JP6507607B2 - カバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法 - Google Patents

カバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法 Download PDF

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本発明は、カバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法に関する。
近年、自動車の車載用電子機器における電源の供給又は電気信号の伝達には、従来から用いられてきた電線の束からなるワイヤーハーネスに代わり、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」という。)が用いられるようになっている(特許文献1)。該FPCは、ワイヤーハーネスに比べ軽く、薄く、構造材に沿わせて配線を行うことができることから、自動車部品の軽量化及びモジュール化、並びに自動車内部の省スペース化を可能とする。
FPC等の配線板においては、ポリイミド等を主成分とする基板上に形成された銅等からなる配線は、各種原料からなる保護フィルムにより被覆され保護されている。保護フィルムは、通常、接着剤により配線が形成された基板上に、該配線を覆うように貼着される。
しかし、車載用電子機器に用いられるFPCは、150℃程度の高温環境に繰り返し晒されるため、長期間使用により接着剤が劣化しやすい。接着剤が劣化すると、その接着力が低下し、保護フィルムが基板から剥れるため、保護フィルムによる配線保護機能が低下する。
また、車載用電子機器以外のデバイス、例えば、高速処理を行うことができるCPUを有するノートパソコンやスーパーコンピュータ等においても、さらなる小型化、軽量化を図るためFPCが用いられることが増えている。CPUが発する熱により、FPCは高温環境に繰り返し晒されるため、車載用電子機器と同様に、保護フィルムによる配線保護機能が低下する。
これまで、FPCにおける接着剤の劣化に起因する保護フィルムによる配線保護機能の低下に対処するため、接着剤の改良がなされてきている。
例えば、特許文献2には、所定の化学構造を有するポリイミドシロキサンに、少なくとも2つの第1級アミノ基を官能基として有するアミノ化合物を反応させて架橋構造を形成させたポリイミド樹脂が、金属配線との接着力を低下させない接着剤層を形成できることが開示されている。
特開2006−5134号公報 国際公開第2011/077917号
しかし、大気中、150℃、1000時間の長期耐熱性試験においては、特許文献2に記載のポリイミド樹脂からなる接着剤層により接着された基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率は、充分ではない。また、高温環境で繰り返し使用すると、該接着剤層は保護フィルムの変色を引き起こしやすい。
そこで、本発明は、高温環境に繰り返し晒されても、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れ、かつ、保護フィルムの変色が少ないカバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[11]の構成を有するカバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法である。
[1]溶融成形が可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素共重合体(A)を含む、カバーレイ用接着フィルム。
[2]前記含フッ素共重合体(A)が、炭素原子間にカルボニル基を含む炭化水素基、カーボネート基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、及び酸無水物残基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、[1]に記載のカバーレイ用接着フィルム。
[3]前記官能基の含有量が、前記含フッ素共重合体(A)の主鎖炭素数1×10個に対して10〜60000個である、[1]又は[2]に記載のカバーレイ用接着フィルム。
[4]前記含フッ素共重合体(A)の融点が、260〜320℃である、[1]〜[3]のいずれかに記載のカバーレイ用接着フィルム。
[5]保護フィルム上に、[1]〜[4]のいずれかに記載のカバーレイ用接着フィルムが積層されてなる、カバーレイ。
[6]基板と配線と[1]〜[4]のいずれかに記載のカバーレイ用接着フィルムと保護フィルムとを備え、前記基板上に、前記配線、前記カバーレイ用接着フィルム及び前記保護フィルムがこの順で積層されてなる、配線板。
[7]前記配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板(ただし、配線が無い領域)の色差ΔE(透過)が、2.0以下であることを特徴とする、[6]に記載の配線板。
[8]前記配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板のカバーレイ用接着フィルムの色差ΔE(反射)が、5.0以下であることを特徴とする、[6]又は[7]に記載の配線板。
[9]車載パワートレインの車載用電子機器用である、[6]〜[8]のいずれかに記載の配線板。
[10]前記車載パワートレインが、ヘッドランプ基板、トランスミッション又はエンジンである、[9]に記載の配線板。
[11][6]〜[10]のいずれかに記載の配線板を備える電子機器の製造方法であって、前記配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を有することを特徴とする、電子機器の製造方法。
本発明によれば、高温環境に繰り返し晒されても、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れ、かつ、保護フィルムの変色が少ないカバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法を提供することができる。
本明細書において「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに基づく構成単位を意味する。構成単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、重合体を処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
また、「モノマー」とは、重合性不飽和結合、すなわち重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。また、「フッ素モノマー」とは、分子内にフッ素原子を有するモノマーを意味し、「非含フッ素モノマー」とは、分子内にフッ素原子を有しないモノマーを意味する。
<カバーレイ用接着フィルム>
