JP2680395B2 - 高誘電率磁器組成物 - Google Patents
高誘電率磁器組成物Info
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- JP2680395B2 JP2680395B2 JP1020744A JP2074489A JP2680395B2 JP 2680395 B2 JP2680395 B2 JP 2680395B2 JP 1020744 A JP1020744 A JP 1020744A JP 2074489 A JP2074489 A JP 2074489A JP 2680395 B2 JP2680395 B2 JP 2680395B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は高誘電率磁器組成物、特にコンデンサ材料と
して、好適な高誘電率磁器組成物に関する。
して、好適な高誘電率磁器組成物に関する。
(従来の技術) 高誘電率磁器組成物に代表される誘電体材料では、誘
電率、誘電率温度係数、誘電損失、誘電バイアス電界依
存性、容量抵抗積等において優れた電気的特性が要求さ
れる。すなわち誘電体材料として要求される電気的特性
としては、大きな誘電率、容量抵抗積を有する一方で、
誘電率温度係数、誘電損失、誘電バイアス電界依存性は
小さい程良い。高誘電率磁器組成物においては、上記し
たような誘電体材料としての優れた電気的特性が要求さ
れることに加えて、セラミックス材料としての優れた特
性が必要となる。セラミックス材料として要求される特
性としては、具体的には焼成温度が比較的低温であるこ
とが挙げられる。この理由としては、積層タイプの素子
を考えた場合電極層と誘電体層とは一体的に焼成される
ため、電極材料としては誘電体材料の焼成温度でも安定
なものを用いる必要がある。従ってセラミックス材料の
焼成温度が高いとPt,Pd等の高価な材料を用いなければ
ならず、銀等の安価な材料を使用できるように、1100℃
以下程度の低温での焼成が可能であることが要求される
からである。上記したような要求を満足する高誘電率磁
器組成物として、本出願人は特開昭61−155245号に示さ
れるものを提供した。
電率、誘電率温度係数、誘電損失、誘電バイアス電界依
存性、容量抵抗積等において優れた電気的特性が要求さ
れる。すなわち誘電体材料として要求される電気的特性
としては、大きな誘電率、容量抵抗積を有する一方で、
誘電率温度係数、誘電損失、誘電バイアス電界依存性は
小さい程良い。高誘電率磁器組成物においては、上記し
たような誘電体材料としての優れた電気的特性が要求さ
れることに加えて、セラミックス材料としての優れた特
性が必要となる。セラミックス材料として要求される特
性としては、具体的には焼成温度が比較的低温であるこ
とが挙げられる。この理由としては、積層タイプの素子
を考えた場合電極層と誘電体層とは一体的に焼成される
ため、電極材料としては誘電体材料の焼成温度でも安定
なものを用いる必要がある。従ってセラミックス材料の
焼成温度が高いとPt,Pd等の高価な材料を用いなければ
ならず、銀等の安価な材料を使用できるように、1100℃
以下程度の低温での焼成が可能であることが要求される
からである。上記したような要求を満足する高誘電率磁
器組成物として、本出願人は特開昭61−155245号に示さ
れるものを提供した。
一方高誘電率磁器組成物をコンデンサ材料として用い
る場合には、上記したような電気的特性及び焼成温度が
低温であること以外に、コンデンサとしての信頼性が必
要となる。すなわちこの場合には、過酷な条件下(高
温,高湿,一定電圧印加)でも電気的特性の劣化が少な
く優れた寿命特性を有することが要求される。本出願人
が特開昭61−155245号で提供した高誘電率磁器組成物
は、電気的特性や焼成温度に関しては優れたものである
が、コンデンサ材料として見た場合には寿命特性は満足
できるものではなく、さらには耐圧特性に関しても改善
の余地が残されていた。
る場合には、上記したような電気的特性及び焼成温度が
低温であること以外に、コンデンサとしての信頼性が必
要となる。すなわちこの場合には、過酷な条件下(高
温,高湿,一定電圧印加)でも電気的特性の劣化が少な
く優れた寿命特性を有することが要求される。本出願人
が特開昭61−155245号で提供した高誘電率磁器組成物
は、電気的特性や焼成温度に関しては優れたものである
が、コンデンサ材料として見た場合には寿命特性は満足
できるものではなく、さらには耐圧特性に関しても改善
の余地が残されていた。
(発明が解決しようとする課題) 上記したように従来の高誘電率磁器組成物において
は、寿命特性、耐圧特性に関してより一層の改良が望ま
れていた。
は、寿命特性、耐圧特性に関してより一層の改良が望ま
れていた。
本発明はこのような要望に応えて、寿命特性及び耐圧
特性に優れ、コンデンサ材料として要求される全ての特
性を具備した高誘電率磁器組成物を提供することを目的
としている。
特性に優れ、コンデンサ材料として要求される全ての特
性を具備した高誘電率磁器組成物を提供することを目的
としている。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明はPb(Mg1/3Nb2/3)O3及びPb(Zn1/3Nb2/3)O3
の少なくとも1種を含有するペロブスカイト系高誘電率
磁器組成物に、イットリウム(Y)をY2O3に換算して0.
