JP2523216B2 - フレキシブルプリント配線板 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板

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JP2523216B2 JP22270890A JP22270890A JP2523216B2 JP 2523216 B2 JP2523216 B2 JP 2523216B2 JP 22270890 A JP22270890 A JP 22270890A JP 22270890 A JP22270890 A JP 22270890A JP 2523216 B2 JP2523216 B2 JP 2523216B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、電子機器等に好適に使用されるフレキシブ
ルプリント配線板に関する。
<従来の技術及び発明が解決しようとする課題> 近年、電子機器が軽量小型化、高性能化するにつれ
て、通常の絶縁被覆電線や硬質基板に比べて、小型軽量
化、配線レイアウトの単純化、配線作業の簡素化、回路
特性および信頼性の向上等が可能である等の理由から、
絶縁基板上に金属箔の配線部を形成したフレキシブルプ
リント配線板が、テレビジョン受信機、オーディオ機
器、電子卓上計算機、時計、カメラ等の民生用電子機
器、計測器、電子計算機等の産業用電子機器、自動車、
航空機の各種配線等に広く使用されている。
上記フレキシブルプリント配線板の製造方法において
は、可撓性を有する絶縁基材の片面または両面に接着剤
を介して、圧延銅箔および電解銅箔等の導体薄膜を接着
する。そして、化学的なエッチング法により導体薄膜上
に、所定の導体回路パターンを作成する。さらに、この
導体回路パターンが作成された導体薄膜を絶縁、保護す
るために、表面にカバーレイフィルムを貼合せたり、あ
るいはオバーレイ層を形成して後、メッキ、打ち抜き、
補強板張り合わせ等の工程を経て、フレキシブルプリン
ト配線板が製造されている。
フレキシブルプリント配線板への電子部品の実装は、
自動半田付けにより行われる。このため、フレキシブル
プリンタ配線板には、260〜280℃の半田耐熱性が要求さ
れる。また、その他の一般的な特性として、耐エッチン
グ性、耐熱老化性、耐薬品性、難燃性、機械的強度、柔
軟性および寸法安定性等が要求される。
フレキシブルプリント配線板の絶縁基剤材としては、
通常ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミド
フィルム等の可撓性の有機高分子フィルムや、ガラス布
にエポキシ樹脂等の接着性樹脂のワニスを含浸させたも
の(プリプレグ)等が用いられている。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは、安価ではあ
るが、半田耐熱性に劣るため、半田付けを必要としない
用途でしか使用することができず、使用範囲が限定され
るという問題がある。
これに対して、ポリイミドフィルムは、半田耐熱性に
優れ且つ難燃性であるため、絶縁基材として好適に用い
られているが、吸水性が高く、高価であるという問題が
ある。
一方、ガラス布は、それ自体は耐熱性に優れ、難燃性
であり、しかもポリイミドフィルムに比べて安価である
という利点がある。しかしその半面、導体薄膜をその表
面に接着する場合、エポキシ系接着剤等の熱硬化性樹脂
のワニスを含浸して使用する必要があるため、導体薄膜
の接着工程の前に、ワニスの含浸工程とワニスに含まれ
る溶剤の乾燥工程とが必要となり、製造工程が時間的に
長くなり生産性が低下して、製造コストも高くなるとい
う問題があった。
さらに、上記熱硬化性樹脂のワニスを含浸したガラス
布を絶縁基材とし、これと導体薄膜である電解銅箔とを
貼り合わせて製造したフレキシブルプリント配線板は、
柔軟性に乏しく、曲げた場合にネッキングを起こし易い
という問題もあった。
また、フレキシブルプリント配線板の機械的強度を高
めるために、前述のプリプレグを複数枚積層したものを
絶縁基材として用いたものが提案されている。しかし、
このプリプレグを用いたフレキシブルプリント配線板も
また、上記の場合と同様に、接着工程の前に含浸工程と
溶剤の乾燥工程とが必要となり、製造に時間がかかり生
産性が低下し、製造コストが高くなるという問題があっ
た。さらに、プリプレグを複数枚積層することにより、
機械的強度が高まる反面、柔軟性が極めて低くなり、僅
かな曲げによっても容易にネッキングを起こすという問
題があった。
絶縁基材と導体薄膜との接着に使用される接着材とし
ては、熱硬化型の接着剤が使用されている。例えばポリ
イミドフィルムと電離銅箔とを接着する場合に使用され
る接着剤としては、エポキシ−ノボラック系接着剤(Do
w Chemical社製のDEN438等)、シリコーン系接着剤(Do
w Corning社製のDC282等)、ニトリル−フェノール系接
着剤(B.F.Goodrich社製のPlastilock 605等)、ポリエ
ステル系接着剤(USM社製、Bostic7151+Boscodurl
等)、アクリル系接着剤(B.F.Goodrich社製のHycar 26
79X6、Rohm & Hass社製のPhoplex LC40、UCC社製のUca
r 370等)等の熱硬化性接着剤が知られている(工学材
料、Vol.21,No.10,28,1981)。
これらの熱硬化性接着剤を使用した場合、290℃程度
の半田耐熱性を有するフレキシブルプリント配線板を得
ることができる。しかし、これらの接着剤は、接着、硬
化を完了させるのに高温および長時間を必要とし、生産
性が悪いという問題がある。例えばエポキシ−ノボラッ
ク系接着剤を用いた場合、接着剤の硬化を完了するには
180〜200℃の高温で30分〜1時間も熱圧着するが必要が
