JP2678354C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコルゲーターにおけるダブルフェーサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コルゲーターのダブルフェーサーは、前工程のシングルフェーサーに連
続してヒーティングパートとクーリングパートを搬送ラインの上流より順に設置
してなり、ヒーティングパートは前工程のシングルフェーサーによって製造され
て供給される片面段ボールシートとライナーシート供給部から供給されるライナ
ーシートを貼り合わせて両面段ボールシートとなす様に構成され、又クーリング
パートは前工程のヒーティングパートで製造された両面段ボールシートの貼着状
態を保持しながら自然放熱させる様に構成されている。 【0003】 ヒーティングパート及びクーリングパートの搬送ライン上方には、その長さ方
向に渡って搬送方向へ循環走行する無端状のキャンバスベルトを設けると共に、
該キャンバスベルトの搬送面上部に、多数のウエイトロールを搬送ライン方向に
所定間隔おいて上下動自在に設けている。 【0004】 そして、ヒーティングパートは、上記キャンバスベルトに対設する搬送ライン
下方に、蒸気によって加熱するヒーティングボックスを設置し、ヒーティングボ
ックス上の両面段ボールシートをキャンバスベルトを介してウエイトロールで押
圧した状態にて、両面段ボールシートをその貼着状態を保持しながら摺接搬送さ
せる様になしている。 【0005】 又、クーリングパートは、上記キャンバスベルトに対設する搬送ライン下方に
、その長さ方向に渡り別途設けたキャンバスベルトを設置し、該キャンバスベル
トの搬送面下部に多数のウエイトロールを搬送ライン方向に所定間隔おいて摺接
配置し、上下のキャンバスベルト間に挟持される両面段ボールシートを、ウエイ
トロールで圧接しながら搬送し、この搬送過程において両面段ボールの余熱を自
然放熱する様になしている。 【0006】 しかしながら、ヒーティングパート及びクーリングパートにおいて、上記の様
にキャンバスベルトを介したウエイトロールにて両面段ボールシートを押圧搬送
する手段では、ウエイトロールの配置箇所のみに貼着状態を保持するに十分な押
圧力が働くが、搬送状態の両面段ボールシート全体に押圧力が働かず、両面段ボ
ールシートの貼着状態を良好となすためには、キャンバスベルトを大重量にして
且つ緊張状態を保持して使用せざるを得なかったが、これでは両面段ボールシー
トの搬送速度が遅くなり生産効率の低減を招来していた。 【0007】 又、ウエイトロールによる加圧方式ではウエイトロールの振動により、両面段
ボールシートの端部の段つぶれ、ウエイトロールの過荷重による両面段ボールシ
ート全体の段つぶれを生じる欠点を有していた。 【0008】 又、ヒーティングパートにおいて搬送面であるヒーティングボックスの加熱板
は、両面段ボールシートが加熱板の熱を奪いながら走行するため、図8の様に加
熱板aにおけるシート接触表面側(搬送面側)と、蒸気に触れる下側では温度差
が大きくなり、加熱板aの搬送面側が収縮するため、加熱板aが断面略弓なり状
に反ることになる。 【0009】 一方キャンバスベルトbを介して両面段ボールシートを押圧するウエイトロー
ルcは上記の様な加熱板aの熱に影響されず変形をしないため、加熱板aとウエ
イトロールcの間に隙間を生ずることになり、この結果隙間を通過する両面段ボ
ールシートは加圧保持されず搬送するため、貼合不良を招来していた。 【0010】 又、ダブルフェーサーは、幅寸法の異なる段ボールシートを製造するため、か
かる段ボールシートの長期走行使用にて加熱板の搬送面の幅方向端部側が磨耗し
て加熱板の搬送面が断面略弓なり状に変形し、両面段ボールシートの顕著な貼合
不良を生じていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は片面段ボールシートとライナー貼着状態を確実なものとし、段つぶれ
を生ずる恐れのない良好なものとすると共に、両面段ボールシートの搬送速度を
向上させ、生産効率の向上を図り、両面段ボールシートの品質及び信頼性の向上
を図る様にしたダブルフェーサーを提供せんとするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 本発明は上記従来技術に基づく、ウエイトロールによる貼り合わせ手段では、
段つぶれや貼合不良を生ずる等の課題に鑑み、搬送ラインの上方に配置したキャ
ンバスベルトの搬送面上方にして、且つ搬送ライン方向に多数の支持基板を列設
すると共に、該支持基板下部に圧縮空気が供給されるエアーバッグを設け、該エ
