JP2683426B2 - フレキシブル回路基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル回路基板の製造方法

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JP2683426B2 JP22748689A JP22748689A JP2683426B2 JP 2683426 B2 JP2683426 B2 JP 2683426B2 JP 22748689 A JP22748689 A JP 22748689A JP 22748689 A JP22748689 A JP 22748689A JP 2683426 B2 JP2683426 B2 JP 2683426B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、フレキシブル回路基板の連続的製造方法に
関するものである。
(従来の技術) 近年、電子機器が軽量小型化、高性能化するにつれ
て、通常の絶縁被覆電線に代わって、絶縁基板上に金属
箔の配線部を形成した回路板が、テレビジョン受信機、
オーディオ機器などの民生用電子機器;計測器、電子計
算機などの産業用電子機器;自動車、航空機などの各種
配線に多用されるに至っている。このような用途に使用
される回路板は、高分子材料からなるフィルムと銅箔と
から構成された可撓性を有する所謂フレキシブル回路基
板が多用されており、このような回路基板は、可撓性高
分子フイルム・銅箔積層板の銅箔部分を化学的なエッチ
ングなどの手段により、必要部分のみを残して回路パタ
ーンを形成した後、前記回路パターン上に可撓性カバー
レイフイルムを接着する方法により製造されている。
さらに、具体的には、フレキシブル回路基板は、可撓
性高分子フイルムにポリエチレンテレフタレート、ある
いはポリイミドフイルムを使用したものなどが知られて
いる。
フレキシブルプリント回路基板の一般的な製造工程
は、高分子フイルム・銅箔積層体の銅箔表面へのエッ
チングレジスト印刷、エッチングレジスト乾燥、銅
箔の化学的エッチングによる回路パターン形成、エッ
チングレジスト除去、カバーレイフイルム貼り合わ
せ、メッキ、打抜加工であり、これに、必要に応じ
て検査工程や、半田メッキ工程などが加えられ、一般に
は、カバーレイフイルム貼り合わせの工程を除いては、
一連の連続した工程でライン生産されている。
上記のフレキシブル回路基板に電子部品を実装する際
には、自動半田付け工程を経る場合が多いが、この場合
には、通常、260℃以上の半田耐熱性が要求される。ま
た、その他の一般的な特性として、耐熱老化性、電気絶
縁性、耐薬品性、引裂強さなども要求される。
これらの特性の中で、特に半田耐熱特性に関しては、
使用する可撓性高分子フイルム自身の耐熱性だけでな
く、カバーレイフイルム、接着剤層にも高度の耐熱性が
要求されることになる。
特に、可撓性高分子フイルムの耐熱性に関しては、ポ
リエチレンテレフタレートフイルムは安価であるが耐熱
性に劣り、半田付け工程でフイルムの軟化、ふくれ、寸
法変化、銅箔との剥離などの問題が生じる。このような
観点から、現在、可撓性高分子フイルムとカバーレイフ
イルムには、ポリイミドフイルムが最も多用されるに至
っている。
フレキシブル回路基板の製造工程中、カバーレイフイ
ルムの接着を行うには、銅箔とポリイミドフイルムの双
方に接着する接着剤が必要である。そして、このような
接着剤としては、六フッ化プロピレン−四フッ化エチレ
ン共重合体(デュ・ポン社製「テフロン」FEPなど)な
どのフッ素系樹脂、エポキシ−ノボラック系樹脂(ダウ
・ケミカル社製DEN438など)、シリコーン樹脂(ダウ・
コーニング社製DC282など)、ニトリル−フェノール系
樹脂(ビィ・エフ・グッドリッチ社製プラスチロック60
5など)、ポリエステル系樹脂(USM社製ボスチック7151
+ボスコデュール1など)、アクリル系樹脂(ビィ・エ
フ・グッドリッチ社製ハイカー2679X6、ローム・アンド
・ハース社製ホプレックスLC40、UCC社ユカール370な
ど)が知られている(工業材料,vol.21,No.10,p28,198
1)。
上記の接着剤を使用した場合には、ポリイミドフィル
ムと銅箔との初期接着力は、シリコーン樹脂系接着剤を
使用した系を除けば、1.0kg/cm以上の剥離強度が得ら
れ、また、例えば、290℃の半田槽に10秒浸漬した場合
にも、ポリイミドフィルムあるいは銅箔の脹れ,剥離が
