JPH0794641B2 - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂組成物

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JPH0794641B2
JPH0794641B2 JP249390A JP249390A JPH0794641B2 JP H0794641 B2 JPH0794641 B2 JP H0794641B2 JP 249390 A JP249390 A JP 249390A JP 249390 A JP249390 A JP 249390A JP H0794641 B2 JPH0794641 B2 JP H0794641B2
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copper foil
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ethylene
polyimide film
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宏 早味
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、接着性樹脂組成物に関し、とくにフレキシブ
ルプリント基板の銅箔とポリイミドフィルムとの接着、
あるいはフレキシブルプリント基板とオーバーレイフィ
ルム等との接着などに使用する接着性樹脂組成物に関す
る。
さらに、本発明は、前記接着性樹脂組成物を接着層とし
て用い、生産性に優れ、半田耐熱性、電気特性に優れ、
しかも吸水による半田耐熱性の劣化のない耐水性に優れ
たフレキシブル回路基板などを提供するものである。
(従来の技術) 近年、電子機器が軽量小型化、高性能化するにつれて、
通常の絶縁被覆電線に代わって、絶縁基板上に金属箔の
配線部を形成したフレキシブル回路基板やテープ電線
が、テレビジョン受信機、オーディオ機器、ビデオ機器
などの民生用電子機器;計測器、電子計算機などの産業
用電子機器;自動車、航空機などの各種配線に使用され
るようになっている。また、昨今の電子回路の複雑化
や、回路基板上への部品実装の高密度化に対応するため
に、フレキシブル回路基板を複数個積層した構造の多層
フレキシブル回路基板なども需要が益々高まりつつあ
る。
フレキシブル回路基板の絶縁性基材には、ポリエチレン
テレフタレートフイルム、あるいはポリイミドフイルム
のような可撓性の高分子フイルムを使用したものや、ガ
ラス布にエポキシ樹脂などの接着性樹脂のワニスを含浸
したもの(プリプレグ)などが知られている。
通常、これらの絶縁性基材は、銅箔を貼合わせて積層し
た後、銅箔層を化学的エッチング処理などの方法により
所要の銅箔回路パターンを形成し、カバーレイフイルム
を貼合わせ、あるいはオーバーレイ層の形成、メッキ、
打抜加工などの工程を経て、これに必要に応じて検査工
程などが加えられてフレキシブル回路基板が製造され
る。
上記のフレキシブル回路基板に電子部品を実装する際に
は、自動半田付け工程を経る場合が多いが、この場合に
は、通常、260℃乃至280℃又はそれ以上の半田耐熱性が
要求される。また、その他の一般的な特性として、エッ
チング耐性、耐熱老化性、電気特性、耐薬品性、難燃
性、引裂強さなども要求されている。
絶縁性基材、カバーレイフイルムの半田耐熱性に関して
は、ポリエチレンテレフタレートフイルムは材料価格は
安いが、半田耐熱性に劣る欠点があり、半田耐熱性の不
要な限られた用途で使用される。これに対して、ポリイ
ミドフイルムは、半田耐熱性に優れ、しかも難燃性であ
るため、現在、フレキシブル回路基板の絶縁性基材やカ
バーレイフイルムとして最も多用されるに至っている。
一方、ガラス布は、それ自体は半田耐熱性に優れ、難燃
性であり、しかもポリイミドフイルムに比べると、材料
価格は安い利点がある反面で、銅箔との貼合わせ、接着
を行うためには、エポキシ樹脂などの接着性樹脂のワニ
スを含浸して使用する必要があるめ、接着工程の前に含
浸工程と溶剤の乾燥工程が別途必要になる等製造コスト
の面では不利になる問題がある。
絶縁性基材と銅箔との貼合わせには、通常、熱硬化型接
着剤が使用されており、特にポリイミドフイルムと銅箔
との接着剤としては、例えばエポキシ−ノボラック系樹
脂(ダウ・ケミカル社製DEN438など)、シリコーン樹脂
(ダウ・コーニング社製DC282など)、ニトリル−フェ
ノール系樹脂(ビィ・エフ・グッドリッチ社製プラスチ
ロック605など)、ポリエステル系樹脂(USM社製ボスチ
