JP2677875B2 - トロリー線用銅合金 - Google Patents
トロリー線用銅合金Info
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- JP2677875B2 JP2677875B2 JP1192154A JP19215489A JP2677875B2 JP 2677875 B2 JP2677875 B2 JP 2677875B2 JP 1192154 A JP1192154 A JP 1192154A JP 19215489 A JP19215489 A JP 19215489A JP 2677875 B2 JP2677875 B2 JP 2677875B2
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- less
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐集電摺動磨耗性、耐熱性、放熱性及び強
度が優れたトロリー線用銅合金に関するものである。
度が優れたトロリー線用銅合金に関するものである。
従来電車線等を代表する運搬輸送用トロリー線として
は、タフピッチ銅を代表とする純銅が用いられてきた
が、高速輸送化の傾向からAg入銅やSn入銅が用いられる
ようになった。しかしながら新幹線を代表とする高速化
した大容量交通手段の発達に伴って、従来材料では機械
的、熱的にトロリー線の損傷、磨耗が著しく、高速集電
性能、高速集電音、保守経費等の面から、その改善が求
められている。
は、タフピッチ銅を代表とする純銅が用いられてきた
が、高速輸送化の傾向からAg入銅やSn入銅が用いられる
ようになった。しかしながら新幹線を代表とする高速化
した大容量交通手段の発達に伴って、従来材料では機械
的、熱的にトロリー線の損傷、磨耗が著しく、高速集電
性能、高速集電音、保守経費等の面から、その改善が求
められている。
従来より用いられているAg入銅は、その耐磨耗性の点
で現状の高速化に対応しきれず、また一般に用いられて
いるSn入銅は、耐磨耗性の点でAg入銅より優れている
が、高速化、大容量化による磨耗の増加や発熱に伴う耐
熱強度が劣るため、より優れたトロリー線用材料が望ま
れている。
で現状の高速化に対応しきれず、また一般に用いられて
いるSn入銅は、耐磨耗性の点でAg入銅より優れている
が、高速化、大容量化による磨耗の増加や発熱に伴う耐
熱強度が劣るため、より優れたトロリー線用材料が望ま
れている。
［課題を解決するための手段］ 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、集電摺動磨耗、
耐熱強度、放熱性等に優れた、高速、大容量化に適した
トロリー線用銅合金を開発したものである。
耐熱強度、放熱性等に優れた、高速、大容量化に適した
トロリー線用銅合金を開発したものである。
即ち本発明合金の一つは、Zr0.001〜0.15wt％（以下w
t％を％を略記）、Cr0.01〜0.30％を含み、残部CuとSn5
0ppm以下、Si50ppm以下、P30ppm以下、Fe50ppm以下、Ni
50ppm以下、Pb20ppm以下、As20ppm以下、Sb20ppm以下、
Bi20ppm以下、S10ppm以下に制限した不可避的不純物か
らなることを特長とするものである。
t％を％を略記）、Cr0.01〜0.30％を含み、残部CuとSn5
0ppm以下、Si50ppm以下、P30ppm以下、Fe50ppm以下、Ni
50ppm以下、Pb20ppm以下、As20ppm以下、Sb20ppm以下、
Bi20ppm以下、S10ppm以下に制限した不可避的不純物か
らなることを特長とするものである。
また本発明合金の他の一つは、Zr0.001〜0.15wt％、C
r0.01〜0.3％を含み、更にMg0.3％以下、Zn0.5％以下、
Ag0.2％以下、Cd0.5％以下の範囲内で何れか１種又は２
種以上を合計0.5％以下含み、残部CuとSn50ppm以下、Si
50ppm以下、P30ppm以下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、P
b20ppm以下、As20ppm以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以
下、S10ppm以下に制限した不可避的不純物からなること
を特徴とするものである。
r0.01〜0.3％を含み、更にMg0.3％以下、Zn0.5％以下、
Ag0.2％以下、Cd0.5％以下の範囲内で何れか１種又は２
種以上を合計0.5％以下含み、残部CuとSn50ppm以下、Si
50ppm以下、P30ppm以下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、P
b20ppm以下、As20ppm以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以
下、S10ppm以下に制限した不可避的不純物からなること
を特徴とするものである。
［作 用］ 本発明において合金組成を上記の如く限定したのは次
の理由によるものである。
の理由によるものである。
Zr含有量を0.001〜0.15％、Cr含有量を0.01〜0.30％
と限定したのは、Zr、Cr共に銅中に分散粒子として存在
することにより、耐磨耗性及び耐熱強度を向上するも、
下限未満ではその効果が見られず、上限を越えると耐磨
耗性及び耐熱強度は向上するも、90％IACS以上の高い導
電率が得られないためである。尚本発明の範囲内では、
その分散粒子が非常に微細に高密度で存在するため、そ
の効果は高い。
と限定したのは、Zr、Cr共に銅中に分散粒子として存在
することにより、耐磨耗性及び耐熱強度を向上するも、
下限未満ではその効果が見られず、上限を越えると耐磨
耗性及び耐熱強度は向上するも、90％IACS以上の高い導
電率が得られないためである。尚本発明の範囲内では、
その分散粒子が非常に微細に高密度で存在するため、そ
の効果は高い。
次に不可避的不純物中Sn50ppm以下、Si50ppm以下、P3
