JP2682433B2 - アルミニウム材の表面処理における廃液処理方法 - Google Patents

アルミニウム材の表面処理における廃液処理方法

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JP2682433B2 JP6064299A JP6429994A JP2682433B2 JP 2682433 B2 JP2682433 B2 JP 2682433B2 JP 6064299 A JP6064299 A JP 6064299A JP 6429994 A JP6429994 A JP 6429994A JP 2682433 B2 JP2682433 B2 JP 2682433B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルカリ溶液又はこ
のアルカリ溶液と酸性溶液とを用いて行われるアルミニ
ウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材の表
面処理に係り、特にこれらアルカリ溶液処理又は酸性溶
液処理に付随して発生するアルミニウム含有廃液の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金から
なるアルミニウム材は、船舶、車両、機械等の種々の部
品や、サッシ等の建築材料、電気製品、事務用品等の多
くの分野で利用されており、その際に、アルミニウム材
は、その表面の清浄化、耐蝕性や意匠性の付与等を目的
として、アルカリ溶液によるエッチング処理や酸性溶液
による陽極酸化処理等の種々の表面処理が施される。
【0003】しかしながら、いずれにしてもこれらの表
面処理で用いられる処理液は、処理液中の有効成分の消
費とアルミニウム材由来のアルミニウム分の蓄積が不可
避的に発生し、これらがある一定の限度を超えると、い
わゆるエッチング処理老化浴や陽極酸化処理老化浴とな
ってその更新の必要が生じ、これらの老化浴はアルミニ
ウム分を多量に含有するアルミニウム含有廃液となる。
【0004】また、上述したようなアルミニウム材の表
面処理においては、そのエッチング処理や陽極酸化処理
等の処理の際に、処理中に発生する水素ガス等のガスと
共にミストとして周辺に飛散し、排気系に吸収され、ま
た、その他のハンドリングロスとして漏洩する、いわゆ
る「ミスト等由来の廃液」が発生したり、あるいは、こ
れらの表面処理後に、水で洗浄することが必須とされ、
その際に発生する多量の洗浄水由来の廃液も発生する
が、これらのミスト等由来の廃液や洗浄水由来の廃液も
アルミニウム分を含有してアルミニウム含有廃液とな
る。
【0005】そして、このようなアルミニウム材の表面
処理で発生する種々のアルミニウム含有廃液は、通常は
それらを一括してpH5〜9に中和処理し、その際に生
成した含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを可
及的に分離し、中性清澄液を排水としているが、スラッ
ジについては、経済的に有用資源化する方法がなく、多
額なコストを費やして廃棄処分することが行われてい
る。
【0006】ところで、近年、このようなスラッジの発
生をできるだけ抑制し、かつ、アルミニウム含有廃液中
に存在するナトリウム分やアルミニウム分等の有価物を
できるだけ回収して有効利用するために、アルミニウム
材のエッチング処理の際に発生する老化浴については、
これを定期的にあるいは連続的に抜き出し、結晶性水酸
化アルミニウム〔αAl(OH)3 、ジブサイト〕を種
子として添加し、老化浴中のアルミン酸ナトリウムを加
水分解してアルミニウム分の一部を工業的に有価物であ
る結晶性水酸化アルミニウムとして析出させ、また、こ
れによってアルミニウム分の少なくなったアルミン酸ナ
トリウム溶液を再生液としてエッチング処理に循環させ
てナトリウム分を再使用する、いわゆるエッチング処理
老化浴の再生有効利用が行われている。
【0007】しかしながら、その他のアルミニウム含有
廃液については、その低アルミニウム濃度や不純物のた
め、経済的な利用方法がなく、依然として一括して中和
処理する方法が採用されており、その際に発生するスラ
ッジの処理が問題になっており、その有用資源化のため
の検討も始められている。
【0008】そのうちの代表的なものとしては、スラッ
ジを水酸化ナトリウム溶液若しくは低アルミニウム濃度
のアルミン酸ナトリウム溶液(具体的には、前記エッチ
ング処理老化浴の加水分解後の再生液)に溶解し、溶液
のアルミニウム濃度を上げ、不溶物を分離して鉄、マグ
ネシウム、ニッケル等の塩基性成分や珪素等を除去し、
得られた精製液をエッチング処理老化浴と併せて加水分
解し、これによって工業的に有用な結晶性水酸化アルミ
ニウムとアルカリとを回収する方法が提案されており
(例えば、特公昭52−43,184号公報や特開平4
−323,386号公報)、スラッジの化学的性質や設
備の有効利用の点から経済的かつ容易な方法とされてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在通常に
行われている廃液処理法で生成したスラッジをこの方法
