JP2678235B2 - 封書作成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、封書の作成装置に関し、特に、所定部分
に、通常では接着せず、所定の条件が付与されると接着
可能となる接着剤があらかじめ設けられる一方、宛名、
各種の通知情報等の必要な情報があらかじめプリントさ
れ、連続状態にある単位封書用フォームから、封入物を
封入した封書を作成するための装置に関する。

従来の技術 従来から、宛名や各種通知情報を所定面にプリントし
た封書用フォームを、二つ折り、三つ折りにして重ね合
わせた２枚以上の紙片の周縁を接着し、あるいは切り重
ねた２枚以上の紙片の周縁を接着して封書を作成する装
置は知られている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような装置で作成された封書で
は、通知情報の量が封書の大きさによって限定されてし
まうので、多量の情報を通知することができないという
不都合があった。

この不都合を解消するため従来にあっても、封書内に
封入物を挿入することができる封書作成装置が提案され
ている。しかしながら、従来にあっては、封書用フォー
ムの周縁の接着工程を挿入工程の後に行う際に、封入物
の厚みにより好適な接着を行うことができず、封緘作業
は人手に頼らざるを得ないという欠点があった。

本発明は、この欠点を解消して、全工程を自動的にな
しうる封入物を封入した封書の作成装置を提供すること
を目的とする。

問題点を解決するための手段 この目的を達成するために本発明は、所定部分、例え
ば構成紙片の周縁部に、通常では接着せず、加圧、加
熱、あるいは加湿という所定の条件が付与されると接着
可能となる接着剤、すなわち感圧性、感熱性あるいは再
湿性の接着剤があらかじめ設けられる一方、宛名、各種
の通知情報等の必要な情報があらかじめプリントされ、
連続状態にある単位封書用フォームを、折り重ね、切り
重ね、あるいは別々に作成された２枚以上を重ね合わせ
る等により所定状態に重ね合わせるための重ね合わせ装
置と、単位封書用フォーム毎に切断するための切断装置
と、封書の封入口となるべき一辺側を除いた部分の接着
剤に接着条件を与えて封入口を有する封入袋を形成する
ための接着装置と、形成された封入袋内に封入口から封
入物を挿入するための挿入装置と、非接着状態にある封
入口を、例えば前記接着剤の接着条件を与えることによ
って、封緘するための封緘装置とを備え、前記重ね合わ
せ装置と、前記切断装置と、前記接着装置と、前記挿入
装置と、前記封緘装置とをほぼ直線的に配置したもので
ある。

作用 通常では接着せず、所定の条件が付与されると接着可
能となる感圧性、感熱性あるいは再湿性の接着剤があら
かじめ設けられる一方、宛名、各種の通知情報等の必要
な情報がプリントされた連続状態にある単位封書用フォ
ームを、重ね合わせ装置で二つ折り、三つ折り、切り重
ね等して所定状態に重ね合わせ、次に、切断装置によっ
て単位封書用フォーム毎に切断し、さらに、接着装置に
より少なくとも封入口となるべき一辺側を除いた接着剤
に対して接着条件を与える等により封入口を有する封入
袋を形成し、続いて、挿入装置によって前記封入口から
封入物を挿入した後、封緘装置により開封状態にある前
記封入口を、対応する部分の非接着状態にある接着剤に
接着条件を与える等して封緘し、封書を作成する。この
ように、封書の周縁部の封着工程を、接着装置によって
封入袋を作成する工程と、封緘装置によって封入口を封
緘する工程とに分けて行うので、封入物により封書の中
央部分が厚くなっても、周縁部の封着に支障をきたすこ
となく、封書の作成がなされる。さらに、連続状態にあ
る単位封書用フォームの重ね合わせから封緘に至るまで
の一連の工程をすべて自動的に行う。

実 施 例 以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳
細に説明する。

ここにおいて、第１図は封緘作成装置の全体を示す概
略的な斜視図、第２図は封書となるべき連続状態にある
封書用フォームの表面側を示す斜視図、第３図は単片化
した封書用フォームの裏面側を示す平面図、第４図は接
着装置における圧着ローラと接着剤の接着部分との関係
を示す説明図、第５図は挿入動作を示す概略的な側面図
である。