本発明のカバーレイ用接着フィルムは、溶融成形が可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する含フッ素共重合体(A)を含む。
[含フッ素共重合体(A)]
含フッ素共重合体(A)は、溶融成形が可能である。また、含フッ素共重合体(A)は、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基(以下、「官能基(I)」という。)を有する。
(溶融成形可能)
含フッ素共重合体(A)は、溶融成形が可能なものである。「溶融成形が可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
含フッ素共重合体(A)において、該含フッ素共重合体(A)の融点よりも20℃以上高い温度(通常、372℃が採用される。)における溶融流れ速度(Melt Flow Rate:以下、「MFR」という。)は、0.1〜1000g/10分が好ましく、0.5〜100g/10分がより好ましく、1〜30g/10分がさらに好ましく、5〜20g/10分が最も好ましい。
MFRが前記下限値以上であれば、該含フッ素共重合体(A)の成形加工性や、該含フッ素共重合体(A)を用いて形成されたカバーレイ用接着フィルムは、表面平滑性、外観性に優れ、前記上限値以下であれば、該含フッ素共重合体(A)を含有するカバーレイ用接着フィルムは、機械強度に優れる。
MFRの値は、含フッ素共重合体(A)の分子量の指標にもなり、MFRが速いと分子量が小さく、MFRが遅いと分子量が大きいことを示す。含フッ素共重合体(A)のMFR及び分子量は、含フッ素共重合体(A)の製造条件によって調整できる。例えば、モノマーの重合時に重合時間を短縮すると、MFRが大きくなる傾向にある。
(官能基(I))
含フッ素共重合体(A)は、官能基(I)を有する。
官能基(I)を有することで、カバーレイ用接着フィルムと保護フィルムとの間の密着性が向上する。これは、官能基(I)が、ポリイミドが有する官能基、例えば、カルボニル基との間で化学的な相互作用が生じることによるものと推定される。
含フッ素共重合体(A)が有する官能基(I)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
含フッ素共重合体(A)は、官能基(I)の中でも、カルボニル基含有基を有するものが好ましい。
また、含フッ素共重合体(A)は、官能基(I)を、主鎖末端に有していてもよく、側鎖に有していてもよく、これら両方に有していてもよい。
主鎖末端基としての官能基(I)としては、アルコキシカルボニル基、カーボネート基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、フルオロホルミル基、酸無水物残基等が好ましい。これらの官能基は、含フッ素共重合体(A)の製造時に用いられるラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等を適宜選択することにより導入できる。
なお、本明細書において主鎖とは、鎖式化合物の主要な炭素鎖であり、一般に、炭素数が最大となる幹にあたる部分を指す。
含フッ素共重合体(A)中の官能基(I)の含有量は、含フッ素共重合体(A)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個が好ましく、100〜50000個がより好ましく、100〜10000個がさらに好ましく、300〜5000個が特に好ましい。
官能基(I)の含有量が前記下限値以上であれば、カバーレイ用接着フィルムと保護フィルムとの間の密着性がより優れたものとなり、前記上限値以下であれば、低い加工温度で保護フィルムとの密着性をより高められる。
前記官能基(I)の含有量は、核磁気共鳴(NMR)分析、赤外吸収スペクトル分析等の方法により、測定できる。例えば、特開2007−314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて、含フッ素共重合体(A)を構成する全構成単位中の官能基(I)を有する構成単位の割合(モル%)を求め、該割合から、官能基(I)の含有量を算出することができる。
以下、官能基(I)の中でも、カルボニル基含有基について詳述する。
カルボニル基含有基は、構造中にカルボニル基(−C(=O)−)を含む基であり、例えば、炭素原子間にカルボニル基を含む炭化水素基、カーボネート基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基等が挙げられる。
炭素原子間にカルボニル基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、炭素数2〜8のアルキレン基等が挙げられる。
カーボネート基としては、パーオキシカーボネート基(−O−C(=O)−O−O−C(=O)−O−)等が挙げられる。
ハロホルミル基は、−C(=O)−X(Xはハロゲン原子である。)で表される。ハロホルミル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。すなわち、ハロホルミル基としてはフルオロホルミル基(カルボニルフルオリド基ともいう。)が好ましい。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は、炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が特に好ましい。
酸無水物残基としては、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有するモノマー(以下、「AMモノマー」という。)により形成される基が挙げられ、具体的には、無水イタコン酸(以下、「IAH」という。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」という。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」という。)、無水マレイン酸により形成される基等が挙げられる。中でも、IAH、CAH及びNAHからなる群から選ばれる1種以上により形成される基が好ましく、IAH又はCAHにより形成される基がより好ましい。
カルボニル基含有基を有する含フッ素共重合体の具体例としては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」という。)に基づく構成単位(a1)と、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーに基づく構成単位(a2)と、含フッ素モノマー(ただし、TFEを除く。)に基づく構成単位(a3)とを含有する共重合体(以下、「含フッ素共重合体(A1)」という。)が挙げられる。
ここで、構成単位(a2)が有する酸無水物残基が、官能基(I)に相当する。
以下、含フッ素共重合体(A1)の各構成単位について詳述する。
(含フッ素共重合体(A1))
構成単位(a1):
構成単位(a1)は、TFEに基づく構成単位である。
構成単位(a2):