認められず、半田耐熱性についても優れた特性を有して
いる。
ところが、上記の接着剤は、接着および接着剤の硬化
を完了せしめるのに高温と長時間を必要とするものが多
い。例えば、エポキシ−ノボラック系樹脂の場合におい
ては、接着剤の硬化反応を完了せしめるために、180℃
〜200℃の高温で30分〜60分間熱圧着する必要がある。
このために、カバーレイフイルムの接着は基本的にバ
ッチ処理となる問題があり、生産性の向上のために、フ
レキシブルプリント基板の全製造工程を連続化する場合
の工程的なネックになっている。
一方、上記に掲げた接着剤のうち、六フッ化プロピレ
ン−四フッ化エチレン共重合体を接着剤として使用する
場合には、ポリイミドフイルムと銅箔間に六フッ化プロ
ピレン−四フッ化エチレン共重合体のフイルムを挟み、
290〜320℃で熱圧着するだけで接着が可能であり、フレ
キシブルプリント基板の連続的な生産に適する反面、接
着処理温度が、300℃の高温になるために、部分的に銅
箔表面の酸化やメッキ層の酸化など無視できない問題が
ある。従って、この接着剤の場合も、全製造工程の連続
化へ適用することは難しい。
この他に、カバーレイフイルム用の接着剤としては、
エポキシ樹脂−ポリアミン系接着剤や、ポリオール−イ
ソシアネート系などのポリウレタン系接着剤なども種々
検討されているが、接着剤の硬化反応を完了せしめるに
は、上記同様に、高温と長時間,もしくは室温近辺の温
度であっても長時間を要する。従って、カバーレイフイ
ルムの接着工程は何れもバッチ処理とならざるを得ず、
この接着剤でも全製造工程を連続化することができな
い。
硬化促進触媒などの添加によって、硬化所要時間を短
縮せしめる方法も知られているが、短時間で硬化を完了
せしめると、接着剤に硬化歪みが残留し、得られるフレ
キシブルプリント基板がカーリングするなどの問題が発
生する場合がある。
一方、銅箔、ポリイミドフィルムに限らず、被着物間
の接着を比較的低温で、しかも短時間で行うことができ
る接着剤として、ホットメルト型接着剤が知られてい
る。
ホットメルト型接着剤は、熱可塑性樹脂をベースと
し、これに必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、酸化防
止剤などを混合した固形の接着剤である。接着に応用す
る場合には、ホットメルト型接着剤をアプリケータで溶
融し、被着体に塗布、圧着する。ホットメルト型接着剤
は冷却によって固化するために、接着は瞬時に完了する
利点がある。
ホットメルト型接着剤の種類としては、エチレンのホ
モポリマーおよびコポリマー、スチレンとブタジエンな
どとのブロックコポリマー(熱可塑性ゴム)、ポリアミ
ン系、ナイロン系、ポリエステル系、ブチルゴム系など
が知られており、また粘着付与剤としては、ロジンおよ
びそのエステル誘導体、水添ロジンおよびそのエステル
誘導体、石油系炭化水素樹脂などが、また、可塑剤とし
てはパラフィンワックス類などが、酸化防止剤としては
ヒンダードフェノール類、亜リン酸塩類などが使用され
ている。
このホットメルト型接着剤をカバーレイフィルムの接
着に利用すれば、接着剤工程を瞬時に終了せしめ得るの
で、フレキシブルプリント基板の製造を一連の連続した
工程で完了し得ることは、容易に類推できる。例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体系ホットメルト型接着
剤、エチレン−エチルアクリレート系ホットメルト型接
着剤の溶融物をポリイミドフィルムに、約30μmの厚み
に塗布し、銅箔と100〜170℃で1分間圧着後、冷却すれ
ば、銅箔とポリイミドフィルムの接着が可能であり、こ
の場合、初期の剥離強度が1kg/cm以上の接着力を有する
ものを容易に形成することが可能であった。
ところが、上記のホットメルト型接着剤により形成し
たポリイミドフィルム・銅箔積層体は、例えば、260℃
の半田槽に5秒間浸漬すると、ポリイミドフィルムと銅
箔が完全に剥離してしまう問題があった。従って、単
に、ホットメルト型接着剤を高分子フィルムと銅箔の接
着や、カバーレイフィルムの接着に応用するだけでは、
半田耐熱性の優れたフレキシブル回路基板を一連の連続
した工程で製造することができないのである。
(発明が解決しようとする課題) 以上説明したように、一般に、カバーレイフィルム用
の接着剤には、剥離強度と半田耐熱性の良好なものが多
く知られており、利用されているが、接着剤の硬化に高