まず、第２図及び第３図に基づいて、封書となるべき
封書用フォームについて説明する。

単位封書用フォーム１は、折り兼切り用ミシン目２を
介して縦方向に多数連接された連続状態にあり、各単位
封書用フォーム１は、上紙片３と下紙片４とが切り用ミ
シン目５を介して横方向に連接されている。前記単位封
書用フォーム１の両端部には、切り用ミシン目6a,6bを
境として移送孔7a,7bが等間隔に設けられたマージナル
部8a,8bが設けられ、また、前記下紙片４には、前記切
り用ミシン目５に沿って、移送孔7cが等間隔に設けられ
たマージナル部8cが、切り用ミシン目6cを境として設け
られている。前記上紙片３には、各切り用ミシン目5,6a
の内側に沿って、それぞれ切り用ミシン目9a,9bが設け
られる一方、前記下紙片４には、各切り用ミシン目6b,6
cに沿って、それぞれ切り用ミシン目9c,9dが設けられて
いる。すなわち、前記切り用ミシン目５で単位封書用フ
ォーム１を上紙片３と下紙片４とに切り離し、これらの
紙片3,4を重ねた時に、切り用ミシン目9aと9c、切り用
ミシン目9bと9d、とがそれぞれ重なり合い、また、マー
ジナル部8aと8cとが重なり合うもので、下紙片４右側の
マージナル部8bは、上紙片３とは重なり合わず突出した
状態となる。さらに、単位封書用フォーム１の下端に沿
って、前記各切り用ミシン目9a,9b,9c,9dと直交するよ
うに伸びる切り用ミシン目10が設けられている。

第２図で明らかなように、下紙片４の表面側には、各
切り用ミシン目9c,9d,10の外側に位置して、左右対称な
パターンで感圧性接着剤11a及び11bが塗布されている。
そして、前記感圧性接着剤11aの縦方向に伸びる部分は
前記感圧性接着剤11bの縦方向に伸びる部分よりも外側
に設けられることにより、連続状態にある単位封書用フ
ォーム１が折り兼切り用ミシン目２で折り畳まれた時
に、対向面どうしの各接着剤11a,11bが接触しないよう
なパターンとなっている。さらに、第３図で明らかなよ
うに、上紙片３の裏面側には、各切り用ミシン目9a,9b,
10の外側に位置して、前述と同一のパターンで感圧性接
着剤11c及び11dが塗布されている。そして、これらの感
圧性接着剤11c及び11dは、上紙片３と下紙片４とが切り
重ねられたときに、前記感圧性接着剤11a及び11bとそれ
ぞれ対接する一方、連続状態にある単位封書用フォーム
１が折り兼切り用ミシン目２で折り畳まれた時に、対向
面どうしの各接着剤11c,11dが接触しないようになって
いる。

第２図に示したように、上紙片３の表面側には宛名が
あらかじめ印字され、また、下紙片４の表面側には、例
えば、案内文やメッセージ、請求金額、領収金額等の各
種の通知情報があらかじめ印字されている。なお、これ
らの印字はコンピュータに連繋されたプリンタによって
行われる。

次に、第１図、第４図及び第５図に基づいて、上述し
た連続状態にある単位封書用フォーム１から、封入物を
封入した封書を作成する装置について説明する。

第１図に示したように、各折り兼切り用ミシン目２で
折り重ねられている連続状態にある単位封書用フォーム
１を、上紙片３と下紙片４とに切り離して重ね合わせる
重ね合わせ装置は、前記連続状態にある単位封書用フォ
ーム１をガイドローラ21を経て引き上げ、両端に位置す
る移送孔7a,7bにピンをそれぞれ係合して移送するトラ
クタ22a,22bと、上紙片３と下紙片４とに切り用ミシン
目５で切り離すスリッタ23と、切り離された各連続状態
にある上紙片３と下紙片４とを各別に案内するガイドロ
ーラ24a,24及びガイド板25a,25bと、前記連続状態にあ
る上紙片３と下紙片４とを重ね合わるガイドバー26を備
えた重ね合わせガイド27と、重ね合わされた各紙片3,4
をさらに移送するトラクタ28とから構成される。