アーバッグ下部には、金属製方形板状の駒片端部を枢着してなるフレキシブルベ ルトをキャンバスベルトを幅方向に並列配置してキャンバスベルトに面接触させ
、前後のフレキシブルベルトを相互に左右にずらせることにより、ヒーティング
ボックスにおける加熱板表面の磨耗、熱変形に対し、エアーバッグ及びフレキシ
ブルバッグが対応可能で、加熱板とライナーシートを密着させられ、効果的な熱
伝導を可能とし、搬送速度を向上させられると共に、エアーバッグによる押圧力
は全面積均等のため、段つぶれのない良好な貼合状態の両面ダンボールシートを
提供できる様にして、上記欠点を解決せんとしたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】 以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、1はコルゲーターのダ
ブルフェーサーであり、該ダブルフェーサー1は前工程のシングルフェーサーに
連続して設置され、ヒーティングパート2とクーリングパート3を搬送ラインL
方向に順次縦貫配置している。 【0014】 又、搬送ラインLの上流に設置した片面段ボールシートW1の段頂に接着剤を
塗布するグルーイングマシーン、ライナーシートW2を供給搬送するライナー供
給装置に連続して、ヒーティングパート2の始端には、両シートW1、W2を貼
り合わせるシート導入部4を設けている。 【0015】 ヒーティングパート2は搬送ラインL方向に多数のヒーティングボックス5、
5a…を縦貫配置し、該ヒーティングボックス5、5a…の上方にはヒーティン
グボックス5、5a…上の両面段ボールシートWを押圧しながら搬送する押圧搬
送装置6を設けてなり、該押圧搬送装置6はヒーティングパート2及びクーリン
グパート3の長さ方向に渡り配置した無端状のキャンバスベルト7と、多数の加
圧装置8、8a…にて構成されている。 【0016】 加圧装置8、8a…はヒーティングボックス5、5a…に対設するキャンバス
ベルト7の搬送面7aの裏側上方に、各ヒーティングボックス5、5a…に対応 して列設してなり、該加圧装置8、8a…は図示しない昇降装置によって上下動
自在に設けている。 【0017】 又、加圧装置8、8a…はキャンバスベルト7の搬送面7aの裏側上方に設け
ると共に、昇降装置に連繋して上下動自在となしたバックアップボックス9、9
a…と、該バックアップボックス9、9a…の下面を構成する略方形状の支持基
板10下部に設けたエアーバッグ11と、該エアーバッグ11下部を緩衝部材1
2を介して被覆したトップチェーン13により構成されている。 【0018】 バックアップボックス9、9a…はヒーティングボックス5、5a…の上面の
加熱板と略同一面積を有すると共に、所定の容積を有する中空箱型状に形成して
なり、その左右はブラケット14、14a…を介してヒーティングパート2の長
さ方向全域に渡り架設された左右のフレーム15、15a…に固定され、該フレ
ーム15、15aは上記昇降装置に連結されている。 【0019】 又、バックアップボックス9、9a…の支持基板10の左右には垂下壁16、
16aを設け、該垂下壁16、16a間にバックアップボックス9、9a…と略
同面積のエアーバッグ11を固定している。 【0020】 エアーバッグ11はナイロン製繊維に塩化ビニル樹脂を多層に塗布コーティン
グして気密性を具備してこれを袋状に縫製すると共に、左右及び中央の3つの空
気室17、17a…を気密状に区画形成してなり、エアーバッグ11の縫製部分
はシリコン樹脂、塩化ビニル樹脂等にて気密状にシーリングしている。 【0021】 尚、エアーバッグ11は3つの空気室17、17a…を区画形成しなくても良
い。 【0022】 又、18、18aは外方に設置したブロアーであり、該ブロアー18、18a
は複数のエアーバッグ11を1組として、夫々のエアーバッグ11の17、17 a…に圧縮空気を供給するものであり、ブロアー18、18aに連結したフレキ
シブルホース19、19a…を、バックアップボックス9,9a…内に設けたエ
アーバッグ11の各空気室17、17a…に連通する通気管20、20a…に適
宜分岐連結して一連の配管経路を構成している。 【0023】 尚、ブロアー18、18aはインバータ制御によりその駆動モータの回転数を
制御し、エアーバッグ11内の圧力を無段階に調整可能となしている。 【0024】 トップチェーン13はアルミニウム、ステンレス等の金属方形板状の駒片21
21a…の端部を枢着してフレキシブルベルト22となすと共に、複数のフレキ
シブルベルト22、22a…をキャンバスベルト7の幅方向に並列配置してその