温と長時間を要するために、カバーレイフィルムの接着
工程がバッチ処理となり、フレキシブル回路基板を一連
の連続した工程で生産することができず、生産性が向上
せず、生産コストのアップに繋がる問題がある。
一方、ホットメルト型接着剤を使用した場合には、接
着が短時間で行え、しかも初期剥離強度の良好なものが
得られるが、半田耐熱性が悪く、フレキシブルプリント
基板を一連の連続した工程で生産する方法に応用するこ
とは難しい。
すなわち、短時間での接着が可能で、剥離強度が大き
く、しかも半田耐熱性も優れた接着剤や接着方法が知ら
れておらず、十分な剥離強度と半田耐熱性を有するフレ
キシブル回路基板を一連の連続した工程で生産する方法
の開発が望まれていた。
ところで、本発明者らは、上記の問題点を鑑み、鋭意
検討した結果、可撓性の回路板上に、接着層付きの可撓
性のカバーレイフィルムを接着する工程として、可撓性
の回路板と接着層付きの可撓性のカバーレイフィルムと
を熱ロール圧着した後、電離放射線を照射する方法を採
用すれば、短時間でカバーレイフィルムの接着を完了で
き、さらに、カバーレイフィルム上の接着層として、ア
ルコキシシランをグラフトしたエイチレン−エチルアク
リレート系共重合樹脂(A)と分子内に複数個の不飽和
結合分を有する多官能性化合物(B)とを主たる成分と
する樹脂組成物を使用し、可撓性回路板と熱ロール圧着
した後、電離放射線の照射を行えば、半田耐熱性の優れ
たフレキシブル回路基板の全製造工程を一連の連続した
工程で行えることを既に提案している(特願平1-126735
号)。
しかし、上記のフレキシブル回路基板の製造方法にお
いて、熱ロール圧着の工程で熱ロール圧着の条件によっ
ては、接着剤がカバーレイフィルムの孔あき部分、端末
部より僅かに食み出し、製品の美観を損ねたり、露出銅
箔部の半田付け性を阻害する問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の課題を鑑み、また、フレキシブ
ル回路基板の全製造工程を一連の連続した工程で行うこ
との可能な製造方法について鋭意検討した。その結果、
可撓性の回路板上に、接着層付きの可撓性カバーレイフ
イルムを熱ロール圧着した後、電離放射線を照射するフ
レキシブル回路基板の製造方法において、当該接着層を
熱ロール圧着前に電離放射線の照射を適宜量施しておけ
ば、前記接着層がカバーレイフイルムの孔あき部分、端
末部より食み出すことなく熱ロール圧着出来ることを見
出し、本発明を完成するに至った。
また、この場合において、前記接着層として、アルコ
キシシランをグラフトしたエチレン−エチルアクリレー
ト系共重合樹脂(A)と分子内に複数個の不飽和結合分
を有する多官能性化合物(B)とを主たる成分とする樹
脂組成物を使用すれば、重要な特性である銅箔、ポリイ
ミドフイルムに対する剥離強度ならびに半田耐熱性の両
面において満足し得るフレキシブル回路基板を一連の連
続した工程で製造できることが判った。
すなわち、本発明は; 可撓性の回路板上に、接着層付きの可撓性カバーレイ
フイルムを熱ロール圧着した後、電離放射線を照射する
フレキシブル回路基板の製造方法において、熱ロール圧
着前に、当該接着層が電離放射線の照射が施されてい
る、フレキシブル回路基板の製造方法であり、 また、前記接着層が、アルコキシシランをグラフトし
たエチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂(A)と
分子内に複数個の不飽和結合分を有する多官能性化合物
(B)とを主たる成分とする樹脂組成物からなるフレキ
シブル回路基板の製造方法を提供するものである。
以下、本発明を具体的に説明する。
カバーレイフィルム上に接着層を形成する方法として
は、塗布あるいは溶融押出しコーティングなどの方法が
採用できる。特に、アルコキシシランをグラフト重合し
たエチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂(A)と
分子内に複数個の不飽和結合分を有する多官能性化合物
(B)とを主成分とする樹脂組成物をカバーレイフィル
ム上の接着層として利用する場合には、溶融押出コーテ
ィング法で10〜100μの範囲の任意の膜厚で接着層の形
成が可能である。
次に、この接着層に予め電離放射線を照射した後、孔
あけ等の加工を行い、フレキシブル(可撓性)回路基板
と熱ロール圧着する。このようにすることによって、カ
バーレイフィルムの孔あき部分からの接着層の食み出し
