JP2679092B2 - 艶消し熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

艶消し熱可塑性樹脂組成物

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JP2679092B2 JP63068946A JP6894688A JP2679092B2 JP 2679092 B2 JP2679092 B2 JP 2679092B2 JP 63068946 A JP63068946 A JP 63068946A JP 6894688 A JP6894688 A JP 6894688A JP 2679092 B2 JP2679092 B2 JP 2679092B2
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恭之 広本
薫 松永
幸一 松田
日出夫 後藤
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宇部サイコン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は艶消し熱可塑性樹脂組成物に係り、特に耐衝
撃性,耐候性,剛性,成形性等の特性に優れると共に艶
消し性にも優れた、特定のグラフト共重合体及び硬質共
重合体を配合してなる艶消し熱可塑性樹脂組成物に関す
る。
[従来の技術] 熱可塑性樹脂は、その優れた成形性、その他の特性か
ら、従来より各種製品の成形材料として用いられてい
る。特に、近年、自動車内装部品、電気器具、カメラケ
ース等の成形材料としては、高級感等を備える光沢値の
低い、いわゆる艶消し熱可塑性樹脂組成物が採用されて
いる。
従来、艶消し熱可塑性樹脂を製造する方法としては、
特定条件下での乳化重合による方法、あるいは、無機
物、例えばチタン、マグネシウム、カルシウム等の酸化
物又はその炭酸塩を熱可塑性樹脂に混合したり、ジエン
系ゴム状重合物をラテックスや粉末で添加する方法があ
る。
[発明が解決しようとする課題] 乳化重合で艶消し性に優れたABS系熱可塑性樹脂を得
ようとする場合、グラフト共重合物のグラフト率を下げ
ジエン系ゴム弾性体同志の凝集によって艶消しを発現さ
せる方法があるが、一般にABS樹脂用に使用されている
中粒子径(0.2〜0.4μm)のジエン系ゴム弾性体では、
耐衝撃性が低下することや、凝集が十分でない場合に
は、十分に満足し得る艶消し性が得られないという欠点
がある。また、大粒子径(0.5〜0.7μm)のジエン系ゴ
ム弾性体やゲル含有率の低いジエン系ゴム弾性体を用い
て重合する場合には、グラフト重合時のラテックス安定
性が低下したり、成形品の表面硬度が不足するなどの問
題がある。
一方、無機物を樹脂に混合する方法では、耐衝撃性等
の物性の低下が著しい。これに対し、ジエン系ゴム状重
合物を添加する方法では、衝撃強度の低下は少ない反
面、表面硬度や剛性の低下が大きいという欠点がある。
また、いずれの方法においても、得られる成形品にフロ
ーマーク、シルバーストリーク等の欠陥が生じ易いとい
う欠点がある。
エチレン−グリシジルメタクリレート(GMA)共重合
体(特開昭59−89346)、スチレン−GMA共重合体(特開
昭57−190037)やエチレン−酢酸ビニル−GMA共重合
体、スチレンアクリロニトリル(SAN)−GMA共重合体を
用いる方法も知られているが、これらの共重合体を、例
えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体
(ABS樹脂)に添加しても、表面光沢40%以下で常温衝
撃値(ASTMノッチ付アイゾット)20kg・cm/cm以上を確
保することはできない。
一般に艶消し熱可塑性樹脂が使用される自動車内装部
品、電気器具部品やカメラケース等は衝撃を受ける可能
性が高く、しかも絶えず手や布で接触される部分である
ところから、特に成形品表面の傷つき難さが求められて
いるが、従来の技術では、要求特性を十分に満足する十
分に低い光沢値であると共に、高い耐衝撃性、剛性及び
良好な成形性を具備する艶消し熱可塑性樹脂は得られて
いない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、十分に低い光沢
値で艶消し性に優れると共に高い耐衝撃性、剛性、及び
良好な成形性と耐候性を有し、諸特性のバランスにも優
れる艶消し熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、 エチレン・プロピレン非共役ジエン共重合体(以下
「EPDM」と略記する。)のゴム成分40〜80重量部 及び ビニル芳香族化合物50〜90重量%、ビニルシアン化
合物15〜40重量%及び不飽和エポキシ化合物0.1〜10重
量%を含むモノマー混合物60〜20重量部 よりなるグラフト共重合体10〜60重量部と、 ビニル芳香族化合物50〜90重量%、ビニルシアン化
合物10〜40重量%及びN−フェニルマレイミド0〜25重
量%を含む硬質共重合体90〜40重量部と、 を含有することを特徴とする。
