JP2001192867A - アルミニウム材の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム材の表面処理方法

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JP2001192867A
JP2001192867A JP2000004451A JP2000004451A JP2001192867A JP 2001192867 A JP2001192867 A JP 2001192867A JP 2000004451 A JP2000004451 A JP 2000004451A JP 2000004451 A JP2000004451 A JP 2000004451A JP 2001192867 A JP2001192867 A JP 2001192867A
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sulfuric acid
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JP2000004451A
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Akira Morita
彰 森田
Noboru Sugiyama
昇 杉山
Shoji Asahara
捷治 朝原
Yasushi Egami
泰 江上
Yoshiro Tanaka
義朗 田中
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃液中和処理用の工業薬品の負担を少なく
しながら、ゲル状水酸化アルミニウムの発生量を減少せ
しめ、かつ、このゲル状水酸化アルミニウム中の硫酸根
を低減せしめてその有用資源化を容易にすることができ
るアルミニウム材の表面処理方法を提供する。 【解決手段】 エッチング工程と陽極酸化工程とを有す
るアルミニウム材の表面処理方法において、陽極酸化工
程に関連する酸性廃液を通常型逆浸透装置で逆浸透処理
し、この硫酸濃縮液を硫酸回収後の陽極酸化老化浴と共
にアルミニウム濃縮装置で濃縮し、この濃縮液を酸性硫
酸アルミニウム溶液として系外に抜き出す一方、上記両
方の逆浸透装置からの透過液をエッチング工程に関連す
るアルカリ性廃液と共に廃液中和工程に導入し、中和処
理して生成したゲル状水酸化アルミニウムを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム又
はアルミニウム合金からなるアルミニウム材の表面処理
方法に係り、特に、貴重な工業薬品を節約しながら不可
避的に発生するゲル状水酸化アルミニウムの発生量を減
じ、しかも不純物の少ない有用資源化のより容易な状態
でゲル状水酸化アルミニウムを回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム又はアルミニウム合金から
なるアルミニウム材は、船舶、車両、機械等の種々の部
品や、サッシ等の建築材料、その他電気製品、事務用
品、家庭用品等の多くの分野で広範に利用されており、
その際に、アルミニウム材は、その表面の清浄化、耐蝕
性や意匠性の向上の付与等を目的として種々の表面処理
が行われ、所望のアルミニウム製品として用いられてい
る。
【0003】このような表面処理としては、アルミニウ
ム材の耐久性を改善するための陽極酸化処理が最も広く
行われており、その処理工程は通常、酸性溶液による洗
浄→水洗→水酸化ナトリウム溶液によるエッチング→水
洗→酸性溶液による脱スマット→酸性浴(通常、硫酸)
による陽極酸化→水洗→封孔又は塗装という工程よりな
っている。
【0004】このうち、最も基本的な工程はエッチング
工程と陽極酸化工程であり、これらの工程における処理
液にはその有効成分の消費とアルミニウム材由来のアル
ミニウム分の蓄積とが不可避的に発生し、これらがある
一定の限度を超えると、いわゆるエッチング老化浴や陽
極酸化老化浴となってその更新の必要が生じ、これらの
老化浴はアルミニウム分を多量に含むアルミニウム含有
廃液となる。
【0005】従来は、このようなアルミニウム材の表面
処理で発生するアルミニウム含有廃液を一括してpH6
〜8に中和処理し、その際に生成したゲル状水酸化アル
ミニウムスラッジを可及的に分離し、中性清澄液を廃水
としていたが、スラッジについては経済的に有用資源化
する方法がなく、多額なコストを費やして廃棄処分する
ことが行われていた。
【0006】ところで、近年、このようなアルミニウム
含有廃液中に存在するナトリウム分やアルミニウム分等
の有価物をできるだけ回収して有効利用することによ
り、処理の厄介なスラッジの発生をできるだけ抑制する
方法がいろいろと工夫され、それぞれの立地条件に応じ
て行われるようになってきた。
【0007】例えば、アルミニウム材のエッチング処理
の際に発生する老化浴については、これを定期的にある
いは連続的に抜き出し、結晶性水酸化アルミニウム〔α
Al(OH)3 、ジブサイト〕を種子として添加し、老
化浴中のアルミン酸ナトリウムを加水分解してアルミニ
ウム分の一部を工業的に有価物である結晶性水酸化アル
ミニウムとして析出させ、また、これによってアルミニ
ウム分の少なくなったアルミン酸ナトリウム溶液を再生
エッチング処理液としてエッチング処理に循環させてナ
トリウム分を再使用する、いわゆるエッチング処理老化
浴の再生有効利用が行われている。
【0008】また、アルミニウム材の陽極酸化処理の際
に発生する老化浴については、通常、硫酸アルミニウム
を120g/リットル程度の相当量含むことから、遊離
硫酸の大部分を透析法やイオン交換法等で回収した後、
産業用液状硫酸アルミニウム、セメント急結剤や、その
他の化学工業用原料として有用資源化することが行われ
ている。その結果、エッチング老化浴や、陽極酸化老化
浴に由来するゲル状水酸化アルミニウムスラッジの発生
はほとんどなくなってきた。
【0009】しかしながら、これらエッチング工程や陽
極酸化工程においては、表面処理後に水で洗浄すること
が必須とされており、その際に多量の洗浄廃液が発生す
るほか、エッチング工程及び陽極酸化工程の表面処理中
に発生する水素ガス等のガスと共にミストとして周辺に
飛散し排気系に吸収され、また、その他のハンドリング
ロスとして漏洩する、いわゆる「ミスト等由来の廃液」
が発生し、これらの洗浄廃液やミスト等由来の廃液は濃
度が希薄であるため再利用することができず、従来で
は、その他の希薄廃液と共に中和処理を行って生成した
ゲル状水酸化アルミニウムを回収するという廃液中和処
理が行われている。
【0010】ところで、このようなアルミニウム材の表
面処理においては、エッチング浴中の水酸化ナトリウム
濃度が概ね3N以下であって、陽極酸化浴中の硫酸根濃
度が概ね5〜6Nであり、酸過剰になっているため、こ
れらエッチング工程及び陽極酸化工程からの洗浄廃液や
ミスト等由来の廃液も必然的に酸過剰となり、更に、そ
の他の酸性溶液による予備酸洗工程や脱スマット工程の
酸性洗浄廃液を一括して処理しようとすると大幅な酸過
剰になる。このため、上記廃液中和処理においては、そ
の中和に際して貴重な工業用水酸化ナトリウムを大量に
追加使用することが必要となり、資源的に無駄であるほ
か、地域によっては廃水中の硫酸ナトリウムの総量が規
制される場合があり、そのような場合には廃水中の硫酸
ナトリウムを回収する処理も必要になる。
【0011】また、生成し沈澱したゲル状水酸化アルミ
ニウムを固液分離し、その後の廃水をそのまま放流する
ためには、中和後の液相のpHを通常5.5〜9.0、
好ましくは5.5〜8.5とする必要があるが、このよ
うな条件で生成するゲル状水酸化アルミニウム中には多
量の硫酸根が吸着されており、その量はpHに大きく依
存している。
【0012】更に、廃水が酸過剰である場合、水酸化ナ
トリウム等のアルカリを添加して中和する際、pH5.
