JP2681352B2 - 発光半導体素子 - Google Patents
発光半導体素子Info
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- JP2681352B2 JP2681352B2 JP19024787A JP19024787A JP2681352B2 JP 2681352 B2 JP2681352 B2 JP 2681352B2 JP 19024787 A JP19024787 A JP 19024787A JP 19024787 A JP19024787 A JP 19024787A JP 2681352 B2 JP2681352 B2 JP 2681352B2
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L33/00—Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
- H01L33/02—Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
- H01L33/025—Physical imperfections, e.g. particular concentration or distribution of impurities
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- H01L33/0004—Devices characterised by their operation
- H01L33/002—Devices characterised by their operation having heterojunctions or graded gap
- H01L33/0025—Devices characterised by their operation having heterojunctions or graded gap comprising only AIIIBV compounds
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- Power Engineering (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、所謂ダブルヘテロ構造を有する発光半導体
素子に関する。 (従来の技術) 発光ダイオードは、半導体p−n接合に順方向電流を
通じて可視部又は近赤外部の発光を得ることを目的とし
たデバイスであり、パイロットランプの点光源、数字或
いは文字のディスプレイ、ファクシミリ、LEDプリンタ
等のOA機器の点光源、更には車両のテールランプ、交通
信号機の野外照明の他、特殊な用途として、赤外線放射
用点光源等、その用途は益々拡大しつつあり、該発光ダ
イオードに対して一層の高出力化,高輝度化が要求され
ている。 ところで、現在実用に供されているのは、III−V族
化合物半導体であるが、この中でもGaAlAs半導体は発光
効率が高く、高輝度を目的とした発光ダイオードに用い
られている。このGaAlAsは格子定数がGaAsのそれに近
く、最大でも0.14%程度の違いであるので、格子不整に
よる歪みが少なく、良好な結晶がGaAs基板上に成長され
る。更に、エピタキシャルの膜の成長においては、気
相、液相の何れも可能であり、液相法によれば高品質の
結晶が容易に得られる。 GaAlAs混晶を用いて高輝度発光ダイオードを得るため
に、従来シングルヘテロ構造が考案されたが、これをダ
ブルヘテロ構造とすることによって、更に高輝度とする
ことができることが知られている。 尚、ダブルヘテロ構造においても、その輝度を高める
ための種々の公知技術がある。例えば、特開昭61−1839
77号公報には、その活性層を比較的厚くするにも拘ら
ず、その輝度の低下を防ぐために活性層にp型のドーパ
ントZnをn型クラッド層のドーパントレベルより高めに
ドープする技術が開示されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、p型ドーパントであるZnは拡散速度が
速く、活性層成長とこれに続くn型クラッド層のエピタ
キシャル成長を例えば徐冷法等で行なう場合、Znの拡散
によりp−n接合がn型クラッド層に移行して発光がn
型クラッド層で行われるため、発光波長が所期のそれと
異なってしまうという欠点がある。 又、n型ドーパント(Te,Se,S等)はGaAs及びGaAlAs
中では析出が起き易く、種々の欠陥が発生し易いため、
低キャリア密度に抑える必要がある。 更に、液相成長によって得られる低キャリア密度エピ
タキシャル層内では、キャリア密度分布にミクロなゆら
ぎが発生する場合がある。即ち、p型クラッド層及び活
性層にハイドープされたZnがn型クラッド層に拡散さ
れ、n型クラッド層内のキャリア密度のゆらぎによっ
て、部分的にp型反転層を形成し、サイリスタ構造を形
