水や調理材料が流れ出
して調理のやり直しをすることがない。また、予約調理
で炊事場から離れたような場合でも、水や調理材料で床
を汚したり、火災を起こす心配もない。

【００３２】よって、本発明によれば、無駄がなく安全
で、しかも取扱が便利な回転調理機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成説明図である。

【図２】本発明実施例の動作を説明する温度特性図であ
る。

【図３】本発明実施例の動作を説明する別の温度特性図
である。

【図４】本発明の実施例の動作を説明するフローチャー
トである。

【図５】本発明の別の実施例の動作を説明するフローチ
ャートである。

【図６】従来装置の構成説明図である。

【符号の説明】

２０基盤、２１制御部、２２操作部、２３表示
器、２４タッチキー、２５支持台、２６傾斜用モ
ータ、２７出力軸、２８歯車列、２９傾斜軸、３
０調理容器、３１ブラケット、３２誘導加熱コイ
ル、３３回転用モータ、３４プーリ、３５ベル
ト、３６鍋受けベース、３７軸受け、４０調理
鍋、４１鍋蓋、４３温度センサ、４４バネ、４５
調理材料。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者柿本暢子鎌倉市大船二丁目14番40号三菱電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者伊勢伸介鎌倉市大船二丁目14番40号三菱電機株式会社生活システム研究所内 (56)参考文献特開昭63−175375（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−98223（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】調理の種類等を選択して設定する設定手
段と、調理鍋を加熱する加熱手段と、該加熱手段により
加熱された調理鍋の温度を検出する温度検出手段と、前
記調理鍋を回転させる回転手段と、前記調理鍋を傾斜さ
せる傾斜手段と、該傾斜手段を介して調理鍋の傾斜角を
前記設定手段で設定した調理に対応して制御する制御手
段とを備えた回転調理機において、前記加熱手段により
加熱を開始したときの調理鍋の温度を前記温度検出手段
で検出して、該検出温度の温度勾配に基づいて前記制御
手段により調理鍋を傾斜させるように構成したことを特
徴とする回転調理機。
【請求項２】前記検出温度の温度勾配が基準値より大
きいときに前記傾斜手段で調理鍋を傾斜させるように構
成したことを特徴とする請求項１記載の回転調理機。
【請求項３】前記検出温度の温度勾配が基準値により
小さいときに前記加熱手段の加熱を停止させると共に、
警報手段を動作させるように構成したことを特徴とする
請求項１記載の回転調理機。