でそのまま処理しようとすると、スラッジの溶解性やこ
のスラッジ中に含まれてくる多量の硫酸根の問題が発生
し、実際には実用化が困難であるというのが実情であ
る。
【0010】すなわち、一般に、アルミニウム含有廃液
中のアルミン酸ナトリウムを加水分解するには、廃液中
にアルミニウム分が過飽和の状態で存在することが必要
であり、経済的に成立する分解速度で溶解アルミニウム
分の30〜50%を析出させるためには、通常のエッチ
ング処理で用いられるNaOH濃度70〜150g/リ
ットルの溶液では、少なくともそのAl/NaOH当量
比が約0.4以上であることが必要になる。
【0011】しかるに、通常のアルミニウム材の表面処
理において、通常の中和処理により生成した含水ゲル状
水酸化アルミニウム質のスラッジは、その特異な結晶構
造のために、結晶性水酸化アルミニウム(ジブサイト)
に比べてその水酸化ナトリウム溶液に対する溶解度が低
く、従って、通常のエッチング処理で用いられるNaO
H濃度の溶液に溶解するためには高温高圧下で溶解する
必要があり、また、常圧沸点以下で溶解させるためには
高いNaOH濃度の溶液を用いる必要があり、必ずしも
容易なことではない。
【0012】また、アルミニウム含有廃液中に入り込ん
だ硫酸根は、その中和処理でスラッジを生成させるとこ
のスラッジ中に大量に入り込み、例えば、エッチング処
理老化浴と陽極酸化処理老化浴とを一括してpH5〜9
の範囲に中和処理して得られたスラッジは、105℃乾
燥物(乾燥減量70〜75%程度)でアルミニウム分を
25〜30%、硫酸根(SO4 2- として)10〜17%
及びナトリウム分0.4〜1.5%の組成を有し、当量
比で硫酸根含有量がナトリウム分含有量の数倍にも達す
る。
【0013】そして、この硫酸根は、スラッジに対して
ケーキ上洗浄やリパルピング濾別の操作を繰り返し適用
してもほとんど減少せず、また、乾燥処理や結晶水の脱
水温度以上の加熱処理でも、更にはこの加熱処理後の洗
浄でもほとんど除去できず、800℃以上に焼成処理し
て初めて除去できる、という極めて除去困難なものであ
る。
【0014】しかも、この硫酸根がスラッジ中に存在す
ると、これを溶解し加水分解して結晶性水酸化アルミニ
ウムや濾過液を回収した場合、貴重な水酸化ナトリウム
を系内で中和消費し、しかも、その結果生成したNa2
SO4 がエッチング処理液中に蓄積し、加水分解を妨
げ、アルカリ回収の経済性を著しく悪化させるほか、ア
ルミニウム材のエッチング仕上がりの品質にも悪影響を
及ぼしてくる。
【0015】そこで、本発明者らは、アルミニウム材の
表面処理において発生するアルミニウム含有廃液の処理
方法について鋭意研究を重ねた結果、このようなアルミ
ニウム含有廃液について中和処理を行う前と後とを問わ
ず、そのいずれかの時期にpH9.0以上の高pH値下
でスラッジを分離することにより、回収されるスラッジ
中に硫酸根が入り込むのを可及的に防止できることを見
出し、本発明を完成した。
【0016】従って、本発明の目的は、アルミニウム材
の表面処理で発生する種々のアルミニウム含有廃液、特
に従来その処理に苦慮していた陽極酸化処理老化浴、ミ
スト由来の廃液、洗浄水由来の廃液等を安価にかつ効率
的に廃液処理することができる新しい廃液処理方法を提
供することにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、アルミニウム
材の表面処理で発生するアルミニウム含有廃液を中和処
理して廃液処理を行う際に、回収される含水ゲル状水酸
化アルミニウム質のスラッジ中に硫酸根が入り込むのを
可及的に抑制し、これによって廃液処理で回収されるス
ラッジを有効利用できるようにしたアルミニウム材の表
面処理における廃液処理方法を提供することにある。
【0018】更に、本発明の他の目的は、アルミニウム
材の表面処理で発生するアルミニウム含有廃液を中和処
理して廃液処理を行う際に、回収される含水ゲル状水酸
化アルミニウム質のスラッジから工業的に有価物である
結晶性水酸化アルミニウムやアルカリ溶液を回収するこ
とができるアルミニウム材の表面処理における廃液処理
方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルカリ溶液又はこのアルカリ溶液と酸性溶液とを用いて
アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウ
ム材の表面を処理するアルミニウム材の表面処理におい
て、これらアルカリ溶液処理又は酸性溶液処理に付随し
て発生したアルミニウム含有廃液を中和処理し、得られ
た中和処理液から中和処理で生成した含水ゲル状水酸化
アルミニウム質のスラッジを分離して廃液処理を行うに
際し、上記中和処理前のアルミニウム含有廃液中の中和
処理前スラッジをpH9.0以上の高pH値下で分離
し、この中和処理前スラッジを分離して得られた分離液
を中和処理してpH5〜9の範囲に調整し、この中和処
理で生成した含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッ
ジを分離し、得られたこの中和処理後スラッジをアルミ
ニウム含有廃液中に戻すアルミニウム材の表面処理にお