あり、生産性の向上を図ることができない。この問題
は、エポキシ樹脂等の接着性樹脂のワニスを含浸したガ
ラス布を絶縁基材として使用する場合も全く同様であ
る。接着性樹脂のワニスとして使用されているものは、
ほとんどが熱硬化性の接着剤であり、絶縁基材と電解銅
箔との貼り合わせは、上記と同様に高温、長時間を要す
るため、生産性の向上を図ることができないという問題
があった。
また、フレキシブルプリント配線板には、種々の電子
部品が実装された状態で使用されるが、特にコネクター
類等を実装する場合には、コネクターの差し込みおよび
引き抜きを容易にするために、フレキシブルプリント配
線板に補強板を部分的に貼り付けて、フレキシブルプリ
ント配線板の機械的強度をた高めるとが行われている。
また、屈曲運動を必要とする場合等は、フレキシブルプ
リント配線板の曲げ強度を高める目的で、補強板を部分
的に貼り付けることが行われている。補強板にはアルミ
板、ガラスエポキシ板、紙フェノール板等が使用され
る。これらの補強板の接着にも、前述の熱硬化型接着剤
が使用され、補強板の接着にも高温、長時間の接着工程
が必要となり、より一層生産性を低下させ、生産コスト
を高めるという問題があった。
一方、各種絶縁フィルム、ガラス布、金属薄膜等の被
接着物間の接着を比較的低温で且つ短時間で行うことの
できる接着剤として、エチレンのホモポリマーおよびコ
ポリマー、スチレンブロックコポリマー(熱可塑性ゴ
ム)、ポリアミド系、ナイロン系、ポリエステル系、ブ
チルゴム系等のホットメルト接着剤が知られている。ホ
ットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂をベースとし、必要
に応じて可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤等が混合され
た固形の接着剤である。ホットメルト接着剤を使用する
場合は、ホットメルト接着剤をアプリケータで溶融し、
被接着物に塗布し圧着する。
ホットメルト接着剤は室温への冷却によって瞬時に固
化するという利点を有している。そのため、ガラス布を
用いた絶縁基材と導体薄膜との接着にホットメルト接着
剤を利用すれば、接着工程を瞬時に完結させることがで
きる。例えば、電解銅箔にエチレン−酢酸ビニル共重合
体系のホットメルト接着剤を50μmの厚さで塗布し、ガ
ラス布を120〜180℃で1分間圧着することにより、電解
銅箔とガラス布との積層体を製造することができる。こ
の際、接着と同時にホットメルト接着剤をガラス布に含
浸させることができる。しかし、ホットメルト接着剤
は、熱可塑性樹脂をベースとしているため、半田耐熱性
に劣るという問題があった。例えば、上記のガラス布と
電解銅箔との積層体を260℃の半田浴に2秒間浸漬した
場合、ガラス布と電解銅箔とが完全に剥離してしまう。
また、耐エッチング性が悪く、エッチング時に、電解銅
箔の部分的な剥離が生じる。
本発明は上記の問題を解消し、半田耐熱性、耐エッチ
ング性、難燃性および寸法安定性性に優れ、かつ安価に
製造することができ、しかも十分な機械的強度と柔軟性
とを兼ね備えたフレキシブルプリント配線板を提供する
ことを目的とする。
<課題を解決するための手段および作用> 本発明のフレキシブルプリント配線板は、絶縁基材上
に導体薄膜からなる導体回路を貼合わせた積層体からな
るフレキシブルプリント配線板であって、上記絶縁基材
が、アルコキシシランをグラフトさせたエチレン−エチ
ルアクリレート共重合樹脂と分子内に複数個の不飽和結
合を有する多官能性化合物とを主たる成分とする接着性
樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布であり、上記
接着性樹脂組成物が架橋されてなることを特徴としてい
る。
上記絶縁基材としては、上記ガラス繊維不織布を複数
枚積層したものを使用してもよい。
また、上記接着性樹脂組成物に、難燃化剤を含有させ
ることにより、難燃性に優れたものとすることができ
る。
本発明のフレキシブルプリント配線板の一実施例を第
1図に示す。
図において、Aはフレキシブルプリント配線板であ
り、フレキシブルプリント配線板Aは、上記接着性樹脂
組成物を含浸させたガラス繊維不織布11を絶縁基材1と
して用いており、該絶縁基板1上に導体薄膜からなる導
体回路31を貼合わせた積層体からなる。
このフレキシブルプリント配線板Aは、上記接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布11を絶縁基材1
として用いたものであるので、機械的強度に優れ、かつ
安価に製造することができる。
上記接着性樹脂組成物は、アルコキシシランをグラフ
トさせたエチレン−エチルアクリレート共重合樹脂と分
子内に複数個の不飽和結合を有する多官能性化合物と難
燃化剤とを主たる成分としており、非常に柔軟性に富
み、難燃性に優れたものであるので、接着性樹脂化合物
が含浸したガラス繊維不織布11も柔軟性に富み、難燃性
に優れたものとなる。したがって、絶縁基材1は、機械
的強度に優れるだけでなく、十分な柔軟性をも有し、難
燃性にも優れる。
また、上記接着性樹脂組成物は、アルコキシシランを
グラフトさせたエチレン−エチルアクリレート共重合樹
脂が電離放射線の放射等によって架橋されているので、
半田耐熱性および耐エッチング性に優れる。
上記フレキシブルプリント配線板Aを製造する場合
は、第2図に示すように、溶融押出法等により成形した
接着性樹脂組成物のフィルム状物2を、導体薄膜3とガ
ラス繊維不織布10との間に挟着させ、熱圧着する。この
熱圧着により、フィルム状物2がガラス繊維不織布10に
溶融含浸すると共に、ガラス繊維不織布10と導体薄膜3
とを接着する。次いで、接着性樹脂組成物を含浸させた
ガラス繊維不織布11側から、電離放射線を照射して、上