01〜5重量%、ジルコニウム(Zr)をZrO2に換算して0.
01〜5重量%添加含有した高誘電率磁器組成物である。
すなわち従来のPb系の高誘電率磁器組成物に、上述した
量のイットリウム(Y)及びジルコニウム(Zr)を添加
することにより、優れた電気的特性及び焼成温度を保ち
つつ寿命特性及び耐圧特性を上げるものである。
の少なくとも1種を含有するペロブスカイト系高誘電率
磁器組成物に、イットリウム(Y)をY2O3に換算して0.
01〜5重量%、ジルコニウム(Zr)をZrO2に換算して0.
01〜5重量%添加含有した高誘電率磁器組成物である。
すなわち従来のPb系の高誘電率磁器組成物に、上述した
量のイットリウム(Y)及びジルコニウム(Zr)を添加
することにより、優れた電気的特性及び焼成温度を保ち
つつ寿命特性及び耐圧特性を上げるものである。
本発明において上記したイットリウム(Y)の添加量
は0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
添加量が少なすぎると添加の効果が現われず、多すぎる
と電気的特性が劣化し、またかえって寿命特性も低下す
るからである。一方ジルコニウム(Zr)の添加量を0.01
〜0.5重量%と限定したのも、イットリウム(Y)にお
ける限定と同様の理由による。
は0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
添加量が少なすぎると添加の効果が現われず、多すぎる
と電気的特性が劣化し、またかえって寿命特性も低下す
るからである。一方ジルコニウム(Zr)の添加量を0.01
〜0.5重量%と限定したのも、イットリウム(Y)にお
ける限定と同様の理由による。
またペロブスカイト系高誘電率磁器組成物の構成元素
としてのPbの存在量としては、PbOに換算して30〜70重
量%であることが好ましい。
としてのPbの存在量としては、PbOに換算して30〜70重
量%であることが好ましい。
特にPb(Mg1/3Nb2/3)O3及びPb(Zn1/3Nb2/3)O3のう
ち少なくとも一種を50mol%以上含有して構成し、Pbの
1〜35mol%をBa,Sr及びCaのうちの少なくとも一種で置
要したとき、本発明の高誘電率磁気組成物はなお優れた
電気的特性を示す。さらに本発明に係る高誘電率磁気組
成物において最も好ましい組成は、一般式xPb(Zn1/3Nb
2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−zPbTiO3で表わしたと
き、それぞれの成分を頂点とする三元図の a(x=0.50,y=0.00,z=0.50) b(x=1.00,y=0.00,z=0.00) c(x=0.20,y=0.80,z=0.00) d(x=0.05,y=0.90,z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の基本組成(ただし、abを結
ぶ線分上は除く)のPbの一部を、1〜35mol%のBa及びS
rの少なくとも一種で置換した組成に、イットリウム
(Y)及びジルコニウム(Zr)を前記した重量比で添加
したものである。上述したような三元図における基本組
成を第1図に示す。
ち少なくとも一種を50mol%以上含有して構成し、Pbの
1〜35mol%をBa,Sr及びCaのうちの少なくとも一種で置
要したとき、本発明の高誘電率磁気組成物はなお優れた
電気的特性を示す。さらに本発明に係る高誘電率磁気組
成物において最も好ましい組成は、一般式xPb(Zn1/3Nb
2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−zPbTiO3で表わしたと
