JP2677801B2 - ボイラ装置 - Google Patents

ボイラ装置

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JP2677801B2
JP2677801B2 JP62281063A JP28106387A JP2677801B2 JP 2677801 B2 JP2677801 B2 JP 2677801B2 JP 62281063 A JP62281063 A JP 62281063A JP 28106387 A JP28106387 A JP 28106387A JP 2677801 B2 JP2677801 B2 JP 2677801B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば発電所用ボイラなどのボイラ装置に
係り、特にボイラ本体を鉄骨構造体で吊り下げて支持
し、そのボイラ本体と鉄骨構造体との間に掛け渡される
振れ止め構造体に関するものである。 〔従来の技術〕 第59図ならびに第60図は、発電所用ボイラの支持構造
を説明するための概略構成図である。 同図に示すように、節炭器、蒸発器ならびに過熱器な
ど所定の熱交換器(いずれも図示せず)を内部に設置し
たボイラ本体8は、支持鉄骨6の頂部より多数の吊りボ
ルト9で吊り下げられている。 このような吊り下げ構造において、地震や強風などの
水平方向の外力がボイラ本体8や支持鉄骨6に作用する
と、支持鉄骨6は地中へ埋設された部分を基点として水
平方向に撓もうとし、その支持鉄骨6の頂部の撓み量に
応じてボイラ本体8が水平方向に平行移動しようとす
る。このような支持鉄骨6とボイラ本体8との間の相対
的な変位を防止するため、支持鉄骨6とボイラ本体8と
の間に振れ止め構造体10が設けられている。 この振れ止め構造体10は第59図に示すように垂直方向
に多数段に設けられているとともに、第60図に示すよう
に水平方向においても複数個設置されている。すなわち
第60図は第59図のF−F線上の断面概略構成図で、前記
振れ止め構造体10は同図に示すように前後、左右の2方
向の水平力が吸収できるように取付けられている。なお
この図において11は、ボイラ本体8に取付けられたバツ
クステーである。 第61図は、従来の振れ止め構造体の側面図である。同
図に示すように、支持鉄骨6からバツクステー11側に向
けてブラケツト15が突設されている。バツクステー11に
はピン12aが、またブラケツト15にはピン12bがそれぞれ
貫通しており、このピン12a、12bの上部どうしならびに
下部どうしは、連結ピン13を介して2本のリンク14、14
によつてそれぞれ連結されている。 従つてボイラ本体8の水平力はバツクステー11、ピン
12a、連結ピン13、リンク14、連結ピン13、ピン12b、な
らびにブラケツト15を経て支持鉄骨6に伝達されるよう
になつている。 前記リンク14、14がボイラ本体8の熱膨張による伸び
を拘束しないように振れ止め構造10は、2本のリンク14
と2本のピン12a、12bとによつてリンク機構を構成して
いる。 次にこのことについて第62図ならびに第63図を用いて
説明する。第62図はボイラ冷缶時の状態を説明するため
の図、第63図はボイラ運転時の状態を説明するための図
である。第62図に示すように冷缶時は、リンク14、14は
若干傾斜した状態にある。そしてボイラの運転を開始し
てボイラ本体8が熱膨張することにより、支持鉄骨6に
対してボイラ本体8が相対的に移動し、それによつて第
63図に示すようにリンク14がほぼ水平になるように設置
されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 近年、構造物の地震に対する安全性の要求と、電子計
算機の急速な発達に伴ない、構造物の耐震設計は従来実
施してきた静的耐震設計法に加えて、構造物の振動特性
を考慮した動的耐震設計法が実施されている。なお、静
的耐震設計法とは、構造物の振動特性に無関係に加速度