記接着性樹脂組成物を架橋させる。この後、従来と同様
の方法により、導体薄膜3にエッチングを施して、導体
回路31を形成する。このときフィルム状物2に、加熱に
よってラジカル等の活性種を発生することのできる有機
過酸化物等を添加しておけば、熱圧着の際に接着性樹脂
組成物の架橋も同時に行える。
第3図に本発明に係る別のフレキシブルプリント配線
板A1を示す。
フレキシブルプリント配線板A1は、上記接着性樹脂組
成物を含浸させたガラス繊維不織布11を複数枚積層した
ものを絶縁基材1として用いており、この絶縁基材1上
に導体薄膜からなる導体回路32を積層したものである。
このフレキシブルプリント配線板A1は、上記接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布11を複数枚積層
したものを絶縁基材1として用いているので、特に機械
的強度に優れ、補強板を別途貼り合せる必要がない。し
かも充分な柔軟性をも有している。
フレキシブルプリント配線板A1を製造する場合は、第
4図に示すように、溶融押出法等により成形された2枚
の接着性樹脂組成物のフィルム状物で、ガラス繊維不織
布10を挟着し、これを熱プレス装置等で熱圧着すること
により、接着性樹脂組成物をガラス不織布繊維10に含浸
させる。そして、導体薄膜3と、接着性樹脂組成物を含
浸させたガラス繊維不織布11の複数枚とを積層して、熱
圧着する。次いで、電離放射線の照射等により、接着性
樹脂組成物を架橋させ、ガラス繊維不織布11同士および
ガラス繊維不織布11と導体薄膜3とを一体に接着する。
次いで、導体薄膜3をエッチングして、導体回路32を形
成することにより、フレキシブルプリント配線板A1を製
造する。
また、両面に導体回路を有するフレキシブルプリント
配線板を製造する場合は、第5図に示すように、導体薄
膜3、フィルム状物2、ガラス繊維不織布10、フィルム
状物2および導体薄膜3をこの順に積層して熱圧着す
る。この際、フィルム状物2がガラス繊維不織布10に溶
融含浸すると共に、ガラス繊維不織布10と導体薄膜3と
を接着する。次いで、電離放射線の照射等により接着性
樹脂組成物を架橋させ、導体薄膜3をエッチングして、
両面に導体回路33,33を有するフレキシブルプリント配
線板A2を得る。
上記フレキシブルプリント配線板A、A1およびA2の製
造方法においては、150〜200℃で1〜10分の短時間熱圧
着するだけで、導体薄膜3とガラス繊維不織布10、およ
びガラス繊維不織布10同士を接着することができる。こ
の際、接着性樹脂組成物がガラス繊維不織布10に含浸す
るので、従来のプリプレグに必要とされていた、樹脂性
樹脂のワニスを予めガラス繊維不織布に含浸させる工
程、およびワニスに含まれる溶媒成分を加熱乾燥して除
去する工程が全く不要となる。したがって、上述した短
時間での接着の完了とあいまって、製造コストの著しい
低減を図ることができる。
上記フィルム状物2の厚さは、ガラス繊維不織布10の
厚さに応じて適宜設定することができる。例えば、ガラ
ス繊維不織布10の厚みが200〜700μmである場合、フィ
ルム状物2の厚みは150〜400μmであることが、接着樹
脂組成物をガラス繊維不織布10に充分に含浸させるうえ
で好ましい。
なお、本発明のフレキシブルプリント配線板は、上記
絶縁基材が、アルコキシシランをグラフトさせたエチレ
ン−エチルアクリレート共重合樹脂と分子内に複数個の
不飽和結合を有する多官能性化合物と難燃化剤とを主た
る成分とする接着性樹脂組成物ほ含浸させたガラス布
と、当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織
布と、当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布とを
この順序で積層したものであり、上記接着性樹脂組成物
が架橋されてなるものであってもよい。またこの場合、
上記接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布
が、複数枚積層したものを使用してもよい。
本発明のフレキシブルプリント配線板の他の実施例を
第6図に示す。
図において、A3はフレキシブルプリント配線板であ
り、フレキシブルプリント配線板A3は、上記接着性樹脂
組成物を含浸させたガラス布12と、上記接着性樹脂組成
物を含浸させたガラス繊維不織布13と、上記接着性樹脂
組成物を含浸させたガラス布12とをこの順序で積層した
ものを絶縁基材4として用いており、該絶縁基板4上に
導体薄膜からなる導体回路31aを貼合わせた積層体から
なる。
このフレキシブルプリント配線板A3は、接着性樹脂組
成物含浸させたガラス布12およびガラス繊維不織布13を
絶縁基材4として用いたものであるので、機械的強度お
よび打ち抜き加工性に優れ、かつ安価に製造することが
できる。
接着性樹脂組成物は、上述と同様のものであり、絶縁
基材4は機械的強度および打ち抜き加工性に優れるだけ
でなく、十分な柔軟性をも有し、半田耐熱性および耐エ
ッチング性に優れる。
上記フレキシブルプリント配線板A3を製造する場合
は、第7図に示すように、ガラス布20を2枚の接着性樹
脂組成物のフィルム状物2aで挟着し、熱圧着して、フィ
ルム状物2aをガラス布20に含浸させる。次に、同様にし
てガラス繊維不織布30にフィルム状物2aを含浸させる。
そして、接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布12、接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布13、接着
性樹脂組成物を含浸させたガラス布12および導体薄膜3a
とをこの順序で積層し、熱接着する。次いで、接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス布12側から電離放射線を照