成するという欠点があった。 又、GaAlAs混晶を用いるダブルヘテロ構造は半導体レ
ーザとしても用いられるが、上記と同様の問題が発生す
るのを避けられなかった。 そこで、本発明は、GaAlAs混晶から成るダブルヘテロ
構造発光半導体素子において、活性層としてGa1-yAlyAs
の厚さ1μm以下の薄膜を用い、これにp型及びn型ク
ラッド層混晶Ga1-x1Alx1As,Ga1-zAlzAsをそれぞれ隣接
せしめ、発光波長を安定化し、且つ、n型クラッド層に
おけるサイリスタ現象を抑えると同時に、活性層から離
れてp型クラッド層に隣接する基板若しくは成長層のp
型キャリア密度を高めることによって発光素子の電流−
電圧特性を向上せしめることをその目的とする。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成すべく、本発明は、p型混晶Ga1-x2Al
x2As(0≦x2<1)より成るハイドープの基板もしくは
成長層(キャリア密度p2)、p型混晶Ga1-x1Alx1Asクラ
ッド層(0<x1<1、キャリア密度p1)、p型不純物を
添加しないが前記p型混晶Ga1-x1Alx1Asクラッド層から
のp型不純物の拡散によりp型化しているp型混晶Ga
1-yAlyAs活性層(0<y<1,y<x1、y<z)及びn型
混晶Ga1-zAlzAsクラッド(0<z<1、キャリア密度
n)が記載順序に従って順次連続した多層構造より成る
発光半導体素子において、 前記キャリア密度p1、p2及びnをそれぞれ 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 5×1017cm-3<p2 とし、且つ p1<n の条件を満足することを特徴とする。 (作用) 一般に、本発明に係る発光半導体素子のようにダブル
ヘテロ構造を有するものにあっては、キャリヤの注入効
率は主としてn型、p型クラッド層と活性層の禁制帯巾
の差によるポテンシャル障壁によって決定される。 又、活性層の幅が狭くコントロールされ、且つ、直接
遷移型のバンド構造を有するものにあっては、発光中心
としての不純物を多く必要としない。 而して、n型クラッド層のキャリア密度nに対する輝
度特性に比してp型クラッド層のキャリア密度p1対する
輝度特性は幅が広く、該キャリア密度p1が1016cm-3程度
であっても大きな輝度の低下は生じない。 本発明によれば、p1<nとすることにより、p型不純
物(Zn)の拡散により生ずるp−n接合位置のズレ及び
サイリスタの発生が防がれる。 又、n型及びp型クラッド層の各キャリア密度n,p1を
低い範囲を抑えるため、不純物による結晶性の悪化を防
ぐことができる。 更に、p型クラッド層に隣接するp型ハイドープ基板
若しくは成長層(以下、p型基板若しくは成長層と称
す)のキャリア密度p2を高く保つようにしたため、当該
発光半導体素子の順方向の抵抗を低く抑えることができ
る。 (実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。 第1図(a)は本発明に係る発光半導体素子の構造
(エピタキシャル構造)を例示した断面図である。 当該発光素子はp型のGaAlAs成長層(キャリア密度
p2)1の上に3層のエピタキシャル層2,3,4が連続成長
して形成される。即ち、該GaAlAs層(キャリア密度p2)
1の上には高AlAs混晶比のp型のGa0.2Al0.8Asクラッド
層2が厚さ10μm程度に結晶成長されて形成されてお
り、該p型クラッド層(キャリア密度p1)2にはp型不
純物としてZnが添加されている。 そして、上記p型クラッド層2の上には発光波長に必
要な混晶比のGa0.65Al0.35As活性層3が0.6±0.2μmの
厚さで形成されており、該活性層3には何ら不純物が添
加されていない(ノンドープ)が、当該活性層3はp型
クラッド層2からのアウトディフュージョンによってp
型となっている。 更に、上記活性層3上には前記クラッド層2と同等の
AlAs混晶比のn型Ga0.2Al0.8Asクラッド層(キャリア密
度n)4が30±10μmの厚さで形成されており、該n型
クラッド層4にはn型不純物としてTeが添加されてい
る。 尚、以上のp型クラッド層2、活性層3及びn型クラ
ッド層4の形成は、公知の所冷法による液相エピタキシ
ャル成長により行なわれる。 以上のように構成される発光半導体素子のGaAlAs層1
の下面にAu系p−電極5を形成し、n型クラッド層4の
上面にAu系n−電極6を形成することによって第1図
(b)に示すようなチップを得る。 ところで、一般に本発明に係る発光半導体のようにダ
ブルヘテロ構造を有するものにあっては、キャリヤの注
入効率は主にn型クラッド層4,p型クラッド層2と活性
層3の禁制帯巾の差によるポテンシャル障壁によって決
定される。 又、活性層3の巾が狭くコントロールされ、且つ、直
接遷移型のバンド構造を有するものにあっては、発光中
心としての不純物を多く必要とはしない。 ここで、p型クラッド層2のキャリア密度p1及びn型