5以上で溶存しているアルミニウムイオンはほぼ完全に
不溶化するが、それ以上pHを上げようとすると、ゲル
状水酸化アルミニウムに吸着された硫酸根がアルカリを
消費するため、pHの変化の割には多量のアルカリが必
要となる。例えば、pH5.5からpH8.5に変化さ
せるためには、アルミニウム1g当たり0.2g以上の
水酸化ナトリウムが必要となる。
【0013】このため、廃液中和工程における中和処理
は、通常、pH5.5〜8.5とされているが、経済的
な都合上pH5.5〜7.0で、更にはpH6.0〜
6.5でアルカリ添加を止めているのが実情である。こ
のため、生成したゲル状水酸化アルミニウムは、そのS
4 /Al重量比が0.5〜0.7に達する多量の硫酸
根を含むことになり、アルミニウム分と共に硫酸根を必
要とするごく特殊な用途の他には、経済的な有用資源化
が難しいというのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、アルミニウム材を表面処理する際、処理の厄介なゲ
ル状水酸化アルミニウムの発生量を可及的に減少させ、
また、必然的に生成するゲル状水酸化アルミニウム中の
硫酸根(SO4 2-)を可及的に除去して有用資源化を容
易にする方法について鋭意検討した結果、水酸化ナトリ
ウム溶液によるエッチング工程と硫酸を用いた陽極酸化
工程とを有するアルミニウム材の表面処理を行う際、酸
性廃液の大部分を占める陽極酸化処理後の洗浄廃液及び
ミスト等由来の廃液等の希薄廃液を、従来法の如く直接
廃液中和工程に送ることなく通常型逆浸透装置で逆浸透
処理し、この逆浸透処理で得られた硫酸濃縮液を、硫酸
回収装置から得られる硫酸回収後の陽極酸化老化浴と共
に、アルミニウム濃縮装置で濃縮し、このアルミニウム
濃縮装置からの濃縮液を酸性硫酸アルミニウム溶液とし
て系外に抜き出す一方、アルミニウム濃縮装置からの透
過液と通常型逆浸透装置の透過液とをアルカリ性廃液と
共に廃液中和工程に導入し、この廃液中和工程で中和処
理することにより、目的を達成できることを見出し、本
発明を完成した。
【0015】従って、本発明の目的は、アルミン酸ナト
リウムを加水分解してエッチング老化浴を再生せしめる
アルカリ再生装置を含むエッチング工程と、陽極酸化老
化浴からの硫酸回収装置を付設した陽極酸化工程とを有
するアルミニウム材の表面処理方法において、廃液中和
処理用の工業薬品の負担を少なくしながら、ゲル状水酸
化アルミニウムの発生量を可及的に減少せしめ、かつ、
このゲル状水酸化アルミニウム中の硫酸根を可及的に低
減せしめてその有用資源化を容易にすることができるア
ルミニウム材の表面処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、水
酸化ナトリウム溶液によるエッチング工程と硫酸を用い
た陽極酸化工程とを有し、エッチング工程にはアルミン
酸ナトリウムの加水分解によるアルカリ再生装置が付設
されていると共に、陽極酸化工程にはその陽極酸化老化
浴から硫酸を回収する硫酸回収装置が付設されているア
ルミニウム材の表面処理方法において、陽極酸化工程で
処理されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗
浄廃液と陽極酸化工程におけるミスト等由来の酸性廃液
とを通常型逆浸透装置で逆浸透処理し、この逆浸透処理
で得られた硫酸濃縮液を、上記硫酸回収装置から得られ
る硫酸回収後の陽極酸化老化浴と共に、アルミニウム濃
縮装置で濃縮し、このアルミニウム濃縮装置からの濃縮
液を酸性硫酸アルミニウム溶液として系外に抜き出す一
方、アルミニウム濃縮装置からの透過液と通常型逆浸透
装置の透過液とを、上記エッチング工程で処理されたア
ルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液及びエ
ッチング工程におけるミスト等由来のアルカリ性廃液と
共に、廃液中和工程に導入し、この廃液中和工程で中和
処理して生成したゲル状水酸化アルミニウムを回収す
る、アルミニウム材の表面処理方法である。
【0017】本発明のアルミニウム材の表面処理におい
て、アルミニウム材は、まず予備酸洗工程において表面
活性化のために1〜3Nの酸性溶液で洗浄されることが
好ましく、通常、60〜120g/リットルの硫酸溶液
が使用され、洗浄に使用された硫酸溶液は酸性廃液とし
て廃液中和工程に送られる。この酸洗浄後、アルミニウ
ム材の表面に付着した酸性液(持ち出し)は、次工程の
エッチング工程に送られる前に多量の水により洗浄さ
れ、その際に希薄な酸性洗浄廃液(大略pH1.0)が
発生する。
【0018】このように、酸洗浄及び水洗浄されたアル
ミニウム材は、表面調整のためにエッチング工程に送ら
れ、水酸化ナトリウム溶液でエッチング処理される。エ
ッチング処理には通常10%前後の水酸化ナトリウム溶
液を用い、50〜60℃で数分間浸漬処理するが、その
際、アルミニウム材表面からアルミニウムが通常25〜
35g/m2 の割合でアルミン酸ナトリウムとして溶解
される。
【0019】エッチング溶液中には、アルミニウムが次
第に蓄積するが、本発明では、アルミン酸ナトリウムを
加水分解によりエッチング老化浴を再生せしめるアルカ
リ再生装置が付設されており、濃厚なエッチング老化浴
が直接系外へ排出されることはなく、エッチング工程に
関連する廃液は、エッチング工程におけるミスト等由来
の廃液とエッチング工程で処理されたアルミニウム材を
水洗する洗浄工程で生ずる洗浄廃液とからなり、通常、
あわせて水酸化ナトリウムを4〜10g/リットル、ま
た、アルミニウムを2〜4g/リットル含むアルカリ性
廃液となる。尚、上記のエッチング工程で処理されたア
ルミニウム材を水洗する洗浄工程においては、例えば、
直列に接続された複数の水洗槽により洗浄水の流れの下
流側から上流側に順次水洗を行う向流洗浄法等が採用さ
れる。
【0020】また、エッチング工程後のアルミニウム材
表面には、主として金属間化合物由来のスマットが微量
付着しており、そのまま陽極酸化工程に送られると、均
一な陽極酸化膜の生成に支障を来し、また、陽極酸化浴
を汚染するので、脱スマット工程において酸性溶液(例
えば、硫酸を使用する場合H2 SO4 :70g/リット
ル以上)を用いてアルミニウム材を洗浄し、スマットを
除去することが好ましい。
【0021】この脱スマット工程における脱スマット槽
では、アルミニウム材により持ち込まれるのはほとんど
水に近いため、脱スマット浴はたえず希釈される傾向に
あり、このために脱スマット浴の酸濃度を所定濃度に維
持するためには、酸溶液を補給する必要があり、このた
めに補給した酸溶液の容積相当分のオーバーフローが発
生して酸性廃液の一部が構成される。尚、脱スマット処
理後のアルミニウム材は、脱スマット浴に硫酸以外の異
種の酸を使用しない限り、水洗する必要はなくそのまま
陽極酸化工程に送ることができる。
【0022】陽極酸化工程は、通常15%前後の硫酸水
溶液からなる陽極酸化浴を用いて行われ、その際、アル
ミニウム材の表面より6〜10g/m2 の割合でアルミ
ニウムが溶解して遊離硫酸を消費するので、常時硫酸を
補給しながら操業し、通常、蓄積したアルミニウム濃度
(Al濃度)が大略20g/リットルになると老化浴と
して浴が更新される。この陽極酸化浴については、通
常、そのAl濃度が18〜22g/リットルになるよう
に陽極酸化老化浴が連続的に又は定期的に抜き出され、
同時に抜き出された陽極酸化老化浴と同容積の新浴が補
給される。
【0023】また、陽極酸化老化浴中には、通常、遊離
硫酸が130〜180g/リットル含まれており、遊離
硫酸は硫酸回収装置によって回収される。この遊離硫酸
の回収は、透析法、イオン交換法等の方法で行うことが
