JPH1180861A - 高強度高導電率銅合金線材及びその製造方法 - Google Patents

高強度高導電率銅合金線材及びその製造方法

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JPH1180861A
JPH1180861A JP24074597A JP24074597A JPH1180861A JP H1180861 A JPH1180861 A JP H1180861A JP 24074597 A JP24074597 A JP 24074597A JP 24074597 A JP24074597 A JP 24074597A JP H1180861 A JPH1180861 A JP H1180861A
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JP
Japan
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copper alloy
rare earth
alloy wire
wire rod
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JP24074597A
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English (en)
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Masateru Ichikawa
雅照 市川
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電気機器及び電子機器等に使用される導
線材料として、低加工率で導電率50%IACS以上の
高い導電性を確保しつつ、強度を向上させることができ
る高強度高導電率銅合金線材及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 高強度高導電率銅合金線材は、周期律表
の希土類元素から選択された少なくとも1種の元素を総
量で0.01乃至2重量%含有し、Mg、Al、Mn、
Zn、Ni及びZrからなる群から選択された1種又は
2種以上の元素を総量で0.01乃至0.3重量%含有
し、残部が銅及び不可避的不純物からなる。また、前記
高強度高導電率銅合金線材の製造方法としては、希土類
元素の酸化を防止するため、前記組成の銅合金溶湯を還
元性雰囲気で鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度及び高導電
率を必要とする電気機器及び電子機器等に使用される導
体に好適の高強度高導電率銅合金線材及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器及び電子機器の導体材料として
は、純銅及び銅希薄合金等が多用されているが、電気機
器及び電子機器の軽量化及び高性能化に伴い、より高い
強度と高い導電率とを合わせ持つ導体材料の開発が要望
されている。
【0003】一般的に、金属材料には、高加工率を与え
て加工硬化させることにより高い強度を得ることができ
るが、線材の加工工程において、伸線加工率(減面率)
を高くするためには、線材の線径が小さくなるまで加工
すること、又は線材の初期線径を大きくすることが必要
であるため、加工率を高くすることは実用的ではない。
このため、可及的に低い加工率で高い強度を得ることが
必要である。
【0004】しかし、従来の銅合金線材においては、9
9%以下の低加工率において導電率50%IACS以上
の導電性を有すると共に、引張強度が60kgf/mm
2 以上であるという高強度高導電率の線材は、僅かに、
Cu−Cd合金、Cu−Ag合金、Cu−Zr合金及び
Cu−Cr合金のみである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記C
u−Cd合金、Cu−Ag合金、Cu−Zr合金及びC
u−Cr合金はいずれも以下に示すような欠点を有す
る。先ず、Cu−Cd合金においては、Cdは毒性を有
するという問題点がある。また、Cu−Ag合金はAg
を多量添加する必要があり、材料コストが高くなるとい
う難点がある。Cu−Zr合金及びCu−Cr合金は、
強度を得るために時効熱処理をする必要があり、製造コ
ストが高いという問題点がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、各種電気機器及び電子機器等に使用される
導線材料として、低加工率で導電率50%IACS以上
の高い導電性を確保しつつ、強度を向上させることがで
きる高強度高導電率銅合金線材及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度高導
電率銅合金線材は、周期律表の希土類元素から選択され
た少なくとも1種の元素を総量で0.01乃至2.0重
量%含有し、更に、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及び
Zrからなる群から選択された1種又は2種以上の元素
を総量で0.01乃至0.3重量%含有し、残部が銅及
び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0008】本発明に係る高強度高導電率銅合金線材の
製造方法は、周期律表の希土類元素から選択された少な
くとも1種の元素を総量で0.01乃至2.0重量%含
有し、更に、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrか
らなる群から選択された1種又は2種以上の元素を総量
で0.01乃至0.3重量%含有し、残部が銅及び不可
避的不純物からなる溶銅を還元性雰囲気で鋳造して銅合
金材を得る工程と、この銅合金材を熱間圧延及び冷間圧
延して線材を得る工程とを有することを特徴とする。
【0009】この場合に、希土類元素としては、La及
びCeからなる群から選択された少なくとも1種である
ことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明者は、導電率50%IA
CS以上の高い導電性を確保しつつ、強度を向上させる
ことができる高強度高導電率銅合金線材を得るために鋭
意研究した結果、銅合金に含有される添加元素のうち、
希土類元素から選択された少なくとも1種の元素の含有
量の総量を適切に規定すると共に、Mg、Al、Mn、
Zn、Ni及びZrからなる群から選択された少なくと
も1種の元素の含有量の総量を適切に規定し、所定の含
有量で添加することが有効であることを見い出した。
【0011】また、前記組成の銅合金を鋳造する際に
は、その組成の溶湯を還元性雰囲気で鋳造することが必
要である。これは、希土類元素が酸化しやすいため、希
土類元素を含有する溶銅を鋳造する場合に、溶銅中の酸
素濃度が高いと、添加した希土類元素の一部が酸化物と