構成単位(a2)を形成する酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーとしては、IAH、CAH、NAH、無水マレイン酸等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
上記の中でも、IAH、CAH、NAHからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。IAH、CAH、NAHからなる群から選ばれる1種以上を用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11−193312号公報参照。)を用いることなく、酸無水物残基を含有する含フッ素共重合体(A)を容易に製造できる。
IAH、CAH、NAHの中でも、保護フィルムとの密着性がより優れる点から、NAHが好ましい。
構成単位(a3):
構成単位(a3)を形成する含フッ素モノマーとしては、重合性二重結合を1つ有する含フッ素化合物が好ましく、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」という。)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」という。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」という。)等のフルオロオレフィン(ただし、TFEを除く。)、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)、CF=CFORf2SO(ただし、Rf2は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xはハロゲン原子又は水酸基。)、CF=CFORf3CO(ただし、Rf3は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xは水素原子又は炭素数3以下のアルキル基。)、CF=CF(CFOCF=CF(ただしpは1又は2。)、CH=CX(CF(ただし、Xは水素原子又はフッ素原子、qは2から10の整数、Xは水素原子又はフッ素原子。)、及びペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1、3−ジオキソラン)等が挙げられる。
これら含フッ素モノマーの中でも、VdF、CTFE、HFP、CF=CFORf1、及びCH=CX(CFからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、CF=CFORf1、HFPがより好ましい。
CF=CFORf1としては、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」という。)が好ましい。
CH=CX(CFとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH等が挙げられ、CH=CH(CFF、又はCH=CH(CFFが好ましい。
各構成単位の含有量:
含フッ素共重合体(A)は、構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との合計モル量に対して、構成単位(a1)が50〜99.89モル%で、構成単位(a2)が0.01〜5モル%で、構成単位(a3)が0.1〜49.99モル%であることが好ましく、構成単位(a1)が50〜99.4モル%で、構成単位(a2)が0.1〜3モル%で、構成単位(a3)が0.5〜49.9モル%であることがより好ましく、構成単位(a1)が50〜98.9モル%で、構成単位(a2)が0.1〜2モル%で、構成単位(a3)が1〜49.9モル%であることが特に好ましい。
各構成単位の含有量が前記範囲内であると、含フッ素共重合体(A)が耐熱性、耐薬品性に優れ、これを含むカバーレイ用接着フィルムが高温での弾性率に優れる。
特に、構成単位(a2)の含有量が前記範囲内であると、含フッ素共重合体(A)の有する酸無水物残基の量が適切な量となり、保護フィルムとの間の密着性に優れる。
構成単位(a3)の含有量が前記範囲内であると、含フッ素共重合体(A)は成形性に優れ、これを含むカバーレイ用接着フィルムが耐ストレスクラック性等の機械物性により優れる。
各構成単位の含有量は、含フッ素共重合体(A)の溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析等により算出できる。
なお、含フッ素共重合体(A)が構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)とからなる場合、構成単位(a2)の含有量が、構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との合計モル量に対して0.01モル%とは、該含フッ素共重合体(A)中の構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)部分の酸無水物残基の含有量が含フッ素共重合体(A)中の構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)部分の主鎖炭素数1×10個に対して100個であることに相当する。また、構成単位(a2)の含有量が、構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との合計モル量に対して5モル%とは、該含フッ素共重合体(A)中の酸無水物残基の含有量が含フッ素共重合体(A)の主鎖炭素数1×10個に対して50000個であることに相当する。
構成単位(a2)を有する含フッ素共重合体(A)には、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーが一部加水分解し、その結果、酸無水物残基に対応するジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等。)に基づく構成単位が含まれる場合がある。該ジカルボン酸に基づく構成単位が含まれる場合、該構成単位の含有量は、構成単位(a2)に含まれるものとする。
構成単位(a4):
含フッ素共重合体(A1)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に加えて、非含フッ素モノマー(ただし、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーを除く。)に基づく構成単位(a4)を有していてもよい。
構成単位(a4)を形成する非含フッ素モノマー(ただし、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーを除く。)としては、重合性二重結合を1つ有する非含フッ素化合物が好ましく、例えば、エチレン、プロピレン等の炭素数3以下のオレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。