本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、上記艶消し熱
可塑性樹脂組成物の100重量部に更に下記I〜IIIの1種
又は2種以上を含むものであっても良い。
I ビニル系化合物99〜75重量%及びエチレン性不飽和
カルボン酸1〜25重量%を含むエチレン性不飽和カルボ
ン酸系共重合体0.1〜20重量部 II 変性低分子量α−オレフィン共重合体0.1〜10重量
部 III 熱可塑性樹脂1〜30重量部 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、前記のゴム
成分40〜80重量部に、前記のモノマー混合物60〜20重
量部をグラフト共重合させてなるグラフト共重合体と、
前記の硬質共重合体とを特定割合で含有するものであ
る。
のゴム成分であるEPDMは、ジオレフィンとエチレン
及びプロピレンのゴム状共重合体であるが、含有される
ジオレフィンとしては、ジシクロペンタジエン、1,4−
ヘキサジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−シクロオクタ
ジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、11−エチル
−1,11−トリデカジエン、5−メチレン−2−ノルボル
ネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノル
ボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、
2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、メチルテトラヒ
ドロインデン、リモネン等を挙げることができる。
のモノマー混合物はビニル芳香族化合物50〜90重量
%、ビニルシアン化合物15〜40重量%及び、不飽和エポ
キシ化合物0.1〜10重量%を含むものであるが、これら
のモノマー成分のうち、ビニル芳香族化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等
が挙げられ、ビニルシアン化合物としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。また、不
飽和エポキシ化合物としては、不飽和グリシジルエステ
ル類、不飽和グリシジルエーテル類、エポキシアルケン
類、p−グリシジルスチレン類、具体的にはグリシジル
メタクリレート等が挙げられる。
上記及び成分の特定配合で得られるグラフト共重
合体は、例えば次のようにして製造するのが好ましい。
即ち、まずEPDMより架橋EPDMラテックスを製造する。
EPDMを適当な溶剤に溶解してEPDM溶液を調整し、これに
乳化剤を添加する。この場合、溶剤としては、n−ヘキ
サン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素溶
剤を用いることができ、EPDM溶液は、通常5〜25重量%
EPDM濃度に調整するのが好ましい。乳化剤としては特に
制限はないが、例えば、オレイン酸カリウム、不均化ロ
ジン酸カリウム等のアニオン系界面活性剤が用いられ
る。乳化剤の添加量はEPDMに対して1〜10重量%程度と
するのが好ましい。なお、乳化剤は、例えばオレイン酸
をEPDM溶液に混合しておき、これに、水酸化カリウム水
溶液を添加して、オレイン酸カリウムを生成させること
により添加することもできる。
EPDM溶液を乳化剤により乳化させた後は、十分に撹拌
後、溶剤を留去して粒径0.2〜1μm程度のラテックス
を得る。次いで、このラテックスのゴム成分100重量部
に対して、ジビニルベンゼン等の多官能性化合物を0.1
〜5.0重量部及びジ−t−ブチルパーオキシトリメチル
シクロヘキサン等の有機過酸化物を0.1〜5.0重量部添加
して、60〜140℃で0.5〜5.0時間程度反応させて架橋EPD
Mラテックスを調整する。
本発明において、このようにして調整される架橋EPDM
ラテックスのゲル含量は40〜95重量%程度であることが
好ましい。なお、架橋EPDMラテックスのゲル含量は、こ
のラテックスを希硫酸にて凝固させ、水洗乾燥した後、
これを1g採取し、200mlのトルエン中に40時間浸漬し、
次いで、200メッシュのステンレス金網にて濾過し、残
渣を乾燥することによって求めることができる。
次いで、このようにして調整した架橋EPDMラテックス
40〜80重量部と、のモノマー混合物60〜20重量部に、
重合開始剤、連鎖移動剤等を添加して好適な重合温度に
加温してグラフト重合させる。
重合開始剤としては、ABSグラフト共重合において一
般に使用される過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の熱分解系開始剤、あるいは、有機ハイドロパーオキサ
イド/鉄塩等のレドックス系開始剤のいずれを用いても
よく、その添加方法にも特に制限はなく、一括添加、回
分添加、連続添加のいずれをも採用することができる。