0ppm以下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、Pb20ppm以下、A
s20ppm以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以下、S10ppm以下と
制限したのは、本発明の特徴とする高い放熱性を得るた
めであり、上記範囲内においては、その影響が少ないが
これを越えて含有すると、放熱性を低下するばかりか、
Si、Ｐは本発明成分のCrと粗大析出物を形成しやすく、
耐摩耗性に寄与するCr量を減少させ、その効果を低下さ
せる。またPb、As、Sb、Bi、Ｓは、銅中に粗大粒子とし
て存在したり、粒界に濃縮する事により、熱間加工時の
再熱割れや熱間加工割れを生じたり、トロリー線表面の
健全性を損ねる。
0ppm以下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、Pb20ppm以下、A
s20ppm以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以下、S10ppm以下と
制限したのは、本発明の特徴とする高い放熱性を得るた
めであり、上記範囲内においては、その影響が少ないが
これを越えて含有すると、放熱性を低下するばかりか、
Si、Ｐは本発明成分のCrと粗大析出物を形成しやすく、
耐摩耗性に寄与するCr量を減少させ、その効果を低下さ
せる。またPb、As、Sb、Bi、Ｓは、銅中に粗大粒子とし
て存在したり、粒界に濃縮する事により、熱間加工時の
再熱割れや熱間加工割れを生じたり、トロリー線表面の
健全性を損ねる。
更にMg0.3％以下、Zn0.5％以下、Ag0.2％以下、Cd0.5
％以下の範囲内で何れか１種又は２種以上を合計0.5％
以下添加するのは、放熱性を余り低下させることなく、
トロリー線のライフサイクルを高めるためであり、特に
Mg、Ag、Cdは耐熱強度や磨耗性を向上し、Znは耐食性や
耐アーク特性を良好にする。しかして上限を越える含有
では、その効果が小さく、また無意味に放熱性を低下さ
せる。
％以下の範囲内で何れか１種又は２種以上を合計0.5％
以下添加するのは、放熱性を余り低下させることなく、
トロリー線のライフサイクルを高めるためであり、特に
Mg、Ag、Cdは耐熱強度や磨耗性を向上し、Znは耐食性や
耐アーク特性を良好にする。しかして上限を越える含有
では、その効果が小さく、また無意味に放熱性を低下さ
せる。
尚本発明は熱間による水中押出し法や水冷鋳型を用い
た連続鋳造法により、間接的若しくは直接的に銅合金固
溶体とした後、トロリー線としての加工や熱処理等を施
す。
た連続鋳造法により、間接的若しくは直接的に銅合金固
溶体とした後、トロリー線としての加工や熱処理等を施
す。
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
Ar雰囲気中で銅を溶解し、続いてMg、Zn、Ag、Cdを添
加し、更にCrとZrを添加後、十分に攪拌溶解し、第１表
に示す組成の銅合金からなる直径20mmφの鋳塊に鋳造し
た。これを約980℃に加熱し、0.5時間保持した後、熱間
水冷押出しを行なって直径25mmφの荒引線とした。これ
に表面研削と冷間伸線と時効熱処理を順次繰り返し行
い、断面積170mm2の溝付トロリー線に加工した。
加し、更にCrとZrを添加後、十分に攪拌溶解し、第１表
に示す組成の銅合金からなる直径20mmφの鋳塊に鋳造し
た。これを約980℃に加熱し、0.5時間保持した後、熱間
水冷押出しを行なって直径25mmφの荒引線とした。これ
に表面研削と冷間伸線と時効熱処理を順次繰り返し行
い、断面積170mm2の溝付トロリー線に加工した。
このトロリー線について、引張強さ、耐熱性、集電摺
動磨耗性及び耐アーク性を調べた。その結果を第２表に
示す。
動磨耗性及び耐アーク性を調べた。その結果を第２表に
示す。
引張強さは、JIS Z2241に基づき室温（20℃）で測定
した。
した。
放熱性は、その代用特性として導電性をJIS H0575に
基づいて測定した。
基づいて測定した。
集電摺動磨耗は、供試材を直径5mの円板に環状に設置
し、すり板として銅系焼結合金を取付けたパンタグラフ
を5kgfの押上げ力により接触させ、交流100Aを通電しな
がら50kg/hrの速度で無潤滑状態で摺動させ、10万パン
タ後の磨耗量を測定した。
し、すり板として銅系焼結合金を取付けたパンタグラフ
を5kgfの押上げ力により接触させ、交流100Aを通電しな
がら50kg/hrの速度で無潤滑状態で摺動させ、10万パン
タ後の磨耗量を測定した。
耐アーク性は、銅系焼結合金すり板と供試材間に定常
電流AC50Aを通電し、接触と離線を200回繰り返し行い、
アークを発生させてその時の磨耗量を測定した。
電流AC50Aを通電し、接触と離線を200回繰り返し行い、
アークを発生させてその時の磨耗量を測定した。
第１表及び第２表から明らかなように、本発明合金か
らなるトロリー線は、従来合金からなるトロリー線と比
較し、ほぼ同等の導電性を示し、その他の特性ははるか
に優れていることが分る。
らなるトロリー線は、従来合金からなるトロリー線と比
較し、ほぼ同等の導電性を示し、その他の特性ははるか
に優れていることが分る。
これに対し本発明合金の組成範囲から外れる比較方金
からなるトロリー線では、強度、耐熱性等は優れている
も、導電性が劣る。
からなるトロリー線では、強度、耐熱性等は優れている
も、導電性が劣る。
［発明の効果］ このように本発明によれば、高速、大容量化に対し集
電摺動耐磨耗性、耐熱性更には放熱性や強度に優れたト
ロリー線を提供できるもので、工業上顕著な効果を奏す
るものである。
電摺動耐磨耗性、耐熱性更には放熱性や強度に優れたト
