JP2678786B2 - 1,4―ジヒドロピリジン誘導体 - Google Patents

1,4―ジヒドロピリジン誘導体

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JP2678786B2 JP5982889A JP5982889A JP2678786B2 JP 2678786 B2 JP2678786 B2 JP 2678786B2 JP 5982889 A JP5982889 A JP 5982889A JP 5982889 A JP5982889 A JP 5982889A JP 2678786 B2 JP2678786 B2 JP 2678786B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた薬理活性を有する新規1,4−ジヒドロ
ピリジン誘導体に関し、更に詳細には腫瘍等の治療薬と
して有用な1,4−ジヒドロピリジン誘導体に関する。
[従来の技術] 1,4−ジヒドロピリジン誘導体については既に多くの
化合物が知られている。
それらの公知1,4−ジヒドロピリジン誘導体の中で薬
理活性を有することが知られている化合物は数多いが、
その大部分のものは循環器系に対して薬理活性を有する
ものであり、その他の薬理活性については坑炎症作用、
肝保護作用等を有するものがごく少数報告されているに
過ぎない。
一方、腫瘍に対して何等かの薬理活性を有する1,4−
ジヒドロピリジン誘導体については、特公表55−500577
号公報の中に、4位に置換基を有しない1,4−ジヒドロ
ピリジン化合物がある種の腫瘍に対して転移抑制効果を
有することが記載されている。また、特開昭60−6613号
公報には、ニフェジピン、ニモジピン等の1,4−ジヒド
ロピリジンを有効成分とする坑腫瘍及び坑腫瘍転移剤に
ついて記載されている。また、特開昭62−87516号公報
には、白金配位化合物とニフェジピン、ニモジピン等の
化合物を併用する悪性腫瘍の処置法等が記載されてい
る。更に、特開昭64−31781号公報には、前記式(I)
で表わされる化合物において、R2をアルキルオキシ基で
nを2〜4の整数で置き換えた化合物が、耐性を獲得し
た腫瘍細胞の感受性を著しく増大させる作用を有するこ
とが記載されている。
[本発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記特開昭60−6613号公報及び同62−
87516号公報に記載されている発明は、カルシウム経路
遮断作用を有する化合物を坑腫瘍薬として用いるか、坑
腫瘍薬である白金配位化合物と併用するものであり、副
作用の点で必ずしも実用的でないという欠点がある。即
ち、上記発明で用いられるカルシウム経路遮断剤はいず
れも強い降圧作用(血圧降下作用)を有し、ごく少量で
も心臓・血管等に対して作用を現わす薬物であることか
ら、そのような薬物を坑腫瘍作用を発現する程度まて多
量に使用すると著しい降圧を来たす等の心臓・血管系に
対して不都合な作用を及ぼすことが避けられないという
欠点がある。更に、特開昭64−31781号公報に記載され
ている化合物は、副作用として強くはないが降圧作用を
有するものが多く、坑腫瘍薬と併用する上で必ずしも満
足できるものではない。
本発明者らは1,4−ジヒドロピリジン誘導体につい
て、坑腫瘍薬との併用効果及び降圧作用の有無を広範に
スクリーニングした結果、ある種の化合物が坑腫瘍薬に
対する腫瘍細胞、特に耐性を獲得した腫瘍細胞の感受性
を著しく増大させる作用を有し、しかも副作用としての
降圧作用がほとんどないことを見出だし、本発明に到達
したものである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、式(I) (式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2はN−
モルホリル基又はピリジル基を表わし、nは1又は2の
整数を表わす。)で表わされる1,4−ジヒドロピロジン
誘導体が提供される。
本発明に於いて、上記式(I)で表わされる1,4−ジ
ヒドロピリジン誘導体の中で特に顕著な薬物感受性増強
作用を有するものはR2がピリジル基であり、nが1の整
数である化合物である。この内、最も好ましい化合物
は、R1がメチル基でR2が4−ピリジル基でnが1の整数
である、4−[2−(3−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4