射して、接着性樹脂組成物を架橋させる。この後、従来
と同様の方法により、導体薄膜3にエッチングを施し
て、導体回路31aを形成する。
第8図に本発明に係る別のフレキシブルプリント配線
板A4を示す。
フレキシブルプリント配線板A4は、2枚の接着性樹脂
組成物を含浸させたガラス布12の間に、接着性樹脂組成
物を含浸させたガラス繊維不織布13が複数枚積層した構
成のものを絶縁基材4として用いており、この絶縁基材
4上に導体回路32aを積層したものである。
このフレキシブルプリント配線板A4を製造する場合
は、上述と同様にして接着性樹脂組成物を含浸させたガ
ラス布12および接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊
維不織布13を用意し、接着性樹脂組成物を含浸させたガ
ラス布12の上面に、接着性樹脂組成物を含浸させたガラ
ス繊維不織布13の複数枚を積層し、さらにその上面に接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス布12を積層して熱圧
着する。次いで、上述と同様にして接着性樹脂組成物を
架橋させ、導体回路32aを形成して、フレキシブルプリ
ント配線板A4を得る(第9図参照)。
また、両面に導体回路を有するフレキシブルプリント
配線板A5を製造する場合も同様に、導体薄膜3a、接着性
樹脂組成物を含浸させたガラス布12、接着性樹脂組成物
を含浸させたガラス繊維不織布13、接着性樹脂組成物を
含浸させたガラス布12および導体薄膜3aをこの順に積層
して熱圧着する。次いで、接着性樹脂組成物を架橋さ
せ、導体薄膜3a,3aをエッチングして、両面に導体回路3
3aを有するフレキシブルプリント配線板A5を得る(第10
図参照)。
フィルム状物2aの厚さは特に限定されるものではない
が、例えば、ガラス布20の厚みが50〜100μmである場
合、50〜200μmであることが、接着性樹脂組成物をガ
ラス布20に充分に含浸させるうえで好ましい。ガラス繊
維不織布30の厚みが200〜700μmである場合、150〜400
μmであることが、接着性樹脂組成物をガラス繊維不織
布30に充分に含浸させるうえで好ましい。
本発明におけるアルコキシシランをグラフトしたエチ
レン−エチルアクリレート樹脂は、例えばt−ブチル−
パーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒の存在
下、エチレン−エチルアクリレート共重合体に、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキ
シシラン化合物を単軸押出機等を使用することにより加
熱混練する方法(例えば、特公昭60−3096号公報参照)
により製造することができる。上記エチレン−エチルア
クリレート共重合体中におけるエチルアクリレート単位
の含有量は、特に限定されるものではないが、1〜30重
量%程度であるのが適当である。また、上記共重合体の
メルトフローレートは190℃、荷重2160gで0.5〜30であ
ることが好ましい。
さらに、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂
にグラフトされるアルコキシシラン化合物の量は、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体樹脂に対して、0.02
〜0.2重量%であることが樹脂組成物とした場合の溶融
流動性のうえで好ましい。
また、アルコキシシランをグラフトしたエチレン−エ
チルアクリレート共重合体樹脂に、相溶性のある他の樹
脂成分を添加してもよい。
なお、アルコキシシランをグラフトした樹脂として
は、シラングラフトエチレン酢酸ビニル共重合樹脂やシ
ラングラフトポリエチレン樹脂等が知られているが、シ
ラングラフトエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は水分吸
収等により溶融特性が変化するため好ましくない。ま
た、シラングラフトポリエチレン共重合樹脂は導体薄膜
として使用される電解銅箔との接着性が低いため好まし
くない。
分子内に複数個の不飽和結合を有する多官能性化合物
としては、例えばトリメチロールプロパントリアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート等のアクリ
ル系の多官能性モノマー、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート等のアリル系の多官能性モ
ノマーの他、アクリル変成エポキシ系オリゴマー、アク
リル変成エステルオリゴマー等の多官能性オリゴマー類
等があげられる。これらは1種または2種以上混合して
用いられる。
難燃剤としては、例えばテトラブロモビスフェノール
誘導体、デカブロモジフェニルエーテル誘導体、臭素化
フタルイミド誘導体、パークロロペンタシクロデカン等
の含ハロゲン系難燃剤;含リン系難燃剤;水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム等の無機難燃剤等があげら
れる。これらは1種または2種以上混合して用いられ
る。また、必要に応じて、三酸化アンチモン、ホウ酸亜
鉛、酸化モリブデン等の難燃助剤を添加することもでき
る。
また、上記難燃剤に加えて、ヒンダードフェノール誘
導体、アミン誘導体等の酸化防止剤や、含硫黄系、含リ
ン系等の酸化防止剤を添加することも可能である。さら
に、必要に応じて滑剤、着色剤、安定剤等を添加するこ
とも可能である。
アルコキシシランをグラフトしたエチレン−エチルア
クリレート共重合樹脂、分子内に複数個の不飽和結合を
有する多官能性化合物および難燃剤の混合は、例えばオ
ープンロールミキサーのほか、単軸または多軸の混合機