できる。回収された硫酸は、必要に応じて硫酸及び水が
添加され、陽極酸化浴に還流して再利用することが広く
行われている。この回収された硫酸は、新陽極酸化浴を
建浴するためのベースとなる都合上、その容積は抜き出
された陽極酸化老化浴の80〜90%とし、硫酸の回収
率は通常75〜80%に達する。
【0024】そして、陽極酸化工程後にアルミニウム材
に陽極酸化浴の成分が付着残留していると、次工程の封
孔工程、着色工程や塗装工程を経た製品の品質が低下す
るので、アルミニウム材表面の付着成分は厳密に規制さ
れている。このため、陽極酸化工程後、アルミニウム材
は洗浄水による洗浄工程に送られ、ここでその表面の付
着成分が水洗によって洗浄除去される。このため、この
洗浄工程において多量の希薄酸性洗浄廃液が発生する。
【0025】上記洗浄工程でのアルミニウム材の洗浄
は、一般に、直列に接続された複数の水洗槽により、ア
ルミニウム材を洗浄水の流れの下流側の水洗槽から上流
側の水洗槽へと順次向流的に移動させながら水洗する向
流洗浄法が広く用いられ、排出される洗浄廃液中の遊離
硫酸濃度は、洗浄水量にもよるが、通常、3〜6g/リ
ットルに達しており、その大略1/8(重量比)のアル
ミニウム分(Al分)を含んでいる。
【0026】本発明では、この陽極酸化工程後の洗浄工
程における洗浄廃液を従来法のようにそのまま廃液中和
工程に向けることなく、陽極酸化工程におけるミスト等
由来のアルミニウムを含む酸性廃液と共に、通常型逆浸
透装置で逆浸透処理することにより濃縮する。
【0027】次に、この逆浸透処理で得られた硫酸濃縮
液を、前記硫酸回収装置から得られる硫酸回収後の陽極
酸化老化浴と共に、アルミニウム濃縮装置で更に濃縮す
る。このアルミニウム濃縮装置としては、例えば、アル
ミニウムの透過を阻止してアルミニウムを濃縮する硫酸
透過型逆浸透装置や、濃縮液側でアルミニウム濃度を上
昇せしめ、透過液側で硫酸濃度を上昇せしめる電気透析
装置等を使用することができる。
【0028】上記アルミニウム濃縮装置が、アルミニウ
ムの透過を阻止してアルミニウムを濃縮する硫酸透過型
逆浸透装置である場合、先の逆浸透処理で得られた硫酸
濃縮液と、前記硫酸回収装置から得られた硫酸回収後の
陽極酸化老化浴とを、この硫酸透過型逆浸透装置で逆浸
透処理することにより更に硫酸を回収して濃縮する。
【0029】この硫酸透過型逆浸透装置からの濃縮液
は、酸性硫酸アルミニウム溶液として系外に抜き出さ
れ、例えば、製品としての硫酸アルミニウム溶液(JI
S規格相当製品)の製造原料として用いられる。一方、
上記硫酸透過型逆浸透装置からの透過液は、通常型逆浸
透装置からの透過液と共に廃液中和工程に送られる。
【0030】また、上記アルミニウム濃縮装置が、電気
透析装置である場合、先の逆浸透処理で得られた硫酸濃
縮液と、前記硫酸回収装置から得られた硫酸回収後の陽
極酸化老化浴とを、この電気透析装置で電気透析処理す
ることにより、濃縮液側でアルミニウム濃度を上昇せし
め、透過液側で硫酸濃度を上昇せしめる。
【0031】この電気透析装置からの濃縮液は、アルミ
ニウム濃度が上昇し硫酸濃度が低下した酸性硫酸アルミ
ニウム溶液として系外に抜き出され、例えば、製品とし
ての硫酸アルミニウム溶液(JIS規格相当製品)の製
造原料として用いられる。また、上記電気透析装置から
の透過液は、通常型逆浸透装置からの透過液と共に廃液
中和工程に送られる。尚、この電気透析装置から得られ
る透過液は、アルミニウム濃度が低く、かつ、硫酸濃度
が高い濃縮硫酸溶液となるため、必要に応じて、その一
部又は全部をエッチング工程前の予備酸洗工程における
酸洗浴や、陽極酸化工程における陽極酸化浴に導入して
再利用することが可能である。
【0032】このような通常型逆浸透処理及びアルミニ
ウム濃縮装置による濃縮処理の結果、陽極酸化工程後の
洗浄工程において生ずる洗浄廃液及び陽極酸化工程にお
けるミスト等由来の酸性廃液中のAl分は、酸性硫酸ア
ルミニウム溶液として有用資源化されて系外に排出され
る。そのため、廃液中和工程に向けられるAl分は、ほ
ぼエッチング工程に関連する廃液、すなわち、エッチン
グ工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程
からの洗浄廃液及びエッチング工程におけるミスト等由
来のアルカリ性廃液に含有されるAl分のみとなるの
で、その結果、回収されるゲル状水酸化アルミニウムス
ラッジの量は大幅に減少する。
【0033】本発明における廃液中和工程では、不可避
的に発生するエッチング工程で処理されたアルミニウム
材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液及びエッチング工
程におけるミスト等由来のアルカリ性廃液を、上記の逆
浸透処理及びアルミニウム濃縮装置による濃縮処理で得
られた透過液や予備酸洗工程後の水洗工程における洗浄
廃液等の酸性廃液によって中和処理する。
【0034】本願発明のアルミニウム材の表面処理方法
では、酸性廃液の大部分を構成する陽極酸化工程で処理
されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃
液及び陽極酸化工程におけるミスト等由来の酸性廃液中
の硫酸は、有用資源化されて系外に排出されるので、廃
液中和工程に送られる廃液はアルカリ過剰型となる。従
って、廃液中和工程において酸性廃液とアルカリ性廃液
とがほとんど過不足なく中和処理できるように、必要か
つ充分な硫酸をバランスよく回収し、廃液中和処理用の
工業薬品を無駄に使用しないようにすることが望まし
い。
【0035】ところで、アルミニウムを含む水酸化ナト
リウム溶液(アルミン酸ナトリウム溶液)を硫酸で中和
する場合、不溶性のゲル状水酸化アルミニウムの生成は
通常、pH9.0〜8.5でほぼ終了し、以後の硫酸の
添加は、主として下記のようなイオン交換性吸着反応に
消費される。 Al−O−OH → Al−O−1/2 SO4
【0036】そして、アルミニウムを含む硫酸溶液及び
水酸化ナトリウム溶液を中和し、生成した不溶性のゲル
状水酸化アルミニウムを分離、回収して液相部を放流に
支障のない程度の中性清澄廃水とする場合、ゲル状水酸
化アルミニウムの生成は通常、pH5.5〜8.5でほ
ぼ終了するが、その際、多量の硫酸根がゲル状水酸化ア
ルミニウムに吸着する。この吸着は、上記のイオン交換
性吸着反応によると考えられ、硫酸根の吸着量は液相の
pHに左右される。
【0037】例えば、アルカリ性廃液を酸性廃液及び硫
酸酸性溶液で中和する場合、pH8.5でゲル状水酸化
アルミニウムを生成させ、その後更に硫酸酸性溶液を添
加しても、添加されたSO4 2-の大部分はゲル状水酸化
アルミニウムに吸着されるのみであるため、pHの変化
の割には多量の酸が無駄に消費される。
【0038】従って、微〜弱アルカリ性、例えば、pH
9〜10でゲル状水酸化アルミニウムを分離すれば、S
4 2- をほどんど含有しない極めて良質のゲル状水酸化
アルミニウムを得ることができるが、それを分離したア
ルカリ性廃液は、アルカリ性側にあるので、そのままで
は廃水として放流することができず、更に中和する必要
がある。しかしながら、このようなアルカリ性廃液中に
はAl分が微量溶存しており、これを中和すると更に不
溶性沈澱物(SS)が生成し、凝集沈降処理や濾過等の
固液分離のための設備が二重に必要となる。
【0039】そこで、本発明においては、ゲル状水酸化
アルミニウムのイオン交換性に注目し、廃液中和工程で
の操業を以下のように行っている。すなわち、廃液中和
工程に送られたアルカリ性廃液を酸性廃液によって、ま
た、必要であれば硫酸を加えて液相部を放流に支障のな
い程度で可及的にアルカリ側(例えばpH8.0〜8.