重合を終了したグラフト重合ラテックスには、必要に
応じて酸化防止剤を添加する。次いで、得られたグラフ
ト重合ラテックスから樹脂固形物を析出させる。この場
合、析出剤としては、例えば硫酸、酢酸、塩化カルシウ
ム、硫酸マグネシウム等の水溶液を単独又は併用して用
いることができる。析出剤を添加したグラフト重合ラテ
ックスは、加熱、撹拌した後析出物を分離し、これを水
洗、脱水、乾燥の工程を経てグラフト共重合体とする。
本発明において、グラフト共重合体を構成するEPDM
が80重量部を超え、モノマー混合物が20重量部未満で
あると、耐熱性に劣る。一方、EPDMが40重量部未満
で、モノマー混合物が60重量部を超えると高い衝撃強
度は得られない。
また、このモノマー混合物において、不飽和エポキ
シ化合物が0.1重量%未満では艶消し効果が十分ではな
く、また10重量%を超えると成形品の表面に光沢ムラが
発生し、均一な艶消し状態が得にくくなる。ビニル芳香
族化合物が50重量%未満では熱変色が大きく、90重量%
を超えると衝撃強度、引張強度が低下する。
本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物を構成する他方の
成分である硬質共重合体は、ビニル芳香族化合物50〜
90重量%、ビニルシアン化合物10〜40重量%及びN−フ
ェニルマレイミド0〜25重量%を含むものである。ここ
で、ビニル芳香族化合物としてはα−メチルスチレン、
スチレン等が挙げられ、ビニルシアン化合物としてはア
クリロニトリル等が挙げられる。上記配合よりなる硬質
重合体は、製品の耐熱性向上に極めて有効である。
硬質共重合体は、上記各成分を重合させて合成され
るが、その重合方法としては特に制限はなく、乳化重
合、懸濁重合等が採用される。
硬質共重合体を乳化重合で合成する場合、乳化剤とし
ては、ロジン酸カリウム、アルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウム等の一般的な乳化重合用乳化剤を用いること
ができる。また、重合開始剤としては有機、無機の過酸
化物系開始剤が用いられ、連鎖移動剤にはメルカプタン
類、α−メチルスチレンダイマー、テルペン類等が用い
られる。
硬質共重合体を懸濁重合で合成する場合、懸濁剤とし
ては、トリカルシウムフォスファイト、ポリビニルアル
コール等が用いられ、懸濁助剤にはアルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム等を用いることができる。また、開
始剤としては、有機パーオキサイド類が用いられ、連鎖
移動剤にはメルカプタン類、α−メチルスチレン、テル
ペン類等を用いることができる。
硬質共重合体の合成には、これを構成する単量体を所
定量混合し、適当な乳化剤又は懸濁剤、開始剤、連鎖移
動剤を添加して重合させる。次いで、乳化重合により得
られた硬質樹脂ラテックスの場合には樹脂固形分を析出
させる。この場合、析出剤としては例えば硫酸、酢酸、
塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の水溶液を単独又
は併用して用いることができる。析出物は必要に応じて
水洗、脱水、乾燥して硬質共重合体とする。
本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、前記グラフト
共重合体10〜60重量部と硬質共重合体90〜40重量部と
を含むものであるが、グラフト共重合体の含有量が60重
量部を超えると艶消し性、耐衝撃性に優れるものの、耐
熱変形性、表面硬度、剛性の低下を招く傾向がある。ま
た、硬質共重合体が90重量部を超えると、耐熱変形性、
表面硬度、剛性に優れるが、艶消し性が十分でなく耐衝
撃性が低下する場合がある。
ところで、本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、前
記グラフト共重合体及び硬質共重合体の所定量よりなる
樹脂100重量部に、更に、下記I〜IIIの1種又は2種以
上を配合してなるものであっても良い。
I ビニル系化合物99〜75重量%及びエチレン性不飽和
カルボン酸1〜25重量%を含むエチレン性不飽和カルボ
ン酸系共重合体0.1〜20重量部 II 変性低分子量α−オレフィン共重合体0.1〜10重量
部 III 熱可塑性樹脂1〜30重量部 上記Iにおいて、ビニル系化合物としては、スチレン
等のビニル芳香族化合物、アクリロニトリル等のビニル
シアン化合物等が挙げられる。また、エチレン性不飽和
カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及びこれ
らの酸無水物が挙げられる。
Iのエチレン性不飽和カルボン酸系共重合体を配合す
ることにより艶消し性、引張強度を改善することができ
る。
IIの変性低分子量α−オレフィン共重合体としては、
α−オレフィン99.8〜80重量%及び不飽和カルボン酸系
化合物0.2〜20重量%を含む酸変性ポリエチレン等が挙
げられる。ここでα−オレフィンとしてはエチレン等
