JPH10167813A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

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JPH10167813A
JPH10167813A JP8320495A JP32049596A JPH10167813A JP H10167813 A JPH10167813 A JP H10167813A JP 8320495 A JP8320495 A JP 8320495A JP 32049596 A JP32049596 A JP 32049596A JP H10167813 A JPH10167813 A JP H10167813A
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泰史 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】EIA規格のY5V特性を満足し、比誘電率が
15000以上で高温負荷寿命が長く、1300℃未満
の低温焼成で、厚さ10μm以下の平滑なシート状焼結
体が得られ、安価な内部電極材料を用いた小型・大容量
の積層型セラミックコンデンサ等、各種コンデンサに適
用できる誘電体磁器組成物を提供する。 【解決手段】モル分率xが0.01≦x≦0.10、y
が0.04<y<0.10である複合酸化物(Ba1-x
Cax )(Ti1-y Sny )O3 が100重量部に対
し、ZnOを0.1〜0.9重量部、マンガン化合物を
MnO2 換算で0.1〜0.5重量部、チタン化合物を
TiO2 換算で0.1〜1.3重量部、SiO2 に換算
したケイ素化合物を0.05〜0.20重量部、更に希
土類元素化合物を0.8〜1.8重量部含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温焼成が可能な
薄板成形用の高誘電率系誘電体磁器組成物に関するもの
で、とりわけ静電容量の温度特性に優れた高誘電率系セ
ラミックコンデンサや積層型セラミックコンデンサ、更
にはアキシャルコンデンサ、ディスクコンデンサ、厚膜
コンデンサ等の誘電体材料として好適な誘電体磁器組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高誘電率系セラミックコンデンサ
や積層型セラミックコンデンサに用いられる誘電体材料
としては、比誘電率が6000〜10000程度のチタ
ン酸バリウム(BaTiO3 )系の誘電体磁器組成物が
あり、なかでも前記誘電体磁器組成物を用いたものとし
て電気容量の観点から積層型セラミックコンデンサに多
く適用されてきた。
【0003】前記積層型セラミックコンデンサは、一般
に誘電体磁器組成物から成るグリーンシート上に電極を
形成し、該グリーンシートを所定の電気容量となるよう
に複数枚積層して前記電極を同時に焼成一体化して内部
電極が構成されている。
【0004】しかしながら、前記チタン酸バリウム(B
aTiO3 )系の誘電体磁器組成物は、焼成温度が13
00〜1400℃程度と高く、しかも積層型セラミック
コンデンサの誘電体材料として使用するためには、同時
焼成する内部電極材料として高融点、高温還元性の貴金
属であるパラジウム(Pd)や白金(Pt)等を使用し
なければならず、安価で小型・大容量の積層型セラミッ
クコンデンサを製造することが困難であるという欠点が
あった。
【0005】そこで、係る欠点を解消せんとして、従
来、比誘電率が10000以上と高い誘電体材料を用
い、内部電極間の誘電体磁器組成物のシート厚さを約3
0μm程度まで薄くし、その上、対向面積も極小化して
積層型セラミックコンデンサの小型化を図るとともに、
低温焼成も可能となるようにして内部電極材料を高価な
前記貴金属から安価なAg−Pd等に代替することが行
われていた。
【0006】係る誘電体材料としては、チタン酸バリウ
ム(BaTiO3 )に所定量のスズ酸バリウム(BaS
nO3 )や、チタン酸カルシウム(CaTiO3 )、酸
化コバルト(CoO)、酸化マンガン(MnO2 )等を
添加した誘電体磁器組成物、あるいはチタン酸バリウム
(BaTiO3 )やジルコン酸カルシウム(CaZrO