を設定し、その加速度に構造物の質量を乗じて設計地震
力を求め、構造物の各部材を設計する方法である。従つ
て発電所用ボイラにおいても、第64図に示すように支持
鉄骨6、振れ止め構造体10ならびにボイラ本体8を連設
した計算モデルで、水平方向の外力による動的解析を行
い、その解析結果を用いて支持鉄骨6のサイズなどを決
める設計法が実施されている。 振れ止め構造体は、例えば中小地震に対しては塑性変
形しないよう弾性設計する一方、極めてまれにしか発生
しない大地震などでは塑性変形を許容できるよう設計さ
れている。 ボイラ本体8は例えば幅が30m、奥行が35mの長さを有
し、内部に前述したような種々の熱交換器が設けられて
いることから、剛性が非常に大きく、一つの剛体として
とらえることができる。従つて水平方向の外力による動
的解析を行い、第65図に示す如くボイラ本体8と支持鉄
骨6との間に相対変位Δを生じると、振れ止め構造体10
のバネ剛性をKとすると、振れ止め構造体10にはフツク
の法則に従い、(1)式に示す作用力Fが生じる。 F=K・Δ ……(1) この式から明らかなように、作用力Fは振れ止め構造
体10のバネ剛性Kに比例して大きくなる。振れ止め構造
体10に発生した作用力Fは反力として支持鉄骨6に伝
達、吸収される。 従来の振れ止め構造体10では、リンク14のバネ剛性KL
はピン12のバネ剛性KPの約1/3〜1/5であるから、振れ止
め構造体10のバネ剛性はこのリンク14のバネ剛性に大き
く左右される。 第66図ないし第68図は従来のリンクを示す図で、第66
図はリンク14の側面図、第67図は第66図のH−H線上か
ら視た一部平面図、第68図は第66図のI−I線上の拡大
断面図である。これらの図に示すようにリンク14は2枚
のU型鋼17を合せ(第68図参照)、途中の隙間の所々に
挟み板16を配置してリンク14の強度を高めている。この
リンク14のバネ剛性KLは次の(2)式で表わすことがで
きる。 KL=A・E/LL ……(2) ここでLL:リンク14の長さ A:リンク14の断面積 B:リンク14の縦弾性係数 例えばリンク14の長さLLを4000mm、リンク14の断面積
Aを5000mm2、リンク14の縦弾性係数を21000kg/mm2
し、支持鉄骨6とボイラ本体8との間で相対変位Δが10
0mm生じた場合、リンク14に2526tonが作用することにな
り、この作用力Fを支持鉄骨6で吸収しなければならな
い。 このようにリンク14のバネ剛性が大きいと、そのバネ
剛性に比例した相対変位Δによる荷重が支持鉄骨6に伝
達される。従つて支持鉄骨6は、振れ止め構造体10より
伝達される荷重に対して十分に耐え得る強度を有する必
要がある。つまり振れ止め構造体10のバネ剛性が大であ
れば、それに応じて支持鉄骨6も大きくしなければなら
ない。 地震時に支持鉄骨6の負担するせん断力は、ボイラ本
体・支持鉄骨の連成系の動特性及び作用する地震波の特
性に依存する。しかし、概略的には、以上述べたように
振れ止め装置の剛性が大である程、支持鉄骨の負担する
せん断力は増加する傾向となる。 次に耐震性能上大きな意味を持つ変形性能について述
べる。第71図は第66図ないし第68図に示す従来のリンク
に、その弾性限界を超えるような地震力が繰り返して作
用した場合の、地震力と変形の関係を実験にて求めたも
のであり、復元力特性図と呼ばれるものである。同図に
示すように、変形特性は という曲線を描く。 これで明らかなように圧縮荷重により座屈現象が生じ
た後は、顕著な耐力低下があり、変形性能は極めて乏し
い。一般的に、このような繰り返し荷重が交互に作用す
る場合、履歴曲線に囲まれた面積に相当するエネルギは
部材が塑性変形することにより消費される。つまり、降
伏後に耐力低下が生じないで、安定して変形が進んでゆ
く。変形性能の優れた振れ止め装置であれば、大地震
時、ボイラ本体・支持鉄骨連成系の応答せん断力を低減
させる履歴減衰と呼ばれる減衰効果を生じることとな
る。 さらに、第71図に示した履歴線図より、引張,圧縮の