ける廃液処理方法である。
【0020】また、本発明は、アルカリ溶液又はこのア
ルカリ溶液と酸性溶液とを用いてアルミニウム又はアル
ミニウム合金からなるアルミニウム材の表面を処理する
アルミニウム材の表面処理において、これらアルカリ溶
液処理又は酸性溶液処理に付随して発生したアルミニウ
ム含有廃液を中和処理し、得られた中和処理液から中和
処理で生成した含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラ
ッジを分離して廃液処理を行うに際し、アルミニウム含
有廃液を中和処理してpH5〜9の範囲に調整し、この
中和処理で生成した含水ゲル状水酸化アルミニウム質の
スラッジを分離せしめ、清澄液を排水すると共に、得ら
れた中和処理後スラッジをその共存平衡溶液のpHが
9.0以上となるように調整し、この高pH値調整後に
再び含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを分離
し、得られた分離液をアルミニウム含有廃液中に戻すア
ルミニウム材の表面処理における廃液処理方法である。
【0021】更に、本発明は、上記本発明方法で回収さ
れたスラッジを、水酸化ナトリウム溶液及び/又は低ア
ルミニウム濃度のアルミン酸ナトリウム溶液に溶解し、
不溶物を分離除去して得られた溶液中に結晶性水酸化ア
ルミニウムを種子として添加し、加水分解して析出した
結晶性水酸化アルミニウムを濾過して回収すると共に、
得られた濾過液をアルカリ溶液として再使用するアルミ
ニウム材の表面処理における廃液処理方法である。
【0022】本発明方法において、廃液処理の対象とな
るアルミニウム含有廃液は、アルミニウム材の表面処理
の際に発生し、アルミニウム分を含有するものであれば
特に制限されるものではないが、現在特に効果的な方法
のないエッチング処理の際に発生するミスト等由来の廃
液や洗浄水由来の廃液、陽極酸化処理老化浴、この陽極
酸化処理の際に発生するミスト等由来の廃液や洗浄水由
来の廃液等が挙げられる。
【0023】本発明の第一の方法は、中和処理前のアル
ミニウム含有廃液からpH9.0以上、好ましくはpH
9.4〜11.0の高pH値下で中和処理前スラッジを
分離し、この中和処理前スラッジを分離して得られた分
離液を中和処理してpH5〜9の範囲に調整し、この中
和処理で生成した含水ゲル状水酸化アルミニウム質のス
ラッジを分離し、得られたこの中和処理後スラッジをア
ルミニウム含有廃液中に戻すと共に、この際の清澄液を
排水とする方法である。
【0024】この第一の方法において、中和処理前のア
ルミニウム含有廃液がpH9.0以下のアルカリ性溶液
であったり、酸性溶液である場合には、水酸化ナトリウ
ムを添加してそのpHを9.0以上に調整した後にスラ
ッジの分離を行う必要があり、また、このアルミニウム
含有廃液がpH9.0〜11.0のアルカリ性溶液であ
る場合にはそのままスラッジの分離を行うことができ
る。
【0025】そして、高pH値下でのスラッジの分離
は、通常の濾過分離、沈降分離、遠心分離等でよく、ま
た、この際に適当な凝集剤を添加したり、加圧する等の
手段を組み合わせて行ってもよい。
【0026】また、このスラッジの分離の際には、好ま
しくは回収されるスラッジをpH9.0以上の洗浄水で
洗浄したり、また、一旦乾燥してからpH9.0以上の
洗浄水で洗浄したり、更には、pH9.0以上の洗浄水
で洗浄した後再度pH6.0〜8.0の洗浄水で洗浄す
る等のスラッジ洗浄処理を行い、洗浄液についてはこれ
を分離液と一緒にして次の中和処理に供するのが望まし
い。このスラッジ洗浄処理により、回収されるスラッジ
中の硫酸根の残存量をより一層低減させることができ
る。
【0027】上記スラッジの分離で回収された分離液
は、必要によりスラッジ洗浄液と一緒にされた後、酸性
溶液を添加してpH5〜9の範囲に中和される。この中
和処理で用いられる酸性溶液としては、基本的には硫酸
水溶液であるが、場合によっては、塩酸等の酸性溶液を
用いることもできる。
【0028】この中和処理によって生成した固形分、す
なわち含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジは、
再び適当な方法で分離され、濾過液や上澄みの清澄液は
排水とされ、また、スラッジあるいはこのスラッジを多
量に含む濃密部は本発明方法による処理前のアルミニウ
ム含有廃液と一緒にされ、再び本発明方法による廃液処
理に供される。
【0029】また、上記高pH値下でのスラッジの分離
で回収されたスラッジは、分離操作の際のpH値によっ
ても異なるが、硫酸根の含有量が通常1.0%以下、場
合によっては0.6%以下と極めて低いものであり、容
易にその有効利用を図ることができる。
【0030】次に、本発明の第二の方法として好ましい
方法は、アルミニウム含有廃液を中和処理してpH5〜
9の範囲に調整し、この中和処理で生成した含水ゲル状
水酸化アルミニウム質のスラッジを沈降分離で分離せし
め、上澄みの清澄液を排水すると共に、得られた中和処
理後スラッジの濃密部をpH9.0以上の高pH値に調
整し、この高pH値調整後に再び含水ゲル状水酸化アル
ミニウム質のスラッジを分離し、得られた分離液をアル