各端部を同軸23、23aで枢着したフレキシブルプレートであり、トップチェ
ーン13はキャンバスベルト7より幅大になして、バックアップボックス9、9
a…の搬送ラインL方向における前後面にブラケット24、24a…を固定し、
該ブラケット24、24a…の下部にトップチェーン13の各端部を固定し、エ
アーバッグ11を被覆する様になしている。 【0025】 そして、エアーバッグ11とトップチェーン13間にはこれらと略同一面積に
して且つ所定肉厚を有する略方形板状のスポンジゴム、フォームラバー等の緩衝
部材12を介在して、トップチェーン13よりエアーバッグ11を保護している
。 【0026】 又、加圧装置8、8a…は図5に示す様に相互に左右に若干ずれた状態で配置
されており、その変位は前後のトップチェーン13を構成している駒片21、2
1a…の夫々が駒片21、21a…の幅寸法の範囲内でずらしてなり、好ましく
は約半分幅程度ずらすのが良い。 【0027】 尚、25、25aはフレキシブルホース19、19a…間に介装した圧力調整
バルブである。 【0028】 又、クーリングパート3は、押圧搬送装置6におけるキャンバスベルト7の下
方に別途設けたキャンバスベルト26をクーリングパート3の長さ方向に渡り対
設し、下方のキャンバスベルト26の搬送面27下部にその長さ方向に渡って平
板状の圧盤28を摺接配置してなり、該圧盤28はキャンバスベルト26と略同
一幅を有するアルミニウム、ステンレス等の金属板に、多数の貫通穴、又はスリ
ットを貫設してなる放熱穴29、29a…を設けている。 【0029】 尚、本実施例においては両面段ボールシートWを製造するダブルフェーサー1
について説明したが、両面段ボールシート以上の多層段ボールシートに加工する
装置としても適用できることはいうまでもない。 【0030】 次に本発明に係るダブルフェーサーの作用について説明すると、前工程のシン
グルフェーサーを通過してグルーイングマシーンにて段頂に接着剤を塗布した片
面段ボールシートW1と、ライナー供給装置から搬送されるライナーシートW2
はヒーティングパート2の始端のシート導入部で貼り合わされて両面段ボールシ
ートWとしてヒーティングパート2にて搬送される。 【0031】 かかる搬送状態においては、ブロアー18、18aから圧縮空気がフレキシブ
ルホース19、19a…、通気管20、20a…を経てエアーバッグ11の各空
気室17、17a…内に導入されて膨張しており、エアーバッグ11の上部はバ
ックアップボックス9、9a…の支持基板10が剛性のため、エアーバッグ11
はその下方の緩衝部材12を介してトップチェーン13を押圧する。 【0032】 そして、トップチェーン13を摺接走行するキャンバスベルト7がヒーティン
グボックス5、5a…の加熱板状の両面段ボールシートWを押圧しながら搬送し
、この時ヒーティングボックス5、5a…の加熱により両面段ボールシートWに
おける片面段ボールシートW1とライナーシートW2を貼り合わせた接着剤を乾
燥させる。 【0033】 次に、ヒーティングパート2を通過した両面段ボールシートWは、クーリング
パート3においても、押圧搬送装置6により押圧されるため、上下のキャンバス
ベルト7、26間に挟持、圧接された状態で搬送され、この搬送中において、両
面段ボールWの余熱は、キャンバスベルト7、26が麻、綿製等の厚地の平織布
からなるため、これを透過し、キャンバスベルト26下部の圧盤28に設けた放
熱穴29、29a…から外方へ放散されることとなり、両面段ボールシートWは
搬送中に自然冷却される。 【0034】 又、ヒーティングパート2及びクーリングパート3における各加圧装置8、8
a…は相互に左右にずれて配置され、これにより各加圧装置8、8a…における
各トップチェーン13を構成している駒片21、21a…を左右にずれた状態で
配置しているため、図7(a)に示す様に両面段ボールシートWの幅によっては
、両面段ボールシートWの幅方向の端部に対応するトップチェーン13のフレキ
シブルベルト22、22a…が傾き、これによりフレキシブルベルト22、22
a…の浮き上がった部分に対応する両面段ボールシートW端部が押圧されないが
、続く加圧装置8、8a…のトップチェーン13では、図7(b)に示す様に搬
送ラインL上流の加圧装置8、8a…では押圧されなかった両面段ボールシート
Wの端部を押圧する。 【0035】 【発明の効果】 要するに本発明は、ダブルフェーサー1のヒーティングパート2及びクーリン
グパート3において、搬送ラインLの上方に配置したキャンバスベルト7の搬送
面7a上方にして、且つ搬送ラインL方向に多数の支持基板10を列設すると共
に、該支持基板10下部に圧縮空気が供給されるエアーバッグ11を設け、該エ