−ジチイニル)]−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリ
ジン−3,5−ジカルボン酸ビス(4−ピリジルメチル)
エステルである。
これら特定の置換基を有する化合物は、後記試験例で
詳しく述べるように、他の化合物に比べて一層な顕著な
薬物感受性増強作用を有しており、しかも副作用として
の降圧作用は殆ど認められないか、又はあっても極くわ
ずかで実用上無視できる程度であるため医薬として特に
有用な化合物である。
上記式(I)で表わされる1,4−ジヒドロピリジン誘
導体は、いずれも従来から1,4−ジヒドロピリジン類の
製造に利用されている周知の反応を利用して製造するこ
とができる。例えば、2−ホルミル−1,4−ジチエン又
は2−ホルミル−3−メチル−1,4−ジチエンをβ−ア
ミノクロトン酸エステル及びアセト酢酸エステルと共に
有機溶媒の存在下又は不存在下に加熱あるいは加熱還流
して反応させるか(方法A)、又は2−ホルミル−1,4
−ジチエン又は2−ホルミル−3−メチル−1,4−ジチ
エンをアセト酢酸エステル及びアンモニア水と共に有機
溶媒の存在下又は不存在下に加熱好ましくは加熱還流し
て反応させる(方法B)ことにより製造される。
これらの製造方法に用いられる反応は、従来から1,4
−ジヒドロピリジン化合物の製造に使用されている公知
の反応(例えば特公昭46−40625号公報、同56−37225号
公報、特開昭60−214786号公報等に記載されている方法
に用いられている反応)と基本的に同一である。従って
本発明の1,4−ジヒドロピリジン誘導体は上記方法以外
に、これら公知文献に記載された別の反応を適宜応用る
ことによっても製造することが可能である。
上記製造方法に於いて用いられる原料化合物は、いず
れも公知の化合物であり、当業者が必要に応じて容易に
入手もしくは製造することのできるものである。即ち、
アセト酢酸エステル、β−アミノクロトン酸エステルは
いずれも1,4−ジヒドロピリジン化合物の製造原料とし
て常用されている化合物であり、必要に応じて随時市販
品を入手することができ、また容易に合成することがで
きる。また、2−ホルミル−1,4−ジチエン又は2−ホ
ルミル−3−メチル−1,4−ジチエンは、1,4−ジチエン
又は2−メチル−1,4−ジチエンを原料とし、これにジ
メチルホルムアミド及びオキシ塩化リンを反応させたの
ち、得られた生成物を加水分解することにより製造する
ことができる。具体的には、特開昭60−31781号公報に
記載されている方法によって製造することができる。
本発明によれは、上記の方法で生成される反応生成
物、即ち、式(I)で表わされる1,4−ジヒドロピリジ
ン数導体は、常用例えば溶媒による抽出、クロマトグラ
フィー、結晶化等によって反応混合物から分離し、かつ
精製することができる。
[実施例] 次に、実施例を示し、本発明に係る1,4−ジヒドロピ
リジン誘導体の合成例及びその有用性を確認するために
行なった薬理試験結果について説明するが、本発明の範
囲がこれら実施例に限定されるものでないことは言うま
でもない。
実施例1 4−[2−(5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイニル)]−2,
6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ビス[2−(N−モルホリル)エチル]エステルの
合成 2−ホルミル−1,4−ジチエン5.00g(0.034モル)、
アセト酢酸−2−(N−モルホリル)エチルエステル1
6.6g(0.077モル)および28%アンモニア水15mlをイソ
プロピルアルコール25mlに溶解し、20時間加熱還流を行
なった。冷却後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶
解し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層
を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し残渣をクロロホルム
とメタノールの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを行ない、得られた結晶をイソプロピルアルコ
ールで再結晶して淡黄色結晶の目的物質2.10g(収率11.