クラッド層4のキャリア密度nと当該発光半導体素子の
相対輝度との関係を第2図、第3図にそれぞれ示すが、
両図から明らかなように、p型クラッド層2のキャリア
密度p1の変化に対する相対輝度はn型クラッド層4のキ
ャリア密度nの変化に対するそれに比して可成り広い範
囲のキャリア密度(具体的には、5×1016cm-6<p1<3
×1017cm-3)に亘って高い値を示す。 尚、前述のように活性層3はp型クラッド層2からの
アウトディフュージョンによってp型となっているた
め、当該発光半導体素子の発光出力はp型クラッド層2
のキャリア密度p1に大きく依存することとなる。 上述のように相対輝度はp型クラッド層2のキャリア
密度p1の可成り広い範囲に亘って高く保たれるため、キ
ャリア密度p1の値をn型クラッド層4のキャリア密度n
よりも小さくすること(p1<n)が可能となり、これに
よりn型クラッド層へのp型ドーパントの拡散により生
ずるp−n接合位置のズレ及びサイリスタの発生を防ぐ
ことができ、当該発光素子は極めて安定した発光特性を
発揮することとなる。尚、不純物による各層の結晶性の
悪化を防止するには、各層のキャリア密度が低いことが
望ましい。 以上の理由によって、本発明に係るダブルヘテロ構造
を有する混晶GaAlAs発光半導体素子の高輝度を確保し、
且つ、p−n接合の位置ズレ防止とサイリスタ発生防止
を図るためには、p型クラッド層2のキャリア密度p1と
n型クラッド層4のキャリア密度nを次に示す範囲にす
ることが望ましい。 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 更に、p型基板若しくは成長層1のキャリア密度p2に
対する当該発光半導体素子の順方向電圧の関係を第4図
に示すが、同図から明らかなように、抵抗率を低く抑え
るには当該成長層1のキャリア密度p2の値を大きく設定
することが望ましく、そのキャリア密度p2の値として
は、 p2>5×1017cm-3 であることが好ましい。 結局、以上述べた効果を得るには、p型基板若しくは
成長層1、p型クラッド2及びn型クラッド層4の各キ
ャリア密度p1,p2,nの間に次に示す関係が満たされてい
ることが必要である。 即ち、 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 …(1) 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 …(2) 5×1017cm-3<p2 …(3) p1<n …(4) 尚、以上はp型成長層1としてp型GaAlAs層を例示し
たが、p型GaAs単結晶基板としても良い。 又、p型成長層1としてp型GaAlAs層を用いる場合
は、GaAs単結晶基板上にp型のGaAlAsエピタキシャル層
を厚く成長させた後、GaAs基板を除去することによって
実現される。ここで、基板とは、チョクラルスキー法或
いは他の方法で、本発明の工程以外の工程で別途製造さ
れた端結晶薄片を言う。 更に、前記実施例においては、ダブルヘテロ構造の混
晶GaAlAs発光素子の混晶比として可視光を目的とした値
を用いたが、赤外線発光ダイオード等のように例えば0.
85μm波長を対象とする場合には、yとして0.03付近、
x1及びzとして0.2〜0.4が選択される。 (発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、p型
基板若しくは成長層(キャリア密度p2)と、p型クラッ
ド層(キャリア密度p1)をキャリア密度の異なる2層と
し、該p型クラッド層上に形成される、p型不純物を添
加しないが前記p型クラッド層からのp型不純物の拡散
によりp型化しているp型活性層と、該活性層上に形成
されるn型クラッド層(キャリア密度n)を含む発光半
導体素子において、前記キャリア密度p1,p2及びnをそ
れぞれ 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 5×1017cm-3<p2 とし、且つ p1<n なる関係を満足するものとしたため、高輝度を確保した
上で、p−n接合位置のズレ及びサイリスタの発生を防
ぎ、且つ、順方向電圧を下げることができるという効果
が得られる。
素子に関する。 (従来の技術) 発光ダイオードは、半導体p−n接合に順方向電流を
通じて可視部又は近赤外部の発光を得ることを目的とし
たデバイスであり、パイロットランプの点光源、数字或
いは文字のディスプレイ、ファクシミリ、LEDプリンタ
等のOA機器の点光源、更には車両のテールランプ、交通
信号機の野外照明の他、特殊な用途として、赤外線放射
用点光源等、その用途は益々拡大しつつあり、該発光ダ
イオードに対して一層の高出力化,高輝度化が要求され
ている。 ところで、現在実用に供されているのは、III−V族
化合物半導体であるが、この中でもGaAlAs半導体は発光
効率が高く、高輝度を目的とした発光ダイオードに用い
られている。このGaAlAsは格子定数がGaAsのそれに近