ミニウム含有廃液中に戻す方法である。
【0031】この第二の方法において、アルミニウム含
有廃液を中和処理してpH5〜9の範囲に調整するに際
し、アルミニウム含有廃液が当初アルカリ性である場合
には硫酸の如き酸性溶液で中和し、また、アルミニウム
含有廃液が当初酸性である場合には水酸化ナトリウム溶
液で中和する。
【0032】そして、この中和処理で生成した含水ゲル
状水酸化アルミニウム質のスラッジの分離方法として
は、種々の方法を適用できるものではあるが、沈降分離
が最も簡単かつ容易である点で好ましく、その際に、必
要により適当な凝集剤を添加してもよい。この沈降分離
で得られた上澄みの清澄液はそのまま排水とされ、ま
た、スラッジの濃密部は水酸化ナトリウム溶液を添加し
てpH9.0以上、好ましくはpH9.0〜11.0の
高pH値に調整される。
【0033】このようにして高pH値調整後に再び含水
ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを分離し、スラ
ッジを回収すると共に、得られた分離液については本発
明方法による処理前のアルミニウム含有廃液と一緒にさ
れ、再び本発明方法による廃液処理に供される。ここで
回収されたスラッジは、分離操作の際のpH値によって
も異なるが、硫酸根の含有量が通常1.0%以下、場合
によっては0.6%以下と極めて低いものであり、容易
にその有効利用を図ることができる。
【0034】上記第二の方法について、現在広く採用さ
れているpH5〜9で中和され、この中和処理後の沈降
分離により得られたスラッジ濃密部をそのまま高pH値
調整することで説明したが、その本質は、環境上の必要
から中和処理で生成したスラッジを再度高pH溶液と平
衡させることにある。
【0035】従って、上記スラッジ濃密部の高pH値調
整の方法としては、上記以外に、例えば、その沈降槽下
部から加圧濾過機等の分離装置に至るまでの送液用配管
途上で、分離装置直前のスラッジ共存溶液のpHが9.
0以上となるように、スラッジ濃密部中に水酸化ナトリ
ウム溶液を連続的に添加し、送液中や分離装置直前の調
整槽内で反応させるようにしてもよく、また、中和処理
後に分離して得られたpH5〜9で生成のスラッジのケ
ーキ状濾塊を、当初少量の水酸化ナトリウム溶液を用い
て、次いでpH9.0以上の洗浄液を使用し、洗浄液の
pHが9.0〜11.0となるように加圧傾斜洗浄を行
ってもよく、更には、pH5〜9で生成したスラッジの
ケーキ状濾塊を、アルカリ溶液で平衡溶液がpH9.0
以上となるようリパルピングしてもよい。
【0036】そして、上記本発明の第一の方法あるいは
第二の方法で高pH値下に回収されたスラッジは、それ
が低硫酸根濃度であるので、種々の方法で有効利用を図
ることができるものであるが、典型的には、水酸化ナト
リウム溶液及び/又は低アルミニウム濃度のアルミン酸
ナトリウム溶液に溶解し、不溶物を分離除去して得られ
た溶液中に結晶性水酸化アルミニウムを種子として添加
し、加水分解して析出した結晶性水酸化アルミニウムを
濾過して回収されると共に、得られた濾過液をアルカリ
溶液として再使用される。
【0037】ここで、スラッジの溶解に使用する水酸化
ナトリウム溶液及び/又は低アルミニウム濃度のアルミ
ン酸ナトリウム溶液については、通常のエッチング処理
に用いられるNaOH濃度70〜150g/リットルの
水酸化ナトリウム溶液や、NaOH濃度70〜150g
/リットルのアルミン酸ナトリウム溶液や、エッチング
工程で用いられるNaOH濃度300g/リットル以上
の補給用水酸化ナトリウム溶液でよく、更には、NaO
H濃度70〜150g/リットルのアルミン酸ナトリウ
ム溶液とNaOH濃度300g/リットル以上の補給用
水酸化ナトリウム溶液の両者を用いてスラッジの溶解を
行ってもよい。
【0038】
【作用】本発明の方法においては、pH9.0以上とい
う高pH値下でスラッジの分離を行い、回収された低硫
酸根濃度のスラッジを有効利用すると共に、この高pH
値下でのスラッジの分離により回収できなかったアルミ
ニウム分についてはこれをアルミニウム含有廃液中に循
環させるようにしているので、従来その処理に苦慮して
いたアルミニウム含有廃液、特に陽極酸化処理老化浴、
ミスト由来の廃液、洗浄水由来の廃液等を安価にかつ効
率的に廃液処理することができる。
【0039】スラッジに対してケーキ上洗浄やリパルピ
ング濾別の操作を繰り返し適用してもほとんど減少せ
ず、また、乾燥処理や結晶水の脱水温度以上の加熱処理
でも、更にはこの加熱処理後の洗浄でもほとんど除去で
きないようなスラッジ中の硫酸根が、pH9.0以上と
いう高pH値下で分離されたスラッジ中に入り込んでこ
ない理由については確認していないが、次のような理由
に基づくものと考えられる。
【0040】すなわち、アルミニウム含有廃液を中和し
て得られる含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジ
中の硫酸根は、多量の水分を含む環境下で次のような平
衡状態で存在するものと考えられる。
【化1】
【0041】従って、単に水洗したり、低温での乾燥や
加熱を行っても硫酸根の除去は不可能であり、pH9.