中でも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルが好ましく、エチレンが特に好ましい。
含フッ素共重合体(A)が構成単位(a4)を有する場合、構成単位(a4)の含有量は、構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)の合計量に対して5〜90モル%が好ましく、5〜80モル%がより好ましく、10〜65モル%が最も好ましい。
含フッ素共重合体(A1)の具体例:
含フッ素共重合体(A1)としては、TFE/PPVE/NAH共重合体、TFE/PPVE/IAH共重合体、TFE/PPVE/CAH共重合体、TFE/HFP/IAH共重合体、TFE/HFP/CAH共重合体、TFE/VdF/IAH共重合体、TFE/VdF/CAH共重合体、TFE/CH=CH(CFF/IAH/エチレン共重合体、TFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体、TFE/CH=CH(CFF/IAH/エチレン共重合体、TFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体等が挙げられる。
(含フッ素共重合体(A)の融点)
含フッ素共重合体(A)の融点は、260〜320℃が好ましく、280〜320℃がより好ましく、290〜315℃がさらに好ましく、295〜310℃が最も好ましい。含フッ素共重合体(A)の融点が前記下限値以上であれば耐熱性に優れ、前記上限値以下であれば、成形性に優れる。
含フッ素共重合体(A)の融点は、当該含フッ素共重合体(A)を構成する構成単位の種類や含有割合、分子量等によって調整できる。例えば、後述する構成単位(a1)の割合が多くなるほど、融点が上がる傾向にある。
[カバーレイ用接着フィルムの製造方法]
カバーレイ用接着フィルムは、常法により製造できる。例えば、含フッ素共重合体(A)、及び必要により添加剤を配合して混練して含フッ素樹脂組成物とし、押出成形、インフレーション成形等の公知の成形法によりフィルム状に成形することにより製造できる。
また、カバーレイ用接着フィルムの表面、例えば、保護フィルムと接する面は、保護フィルムとの接着性を高めるために、表面処理が施されてもよい。表面処理方法は、特に限定されず、コロナ放電処理、プラズマ処理等の公知の表面処理方法が挙げられる。
また、カバーレイ用接着フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば、5〜100μmが好ましい。
(含フッ素共重合体(A))
含フッ素共重合体(A)は、常法により製造できる。
官能基(I)を有する含フッ素共重合体(A)の製造方法としては、例えば、(1)重合反応で含フッ素共重合体(A)を製造する際に、官能基(I)を有するモノマーを使用する方法(以下、「方法(1)」という。)、(2)官能基(I)を有するラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を用いて、重合反応で含フッ素共重合体(A)を製造する方法(以下、「方法(2)」という。)、(3)官能基(I)を有しない含フッ素共重合体を加熱して、該含フッ素共重合体を部分的に熱分解することで、反応性官能基(例えば、カルボニル基)を生成させ、官能基(I)を有する含フッ素共重合体(A)を得る方法、(4)官能基(I)を有しない含フッ素共重合体に、官能基(I)を有するモノマーをグラフト重合して、該含フッ素共重合体に官能基(I)を導入する方法等が挙げられる。
中でも、接着力向上の点から、方法(1)が好ましい。
重合方式としては、塊状重合方式、フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合方式、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶剤とを使用する懸濁重合方式、水性媒体と乳化剤とを使用する乳化重合方式等が挙げられる。中でも、溶液重合方式が好ましい。
ラジカル重合開始剤:
ラジカル重合開始剤としては、その半減期が10時間である温度が、0〜100℃である開始剤が好ましく、20〜90℃である開始剤がより好ましい。
具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の非フッ素系ジアシルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカ−ボネート等のペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル、(Z(CFCOO)(ここで、Zは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、rは1〜10の整数である。)で表される化合物等の含フッ素ジアシルペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。
連鎖移動剤:
重合時には、含フッ素共重合体(A)の溶融粘度を制御するために、連鎖移動剤を使用することも好ましい。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボン等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤のうち一方又は両方は、官能基(I)を有する化合物を用いてもよい。これにより、製造される含フッ素共重合体(A)の主鎖末端に、官能基(I)を導入することができる(上述の方法(2))。
このようなラジカル重合開始剤としては、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。また、このような連鎖移動剤としては、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
有機溶媒:
溶液重合方式で使用される有機溶媒としては、ペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、クロロヒドロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル等が用いられる。これらの化合物の炭素数は、4〜12が好ましい。
ペルフルオロカーボンの具体例としては、ペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン等が挙げられる。
ヒドロフルオロカーボンの具体例としては、1−ヒドロペルフルオロヘキサン等が挙げられる。
クロロヒドロフルオロカーボンの具体例としては、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。
ヒドロフルオロエーテルの具体例としては、メチルペルフルオロブチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチル2,2,1,1−テトラフルオロエチルエーテル等が挙げられる。
重合条件:
重合条件は特に限定されず、重合温度は0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。重合時間は1〜30時間が好ましい。
上述の構成単位(a2)を有する含フッ素共重合体(A1)を重合する場合、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーの重合中の濃度は、全モノマーに対して0.01〜5モル%が好ましく、0.1〜3モル%がより好ましく、0.1〜2モル%が最も好ましい。酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーの重合中の濃度が前記下限値以上であれば、含フッ素共重合体(A1)中の構成単位(a2)の含有量を充分に高めることができ、基材、配線及び保護フィルムとの接着性を高められる。一方、前記上限値以下であれば、重合が適切な速度に維持されやすい。
重合中、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーが消費されるに従って、消費された量を連続的又は断続的に重合槽内に該モノマーを供給し、該モノマーの濃度を前記範囲内に維持することが好ましい。
(添加剤)
カバーレイ用接着フィルムは、本発明による作用効果を損なわない範囲で、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、誘電率や誘電正接が低い無機フィラーが好ましい。該無機フィラーとしては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラファイト、炭素繊維、ガラスバルーン、炭素バーン、木粉、ホウ酸亜鉛等が挙げられる。
無機フィラーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機フィラーは、多孔質でも非多孔質でもよい。誘電率や誘電正接がさらに低い点で、多孔質であることが好ましい。
無機フィラーは、含フッ素共重合体(A)への分散性の向上のために、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の表面処理剤による表面処理が施されてもよい。
無機フィラーを含有する場合、カバーレイ用接着フィルム中の無機フィラーの含有量は、含フッ素共重合体(A)に対して0.1〜100質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましい。
<カバーレイ>
カバーレイは、保護フィルム上に、上述のカバーレイ用接着フィルムが積層されてなる。
また、カバーレイは、カバーレイ用接着フィルム側の表面を保護するため、カバーレイ用接着フィルム側にセパレータが積層されていてもよい。なお、セパレータとしては、例えば、紙、PETフィルム等が挙げられる。セパレータを用いれば、カバーレイはロール状にでき、搬送しやすくなる。
[保護フィルム]
保護フィルムの材質は、絶縁性、柔軟性を有するものが好ましい。そのような保護フィルムとしては、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリエーテルイミド系フィルム、ポリアミドイミド系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、ポリイミド系フィルムが好ましい。
以下、ポリイミド系フィルムについて詳述する。
(ポリイミド系フィルム)
ポリイミド:
ポリイミド系フィルムを構成するポリイミドは、特に限定されず、熱可塑性を有しないポリイミドでも、熱可塑性ポリイミドでもよい。
ポリイミドの好適例としては、芳香族ポリイミドが挙げられる。中でも、芳香族多価カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの縮重合で製造される全芳香族ポリイミドが好ましい。
ポリイミドは、一般的に、多価カルボン酸二無水物(又はその誘導体)とジアミンとの反応(重縮合)によって、ポリアミック酸(ポリイミド前駆体)を経由して得られる。
ポリイミド、特に、芳香族ポリイミドは、その剛直な主鎖構造により溶媒等に対して不溶であり、また不融である。そのため、まず、多価カルボン酸二無水物とジアミンとの反応により、有機溶媒に可溶なポリイミド前駆体(ポリアミック酸、又はポリアミド酸)を合成し、このポリアミック酸の段階で様々な方法で成形加工が行われる。その後、ポリアミック酸を加熱又は化学的な方法で脱水反応させて環化(イミド化)し、ポリイミドを得る。
芳香族多価カルボン酸二無水物:
芳香族多価カルボン酸二無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、非芳香族系の多価カルボン酸二無水物であるエチレンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物も、芳香族系のものと遜色なく用いることができる。
これらは単独又は2種以上混合して用いられる。
芳香族ジアミン:
芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、4,4’−ビス〔3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ジフェニルエーテル、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノン、4,4’−ビス〔4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、ビス〔4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル〕スルホン、1,4−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ〕−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン、1,3−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル〕ベンゼン等が挙げられる。
これらは単独又は2種以上を混合して使用される。
(添加剤)
保護フィルムは、本発明による作用効果を損なわない範囲で、添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、誘電率や誘電正接が低い無機フィラーが好ましい。該無機フィラーとしては、カバーレイ用接着フィルムの説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
無機フィラーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機フィラーは、多孔質でも非多孔質でもよい。誘電率や誘電正接がさらに低い点で、多孔質であることが好ましい。
無機フィラーは、ポリイミドへの分散性の向上のために、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の表面処理剤による表面処理が施されてもよい。