が、不飽和カルボン酸系化合物としては、アクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、マレイン酸モノアミド等が挙げられる。
IIの変性低分子量α−オレフィン共重合体を配合する
ことにより、艶消し性、流動性を改善することができ
る。
IIIの熱可塑性樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン60、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミ
ド樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリペンタメチレ
ンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂が挙げら
れる。
IIIの熱可塑性樹脂を配合することにより流動性と低
荷重での熱変形性、着色性を改善することができる。
このような本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成物は、前
記所定量のグラフト共重合体と、硬質共重合体、更に必
要に応じて、前記I〜IIIの1種又は2種以上をバンバ
リーミキサー、エクストルーダー、ロールミル等を用い
て混練することにより容易に得ることができる。
[実施例] 以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以
下において、「部」は「重量部」を示す。
製造例1 グラフト共重合体の製造 撹拌機付きステンレス重合槽に、第1表に示す処方で
原料を仕込み、重合を行った。重合温度は80℃で一定温
度とした。
各成分の添加時間は第1表(カッコ内)に示す通りで
ある。
重合後、酸化防止剤を添加し、硫酸にて固形分の析出
を行い、洗浄、脱水、乾燥の工程を経て、グラフト共重
合体の粉末1−1〜1−5を得た。
各系の重合は極めて安定に進みコアグラムの発明も殆
どなく良好な重合物を得ることができた。
なお、製造に用いたEPDMラテックスは次のようにして
製造した。まず、三井石油化学社製EPDM(EPT3045)100
部をn−ヘキサン566部に溶解した後、オレイン酸4.5部
を添加した重合体溶液を調製した。別に、水180部にKOH
0.9部を溶解した水溶液を60℃に保ち、これに調製した
重合体溶液を徐々に加えて乳化した後、ホモミキサーで
撹拌した。次いで溶剤を留去し、粒径0.2〜1μmのラ
テックスを得た。
このラテックスに、ゴム成分100部に対してジビニル
ベンゼン1.5部、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチル
シクロヘキサン1.0部を添加して120℃に1時間反応させ
て架橋EPDMラテックスを調製した。
この架橋EPDMラテックスのゲル含量を、架橋EPDMラテ
ックスを希硫酸にて凝固させ、水洗乾燥した後、これを
1g採取し、200mlのトルエン中に40時間浸漬し、次い
で、200メッシュのステンレス金網にて濾過し、残渣を
乾燥することによって求めたところ、72重量%であっ
た。
製造例2 硬質共重合体の製造 撹拌機を備えたオートクレーブ内を十分に窒素置換し
た後、第2表に示すように、それぞれ所定量のモノマ
ー、蒸留水、界面活性剤、懸濁安定剤、有機過酸化物を
仕込み、350rpmの割合で撹拌しつつ内温を80℃まで昇温
し、この温度で9時間重合させた。次いで、2.5時間を
要して内温を120℃まで昇温し、この温度で2時間反応
させた。得られたスラリーを洗浄し、乾燥して、硬質共
重合体2−1を得た。
製造例3 第3表に示す処方で原料を仕込み、即ち、組成Iに組
成IIを100分かけて添加し、60℃で反応させて、Iのエ
チレン性不飽和カルボン酸系共重合体3−1,3−2を製
造した。
実施例1〜3,比較例1〜7 製造例1で得られたグラフト共重合体1−1〜1−
5、製造例2で得られた硬質共重合体2−1及びその他
の添加剤を第3表に示す配合でバンバリーミキサーにて
混練し、260℃にて成形を行なった。
得られた成形品について諸特性を試験し、結果を第4
表に示した。
なお、特性試験は以下の条件及び方法で行なった。
アイゾット衝撃値(kg・cm/cm) =ASTM(D256)ノッチ付 アイゾット、測定温度23℃ 熱変形温度(℃) =ASTM(D648−56) 引張強度(kg/cm2) =ASTM(D638)1/8″ 測定温度23℃ 曲げ強度(kg/cm2) =ASTM(D790) 光沢(反射率)=スガ試験機(株)製デジタル変角光計
UGV−5Dを用い、入射角60゜、反射角60゜での反射率の
測定を行なう。
外観=○ :良い △ :若干良い × :若干悪い ××:悪い 流動性(kg/cm2) =260℃における射出成形時の最小充填圧力(kg/cm2
にて評価した。
実施例4〜9,比較例8〜14 製造例1で得られたグラフト共重合体1−1〜1−
5、製造例2で得られた硬質共重合体2−1、製造例3
で得られた共重合体(I)3−1,2及びその他の添加剤
を第5表に示す配合でバンバリーミキサーにて混練し、