0以上という高pH値の水溶液を用いることにより、上
記平衡式を右に移動させる、いわばイオン交換反応が迅
速に行われ、これによって初めて容易に硫酸根の除去が
可能になるものと考えられる。すなわち、本発明は、ま
さにこのイオン交換反応を利用しているものであると考
えられる。
【0042】
【実施例】以下、添付図面に示す廃液処理のフローチャ
ートの実施例に基づいて、本発明方法を具体的に説明す
る。なお、以下の実施例及び比較例において、単位
「%」は重量%である。
【0043】実施例1 アルミニウム含有廃液として、アルミニウム材の表面処
理で発生したアルカリ性の廃液(NaOH:8.4g/
リットル、Al:2.4g/リットル)50リットルと
酸性の廃液(全H2 SO4 :5.7g/リットル、A
l:0.4g/リットル)130リットルとの混合溶液
を使用し、図1に示す廃液処理のフローチャートに従っ
て廃液処理を行った。
【0044】この実施例1において、上記混合溶液中に
水酸化ナトリウムを添加してこの混合溶液をpH9.5
に調整し、次いでこの高pH値に調整された混合溶液中
に高分子凝集剤を添加し、混合溶液中の含水ゲル状水酸
化アルミニウム質のスラッジを沈降させ、このスラッジ
を高濃度に含有する濃密部12リットルを取り出し、こ
の濃密部を加圧下に濾過し、濾滓ケーキ上よりpH9.
4の洗浄水2リットルを流して加圧下に水洗した。回収
されたスラッジは2,090g(水分含有量76%)で
あった。
【0045】このようにして得られた上記沈降分離の際
の上澄みの分離液と濾洗液とを一緒にし、これに硫酸を
添加して中和し、pH8.0に調整した。この中和処理
によって生成した不溶物、すなわち含水ゲル状水酸化ア
ルミニウム質のスラッジを再び沈降させ、上澄みの清澄
液180リットルを排水とすると共に、濃密部20リッ
トルについては次に処理すべきアルミニウム含有廃液に
合流させた。
【0046】この実施例1において、上記高pH値下で
分離して回収されたスラッジについて、その組成を調べ
たところ、Al:8.0%、Na:0.25%、SO
4 :0.47%であった。
【0047】比較例1 アルミニウム含有廃液として上記実施例1で用いた混合
溶液と同じものを使用し、これに水酸化ナトリウム13
1g(100%換算)を添加してpH6.7に中和し、
その全体を加圧下に濾過し、濾滓ケーキ上より洗浄水3
リットルを流して加圧下に水洗した。回収されたスラッ
ジは2240g(水分含有量76%)であり、その組成
は、Al:7.5%、Na:0.2%、SO4 :3.4
%であった。
【0048】実施例2 実施例1と全く同様にして高pH値下の分離で得られた
スラッジ2150gを105℃で3時間乾燥し、フレー
ク状の乾燥物510gを得た。これをpH9.5の洗浄
水2リットル中に分散させて洗浄した後に加圧下に濾過
し、更に水1リットルを使用して洗浄した。回収された
スラッジは740g(水分含有量30%)であり、その
組成は、Al:23.3%、Na:0.9%、SO4
0.8%であった。
【0049】比較例2 上記比較例1と全く同様にして得られたスラッジについ
て、上記実施例2と同様に105℃乾燥後水洗処理を行
った結果、回収されたスラッジの組成は、Al:22.