無機フィラーを含有する場合、保護フィルム中の無機フィラーの含有量は、ポリイミドに対して0.1〜100質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましい。
(保護フィルムの厚み)
保護フィルムの厚みは、特に限定されず、例えば、5〜100μmが好ましい。
[カバーレイの製造方法]
カバーレイは、通常、セパレータ上に、カバーレイ用接着フィルムと保護フィルムを順次積層し、圧着して製造するが、この限りではない。例えば、後述する配線板の作製まで連続して作製する場合、カバーレイは、配線を形成した基板上に、該配線を覆うように、カバーレイ用接着フィルムと保護フィルムを順次積層し、圧着して製造できる。
用いるカバーレイ用接着フィルム、保護フィルム及びセパレータ等は、上記「カバーレイ用接着フィルム」及び「カバーレイ」の項で説明したものと同様である。
なお、保護フィルムの表面、例えば、カバーレイ用接着フィルムと接する面は、バーレイ用接着フィルムとの接着性を高めるために、表面処理が施されてもよい。表面処理方法としては特に限定されず、コロナ放電処理、プラズマ処理等の公知の表面処理方法等が挙げられる。
(圧着方法)
圧着方法は、特に限定されないが、密着性を向上させる観点から、熱プレス装置等を用いて熱圧着する方法が好ましい。
熱圧着する際の温度は295〜420℃が好ましく、300〜400℃がより好ましい。温度が前記下限値以上であれば、密着性をさらに向上させることができ、一方、前記上限値以下であれば、熱安定性に優れる。
また、圧力は0.3〜30MPaが好ましく、0.5〜20MPaがより好ましく、1〜10MPaが最も好ましい。また、圧着時間は3〜240分が好ましく、5〜120分がより好ましく、10〜80分が最も好ましい。
また、熱プレスは、プレス板、ロール等を用いて行うことができる。プレス板としては、ステンレス鋼板が好ましい。
<配線板>
本発明の配線板は、上述のカバーレイを備えている限り、その構成は特に制限されない。例えば、本発明の配線板の好ましい形態は、少なくとも、基板と配線と上述のカバーレイ用接着フィルムと保護フィルムとを備え、前記基板上に、前記配線、前記カバーレイ用接着フィルム及び前記保護フィルムがこの順で積層されている。
また、配線板は、単層配線板でもよく、多層配線板でもよい。
配線は、主として、銅から形成される。
基板の材質は、特に限定されない。例えば、FPCの場合は、上記保護フィルムと同様の材質を用いることが好ましく、ポリイミド系フィルムであることが好ましい。
本発明の配線板は、配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板(ただし、配線が無い領域)の色差ΔE(透過)が、2.0以下であることが好ましく、1.8以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましい。
本発明の配線板は、配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板のカバーレイ用接着フィルムの色差ΔE(反射)が、5.0以下であることが好ましく、4.5以下がより好ましく、3.0以下がさらに好ましい。
[配線板の製造方法]
配線板の製造方法は、特に限定されず、例えば、銅張積層板等の金属張積層板の金属箔を化学エッチング等の方法で所定のパターンに回路加工して、基板上に配線を形成し、その後その回路(配線)上の必要な部分にカバーレイを積層し、例えば、熱プレス装置等を用いて熱圧着する方法等が挙げられる。
また、上述したとおり、配線を形成した基板上に、カバーレイ用接着フィルムと保護フィルムを順次積層し、その後まとめて熱圧着する方法によっても構わない。
熱圧着する際の圧着条件及び熱プレスの詳細は、上述のカバーレイの製造方法における圧着方法と同様である。
[配線板の用途]
本発明の配線板の用途は、特に限定されず、例えば、FPC等が挙げられる。具体的には、大気中、150℃、1000時間の長期耐熱性試験における、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れる点から、車載パワートレインの車載用電子機器やコンピュータ等に好適に使用することができる。中でも、ヘッドランプ基板、トランスミッション又はエンジンの車載用電子機器として使用することが好ましい。
<電子機器の製造方法>
本発明の配線板を備える電子機器の製造は、上述の配線板の用途毎に、公知の方法により行えばよい。
電子機器の製造方法は、配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を有していてもよい。配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を有していても、配線板が本発明のカバーレイ用接着フィルムを有するため、カバーレイ用接着フィルムと、基材、配線及び保護フィルムとの間の接着性、密着性が損なわれることがない。したがって、本発明の配線板は、該配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を要する種々の電子機器の製造に、好適に用いることができる。
<本発明による作用効果>
本発明のカバーレイ用接着フィルムは、官能基(I)を有する含フッ素共重合体(A)を含む。含フッ素共重合体(A)が官能基(I)を有するため、本発明のカバーレイ用接着フィルムは、基材、配線及び保護フィルムとの接着性に優れている。
また、本発明のカバーレイ用接着フィルムは、優れた柔軟性と熱可塑性を有するため、本発明の配線板において、配線間(基板上に配線が形成されていない領域)等の凹部を充填でき、該凹部に空隙が生じるのを抑えることができる。そのため、本発明のカバーレイ用接着フィルムは、基板及び配線と保護フィルムとを高い密着度で貼着させることができる。
また、電子機器の製造方法において、配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を有していても、配線板がカバーレイ用接着フィルムを有するため、カバーレイ用接着フィルムと、基材、配線及び保護フィルムとの間の接着性、密着性が損なわれることがない。
以上により、本発明によれば、高温環境に繰り返し晒されても、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れたカバーレイ用接着フィルム、カバーレイ、配線板、及び電子機器の製造方法を提供することができる。具体的には、大気中、150℃、1000時間の長期耐熱性試験において、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れる。
また、本発明のカバーレイ用接着フィルムは、高温環境で繰り返し使用しても、保護フィルムの変色が生じにくい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
[含フッ素共重合体の共重合組成]
共重合組成を溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析により求めた。