5)となるように中和処理し、次いで、生成したゲル状
水酸化アルミニウムを含む廃液を凝集沈降処理し、生成
したゲル状水酸化アルミニウムを回収すると共に、上澄
液はそのまま廃水とする。このようにして回収されたゲ
ル状水酸化アルミニウムは、硫酸根の吸着量を従来の約
1/2とすることができる。
【0040】また、本発明においては、廃液中和工程に
おける操業を以下のように行うこともできる。すなわ
ち、先ず、アルカリ性廃液の全量又は大部分を酸性廃液
によって、また、必要であれば硫酸を加えて液相部を放
流に支障のない程度(例えば、pH5〜9、好ましくは
pH5.5〜8.5、更に好ましくはpH6〜8)とな
るように中和処理し、アルカリ性廃液中の溶存アルミニ
ウムを完全に不溶化させる。次に、生成したゲル状水酸
化アルミニウムを含む廃液を凝集沈降処理し、次いで上
澄液はそのまま廃水とすると共に、可及的容積の減少し
た濃密部にはアルカリ性廃液の一部及び/又は水酸化ナ
トリウムを添加して微アルカリ性、例えば、pH9.0
〜10(通常はpH9〜9.5で充分)としてゲル状水
酸化アルミニウム中の吸着SO4 2- を放出せしめ、SO
4 2- をほとんど含まない、好ましくはSO 4/Al重量
比0.1以下のゲル状水酸化アルミニウムに改質処理
し、その後、固液分離して品質の向上した低硫酸根ゲル
状水酸化アルミニウムを回収する。また、この際に固液
分離された微アルカリ性濾液は、廃水として放流するに
は更に中和する必要があるため、当初の中和処理に戻し
て循環処理される。このようにして回収されたゲル状水
酸化アルミニウムは、SO 4/Al重量比を0.1以下
とすることができる。
【0041】尚、上記の凝集沈降処理で得られた濃密部
を改質処理する際に使用するアルカリ源としては、不可
避的に発生するアルカリ性廃液の一部を使用するのが資
源的に望ましいが、アルカリ性廃液が高濃度でないため
に、アルカリ性廃液の添加量が多量となり、その結果、
改質処理における加熱処理やその後の固液分離において
容積増によりコスト的に不都合が生ずる場合には、少量
の濃厚な水酸化ナトリウム溶液を使用してもよい。
【0042】この改質処理は、通常、常温では20分以
内、例えば、10〜15分程度で行われ、その際、40
℃以上、好ましくは、40〜80℃に加温して行うこと
が好ましい。加温することにより改質処理がより完全に
かつ迅速に行われ、また、改質処理後のゲル状水酸化ア
ルミニウムの分離性が向上する、すなわち、含水率が低
下するという利点がある。
【0043】このようにして回収されたゲル状水酸化ア
ルミニウムは、硫酸根をほとんど含まないので、従来硫
酸根の存在により利用できなかった化学工業上、窯業
上、治金用への有用資源化が可能となる。
【0044】特に、アルミニウム分を有効利用すべく、
改質処理後の低硫酸根ゲル状水酸化アルミニウムを水酸
化ナトリウムと反応させて高品質、高濃度の産業上有用
なアルミン酸ナトリウム溶液を得ることができる。従来
のゲル状水酸化アルミニウムを用いた場合には、共存す
る硫酸根により多量の水酸化ナトリウムが無駄に消費さ
れたり、また、含水率が高いために低濃度のアルミン酸
ナトリウム溶液しか得られないという問題があったが、
本発明で得られた低硫酸根ゲル状水酸化アルミニウムを
用いる場合にはこのような問題はない。
【0045】更に、この改質処理された低硫酸根ゲル状
水酸化アルミニウムを、アルミニウム材表面処理のエッ
チング工程において補給されている水酸化ナトリウム溶
液に溶解し、得られた不溶物を分離して精製したアルミ
ン酸ナトリウム溶液をアルカリ再生装置に導入してエッ
チング工程におけるエッチング老化浴と共に加水分解
し、次いで固液分離して再生水酸化ナトリウム溶液と工
業用的に有用な結晶性水酸化アルミニウムを回収すると
きには、エッチング工程におけるエッチング溶液中に硫
酸ナトリウムが蓄積する虞がなく、有用な工業用水酸化
アルミニウムを回収しながらゲル状水酸化アルミニウム
スラッジの発生をほとんど皆無とすることもできる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態を説明する。
【0047】図1〜4は、アルミン酸ナトリウムの加水
分解によるアルカリ再生装置が付設された水酸化ナトリ
ウム溶液によるエッチング工程と、陽極酸化老化浴から
硫酸を回収する硫酸回収装置が付設された陽極酸化工程
とを有するアルミニウム材の表面処理方法を示すフロー
チャートである。
【0048】尚、図1によるアルミニウム材の表面処理
方法は、アルミニウム濃縮装置が硫酸透過型逆浸透装置
である場合を示すものであり、また、図2によるアルミ
ニウム材の表面処理方法は、図1によるアルミニウム材
の表面処理方法において、より好ましい廃液中和工程を
示すものである。更に、図3によるアルミニウム材の表
面処理方法は、アルミニウム濃縮装置が電気透析装置で
ある場合を示すものであり、また、図4によるアルミニ
ウム材の表面処理方法は、図3によるアルミニウム材の
表面処理方法において、より好ましい廃液中和工程を示
すものである。
【0049】図1のアルミニウム材の表面処理方法にお
いては、陽極酸化工程に関連する酸性廃液、すなわち、
陽極酸化工程後の洗浄工程からの洗浄廃液と陽極酸化工
程におけるミスト等由来の酸性廃液とを通常型逆浸透装
置で逆浸透処理し、この逆浸透処理で得られた硫酸濃縮
液を、上記硫酸回収装置から得られる硫酸回収後の陽極
酸化老化浴と共に、アルミニウムの透過を阻止してアル
ミニウムを濃縮する硫酸透過型逆浸透装置で逆浸透処理
し、この硫酸透過型逆浸透装置からの濃縮液を酸性硫酸
アルミニウム溶液として系外に抜き出す一方、硫酸透過
型逆浸透装置からの透過液と通常型逆浸透装置の透過液
とを、上記エッチング工程で処理されたアルミニウム材
を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液及びエッチング工程
におけるミスト等由来のアルカリ性廃液と共に、廃液中
和工程に導入し、この廃液中和工程においては、中和処
理して生成したゲル状水酸化アルミニウムを含む廃液を
凝集沈降処理し、この凝集沈降処理で得られた濃密部を
濾過してゲル状水酸化アルミニウムを回収すると共に、
濾液については、凝集沈降処理の上澄液と共に廃水とし
て放流する。
【0050】尚、本発明では、酸性廃液を逆浸透処理す
ることによって硫酸を回収し、有用資源化が容易な状態
まで濃縮して系外に排出するので、その結果、廃液中和
工程では、廃液をアルカリ側から中和処理する。
【0051】陽極酸化工程で処理されたアルミニウム材
を水洗する洗浄工程において生ずる洗浄廃液及び陽極酸
化工程におけるミスト等由来の酸性廃液は、まず、通常
型の逆浸透処理が施される。この逆浸透処理の濃縮に使
用する逆浸透膜としては、現在、多種多様の型のものが
市販されており、耐酸性であれば公知任意のものが使用
できる。
【0052】また、この通常型逆浸透処理における濃縮
の程度は、通常、濃縮液中の遊離硫酸濃度が75g/リ
ットル程度までの濃縮が可能であるとされているが、後
の2回目の逆浸透処理にもよるが、濃縮液中の遊離硫酸
濃度が35〜45g/リットル、となるように濃縮する
のが好ましい。この濃縮液中の遊離硫酸濃度が35g/
リットルより低いと、廃液中和工程の中和処理において
酸過剰となるため好ましくなく、また、45g/リット
ルより高いと、廃液中和工程の中和処理において酸不足
となるため好ましくない。
【0053】例えば、遊離H2 SO4 :6〜8g/リッ
トル、Al:1g/リットルの廃液を、5〜6倍に濃縮
して遊離H2 SO4 :40g/リットル、Al:4〜5
g/リットルとなるようにする場合、得られた透過液の
濃度は、遊離H2 SO4 :1g/リットル以下、Al:
0.1g/リットル以下とすることができる。
【0054】上記通常型逆浸透処理により得られた硫酸
濃縮液は、透析法やイオン交換法等の方法によって遊離
硫酸が回収された硫酸回収後の陽極酸化老化浴(通常、
遊離H2 SO4 :30〜40g/リットル以下、Al:
18〜20g/リットル)と混合された後、アルミニウ
ムの透過を阻止する硫酸透過型逆浸透装置に送られ、逆
浸透処理が施される。
【0055】この硫酸透過型逆浸透装置において、逆浸
透処理に使用する逆浸透膜としては、膜組成、有孔径、
膜構成及び形状について多種多様のものが市販されてお
り、特に限定されるものではないが、耐酸性及びAlイ
オン阻止性を勘案して選べばよい。
【0056】また、この硫酸透過型逆浸透処理における
濃縮の程度は、濃縮液中のアルミニウム濃度が20g/
リットル以上となるように濃縮するのが好ましい。この
濃縮液中のアルミニウム濃度が20g/リットルより低
いと、系外に抜き出される酸性硫酸アルミニウム溶液の
有用資源化に不都合を生じ、また、輸送費用がかさむよ
うになるため好ましくない。
【0057】また、この硫酸透過型逆浸透装置からの透
過液と先の通常型逆浸透装置からの透過液と廃液中和工
程に送られるその他の酸性廃液中の硫酸が、廃液中和工