3 )に、所定量のチタン酸鉛(PbTiO3 )や、ゲル
マン酸鉛(Pb5 Ge3 11)、チタン酸ビスマス(B
iTi2 7 )等を添加した誘電体磁器組成物が知られ
ていた(特公昭60−57164号公報、特公昭61−
16132号公報参照)。
【0007】このような誘電体磁器組成物では、常温で
の比誘電率が10000〜20000程度と高く、12
00℃以下の低温焼成も実現できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ダウンサイジングの進
む電子部品にあっては、より小型化、高容量化を図るた
めに誘電体磁器組成物から成るシート状焼結体の薄板化
が要求されるようになり、現在その要求厚さは10μm
以下となってきている。
【0009】しかしながら、誘電体層を薄くすると一対
の電極間の絶縁耐圧が低下するという問題があった。
【0010】また、静電容量の増大を図るための別の方
法として、比誘電率が高い磁器を使用する方法がある
が、上記従来のBaTiO3 系の誘電体磁器では比誘電
率に限界があり、高容量化に限界があった。
【0011】さらに、前記誘電体材料を用いて、一層当
たりの厚みが10μm以下の薄層から成る積層型コンデ
ンサを作製した場合、85℃で電界強度が1.2×10
4 V/mmの直流電圧を印加した高温負荷寿命が40時
間未満と短く、また−30℃〜+85℃の温度範囲にお
ける静電容量の変化率が−90%〜+95%と極めて大
となってしまい、前記温度範囲における静電容量の変化
率を−82%〜+22%以内とするEIA規格のY5V
特性を満足することができず、小型・大容量の積層型セ
ラミックコンデンサをはじめ、そのような各種コンデン
サを得ることができないという課題があった。
【0012】本発明は、室温での比誘電率が15000
以上と高く、1300℃未満の低温焼成で一層当たりの
厚さが10μm以下の表面平滑な薄板状焼結体を得るこ
とができ、安価な内部電極材料を用いることができるの
は勿論、高温負荷寿命が40時間以上と長く、−30℃
〜+85℃の温度範囲における静電容量の変化率を−8
2%〜+22%以内とするY5V特性を満足する小型・
大容量の積層型セラミックコンデンサをはじめ、各種コ
ンデンサに適用し得る誘電体磁器組成物を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器組成
物は、金属元素として少なくともBa、Ca、Tiおよ
びSnを含有し、これらの金属元素酸化物のモル比によ
る組成式を(Ba1-xCax )(Ti1-y Sny )O3
と表した時、前記x、yがそれぞれ0.01≦x≦0.
10、0.04<y<0.10を満足する主成分と、該
主成分100重量部に対して、亜鉛化合物をZnO換算
で0.1〜0.9重量部、マンガン化合物をMnO2
算で0.1〜0.5重量部、チタン化合物をTiO2
算で0.1〜1.3重量部、ケイ素化合物をSiO2
算で0.05〜0.20重量部、希土類元素化合物をN
2 3 、Sm2 3 、Gd2 3 、La2 3 、Pr
611、CeO2 、Tb4 7 およびEu2 3 のうち
少なくとも一種に換算して0.8〜1.8重量部含有し
てなるものである。
【0014】
【作用】本発明の誘電体磁器組成物によれば、組成式
(Ba1-x Cax )(Ti1-y Sny )O3 で現れされ
るチタンスズ酸バリウムカルシウム複合酸化物に対し
て、所定量の亜鉛化合物、マンガン化合物、チタン化合
物、ケイ素化合物、希土類元素化合物を含有したので、
比誘電率を15000以上に維持し、かつ1300℃未
満の低温焼成を可能としながら、厚さ10μm以下の薄
層から成る積層型コンデンサであっても、前記Y5V特
性を満足することができるようになる。特に、チタン化
合物を過剰に含有させることにより、上記特性を向上で
きる。
【0015】その結果、誘電体磁器組成物として基本的
な特性である誘電損失tanδが1.0%以下、絶縁抵
抗IRが1.0×105 MΩ以上を満足し、85℃で電
界強度が1.2×104 V/mmの直流電圧を印加した
高温負荷試験で40時間以上不良が発生せず、さらに焼
成温度が1300℃未満と工業的にも製造し易くなり、
各種セラミックコンデンサに適用可能な誘電体磁器組成
物が得られる。特に、本願発明では、SiO2 を0.0