アーバッグ11下部には、金属製で方形板状の駒片21、21a…端部を枢着し
てなるフレキシブルベルト22、22a…をキャンバスベルト7の幅方向に並列
配置してキャンバスベルト7に面接触させたので、加圧された空気が保持された
エアーバッグ11により、フレキシブルなフレキシブルベルト22、22a…を 介して走行中のキャンバスベルト7を連続的に押圧することが出来るため、搬送
中の両面段ボールシートW全面に均一な圧力を付与することができる。 【0036】 又、ヒーティングボックス5、5a…における加熱板表面の磨耗、熱変形に対
しても従来のウエイトロールによる従来の加圧方式とは異なり、エアーバッグ1
1及びトップチェーン13が加熱板の変形にフレキシブルに対応することが可能
なため、加熱板と両面段ボールシートWとの間には全く隙間を生ずることなく、
密着させることができ、片面段ボールシートW1の段頂とライナーシートW2の
良好な貼合状態を可能とし、両面ダンボールシートWの品質及び信頼性の向上を
図ることが出来る。 【0037】 しかも、ウエイトロールによる従来の方式ではウエイトロールの振動により、
両面段ボールシートWの端部の段つぶれ、ウエイトロールの過荷重による両面段
ボールシートW全体の段つぶれを生じていたが、本発明によれば振動は生ずるこ
とはなく、シート幅が変化しても、押圧力は全面積均等のため、段がつぶれる心
配がなくなり、製品の信頼性の向上を図ることが出来る。 【0038】 この様に、片面段ボールシートW1の段頂とライナーシートW2が接着剤を介
して良好な密着性を保持できると共に、両シートW1、W2の接着を良好とする
ことができるため、接着不良を解消するために多量の接着剤の使用を不要とし、
接着剤の消費量を節約できる。 【0039】 又、ヒーティングボックス5、5a…における加熱板とライナーシートW2が
密着するため、効果的な熱伝導を可能とし、これにより熱効率を飛躍的に向上さ
せられ、ひいては搬送速度を向上させることができるため、生産効率を増大する
ことが出来る。 【0040】 又、前後のフレキシブルベルト22、22a…は相互に左右にずらしたので、
両面段ボールシートWの幅によっては、両面段ボールシートWの幅方向の端部に 対応するトップチェーン13のフレキシブルベルト22、22a…が傾き、これ
によりフレキシブルベルト22、22a…の浮き上がった部分に対応する両面段
ボールシートWの端部が押圧されないが、続く加圧装置8、8a…のフレキシブ
ルベルト22、22a…では、搬送ラインL上流の加圧装置8、8a…では押圧
されなかった両面段ボールシートWの端部を押圧することが出来るため、ヒーテ
ィングパート2及びクーリングパート3を通過することにより両面段ボールシー
トWの全面をくまなく押圧することが出来る。 【0041】 又、前記キャンバスベルト7に対設して搬送ラインL下方に別途設けたキャン
バスベルト26を配置したクーリングパート3において、搬送ラインL下方のキ
ャンバスベルト26の搬送面27下部に、その長さ方向に渡って平板状の圧盤2
8を摺接配置すると共に、該圧盤28に多数の放熱穴29、29a…を設けたの
で、全面積均等な押圧力でもって上下のキャンバスベルト7、26による挟持搬
送により、ヒーティングパート2において貼合された片面段ボールシートW1と
ライナーシートW2の接着状態をより確実にすることが出来ると共に、この搬送
中において、両面段ボールWの余熱はキャンバスベルト26及び圧盤28に設け
た放熱穴29、29a…を通して外方へ放散させることが出来、両面段ボールシ
ートWの冷却効果を増大することが出来る等その実用的効果甚だ大なるものであ
る。
続してヒーティングパートとクーリングパートを搬送ラインの上流より順に設置
してなり、ヒーティングパートは前工程のシングルフェーサーによって製造され
て供給される片面段ボールシートとライナーシート供給部から供給されるライナ
ーシートを貼り合わせて両面段ボールシートとなす様に構成され、又クーリング
パートは前工程のヒーティングパートで製造された両面段ボールシートの貼着状
態を保持しながら自然放熱させる様に構成されている。 【0003】 ヒーティングパート及びクーリングパートの搬送ライン上方には、その長さ方
向に渡って搬送方向へ循環走行する無端状のキャンバスベルトを設けると共に、
該キャンバスベルトの搬送面上部に、多数のウエイトロールを搬送ライン方向に
所定間隔おいて上下動自在に設けている。 【0004】 そして、ヒーティングパートは、上記キャンバスベルトに対設する搬送ライン
下方に、蒸気によって加熱するヒーティングボックスを設置し、ヒーティングボ
ックス上の両面段ボールシートをキャンバスベルトを介してウエイトロールで押