く、最大でも0.14%程度の違いであるので、格子不整に
よる歪みが少なく、良好な結晶がGaAs基板上に成長され
る。更に、エピタキシャルの膜の成長においては、気
相、液相の何れも可能であり、液相法によれば高品質の
結晶が容易に得られる。 GaAlAs混晶を用いて高輝度発光ダイオードを得るため
に、従来シングルヘテロ構造が考案されたが、これをダ
ブルヘテロ構造とすることによって、更に高輝度とする
ことができることが知られている。 尚、ダブルヘテロ構造においても、その輝度を高める
ための種々の公知技術がある。例えば、特開昭61−1839
77号公報には、その活性層を比較的厚くするにも拘ら
ず、その輝度の低下を防ぐために活性層にp型のドーパ
ントZnをn型クラッド層のドーパントレベルより高めに
ドープする技術が開示されている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、p型ドーパントであるZnは拡散速度が
速く、活性層成長とこれに続くn型クラッド層のエピタ
キシャル成長を例えば徐冷法等で行なう場合、Znの拡散
によりp−n接合がn型クラッド層に移行して発光がn
型クラッド層で行われるため、発光波長が所期のそれと
異なってしまうという欠点がある。 又、n型ドーパント(Te,Se,S等)はGaAs及びGaAlAs
中では析出が起き易く、種々の欠陥が発生し易いため、
低キャリア密度に抑える必要がある。 更に、液相成長によって得られる低キャリア密度エピ
タキシャル層内では、キャリア密度分布にミクロなゆら
ぎが発生する場合がある。即ち、p型クラッド層及び活
性層にハイドープされたZnがn型クラッド層に拡散さ
れ、n型クラッド層内のキャリア密度のゆらぎによっ
て、部分的にp型反転層を形成し、サイリスタ構造を形
成するという欠点があった。 又、GaAlAs混晶を用いるダブルヘテロ構造は半導体レ
ーザとしても用いられるが、上記と同様の問題が発生す
るのを避けられなかった。 そこで、本発明は、GaAlAs混晶から成るダブルヘテロ
構造発光半導体素子において、活性層としてGa1-yAlyAs
の厚さ1μm以下の薄膜を用い、これにp型及びn型ク
ラッド層混晶Ga1-x1Alx1As,Ga1-zAlzAsをそれぞれ隣接
せしめ、発光波長を安定化し、且つ、n型クラッド層に
おけるサイリスタ現象を抑えると同時に、活性層から離
れてp型クラッド層に隣接する基板若しくは成長層のp
型キャリア密度を高めることによって発光素子の電流−
電圧特性を向上せしめることをその目的とする。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成すべく、本発明は、p型混晶Ga1-x2Al
x2As(0≦x2<1)より成るハイドープの基板もしくは
成長層(キャリア密度p2)、p型混晶Ga1-x1Alx1Asクラ
ッド層(0<x1<1、キャリア密度p1)、p型不純物を
添加しないが前記p型混晶Ga1-x1Alx1Asクラッド層から
のp型不純物の拡散によりp型化しているp型混晶Ga
1-yAlyAs活性層(0<y<1,y<x1、y<z)及びn型
混晶Ga1-zAlzAsクラッド(0<z<1、キャリア密度
n)が記載順序に従って順次連続した多層構造より成る
発光半導体素子において、 前記キャリア密度p1、p2及びnをそれぞれ 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 5×1017cm-3<p2 とし、且つ p1<n の条件を満足することを特徴とする。 (作用) 一般に、本発明に係る発光半導体素子のようにダブル
ヘテロ構造を有するものにあっては、キャリヤの注入効
率は主としてn型、p型クラッド層と活性層の禁制帯巾
の差によるポテンシャル障壁によって決定される。 又、活性層の幅が狭くコントロールされ、且つ、直接
遷移型のバンド構造を有するものにあっては、発光中心
としての不純物を多く必要としない。 而して、n型クラッド層のキャリア密度nに対する輝
度特性に比してp型クラッド層のキャリア密度p1対する
輝度特性は幅が広く、該キャリア密度p1が1016cm-3程度
であっても大きな輝度の低下は生じない。 本発明によれば、p1<nとすることにより、p型不純
物(Zn)の拡散により生ずるp−n接合位置のズレ及び
サイリスタの発生が防がれる。 又、n型及びp型クラッド層の各キャリア密度n,p1を
低い範囲を抑えるため、不純物による結晶性の悪化を防
ぐことができる。 更に、p型クラッド層に隣接するp型ハイドープ基板
若しくは成長層(以下、p型基板若しくは成長層と称
す)のキャリア密度p2を高く保つようにしたため、当該
発光半導体素子の順方向の抵抗を低く抑えることができ
る。 (実施例) 以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明す
る。 第1図(a)は本発明に係る発光半導体素子の構造
(エピタキシャル構造)を例示した断面図である。 当該発光素子はp型のGaAlAs成長層(キャリア密度