260℃にて成形を行なった。
得られた成形品について実施例1と同様にして諸特性
を試験し、結果を第5表に示した。
実施例10〜14,比較例15〜17 製造例1で得られたグラフト共重合体1−1〜1−
5、製造例2で得られた硬質共重合体2−1及び酸変性
ポリエチレンを第6表に示す配合で、バンバリーミキサ
ーにて混練し、260℃にて成形を行なった。
得られた成形品について実施例1と同様にして諸特性
を試験し、結果を第6表に示した。
実施例15〜25,比較例18〜21 製造例1で得られたグラフト共重合体1−1〜1−
5、製造例2で得られた硬質共重合体2−1、製造例3
で得られた共重合体(I)3−1、酸変性ポリエチレ
ン、ナイロン及びポリブチレンテレフタレートを、第7
表に示す配合でバンバリーミキサーにて混練し、260℃
にて成形を行なった。
得られた成形品について実施例1と同様にして諸特性
を試験し、結果を第7表に示した。なお、比較のため、
実施例2の組成物No.4−3についても、その測定値を実
施例25として併記した。
実施例26〜33,比較例22 第4表のNo.4−2,4−3,4−4、第5表のNo.5−3,5−
8、第6表のNo.6−3,6−6,6−7の成形体について、下
記方法により耐候性を調べた。結果を第8表に示す。ま
た、比較例22として、汎用ABS樹脂(ゴム含量20重量
%)についても同様に耐候性を調べ、結果を第8表に併
記した。
耐候性 試験片をウェザーメーター(スガ試験機製サンシャイ
ン・スーパーロングライフ・キセノン・ウェザーメータ
ーWEL−6XS−HCH−B)を用いて、ブラックパネル温度8
3℃(降雨なし)で200時間及び400時間後のアイゾット
衝撃値(ASTM D 256に準じた。−30℃、ノッチな
し)を測定し、この衝撃値にて評価した。
第5表〜第8表の結果より、本発明の艶消し熱可塑性
樹脂組成物は、耐熱製、耐候性、艶消し性、耐衝撃性等
のバランスが良好で、極めて優れた特性を有することが
明らかである。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の艶消し熱可塑性樹脂組成
物によれば、耐衝撃性を有すると共に、光沢値が十分低
くいわゆる艶消し性に優れた成形品を与えることがで
き、しかも引張強度及び表面硬度等も十分に高く、剛性
に優れた熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。従っ
て、このような本発明の熱可塑性樹脂組成物は、自動車
内装部品、電気器具、カメラケース等の成形材料等とし
て極めて有用である。
特に本発明においては、前記I〜IIIの成分を配合す
ることにより、その特性を著しく高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:06) (C08L 25/12 51:06 23:26 25:08 67:00 77:00) (C08F 212/10 220:42) (C08F 255/06 212:10) (C08L 51/06 25:12) (C08L 51/06 25:12 23:26 25:08 67:00 77:00) (72)発明者 後藤 日出夫 山口県宇部市大字沖宇部525―14 宇部 サイコン株式会社宇部工場内 (56)参考文献 特開 昭62−89716(JP,A) 特開 昭61−2714(JP,A) 特開 昭51−119791(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のゴム成分40〜80重量部及び下記
    のモノマー混合物60〜20重量部よりなるグラフト共重合
    体10〜60重量部と、下記の硬質共重合体90〜40重量部
    とを含有することを特徴とする艶消し熱可塑性樹脂組成
    物。 エチレン・プロピレン非共役ジエン共重合体 ビニル芳香族化合物50〜90重量%、ビニルシアン化
    合物15〜40重量%及び不飽和エポキシ化合物0.1〜10重
    量%を含むモノマー混合物 ビニル芳香族化合物50〜90重量%、ビニルシアン化
    合物10〜40重量%及びN−フェニルマレイミド0〜25重
    量%を含む硬質共重合体
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組成物
    100重量部に、下記I〜IIIの1種又は2種以上を配合し
    てなることを特徴とする艶消し熱可塑性樹脂組成物。 I ビニル系化合物99〜75重量%及びエチレン性不飽和
    カルボン酸1〜25重量%を含むエチレン性不飽和カルボ
    ン酸系共重合体0.1〜20重量部 II 変性低分子量α−オレフィン共重合体0.1〜10重量
    部 III 熱可塑性樹脂1〜30重量部
JP63068946A 1988-03-23 1988-03-23 艶消し熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2679092B2 (ja)

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