なる。そうすると、強度を向上させるために必要な希土
類元素の含有量を確保することができない。従って、鋳
造工程に際し、溶銅中の酸素濃度を抑制するため、銅合
金溶湯は還元性雰囲気にて鋳造する必要がある。
【0012】以下、本発明における高強度高導電率銅合
金線材について、その成分添加理由及び組成限定理由に
ついて説明する。
【0013】希土類元素から選択された選択された少な
くとも1種の元素:総量で0.01乃至2.0重量% 希土類元素から選択された少なくとも1種の元素の含有
量が総量で0.01重量%未満であると、強度を向上さ
せる効果が少ない。また、希土類元素から選択された少
なくとも1種の元素の含有量が総量で2.0重量%を超
えると、加工性が極めて悪くなり、伸線加工工程におい
て、銅合金線材に割れが発生したり、断線が生じること
がある。このため、希土類元素から選択された少なくと
も1種の元素の含有量は総量で0.01乃至2.0重量
%とする。この希土類元素としてはLa及びCeの少な
くとも1種であることが好ましい。
【0014】Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrか
らなる群から選択された1種又は2種以上の元素:総量
で0.01乃至0.3重量% Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrは、銅合金線材
の強度を向上させる高める作用を有する。このMg、A
l、Mn、Zn、Ni及びZrからなる群から選択され
た元素の1種又は2種以上の含有量が総量で0.01重
量%未満であると、前記強度向上効果が小さい。一方、
Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrからなる群から
選択された元素の1種又は2種以上の含有量が総量で
0.3重量%を超えると、導電率が低下し、50%IA
CS以上の高い導電率を確保することができない。従っ
て、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrからなる群
から選択された1種又は2種以上の元素は、総量で0.
01乃至0.3重量%含有する必要がある。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例に係る高強度高導電率
銅合金線材について、その比較例と比較して具体的に説
明する。
【0016】先ず、工業用連続鋳造装置により、炉内を
還元性雰囲気として、溶銅中にLa又はCeを下記表1
及び2に示す量添加し、更に、Mg、Al、Mn、Z
n、Ni又はZrを下記表1及び2に示す量添加して、
種々の組成を有する銅合金の素材を得た。
【0017】次に、これらの実施例及び比較例の素材を
熱間圧延することにより、直径8mmの線材を得た。続
いて、この線材を直径0.8mmまで伸線加工し、銅合
金線材とした。このようにして得られた銅合金線材につ
いて引張強度及び導電率を測定した。
【0018】これらの試験結果を下記表1及び2にまと
めて示す。なお、断線の発生の有無においては、伸線加
工の際に、銅合金線材に断線が発生しなかった場合を○
とし、断線が発生した場合を×とした。表1は本発明の
実施例であり、表2は比較例及び従来例である。この従
来例の線材は無酸素銅線である。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】上記表1に示すように、本発明の実施例1
乃至15においては、全て導電率が50%IACS以上
の高い導電性を有していると共に、引張強度が60kg
f/mm2 以上の高い強度を有している。
【0022】一方、比較例16及び17のように、銅に
希土類元素のみを添加した場合には、実施例に比較して
強度の向上が小さい。また、比較例18においては、希
土類元素のみを2.0重量%を超えて添加しているた
め、強度は向上するが、加工性が低下し、伸線加工中に
断線が発生した。更に、比較例19はAl添加量が0.
3重量%を超えているため、導電率の低下が著しかっ
た。比較例20はAl添加量が少ないため、強度向上効
果が得られていない。更にまた、従来例の純銅線材の場
合には、導電率は高いものの、強度は極めて低い。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る高強
度高導電率銅合金線材は、少なくとも1種の希土類元素
と、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZrからなる群
から選択された1種又は2種以上の元素とを所定の含有
量で含有するので、低加工率でも強度が向上すると共
に、導電率も50%IACS以上の高い導電性を有す
る。また、本発明方法においては、銅合金溶湯を還元性
雰囲気で鋳造することにより、希土類元素の鋳造時の酸
化を防止でき、所望の強度及び導電性を有する高強度高
導電率銅合金線材を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表の希土類元素から選択された少
    なくとも1種の元素を総量で0.01乃至2.0重量%
    含有し、更に、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZr
    からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を総
    量で0.01乃至0.3重量%含有し、残部が銅及び不
    可避的不純物からなることを特徴とする高強度高導電率
    銅合金線材。
  2. 【請求項2】 前記希土類元素がLa及びCeからなる
    群から選択された少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1に記載の高強度高導電率銅合金線材。
  3. 【請求項3】 周期律表の希土類元素から選択された少
    なくとも1種の元素を総量で0.01乃至2.0重量%
    含有し、更に、Mg、Al、Mn、Zn、Ni及びZr
    からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を総
    量で0.01乃至0.3重量%含有し、残部が銅及び不
    可避的不純物からなる溶湯を還元性雰囲気で鋳造して銅
    合金材を得る工程と、この銅合金材を熱間圧延及び冷間
    圧延して線材を得る工程とを有することを特徴とする高
    強度高導電率銅合金線材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記希土類元素がLa及びCeからなる
    群から選択された少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項3に記載の高強度高導電率銅合金線材の製造方
    法。
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