p2)1の上に3層のエピタキシャル層2,3,4が連続成長
して形成される。即ち、該GaAlAs層(キャリア密度p2)
1の上には高AlAs混晶比のp型のGa0.2Al0.8Asクラッド
層2が厚さ10μm程度に結晶成長されて形成されてお
り、該p型クラッド層(キャリア密度p1)2にはp型不
純物としてZnが添加されている。 そして、上記p型クラッド層2の上には発光波長に必
要な混晶比のGa0.65Al0.35As活性層3が0.6±0.2μmの
厚さで形成されており、該活性層3には何ら不純物が添
加されていない(ノンドープ)が、当該活性層3はp型
クラッド層2からのアウトディフュージョンによってp
型となっている。 更に、上記活性層3上には前記クラッド層2と同等の
AlAs混晶比のn型Ga0.2Al0.8Asクラッド層(キャリア密
度n)4が30±10μmの厚さで形成されており、該n型
クラッド層4にはn型不純物としてTeが添加されてい
る。 尚、以上のp型クラッド層2、活性層3及びn型クラ
ッド層4の形成は、公知の所冷法による液相エピタキシ
ャル成長により行なわれる。 以上のように構成される発光半導体素子のGaAlAs層1
の下面にAu系p−電極5を形成し、n型クラッド層4の
上面にAu系n−電極6を形成することによって第1図
(b)に示すようなチップを得る。 ところで、一般に本発明に係る発光半導体のようにダ
ブルヘテロ構造を有するものにあっては、キャリヤの注
入効率は主にn型クラッド層4,p型クラッド層2と活性
層3の禁制帯巾の差によるポテンシャル障壁によって決
定される。 又、活性層3の巾が狭くコントロールされ、且つ、直
接遷移型のバンド構造を有するものにあっては、発光中
心としての不純物を多く必要とはしない。 ここで、p型クラッド層2のキャリア密度p1及びn型
クラッド層4のキャリア密度nと当該発光半導体素子の
相対輝度との関係を第2図、第3図にそれぞれ示すが、
両図から明らかなように、p型クラッド層2のキャリア
密度p1の変化に対する相対輝度はn型クラッド層4のキ
ャリア密度nの変化に対するそれに比して可成り広い範
囲のキャリア密度(具体的には、5×1016cm-6<p1<3
×1017cm-3)に亘って高い値を示す。 尚、前述のように活性層3はp型クラッド層2からの
アウトディフュージョンによってp型となっているた
め、当該発光半導体素子の発光出力はp型クラッド層2
のキャリア密度p1に大きく依存することとなる。 上述のように相対輝度はp型クラッド層2のキャリア
密度p1の可成り広い範囲に亘って高く保たれるため、キ
ャリア密度p1の値をn型クラッド層4のキャリア密度n
よりも小さくすること(p1<n)が可能となり、これに
よりn型クラッド層へのp型ドーパントの拡散により生
ずるp−n接合位置のズレ及びサイリスタの発生を防ぐ
ことができ、当該発光素子は極めて安定した発光特性を
発揮することとなる。尚、不純物による各層の結晶性の
悪化を防止するには、各層のキャリア密度が低いことが
望ましい。 以上の理由によって、本発明に係るダブルヘテロ構造
を有する混晶GaAlAs発光半導体素子の高輝度を確保し、
且つ、p−n接合の位置ズレ防止とサイリスタ発生防止
を図るためには、p型クラッド層2のキャリア密度p1と
n型クラッド層4のキャリア密度nを次に示す範囲にす
ることが望ましい。 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 更に、p型基板若しくは成長層1のキャリア密度p2に
対する当該発光半導体素子の順方向電圧の関係を第4図
に示すが、同図から明らかなように、抵抗率を低く抑え
るには当該成長層1のキャリア密度p2の値を大きく設定
することが望ましく、そのキャリア密度p2の値として
は、 p2>5×1017cm-3 であることが好ましい。 結局、以上述べた効果を得るには、p型基板若しくは
成長層1、p型クラッド2及びn型クラッド層4の各キ
ャリア密度p1,p2,nの間に次に示す関係が満たされてい
ることが必要である。 即ち、 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 …(1) 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 …(2) 5×1017cm-3<p2 …(3) p1<n …(4) 尚、以上はp型成長層1としてp型GaAlAs層を例示し
たが、p型GaAs単結晶基板としても良い。 又、p型成長層1としてp型GaAlAs層を用いる場合
は、GaAs単結晶基板上にp型のGaAlAsエピタキシャル層
を厚く成長させた後、GaAs基板を除去することによって
実現される。ここで、基板とは、チョクラルスキー法或
いは他の方法で、本発明の工程以外の工程で別途製造さ
れた端結晶薄片を言う。 更に、前記実施例においては、ダブルヘテロ構造の混
晶GaAlAs発光素子の混晶比として可視光を目的とした値
を用いたが、赤外線発光ダイオード等のように例えば0.