圧した状態にて、両面段ボールシートをその貼着状態を保持しながら摺接搬送さ
せる様になしている。 【0005】 又、クーリングパートは、上記キャンバスベルトに対設する搬送ライン下方に
、その長さ方向に渡り別途設けたキャンバスベルトを設置し、該キャンバスベル
トの搬送面下部に多数のウエイトロールを搬送ライン方向に所定間隔おいて摺接
配置し、上下のキャンバスベルト間に挟持される両面段ボールシートを、ウエイ
トロールで圧接しながら搬送し、この搬送過程において両面段ボールの余熱を自
然放熱する様になしている。 【0006】 しかしながら、ヒーティングパート及びクーリングパートにおいて、上記の様
にキャンバスベルトを介したウエイトロールにて両面段ボールシートを押圧搬送
する手段では、ウエイトロールの配置箇所のみに貼着状態を保持するに十分な押
圧力が働くが、搬送状態の両面段ボールシート全体に押圧力が働かず、両面段ボ
ールシートの貼着状態を良好となすためには、キャンバスベルトを大重量にして
且つ緊張状態を保持して使用せざるを得なかったが、これでは両面段ボールシー
トの搬送速度が遅くなり生産効率の低減を招来していた。 【0007】 又、ウエイトロールによる加圧方式ではウエイトロールの振動により、両面段
ボールシートの端部の段つぶれ、ウエイトロールの過荷重による両面段ボールシ
ート全体の段つぶれを生じる欠点を有していた。 【0008】 又、ヒーティングパートにおいて搬送面であるヒーティングボックスの加熱板
は、両面段ボールシートが加熱板の熱を奪いながら走行するため、図8の様に加
熱板aにおけるシート接触表面側(搬送面側)と、蒸気に触れる下側では温度差
が大きくなり、加熱板aの搬送面側が収縮するため、加熱板aが断面略弓なり状
に反ることになる。 【0009】 一方キャンバスベルトbを介して両面段ボールシートを押圧するウエイトロー
ルcは上記の様な加熱板aの熱に影響されず変形をしないため、加熱板aとウエ
イトロールcの間に隙間を生ずることになり、この結果隙間を通過する両面段ボ
ールシートは加圧保持されず搬送するため、貼合不良を招来していた。 【0010】 又、ダブルフェーサーは、幅寸法の異なる段ボールシートを製造するため、か
かる段ボールシートの長期走行使用にて加熱板の搬送面の幅方向端部側が磨耗し
て加熱板の搬送面が断面略弓なり状に変形し、両面段ボールシートの顕著な貼合
不良を生じていた。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は片面段ボールシートとライナー貼着状態を確実なものとし、段つぶれ
を生ずる恐れのない良好なものとすると共に、両面段ボールシートの搬送速度を
向上させ、生産効率の向上を図り、両面段ボールシートの品質及び信頼性の向上
を図る様にしたダブルフェーサーを提供せんとするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】 本発明は上記従来技術に基づく、ウエイトロールによる貼り合わせ手段では、
段つぶれや貼合不良を生ずる等の課題に鑑み、搬送ラインの上方に配置したキャ
ンバスベルトの搬送面上方にして、且つ搬送ライン方向に多数の支持基板を列設
すると共に、該支持基板下部に圧縮空気が供給されるエアーバッグを設け、該エ
アーバッグ下部には、金属製方形板状の駒片端部を枢着してなるフレキシブルベ ルトをキャンバスベルトを幅方向に並列配置してキャンバスベルトに面接触させ
、前後のフレキシブルベルトを相互に左右にずらせることにより、ヒーティング
ボックスにおける加熱板表面の磨耗、熱変形に対し、エアーバッグ及びフレキシ
ブルバッグが対応可能で、加熱板とライナーシートを密着させられ、効果的な熱
伝導を可能とし、搬送速度を向上させられると共に、エアーバッグによる押圧力
は全面積均等のため、段つぶれのない良好な貼合状態の両面ダンボールシートを
提供できる様にして、上記欠点を解決せんとしたものである。 【0013】 【発明の実施の形態】 以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明すると、1はコルゲーターのダ
ブルフェーサーであり、該ダブルフェーサー1は前工程のシングルフェーサーに
連続して設置され、ヒーティングパート2とクーリングパート3を搬送ラインL
方向に順次縦貫配置している。 【0014】 又、搬送ラインLの上流に設置した片面段ボールシートW1の段頂に接着剤を
塗布するグルーイングマシーン、ライナーシートW2を供給搬送するライナー供
給装置に連続して、ヒーティングパート2の始端には、両シートW1、W2を貼