4%)を得た。この物質の分析値は以下の通りである。
融点:154.5−155.5℃ 3290(NH),1690(C=0),1270(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.31(6H,s,2,6位CH3) 2.36−2.76(12H,m,2×COOCH2 CH2 ,2×モルホリン環3,5
位CH2) 3.02(4H,s,ジチエン環SCH2CH2S) 3.53−3.83(8H,m,2×モルホリン環2,6位CH2) 3.96−4.49(4H,m,2×COOCH2 CH2) 4.72(1H,s,4位H) 5.69(1H,b,NH) 6.05(1H,s,ビニルH) 実施例2 4−[2−(5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイニル)]−2,
6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ビス(2−ピリジルメチル)エステルの合成 2−ホルミル−1,4−ジチエン3.00g(0.021モル)、
アセト酢酸−2−ピリジルメチルエステル8.20g(0.043
モル)および28%アンモニア水3.1mlをイソプロピルア
ルコール25mlに溶解し、20時間加熱還流を行なった。冷
却後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量
の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾
燥した後、溶媒を留去して析出した結晶をろ取し、エチ
ルアルコールにて再結晶を行ない黄色結晶の目的物質3.
37g(収率33.2%)を得た。この物質の分析値は以下の
通りである。
融点:161.0−162.0℃ 3340(NH),1700(C=0),1260(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.35(6H,s,2,6位CH3) 3.05(4H,s,ジチエン環SCH2CH2S) 4.93(1H,s,4位H) 5.29(4H,ABq,2×COOCH2) 5.93(1H,b,NH) 6.00(1H,s,ビニルH) 7.05−7.40(4H,m,2×ピリジン環3,5位H) 7.46−7.74(2H,m,2×ピリジン環4位H) 8.50(2H,d,2×ピリジン環6位H) 実施例3 4−[2−(5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイニル)]−2,
6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ビス(3−ピリジルメチル)エステルの合成 2−ホルミル−1,4−ジチエン4.00g(0.027モル)、
アセト酢酸−3−ピリジルメチルエステル11.4g(0.059
モル)および28%アンモニア水15mlをイソプロピルアル
コール25mlに溶解し、20時間加熱還流を行なった。冷却
後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量の
水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾燥
した後、溶媒を濃縮し、残渣をクロロホルムとメタノー
ルの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
行ない得られた結晶をイソプロピルエーテルで再結晶を
行ない黄色結晶の目的物質2.40g(収率17.6%)を得
た。この物質の分析値は以下の通りである。
融点:137.0−139.0℃ 3200(NH),1685(C=0),1195(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.30(6H,s,2,6位CH3) 3.30(4H,s,ジチエン環SCH2CH2S) 4.73(1H,s,4位H) 5.15(4H,ABq,2×COOCH2) 5.84(1H,s,ビニルH) 6.10(1H,b,NH) 7.10−7.29(2H,m,2×ピリジン環5位H) 7.53−7.73(2H,m,2×ピリジン環4位H) 8.32−8.70(4H,m,2×ピリジン環2,6位H) 実施例4 4−[2−(3−メチル−5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイ
ニル)]−2,6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,
5−ジカルボン酸ビス(4−ピリジルメチル)エステル
の合成 2−ホルミル−3−メチル−1,4−ジチエン5.00g(0.