等の問題がなく、熱圧着できるのである。
前記電離放射線の照射は、熱ロール圧着の後に行う電
離放射線の照射と同じ種類の放射線でも異なった種類で
も良いが、例えば電子線を0.1〜10Mradの範囲、さらに
望ましくは1〜6Mradの範囲で照射する。
この場合に、0.1Mrad未満では、接着層の食み出し抑
制効果が不十分であり、10Mradを越えるとフレキシブル
回路基板と十分な剥離強度が得られない。
フレキシブル回路基板とカバーレイフィルムの熱ロー
ル圧着は、接着層が電離放射線の照射が施されていない
場合、ロール温度として120〜180℃の温度での設定が望
ましいが、接着層に電離放射線の照射が施された場合に
は、150〜200℃の温度での設定が望ましく、さらに、接
着層がアルコキシシランをグラフトしたエチレン−エチ
ルアクリレート系共重合樹脂(A)と分子内に複数個の
不飽和結合分を有する多官能性化合物(B)とを主成分
とする樹脂組成物の場合には、ライン速度によっても異
なるが、160〜190℃の範囲が、フレキシブル回路基板と
カバーレイフィルムの十分な剥離強度を得るための望ま
しい温度範囲である。
本発明で熱ロール圧着後に使用する電離放射線に関し
ては、電子線(β線)のみならず、α線、γ線、紫外
線、X線などの利用が可能であるが、電離放射線の透過
厚み、所要照射線量と照射時間の関係など工業的利用と
いう見地からは、電子線、紫外線の利用が望ましい。
また、カバーレイフィルムとして、ポリイミドフイル
ムを使用する場合には、透過厚みの観点から電子線の使
用が特に望ましい。さらに、カバーレイフィルムがポリ
エステルフイルムである場合には、紫外線の使用も可能
であり、この場合、接着層の樹脂組成物中に、紫外線照
射により遊離基を発生するベンゾフェノン系化合物、ア
セトフェノン系化合物などの光重合開始剤を添加しても
良い。
なお、熱ロール圧着後の電離放射線の照射に関して
は、透過厚みの関係上、電子線を使用する場合には、電
子線の加圧電圧としては、200kV〜1MeVの範囲が望まし
い。
特に、カバーレイフィルムとしてポリイミドを使用
し、カバーレイフィルムの接着層がアルコキシシランを
グラフトしたエチレン−エチルアクリレート系共重合樹
脂(A)と分子内に複数個の不飽和結合分を有する多官
能性化合物(B)とを主成分とする樹脂組成物を使用し
た場合には、例えば加速電圧200kVの電子線を3〜30Mra
d照射すれば、接着層の硬化が完了し、半田耐熱性の優
れたフレキシブル回路基板が得られる。
この場合に、3Mrad以下の照射線量では、回路(基)
板とカバーレイフィルムとの剥離強度の点では問題がな
いが、半田耐熱性の良好なものが得られない問題があ
る。また、30Mradを越えると、半田耐熱性の点では問題
がないが、回路基板とカバーレイフィルムとの剥離強度
の低下の問題がある。
さらに、上記の場合に、カバーレイフィルム上の接着
層の電子線の照射、可撓性回路(基)板とカバーレイフ
ィルムとの熱ロール圧着後の電子線の照射ともに、連続
したラインで行うことが可能であり、ライン速度として
は、2〜5m/分程度に設定しうる。
カバーレイ(コート)フィルムの接着層の一成分とし
て使用するアルコキシシランをグラフトしたエチレン−
エチルアクリレート系共重合樹脂(A)は、エチレン−
エチルアクリレート系共重合体に、例えばt−ブチル−
パーオキシベンゾエートなどのラジカル重合触媒の存在
下に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
などのアルコキシシラン化合物を単軸押出機などを使用
して加熱混練する、熱溶融グラフト法(例えば、特公昭
60-3096号公報など)あるいは脂肪族又は芳香族炭化水
素系溶媒の存在下で、加温(約50〜150℃)して行う溶
液グラフト法など公知のグラフト法が採用でき、特に限
定の必要はないが、熱溶融グラフト法が操作の容易性の
点などから好ましく使用できる。
エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂中のエチル
アクリレート単位の含有量は1〜30重量%、好ましくは
5〜25重量%の範囲に、メルトフローレートは190℃、
荷重2,160gで0.1〜30、また、エチレン−エチルアクリ
レート系共重合樹脂上にグラフトされるアルコキシシラ
ンのグラフト量は0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜0.