5〜0.2重量部含有することにより、85℃で電界強
度が1.2×104 V/mmの直流電圧を印加した高温
負荷試験で40時間以上不良が発生しにくくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器組成物では、
組成式を(Ba1-x Cax )(Ti1-y Sny )O3
表した時、x、yがそれぞれ0.01≦x≦0.10、
0.04<y<0.10を満足する主成分を含有するも
のである。
【0017】ここで、(Ba1-x Cax )(Ti1-y
y )O3 で表されるチタンスズ酸バリウムカルシウム
から成る複合酸化物は、99.0%以上の高純度である
ことが望ましい。x、yを上記のように限定したのは、
モル分率xが0.01未満の場合には静電容量の温度特
性が前記Y5V特性を満足せず、モル分率xが0.10
を越える場合、あるいはモル分率yが0.04以下や、
0.10以上の場合には、室温における比誘電率εrが
15000未満と小さくなるからである。
【0018】従って、Y5V特性を満足し、15000
以上の高い比誘電率を維持し、かつ小型・大容量の積層
コンデンサをはじめとする各種コンデンサを得るために
は、xの値は0.01〜0.10、yの値は0.04を
越え0.10未満に特定され、とりわけxの値は0.0
3〜0.07、yの値は0.06〜0.08の範囲が望
ましいものである。
【0019】また、亜鉛化合物は、誘電体磁器組成物の
焼成温度と比誘電率を調整するものであり、その含有量
が前記主成分100重量部に対して、0.1重量部未満
では焼成温度が1300℃以上となり、室温における比
誘電率εrが15000未満と小さくなり、焼成後のシ
ート状焼結体の密度も5.7g/cm3 以下と低くなっ
てしまい実用範囲外となる。また0.9重量部を越える
と室温における比誘電率εが15000未満と小さくな
り、絶縁抵抗IRが大きく低下してしまい、焼成後のシ
ート状焼結体の密度も5.7g/cm3 以下と低くなっ
てしまい実用範囲外となるため、0.1〜0.9重量部
に特定され、より望ましくは0.3〜0.5重量部とな
る。
【0020】更に、マンガン化合物は、例えば誘電体磁
器組成物の誘電損失tanδを改善するものであり、そ
の含有量が前記主成分100重量部に対して、酸化マン
ガン(MnO2 )に換算して0.1重量部未満では誘電
損失tanδが1%以上と大となり、また0.5重量部
を越えると、絶縁抵抗IRが大きく低下してしまう。
【0021】従って、マンガン化合物の含有量は、前記
主成分100重量部に対して、酸化マンガン(Mn
2 )に換算して0.1〜0.5重量部に限定され、特
に0.2〜0.3重量部が望ましい。
【0022】一方、チタン化合物は、例えば誘電体磁器
組成物の焼結性を向上させるために含有させるものであ
り、その添加量は主成分100重量部に対して、酸化チ
タン(TiO2 )に換算して0.1重量部未満では焼成
温度が1300℃以上となり、焼成後のシート状焼結体
の密度が5.7g/cm3 以下と低くなり、さらに誘電
損失tanδが1%以上と大となってしまい実用範囲外
となり、また、1.3重量部を越えると、誘電損失ta
nδが1.0%を越えてしまうことから、含有量は0.
1〜1.3重量部に特定され、より望ましくは0.2〜
1.2重量部の範囲となる。
【0023】また、ケイ素化合物は、誘電体磁器組成物
の結晶粒径を調整するものであり、その含有量が主成分
100重量部に対して、SiO2 換算で0.05重量部
未満では、85℃で電界強度が1.2×104 V/mm
の直流電圧を印加した高温負荷試験で40時間以内で不
良が発生し易く、さらに焼成温度が1300℃以上とな
ってしまい実用範囲外となり、また、0.20重量部を
越えると、比誘電率が15000未満と低下してしま
い、実用範囲外となってしまうことから、その含有量は
0.05〜0.20重量部に特定され、より望ましくは
0.10〜0.15重量部となる。
【0024】また、希土類元素化合物は誘電体磁器組成
物の焼結性を向上し、比誘電率を高くするために含有さ
せるもので、その含有量が、前記主成分100重量部に
対して、酸化物(Nd2 3 ,Sm2 3 ,Gd
2 3 ,La2 3 ,Pr6 11,CeO2 ,Tb4
7 ,Eu2 3 )に換算して0.8重量部未満では比誘