り合わせるシート導入部4を設けている。 【0015】 ヒーティングパート2は搬送ラインL方向に多数のヒーティングボックス5、
5a…を縦貫配置し、該ヒーティングボックス5、5a…の上方にはヒーティン
グボックス5、5a…上の両面段ボールシートWを押圧しながら搬送する押圧搬
送装置6を設けてなり、該押圧搬送装置6はヒーティングパート2及びクーリン
グパート3の長さ方向に渡り配置した無端状のキャンバスベルト7と、多数の加
圧装置8、8a…にて構成されている。 【0016】 加圧装置8、8a…はヒーティングボックス5、5a…に対設するキャンバス
ベルト7の搬送面7aの裏側上方に、各ヒーティングボックス5、5a…に対応 して列設してなり、該加圧装置8、8a…は図示しない昇降装置によって上下動
自在に設けている。 【0017】 又、加圧装置8、8a…はキャンバスベルト7の搬送面7aの裏側上方に設け
ると共に、昇降装置に連繋して上下動自在となしたバックアップボックス9、9
a…と、該バックアップボックス9、9a…の下面を構成する略方形状の支持基
板10下部に設けたエアーバッグ11と、該エアーバッグ11下部を緩衝部材1
2を介して被覆したトップチェーン13により構成されている。 【0018】 バックアップボックス9、9a…はヒーティングボックス5、5a…の上面の
加熱板と略同一面積を有すると共に、所定の容積を有する中空箱型状に形成して
なり、その左右はブラケット14、14a…を介してヒーティングパート2の長
さ方向全域に渡り架設された左右のフレーム15、15a…に固定され、該フレ
ーム15、15aは上記昇降装置に連結されている。 【0019】 又、バックアップボックス9、9a…の支持基板10の左右には垂下壁16、
16aを設け、該垂下壁16、16a間にバックアップボックス9、9a…と略
同面積のエアーバッグ11を固定している。 【0020】 エアーバッグ11はナイロン製繊維に塩化ビニル樹脂を多層に塗布コーティン
グして気密性を具備してこれを袋状に縫製すると共に、左右及び中央の3つの空
気室17、17a…を気密状に区画形成してなり、エアーバッグ11の縫製部分
はシリコン樹脂、塩化ビニル樹脂等にて気密状にシーリングしている。 【0021】 尚、エアーバッグ11は3つの空気室17、17a…を区画形成しなくても良
い。 【0022】 又、18、18aは外方に設置したブロアーであり、該ブロアー18、18a
は複数のエアーバッグ11を1組として、夫々のエアーバッグ11の17、17 a…に圧縮空気を供給するものであり、ブロアー18、18aに連結したフレキ
シブルホース19、19a…を、バックアップボックス9,9a…内に設けたエ
アーバッグ11の各空気室17、17a…に連通する通気管20、20a…に適
宜分岐連結して一連の配管経路を構成している。 【0023】 尚、ブロアー18、18aはインバータ制御によりその駆動モータの回転数を
制御し、エアーバッグ11内の圧力を無段階に調整可能となしている。 【0024】 トップチェーン13はアルミニウム、ステンレス等の金属方形板状の駒片21
21a…の端部を枢着してフレキシブルベルト22となすと共に、複数のフレキ
シブルベルト22、22a…をキャンバスベルト7の幅方向に並列配置してその
各端部を同軸23、23aで枢着したフレキシブルプレートであり、トップチェ
ーン13はキャンバスベルト7より幅大になして、バックアップボックス9、9
a…の搬送ラインL方向における前後面にブラケット24、24a…を固定し、
該ブラケット24、24a…の下部にトップチェーン13の各端部を固定し、エ
アーバッグ11を被覆する様になしている。 【0025】 そして、エアーバッグ11とトップチェーン13間にはこれらと略同一面積に
して且つ所定肉厚を有する略方形板状のスポンジゴム、フォームラバー等の緩衝
部材12を介在して、トップチェーン13よりエアーバッグ11を保護している
。 【0026】 又、加圧装置8、8a…は図5に示す様に相互に左右に若干ずれた状態で配置
されており、その変位は前後のトップチェーン13を構成している駒片21、2
1a…の夫々が駒片21、21a…の幅寸法の範囲内でずらしてなり、好ましく
は約半分幅程度ずらすのが良い。 【0027】 尚、25、25aはフレキシブルホース19、19a…間に介装した圧力調整
バルブである。 【0028】 又、クーリングパート3は、押圧搬送装置6におけるキャンバスベルト7の下
方に別途設けたキャンバスベルト26をクーリングパート3の長さ方向に渡り対
設し、下方のキャンバスベルト26の搬送面27下部にその長さ方向に渡って平
板状の圧盤28を摺接配置してなり、該圧盤28はキャンバスベルト26と略同
一幅を有するアルミニウム、ステンレス等の金属板に、多数の貫通穴、又はスリ