2重量%の範囲に設定すれば、回路(基)板とカバーレ
イフィルムとの剥離強度の点で好ましい結果が得られ
る。
上記の場合に、前記グラフト量が0.01重量%以下では
接着性が不充分となり、シラングラフト変性の効果が十
分に発揮されない。一方、2重量%を超えると、接着剤
としての流動性が低下するとともに接着性も悪くなる。
前記エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂とし
ては、エチレンとエチルアクリレートとの共重合体、並
びに該共重合体にさらに他の第三のオレフイン系化合物
(例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)を共重合したも
のが含まれるが、とくにエチレンとエチルアクリレート
との共重合体が好ましく使用できる。また、前記の第三
のオレフイン系化合物を共重合させる代りに、アルコキ
シシランのグラフト時に、同時に存在させ、グラフト共
重合させてもよい。
前記エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂にグ
ラフト重合されるアルコキシシランとしては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シランなどの
ビニルアルコキシシラン類;γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン,アクリロキシプロピルトリエト
キシシランなどのアクリル系アルコキシシラン類を挙げ
ることができるが、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランが好ましい。
また、カバーレイ(コート)フィルムの接着層の一成
分として使用する分子内に複数個の不飽和結合分を有す
る多官能性化合物(B)としては、エチレングリコール
ジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレートなどのアクリル系の多官能性単量
体;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリメリット酸トリアリル、ジエチレングリコー
ルジアリルエーテルなどのアリル系多官能性単量体など
のほかに、アクリル変成エポキシ系オリゴマー、アクリ
ル変成エステルオリゴマー類、アクリル変成ノボラック
樹脂誘導体、アリリデンペンタエリスリトール誘導体、
ジアリリデンペンタエリスリトール誘導体、アクリル変
成ジアリリデンペンタエリスリトール誘導体、不飽和ポ
リエステル変成ジアリリデンペンタエリスリトール誘導
体などのスピロアセタール誘導体;アクリル変成ブタジ
エンオリゴマー類などを挙げることができる。
そして、これら多官能性化合物(B)の群から選ばれ
る一種もしくは二種以上の化合物をエチレン−エチルア
クリレート系共重合樹脂(A)に添加して接着層を形成
することも可能である。
エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂(A)と
分子内に不飽和結合分を有する多官能性化合物(B)と
の混合は、オープンロールミキサーや、単軸、もしくは
多軸の混合機などを使用できる。
前記(A)成分と(B)成分との混合比は、特に限定
を要しないが、望ましい範囲としては、前記(A)成分
/(B)成分の重量比で、99/1〜50/50の範囲である。
本発明で使用する樹脂組成物には、その機能を損なわ
ない範囲で、少量の他のホットメルト型接着剤ならびに
粘着付与剤を配合しうる。また、必要に応じて、可塑
剤、酸化防止剤などの種々の添加剤を適宜添加できる。
(作用) 以上のように、可撓性回路板とカバーレイフィルムの
接着方法として、可撓性回路板と電離放射線の照射を
施した接着層付きのカバーレイフィルムとを熱ロール圧
着し、熱ロール圧着後、電子線の照射を行う方法を採用
すると、可撓性回路板とカバーレイフィルムとの接着を
連続した工程で、しかも、短時間で行うことができる。
さらに、カバーレイフィルム上の接着層として、予
め適宜量の電離放射線の照射を施したアルコキシシラン
をグラフトしたエチレン−エチルアクリレート系共重合
樹脂(A)と分子内に複数個の不飽和結合分を有する多
官能性化合物(B)とを主たる成分とする樹脂組成物を
使用すると、熱ロール圧着工程と電子線の照射工程とに
よって、(イ)接着剤の食み出し等の問題がなく、
(ロ)回路板とカバーレイフィルムの剥離強度、半田耐
熱性の両面において特性の優れたフレキシブル回路基板