この重ね合わせ装置に続いて、重ね合わされた上紙片
３と下紙片４のマージナル8b側を仮状態に綴じ合わせる
紙綴じ装置29が設けられるとともに、重なり合った各マ
ージナル部8a,8cを切り落とすスリッタ30が設けられて
いる。なお、前記仮状態に綴じ合わせる装置としては、
各感圧性接着剤11a,11b,11c,11dが完全には接着しない
程度に軽く加圧する仮接着装置を用いることもできる。

さらに、連続状態にある単位封書用フォーム１を単片
化するための切断装置が設けられており、この切断装置
は、上下一対の低速回転をするインフィードローラ31a,
31bと、ブレード32と、上下一対の高速回転するハイス
ピードローラ33a,33bから構成される。そして、前記各
ローラ31a,31b,33a,33bの移送速度の差により連続状態
にある単位封書用フォーム１に適度の張力を与え、折り
兼切り用ミシン目２に前記ブレード32を当てて切断する
ものである。

単片状態になった単位封書用フォーム１から封入袋を
形成する接着装置は、上下２対の圧着ローラ34a,34bか
らなる。上位の各ローラ34aはマージナル部8b側が小径
に形成されており、この小径部分に対応する単位封書用
フォーム１には圧着が行われず、封入口となる一方、大
径部分に対応する単位封書用フォーム１には圧着が行わ
れて、対応部分の接着剤11a,11b,11c,11dは接着状態と
なる。

さらに、続いて挿入装置が設けられている。この挿入
装置は、封入物をＺ字状に三つ折りにする折り機35と、
三つ折りにされた封入物を、封入袋の移送径路に対する
直角方向から、開口状態にされた封入袋の封入口に対し
て供給する一対の送りコロ36と、前記封入口を開口させ
る図示していない開口装置から構成される。この開口装
置としては、例えば空気を封入口から封入袋内に送り込
む装置等を用いることができる。

前記挿入装置に続いて、下紙片４のマージナル部8bを
切り落とすスリッタ37が設けられ、さらに上下一対の圧
着ローラ38a,38bからなる封緘装置が設けられている。
前記圧着ローラ38a,38bは、非接着状態にある各接着剤1
1a,11b,11c,11dに対し、その接着条件である圧力を与
え、封入口側を接着して封緘状態とするものである。

次に、上述した作成装置よる封書作成方法を第１図に
基づいて説明する。

各折り兼切り用ミシン目２で折り畳まれた連続状態に
ある単位封書用フォーム１は、各移送孔7a,7bがトラク
タ22a,22bのピンに係合され、ガイドローラ21を経て引
き上げられたうえ水平方向に移送され、スリッタ23によ
って上紙片３と下紙片４とに切断される。上紙片３と下
紙片４とは、各別にガイドローラ24a,24b及びガイド板2
5a,25bに案内された後、ガイドバー26を通過する際に重
ね合わせガイド27によって、各紙片3,4の接着剤11a,11
b,11c,11dどうしが対接するように、上紙片３の裏面側
に下紙片４の表面側が対向するよう重ね合わされる。そ
して、この重ね合わせ状態は、トラクタ28のピンに各紙
片3,4の移送孔7a,7cが上下に重なって係合されることに
より正規化される。

この切り重ね工程によって、単位封書用フォーム１
は、マージナル部8a,8cが重ね合わされる一方、マージ
ナル部8bは右方向に突出した状態となり、トラクタ28を
通過した後、マージナル部8b側は紙綴装置29で仮綴じさ
れ、各マージナル部8a,8cはスリッタ30で切り落とされ
る。

続いて、切断工程に移り、連続状態にある切り重ねら
れた単位封書用フォーム１は、低速で回転する上下一対
のインフィードローラ31a,31bを経て、ブレート32の下
を通過し、高速で回転する上下一対のハイスピードロー
ラ33a,33bに至ると、前記各ローラ31a,31b,33a,33bの移
送速度の差によって適度な張力が付与され、折り兼切り
用ミシン目２に前記ブレード32が当接すると切り離され
て、単片化される。

次に接着工程に移る。上位の各ローラ34aのマージナ
ル部8b側が小径に形成された上下２対の圧着ローラ34a,
34bを通過することによって、第４図に示したように、
２枚に切り重ねられた状態にある単位封書用フォーム１
の封入口となるべきマージナル部8b側を除いた部分（第
４図上斜線部分）の接着剤11a,11b,11c,11dに、前記圧
着ローラ34aの大径部分により、接着条件である圧力が
与えられる。これによって、封入口13を有し、この封入
口13部分を除いた三周縁が接着された封入袋14が形成さ
れる。