ットを貫設してなる放熱穴29、29a…を設けている。 【0029】 尚、本実施例においては両面段ボールシートWを製造するダブルフェーサー1
について説明したが、両面段ボールシート以上の多層段ボールシートに加工する
装置としても適用できることはいうまでもない。 【0030】 次に本発明に係るダブルフェーサーの作用について説明すると、前工程のシン
グルフェーサーを通過してグルーイングマシーンにて段頂に接着剤を塗布した片
面段ボールシートW1と、ライナー供給装置から搬送されるライナーシートW2
はヒーティングパート2の始端のシート導入部で貼り合わされて両面段ボールシ
ートWとしてヒーティングパート2にて搬送される。 【0031】 かかる搬送状態においては、ブロアー18、18aから圧縮空気がフレキシブ
ルホース19、19a…、通気管20、20a…を経てエアーバッグ11の各空
気室17、17a…内に導入されて膨張しており、エアーバッグ11の上部はバ
ックアップボックス9、9a…の支持基板10が剛性のため、エアーバッグ11
はその下方の緩衝部材12を介してトップチェーン13を押圧する。 【0032】 そして、トップチェーン13を摺接走行するキャンバスベルト7がヒーティン
グボックス5、5a…の加熱板状の両面段ボールシートWを押圧しながら搬送し
、この時ヒーティングボックス5、5a…の加熱により両面段ボールシートWに
おける片面段ボールシートW1とライナーシートW2を貼り合わせた接着剤を乾
燥させる。 【0033】 次に、ヒーティングパート2を通過した両面段ボールシートWは、クーリング
パート3においても、押圧搬送装置6により押圧されるため、上下のキャンバス
ベルト7、26間に挟持、圧接された状態で搬送され、この搬送中において、両
面段ボールWの余熱は、キャンバスベルト7、26が麻、綿製等の厚地の平織布
からなるため、これを透過し、キャンバスベルト26下部の圧盤28に設けた放
熱穴29、29a…から外方へ放散されることとなり、両面段ボールシートWは
搬送中に自然冷却される。 【0034】 又、ヒーティングパート2及びクーリングパート3における各加圧装置8、8
a…は相互に左右にずれて配置され、これにより各加圧装置8、8a…における
各トップチェーン13を構成している駒片21、21a…を左右にずれた状態で
配置しているため、図7(a)に示す様に両面段ボールシートWの幅によっては
、両面段ボールシートWの幅方向の端部に対応するトップチェーン13のフレキ
シブルベルト22、22a…が傾き、これによりフレキシブルベルト22、22
a…の浮き上がった部分に対応する両面段ボールシートW端部が押圧されないが
、続く加圧装置8、8a…のトップチェーン13では、図7(b)に示す様に搬
送ラインL上流の加圧装置8、8a…では押圧されなかった両面段ボールシート
Wの端部を押圧する。 【0035】 【発明の効果】 要するに本発明は、ダブルフェーサー1のヒーティングパート2及びクーリン
グパート3において、搬送ラインLの上方に配置したキャンバスベルト7の搬送
面7a上方にして、且つ搬送ラインL方向に多数の支持基板10を列設すると共
に、該支持基板10下部に圧縮空気が供給されるエアーバッグ11を設け、該エ
アーバッグ11下部には、金属製で方形板状の駒片21、21a…端部を枢着し
てなるフレキシブルベルト22、22a…をキャンバスベルト7の幅方向に並列
配置してキャンバスベルト7に面接触させたので、加圧された空気が保持された
エアーバッグ11により、フレキシブルなフレキシブルベルト22、22a…を 介して走行中のキャンバスベルト7を連続的に押圧することが出来るため、搬送
中の両面段ボールシートW全面に均一な圧力を付与することができる。 【0036】 又、ヒーティングボックス5、5a…における加熱板表面の磨耗、熱変形に対
しても従来のウエイトロールによる従来の加圧方式とは異なり、エアーバッグ1
1及びトップチェーン13が加熱板の変形にフレキシブルに対応することが可能
なため、加熱板と両面段ボールシートWとの間には全く隙間を生ずることなく、
密着させることができ、片面段ボールシートW1の段頂とライナーシートW2の
良好な貼合状態を可能とし、両面ダンボールシートWの品質及び信頼性の向上を
図ることが出来る。 【0037】 しかも、ウエイトロールによる従来の方式ではウエイトロールの振動により、
両面段ボールシートWの端部の段つぶれ、ウエイトロールの過荷重による両面段
ボールシートW全体の段つぶれを生じていたが、本発明によれば振動は生ずるこ
とはなく、シート幅が変化しても、押圧力は全面積均等のため、段がつぶれる心