ック7151+ボスコデュール1など)、アクリル系樹脂
(ビィ・エフ・グッドリッチ社製ハイカー2679X6、ロー
ム・アンド・ハース社製ホプレックスLC40、UCC社ユカ
ール370など)が知られている(工業材料,vol.21,No.1
0,p28,1981)。
上記の接着剤をポリイミドフイルムと銅箔との貼合わ
せ、およびカバーレイフイルムの貼合わせ用の接着剤と
して使用すれば、290℃の半田耐熱性を有するフレキシ
ブル回路基板を製造できる。
ところが、上記の接着剤は、接着、硬化を完了せしめる
のに高温と長時間を必要とする問題がある。例えば、エ
ポキシ−ノボラック系樹脂の場合においては、接着剤の
硬化反応を完了せしめるために180〜200℃の高温で30〜
60分間も熱圧着する必要があり、生産性の観点から好ま
しいとは言えない。
この問題は、エポキシ樹脂などの接着性樹脂のワニスを
含浸したガラス布を絶縁性基材として使用する場合も全
く同様である。すなわち、接着性樹脂のワニスとして使
用されているものは、殆どが熱硬化型接着剤であり、銅
箔との貼合わせには、同様に高温、長時間を要し、生産
性の向上が図れない問題がある。
また、上記の熱硬化型接着剤を使用したフレキシブル回
路基板は耐水性にも問題がある。すなわち、製造直後は
290℃の半田耐熱性を有するフレキシブル回路基板であ
っても、例えば、室温の水に24時間浸漬した後に、半田
耐熱試験を行うと、ポリイミドフイルム基材あるいはカ
バーレイフイルムが部分的に剥離し、半田耐熱性が吸水
によって著しく劣化する問題がある。
一方、銅箔、ポリイミドフイルム、ガラス布に限らず、
被着物間の接着を比較的低温で、しかも短時間で行うこ
とができる接着剤として、ホットメルト型接着剤が知ら
れている。
ホットメルト型接着剤は、熱可塑性樹脂をベースとし、
これに必要に応じて、可塑剤、接着付与剤、酸化防止剤
などを混合した固形の接着剤である。接着に応用する場
合には、ホットメルト型接着剤をアプリケータなどで溶
融し、披着体に塗布、圧着する。ホットメルト型接着剤
は室温への冷却によって固化するため、接着は瞬時に完
了する利点がある。
ホットメルト型接着剤の種類としては、エチレンのホモ
ポリマーおよびコポリマー、スチレンとブタジエンなど
とのブロックコポリマー(熱可塑性ゴム)、ポリアミン
系、ナイロン系、ポリエステル系、ブチルゴム系など知
られており、また粘着付与剤としては、ロジンおよびそ
のエステル誘導体、水添ロジンおよびそのエステル誘導
体、石油系炭化水素樹脂などが、また、可塑剤としてパ
ラフィンワックス類などが、酸化防止剤としてはヒンダ
ードフェノール類、亜リン酸塩類などが使用されてい
る。
このホットメルト型接着剤をポリイミドフイルムと銅箔
との接着に利用すれば、接着を瞬時に終了せしめ得るこ
とは容易に類推できる。例えば、エチレン−酢酸ビニル
共重合体系ホットメルト型接着剤などの溶融物をポリイ
ミドフィルムに、約40μmの厚みに塗布し、銅箔と120
〜180℃で1分間圧着後、冷却すれば、銅箔とポリイミ
ドフィルムの貼合わせが可能であった。
ところが、上記のホットメルト型接着剤により形成した
ポリイミドフィルム・銅箔積層体は、例えば、260℃の
半田槽に2秒間浸漬すると、ポリイミドフィルムと銅箔
が完全に剥離してしまう問題や、銅箔のエッチング時に
も銅箔が部分剥離するなどの問題があり、単に、ホット
メルト系接着剤を応用するだけでは、半田耐熱性の優れ
たフレキシブル回路基板を製造することができない。
(発明が解決しようとする課題) 以上説明したように、フレキシブル回路基板には、半田
耐熱性のなどの観点からポリイミドフイルムを絶縁性基
材、カバーレイフイルムに使用したものが多用されてい
るがポリイミドフイルム基材と銅箔回路、カバーレイフ
イルムとの貼合わせ用接着剤には、接着強度と半田耐熱
性の良好なものが多く知られており、利用されている
が、一般に熱硬化型接着剤が使用されているため、接着
工程に高温、長時間を要し、生産性が悪く、しかも熱硬
化型接着剤を使用して得られるフレキシブル回路基板
は、吸水による半田耐熱性の劣化の問題がある。
また、瞬時接着の可能なホットメルト型接着剤を使用す
ると、短時間で行えて接着工程における生産性が向上す
る共に、初期接着力の良好なものが得られる反面、半田
耐熱性が悪くて、半田耐熱性やエッチング耐性の優れた
基板が得られない問題がある。
以上のような理由で、生産性が良く、かつ半田耐熱性も
優れ、しかも吸水による半田耐熱性の劣化の少ない耐水
性の優れたフレキシブル回路基板の開発が望まれてい
た。
しかも、上記回路基板の製造に適する短時間での接着が