電率が15000未満と低下してしまい、1.8重量部
を越えるとシート状焼結体の密度及び絶縁抵抗IRが低
くなって、実用範囲外となってしまうことから、その含
有量は0.8〜1.8重量部に特定され、より望ましく
は1.0〜1.6重量部となる。希土類元素としては、
焼結性と比誘電率の向上という観点から、Nd2 3
望ましい。
【0025】マンガン化合物としては、MnO2 、Mn
CO3 で表されるものがあり、希土類元素化合物として
は、Re2 3 、Re6 11、ReO2 、Re4 7
表されるものがある。
【0026】本発明の誘電体磁器組成物では、(Ba
1-x Cax )(Ti1-y Sny )O3を主結晶とするも
のであり、Zn、Mn、Ti、Si、希土類元素は主に
前記主結晶の粒界にガラスとして存在する。Zn、M
n、Ti、Si、希土類元素は主結晶中に固溶する場合
もある。また、主結晶の平均結晶粒径は、高比誘電率と
高温負荷寿命の向上という観点から4.0〜7.5μm
であることが望ましい。
【0027】また、本発明の誘電体磁器組成物は、不可
避不純物としてSrO、Na2 O、Fe2 3 等が混入
する場合があり、また、粉砕ボールからAl2 3 、Z
rO2 等が混入する場合もある。
【0028】本発明の誘電体磁器組成物は、例えば、出
発原料として、チタン酸バリウム、酸化ズズ、酸化カル
シウムから成る複合酸化物、(Ba1-x Cax )(Ti
1-ySny )O3 粉末を主成分とし、この主成分100
重量部に対して、亜鉛(ZnO等の亜鉛化合物粉末、M
nO2 等のマンガン化合物粉末、TiO2 等のチタン化
合物粉末、SiO2 等のケイ素化合物粉末及びNd2
3 等の希土類元素化合物粉末の各粉末を、所定量秤量
し、ボールミルにて混合粉砕する。
【0029】次に、混合粉砕物に有機系粘結剤と媒体か
ら成るバインダーを添加して攪拌してセラミック泥漿を
調製した後、例えば、得られたセラミック泥漿を脱泡
し、該泥漿を用いてドクターブレード法によりグリーン
シートを成形する。
【0030】得られたグリーンシートを所定形状に裁断
し、このシートを所定枚数積層し、大気中等の酸化性雰
囲気において、1200〜1300℃の温度で0.5〜
5時間焼成することにより得られる。
【0031】
【実施例】出発原料として、モル分率xが0.01〜
0.10、モル分率yが0.04〜0.10で平均粒径
が1μm以下である(Ba1-x Cax )(Ti1-y Sn
y )O3 を主成分とするチタンスズ酸バリウムカルシウ
ムと、この主成分100重量部に対して、酸化亜鉛(Z
nO)、マンガン化合物、チタン化合物、二酸化ケイ素
(SiO2 )及び希土類元素酸化物の各粉末を、マンガ
ン化合物は酸化マンガン(MnO2 )に、チタン化合物
は酸化チタン(TiO2 )に、希土類元素酸化物は酸化
物(Nd2 3 ,Sm2 3 ,Gd2 3 ,La
2 3 ,Pr6 11,CeO2 ,Tb4 7 ,Eu2
3 )に換算して表1,2に示す重量部となるように秤量
し、それらの粉末をZrO2 ボールを用いたボールミル
にて20時間湿式混合粉砕した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】次いで、前記混合粉砕物に有機系粘結剤と
媒体から成るバインダーを添加して攪拌してセラミック
泥漿を調製した後、得られたセラミック泥漿を脱泡し、
該泥漿を用いてドクターブレード法によりフィルムキャ
リア上に厚さ約40μmのグリーンシートを成形した。
【0035】得られたグリーンシートを縦130mm、
横100mmの矩形状に裁断し、該矩形状シートを40
枚重ねた後、80℃の温度でホットプレスして厚さ約1
mmの積層体を作製し、該積層体を直径20mmの円板
状に打ち抜き、大気中、1210〜1340℃の範囲の
各温度で2時間焼成した。
【0036】その後、円板状焼結体の両端面に銀ペース
トを用いて電極を焼付け、評価用試料とした。
【0037】かくして得られた評価用試料を用い、先
ず、基準温度25℃、周波数1.0kHz、測定電圧
1.0Vrmsの測定条件で、前記評価用試料の比誘電
率εr及び誘電損失tanδを測定し、更に、直流電圧
50Vを1分間印加した時の絶縁抵抗IRを測定した。
【0038】測定結果から、比誘電率εrが15000