[含フッ素共重合体における官能基(I)の含有量]
以下の赤外吸収スペクトル分析によって、含フッ素共重合体における官能基(I)を有するモノマー(NAH)に基づく構成単位の割合を求めた。
含フッ素共重合体をプレス成形して200μmのフィルムを得た。赤外吸収スペクトルにおいて、含フッ素共重合体中のNAHに基づく構成単位における吸収ピークはいずれも1778cm−1に現れる。該吸収ピークの吸光度を測定し、NAHのモル吸光係数20810L/(mol・cm)を用いて、NAHに基づく構成単位の割合a(モル%)を求めた。
含フッ素共重合体の主鎖炭素数1×10個に対する官能基(I)(酸無水物基)の個数は、式「a×10/100」(個)により求められる。
[含フッ素共重合体の融点(℃)]
セイコー電子社製の示差走査熱量計(DSC装置)を用い、含フッ素共重合体(A)を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点(Tm)とした。
[含フッ素共重合体のMFR(g/10分)]
テクノセブン社製メルトインデクサーを用い、融点より20℃以上高い温度である372℃、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから、10分間(単位時間)に流出する含フッ素共重合体の質量(g)を測定し、その値をMFR(g/10分)とした。
[剥離強度(N/10mm)]
基板及び配線とカバーレイとの間の剥離強度を測定するため配線板を長さ100mm、幅10mmの大きさに切断し、試験フィルムを作製した。試験フィルムの長さ方向の一端から50mmの位置まで銅箔とカバーレイを剥離した。次いで、試験フィルムの長さ方向の一端から50mmの位置を中央にして、引張り試験機(オリエンテック社製)を用いて、引張り速度50mm/分で90度剥離し、最大荷重を剥離強度(N/10mm)とした。剥離強度が大きいほど、基板及び配線とカバーレイとの間の密着性が優れていることを示す。
なお、上記測定において、剥離強度が0.2N/10mm以下であった場合は、測定値のバラツキが大きく、この場合の剥離強度の結果は全て0.2N/10mm以下と表記した。
配線板を、オーブン(タバイエスペック社製)を用いて、大気中、150℃、200時間又は1000時間の条件で熱処理した前後で、剥離強度(N/10mm)を求めた。
また、熱処理前の剥離強度に対する、熱処理後の剥離強度の割合を「剥離強度保持率(%)」とした。
[配線板の色差]
上記剥離強度における熱処理と同様にして行った熱処理前後の配線板について、JIS Z8730に準拠した、積分球方式の透過法、光源、視野角度がD65光10度視野により、配線板の色度(L値、a値、b値、Y.I値)を測定した。測定には、カラーメーター(スガ試験機社製)を用いた。また、測定は配線の無い領域について行った。
配線板の色差ΔE(透過)は、下記式(1)に従って算出した。配線板の色差ΔY.Iは、熱処理後のY.Iから熱処理前のY.Iを差引いて求めた。
ΔE=(Δa+Δb+ΔL1/2 ・・・(1)
式(1)中のΔa、Δb及びΔLは、それぞれ、未処理の配線板サンプルと、大気中、温度150℃、200時間又は1000時間の条件での処理後の配線板サンプルとのa値、b値、及びL値の差を示している。ΔEが小さいほど、変色が少ないことを意味する。
[カバーレイ用接着フィルムの色差]
上記剥離強度における熱処理と同様にして行った熱処理前後の配線板から、各々剥離したカバーレイを用いて、熱処理前後のカバーレイ用接着フィルムの色度を測定した。具体的には、配線板から剥離したカバーレイのカバーレイ用接着フィルムの側より、JIS Z8730に準拠した、積分球方式の反射法、光源、視野角度がD65光10度視野により、色度(L値、a値、b値、Y.I値)を測定した。測定には、カラーメーター(スガ試験機社製)を用いた。
カバーレイ用接着フィルムの色差ΔE(反射)は、上記式(1)に従って算出した。配線板の色差ΔY.Iは、熱処理後のY.Iから熱処理前のY.Iを差引いて求めた。
[耐熱性試験]
配線板を炉内温度280℃に制御されたオーブンに1分間投入し、その後、サンプルを取り出し、目視により、熱による膨れ(発泡)の有無を観察した。
<製造例1>
構成単位(a1)を形成するモノマーとしてTFE(旭硝子社製)、構成単位(a2)を形成するモノマーとしてNAH(無水ハイミックス酸、日立化成社製)を、構成単位(a3)を形成するモノマーとしてPPVE(CF=CFO(CFF、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、旭硝子社製)を用いて、含フッ素共重合体(A1−1)を製造した。
まず、369kgの1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(AK225cb、旭硝子社製)(以下、「AK225cb」という。)と、30kgのPPVEとを、予め脱気された内容積430Lの撹拌機付き重合槽に仕込んだ。次いで、この重合槽内を加熟して50℃に昇温し、さらに50kgのTFEを仕込んだ後、当該重合槽内の圧力を0.89MPa/Gまで昇圧した。
さらに、(ペルフルオロブチリル)ペルオキシドを0.36質量%の濃度でAK225cbに溶解した重合開始剤溶液を調製し、重合槽中に当該重合開始剤溶液の3Lを1分間に6.25mLの速度にて連続的に添加しながら重合を行った。また、重合反応中における重合槽内の圧力が0.89MPa/Gを保持するようにTFEを連続的に仕込んだ。また、NAHを0.3質量%の濃度でAK225cbに溶解した溶液を、重合中に仕込むTFEこのモル数に対して0.1モル%に相当する量ずつ連続的に仕込んだ。
重合開始8時間後、32kgのTFEを仕込んだ時点で、重合槽内の温度を室温まで降温するとともに、圧力を常圧までパージした。得られたスラリをAK225cbと固液分離した後、150℃で15時間乾燥することにより、33kgの含フッ素共重合体(A1−1)を得た。得られた含フッ素共重合体(A1−1)の比重は2.15であった。
溶融NMR分析及び赤外吸収スペクトル分析の結果から、この含フッ素共重合体(A1−1)の共重合組成は、TFEに基づく構成単位(構成単位(a1))/NAHに基づく構成単位(構成単位(a2))/PPVEに基づく構成単位(構成単位(a3))=97.9/0.1/2.0(モル%)であった。また、この含フッ素共重合体(A1−1)の融点は300℃であり、MFRは17.6g/10分であった。
<製造例2>
含フッ素共重合体(A1−1)を、750mm巾コートハンガーダイを有する30mmφ単軸押出機を用いてダイ温度340℃で押出成形し、厚さ25μmのカバーレイ用接着フィルム(以下、「カバーレイ用接着フィルム1」という。)を得た。
<製造例3>
含フッ素共重合体(A1−1)に替えてPFA−1(TFE/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、融点305℃、MFR13.6g/10分、旭硝子社製、製品名「Fluon PFA 73PT」)を用いた以外は、製造例2と同様の方法で行い、厚さ25μmのカバーレイ用接着フィルム(以下、「カバーレイ用接着フィルム2」という。)を得た。