可能で、初期接着力が大きく、しかも半田耐熱性も優れ
る接着剤は殆ど知られていないのが現状である。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、
エチレン−エチルアクリレート共重合体にアルコキ
シシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラフ
ト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)とを主たる成
分とする接着性樹脂組成物を、 また、 難燃材(C)を含む接着性樹脂組成物をポリ
イミドフィルムと銅箔との接着剤として使用すれば、初
期接着力に優れ、かつ半田耐熱性に優れたポリイミドフ
ィルム−銅箔積層体が得られ、しかも該組成物が電離放
射線照射されると、その積層体を使用したフレキシブル
回路基板やテープ電線は生産性、半田耐熱性、耐水性等
の特長の優れたものとなることを見出し、かかる知見に
基づき本発明を完成せしめるに至った。
すなわち、本発明は: エチレン−エチルアクリレート共重合体にアルコキ
シシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラフ
ト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)とを主たる成
分とすることを特徴とする、接着性樹脂組成物を提供す
る。また、 さらに、難燃剤(C)をも含む、接着性樹脂組成物
を提供する。
以下、本発明を具体的に説明する。
A.本発明の接着性樹脂組成物の特徴: (i)エチレン−エチルアクリレート共重合体にアルコ
キシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラ
フト重合体樹脂(A): エチレン−エチルアクリレート系共重合体に、例えばt
−ブチル−パーオキシベンゾエートなどのラジカル重合
触媒の存在下に、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランなどのアルコキシシラン基含有不飽和単量体
をニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機などを使
用して溶融混合あるいは加熱混練する、熱溶融グラフト
法(例えば、特公昭60−3096号公報など)や、脂肪族又
は芳香族炭化水素系溶媒の存在下で、加温(約50〜150
℃)して行う溶液グラフト法など公知のグラフト法が採
用でき、特に限定の必要はないが、熱溶融グラフト法が
操作の容易性の点などから好ましく使用できる。
(ii)エチレン−エチルアクリレート共重合体中のエチ
ルアクリレート単位の含有量は1〜35重量%、好ましく
は2〜30重量%、とくに好ましくは5〜25重量%の範囲
に、かつメルトフローレートは190℃、荷重2,160gで0.3
〜30、また、エチレン−エチルアクリレート共重合体上
にグラフトされるアルコキシシラン基含有不飽和単量体
のグラフト量は0.01〜3重量%、好ましくは0.02〜0.2
重量%の範囲に設定すれば、樹脂組成物とした場合の溶
融流動性、剥離強度の点で好ましい結果が得られる。
上記の場合に、前記グラフト量が0.01重量%以下では接
着性が不充分となり、シラングラフト変性の効果が十分
に発揮されない。一方、3重量%を超えると、接着剤と
しての流動性が低下するとともに接着性も悪くなる。
(iii)前記エチレン−エチルアクリレート共重合体と
しては、エチレンとエチルアクリレートとの共重合体単
独、並びにその機能を損なわない範囲の少量で、該共重
合体にさらに他の第三のオレフイン系化合物(例えば、
塩化ビニル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸など)を共重合したものも含まれ
る。とくにエチレンとエチルアクリレートとの共重合体
が好ましく使用できるが、これに限定されるものではな
く、エチレン−メチルアクリレート共重合体やエチレン
−メチルメタクリレート共重合体に上記のようなアルコ
キシシランをグラフトした共重合体も使用できる。ま
た、前記の第三のオレフイン系化合物を共重合体させる
代りに、アルコキシシラン基含有不飽和単量体のグラフ
ト時に、同時に存在させ、グラフト共重合させてもよ
い。
(iv)前記エチレン−エチルアクリレート共重合体にグ
ラフト重合されるアルコキシシラン基含有不飽和単量体
としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキ
シ)シランなどのビニルアルコキシシラン類;γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン,アクリロキシ
プロピルトリエトキシシランなどのアクリル系アルコキ
シシラン類を挙げることができるが、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランが好ましい。
(v)なお、アルコキシシラン基含有不飽和単量体をグ
ラフトしたその他の樹脂としては、アルコキシシラン基
含有不飽和単量体グラフトのエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂やアルコキシシラン基含有不飽和単量体グラフト
のポリエチレン樹脂などが知られているが、アルコキシ
シラングラフトのポリエチレン樹脂は、銅箔との接着力
が小さく、アルコキシシラングラフトのエチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂は樹脂自体の水分吸収による溶融特性
の変化などの問題がある。
(vi)多価不飽和単量体(B)としては、エチレングリ
コールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、シアヌル酸トリアクリレー
ト、トリアクリルホルマールなどのアクリル系の多官能
性単体;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、トリメリット酸トリアリル、ジエチレングリ
コールジアリルエーテルなどのアリル系多官能性単量体
などのほかに;アクリル変成ビスフェノール誘導体、ア
クリル変成エポキシ系オリゴマー、アクリル変成エステ
ルオリゴマー類、アクリル変成ノボラック樹脂誘導体、
アリリデンペンタエリスリトール誘導体、ジアリリデン
ペンタエリスリトール誘導体、アクリル変成ジアリリデ
ンペンタエリスリトール誘導体、不飽和ポリエステル変
成ジアリリデンペンタエリスリトール誘導体などのスピ
ロアセタール誘導体;アクリル変成ブタジエンオリゴマ
ーなどのオリゴマー類を挙げることができる。これらの
群から選ばれる一種もしくは二種以上の化合物を混合し
て添加することもできる。
(vii)さらに難燃剤(C)としては、テトラブロモビ
スフェノールなどの臭素化ビスフェノール誘導体、デカ
ブロモジフェニルエーテル誘導体、パークロロペンタシ
クロデカンなどの含ハロゲン系難燃剤や含リン系難燃剤
や水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機
難燃剤のほか、必要に応じて、三酸化アンチモン、ホウ
酸亜鉛、酸化モリブデンなどの難燃助剤を添加して使用
することが可能である。
(viii)エチレン−エチルアクリレート共重合体にアル
コキシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグ
ラフト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)及び難燃
剤(C)との混合は、オープンロールミキサーの他、単
軸、もしくは多軸の混合機などが使用できる。
前記(A)成分と(B)成分との混合比は、特に限定を
要しないが、望ましい範囲としては、前記(A)成分/
(B)成分の重量比で、99/1〜50/50の範囲である。
難燃剤(C)の混合比は特に制限されないが、一般に難
燃化の目的に沿って適宜選択される。
(ix)本発明で使用する樹脂組成物には、その機能を損
なわない範囲で、「従来の技術」の項で例示したような
少量の他のホットメルト型接着剤ならびに粘着付与剤を
配合しうる。また、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤
などの種々の添加剤を適宜添加できる。
B.フレキシブル回路基板の製造法。
(i)エチレン−エチルアクリレート共重合体にアルコ
キシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラ
フト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)とを主なる
成分とする接着性樹脂組成物、或いは更に難燃剤(C)
をも含む接着性樹脂組成物を溶融押出法または塗布法な
どの方法によって、ポリイミドフイルム基材上にフイル
ム状に押出し、貼合わせた後に銅箔と熱圧着すると、瞬
時にポリイミドフイルムと銅箔の貼合わせが可能とな
る。
(ii)この貼合わせの後、電離放射線を照射してこの接
着性樹脂組成物を架橋すると、エッチング耐性、難燃性
