JP2682972B2 - 二官能性2−カテナン誘導体からなるインターロックトポリマー - Google Patents

二官能性2−カテナン誘導体からなるインターロックトポリマー

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JP2682972B2
JP2682972B2 JP19958795A JP19958795A JP2682972B2 JP 2682972 B2 JP2682972 B2 JP 2682972B2 JP 19958795 A JP19958795 A JP 19958795A JP 19958795 A JP19958795 A JP 19958795A JP 2682972 B2 JP2682972 B2 JP 2682972B2
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悟 島田
信之 玉置
啓一郎 石川
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインターロック構造
を有する新規な高分子、さらに詳しくは、インターロッ
ク構造を有する単量体から構成されることにより、その
繰り返し単位間に化学結合を有さず、高分子エラストマ
ーなどの機能材料の原料として有用な、インターロック
トポリマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子エラストマーとしての高分
子材料の研究が盛んに行われている。
【0003】高分子エラストマーなどの形成には、高分
子主鎖が高い運動性を有することが必要であり、特に化
学結合を有さない繰り返し単位から構成される構造が好
適であることが知られている。
【0004】このような直接的な化学結合を有さずに分
子同士を結びつける手法としては、二つの環状構造を鎖
状に繋げたインターロック構造が知られている。
【0005】しかしながら、インターロック構造によっ
て構成される高分子、すなわち、インターロックトポリ
マーは、これまで全く見いだされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高分子エラストマーとして有用なインタ
ーロックトポリマーを提供することを目的としてなされ
たものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規なイ
ンターロックトポリマーを開発するために鋭意研究を重
ねた結果、インターロック構造を有する二官能性2−カ
テナン誘導体とアジピン酸二塩化物とが、インターロッ
ク構造から構成される高分子を形成することを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、式
【0008】
【化2】
【0009】で表わされる2−カテナン誘導体からなる
インターロックトポリマーである。前記式(I)で表わ
されるインターロックトポリマーは、文献未載の新規な
化合物であって、式中のnは0〜2の整数であり、Xは
整数である。
【発明の実施の形態】前記式(I)で表わされるインタ
ーロックトポリマーは、例えば式
【0010】
【化3】
【0011】(式中のnは前記と同じ意味をもつ)で表
わされる2−カテナン誘導体を出発原料として用い、
(A)銅イオンを導入する工程、(B)アジピン酸二塩
化物と反応させる工程、(C)銅イオンを除去する工程
を経て製造することができる。
【0012】上記の(A)の工程は、2−カテナン誘導
体に、例えばホウフッ化銅を反応させることによって行
うことができる。この反応は、溶媒中で行うのが好まし
い。この際の溶媒としては特に制限はないが、塩化メチ
レンやDMFのような非プロトン性溶媒が好適である。
この反応は、通常、常圧下、0〜50℃の範囲の温度で
5〜36時間かきまぜることによって行われる。反応終
了後、反応混合物から溶媒を留去したのち、例えばシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーを用いて分離、精製す
れば、式
【0013】
【化4】
【0014】(式中のnは前記と同じ意味をもつ)で表
わされる化合物が、黒色固体として得られる。
【0015】上記の(B)の工程は、(A)の工程で得
られた2−カテナン誘導体の銅錯体に、例えばアジピン
酸ジクロリドを反応させることによって行われる。この
重縮合反応は、溶媒中、塩基触媒の存在下で行うのが好
ましい。この際の溶媒としては塩化メチレンやヘキサン
のような非プロトン性溶媒が、また塩基性触媒として
は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの固体触媒
ももちいられるが、液体状のアミン類例えばトリエチル
アミン、ピリジンなどが好適である。この反応は、通
常、常圧下、−10〜50℃の範囲の温度で5〜36時
間かきまぜることによって行われる。反応終了後、反応
混合物から塩基性触媒を除去し、溶媒を留去したのち、
例えばゲル相カラムクロマトグラフィーを用いて分離、
精製すれば、式
【0016】
【化5】
【0017】(式中のn、Xは、それぞれ前記と同じ意
味をもつ。Xは、通常2以上である。)で表わされる化
合物が、黒色固体として得られる。
【0018】上記の(C)の工程は、(B)の工程で得
られた化合物に、例えばシアン化物イオンを反応させる
ことによって行われる。この反応は、溶媒中行うのが好
ましい。この際の溶媒としてはDMFやDMSOのよう
な水和力の高い溶媒が、またシアン化物イオン源として
は、例えば、青酸カリウム、青酸ナトリウム、青酸テト
ラブチルアンモニウムなどが用いられる。この反応は、
通常常圧下、0〜50℃の範囲の温度で5〜36時間か
きまぜることによって行われる。反応終了後、反応混合
物から塩基性触媒を除去し、溶媒を留去したのち、例え
ばゲル相カラムクロマトグラフィーを用いて分離、精製
すれば、前記式(I)で表わされる本発明の化合物が、
黄白色固体として得られる。
【0019】
【発明の効果】本発明のインターロックトポリマーは、
繰り返し単位がインターロック構造により連なった文献
未載の新規な化合物であって、繰り返し単位間に化学結
合を有さないことから、例えば高分子エラストマーなど
の機能材料の原料として極めて有用である。
【0020】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0021】実施例1 アミノ基を保護した10−アザ−ヘキサエチレングリコ
ールと2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,10−ジアザフェナントロリンをソバージュらの方
法で環化し、その後保護して二官能性の2−カテナンを
得た。この2−カテナン20mgをDMF3mlに溶解
し、ここにホウフッ化銅10mgを加え、24時間室温
でかきまぜたのち、溶媒を留去し、塩化メチレンに溶解
させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
塩化メチレンーメタノールを展開溶媒として分離、精製
することにより、生成物21mgを得た。
【0022】銅イオンを導入した2−カテナン21mg
を塩化メチレン3mlに溶解し、ここにアジピン酸ジク
ロリド10mg、トリエチルアミン2mlを加え、24
時間室温でかきまぜたのち、生成物をろ別し、塩化メチ
レンで洗浄後、ジメチルフォルムアミド(DMF)に溶
解させた後、ゲル相カラムクロマトグラフィーによりD
MFを展開溶媒として分離、精製することにより、ポリ
マー15mgを得た。
【0023】得られたポリマー15mgをDMF5ml
に溶解し、これに室温でシアン化ナトリウムの水溶液
(1M)0.86mlを滴下し、3時間かきまぜた。有
機層を塩化メチレンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去し、ゲル相カラムクロマトグラ
フィーによりDMFを展開溶媒として分離、精製するこ
とにより、式(IV)で表されるインターロックトポリマ
ー(式(IV)中、n=1)4mgを得た。GPCにより
分子量は、9.5X105 と測定された。 元素分析値(C7884614)として、 計算値(%);C 70.46,H 6.37,N
6.32 実測値(%);C 70.30,H 6.80,N
6.12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中のnは0〜2の整数であり、Xは整数である)で
    表わされる2−カテナン誘導体からなるインターロック
    トポリマー。
JP19958795A 1995-08-04 1995-08-04 二官能性2−カテナン誘導体からなるインターロックトポリマー Expired - Lifetime JP2682972B2 (ja)

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JP2005281192A (ja) * 2004-03-30 2005-10-13 Rikogaku Shinkokai 新規カテナン化合物およびその製造方法、ならびに新規架橋型ポリカテナンおよびその製造方法
JP4796328B2 (ja) * 2005-05-09 2011-10-19 住友ゴム工業株式会社 ポリカテナン構造を有する弾性重合体組成物

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