包絡線図として変形特性を表したものが第69図の曲線イ
である。この特性曲線イからも明らかなように、座屈開
始点dを越えると、リンク14の耐力が極端に低下し、以
降の変形性能が極めて乏しくなつているのが分かる。 このように座屈後の耐力が著しく低下することは、振
れ止め構造体10としての機能が発揮できなくなるという
ことであり、そうなると他の振れ止め構造体10に荷重が
伝達してしまう。このような現象が生じないようにする
ためには、振れ止め構造体10を機械的強度の点で十分に
余裕を持つたサイズにしなければならない。しかし、振
れ止め構造体10の各部のサイズを大きくするとバネ剛性
がさらに大となり、その結果支持鉄骨6のコストアツプ
を招来する。 次に、従来のボイラ装置における水平方向の外力によ
る動的解析の面における問題点について説明する。振れ
止め構造体10の変形特性は、リンク14の剛性KLとピン12
の剛性Kpとを合成することによつて得られる。従来の振
れ止め構造体10における変形特性を第70図に模式的に示
す。リンク14の剛性KLがピン12の剛性Kpに比べて小さい
ため、リンク14の変形特性が振れ止め構造体10の変形特
性を支配している。第70図に示す特性を有する振れ止め
構造体10に、圧縮力(+P)と引張力(−P)が作用し
た場合では変形特性が異なり非対称となるため、動解析
における振れ止め構造体10の計算モデル化が極めて困難
である。従つて動解析の計算モデル化作成においても、
従来の振れ止め構造体10は好ましくない。 以上述べたように従来のボイラ装置では、振れ止め構
造体10のバネ剛性が大きく、ボイラ本体8と支持鉄骨6
との間に相対変位Δが生じた場合、支持鉄骨6に大きな
反力が生じるから、支持鉄骨6のサイズが必然的に大き
くなるという欠点がある。 さらに、従来の振れ止め構造体10の復元力特性は弾性
限以上の圧縮力が作用した場合、リンク14が座屈して履
歴曲線に囲まれる面積も小さい。つまり、履歴減衰と呼
ばれる減衰効果が乏しいという欠点がある。 また、リンク14が座屈すると、耐力が著しく低下し、
そのため振れ止め構造体10が支持力を失うことになり機
能を果さなくなるという問題がある。 本発明の目的は、このような従来の問題点を解消し、
大地震時ボイラ本体と支持鉄骨との間に大きな相対変位
を生じても、振れ止め構造体の変形性能を改善し、履歴
減衰効果を大きくし、ボイラ本体の水平力を低減して、
支持鉄骨に伝達できるボイラ装置を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 前述の目的を達成するため、本発明は、振れ止め構造
体を主に例えばピンなどからなる第1部材と、例えばリ
ンクなどからなる第2部材とで構成し、その第2部材の
弾性限界強度が前記第1部材の最大曲げ強度よりも大き
くなるように設計し、例えば大地震などによつてボイラ
本体と支持鉄骨との間に生じる相対変位量が大きくなる
と、主として前記第1部材の曲げ変形によつて前記相対
変位が吸収されるように構成されていることを特徴とす
るものである。 〔実施例〕 次に本発明の各実施例を図面とともに説明する。第1
図ないし第14図は本発明の第1実施例を説明するための
図で、第1図は振れ止め構造体の取付け状態を示す一部
斜視図、第2図ならびに第3図は振れ止め構造体の平面
図ならびに側面図、第4図はリンクの斜視図である。 まずこれらの図を用いて、振れ止め構造体の構成につ
いて詳細に説明する。第1図に示すように、ボイラ本体
の外壁となるメンブレンパネル21の外側には、バツクス
テー22がそれぞれ固着されている。ボイラ本体の外周に
は支持鉄骨23が立設されており、この支持鉄骨23から前
記バツクステー22側に向けて突設されたブラケツト24
と、バツクステー22の端部付近にはそれぞれピン25a、2
5bがそれぞれ貫通している。 このピン25aと25bの上端部どうしならびに下端部どう
しを、連結ピン26を介してリンク27、27で連結し、ピン
25a、25b、連結ピン26ならびにリンク27によつてリンク