5%、Na:0.4%、SO4 :9.3%であった。
【0050】実施例3 アルミニウム含有廃液として上記実施例1で用いたもの
と同じ混合溶液〔アルカリ性の廃液(NaOH:8.4
g/リットル、Al:2.4g/リットル)50リット
ルと酸性の廃液(全H2 SO4 :5.7g/リットル、
Al:0.4g/リットル)130リットルの混合溶
液〕を使用し、図2に示す廃液処理のフローチャートに
従って廃液処理を行った。
【0051】この実施例3において、上記混合溶液中に
水酸化ナトリウム131g(100%換算)を添加して
中和し、pH6.7に調整した。得られた中和処理後の
混合溶液に高分子凝集剤を添加し、含水ゲル状水酸化ア
ルミニウム質のスラッジを沈降させ、その上澄みの清澄
液164リットルはそのまま排水とし、また、その下部
より濃密部16リットルを回収して別の容器に移し、こ
れに25%水酸化ナトリウム溶液185mlを添加し、
pH10.0の高pH値に調整した。
【0052】高pH値に調整した後、スラッジを加圧下
に濾過し、濾滓ケーキ上より先ずpH9.4の洗浄水2
リットルを流し、次いでpH6.9の洗浄水2リットル
を流して加圧下に水洗した。回収されたスラッジは2,
280g(水分含有量76%)であり、その組成は、A
l:7.9%、Na:0.3%、S04 :0.2%であ
った。また、この高pH値下でのスラッジ分離で得られ
た濾過液とスラッジの洗浄液は、合流させたのちに次回
処理予定のアルミニウム含有廃液中に合流させた。
【0053】実施例4 エッチング処理工程と陽極酸化処理工程とを有する既設
のアルミニウム材の表面処理ラインにおいて、そのエッ
チング処理液のアルカリ回収後の再生液(NaOH:8
9.0g/リットル、Al:17.9g/リットル)2
1.56リットル中に、上記実施例1と同様な方法で得
られたスラッジ(Al:8.0%、Na:0.25%、
SO4 :0.47%)2,100gを添加し、混合して
50℃で20分間保持した後、減圧下に吸引濾過し、次
いで水0.02リットルで残渣を洗浄した。
【0054】得られた濾洗液(濾過液と洗浄液の合計)
は23.31リットルであり、その組成は、NaOH:
82.2g/リットル、Al:23.7g/リットル、
Na 2 SO4 :0.6g/リットルであった。また、回
収された濾滓(水分含有量50%)は28gであった。
この結果、エッチング処理老化浴中に添加され、濾洗液
中に回収されたスラッジ中のAl回収率は98.5%で
あった。
【0055】このスラッジを溶解した濾洗液をエッチン
グ処理液のアルカリ回収装置に循環されるエッチング処
理老化浴(NaOH:87.0g/リットル、Al:2
5.0g/リットル)77.30リットルと合わせて1
00.61リットル(NaOH:85.9g/リット
ル、Al:24.7g/リットル、Na2 SO4 :0.
15g/リットル)とし、これに種子としてジブサイト
6,000gを添加し、45℃で24時間攪拌して加水
分解せしめ、析出した結晶を濾過分離し、水洗して結晶
性水酸アルミニウム(ジブサイト:水分含有量8%)
2,340gを得た。
【0056】回収された濾洗液(濾過液と洗浄液の合
計)は99.42リットルであり、その組成はNaO
H:86.8g/リットル、Al:17.5g/リット
ル、Na 2 SO4 :0.15g/リットルであった。こ
の結果、スラッジ中のアルミニウム分の98.5%が有
用な結晶性水酸化アルミニウムとして回収されたことに
なる。
【0057】上記結晶性水酸化アルミニウムを分離して
回収された濾洗液の一部は、再びスラッジの溶解処理に
向けられ、また、残部はアルカリ補給をした後にアルミ
ニウム材のエッチング処理工程に再生されたエッチング
処理液として循環して使用されるが、このラインでのN
2 SO4 蓄積量は3.0g/リットルを越えることが
なかった。
【0058】比較例3 比較のため、比較例1で得られたスラッジを上記実施例
4と全く同様に処理した場合、100℃で30分間保持
して溶解させたが、エッチング処理老化浴中に添加さ
れ、濾洗液中に回収されたスラッジ中のAl回収率は7
2%にすぎなかった。また、これをそのまま循環使用す
ると、エッチング処理液中に蓄積されるNa 2 SO4
積量は16g/リットルになると計算される。
【0059】実施例5 エッチング処理工程と陽極酸化処理工程とを有する既設
のアルミニウム材の表面処理ラインにおいて、そのエッ
チング処理老化浴からアルミニウムを回収して得られた
再生エッチング処理液(NaOH:89.0g/リット
ル、Al:17.9g/リットル)21.52リットル
中に、上記実施例2と同様な方法で得られたスラッジ
(Al:23.3%、Na:0.9%、SO4 :0.8
%)721gを添加し、混合して100℃で1時間保持
した後、減圧下に吸引濾過し、次いで水0.02リット
ルで残渣を洗浄した。
【0060】得られた濾洗液は22.07リットルであ
り、その組成は、NaOH:86.7g/リットル、A
l:24.9g/リットル、Na2 SO4 :0.4g/
リットルであった。また、回収された濾滓(水分含有量
50%)は27gであった。この結果、エッチング処理
老化浴からアルミニウムを回収して得られた再生エッチ
ング処理液中に添加され、濾洗液中に回収されたスラッ
ジ中のAl回収率は98.3%であった。
【0061】このスラッジを溶解した濾洗液をエッチン