に優れたポリイミドフイルム銅箔積層体が得られる。
この積層体は、さらに、塩化第二鉄水溶液などによ化学
的エッチング法など既知の方法によって所望の銅箔回路
パターンを形成することができ、その際に、銅箔回路の
剥離や、銅箔の溶出によって露出した接着性樹脂組成物
の腐食の問題もない。
(iii)次に、当該回路基板上にポリイミドフイルムか
らなるカバーレイフイルムを貼合わせる。
すなわち、まず、ポリイミドフイルムからなるカバーレ
イフイルムに、エチレン−エチルアクリレート共重合体
にアルコキシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合
したグラフト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)と
を主な成分とする接着性樹脂組成物、或いは更に難燃材
(C)をも含む接着性樹脂組成物を溶融押出法などの方
法によって、ポリイミドフイルム上にフイルム状に押出
し、所定の大きさに打抜き、穴あけなどの加工後に、前
記銅箔回路を形成した回路基板上に貼合わせて、熱ロー
ル又は熱プレスなどにより熱圧着すると、瞬時にカバー
レイフイルムの貼合わせが可能となる。
この場合、カバーレイフイルム上への接着性樹脂組成物
の接着層(フイルム)の厚みは10〜100μmの範囲の任
意の厚みで良い。
(iv)ポリイミドフイルムからなるカバーレイフイルム
の貼合わせ前に、上記接着性樹脂組成物を電離放射線な
どの方法により予め部分的に架橋させると、これら銅箔
回路との貼合わせ、熱圧着の際に問題になる接着性樹脂
組成物の前記カバーレイフイルムの端部からの流れ出し
による食み出し等の問題も回避することが可能である。
(v)このカバーレイフイルムとの貼合わせ後に、さら
に電離放射線の照射を行うと、本発明のフレキシブル回
路基板が得られるのである。
さらに、詳しく説明する。
カバーレイフイルムの貼り合わせの前段階における。接
着性樹脂組成物層への上記電離放射線の照射は、熱圧着
の後に行う電離放射線の照射と同じ種類の放射線でも異
なった種類でも良いが、例えば電子線を0.1〜10Mradの
範囲、さらに望ましくは1〜6Mradの範囲で照射する。
この場合に、0.1Mrad未満では、接着層の食み出し抑制
効果が不十分であり、10Mradを超えるとフレキシブル回
路基板と十分な剥離強度が得られない。
フレキシブル回路基板とカバーレイフィルムの熱ロール
圧着は、接着層が電離放射線の照射が施されていない場
合、ロール温度として120〜180℃の温度での設定が望ま
しいが、接着層に電離放射線の照射が施された場合に
は、150〜200℃の温度での設定が望ましい。
C.本発明のフレキシブル回路基板の特徴: (i)本発明のフレキシブル回路基板は、280℃の半田
浸漬によってもポリイミドフイルム基材、カバーレイフ
イルムの膨れや剥離が見られない。
また、室温の水に24時間浸漬後に、同様の半田耐熱性の
試験を行っても、初期の半田耐熱性を保持する耐水性の
優れたものである。
(ii)電気的特性においても、例えば、銅箔部を回路幅
0.2mm、回路間隔0.2mmになるようにエッチングしてスト
ライプ状パターンを形成し、相隣合うパターン間の静電
容量を測定すると、従来のエポキシ系の熱硬化型接着剤
を使用したものでは、およそ20pF/mであるのに対して、
本発明の回路基板では、12〜15pF/mに低減でき、より高
周波側の信号の伝送にも対応することが可能である。
D.電離放射線の照射。
(i)本発明による電離放射線の照射には、本発明の接
着性樹脂組成物に、銅箔とポリイミドフイルム基材との
貼合わせ、あるいは銅箔回路とカバーレイポリイミドフ
イルムとの貼合わせ前に施す場合と上記貼合わせ熱圧着
後に施す場合とが含まれる。
(ii)本発明に使用する電離放射線に関しては、電子線
(β線)のみならず、α線、γ線、紫外線、X線などの
利用が可能であるが、電離放射線の透過厚み、所要照射
線量と照射時間の関係など工業的利用という見地から
は、特に電子線の利用が望ましい。
電離放射線の照射に関しては、透過厚みの関係上、電子
線を使用する場合には、電子線の加圧電圧としては、20
0kV〜2MeVの範囲が望ましい。
(iii)一方、電離放射線の照射量に関しては、3〜30M
rad照射すれば接着性樹脂組成物の硬化が完了し、半田
耐熱性やエッチング耐性、耐溶剤性などの優れたフレキ
シブル回路基板が得られた。
この場合に、3Mrad以下の照射線量では、接着性樹脂組
成物の硬化が不十分であり、また、30Mradを超えると、
半田耐熱性の点では問題がないが、ポリイミドフイルム