機構を構成している。 第2図ならびに第3図は振れ止め構造体の詳細図で、
バツクステー22のピン25aが貫通する部分の上下面には
補強リング28が固着されている。冷缶時には第2図に示
すように平面から視ても、また第3図に示すように側面
から視ても、ボイラ本体側のピン25aと支持鉄骨側のピ
ン25bとは水平方向にも、また垂直方向にも若干ずれて
おり、その結果リンク27、27が若干傾斜した状態にあ
る。図示していないが、ボイラの運転時にはボイラ本体
の熱膨張により、ピン25aがピン25bに対して相対的に移
動して、リンク27の傾斜がほぼなくなるように設計され
ている。 第4図は、前記リンク27の斜視図である。同図に示す
ようにリンク27は、背中合せになつた2本のU型鋼29
と、それらの両端部にそれぞれ挟まれた連結板30と、こ
れら連結板30の間にあつて前記U型鋼29によつて挟まれ
た挟み板31とから構成され、U型鋼29と連結板30との
間、ならびにU型鋼29と挟み板31との間は、それぞれ溶
接によつて一体化されている。 第5図は、振れ止め構造体のモデル図で、同図に示す
ようにピン25aの直径をD、ピン25aの有効長をLとして
いる。このピン25aの変形特性を把握するため、第6
図、第7図ならびに第8図に示すようにピン25aをモデ
ル化し、実寸の載荷実験を行い、その結果を第9図に示
した。なお、第7図の直線口は、ピン25aの軸心を通る
中立軸である。 ピン25aの表面a,bが降伏するときの荷重をPy、中央部
の曲げモーメントをMy、中央部の変形量をδyとする
と、Py、My、δyは次式で表わされる。 My=σy・Z ……(3) Py=4・My/L ……(4) δy=(Py・L3)/(48EI) ……(5) 式中のσy:25aの降伏応力 Z:ピン25aの断面係数で、 =(π/32)・D3 L:ピン25aの有効長 E:ピン25aの縦弾性係数 I:ピン25aの断面二次モーメント 第9図に示すように荷重Pが増加すると、ピン25a中
央部の変形量δも直線的に増加し、Pyを超えて荷重が増
加すると、ピン25aの曲げに対する中立軸(第7図直線
口)が降伏応力に達する。この時の荷重、曲げモーメン
トならびに変形量をそれぞれPp、Mp、δpとすれば、こ
れらは次式で表わされる。 Mp=σy・Zp ……(6) Pp=4・Mp/L ……(7) δp=(Pp・L3)/(48EI) ……(8) 式中のZp:塑性断面係数で、=D3/6 このようにピン25aの曲げに対する降伏応力に達する
(第9図O点→A点→B点)までは、荷重Pと変形量δ
はほぼ直線的に変化する。第9図のB点を超えて荷重P
を増加させていくと、荷重Pが微少でも増加すると変形
量δは大きく増加し、C点に至つてピン25aはついに破
断する。この破断するときの荷重ならびに曲げモーメン
トをPuならびにMuとすると、これらは次式で表わされ
る。 Mu=σu・Zp ……(9) Pu=4・Mu/L ……(10) 式中のσu:ピン25aの引張強さ 載荷実験によつて得られた変形特性、つまり荷重Pと
変形量δとの関係特性をピン中央部の曲げモーメントM
と端部の変形角θの関係に換算し、これら曲げモーメン
トMならびに変形角θをピン中央部の上下面a、b(第
7図参照)が降伏するときの曲げモーメントMy、変形角
θyで除して、M、θを無次元化し、M/Myとθ/θyの
関係についてまとめたものを第10図の曲線ハで示す。な
お、M、θは次式の関係式により換算したものである。 M=(P・L)/4 ……(11) θ=δ/(L/2) ……(12) ピン25aの長さを第10図の曲線ハのものよりも1.5倍長
くしたピンを用いて同様の実験、検討を行い、M/My、θ
/θyについてまとめたものを第10図の曲線ニで示す。 第10図に示す如く曲線ハと曲線ニがほぼ一致すること
から、ピンの長さLならびに直径Dが変化してもM/My、
θ/θyの関係は不変であることが分かつた。従つて第
10図の曲線ハ、ニを用いることにより、任意のピンの長
さL、ピンの直径Dに対する変形特性を得ることができ