き、それぞれの成分を頂点とする三元図の a(x=0.50,y=0.00,z=0.50) b(x=1.00,y=0.00,z=0.00) c(x=0.20,y=0.80,z=0.00) d(x=0.05,y=0.90,z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の基本組成(ただし、abを結
ぶ線分上は除く)のPbの一部を、1〜35mol%のBa及びS
rの少なくとも一種で置換した組成に、イットリウム
(Y)及びジルコニウム(Zr)を前記した重量比で添加
したものである。上述したような三元図における基本組
成を第1図に示す。
上記したように高誘電率機器組成物中に含有されるPb
の一部を、1〜35mol%のBa,Sr及びCaのうちの少なくと
も一種で置換するのは、基本成分のうちPb(Zn1/3N
b2/3)O3がペロブスカイト構造をとりにくく、安定した
ペロブスカイト構造を形成するためには、Ba,Sr及びCa
のような金属(以下Me成分と称す)でPbの一部を置換す
る必要があるからである。このようなMe成分の置換量は
(Pb1−αMeα)と表したとき 0.01<α<0.35 である。これ以上にMe成分の量が少ないと、高誘電率磁
器組成物中にパイロクロア構造が混在し、誘電率及び容
量抵抗積が小さくなり電気的特性が低下するからであ
る。またMe成分の量が多すぎると、焼成温度が1100℃以
上の高温となってしまう。
の一部を、1〜35mol%のBa,Sr及びCaのうちの少なくと
も一種で置換するのは、基本成分のうちPb(Zn1/3N
b2/3)O3がペロブスカイト構造をとりにくく、安定した
ペロブスカイト構造を形成するためには、Ba,Sr及びCa
のような金属(以下Me成分と称す)でPbの一部を置換す
る必要があるからである。このようなMe成分の置換量は
(Pb1−αMeα)と表したとき 0.01<α<0.35 である。これ以上にMe成分の量が少ないと、高誘電率磁
器組成物中にパイロクロア構造が混在し、誘電率及び容
量抵抗積が小さくなり電気的特性が低下するからであ
る。またMe成分の量が多すぎると、焼成温度が1100℃以
上の高温となってしまう。
また本発明において最も好ましい組成を上記したよう
なa,b,c,dの各点を結ぶ線内に限定したのは、以下のよ
うな理由による。まず線分adの外側では焼成温度が1100
℃以上の高温となり、容量抵抗積も小さくなり電気的特
性も低下する。また線分cdの外側では、キューリ温度が
もともと常温付近にあるため、Me成分による置換で誘電
率が大幅に低温方向に移動して、常温における誘電率が
大幅に低下してしまうからである。またd1(x=0.10,y
=0.80,z=0.10)としたとき、線分cd1の内側がより好
ましい。
なa,b,c,dの各点を結ぶ線内に限定したのは、以下のよ
うな理由による。まず線分adの外側では焼成温度が1100
℃以上の高温となり、容量抵抗積も小さくなり電気的特
性も低下する。また線分cdの外側では、キューリ温度が
もともと常温付近にあるため、Me成分による置換で誘電
率が大幅に低温方向に移動して、常温における誘電率が
大幅に低下してしまうからである。またd1(x=0.10,y
=0.80,z=0.10)としたとき、線分cd1の内側がより好
ましい。
さらに第1図に示した三元図において、Pb(Mg1/3Nb
2/3)O3は少量の含有でその効果を発揮するが、実用上
は1mol%以上含有されることが望ましい。またPbTiO3は
特に含有されなくてもよいが、0.01mol%以上含有され
た三元系の方が望ましい。一方容量抵抗積を考慮する
と、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3は15mol%以上含有されること
が望ましく、さらには20mol%以上含有されることがよ
り望ましい。20mol%以上含有されるときは、誘電損失
が特に小さい。またc1(x=0.40,y=0.60,z=0.00)、
d2(x=0.15,y=0.70,z=0.15)、d3(x=0.20,y=0.
