JPH1096036A - 高強度高導電率銅合金線材 - Google Patents

高強度高導電率銅合金線材

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JPH1096036A
JPH1096036A JP8251891A JP25189196A JPH1096036A JP H1096036 A JPH1096036 A JP H1096036A JP 8251891 A JP8251891 A JP 8251891A JP 25189196 A JP25189196 A JP 25189196A JP H1096036 A JPH1096036 A JP H1096036A
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JP
Japan
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copper alloy
strength
heat resistance
wire
conductivity
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JP8251891A
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English (en)
Inventor
Masateru Ichikawa
雅照 市川
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロリ線用材料として、強度及び耐熱性を向
上することができると共に、導電率70%IACS以上
の高い導電性を得ることができる高強度高導電率銅合金
線材を提供する。 【解決手段】 高強度高導電率銅合金線材はSn及びI
nを総量で0.35乃至0.55重量%含有し、そのう
ち、Inの含有量が0.05重量%以上であり、La及
びCeのいずれか1種又は2種を総量で0.01乃至
2.0重量%含有し、残部がCu及び不可避的不純物か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速で運行する架
線式電車へ給電するトロリ線として好適の高強度高導電
率銅合金線材に関する。
【0002】
【従来の技術】架線式電車へ給電するトロリ線として
は、通常、硬銅線又はCu−Sn合金線等が使用されて
いる。近年、電車の高速運行の要請が強く、これに対応
するためには、トロリ線の架線張力を高くする必要があ
る。このため、トロリ線に用いられる材料には、高い強
度をもつことが要求される。また、高速化、電力の大容
量化による発熱に対し、耐熱性が高いことが要求され
る。
【0003】一般に、Cu−Sn合金のような固溶強化
型合金では、合金元素量を多くするほど強度及び耐熱性
が増加することが知られている。従って、Cu−Sn合
金では、Snの添加量を増加すると、強度及び耐熱性の
増加を図ることができる。しかし、合金元素量を多くす
ると導電性が低下するため、トロリ線のように、導電性
が要求されるものには、添加できる合金元素量は限られ
る。
【0004】また、線材の加工工程において、伸線加工
率(減面率)を大きくすることにより、線材は加工硬化
してその強度が高くなる。しかし、一般に使用されてい
るトロリ線は、断面積が110mm2(直径約11.8
mm)又は170mm2(直径約14.7mm)であ
り、このような太い線材を得るための伸線加工率を大き
くするためには、伸線前の初期線径を極めて大きくする
必要がある。しかし、伸線前の線径が25mmを超える
場合は、伸線工程及び巻取り工程等に大規模な設備が必
要になり、製造コストが高くなると共に、作業性が悪く
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、従来のト
ロリ線として使用されている硬銅線又はCu−Sn合金
線等では、導電性を損なうことなく強度及び耐熱性を向
上させることは困難である。トロリ線としての用途に供
するための導電率は50%IACS(純銅焼鈍材の導電
率を100としたときの値)以上、好ましくは70%I
ACS以上である。しかし、従来、このような高導電率
を確保しつつ、高速運行のための高架線張力化に対応で
きるような高強度を得ることはできなかった。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、トロリ線用材料として、導電率70%IA
CS以上の高い導電性を確保しつつ、強度及び耐熱性を
向上させることができる高強度高導電率銅合金線材を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度高導
電率銅合金線材は、Sn及びInを総量で0.35乃至
0.55重量%含有し、そのうち、Inの含有量が0.