る。この変形特性が得られれば、最大荷重Pu、破断時の
変形量δuならびに変形角θuが算出できる。 10図の曲線ハ(曲線ニ)を用いて任意のピン長さLと
ピン径Dに対する破断時の変形角θuを算出し、ピン長
さLとピン径Dの比L/Dと変形角θuをプロツトすると
第11図に示すような傾きをもつた直線となる。これによ
り破断時の変形角θuは、次式によつて算出される。な
お、式中のmはピンの材質によつて決まる係数である。 θu=m・L/D ……(13) この式(13)に前記式(12)のθu=δu/(L/2)を
代入すると、式(13)は次のようになる。 δu=(m/2)・(L2/D) ……(14) 従つてこの式(14)によりピン長さLとピン径Dが決
まると、破断時の変形量δuが算出される。 ボイラ本体と支持鉄骨の相対変位量をΔとすると、相
対変位量Δ<破断時の変形量δuの関係を満足するよう
に2本のピン25a、25bの長さL、直径Dを決定すれば、
ピン25a、25bは破断することなく、相対変位量Δを吸収
し、振れ止め構造体としての機能を果すことになる。こ
こで、相対変位量Δ<破断時の変形量δuとしたのは、
Δ≧δuだとピン25a、25bが破断するから、それを避け
るため相対変位量Δ<破断時の変形量δuとしなければ
ならない。 第12図はL2/Dと破断時の変形量δuとの関係を示す特
性図で、図中の領域ホは従来の振れ止め構造体に用いら
れていたピンの領域、領域へは本発明の実施例に係る振
れ止め構造体に用いるピンの領域である。この図から明
らかなように従来のものはL2/Dの値が高々1300程度であ
り、そのときのピンが最大荷重Puに達する時のδuは高
々40mm程度で、従来はハツチングAの範囲内でピンが使
用されていた。 例えばある種の事業用発電所のボイラ装置では支持鉄
骨の高さは約35mであり、ボイラ本体と支持鉄骨との間
に生じる相対変位量Δは、最下段で約60mmである。この
相対変位量Δは、支持鉄骨が高くなればなるほど必然的
に大となる。従つて従来のピンでは相対変位量Δがδu
を上回るため、ピンが破断してしまい、振れ止め構造体
としての機能が喪失してしまう。 そこで第12図より、δuを60mmとおくとピン条件のL2
/Dの値は2200となる。従つてピンのL2/Dの値が2200以上
になるように(同図においてハツチングBで示す領
域)、ピンの長さLと直径Dを選択することにより、ピ
ンが破断することなく、確実に相対変位量Δを吸収して
ボイラ本体の水平力を支持鉄骨に伝達することができ
る。 次に振れ止め構造体におけるピン25とリンク27との強
度関係について説明する。 振れ止め構造体に圧縮力が作用して、リンク27が座屈
してしまうと著しく耐力が低下し、履歴減衰効果が乏し
くなる。従つてリンク27は、ピン25が破断する前にリン
ク27が座屈したのでは振れ止め構造体としては望ましく
ない。そこでリンク27の座屈耐力(弾性限界強度)が、
ピン25の最大曲げ強度(第9図の最大荷重Pu)よりも大
になるように、リンク27の形状、長さならびに断面積な
どを決定する必要がある。なお、周知のようにリンク27
の引張強度は座屈耐力よりも大であるから、リンク27の
座屈耐力がピン25の最大曲げ強度よりも大であれば、引
張強度の方は問題でない。 振れ止め構造体のリンク27以外の部品ならびに部分に
ついても同様に、ピン25の最大曲げ強度よりも大きい強
度をもたせ、振れ止め構造体の変形個所をピン25のみと
して、変形個所を明解にしておく。 第13図(a),(b)は、ボイラ本体と支持鉄骨との
間に相対変位を生じた際のピン25a、25bの変形モードを
示す図で、第13図(a)は引張時の状態を、第13図
(b)は圧縮時の状態を、それぞれ示している。 前述のように変形個所をピンのみとし、リンクの座屈
耐力をピンの最大曲げ強度(最大荷重Pu)より大きくす
ることにより、振れ止め構造体の変形特性はピンの変形
特性が支配することになる。 この振れ止め構造体の変形特性を模式的に第14図に示
す。従来の振れ止め構造体では変形性能が乏しいのに対