未満では、例えば積層型セラミックコンデンサでは小型
化ができないため、15000以上を良とし、更に、誘
電損失tanδは、1.0%以上になると、例えばコン
デンサのチップ化が困難となる等のため、1.0%未満
を良と評価した。一方、絶縁抵抗IRは、1.0×10
5 MΩ未満では、積層型セラミックコンデンサとして絶
縁抵抗の規格を満足せず、絶縁不良となるため、1.0
×105 MΩ以上を良と評価した。
【0039】更に、アルキメデス法で密度を測定し、該
密度が5.7g/cm3 以下ではこれら高誘電率系の誘
電体磁器組成物は焼成不十分であることを示しており、
1300℃未満の低温焼成で実用的な焼結体が得られな
いことから、密度は5.7g/cm3 以上を良と評価し
た。以上の結果を、表3、4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表3、4から明らかなように、試料番号
8、9、15、16、22、29、44、45では、積
層セラミックコンデンサ等の小型・大容量化に大きく寄
与する比誘電率が14000以下と低くなっており、試
料番号8、16、29、39、45、52は、いずれも
焼成温度が1310℃以上となっている。
【0043】また、試料番号9、23、28、29、3
8は、誘電損失が1.15%以上と大きく、試料番号1
6、29、45、52では、焼成温度を1310〜13
20℃とかなり高い温度で焼成しても密度が5.70g
/cm3 未満と低く焼結不足となっている。
【0044】更に、試料番号22、28、52は、いず
れも絶縁抵抗が1.0×105 未満と低くなっている。
【0045】それに対して、本願発明の試料番号のもの
は、いずれも比誘電率も15200以上と高く、焼成温
度は1290℃以下と低く、誘電損失も0.93%以
下、密度は5.72g/cm3 以上、更に絶縁抵抗も
2.4×105 MΩ以上といずれの要求特性をも満足す
るものになっている。
【0046】次に、表1,2に示す組成で上記と同様に
して調製したセラミック泥漿を用いて成形した厚さ10
μmの各グリーンシート上に、銀−パラジウム(Ag−
Pd)粉末から成る内部電極用ペーストを用いて電極を
所定形状にスクリーン印刷した後、該電極を印刷したグ
リーンシートをそれぞれ20枚積層してホットプレスし
て一体化し、所定寸法に切断してグリーンチップを作製
した。
【0047】得られたグリーンチップを大気中、400
℃の温度で2時間保持してバインダーを完全に分解して
脱バインダーした後、それぞれ各組成に対応した表3,
4に示す焼成温度で、2時間保持して焼成した。
【0048】その後、焼結したチップに銀−パラジウム
(Ag−Pd)から成る外部取り出し電極を焼き付け、
評価用のチップコンデンサを作製した。
【0049】尚、前記評価用チップコンデンサの誘電体
層一層の厚さは、いずれも平均8μmであり、有効電極
面積は1.2mm2 であった。
【0050】かくして得られた評価用チップコンデンサ
を用い、先ず、基準温度25℃、周波数1.0kHz、
測定電圧1.0Vrmsの測定条件で、前記評価用チッ
プコンデンサの静電容量及び誘電損失を測定するととも
に、基準温度25℃の静電容量に対する−30℃から+
85℃までの温度における静電容量の温度変化率を測定
した。さらに、85℃で電界強度が1.2×104 V/
mmの直流電圧の印加状態を保つ高温負荷試験を行っ
た。この高温負荷試験は、300個の評価用チップコン
デンサについて行い、最初にショートとしたチップコン
デンサの、印加開始からショートに至るまでの時間を測
定することにより行った。
【0051】また、表3,4に示した比誘電率と、焼結
後の評価用チップコンデンサの内部電極面積、内部電極
の間隔及び積層数等から算出した設計容量に対する、前
記評価用チップコンデンサの測定容量の比を容量比率と
した。
【0052】更に、前記評価用チップコンデンサの磁器
表面を無作為に5箇所選び、これらを走査型電子顕微鏡
で800倍に拡大して撮影し、これらの写真から200
個の結晶粒子をランダムに選んで切片法により大きさを
測定し、平均値を求めて平均粒径とした。さらに異常粒
成長が発生しているか、否かも確認した。この異常粒成
長の判定は、平均粒径の5倍以上の粒子が存在していれ