程に送られるアルカリ性廃液中の水酸化ナトリウムと過
不足なくバランスするように濃縮することが好ましい。
硫酸透過型逆浸透処理において、濃縮の程度が高すぎる
と透過液中の硫酸が増加するため廃液中和工程において
酸過剰となり、また、濃縮の程度が低すぎると透過液中
の硫酸が減少するため廃液中和工程において酸不足とな
る。この硫酸透過型逆浸透処理における濃縮液中のアル
ミニウム濃度は、陽極酸化老化浴からの硫酸回収の程度
や廃液中和工程に送られるその他の廃液の発生量にもよ
るが、20〜30g/リットル程度とするのがよい。
【0058】廃液中和工程に送られる酸性及びアルカリ
性廃液の濃度や発生量は、被処理材の生産量及び生産品
種による変動が避けられないが、大きく変動した場合に
は、抜き出される酸性硫酸アルミニウム溶液の組成の変
動を避け、また、廃液中和処理用の工業薬品の無駄な使
用を避けるため、酸とアルカリのバランスは、先の通常
型逆浸透装置による濃縮の程度によって対処するのが望
ましい。
【0059】本発明のアルミニウム材の表面処理方法に
おける廃液中和工程では、不可避的に発生するアルカリ
性廃液、すなわち、エッチング工程で処理されたアルミ
ニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液及びエッチ
ング工程におけるミスト等由来のアルカリ性廃液を、通
常型逆浸透装置からの透過液及び硫酸透過型逆浸透装置
からの透過液、予備酸洗工程後の洗浄工程等からの酸性
廃液、及び必要によって添加される硫酸によって中和処
理することができる。
【0060】本発明によれば、廃液中和工程に送られる
廃液のアルカリ−酸がほぼ過不足なくバランスしている
ので、従来法のように貴重な水酸化ナトリウムを多量に
追加して使用する必要がなく、容易にpH8〜8.5
(液相部を放流に支障のない程度で可及的にアルカリ
側)で中和処理をすることができる。また、酸性廃液中
のAl分は有用資源化されて系外に排出され、廃液中和
工程に向けられるAl分はほぼアルカリ性廃液に含有さ
れるAl分のみとなる。その結果、回収されたゲル状水
酸化アルミニウムの発生量は従来法によるゲル状水酸化
アルミニウムの発生量の70〜80%に減少し、しか
も、ゲル状水酸化アルミニウム中のSO4 /Al重量比
が0.35以下となり、従来法によるゲル状水酸化アル
ミニウム中のSO4 /Al重量比0.5〜0.6に比べ
て約1/2とすることができる。
【0061】次に、図2のアルミニウム材の表面処理方
法においては、図1と同様に処理して得られた廃液を廃
液中和工程に導入し、この廃液中和工程においては、中
和処理して生成したゲル状水酸化アルミニウムを含む廃
液を凝集沈降処理し、この凝集沈降処理で得られた上澄
液を廃液として放流すると共に、濃密部についてはアル
カリを添加して改質処理し、次いで固液分離して少量の
高品位な低硫酸根ゲル状水酸化アルミニウムを回収する
と共に、アルカリ性廃液については再び中和処理に戻さ
れる。
【0062】図2における廃液中和工程では、まず、エ
ッチング工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗
浄工程からの洗浄廃液及びエッチング工程におけるミス
ト等由来のアルカリ性廃液を、通常型逆浸透装置からの
透過液及び硫酸透過型逆浸透装置からの透過液、予備酸
洗工程後の洗浄工程等からの酸性廃液、及び必要によっ
て添加される硫酸によって中和処理することができる。
【0063】この中和処理後、生成したゲル状水酸化ア
ルミニウムを含む廃液は凝集沈降処理され、この凝集沈
降処理で得られた濃密部が分離された後の清澄液は廃水
として放流されるので、上記中和処理の際のpHは、放
流水のpH管理内で行われる。尚、中和処理の際のpH
は、高いほどゲル状水酸化アルミニウム中に吸着保持さ
れるSO4 2- を少なくすることができ、後の溶離処理
(改質処理)を容易とすることができるので、廃水とし
て放流できる範囲内で可及的に高い方がよく、中和処理
の際のpHは7〜8.5、好ましくは、pH7.5〜
8.5をめどとすればよい。
【0064】中和処理後のスラリーは、常法によって、
例えば、凝集剤を添加して凝集沈降処理される。また、
その際用いる凝集剤としては、中性液用の公知任意の有
機高分子凝集剤が使用できる。
【0065】凝集沈降処理後の中性清澄の上澄液は廃水
とすることができ、また、この凝集沈降処理で得られた
濃密部は、改質処理をするため、別に設けられた改質槽
に送られ、ここでアルカリ性廃液の一部を添加して微ア
ルカリ性、好ましくは例えばpH9.0〜10.0と
し、吸着硫酸根を溶離させる。
【0066】この改質処理は、通常、イオン交換反応の
ように短時間(10分以内)に行われるが、40〜60
℃に加温すればより迅速に、かつ、完全に行うことがで
きる。加温方法は、直接加熱、間接加熱等の方法で特に
限定するものではないが、蒸気吹き込みが簡単で便利で
ある。
【0067】上記改質処理は、後の固液分離操作及び濾
液を再び中和処理に戻す際の還流液量の都合上、可及的
小容積で行うのがよいが、改質処理のために添加するア
ルカリ性廃液はそのアルカリ濃度が低いので、容積の増
加を軽減する必要がある場合や、反応速度を速くしたい
場合等には、アルカリ性廃液の一部又は全部に代えて工
業用水酸化ナトリウム、例えば、25%又は50%水酸
化ナトリウムを用いてもよい。
【0068】また、ゲル状水酸化アルミニウムの微アル
カリ性下、SO4 2- 溶離のための改質処理により、前工
程の中和処理後の凝集塊は極微粒の分散状態となり、そ
のままでは固液分離が困難となるので、凝集槽に導いて
再度異種の凝集剤を添加して凝集させるとよい。この場
合の凝集剤としては、例えば、耐アルカリ性のポリアク
リルアミド系、弱アニオン系が効果的であり、その添加
量は、スラリーに対して50〜100ppm程度が好ま
しい。尚、操作をより簡略化するために、中和処理後の
濃密部を送液配管内でアルカリ添加、加温を自動管理
し、そのまま凝集槽に導いて凝集処理してもよい。
【0069】改質処理後のスラリーは、元来中和処理後
の濃密部を処理しているので、そのスラリー濃度は比較
的高く、そのまま濾過(通常加圧型濾過機使用)により
固液分離できる。ただし、容積その他の都合により、事
前に沈降処理をしてもよい。この固液分離により、硫酸
根の激減したゲル状水酸化アルミニウムが回収され、ま
た、微アルカリ性濾液は、アルカリの有効利用と中性化
のための不溶性沈澱(SS)防止のため、放流すること
なく中和処理に還流され、新廃液と共に中和処理が繰り
返されることが好ましい。
【0070】次に、図3のアルミニウム材の表面処理方
法は、アルミニウム濃縮装置として、電気透析装置を用
いたものであり、図1と同様に通常型逆浸透装置で逆浸
透処理して得られた硫酸濃縮液は、透析法やイオン交換
法等の方法によって遊離硫酸が回収された硫酸回収後の
陽極酸化老化浴(通常、遊離H2 SO4 :30〜40g
/リットル以下、Al:18〜20g/リットル)と混
合された後、電気透析装置に導入され、電気透析処理が
施される。
【0071】この電気透析処理には市販の陰イオン交換
性隔膜又は陽イオン交換性隔膜を用いた3室式の装置が
用いられ、この電気透析処理により、硫酸−硫酸アルミ
ニウム混合溶液から硫酸が回収され、遊離硫酸の少ない
酸性硫酸アルミニウム溶液が得られる。
【0072】また、この電気透析処理における濃縮の程
度は、濃縮液中のアルミニウム濃度が20g/リットル
以上、及び遊離硫酸/結合硫酸(硫酸アルミニウム相当
硫酸)重量比が0.20以下となるように濃縮するのが
好ましい。この濃縮液中のアルミニウム濃度が20g/
リットルより低いと、系外に抜き出される酸性硫酸アル
ミニウム溶液の有用資源化に不都合を生じ、また、輸送
費用がかさむようになるため好ましくない。更に、遊離
硫酸/結合硫酸重量比が0.20より大きいと、微酸性
の硫酸アルミニウム溶液の製造に不都合が生じる。
【0073】また、この電気透析処理により回収される
透過液の濃度については、この透過液中の遊離硫酸濃度
が50g/リットル以上であることが好ましい。この透
過液の遊離硫酸濃度が50g/リットルより低いと、酸
性浴あるいは陽極酸化浴の建浴用として還流利用が困難
となり、液処理に向ければ酸過剰を招いて中和用アルカ
リ性薬品の消費の増加を招くので好ましくない。また、
この透過液中のアルミニウム濃度は、このアルミニウム
濃度が高くなると、廃液処理によるゲル状水酸化アルミ
ニウムの生成量が抑制されるという問題が生じ、また、
陽極酸化浴の寿命確保の観点からしても、可及的に小さ
いことが望ましい。
【0074】上記のように、電気透析装置から回収され
る透過液は、アルミニウム濃度が低く、かつ、硫酸濃度
が高い濃縮硫酸溶液となり得るため、その一部又は全部
をエッチング工程前の予備酸洗工程における酸洗浴、及
び陽極酸化工程における陽極酸化浴の建浴に再利用する
ことができ、当該表面処理における硫酸原単位を大幅に