044モル)、アセト酢酸−4−ピリジルメチルエステル2
0.0g(0.103モル)および28%アンモニア水9.5mlをイソ
プロピルアルコール30mlに溶解し、2日間加熱還流を行
なった。冷却後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶
解し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層
を芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル
とアセトンの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーを行ない結晶を得た。ついで、この結晶を酢酸エ
チルで再結晶を行ない淡黄色結晶の目的物質2.32g(収
率14.6%)を得た。この物質の分析値は以下の通りであ
る。
融点:183.5−185.5℃ 3250(NH),1685(C=0),1195(C−0),1080(C
−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 1.90(3H,s,ジチエン環CH3) 2.30(6H,s,2,6位CH3) 2.85−3.23(4H,m,ジチエン環SCH2CH2S) 5.17(4H,ABq,2×COOCH2) 5.30(1H,s,4位H) 6.03(1H,b,NH) 7.07−7.23(4H,m,2×ピリジン環3,5位H) 8.45−8.57(4H,m,2×ピリジン環2,6位H) 実施例5 4−[2−(5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイニル)]−2,
6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ビス(4−ピリジルメチル)エステルの合成 2−ホルミル−1,4−ジチエン7.30g(0.499モル)、
アセト酢酸−4−ピリジルメチルエステル21.80g(0.11
3モル)および28%アンモニア水12mlをイソプロピルア
ルコール90mlに溶解し、48時間加熱還流を行なった。冷
却後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、少量
の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を芒硝で乾
燥した後、溶媒を濃縮し、析出した結晶をろ取し、クロ
ロホルムで再結晶を行ない淡黄色結晶の目的物質4.79g
(収率19.4%)を得た。この物質の分析値は以下の通り
である。
融点:213.0−215.5℃ 1690(C=0),1100,1195(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.35(6H,s,2,6位CH3) 3.06(4H,s,ジチエン環SCH2CH2S) 4.88(1H,s,4位H) 5.20(4H,ABq,2×COOCH2) 5.97(1H,s,ビニルH) 6.30(1H,b,NH) 7.27(4H,d,2×ピリジン環3,4位H) 8.53(4H,d,2×ピリジン環2,6位H) 実施例6 4−[2−(5,6−ジヒドロ−1,4−ジチイニル)]−2,
6−ジメチル−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボ
ン酸ビス[2−(2−ピリジルメチル)エチル]エステ
ルの合成 2−ホルミル−1,4−ジチエン5.00g(0.034モル)、
アセト酢酸−2−(2−ピリジル)エチルエステル16.0
g(0.074モル)および28%アンモニア水17mlをイソプロ
ピルアルコール50mlに溶解し、20時間加熱還流を行なっ
た。冷却後反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解
し、少量の水で不純物を抽出除去した。酢酸エチル層を
芒硝で乾燥した後、溶媒を留去し、残渣をクロロホルム
とメタノールの混合溶媒でシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーを行ない得られた結晶をイソプロピルアルコー
ルで再結晶を行ない淡黄色結晶の目的物質3.74g(収率2
0.9%)を得た。この物質の分析値は以下の通りであ
る。
融点:131.0−133.0℃ 3120(NH),1680(C=0),1090(C−0) NMR(CDCl3,TMS,PPM) 2.21(6H,s,2,6位CH3) 2.97(4H,s,ジチエン環SCH2CH2S) 3.13(4H,t,2×COOCH2 CH2 ) 4.35−4.60(4H,m,2×COOCH2) 4.61(1H,s,4位H) 5.67(1H,s,ビニルH) 5.75(1H,b,NH) 6.97−7.20(4H,m,2×ピリジン環3,5位H) 7.45−7.67(2H,m,2×ピリジン環4位H) 8.47(4H,m,2×ピリジン環6位H) 実施例7(試験例) ビンクリスチン耐性担癌マウスにおける制癌剤増強効果 CDF1マウスに106個のビンクリスチン(VCR)耐性マウ