と銅箔との接着強度が低下する問題があった。
(作用) 以上のように、 本発明の接着性樹脂組成物に予め適
宜量の電離放射線の照射を施したので、 (イ)カバーレイフイルムの前記接着性樹脂組成物の食
み出しの問題がない。
(ロ)さらに、カバーレイフイルムと銅箔回路との接着
工程などを接続的に且つ短時間で行うことができる。
(ハ)また、回路基板とカバーレイフイルムとの剥離強
度、半田耐熱性などで特性の優れたフレキシブル回路基
板が得られる。
本発明において、エチレン−エチルアクリレート共
重合体にアルコキシシラン基含有不飽和単量体をグラフ
ト重合したグラフト重合体(A)成分のみを使用した場
合には、初期接着力の優れた回路基板が得られるが、電
子線照射を施した場合でも、半田耐熱性の優れたものは
得られない。
また、多価不飽和単量体(B)成分だけを接着剤と
して使用した場合には、初期接着性の優れた回路基板体
が得られない。
以下、実施例をもって本発明を詳細に説明するが、これ
らは本発明を制限するものでない。
(実施例A) <接着性樹脂組成物の接着性試験> ポリイミドフィルムとしては、東レ・デュポン(株)社
製・カプトン100H(商品名)、厚み25μを用い、且つ銅
箔としは、電解銅箔、厚み35μを使用した。
エチレン−エチルアクリレート共重合体にアルコキシシ
ラン基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラフト重
合体〔単にシラングラフト(変成)エチレン共重合体樹
脂と略称する〕(A)と分子内に複数個の不飽和結合分
を有する単量体もしくはオリゴマーの混合物(B)〔単
に多価不飽和単量体と称する〕とを、ロールミキサーで
混合した後、ポリイミドフィルム上にホットアプリケー
ターを使用して、厚み35μに塗布し、冷却固化せしめ、
接着剤層を形成した。
この接着剤層に銅箔を密着し、150℃の熱プレスで圧着
した後、電離放射線の照射によって接着を完了するの
に、加速電圧400KVの電子線をポリイミドフィルム面よ
り照射した。
接着後の評価は、剥離試験、(補強板式)および半田槽
浸漬後(半田槽温度:280℃、浸漬時間:30秒)の試料の
観察により実施した。
以下、実施例Aを第1表、比較例Aを第2表にまとめて
示した。
使用したシラングラフト(変成)エチレン共重合体樹脂
(A)は下記のとおりのものである: *1:エチルアクリレート含量19%、メルトインデックス
5のエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
に、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランをt−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジ
カル触媒としてグラフトたグラフト変成樹脂。
*2:エチルアクリレート含量11%、メルトインデックス
2のエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
に、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランをt−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジ
カル触媒としてグラフトしたグラフト変成樹脂。
*3:エチルアクリレート含量19%、メルトインデックス
20のエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
に、2重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランをt−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジ
カル触媒としてグラフトしたグラフト変成樹脂。
(実施例B) <フレキシブル回路基板の製造とその性能試験> 絶縁基材、カバーレイフイルムに使用するポリイミドフ
イルムは、カプトン100H(25μm厚み、東レ・デュポン
社製)、銅箔には電解銅箔(35μm厚み)を使用した。
各実施例の試料の作製方法は次の通りである。
1)ポリイミドフイルム基材上に第3〜4表に記載の接
着性樹脂組成物を厚み40μmに第3〜4表に指示の押出
温度で溶融押出法により形成する。
2)前記接着層付きポリイミドフイルム基材と銅箔と第
3〜4表に指示の接着温度、圧力、接着時間で接着す
る。
3)この貼合わせ体を第3〜4表に指示の照射量で電子
線照射をする(この工程は比較例の一部では省略。)。
4)この貼合わせ体の銅箔部をエッチング法で回路幅0.