封入袋14が移送されて折り機35に対応位置すると、挿
入工程が施される。すなわち、封入物15が折り機35によ
って、Ｚ字状に三つ折りされたうえ、封入袋14の移送径
路に対する直角方向から、図示していない適宜な開口装
置によって開口状態にされた封入口13に対して、送りコ
ロ36により封入物15を供給し、第５図に示したように、
封入袋14内に、前記封入物15を挿入する。なお、封入物
15が小さく、そのままの状態で封入袋14内に収納可能な
場合には、折り機35を配置する必要はない。また、封入
物15を二つ折りする場合には、二つ折り用の折り機が配
置される。

封入物15が挿入された封入袋14は続く移送過程におい
て、スリッタ37により下紙片４の突出状態にあったマー
ジナル部8bが切り落とされた後、封緘措置による封緘工
程に移る。

開封状態にある封入口13は、上下一対の圧着ローラ38
a,38bによって、非接着状態にある各接着剤11a,11b,11
c,11dに対し、その接着条件である圧力が与えられるこ
とにより、封入物15が封入されたうえ封緘された封書16
が作成される。

そして、この封書16は、各切り用ミシン目9a,9b,9c,1
1bを切り取ることによって開封することができ、封入さ
れている封入物15及び封書16の各紙片3,4に記載された
情報を読み取ることができる。

なお、本発明は上述した実施例に限定されるものでは
なく、例えば重ね合わせ装置は、切り重ねのほか、二つ
折り、三つ折りする折り重ね装置や、各別の封書用フォ
ームを供給して重ね合わせる装置を用いてもよく、折り
重ね装置を用いた場合には仮綴じは必要ない。また、接
着装置は、二つ折り重ねの場合には、折り部と直交する
一対の対向辺に沿った部分を接着することになるが、こ
の接着範囲は封入物15が移送過程において封入袋14から
離脱しない程度であればよい。さらに、封緘装置は、マ
ージナル部8b,8b等の突出している部分に糊等を新たに
塗布したうえ、これを上紙片３側あるいは下紙片４側に
折り返して接着し、封入口13を封緘する構成であっても
よい。

効果 以上説明したところで明らかなように、本発明によれ
ば、封入物を封入することによって、通知する情報量を
増大させることができる封書の作成を、能率よく作成出
来るとともに、封書用フォームに対する接着処理も確実
に行うことができ、接着不良等の事故を起こすことのな
い安定した封書を作成できるという効果を奏することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の好適な実施例を示し、第１図は封書作成装
置の全体を示す概略的な斜視図、第２図は封書となるべ
き連続状態にある封書用フォームの表面側を示す斜視
図、第３図は単片化した封書用フォームの裏面側を示す
平面図、第４図は接着装置における圧着ローラと接着剤
の接着部分との関係を示す説明図、第５図は挿入動作を
示す概略的な側面図である。 １……単位封書用フォーム、３……上紙片、４……下紙
片、11a,11b,11c,11d……感圧性接着剤、13……封入
口、15……封入物、16……封書、22a,22b,28……トラク
タ、23……スリッタ、27……重ね合わせガイド、32……
ブレード、34a,34b,38a,38b……圧着ローラ、35……折
り機、36……送りコロ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定部分に、通常では接着せず、所定の条
   件が付与されると接着可能となる接着剤があらかじめ設
   けられる一方、宛名、各種の通知情報等の必要な情報が
   あらかじめプリントされ、連続状態にある単位封書用フ
   ォームを、所定状態に重ね合わせるための重ね合わせ装
   置と、単位封書用フォーム毎に切断するための切断装置
   と、封入口を除く部分の接着剤に接着条件を与えて封入
   口を有する封入袋を形成するための接着装置と、形成さ
   れた封入袋内に封入口から封入物を挿入するための挿入
   装置と、非接着状態にある封入口を封緘するための封緘
   装置とを備え、前記重ね合わせ装置と、前記切断装置
   と、前記接着装置と、前記挿入装置と、前記封緘装置と
   をほぼ直線的に配置したことを特徴とする封書作成装
   置。