ス白血病(P388/VCR)細胞を腹腔内に移植し、本発明化
合物とVCRを1日1回5日間腹腔内に投与した後、観察
し、それぞれの生存日数を求め、対照に対する延命率
(T/C)%を求めた。制癌剤の増強効果(T/V)%は次式
によって求めた。陽性対照化合物にはニカルジピン(ni
cardipine)を用い、10日間腹腔内に投与した。その結
果を第1表〜第4表に示す。表中、化合物1は実施例1
で、化合物2は実施例2で、化合物3は実施例3で、化
合物4は実施例4で得られた化合物を示す。
実施例8(試験例) ビンクリスチン耐性担癌マウスにおける制癌剤増強効果 CDF1マウスに106個のビンクリスチン(VCR)耐性マウ
ス白血病(P388/VCR)細胞を腹腔内に移植し、1日後よ
り本発明化合物とVCRを1日1回10日間、本発明化合物
は経口で、VCRは腹腔内に投与した。経過を観察し、そ
れぞれの生存日数を求め、対照に対する延命率(T/C)
%を求めた。制癌剤の増強効果(T/V)%は前記と同様
に求めた。その結果を第5表(A)に示す。表中、化合
物4は実施例4で得られた化合物を示す。
またマウスP388白血病細胞の坑腫瘍薬感受性細胞P388
/Sを用い、上記と同様の方法で、VCRを単独投与し、生
存日数を求めた。結果を第5表(B)に示す。
実施例9(試験例) 自然発症高血圧ラットにおける降圧作用 高血圧のモデル動物である自然発症高血圧ラット(SH
R)を用いて心収縮期血圧を測定し、本発明化合物及び
陽性対照化合物による降圧作用を検討した。血圧の測定
は55℃の保温箱中で5分間保温した後、尾の容積変化測
定装置を用いて実施した。本発明化合物は100mg/kgで腹
腔内に単回投与し、陽性対照化合物は10mg/kgで腹腔内
に単回投与した。血圧測定は投与前と投与後60分後に実
施した。陽性対照化合物にはニカルジピン(nicardipin
e)を用いた。結果を第6表に示す。表中、化合物1か
ら化合物4は前記(実施例7)と同一意味を表わす。
[発明の効果] 本発明に係る1,4−ジヒドロピリジン誘導体は坑腫瘍
薬と併用することによりその作用を増強する。その効果
は坑腫瘍薬に対して耐性を獲得したクローンに特に著し
い。例えば、ビンクリスチン耐性クローンであるP388/V
CR細胞を移植したマウスは、抗腫瘍薬単独投与ではほと
んど延命効果が認められないが、本発明化合物を併用投
与すると明らかに延命効果が認められ、VCR単独投与の
場合に比べ平均生存日数が116〜156%に延びる。この延
命効果は、延命率(T/C%)で比較すると著明で、ビン
クリスチン感受性クローンであるP388/SにVCRを単独投
与した場合の延命効果にほぼ匹敵するものであり、VCR
耐性は完全に克服されたといえる。また、本発明の化合
物は、多くの1,4−ジヒドロピリジン化合物に認められ
るカルシウム経路遮断作用が非常に弱く、血圧降下の副
作用も極めて少ない。従って、本発明の化合物は耐性を
獲得した腫瘍の治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−40383(JP,A) 特開 昭60−6613(JP,A) 特開 昭62−87516(JP,A) 特表 昭55−500577(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) (式中、R1は水素原子又はメチル基を表わし、R2はN−
    モルホリル基又はピリジル基を表わし、nは1又は2の
    整数を表わす。)で表わされる1,4−ジヒドロピリジン
    誘導体。
  2. 【請求項2】R1が水素原子であり、R2がピリジル基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の1,4−ジヒドロピリジン
    誘導体。
  3. 【請求項3】R2が2−ピリジル基又は3−ピリジル基で
    あり、nが1の整数である特許請求の範囲第2項記載の
    1,4−ジヒドロピリジン誘導体。
  4. 【請求項4】R1がメチル基であり、R2がピリジル基であ
    る特許請求の範囲第1項記載の1,4−ジヒドロピリジン
    誘導体。
  5. 【請求項5】R2が4−ピリジル基であり、nが1の整数
    である特許請求の範囲第4項記載の1,4−ジヒドロピリ
    ジン誘導体。
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