を連続工程でしかも(ハ)短時間で、例えば従来の1/2
〜1/10で、製造することが可能になった。
なお、本発明において、アルコキシシラングラフト
エチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂(A)成分
のみを使用した場合には、初期接着力の優れた回路基板
が得られるが、電子線照射を施した場合でも、半田耐熱
性の優れたものは得られない。
また、分子内に複数個の不飽和結合分を有する多官能
性化合物(B)成分だけを接着剤として使用した場合に
は、初期接着性の優れた回路基板体が得られない。
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、こ
れらは本発明を制限するものでない。
(実施例) 可撓性回路板として、ポリイミドフィルム(厚み25
μ)上に、200μのライン幅で、200μ間隔のストライプ
上の銅箔回路(厚み35μ)を通常の化学的エッチング法
で形成したものを使用した。
カバーレイフイルムには、東レ・デュポン(株)社製
・カプトン100H(商品名)、厚み25μを使用した。
第1表に記載のアルコキシシラングラフトエチレン−
エチルアクリレート系共重合樹脂(A)と分子内に複数
個の不飽和結合分を有する多官能性化合物(B)とを、
ロールミキサーで混合した後、ポリイミドフィルム上に
ホットアプリケーターを使用して、厚み35μに塗布し、
冷却固化せしめ、接着剤層を形成した。
この接着層に予め第1表に記載された所定量の電子線
を照射しておいた。
この接着剤層に銅箔を密着し、所定温度で熱ロールに
より圧着した後、電離放射線の照射によって接着を完了
するのに、所定の加速電圧で電子線をポリイミドフィル
ム面より照射した。
接着剤の食み出しの評価;カバーレイフイルムに5.0m
m角の角穴を打抜刃で開け、熱ロール圧着後に、接着剤
の食み出し幅を測定した。
接着後の評価は、銅箔回路板とカバーレイフィルムの
剥離試験(カバーレイフィルム側剥離)および半田槽浸
漬後(半田槽温度:280℃、浸漬時間:30秒)の試料の観
察により実施した。
以下、実施例、比較例を第1表にまとめて示した。
使用したシラングラフト(変成)エチレン共重合体樹
脂(A)は下記のとおりのものである: *1:エチルアクリレート含量19%、メルトインデックス
5のエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を、t−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジカル触
媒として、グラフト重合したグラフト変成樹脂(グラフ
トされたシラン量0.05重量%)。
*2:エチルアクリレート含量11%、メルトインデックス
20のエチレン−エチルアクリレート共重合体に、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランを、t−ブチ
ル−パーオキシベンゾエートをラジカル触媒としてグラ
フト重合したグラフト変成樹脂(グラフトされたシラン
量0.07重量%)。
〔発明の効果〕 本発明によれば、可撓性回路板と、カバーレイフイル
ムの接着を短時間に完了できるので、従来達成できなか
ったフレキシブル回路基板の製造工程の完全な連続化が
可能になり、フレキシブル回路基板の生産性が向上し、
生産コストの低下が図れる。
しかも、得られるフレキシブル回路基板のカバーレイ
孔部からの接着剤の食み出しがなく、且つ剥離強度や半
田耐熱性などの特性も優れているので、フレキシブル回
路基板の製造分野における利用価値は非常に大きいもの
がある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性の回路板上に、接着層付きの可撓性
    カバーレイフイルムを熱ロール圧着した後、電離放射線
    を照射するフレキシブル回路基板の製造方法において、
    熱ロール圧着前に、当該接着層が電離放射線の照射が施
    されていることを特徴とする、フレキシブル回路基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記接着層が、アルコキシシランをグラフ
    トしたエチレン−エチルアクリレート系共重合樹脂
    (A)と分子内に複数個の不飽和結合分を有する多官能
    性化合物(B)とを主たる成分とする樹脂組成物からな
    ることを特徴とする、請求項(1)記載のフレキシブル
    回路基板の製造方法。
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