05重量%以上であり、更にLa及びCeのいずれか1
種又は2種を総量で0.01乃至2.0重量%含有し、
残部がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本願発明者は、強度及び耐熱性を
向上させると共に、導電性が優れた高強度高導電率銅合
金線材を得るために鋭意研究した結果、銅合金に含有さ
れる添加元素のうち、SnとInの含有量の総量を適切
に設定すると共に、そのうちのIn含有量の最小値を適
切に規定し、またLa及び/又はCeを適正量添加する
ことが有効であることを見出した。
【0009】以下、本発明における高強度高導電率銅合
金線材について、その成分添加理由及び組成限定理由に
ついて説明する。
【0010】Sn及びInを総量で0.35乃至0.5
5重量%含有し、そのうち、Inの含有量が0.05重
量%以上 Sn及びInは、強度及び耐熱性を向上させる元素であ
る。Sn及びInの含有量の総量が0.35重量%未満
であると、強度及び耐熱性を向上させる効果は少ない。
特に、Inの含有量が0.05重量%未満であると、強
度及び耐熱性を向上させる効果が得られない。また、S
n及びIn総量が0.55重量%を超えると、70%I
ACS以上の導電率を確保できなくなる。このため、S
n及びInの含有量は総量で0.35乃至0.55重量
%とし、Inの含有量を0.05重量%以上とする。
【0011】La及びCeのいずれか1種又は2種を総
量で0.01乃至2.0重量% La及びCeは導電率を殆ど低下させずに、銅合金の強
度及び耐熱性を向上させる効果があるが、総量で0.0
1重量%未満ではその効果は少なく、逆に2.0重量%
を超えると、銅合金材を連続鋳造設備において鋳造する
際に鋳塊表面に割れが生じやすくなり、製品の強度が低
下する虞れがある。このため、La及びCeはその少な
くとも1種又は2種を総量で0.01乃至2.0重量%
添加する。なお、合金調整時には、金属La及びCeを
添加する替わりに、これらの元素を主成分とする市販品
であるミッシュメタルを添加してもよい。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る高強度高導電率銅合金線
材の実施例について、その比較例と比較して具体的に説
明する。
【0013】先ず、工業用連続鋳造装置により、溶銅中
に夫々添加元素のワイヤを一定速度で送給することによ
り、所定の組成を有する銅合金の素材を得た。これを更
に熱間圧延することにより、直径25mmの荒引き線を
得た。この熱間圧延して得られた銅合金の荒引き線の表
面性状を外観検査により、微細なクラック又は微小の疵
が発生しているか否かを調査した。続いて、この荒引き
線を伸線加工した。この伸線加工においては、パス毎に
約20%の減面率で伸線を繰り返し、最終的に断面積が
170mm2のトロリ線用の銅合金線材を得た。これら
の銅合金線材について引張強度及び導電率を測定した。
また、銅合金線材を1時間等温焼鈍した場合の半軟化温
度を求め、耐熱性を評価した。
【0014】これらの試験結果を表1にまとめて示す。
なお、表1の実施例6は、La及びCeの替わりに、こ
れらの元素を主成分とする市販のミッシュメタルを添加
したものである。
【0015】
【表1】
【0016】上記表1に示すように、本発明の実施例に
おいては、全て導電率が70%IACS以上と高く、引
張強度は46kgf/mm2と高く、また、耐熱性の指
標となる半軟化温度も高く、耐熱性が優れている。
【0017】これに対し、La又はCeの含有量が2.
0重量%を超えた比較例1及び2は、熱間圧延後の直径
25mmの銅合金の荒引き線に微細なクラック又は微小
の疵が見られ、実施例3及び4に比べて強度が低い。ま
た、比較例3においては、La含有量が0.009重量
%と少ないため、従来例1と同程度の引張強度であっ
た。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高強
度高導電率銅合金線材は、Snと、Inと、少なくとも
La又はCeの1種以上とを所定の含有量で添加するの
で、強度及び耐熱性が向上すると共に、導電率も70%
IACS以上と極めて高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sn及びInを総量で0.35乃至0.
    55重量%含有し、そのうち、Inの含有量が0.05
    重量%以上であり、更にLa及びCeのいずれか1種又
    は2種を総量で0.01乃至2.0重量%含有し、残部
    がCu及び不可避的不純物からなることを特徴とする高
    強度高導電率銅合金線材。
JP8251891A 1996-09-24 1996-09-24 高強度高導電率銅合金線材 Pending JPH1096036A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1300354C (zh) * 2003-10-28 2007-02-14 住友电气工业株式会社 架空线及其制造方法
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