60,z=0.20)、c2(x=0.45,y=0.55,z=0.00)とした
とき、線分c1,d1の外側では緻密な磁器を得ることが比
較的困難である。さらに容量抵抗積、誘電率温度係数等
の電気的特性及び焼成温度等を考慮すると、線分c1,d2
の内側、特に線分c2,d2の内側、さらには線分c2,d3の内
側が望ましい。しかしながら誘電率等を考慮した場合に
は、このような線分で区切られた組成系でも充分な特性
を有している。
2/3)O3は少量の含有でその効果を発揮するが、実用上
は1mol%以上含有されることが望ましい。またPbTiO3は
特に含有されなくてもよいが、0.01mol%以上含有され
た三元系の方が望ましい。一方容量抵抗積を考慮する
と、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3は15mol%以上含有されること
が望ましく、さらには20mol%以上含有されることがよ
り望ましい。20mol%以上含有されるときは、誘電損失
が特に小さい。またc1(x=0.40,y=0.60,z=0.00)、
d2(x=0.15,y=0.70,z=0.15)、d3(x=0.20,y=0.
60,z=0.20)、c2(x=0.45,y=0.55,z=0.00)とした
とき、線分c1,d1の外側では緻密な磁器を得ることが比
較的困難である。さらに容量抵抗積、誘電率温度係数等
の電気的特性及び焼成温度等を考慮すると、線分c1,d2
の内側、特に線分c2,d2の内側、さらには線分c2,d3の内
側が望ましい。しかしながら誘電率等を考慮した場合に
は、このような線分で区切られた組成系でも充分な特性
を有している。
また本発明において、Pbを構成元素として含有するペ
ロブスカイト系高誘電率磁気組成物の基本組成として
は、第1図に示したものの他に、一般式xPb(Zn1/3Nb
2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−zPb(Ni1/3Nb2/3)O3
で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三元図の e(x=0.50,y=0.00,z=0.50) f(x=1.00,y=0.00,z=0.00) g(x=0.10,y=0.90,z=0.00) で示される各点を結ぶ線内の組成(ただし、efgを結ぶ
線分上は除く)のPbの一部を、1〜30mol%のBa及びSr
の少なくとも一種で置換したもの、一般式(1−x)
(Pb1−a−bBaaSrb){Zn1/3Nb2/3)1−c−d(Mg
1/3Nb2/3)cTid}O3・xBaTiO3で表したとき、 0≦a≦0.35 0≦b≦0.35 0.01≦a+b≦0.35 0<c≦0.9 0<d≦0.5 0.3≦x≦0.5 を満たすもの、 一般式xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−
zPbTiO3で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三
元図の h(x=0.60,y=0.40,z=0.00) i(x=0.60,y=0.05,z=0.35) j(x=0.45,y=0.05,z=0.50) k(x=0.01,y=0.49,z=0.50) l(x=0.01,y=0.85,z=0.14) m(x=0.15,y=0.85,z=0.00) で示される各点を結ぶ線内の組成のPbの一部を、2〜30
mol%のCaで置換したもの等があげられる。
ロブスカイト系高誘電率磁気組成物の基本組成として
は、第1図に示したものの他に、一般式xPb(Zn1/3Nb
2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−zPb(Ni1/3Nb2/3)O3
で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三元図の e(x=0.50,y=0.00,z=0.50) f(x=1.00,y=0.00,z=0.00) g(x=0.10,y=0.90,z=0.00) で示される各点を結ぶ線内の組成(ただし、efgを結ぶ
線分上は除く)のPbの一部を、1〜30mol%のBa及びSr
の少なくとも一種で置換したもの、一般式(1−x)
(Pb1−a−bBaaSrb){Zn1/3Nb2/3)1−c−d(Mg