グ処理液のアルカリ回収装置に循環されるエッチング処
理老化浴(NaOH87.0g/リットル,Al:2
5.0g/リットル)77.30リットルと合わせて9
9.37リットル(NaOH:86.9g/リットル、
Al:25.0g/リットル、Na2 SO4 :0.09
g/リットル)とし、これに種子としてジブサイト6,
000gを添加し、45℃で24時間攪拌して加水分解
せしめ、析出した結晶を濾過分離し、水洗して結晶性水
酸アルミニウム(ジブサイト:水分含有量8%)2,3
40gを得た。
【0062】回収された濾洗液は98.19リットルで
あり、その組成はNaOH:87.9g/リットル、A
l:17.7g/リットル、Na2 SO4 :0.09g
/リットルであった。この結果、スラッジ中のアルミニ
ウム分の98.3%が有用な結晶性水酸化アルミニウム
として回収されたことになる。
【0063】上記結晶性水酸化アルミニウムを分離して
回収された濾洗液の一部は、再びスラッジの溶解処理に
向けられ、また、残部はアルカリ補給をした後にアルミ
ニウム材のエッチング処理工程に再生されたエッチング
処理液として循環して使用されるが、このラインでのN
2 SO4 蓄積量は2.0g/リットルを越えることが
なかった。
【0064】実施例6 実施例1と同様にして得られたスラッジ2100g(A
l:8%、Na:0.25%、SO4 :0.47%)
を、アルミニウム材の表面処理工程におけるエッチング
処理液の補給用水酸化ナトリウム溶液(濃度50%)8
46g(553ml)中に添加し、100℃で30分攪
拌して溶解させた。
【0065】得られた溶液を減圧下に吸引濾過し、濾滓
ケーキを水0.02リットルで洗浄し、濾洗液2.35
リットル(NaOH:178.4g/リットル、Al:
70.3g/リットル、Na2 SO4 :6.2g/リッ
トル)と濾滓28gとを回収した。
【0066】回収された濾洗液をエッチング処理老化浴
(NaOH:87.0g/リットル、Al:25.0g
/リットル)88.60リットルと合わせて90.94
リットル(NaOH:89.4g/リットル、Al:2
6.2g/リットル、Na2SO4 :0.16g/リッ
トル)とし、これに種子としてジブサイト6,000g
を添加し、45℃で30時間攪拌して加水分解させた。
【0067】析出した結晶性水酸化アルミニウムを濾過
し、0.35リットルの水で洗浄し、結晶性水酸化アル
ミニウム(水分含有量8%)2341gと濾洗液89.
80リットル(NaOH:90.3g/リットル、A
l:18.2g/リットル、Na2 SO4 :0.16g
/リットル)を得た。濾洗液はエッチング処理工程に再
生したエッチング処理液として循環させ、再びアルミニ
ウム材のエッチング処理に使用した。
【0068】スラッジ中のアルミニウム分についてみれ
ば、補給用水酸化ナトリウム溶液中に溶解され、エッチ
ング処理老化浴中に回収されたスラッジ中のAl回収率
は98.5%であり、1回の加水分解工程でその内の4
8.9%(すなわち、スラッジ中のアルミニウム分の4
8.2%)が結晶性水酸化アルミニウムとして回収され
たことになるが、溶液を循環させることによりエッチン
グ処理老化浴中に回収されたスラッジ中のアルミニウム
分のほとんどを有効利用することができるので、最終的
にはスラッジ中のアルミニウム分の98.5%を有用資
源化できることが判明した。
【0069】比較例4 比較のため、比較例1と同様の方法で得られたスラッジ
2240g(Al:7.5%、Na:0.2%、S
4 :3.4%)を用い、50%水酸化ナトリウム溶液
846g(553ml、NaOH:423g)で溶解
し、不溶物を加圧下に濾過して洗浄し、濾滓1,030
gと濾洗液2.20リットルとを回収した。得られた濾
洗液の組成はNaOH:166.5g/リットル、A
l:41.1g/リットル、Na2 SO4 :51.1g
/リットルであり、50%水酸化ナトリウム溶液中に溶
解して回収されたスラッジ中のAl回収率は僅かに54
%にすぎなかった。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム材の表面
処理で発生する種々のアルミニウム含有廃液、特に従来
その処理に苦慮していた陽極酸化処理老化浴、ミスト由
来の廃液、洗浄水由来の廃液等を安価にかつ効率的に廃
液処理することができる。またこの際に、回収される含
水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジ中に硫酸根が
入り込むのを可及的に抑制できるので、廃液処理で回収
されるスラッジから工業的に有価物である結晶性水酸化
アルミニウムやアルカリ溶液を容易に回収することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例1に係る廃液処理の
処理工程を示すフローチャートである。
【図2】 図2は、本発明の実施例3に係る廃液処理の
処理工程を示すフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 豊 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 株式会社 日軽技研内 (72)発明者 田中 義朗 東京都港区三田3丁目13番12号 日本軽 金属株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−143342(JP,A) 特開 昭53−44440(JP,A) 特開 昭52−77837(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ溶液又はこのアルカリ溶液と酸