ロリー線を提供できるもので、工業上顕著な効果を奏す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 999999999 株式会社フジクラ 東京都江東区木場１丁目５番１号 (73)特許権者 999999999 三菱電線工業株式会社 兵庫県尼崎市東向島西之町８番地 (73)特許権者 999999999 昭和電線電纜株式会社 神奈川県川崎市川崎区小田栄２丁目１番 １号 (72)発明者 浅井 真人 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 篠崎 重雄 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 佐藤 矩正 東京都千代田区丸の内２丁目６番１号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−102537（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−79121（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−79120（ＪＰ，Ａ)
Claims (2)
- 【請求項１】Zr0.001〜0.15wt％、Cr0.01〜0.30wt％を
含み、残部CuとSn50ppm以下、Si50ppm以下、P30ppm以
下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、Pb20ppm以下、As20ppm
以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以下、S10ppm以下に制限し
た不可避的不純物からなることを特長とするトロリー線
用銅合金。 - 【請求項２】Zr0.001〜0.15wt％、Cr0.01〜0.30wt％を
含み、更にMg0.3wt％以下、Zn0.5wt％以下、Ag0.2wt％
以下、Cd0.5wt％以下の範囲内で何れか１種又は２種以
上を合計0.5wt％以下含み、残部CuとSn50ppm以下、Si50
ppm以下、P30ppm以下、Fe50ppm以下、Ni50ppm以下、Pb2
0ppm以下、As20ppm以下、Sb20ppm以下、Bi20ppm以下、S
10ppm以下に制限した不可避的不純物からなることを特
長とするトロリー線用銅合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1192154A JP2677875B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | トロリー線用銅合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1192154A JP2677875B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | トロリー線用銅合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0356633A JPH0356633A (ja) | 1991-03-12 |
| JP2677875B2 true JP2677875B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=16286597
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1192154A Expired - Lifetime JP2677875B2 (ja) | 1989-07-25 | 1989-07-25 | トロリー線用銅合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2677875B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5705125A (en) * | 1992-05-08 | 1998-01-06 | Mitsubishi Materials Corporation | Wire for electric railways |
| DE69317323T2 (de) * | 1992-05-08 | 1998-07-16 | Mitsubishi Materials Corp | Draht für elektrische Bahnstrecke und Verfahren zur Herstellung desselben |
| DE19539174C1 (de) * | 1995-10-20 | 1997-02-27 | Siemens Ag | Oberleitungsfahrdraht einer elektrischen Hochgeschwindigkeitsbahnstrecke und Verfahren zu dessen Herstellung |
| US6077364A (en) * | 1997-06-30 | 2000-06-20 | Phelps Dodge Industries, Inc. | Copper trolley wire and a method of manufacturing copper trolley wire |
| CN104630545A (zh) * | 2015-02-04 | 2015-05-20 | 上海理工大学 | 高温滑触线铜合金及其制造方法 |
| JP7263953B2 (ja) * | 2019-07-10 | 2023-04-25 | 三菱マテリアル株式会社 | 銅合金トロリ線 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56102537A (en) * | 1980-01-16 | 1981-08-17 | Toshiba Corp | Copper alloy member |
-
1989
- 1989-07-25 JP JP1192154A patent/JP2677875B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0356633A (ja) | 1991-03-12 |
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