1/3Nb2/3)cTid}O3・xBaTiO3で表したとき、 0≦a≦0.35 0≦b≦0.35 0.01≦a+b≦0.35 0<c≦0.9 0<d≦0.5 0.3≦x≦0.5 を満たすもの、 一般式xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−
zPbTiO3で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三
元図の h(x=0.60,y=0.40,z=0.00) i(x=0.60,y=0.05,z=0.35) j(x=0.45,y=0.05,z=0.50) k(x=0.01,y=0.49,z=0.50) l(x=0.01,y=0.85,z=0.14) m(x=0.15,y=0.85,z=0.00) で示される各点を結ぶ線内の組成のPbの一部を、2〜30
mol%のCaで置換したもの等があげられる。
さらに本発明においては、本発明の効果を損わない範
囲での不純物、添加物、置換物の含有も構わない。この
ようなものとしては、例えばMnO2,CoO,Sb2O3,La2O3,Nd2
O3,Sm2O3等の遷移金属やランタノイド元素があげられ
る。ただしこれらの含有量は多くても0.5重量%程度で
ある。
囲での不純物、添加物、置換物の含有も構わない。この
ようなものとしては、例えばMnO2,CoO,Sb2O3,La2O3,Nd2
O3,Sm2O3等の遷移金属やランタノイド元素があげられ
る。ただしこれらの含有量は多くても0.5重量%程度で
ある。
上記したような本発明に係る高誘電率磁器組成物は、
誘電率、容量抵抗積、誘電率温度係数、誘電損失、誘電
バイアス電界依存性等の電気的特性に加え、焼成温度、
さらには寿命特性、耐圧特性に優れている。従って厚膜
誘電体ペースト、電歪素子等の用途に加えて、特にコン
デンサ材料として優れた特性を示す。
誘電率、容量抵抗積、誘電率温度係数、誘電損失、誘電
バイアス電界依存性等の電気的特性に加え、焼成温度、
さらには寿命特性、耐圧特性に優れている。従って厚膜
誘電体ペースト、電歪素子等の用途に加えて、特にコン
デンサ材料として優れた特性を示す。
(実施例) 以下に実施例として、 一般式xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3−
zPbTiO3の組成でPbの一部がBaまたはSrによって置換さ
れた高誘電率磁器組成物の場合を示す。
zPbTiO3の組成でPbの一部がBaまたはSrによって置換さ
れた高誘電率磁器組成物の場合を示す。
出発原料としてPb,Ba,Sr,Zn,Nb,Y,Zr,Ti,Mg等の酸化
物等の出発原料を用いて所望の組成になるように調合し
た後、ボールミル等で混合し700〜850℃で仮焼する。次
いでこの仮焼体をボールミル等で粉砕し乾燥の後、バイ
ンダーを加え造粒しプレスして直径17mm、厚さ約2mmの
円板状素体を形成した。混合、粉砕用のボールは、不純
物の混入を防止するため、部分安定化ジルコニアボール
等の硬度が大きく、かつ靭性の高いボールを用いること
が好ましい。
物等の出発原料を用いて所望の組成になるように調合し
た後、ボールミル等で混合し700〜850℃で仮焼する。次
いでこの仮焼体をボールミル等で粉砕し乾燥の後、バイ
ンダーを加え造粒しプレスして直径17mm、厚さ約2mmの
円板状素体を形成した。混合、粉砕用のボールは、不純
物の混入を防止するため、部分安定化ジルコニアボール
等の硬度が大きく、かつ靭性の高いボールを用いること
が好ましい。
この素体を空気中980〜1080℃、2時間の条件で焼結
し、両面に銀電極を焼付け、各特性の測定を行なった。
誘電損失(DF)、容量(C)については1kHz、1Vrms、2
5℃の条件でデジタルLCRメーターを用いて測定し、この
値より誘電率(K)を算出した。絶縁抵抗(IR)は100V
の電圧を2分間印加した後、絶縁抵抗計を用いて25℃に
て測定し、容量抵抗積(CR)は25℃での(誘電率)×
(絶縁抵抗)×(真空の誘電率)から求めた。誘電率温
度係数(T.C.C.)は25℃の値を基準とし、−25℃,85℃
での変化率で表した。耐圧はシリコンオイル中で測定を
行なった。寿命試験は、85℃,95%RHの恒温恒湿槽中に
素体を保持し、200Vの印加をして500時間経過後、素体
を取り出し表面の水分を取り除き室温に一昼夜放置した
後、容量及び絶縁抵抗を測定した容量抵抗積を算出し
た。各特性の測定結果を第1表に示す。第1表から明ら
かなように、本発明に係る高誘電率磁器組成物は誘電
率,誘電率温度係数等の電気的特性が優れているのみな