等を用いて行うことができる。
接着性樹脂組成物を架橋させる手段としては、例え
ば、電離放射線の照射があげられる。
電離放射線としては、例えば電子線(ベータ線)、ア
ルファ線、ガンマ線、紫外線およびX線等があげられ
る。なかでも特に電離放射線の透過厚み、照射線量と照
射時間との関係等の工業的利用の見地から、電子線を利
用するのが好ましい。電離放射線として電子線を用いた
場合、透過厚みの関係上、電子線の加速電圧は200keV〜
2MeVが好ましい。
なお、両面に導体回路を有するフレキシブルプリント
配線板を製造する場合に、電離放射線として電子線を用
いた場合は、電子線の加速電圧は1〜2MeVであることが
透過厚みの関係上好ましい。
電離放射線の照射量は3〜30Mradの範囲が、接着性樹
脂の架橋を完了させ、半田耐熱性や耐エッチング性に優
れたフレキシブルプリント配線板を製造するうえで好ま
しい。3Mrad未満の照射量では、接着性樹脂組成物を十
分に架橋することができず、半田耐熱性や耐エッチング
性が十分でない。また照射量が30Mradを越えた場合は、
ガラス布もしくはガラス繊維不織布と導体回路との接着
力が低下する。
なお、接着性樹脂組成物を架橋させる他の手段とし
て、加熱することによって遊離基等の活性種を発生する
有機過酸化物等を、接着性樹脂組成物中に添加して、化
学的な架橋反応を起こすことを利用してもよい。
導体回路を構成する導体薄膜としては、例えば銅、
銀、ニッケル、アルミニウム、またはこれら金属の複合
系等の金属材料があげられる。導体回路の厚みは従来と
同程度であれば良く、通常、18〜75μmの範囲内にある
ことが好ましい。
ガラス繊維不織布およびガラス布には、必要に応じ
て、シラン処理やボロン処理等の表面処理を施すことも
可能である。
<実施例> 以下、実施例をあげて本発明のフレキシブルプリント
配線板を詳細に説明する。
実施例1 アルコキシシランをグラフトしたエチレン−エチルア
クリレート共重合樹脂(エチルアクリレート含量13%、
メルトフローレート20(190℃、荷重2160g)、グラフト
シラン量0.05重量%)のペレット100重量部に、トリア
リルイソシアヌレート5重量部、デカブロモジフェニル
エーテル60重量部、三酸化アンチモン30重量部、硼酸亜
鉛10重量部およびペンタエリスリチル−テトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]1重量部をドライブレンドした。そし
て、得られた混合物を2軸混練押出機に投入し、シリン
ダー温度120℃、回転数20rpm、吐出口温度140℃で混練
押出し、溶融吐出するストランドを水冷し、ペレタイズ
する方法で接着性樹脂組成物のペレットを得た。次に、
この接着性樹脂組成物のペレットをシリンダー温度135
℃、吐出口温度145℃に設定したTダイ押出機に投入
し、厚さ250μmの接着性樹脂組成物のフィルム状物を
得た。
厚さ35μmの電解電解銅箔の粗面側と、ガラス繊維不
織布(75g/m2、厚さ600μm、ガラス繊維平均径9μ
m、平均繊維長13mm)との間に、上記フィルム状物を挟
み、180℃の熱プレス装置で圧力15kg/cm2で5分間で熱
圧着することにより、接着性樹脂組成物のガラス繊維不
織布への含浸および電解銅箔とガラス繊維不織布との接
着を行って厚さ350μmの積層体を得た。
この積層体のガラス繊維不織布側を観察したところ、
表面タックは見られなかった。
この積層体の接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊
維不織布側の面より、加速電圧1MeVの電子線を10Mrad照
射し、接着性樹脂組成物を架橋して、フレキシブル基板
を得た。
この基板の電解銅箔とガラス繊維不織布との接着力を
測定したところ、電解銅箔側180゜剥離で2.0kg/cmであ
った。
またこの積層体を280℃の半田浴に60秒間浸漬し、表
面を観察したところ、脹れの発生は全く見られず、半田
耐熱性が高いことが判った。
さらにこの基板の耐熱老化性を調べるために、基板を
180℃の恒温槽内に10日間浸漬し、劣化促進させた後の
電解銅箔の剥離強度を測定したところ、0.86kg/cmと優
れた耐熱老化性を示した。
一方、この基板の難燃性を調べるために、基板を塩化
第二鉄水溶液に浸漬して、電解銅箔部分を完全に除去し
た後、幅12.7mm、長さ127mmの短冊状に切断し、UL94規
格に準拠した垂直燃焼試験を行った。その結果、最長燃
焼時間は僅か1秒であり、優れた難燃性を有することが
認められた。また、電解銅箔部分を除去した状態で、JI
S K7106と同様の方法で曲げ弾性率を測定したところ、4
0kgf/mm2と適度な曲げ強度を示し、曲げ試験を行ったと
ころ3Rまでネッキングを起こさず、柔軟性に富むもので
あることが判った。
次に、基板の電解銅箔表面に、幅0.25mm、間隔0.25mm
で、ストライプ状にエッチングレジストインキを塗布、
乾燥させ、塩化第二鉄水溶液で電解銅箔の露出部分をエ
ッチングし、上記エッチングレジストインキを除去する
ことにより、回路幅0.25mm、回路間隔0.25mmのストライ
プ状の導体回路を形成し、フレキシブルプリント配線板
を得た。
このフレキシブルプリント配線板のエッチング前後の
寸法変化率は0.10%であり、耐エッチング性が高く、寸
法安定性に優れていることが判った。
実施例2 実施例1と同様にして得られた樹脂組成物のペレット
を、Tダイ押出機に投入し、厚さ300μmの接着性樹脂
組成物のフィルム状物を得た。
ガラス繊維不織布(75g/m2、厚さ550μm、ガラス繊
維平均径9μm、平均繊維長13mm)を2枚の上記フィル
ム状物で挟み、実施例1と同じ条件で熱圧着し、厚さ32
0μmの絶縁基材を得た。この絶縁基材を2枚積層し、
さらにその上面に実施例1で用いたのと同じ電解銅箔を
重ね、実施例1と同様に熱圧着して、厚さ650μmの積