減少させる一方、廃液処理の際の酸過剰を防止すること
ができる。残りの透過液は、通常型逆浸透装置からの透
過液等その他の酸性廃液と共に廃液中和工程に送られ
る。この廃液中和工程においては、図1と同様に処理さ
れる。
【0075】次に、図4のアルミニウム材の表面処理方
法においては、図3と同様に処理して得られた廃液を廃
液中和工程に導入し、この廃液中和工程においては、図
2と同様に処理して低流酸根ゲル状水酸化アルミニウム
を回収する。尚、図4における中和処理の際のpHは
6.0〜9.0をめどとすればよい。
【0076】尚、本発明では、陽極酸化工程由来の酸性
廃液に関する逆浸透処理の濃縮の程度と陽極酸化老化浴
からの硫酸回収率とを適当に選ぶことにより、廃液中和
工程に送られる酸性廃液を不可避的に発生するアルカリ
性廃液にバランスさせるのが本旨であるが、多少の不可
避的な変動を考慮して、廃液中和工程には従来法と同様
に、硫酸及び水酸化ナトリウム溶液の追加装置を備えて
おくのがよい。
【0077】その他、エッチング前の予備酸洗工程及び
水洗工程、エッチング工程、アルカリ再生装置、エッチ
ング工程後の水洗工程、脱スマット工程、陽極酸化工
程、陽極酸化工程後の水洗工程、陽極酸化老化浴からの
硫酸回収等における装置や操業法については、公知任意
の方法を用いることができ、また、それにより、本発明
の趣旨から逸脱するものではない。
【0078】
【実施例】以下、試験例及び実施例並びに比較例に基づ
いて、本発明の方法を具体的に説明する。 試験例1 アルミン酸ナトリウム溶液(NaOH:3.5g/リッ
トル、Al:1.4g/リットル)5リットルに、硫酸
溶液(H2 SO4 :6g/リットル、Al:0.03g
/リットル)を所定のpHになるように添加し、生成し
た沈澱物を15時間後に加圧濾過機〔(有)光信理化学
製作所製KS100−150〕を用いて、圧力6.5k
g/cm2 で加圧濾過して固液分離した。回収されたゲ
ル状水酸化アルミニウムの組成は、概ね、付着水分が8
0〜82%であり、また、これを105℃で20時間乾
燥した乾燥物の組成は、Al:28〜30%、Na:
0.5〜0.8%、SO4 2- :8〜12%であった。S
4 /Al重量比とpHを測定し、その関係を図7に示
した。
【0079】ただし、ゲル状水酸化アルミニウムは未洗
浄のため、吸着性を明らかにするため、SO4 2- 分よ
り、Na含有量より求めたNa2 SO4 相当分のSO4
2- を減じたものを吸着SO4 2- 分としてAlとの重量
比を求めたものである。
【0080】比較のために、従来法のように、アルミニ
ウムを含む多量の硫酸溶液(H2 SO4 :12g/リッ
トル、Al:1g/リットル)5リットルを、前記アル
カリ液10リットルと25%NaOH溶液を用いてpH
6.5に中和した結果を併せて図7に示した。また、ア
ルミン酸ナトリウム溶液の硫酸溶液を添加して、ゲル状
水酸化アルミニウムを分離した後の濾液をpH7.0と
した際の不溶性沈殿物(SS)の生成量を求めた結果も
併せて図7に示した。
【0081】この結果からわかるように、アルミン酸ナ
トリウム溶液を硫酸で中和する場合はアルカリ側ほど吸
着硫酸根が少なく、pHを8.0以下にすることは、硫
酸を添加すればするほどゲル状水酸化アルミニウムへの
硫酸根の吸着量が多くなるだけであり、資源的、経済的
に全く無駄であるばかりでなく、ゲル状水酸化アルミニ
ウムの品質上からみれば悪影響をもたらすばかりである
ことがわかる。
【0082】試験例2 表面処理工場(日産13000m2 )において、廃液中
和工程における中和処理後の凝集沈降池より、濃密泥漿
(pH6.5、固形分濃度:20g/リットル、固形分
組成;Al:29.8%、Na:0.67%、S
4 2- :16.6%、Si:0.58%、Fe:0.3
6%、Mg:0.16%)を採取し、各5リットルにア
ルミン酸ナトリウム溶液(NaOH:6g/リットル、
Al:1.5g/リットル)を所望pHとなるまで添加
し、20分後に加圧濾過機〔(有)光信理化学製作所製
KS100−150〕を用いて、圧力6.5kg/cm
2 で加圧濾過して固液分離した。その際の濾滓中のSO
4 /Al重量比を図8に示した。ただし、未凝集ゲル状
水酸化アルミニウムは洗浄困難なため、含有SO4 2-
り、Na含有量より求めたNa2 SO4 相当分のSO4
2- を減じたものを吸着SO4 2- としAl含有量との比
を求めた。
【0083】この結果からわかるように、ゲル状水酸化
アルミニウム中のSO4 2- とOH-の交換反応は、pH
9.0以上で顕著であることがわかる。また、加温(5
0℃)により、SO4 2- の溶離はさらに完全となり、ま
た、更にpHを上げると逆にNaを吸着するようになる
ことがわかる。
【0084】以下の実施例及び比較例は、400リット
ル規模の実験室装置を用いた実験結果を、産業上の効果
をわかりやすくするため、15,000m2 /日の規模
に換算したものである。
【0085】実施例1 図1に示すようなフローに従ってアルミニウム材の表面
処理を行った。陽極酸化老化浴からの遊離硫酸回収は拡
散透析法で行った。エッチング工程では、NaOH:9
5g/リットル、Al:26g/リットルの浴を用い、
エッチング工程におけるエッチング槽からは浴液が連続
的に40〜50m3 /日の割合で抜き出され、アルカリ
再生槽(アルカリ再生装置)において、結晶性水酸化ア
ルミニウム(ジブサイト)種子の存在下に加水分解が行
われ、工業用水酸化アルミニウム1049kg(10%
水分)を分離、回収しながらアルカリ再生が行われ、再
生された溶液には、エッチング工程によるアルミニウム
材の持ち出し損失分、副生水酸化アルミニウム随伴分、
及びミスト等由来の損失分相当のNaOH:294kg
/日を含む工業用水酸化ナトリウム(28%溶液)が補
給され、エッチング槽(エッチング工程)内に還流され
る。
【0086】この際、エッチング工程で処理されたアル
ミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液と、エッ
チング工程におけるミスト等由来のアルカリ性廃液とを
あわせ、NaOH:5.7g/リットル、Al:2.7
g/リットルを含むアルカリ性廃液50m3 が廃液中和
工程に送られた。
【0087】また、酸性廃液としては、エッチング工程
前の硫酸溶液90g/リットルを使用した予備酸洗工程
において酸洗されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程
からの洗浄廃液や脱スマット工程からのオーバーフロー
による酸性廃液等のアルミニウムをほとんど含まない酸
性廃液約27m3 (H2 SO4 :4g/リットル)と、
アルミニウムを含む陽極酸化工程で処理されたアルミニ
ウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃液及び陽極酸化
工程におけるミスト等由来の酸性廃液37m3の酸性廃
液(全H2 SO4 :11.5g/リットル、Al:0.
9g/リットル、遊離H2 SO4 :6.7g/リット
ル)が発生した。尚、全H2 SO4 (全硫酸)とは、遊
離硫酸とアルミニウムに結合した硫酸との合計を示す。
【0088】このアルミニウムを含む陽極酸化工程で処
理されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄
廃液及び陽極酸化工程におけるミスト等由来の酸性廃液
を、先ず、通常型の逆浸透装置〔エー・エスエンジニア
リング(株)製〕を用い、給水圧力30kg/cm2
条件で逆浸透処理を行い、4.5m3 の硫酸濃縮液(遊
離H2 SO4 :48.0g/リットル、Al:7.1g
/リットル)と、32.5m3 の透過液(遊離H2 SO
4 :1.0g/リットル、Al:0.03g/リット
ル)とを回収した。
【0089】陽極酸化槽(陽極酸化工程)からは、陽極
酸化老化浴(Al:20g/リットル、H2 SO4 :2
59g/リットル、遊離H2 SO4 :150g/リット
ル)4.5m3 が抜き出され、純水4.5m3 を使用し
て拡散透析装置〔旭硝子(株)製セレミオン〕により拡
散透析を行い、回収硫酸溶液4.3m3 (遊離H2 SO
4 :126.0g/リットル、Al:0.6g/リット
ル)と、硫酸回収後の陽極酸化老化浴4.7m3 (遊離
2 SO4 :28.0g/リットル、Al:18.6g
/リットル)とを回収した。回収硫酸溶液には、硫酸1
086kg(100%換算)を補給し、濃度を全硫酸濃
度259g/リットル、液量を4.8m3 となるように
調整して陽極酸化槽(陽極酸化工程)に還流した。
【0090】硫酸回収後の陽極酸化老化浴4.7m
3 と、先の逆浸透装置から得られた硫酸濃縮液4.5m
3 とを混合し、硫酸透過型逆浸透装置〔エー・エスエン
ジニアリング(株)製〕を用い、給水圧力20kg/c
2 の条件で逆浸透処理を行い、4.6m3 の透過液
(遊離H2 SO4 :38.1g/リットル、Al:1.