らず、耐圧特性にも優れ、さらには高温高湿加速寿命試
験後においても容量抵抗積の劣化が少なく、寿命特性も
優れコンデンサ材料としての信頼性が高いことがわか
る。
し、両面に銀電極を焼付け、各特性の測定を行なった。
誘電損失(DF)、容量(C)については1kHz、1Vrms、2
5℃の条件でデジタルLCRメーターを用いて測定し、この
値より誘電率(K)を算出した。絶縁抵抗(IR)は100V
の電圧を2分間印加した後、絶縁抵抗計を用いて25℃に
て測定し、容量抵抗積(CR)は25℃での(誘電率)×
(絶縁抵抗)×(真空の誘電率)から求めた。誘電率温
度係数(T.C.C.)は25℃の値を基準とし、−25℃,85℃
での変化率で表した。耐圧はシリコンオイル中で測定を
行なった。寿命試験は、85℃,95%RHの恒温恒湿槽中に
素体を保持し、200Vの印加をして500時間経過後、素体
を取り出し表面の水分を取り除き室温に一昼夜放置した
後、容量及び絶縁抵抗を測定した容量抵抗積を算出し
た。各特性の測定結果を第1表に示す。第1表から明ら
かなように、本発明に係る高誘電率磁器組成物は誘電
率,誘電率温度係数等の電気的特性が優れているのみな
らず、耐圧特性にも優れ、さらには高温高湿加速寿命試
験後においても容量抵抗積の劣化が少なく、寿命特性も
優れコンデンサ材料としての信頼性が高いことがわか
る。
〔発明の効果〕 以上詳述してきたように本発明によれば、誘電率、誘
電率温度係数、容積抵抗積、誘電損失等の電気的特性に
優れているばかりでなく、焼成温度も低く積層タイプの
セラミックス素子への応用に適し、さらには寿命特性、
耐圧特性にも優れているのでコンデンサ材料として適用
した場合にも信頼性の高い高誘電率磁器組成物を提供す
ることができる。
電率温度係数、容積抵抗積、誘電損失等の電気的特性に
優れているばかりでなく、焼成温度も低く積層タイプの
セラミックス素子への応用に適し、さらには寿命特性、
耐圧特性にも優れているのでコンデンサ材料として適用
した場合にも信頼性の高い高誘電率磁器組成物を提供す
ることができる。
第1図は本発明の一例における基本組成を示す組成図で
ある。
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】Pb(Mg1/3Nb2/3)O3及びPb(Zn1/3Nb2/3)
O3の少なくとも1種を含有するペロブスカイト系高誘電
率磁器組成物に、イットリウム(Y)をY2O3に換算して
0.01〜5重量%、ジルコニウム(Zr)ZrO2に換算して0.
01〜5重量%添加含有することを特徴とする高誘電率磁
器組成物。 - 【請求項2】前記Pb(Mg1/3Nb2/3)O3及びPb(Zn1/3Nb
2/3)O3の少なくとも1種を50mol%以上含有し、Pbの1
〜35mol%がBa,Sr及びCaの少なくとも1種で置換された
組成であることを特徴とする請求項1記載の高誘電率磁
器組成物。 - 【請求項3】前記ペロブスカイト系高誘電率磁器組成物
は、一般式xPb(Zn1/3Nb2/3)O3−yPb(Mg1/3Nb2/3)O3
−zPbTiO3で表され、それぞれの成分を頂点とする三元
図の a(x=0.50,y=0.00,z=0.50) b(x=1.00,y=0.00,z=0.00) c(x=0.20,y=0.80,z=0.00) d(x=0.05,y=0.90,z=0.05) で示される各点を結ぶ線内の基本組成(ただし、abを結
ぶ線分上は除く)のPbの一部が、1〜35mol%のBa及びS
rの少なくとも1種で置換された組成であることを特徴
とする請求項1記載の高誘電率磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP1020744A JP2680395B2 (ja) | 1989-02-01 | 1989-02-01 | 高誘電率磁器組成物 |
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Family Applications (1)
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1989
- 1989-02-01 JP JP1020744A patent/JP2680395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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