配がなくなり、製品の信頼性の向上を図ることが出来る。 【0038】 この様に、片面段ボールシートW1の段頂とライナーシートW2が接着剤を介
して良好な密着性を保持できると共に、両シートW1、W2の接着を良好とする
ことができるため、接着不良を解消するために多量の接着剤の使用を不要とし、
接着剤の消費量を節約できる。 【0039】 又、ヒーティングボックス5、5a…における加熱板とライナーシートW2が
密着するため、効果的な熱伝導を可能とし、これにより熱効率を飛躍的に向上さ
せられ、ひいては搬送速度を向上させることができるため、生産効率を増大する
ことが出来る。 【0040】 又、前後のフレキシブルベルト22、22a…は相互に左右にずらしたので、
両面段ボールシートWの幅によっては、両面段ボールシートWの幅方向の端部に 対応するトップチェーン13のフレキシブルベルト22、22a…が傾き、これ
によりフレキシブルベルト22、22a…の浮き上がった部分に対応する両面段
ボールシートWの端部が押圧されないが、続く加圧装置8、8a…のフレキシブ
ルベルト22、22a…では、搬送ラインL上流の加圧装置8、8a…では押圧
されなかった両面段ボールシートWの端部を押圧することが出来るため、ヒーテ
ィングパート2及びクーリングパート3を通過することにより両面段ボールシー
トWの全面をくまなく押圧することが出来る。 【0041】 又、前記キャンバスベルト7に対設して搬送ラインL下方に別途設けたキャン
バスベルト26を配置したクーリングパート3において、搬送ラインL下方のキ
ャンバスベルト26の搬送面27下部に、その長さ方向に渡って平板状の圧盤2
8を摺接配置すると共に、該圧盤28に多数の放熱穴29、29a…を設けたの
で、全面積均等な押圧力でもって上下のキャンバスベルト7、26による挟持搬
送により、ヒーティングパート2において貼合された片面段ボールシートW1と
ライナーシートW2の接着状態をより確実にすることが出来ると共に、この搬送
中において、両面段ボールWの余熱はキャンバスベルト26及び圧盤28に設け
た放熱穴29、29a…を通して外方へ放散させることが出来、両面段ボールシ
ートWの冷却効果を増大することが出来る等その実用的効果甚だ大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係るダブルフェーサーの簡略図である。
【図2】
押圧搬送装置を示す簡略平面図である。
【図3】
ヒーティングパートの要部拡大断面図である。
【図4】
図3の一部断面図である。
【図5】
各加圧装置における各トップチェーンの配置状態を示す図である。
【図6】
クーリングパートの搬送台の簡略斜視図である。
【図7】
前後の加圧装置におけるトップチェーンと両面段ボールシートの関係を示す簡
略図である。 【図8】 従来技術を示す図である。 【符号の説明】 1 ダブルフェーサー 2 ヒーティングパート 3 クーリングパート 7 キャンバスベルト 7a 搬送面 10 支持基板 11 エアーバッグ 21、21a… 駒片 22、22a… フレキシブルベルト 26 キャンバスベルト 27 搬送面 28 圧盤 29、29a… 放熱穴 L 搬送ライン
略図である。 【図8】 従来技術を示す図である。 【符号の説明】 1 ダブルフェーサー 2 ヒーティングパート 3 クーリングパート 7 キャンバスベルト 7a 搬送面 10 支持基板 11 エアーバッグ 21、21a… 駒片 22、22a… フレキシブルベルト 26 キャンバスベルト 27 搬送面 28 圧盤 29、29a… 放熱穴 L 搬送ライン
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ダブルフェーサーのヒーティングパート及びクーリングパート
において、搬送ラインの上方に配置したキャンバスベルトの搬送面上方にして、
且つ搬送ライン方向に多数の支持基板を列設すると共に、該支持基板下部に圧縮
空気が供給されるエアーバッグを設け、該エアーバッグ下部には、金属製方形板
状の駒片端部を枢着してなるフレキシブルベルトをキャンバスベルトの幅方向に
並列配置してキャンバスベルトに面接触させ、前後のフレキシブルベルトを相互
に左右にずらしたことを特徴とするダブルフェーサー。 【請求項2】 前記キャンバスベルトに対設して搬送ライン下方に別途設けた
キャンバスベルトを配置したクーリングパートにおいて、搬送ライン下方のキャ
ンバスベルトの搬送面下部に、その長さ方向に渡って平板状の圧盤を摺接配置す
ると共に、該圧盤に多数の放熱穴を設けたことを特徴とする請求項1のダブルフ
ェーサー。
Family
ID=
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