2mm、回路間隔0.2mmストライブ状回路を形成する。
の4工程を経て回路基板を得る。
次に、5)カバーレイポリイミドフイルム上に第3〜4
表に指示の接着性樹脂組成物を厚み40μmに第3〜4表
に指示の押出温度で溶融押出法により形成する。
6)カバーレイポリイミドフイルム上の接着性樹脂組成
物に第3〜4表に指示の照射量の電子線を照射する(第
3表に記載の電子線の前照射に該当)(この工程は比較
例の一部では省略。)。
7)前記接着層付きカバーレイポリイミドフイルムを回
路基板に第3〜4表に指示の接着温度、圧力、接着時間
で接着する。
8)このこの貼合わせ体を第3〜4表に指示の照射量の
電子線を照射する(この工程は比較例の一部では省
略。)。
の全8工程によってフレキシブル回路基板の試料を形成
する。
さらに、説明する。
(i)第3〜4表に記載の接着性樹脂組成物は、エチレ
ン−エチレンアクリレート共重合体にアルコキシシラン
基含有不飽和単量体をグラフト重合したグラフト重合体
(A)と多価不飽和単量体(B)と、必要に応じて難燃
剤(C)とを、オープンロールミキサーで混合した後、
ペレタイズし、溶融押出法でポリイミドフイルム上に厚
みが40μmになるように押出し、接着層を形成した。
(ii)接着層付きのポリイミドフイルムと銅箔の接着、
並びに接着層付きのカバーレイポリイミドフイルムと銅
箔回路との接着は、熱プレス装置を使用し、電子線照射
は加速電圧1MeVの電子線照射装置を用いた。
(iii)銅箔のパターンニングは、銅箔上に所要のパタ
ーンと同一形状のエッチングレジストを塗布し、塩化第
二鉄水溶液でエッチングレジスト非塗布部を溶解せしめ
た後、エッチングレジストを剥離し、水洗する方法で実
施した。
以下、実施例B、比較例Bをそれぞれ第3〜4表にまと
めて示した。
なお、使用したシラングラフト(変成)エチレン共重合
体樹脂(A)並びに他の成分は下記のとおりのものであ
る: *1:エチルアクリレート含量19%、メルトインデックス
20のエチレン−エチルアクレート共重合体100重量部
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を、t−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジカル触
媒として、グラフト重合したグラフト変成樹脂(グラフ
トされたシラン量0.05重量%)。
*2:エチルアクリレート含量11%、メルトインデックス
5のエチレン−エチルアクリレート共重合体100重量部
に、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
を、t−ブチル−パーオキシベンゾエートをラジカル触
媒としてグラフト重合したグラフト変成樹脂(グラフト
されたシラン量0.07重量%)。
*3:臭素含量=61重量%、 *4:塩素含量=65重量%、 *5:エチルアクリレート含量重量19%、メルトインデッ
クス20、 *6:酢酸ビニル含量28重量%、メルトインデックス15、 *7:グッドリッチ社製商品名、 *8:シェル化学社製商品名、 *9:日本ゼオン社製商品名、 (発明の効果) 本発明の接着性樹脂組成物を使用することによって、ポ
リイミドフィルムと銅箔との接着を短時間に行うことが
でき、しかも、初期接着力と半田耐熱性の両面において
優れているポリイミドフィルム−銅箔積層体を得ること
ができる。
従って、フレキシブルプリント回路基板、フレキシブル
プリント回路基板へのポリイミドフィルムオーバーレイ
の接着などの応用でき、利用価値は非常に大きいものが
ある。
さらに、上記接着性樹脂組成物を接着層として用いる
と、剥離強度、半田耐熱性、電気特性、耐溶剤性に優
れ、吸湿による半田耐熱性の劣化の問題のないフレキシ
ブル回路基板を、短時間の接着工程によって生産性よく
製造でき、フレキシブル回路基板製造分野での利用価値
は非常に大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のフレキシブル回路基板の断面の一例
である。 1:絶縁基材、 2:絶縁基材と銅箔回路の接着層、 3:銅箔回路 4:カバーレイフイルムの接着層、 5:カバーレイフイルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−エチルアクリレート共重合体に
    アルコキシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合し
    たグラフト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)とを
    主たる成分とすることを特徴とする、接着性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】エチレン−エチルアクリレート共重合体に
    アルコキシシラン基含有不飽和単量体をグラフト重合し
    たグラフト重合体(A)と多価不飽和単量体(B)及び
    難燃剤(C)とを主たる成分とすることを特徴とする、
    接着性樹脂組成物。
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