3g/リットル)と、5.5m3 の濃縮液(遊離H2
4 :38.0g/リットル、Al:24.5g/リッ
トル)とを回収した。
【0091】この硫酸透過型逆浸透装置からの濃縮液を
酸性硫酸アルミニウム溶液として系外に抜き出し、出荷
した。硫酸透過型逆浸透装置からの透過液を、前記通常
型逆浸透装置からの透過液と共に廃液中和工程に送っ
た。
【0092】廃液中和工程では、エッチング工程で処理
されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃
液及びエッチング工程におけるミスト等由来のアルカリ
性廃液を、予備酸洗工程後の洗浄工程からの洗浄廃水、
脱スマット工程におけるオーバーフロー分による酸性廃
液、硫酸透過型逆浸透装置からの透過液及び通常型逆浸
透装置からの透過液等で中和処理した。逆浸透処理を上
述のようにコントロールしたので、廃液中和工程におけ
る中和処理では、酸−アルカリが僅かにアルカリ過剰
か、ほぼバランスするようになり、廃液中和工程に送ら
れた酸性廃液とアルカリ性廃液とを混合したのみでpH
は大略8.5となった。
【0093】中和処理後のスラリーに凝集剤〔ダイヤフ
ロック(株)製DF732 〕10ppmを添加し凝集沈降せ
しめ、沈降後の濃密部を加圧濾過機〔石垣機工(株)
製〕を用いて、圧力6kg/cm2 で加圧濾過し、ゲル
状水酸化アルミニウムを回収し、濾液は上記の凝集沈降
処理の上澄み液と共に廃水とした。
【0094】上記における硫酸及び水酸化ナトリウムの
使用量、酸性硫酸アルミニウム溶液及び結晶性水酸化ア
ルミニウムの生成量、回収されたゲル状水酸化アルミニ
ウムスラッジの生成量及び水分含有量並びに組成を調べ
た。結果を表1に示す。
【0095】実施例2 図2に示すようなフローに従ってアルミニウム材の表面
処理を行った。廃液中和工程に送るまでの処理を実施例
1と同様にして行い、発生した酸性廃液及びアルカリ性
廃液を廃液中和工程に送った。
【0096】廃液中和工程では、実施例1と同様に中和
処理及び凝集沈降処理を行い、次に、ゲル改質処理で
は、固形分約30g/リットルを含む濃密部約15m3
に蒸気を吹き込み50℃に加熱した後、工業用25%水
酸化ナトリウム38リットル(NaOH換算12kg)
を加え、pHを9.0〜9.5とし、次いで、5分間攪
拌して熟成処理した後、実施例1と同様に加圧濾過機で
加圧濾過し、ゲル状水酸化アルミニウムを回収し、濾液
を中和処理槽(中和処理)に還流せしめた。
【0097】上記における硫酸及び水酸化ナトリウムの
使用量、酸性硫酸アルミニウム溶液及び結晶性水酸化ア
ルミニウムの生成量、回収されたゲル状水酸化アルミニ
ウムスラッジの生成量及び水分含有量並びに組成を調べ
た。結果を表1に示す。
【0098】実施例3 図3に示すようなフローに従ってアルミニウム材の表面
処理を行った。実施例1と同様にして、硫酸回収後の陽
極酸化老化浴と、通常型の逆浸透装置から得られた硫酸
濃縮液とを混合し、この混合溶液9.2m3 を電気透析
装置〔旭硝子(株)製:CH-3(300) 〕を用いて、0.4
3 の純水を電極水に補給しつつ、電気透析処理を行っ
た。これにより、濃縮液として遊離硫酸の減少した酸性
硫酸アルミニウム溶液5.9m3 (遊離H2 SO4 :1
0g/リットル、Al:19.9g/リットル)と、透
過液として硫酸溶液3.7m3 (遊離H2 SO4:8
7.3g/リットル、Al:0.5g/リットル)とを
回収した。その際の直流電力使用量は260KWHであ
った。
【0099】この電気透析装置からの濃縮液を酸性硫酸
アルミニウム溶液として系外に抜き出し、そのまま出荷
した。電気透析装置からの透過液は、酸洗浄に使用し得
る濃度の硫酸溶液であるため、硫酸の使用量を節減すべ
く、この透過液3.7m3 のうち1.35m3 をエッチ
ング工程前の予備酸洗工程に導入した。その後、この洗
浄に使用された硫酸溶液は、酸性廃液として廃液中和工
程に送られた。
【0100】廃液中和工程では、エッチング工程で処理
されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程からの洗浄廃
液及びエッチング工程におけるミスト等由来のアルカリ
性廃液を、予備酸洗工程後の洗浄工程からの洗浄廃水、
脱スマット工程におけるオーバーフロー分による酸性廃
液、電気透析装置からの透過液及び通常型逆浸透装置か
らの透過液等で中和処理し、実施例1と同様にしてゲル
状水酸化アルミニウムを回収した。
【0101】上記における硫酸及び水酸化ナトリウムの
使用量、酸性硫酸アルミニウム溶液及び結晶性水酸化ア
ルミニウムの生成量、回収されたゲル状水酸化アルミニ
ウムスラッジの生成量及び水分含有量並びに組成を調べ
た。結果を表1に示す。
【0102】実施例4 図4に示すようなフローに従ってアルミニウム材の表面
処理を行った。廃液中和工程に送るまでの処理を実施例
3と同様にして行い、発生した酸性廃液及びアルカリ性
廃液を廃液中和工程に送った。また、廃液中和工程にお
ける処理は実施例2と同様にして行い、凝集沈降処理で
得られた濃密部を改質処理してゲル状水酸化アルミニウ
ムを回収した。
【0103】上記における硫酸及び水酸化ナトリウムの
使用量、酸性硫酸アルミニウム溶液及び結晶性水酸化ア
ルミニウムの生成量、回収されたゲル状水酸化アルミニ
ウムスラッジの生成量及び水分含有量並びに組成を調べ
た。結果を表1に示す。
【0104】比較例1 図5に示すフローに従ってアルミニウム材の表面処理を
行った。図5によるアルミニウム材の表面処理方法は、
陽極酸化工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗
浄工程からの洗浄廃液と陽極酸化工程におけるミスト等
由来の酸性廃液を、そのまま他の酸性廃液と共に廃液中
和工程に送り、また、硫酸回収装置からから得られる硫
酸回収後の陽極酸化老化浴をそのまま酸性硫酸アルミニ
ウムとして系外に抜き出したものである。
【0105】この時の硫酸及び水酸化ナトリウムの使用
量、酸性硫酸アルミニウム溶液及び結晶性水酸化アルミ
ニウムの生成量、回収されたゲル状水酸化アルミニウム
スラッジの生成量及び水分含有量並びに組成を調べた。
結果を表1に示す。
【0106】
【表1】
【0107】実施例5 工業用50%水酸化ナトリウム1リットル(1529
g)に実施例2で回収されたゲル状水酸化アルミニウム
2.8kgを加え、105℃で3時間攪拌して溶解処理
を行い固液分離したところ、NaOH:230g/リッ
トル、Al:92g/リットル、Na2 SO4 :25g
/リットルのアルミン酸ナトリウム3.24リットルと
濾滓(50%水分)70gが得られた。
【0108】これと同様な条件で、図6に示すフローに
従って、エッチング工程の水酸化ナトリウム339kg
に代えて、工業用50%水酸化ナトリウム0.46m3
にゲル状水酸化アルミニウムを溶解し、不溶物分離後、
アルカリ再生槽(アルカリ再生装置)に導き、エッチン
グ老化浴(エッチング工程)と共にアルカリ再生処理し
たところ、ゲル状水酸化アルミニウム1230kgから
工業用結晶性水酸化アルミニウム422kgが得られ、
濾滓、中和処理に要した水酸化ナトリウム損失は8kg
であった。また、エッチング槽内(エッチング工程)の
Na2 SO4 平衡濃度の上昇は3g/リットル以下であ
った。
【0109】比較例2 比較例1で回収されたゲル状水酸化アルミニウムを、工
業用50%水酸化ナトリウム溶液で溶解処理を行おうと
したところ、多量の水分及び多量のSO4 2-による中和
損失のため、溶解時安定なアルミン酸ナトリウム溶液を
得るためには、50%水酸化ナトリウム溶液1リットル
に、ゲル状水酸化アルミニウム3.3kgしか処理でき
ず、得られたアルミン酸ナトリウム溶液は、NaOH:
176g/リットル、Al:65g/リットル、Na2
SO4 :53g/リットルであった。
【0110】これと同様な条件で、エッチング工程の補
給用水酸化ナトリウムをアルミン酸ナトリウムで行った
ところ、工業用50%水酸化ナトリウム0.52m
3 (15000m2 /日規模換算)を要し、ゲル状水酸
化アルミニウムスラッジ2120kgのうち、1720
kgしか処理できず、得られた工業用結晶性水酸化アル
ミニウムは370kg以下であった。また、主として、
中和処理に要した水酸化ナトリウムの損失は60kg
で、エッチング槽(エッチング工程)内のNa2 SO4
平衡濃度は、ほぼ30g/リットル以上が見込まれ、浴
管理上(エッチング性、アルカリ再生効率等)及び経済
上実施不可能であった。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、水酸化ナトリウム溶液
によるエッチング工程及び硫酸を用いた陽極酸化工程を
有するアルミニウム材の表面処理方法において、陽極酸
化工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程
からの洗浄廃液を主体とするアルミニウムを含む酸性廃
液を有用資源化できるので、中和処理のために貴重な水