    性溶液とを用いてアルミニウム又はアルミニウム合金か
    らなるアルミニウム材の表面を処理するアルミニウム材
    の表面処理において、これらアルカリ溶液処理又は酸性
    溶液処理に付随して発生したアルミニウム含有廃液を中
    和処理し、得られた中和処理液から中和処理で生成した
    含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを分離して
    廃液処理を行うに際し、上記中和処理前のアルミニウム
    含有廃液中の中和処理前スラッジをpH9.0以上の高
    pH値下で分離し、この中和処理前スラッジを分離して
    得られた分離液を中和処理してpH5〜9の範囲に調整
    し、この中和処理で生成した含水ゲル状水酸化アルミニ
    ウム質のスラッジを分離し、得られたこの中和処理後ス
    ラッジをアルミニウム含有廃液中に戻すことを特徴とす
    るアルミニウム材の表面処理における廃液処理方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ溶液又はこのアルカリ溶液と酸
    性溶液とを用いてアルミニウム又はアルミニウム合金か
    らなるアルミニウム材の表面を処理するアルミニウム材
    の表面処理において、これらアルカリ溶液処理又は酸性
    溶液処理に付随して発生したアルミニウム含有廃液を中
    和処理し、得られた中和処理液から中和処理で生成した
    含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを分離して
    廃液処理を行うに際し、アルミニウム含有廃液を中和処
    理してpH5〜9の範囲に調整し、この中和処理で生成
    した含水ゲル状水酸化アルミニウム質のスラッジを分離
    せしめ、清澄液を排水すると共に、得られた中和処理後
    スラッジをその共存平衡溶液のpHが9.0以上となる
    ように調整し、この高pH値調整後に再び含水ゲル状水
    酸化アルミニウム質のスラッジを分離し、得られた分離
    液をアルミニウム含有廃液中に戻すことを特徴とするア
    ルミニウム材の表面処理における廃液処理方法。
  3. 【請求項3】 中和処理で生成した含水ゲル状水酸化ア
    ルミニウム質のスラッジを沈降分離せしめ、上澄みの清
    澄液を排水すると共に、得られた中和処理後の濃密部を
    pH9.0以上の高pH値に調整する請求項2記載のア
    ルミニウム材の表面処理における廃液処理方法。
  4. 【請求項4】 高pH値下で分離して得られたスラッジ
    を、更にpH9.0以上の洗浄水で洗浄する請求項1〜
    3のいずれかに記載のアルミニウム材の表面処理におけ
    る廃液処理方法。
  5. 【請求項5】 高pH値下で分離して得られたスラッジ
    を、乾燥した後、更にpH9.0以上の洗浄水で洗浄す
    る請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム材の表
    面処理における廃液処理方法。
  6. 【請求項6】 高pH値下で分離して得られたスラッジ
    をpH9.0以上の洗浄水で洗浄した後、再度pH6.
    0〜8.0の洗浄水で洗浄する請求項4又は5に記載の
    アルミニウム材の表面処理における廃液処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の方法で
    得られたスラッジを、水酸化ナトリウム溶液及び/又は
    低アルミニウム濃度のアルミン酸ナトリウム溶液に溶解
    し、不溶物を分離除去して得られた溶液中に結晶性水酸
    化アルミニウムを種子として添加し、加水分解して析出
    した結晶性水酸化アルミニウムを濾過して回収すると共
    に、得られた濾過液をアルカリ溶液として再使用するこ
    とを特徴とするアルミニウム材の表面処理における廃液
    処理方法。
  8. 【請求項8】 スラッジの溶解に使用する水酸化ナトリ
    ウム溶液及び/又は低アルミニウム濃度のアルミン酸ナ
    トリウム溶液が、NaOH濃度70〜150g/リット
    ルである請求項7記載のアルミニウム材の表面処理にお
    ける廃液処理方法。
  9. 【請求項9】 スラッジの溶解に使用する水酸化ナトリ
    ウム溶液が、エッチング工程で用いられるNaOH濃度
    300g/リットル以上の補給用水酸化ナトリウム溶液
    である請求項7記載のアルミニウム材の表面処理におけ
    る廃液処理方法。
  10. 【請求項10】 スラッジの溶解を、NaOH濃度70
    〜150g/リットルのアルミン酸ナトリウム溶液とN
    aOH濃度300g/リットル以上の補給用水酸化ナト
    リウム溶液の両者を用いて行う請求項7記載のアルミニ
    ウム材の表面処理における廃液処理方法。
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