層体を得た。この積層体の接着性樹脂組成物を含浸しさ
せガラス繊維不織布側の面より、加速電圧1MeVの電子線
を15Mrad照射し、接着性樹脂組成物を架橋して、フレキ
シブル基板を得た。
この基板に対して、実施例1と同様にして接着力の測
定を行なったところ、電解銅箔側180゜剥離で2.2kg/cm
であり、良好な接着性を示した。また実施例1と同様に
して、脹れの観察、耐熱老化性試験、難燃性試験および
柔軟性試験を行ったところ、脹れの発生は全く見られ
ず、耐熱老化性試験でも0.93kg/cmと高い剥離強度を示
し、難燃性試験では全く燃焼しなかった。さらに、柔軟
性試験では78kgf/mm2と適度な曲げ強度を示し、しかも5
Rまでネッキングを起こさず、柔軟性を損なうこともな
かった。
また、基板の電解銅箔表面に実施例1と同様のエッチ
ングを施し、フレキシブルプリント配線板を作成して、
エッチング前後の寸法変化率を測定したところ、0.12%
と寸法変化が少なく、良好な耐エッチング性および寸法
安定性を示した。
実施例3 アルコキシシランをゲラフトしたエチレン−エチルア
クリレート共重合樹脂(エチルアクリレート含量11%、
メルトフローレート5(190℃、荷重2160g)、グラフト
シラン量0.04重量%)のペレット100重量部に、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート3重量部、パーク
ロロペンタシクロデカン50重量部、三酸化アンチモン40
重量部、硼酸亜鉛10重量部およびペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]1重量部をドライブレン
ドした。そして、得られた混合物を実施例1と同様に処
理して、接着性樹脂組成物のペレットを得た。次に、こ
の接着性樹脂組成物のペレットをシリンダー温度140
℃、吐出口温度150℃に設定したTダイ押出機に投入
し、厚さ350μmの接着性樹脂組成物のフィルム状物を
得た。
実施例1で使用したのと同じ電解銅箔の上にフィルム
状物、ガラス繊維不織布(75g/m2、厚さ700μm、ガラ
ス繊維平均径9μm、平均繊維長さ13mm)、フィルム状
物および電解銅箔を、この順次で積層し、180℃の熱プ
レス装置で圧力20kg/cm2で5分間で熱圧着して、厚さ40
0μmの積層体を得た。
この積層体に加速電圧1.5MeVの電子線を10Mard照射
し、接着性樹脂組成物を架橋して、フレキシブル基板を
得た。
得られた基板に対して、実施例1と同様に接着力の測
定を行ったところ、電解銅箔側180゜剥離で1.8kg/cmで
あり、良好な接着性を示した。また実施例1と同様にし
て、難燃性試験を行った結果、最長燃焼時間が僅か2秒
で、優れた難燃性を示した。
また、基板の表裏両側の電解銅箔表面に実施例1と同
様のエッチングを施し、基板の表裏両面に第1の導電回
路と第2の導電回路とを有するフレキシブルプリント配
線板を作製し、エッチング前後の寸法変化率を測定した
ところ、第1の導電回路および第2の導電回路のいずれ
の寸法変化率も0.11%と良好な耐エッチング性および寸
法安定性を示した。
比較例1 カルボキシル化ニトリルゴム(グッドリッチ社製のハ
イカーCTBN1300X13)とビスフェノール型エポキシ樹脂
(シェル化学社製のエピコート1011)と、カルボキシル
化ニトリルゴム(日本ゼオン社製のニポール1072)とを
重量比50/40/20の割合で混合した混合物の、30重量%濃
度のメチルエチルケトン溶液を、実施例1で使用したの
と同じガラス繊維不織布に含浸させ、120℃の恒温槽内
で20分乾燥させて、プレプリグを作成した。
このプリプレグに、実施例1で用いたのと同じ電解銅
箔を積層し、熱プレス装置で180℃、20kg/cm2の条件に
て、60分間加熱し、硬化させて、厚さ300μmのフレキ
シブル基板を得た。
この基板を実施例1と同様にして脹れの観察を行った
ところ、脹れは認められなかった。
また、実施例1と同様にして電解銅箔を完全に除去し
た基板の曲げ弾性率を測定したところ、110kg/mm2と機
械的強度に優れることが判った。しかし10R曲げでネッ
キングを起こし、柔軟性には乏しいことが判った。
さらに、実施例1と同様にして行った難燃性試験の結
果においても、基板は炎を上げて勢いよく燃え、全く難
燃性を示さなかった。
比較例2 比較例1で得られたメチルエチルケトン溶液を、厚さ
200μmのガラス布に含浸させた他は比較例1と同様に
して、厚さ300μmのフレキシブル基板を得た。
得られた基板に対して、実施例1と同様にして、脹れ
の観察、柔軟性試験および難燃性試験を行った。その結
果、脹れは認められなかったが、弾性率が11kgf/mm2
低く、10Rでネッキングを起こし、柔軟性にも乏しかっ
た。また難燃性試験の結果においても、炎を上げて勢い
よく燃えた。
上記実施例1〜3および比較例1,2より、本発明のフ
レキシブルプリント配線板、すなわち絶縁基板上に導体
薄膜からなる導体回路を貼合わせた積層体からなるフレ
キシブルプリント配線板であって、上記絶縁基材が、ア
ルコキシシランをグラフトさせたエチレン−エチルアク
リレート共重合樹脂と分子内に複数個の不飽和結合を有
する多官能性化合物と難燃化剤とを主たる成分とする接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布であり、
上記接着性樹脂組成物が架橋されてなるフレキシブルプ
リント配線板は、絶縁基材が、上記ガラス繊維不織布を
1枚だけ使用したものも、複数枚積層したものも共に、
半田耐熱性、耐エッチング性、柔軟性、機械的強度およ
び寸法安定性に優れ、難燃性が高いことがわかる。ま
た、製造工程および製造に必要な時間が少なくて済み、
生産効率がよいこともわかる。
実施例4 実施例1と同様にして、厚さ100μmのフィルム状物