酸化ナトリウムを無駄に消費することなく、あわせて処
理の厄介なゲル状水酸化アルミニウムの発生量を大幅に
減少せしめ、しかも、無用な硫酸根が低減された高品質
で有用資源化が極めて容易な、環境上及び産業上におい
て実用的価値の高いゲル状水酸化アルミニウムを回収す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のアルミニウム材の表面処理
方法の実施の一例を示すフローチャートであり、アルミ
ニウム濃縮装置が硫酸透過型逆浸透装置である場合を示
すものである。
【図2】 図2は、本発明のアルミニウム材の表面処理
方法の実施の一例を示すフローチャートであり、図1に
よるアルミニウム材の表面処理方法において、より好ま
しい廃液中和工程を示すものである。
【図3】 図3は、本発明のアルミニウム材の表面処理
方法の実施の一例を示すフローチャートであり、アルミ
ニウム濃縮装置が電気透析装置である場合を示すもので
ある。
【図4】 図4は、本発明のアルミニウム材の表面処理
方法の実施の一例を示すフローチャートであり、図3に
よるアルミニウム材の表面処理方法において、より好ま
しい廃液中和工程を示すものである。
【図5】 図5は、比較例1に係る従来のアルミニウム
材の表面処理方法を示すフローチャートである。
【図6】 図6は、本発明の実施例5に係るアルミニウ
ム材の表面処理方法を示すフローチャートである。
【図7】 図7は、本発明の試験例1で得られた結果を
示すグラフ図であり、アルミニウムを含む廃液を中和処
理したときのpHと生成したゲル状水酸化アルミニウム
中のSO4 /Al重量比との関係、また、ゲル状水酸化
アルミニウムを分離した後の濾液をpH7.0としたと
きの不溶性沈澱物生成量を示すグラフ図である。
【図8】 図8は、本発明の試験例2で得られた結果を
示すグラフ図であり、通常の中和により生成したゲル状
水酸化アルミニウムに水酸化ナトリウム溶液を加え、微
アルカリ性下で改質したときのpHとゲル状水酸化アル
ミニウム中のSO4 /Al重量比との関係を示すグラフ
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝原 捷治 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号、 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 江上 泰 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号、 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内 (72)発明者 田中 義朗 東京都品川区東品川2丁目2番20号、日本 軽金属株式会社内 Fターム(参考) 4K057 WE22 WH01 WM20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ナトリウム溶液によるエッチング
    工程と硫酸を用いた陽極酸化工程とを有し、エッチング
    工程にはアルミン酸ナトリウムの加水分解によるアルカ
    リ再生装置が付設されていると共に、陽極酸化工程には
    その陽極酸化老化浴から硫酸を回収する硫酸回収装置が
    付設されているアルミニウム材の表面処理方法におい
    て、陽極酸化工程で処理されたアルミニウム材を水洗す
    る洗浄工程からの洗浄廃液と陽極酸化工程におけるミス
    ト等由来の酸性廃液とを通常型逆浸透装置で逆浸透処理
    し、この逆浸透処理で得られた硫酸濃縮液を、上記硫酸
    回収装置から得られる硫酸回収後の陽極酸化老化浴と共
    に、アルミニウム濃縮装置で濃縮し、このアルミニウム
    濃縮装置からの濃縮液を酸性硫酸アルミニウム溶液とし
    て系外に抜き出す一方、アルミニウム濃縮装置からの透
    過液と通常型逆浸透装置の透過液とを、上記エッチング
    工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗浄工程か
    らの洗浄廃液及びエッチング工程におけるミスト等由来
    のアルカリ性廃液と共に、廃液中和工程に導入し、この
    廃液中和工程で中和処理して生成したゲル状水酸化アル
    ミニウムを回収することを特徴とするアルミニウム材の
    表面処理方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム濃縮装置が、アルミニウム
    の透過を阻止してアルミニウムを濃縮する硫酸透過型逆
    浸透装置である請求項1に記載のアルミニウム材の表面
    処理方法。
  3. 【請求項3】 廃液中和工程においてpH7〜8.5の
    範囲内で中和処理する請求項2に記載のアルミニウム材
    の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム濃縮装置が、濃縮液側でア
    ルミニウム濃度を上昇せしめ、透過液側で硫酸濃度を上
    昇せしめる電気透析装置である請求項1に記載のアルミ
    ニウム材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 電気透析装置から回収される濃縮液が、
    アルミニウム濃度20g/リットル以上の酸性硫酸アル
    ミニウム溶液である請求項4に記載のアルミニウム材の
    表面処理方法。
  6. 【請求項6】 電気透析装置から回収される濃縮液が、
    遊離硫酸/結合硫酸重量比0.20以下の酸性硫酸アル
    ミニウム溶液である請求項4又は5に記載のアルミニウ
    ム材の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 電気透析装置から回収される透過液が、
    遊離硫酸濃度50g/リットル以上である請求項4〜6
    のいずれかに記載のアルミニウム材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 電気透析装置から得られる透過液の一部
    又は全部を、予備酸洗工程における酸洗浴及び/又は陽
    極酸化工程における陽極酸化浴に導入する請求項4〜7
    のいずれかに記載のアルミニウム材の表面処理方法。
  9. 【請求項9】 廃液中和工程においてpH6.0〜9.
    0の範囲内で中和処理する請求項3〜7のいずれかに記
    載のアルミニウム材の表面処理方法。
  10. 【請求項10】 廃液中和工程では、中和処理して生成
    したゲル状水酸化アルミニウムを含む廃液を凝集沈降処
    理し、この凝集沈降処理で得られた濃密部をアルカリ性
    条件下で改質処理し、次いで固液分離して低硫酸根ゲル
    状水酸化アルミニウムを回収する請求項1〜9のいずれ
    かに記載のアルミニウム材の表面処理方法。
  11. 【請求項11】 凝集沈降処理で得られた濃密部に、エ
    ッチング工程で処理されたアルミニウム材を水洗する洗
    浄工程からの洗浄廃液及びエッチング工程におけるミス
    ト等由来のアルカリ性廃液を添加して改質処理する請求
    項10に記載のアルミニウム材の表面処理方法。
  12. 【請求項12】 凝集沈降処理で得られた濃密部をpH
    9.0〜10.0の範囲内のアルカリ性条件下で改質処
    理する請求項10又は11に記載のアルミニウム材の表
    面処理方法。
  13. 【請求項13】 凝集沈降処理で得られた濃密部を40
    ℃以上の温度で加温しながら改質処理する請求項10〜
    12のいずれかに記載のアルミニウム材の表面処理方
    法。
  14. 【請求項14】 回収した低硫酸根ゲル状水酸化アルミ
    ニウム中のSO4 /Al重量比が0.1以下である請求
    項10〜13のいずれかに記載のアルミニウム材の表面
    処理方法。
  15. 【請求項15】 低硫酸根ゲル状水酸化アルミニウムを
    水酸化ナトリウム溶液に溶解し、得られたアルミン酸ナ
    トリウム溶液をアルカリ再生装置に導入する請求項10
    〜14のいずれかに記載のアルミニウム材の表面処理方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項10〜14のいずれかに記載の
    方法により回収された低硫酸根ゲル状水酸化アルミニウ
    ムを水酸化ナトリウム溶液に溶解してなるアルミン酸ナ
    トリウム溶液。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101327385B1 (ko) 2012-05-23 2013-11-08 (주)제이스 표면 처리의 전처리 공정에서 발생하는 처리액의 재사용을 위한 청정 시스템 및 이의 구동 방법
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