ば、異常粒成長していると判定した。
【0053】以上の測定結果から、静電容量の値は、2
00nF未満では積層型セラミックコンデンサとして小
型化が困難なことから、200nF以上を良と評価し
た。
【0054】また、誘電損失が5.0%以上になると積
層型セラミックコンデンサとして実用的でないため、そ
の値は5.0%未満を良とした。
【0055】更に、容量比率が70%未満になると、積
層型セラミックコンデンサとして充分な容量が得られ
ず、小型化が困難なことから、70%以上を良とした。
【0056】高温負荷試験は、40時間未満に不良が発
生した場合、積層型セラミックコンデンサの規格を満足
しなくなることから、40時間以上不良が発生しないこ
とを良とした。
【0057】平均粒径が8.0μm以上になると、誘電
体層一層厚みが10μm以下の積層セラミックコンデン
サの高温負荷寿命が規格を満足しなくなることから、
8.0μm以下を良とした。これらの結果を表5、6に
記載する。
【0058】
【表5】
【0059】
【表6】
【0060】表5,6から明らかなように、試料番号1
では温度特性が規格外となり、規格に適合しても例え
ば、試料番号8、9、15、16、29、44、45
は、いずれも静電容量が200nF未満と小さく、積層
型セラミックコンデンサの小型化が実現できない。
【0061】また、試料番号9、23、28、29、3
8は、誘電損失が5.2%以上となって実用範囲外とな
っている。
【0062】また、試料番号29は、異常粒成長が認め
られ、容量比率も70%未満と小さく誘電体層一層の厚
さが10μm以下という薄板化は困難である。
【0063】試料番号29、39は、平均粒径が8.0
μm以上となっており、誘電体層一層厚みが10μm以
下の積層セラミックコンデンサの高温負荷試験が規格を
満足しなくなる。
【0064】それに対して、本願発明の試料番号のチッ
プコンデンサは、いずれも静電容量が211nF以上と
高く、焼成温度も1290℃以下と低く、かつ誘電損失
も4.3%以下と小さく、容量比率は84%以上を有
し、異常粒成長が全く認められないものであることが分
かる。
【0065】
【発明の効果】叙上の如く、本発明の誘電体磁器組成物
は、チタンスズ酸バリウムカルシウムから成る複合酸化
物を主成分とし、該主成分に希土類元素化合物及び亜鉛
化合物、マンガン化合物、チタン化合物、さらに珪素化
合物を含有させたことから、EIA規格のY5V特性を
満足するとともに、比誘電率が15000以上、高温負
荷寿命が長く、1300℃未満の低温焼成が可能で、厚
さ10μm以下の薄板表面が平滑で緻密なシート状焼結
体を得ることができることから、安価な内部電極材料を
用いた小型・大容量の積層型セラミックコンデンサをは
じめ、各種コンデンサに適用できる誘電体磁器組成物を
得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素として少なくともBa、Ca、T
    iおよびSnを含有し、これらの金属元素酸化物のモル
    比による組成式を (Ba1-x Cax )(Ti1-y Sny )O3 と表した時、前記x、yがそれぞれ 0.01≦x≦0.10 0.04<y<0.10 を満足する主成分と、該主成分100重量部に対して、
    亜鉛化合物をZnO換算で0.1〜0.9重量部、マン
    ガン化合物をMnO2 換算で0.1〜0.5重量部、チ
    タン化合物をTiO2 換算で0.1〜1.3重量部、ケ
    イ素化合物をSiO2 換算で0.05〜0.20重量
    部、希土類元素化合物をNd2 3 、Sm23 、Gd
    2 3 、La2 3 、Pr6 11、CeO2 、Tb4
    7 およびEu2 3 のうち少なくとも一種に換算して
    0.8〜1.8重量部含有してなることを特徴とする誘
    電体磁器組成物。
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CN117263683A (zh) * 2023-09-19 2023-12-22 江苏飞特尔通信有限公司 一种微波陶瓷材料及其制备方法和在与铜共烧制备5g ltcc滤波器中的应用

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