と、厚さ250μmのフィルム状物とを得た。2枚の厚さ1
00μmのフィルム状物の間に、厚さ50μmのガラス布を
挟着し、実施例1と同様にして、厚さ80μmの接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス布を得た。また2枚の厚さ
250μmのフィルム状物で、実施例1で使用したガラス
繊維不織布と同じガラス繊維不織布を挟着し、実施例1
と同様にして、厚さ320μmの接着性樹脂組成物を含浸
させたガラス繊維不織布を得た。
次にこの接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布、接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布、接着性
樹脂組成物を含浸させたガラス布および実施例1で使用
した電解銅箔と同じ電解銅箔を、この順序で積層し、18
0℃の熱プレス装置で圧力15kg/cm2で10分間で熱圧着す
ることにより、厚さ520μmの積層体を得た。
この積層体に実施例1と同条件で電子線を照射して、
フレキシブル基板を得た。
得られた基板に対して、実施例1と同様にして接着力
の測定、脹れの観察、耐熱老化性試験、難燃性試験およ
び、柔軟性試験を行ったところ、接着力は電解銅箔180
゜剥離で2.5kg/cmで、脹れの発生は全く見られず、耐熱
老化性試験においても0.71kg/cmの剥離強度を示し、燃
性試験では燃焼せず、柔軟性試験で93kgf/mm2と良好な
曲げ強度を示し、しかも5Rまでネッキングを起こさなか
った。
またこの基板を、直径2mmの打つ抜き刃を使用し打ち
抜き加工性をしらべた結果、打ち抜き性が良好であっ
た。
さらに、この基板を実施例1と同様にエッチングし
て、フレキシブルプリント配線板を作製し、エッチング
前後の寸法変化率を測定したところ、寸法変化率が0.06
%と良好な耐エッチング性および寸法安定性を示した。
実施例5 厚さが60μmのガラス布と厚さが550μmのガラス繊
維不織布とを用いたほかは、実施例4と同様にして、厚
さ85μmの接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布と、
厚さ330μmの接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊
維不織布とを得た。この接着性樹脂組成物を含浸させた
ガラス布、接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不
織布2枚、接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布およ
び実施例1で使用した電解銅箔と同じ電解銅箔を、この
順序で積層し、実施例4と同様にして、厚さ840μmの
積層体を作製し、この積層体に加速電圧1MeVの電子線を
15Mrad照射し、接着性樹脂組成物を架橋して、フレキシ
ブル基板を得た。
得られた基板に対して、実施例1と同様にして接着力
の測定、脹れの観察、難燃性試験および、柔軟性試験を
行った。その結果、接着力は電解銅箔180゜剥離で2.2kg
/cmで、脹れの発生は全く見られず、難燃性試験で燃焼
せず、柔軟性試験では105kgf/mm2と良好な曲げ強度を示
し、しかも8Rまでネッキングを起こさなかった。
またこの基板を、直径2mmの打ち抜き刃を使用した打
ち抜き加工性をしらべた結果、打ち抜き性が良好であっ
た。
さらに、この基板を実施例1と同様にエッチングし
て、フレキシブルプリント配線板を作製し、エッチング
前後の寸法変化率を測定したところ、寸法変化率が0.06
%と良好な耐エッチング性および寸法安定性を示した。
実施例6 実施例1で使用したのと同じガラス布とガラス不織布
とを用いて、実施例1と同様にして、厚さ80μmの接着
性樹脂組成物を含浸させたガラス布と、厚さ350μmの
接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布とを得
た。次に実施例1で使用したのと同じ電解銅箔の上に接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス布、接着性樹脂組成
物を含浸させたガラス繊維不織布、接着性樹脂組成物を
含浸させたガラス布および電解銅箔を、この順序で積層
し、180℃の熱プレス装置で圧力20kg/cm2で5分間で熱
圧着して、厚さ650μmの積層体を作製し、この積層体
に加速電圧1.5MeVの電子線を10Mrad照射し、接着性樹脂
組成物を架橋して、フレキシブル基板を得た。
得られた基板に対して、実施例1と同様に接着力の測
定を行ったところ、電解銅箔側180゜剥離で2.2kg/cmで
あり、良好な接着性を示した。また実施例1と同様にし
て、燃焼性試験を行った結果、最長燃焼時間が僅か2秒
で、優れた難燃性を示した。
また、実施例3と同様にして、第1及び第2の銅電回
路を有するフレキシブルプリント配線板を作製し、エッ
チング前後の寸法変化率を測定したところ、第1の銅電
回路および第2の銅電回路のいずれの寸法変化率も0.06
%と良好な耐エッチング性および寸法安定性を示した。
また、実施例4と同様にして、比較例1および比較例
2の打ち抜き加工性をしらべた結果、比較例1および比
較例2共に、打ち抜き断面の形状が荒れており、打ち抜
き性が悪かった。
上記実施例4〜6および比較例1,2より、本発明のフ
レキシブルプリント配線板、すなわち絶縁基材上に導体
薄膜からなる導体回路を貼合わせた積層体からなるフレ
キシブルプリント配線板であって、上記絶縁基材が、ア
ルコキシシランをグラフトさせたエチレン−エチルアク
リレート共重合樹脂と分子内に複数個の不飽和結合を有