[実施例1]
基板としてのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン」)、配線用の銅箔(厚み18μm、圧延銅箔)、カバーレイ用接着フィルム1、及び保護フィルムとしてのポリイミド系フィルム(宇部興産社製、製品名「ユーピレックス」、厚み25μm)を用いた。
まず、基板上に銅箔を積層して、化学エッチング法により銅の配線を形成し、その上に、カバーレイ用接着フィルム1、ポリイミド系フィルムをこの順に積層した。次いで、熱プレス装置(北川精機社製)を用いて、温度360℃、圧力1.5MPaの条件で、5分間熱プレスして、配線板1を作製した。
目視すると、配線板1の配線と保護フィルムとの間には空隙がほとんど無く、基板及び配線と保護フィルムとの間の密着度は高いように見えた。
また、配線板1を、オーブン(タバイエスペック社製)を用いて、大気中、150℃、1000時間の条件で熱処理した。
熱処理後、上記手順に従い、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度、並びに保護フィルムの色差を求めた。
[比較例1]
カバーレイ用接着フィルム1に替えてカバーレイ用接着フィルム2を用いる以外は、実施例1と同様の手順で、配線板2を作製した。
目視すると、配線板2の配線間には空隙が観察され、基板及び配線と保護フィルムとの間の密着度が低そうに見えた。
配線板2について、実施例1と同様に、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度、並びに保護フィルムの色差を求めた。
以上の結果、実施例1の基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度は、比較例1に比べ高かった。
また、実施例1の保護フィルムの色差は、比較例1に比べ小さかった。
[実施例2]
基板としての25μmポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン」)、配線用の銅箔(厚み18μm、圧延銅箔)、カバーレイ用接着フィルム1、及び保護フィルムとしてのポリイミド系フィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン」、厚み25μm)を用いた。
まず、基板上に銅箔を積層して、化学エッチング法により銅の配線を形成し、その上に、カバーレイ用接着フィルム1、ポリイミド系フィルムをこの順に積層した。次いで、熱プレス装置(北川精機社製)を用いて、温度360℃、圧力1.5MPaの条件で、5分間熱プレスして、配線板3を作製した。なお、配線板3は、以下の試験に供するため、同じものを複数作製した。
目視すると、配線板3の配線と保護フィルムの間には空隙がほとんど無く、基板及び配線と保護フィルムとの間の密着度は高いように見えた。
配線板3の耐熱性試験の結果、熱による膨れ(発泡)は散見されなかった。
熱処理前後の配線板3について、配線板(ただし、配線が無い領域)の色度を測定し、色差を求めた。また、熱処理前後の配線板3について、剥離強度を測定し、剥離強度保持率を求めた。表1に評価結果を示す。なお、表中「未処理」は、熱処理前の配線板3を用いた色度及び剥離強度の結果を示している。
Figure 0006507607
表1に示すように、配線板3の色差ΔE(透過)は、0.25と小さかった。
また、剥離強度保持率は、大気中、150℃、200時間の条件で95%、大気中、150℃、1000時間の条件で90%と高かった。
また、熱処理前後の配線板3を用いて、カバーレイ用接着フィルム1の色度を測定し、色差を求めた。表2に評価結果を示す。なお、表中「未処理」は、熱処理前の配線板3を用いた色度の結果を示している。
Figure 0006507607
表2に示すように、カバーレイ用接着フィルム1の色差ΔE(反射)は、2.93と小さかった。
本発明のカバーレイ用接着フィルムの用途は、特に限定されず、例えば、配線板等のカバーレイが挙げられる。
本発明のカバーレイの用途は、特に限定されず、例えば、配線板等が挙げられる。
本発明の配線板の用途は、特に限定されず、例えば、FPC等が挙げられる。具体的には、大気中、150℃、1000時間の長期耐熱性試験における、基板及び配線と保護フィルムとの間の剥離強度保持率に優れる点から、車載パワートレインの車載用電子機器やコンピュータ等に好適に使用することができる。中でも、ヘッドランプ基板、トランスミッション又はエンジンの車載用電子機器として使用することが好ましい。

Claims (7)

  1. 基板と配線とカバーレイ用接着フィルムと保護フィルムとを備え、前記基板上に、前記配線、前記カバーレイ用接着フィルム及び前記保護フィルムがこの順で積層されている、配線板であり、
    記配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板(ただし、配線が無い領域)の色差ΔE(透過)が、2.0以下であり、
    前記カバーレイ用接着フィルムは、溶融成形が可能である含フッ素共重合体(A)を含み、前記含フッ素共重合体(A)は、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、
    前記官能基の含有量が、前記含フッ素共重合体(A)の主鎖炭素数1×10 個に対して300〜5000個である、配線板。
  2. 前記含フッ素共重合体(A)の融点が、260〜320℃である、請求項1に記載の配線板
  3. 前記含フッ素共重合体(A)が、炭素原子間にカルボニル基を含む炭化水素基、カーボネート基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、及び酸無水物残基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項1又は2に記載の配線板
  4. 前記配線板を、大気中、温度150℃で1000時間処理した際に、JIS Z8730に準拠した、処理前後の配線板のカバーレイ用接着フィルムの色差ΔE(反射)が、5.0以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線板。
  5. 車載パワートレインの車載用電子機器用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線板。
  6. 前記車載パワートレインが、ヘッドランプ基板、トランスミッション又はエンジンである、請求項に記載の配線板。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線板を備える電子機器の製造方法であって、
    前記配線板を260℃以上の高温環境下に曝す工程を有することを特徴とする、電子機器の製造方法。
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