85μm波長を対象とする場合には、yとして0.03付近、
x1及びzとして0.2〜0.4が選択される。 (発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明によれば、p型
基板若しくは成長層(キャリア密度p2)と、p型クラッ
ド層(キャリア密度p1)をキャリア密度の異なる2層と
し、該p型クラッド層上に形成される、p型不純物を添
加しないが前記p型クラッド層からのp型不純物の拡散
によりp型化しているp型活性層と、該活性層上に形成
されるn型クラッド層(キャリア密度n)を含む発光半
導体素子において、前記キャリア密度p1,p2及びnをそ
れぞれ 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 5×1017cm-3<p2 とし、且つ p1<n なる関係を満足するものとしたため、高輝度を確保した
上で、p−n接合位置のズレ及びサイリスタの発生を防
ぎ、且つ、順方向電圧を下げることができるという効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明に係る発光半導体素子の構成図、
第1図(b)は同発光半導体素子を用いたチップ構成
図、第2図、第3図はキャリア密度と相対輝度との関係
を示すグラフ、第4図はキャリア密度と抵抗率(順方向
電圧)との関係を示すグラフである。 1……p型GaAlAs成長層(キャリア密度p2)…GaAs基板
でも良い、2……p型GaAlAsクラッド層(キャリア密度
p1)、3……GaAlAs活性層、4……n型GaAlAsクラッド
層(キャリア密度n)。
第1図(b)は同発光半導体素子を用いたチップ構成
図、第2図、第3図はキャリア密度と相対輝度との関係
を示すグラフ、第4図はキャリア密度と抵抗率(順方向
電圧)との関係を示すグラフである。 1……p型GaAlAs成長層(キャリア密度p2)…GaAs基板
でも良い、2……p型GaAlAsクラッド層(キャリア密度
p1)、3……GaAlAs活性層、4……n型GaAlAsクラッド
層(キャリア密度n)。
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(72)発明者 竹中 卓夫
群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越
半導体株式会社半導体研究所内
(56)参考文献 特開 昭61−228684(JP,A)
特開 昭59−213180(JP,A)
特開 昭61−170080(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.p型混晶Ga1-x2Alx2As(0≦x2<1)よりなるハイ
ドープ基板もしくは成長層(キャリア密度p2)、p型混
晶Ga1-x1Alx1Asクラッド層(0<x1<1、キャリア密度
p1)、p型不純物を添加しないが前記p型混晶Ga1-x1Al
x1Asクラッド層からのp型不純物の拡散によりp型化し
ているp型混晶Ga1-yAlyAs活性層(0<y<1、y<
x1、y<z)及びn型混晶Ga1-zAlzAsクラッド(0<z
<1、キャリア密度n)が記載順序に従って順次連続し
た多層構造よりなる発光半導体素子において、 前記キャリア密度p1、p2及びnをそれぞれ 1×1017cm-3<n<5×1017cm-3 5×1016cm-3<p1<3×1017cm-3 5×1017cm-3<p2 とし、且つ p1<n の条件を満足することを特徴とする発光半導体素子。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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-
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1988
- 1988-07-29 DE DE3887790T patent/DE3887790T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1988-07-29 EP EP88307029A patent/EP0301893B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1988-08-01 US US07/226,542 patent/US4905058A/en not_active Expired - Lifetime
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