する多官能性化合物を難燃化剤とを主たる成分とする接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス布と、当該接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布と、当該接着性
樹脂組成物を含浸させたガラス布とをこの順序で積層し
たものであり、上記ガラス繊維不織布を1枚だけで用い
たものも、複数枚積層したものも共に、半田耐熱性、耐
エッチング性、柔軟性および寸法安定性に優れ、適度な
機械的強度を有し、難燃性が高く、しかも抜き打ち加工
性が良いことが判る。また、製造工程および製造に必要
な時間が少なくて済み、生産性の向上を図れる。
<発明の効果> 以上のように、本発明のフレキシシブルプリント配線
板は、アルコキシシランをグラフトさせたエチレン−エ
チルアクリレート共重合樹脂と、分子内に複数個の不飽
和結合を有する多官能性化合物とを主たる成分とする接
着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布や、接着
性樹脂組成物を含浸させたガラス布と、当該接着性樹脂
組成物を含浸させたガラス繊維不織布と、当該接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス布とをこの順序で積層した
ものを絶縁基材として使用しているので、製造工程も少
なくてすみ、フレキシブルプリント配線板を生産性良
く、安価に製造することができる。
また、上記接着性樹脂組成物は、アルコキシシランを
グラフトさせたエチレン−エチルアクリレート共重合樹
脂を含有しており、しかも架橋されているので、本発明
のフレキシブルプリント配線板は、柔軟性、機械的強
度、半田耐熱性、耐エッチング性に優れ、寸法安定性の
高いものとなる。また、絶縁基材として、上記接着性樹
脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布を複数枚積層し
たものを用いることにより、機械的強度が更に増す。
さらに、接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布と、
当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不織布
と、当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布とをこ
の順序で積層したものを絶縁基材として使用することに
より、打ち抜き加工性の良好なものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のフレキシブルプリント配線板の一実施
例を示す断面図、 第2図はその製造方法を説明するための断面図、 第3図は第1図示すフレキシブルプリント配線板のに係
わる一実施例を示す断面図、 第4図は第3図に示すフレキシブルプリント配線板の製
造方法を説明するための断面図、 第5図は両面に導体回路を有するフレキシブルプリント
配線板の一実施例およびその製造方法を説明するための
断面図、 第6図は本発明のフレキシブルプリント配線板の他の実
施例を示す断面図、 第7図はその製造方法を説明するための断面図、 第8図は第6図示すフレキシブルプリント配線板のに係
わる一実施例を示す断面図、 第9図は第8図に示すフレキシブルプリント配線板の製
造方法を説明するための断面図、 第10図は両面に導体回路を有するフレキシブルプリント
配線板の他の実施例およびその製造方法を説明するため
の断面図である。 A、A1、A2、A3、A4、A5……フレキシブルプリント配線
板、1、4……絶縁基材、 3、3a……導体薄膜、 31、32、33、34、35、36……導体回路、 11、13……接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不
織布、12……接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基材上に導体薄膜からなる導体回路を
    貼合わせた積層体からなるフレキシブルプリント配線板
    であって、 上記絶縁基材が、アルコキシシランをグラフトさせたエ
    チレン−エチルアクリレート共に重合樹脂と分子内に複
    数個の不飽和結合を有する多官能性化合物とを主たる成
    分とする接着性樹脂組成物を浸漬させたガラス繊維不織
    布であり、上記接着性樹脂組成物が架橋されてなること
    を特徴とするフレキシブルプリント配線板。
  2. 【請求項2】上記絶縁基材が、上記ガラス繊維不織布を
    複数枚積層したものである請求項1記載のフレキシブル
    プリント配線板。
  3. 【請求項3】上記接着性樹脂組成物は難燃化剤を含有し
    たものである請求項1記載のフレキシブルプリント配線
    板。
  4. 【請求項4】絶縁基材上に導体薄膜からなる導体回路を
    貼合せた積層体からなるフレキブルプリント配線板であ
    って、 上記絶縁基板が、アルコキシシランをグラフトさせたエ
    チレン−エチルアクリレート共重合樹脂と分子内に複数
    個の不飽和結合を有する多官能性化合物と難燃化剤とを
    主たる成分とする接着性樹脂組成物を含浸させたガラス
    布と、当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス繊維不
    織布と、当該接着性樹脂組成物を含浸させたガラス布と
    をこの順序で積層したものであり、上記接着性樹脂組成
    物が架橋されてなることを特徴とするフレキシブルプリ
    ント配線板。
  5. 【請求項5】上記接着性樹脂組成物を含浸させたガラス
    繊維不織布が、複数枚積層したものである請求項4記載
    のフレキシブルプリント配線板。
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