し、本発明の振れ止め構造体はピンの長さを所定以上と
し、リンクの座屈耐力をピンの最大荷重以上とすること
により、振れ止め構造体の変形特性が大巾に改善されて
いる。即ち、本発明の振れ止め構造体は変形が大きくな
つて耐力低下がないので、変形性能に優れており、履歴
減衰効果が大きいので、ボイラ本体の水平力を低減して
支持鉄骨に伝達できる。また、この図から明らかなよう
に圧縮側(+P)と引張側(−P)の変形特性が同一で
かつシンプルであるため、振れ止め構造体における動解
析の計算モデル化が極めて容易である。 第15図ないし第16図は本発明の第2実施例を説明する
ための図で、第15図は振れ止め構造体の平面図、第16図
はそれの側面図である。 この実施例に係る振れ止め構造体の場合、支持鉄骨側
に設けられた床31とその上の床31(第16図参照)との間
に、中空状の四角柱からなるポスト32が渡されている。
そしてボイラ本体側からは前記ポスト32の両側面を挟む
ように2つのブラケツト33が突設され、第15図に示すよ
うにポスト32とブラケツト33とが係合している。 ブラケツト33(ボイラ本体)はポスト32に対して、第
15図に示す矢印X方向ならびに第16図に示す矢印Y方向
にスライド可能で、そのスライドによつてボイラ本体の
熱膨脹による伸びが吸収できるようになつている。一
方、第15図に示すような矢印Z方向に作用する水平力は
拘束されるようになつており、ブラケツト33の弾性限界
強度が前記ポスト32の最大曲げ強度(最大荷重Pu)より
も大になるように、各部のサイズが設計されている。従
つてこの実施例の場合、振れ止め構造体の変形個所をポ
スト32に特定している。 第17図ならびに第18図は本発明の第3実施例を説明す
るための図で、第17図は振れ止め構造体の平面図、第18
図はそれの側面図である。 この実施例の振れ止め構造体の場合、バツクステー22
とその上のバツクステー22との間に、H形鋼からなるポ
スト34が渡されている。このポスト34の中間部と、支持
鉄骨23のポスト34の中間部分と対向する位置にそれぞれ
ブラケツト35が突設され、両ブラケツト35間にリンク36
が掛け渡されている。 従つてこの実施例の場合、リンク36の座屈耐力(弾性
限界強度)が前記ポスト34の最大曲げ強度(最大荷重P
u)よりも大きくなるように設計され、振れ止め構造体
の変形個所がポスト34に特定されている。 第19図ならびに第20図は本発明の第4実施例を説明す
るため図で、第19図は振れ止め構造体の平面図、第20図
はそれの側面図である。 この実施例の場合も前記第3実施例と同様に、バツク
ステー22とその上のバツクステー22との間にH形鋼から
なるポスト34が渡されている。そしてポスト34の中間部
分と、支持鉄骨23のポスト34の中間部分と対向する位置
にそれぞれブラケツト35が突設され、各ブラケツト35に
ピン37が貫通している。このピン37の上端部どうしなら
びに下端部どうしを、それぞれリンク36で連結してい
る。 この実施例の場合、リンク36の座屈耐力(弾性限界強
度)が前記ポスト34ならびにピン37の最大曲げ強度(最
大荷重Pu)よりも大きく設計されており、振れ止め構造
体の変形個所がポスト34またはピン37に特定されてい
る。 第21図ならびに第22図は本発明の第5実施例を説明す
るためのもので、第21図は振れ止め構造体の平面図、第
22図はそれの側面図である。 この実施例の場合、支持鉄骨23側に所定の間隔をおい
て上下方向にブラケツト39、39が突設され、このブラケ
ツト39の間にピン40が架設されている。一方、ボイラ本
体からはブラケツト41が突設され、第21図に示すように
そのブラケツト41に設けられた楕円穴42に前記ピン40が
貫通し、ブラケツト41によつてピン40が挟まれた状態に
なつている。 この振れ止め構造体においても、第21図ならびに第22
図に示す矢印X方向ならびに矢印Y方向への膨張ならび
に収縮は許容するが、矢印Zの水平力を拘束する構造に
なつている。そしてブラケツト39ならびに41の弾性限界
強度がピン40の最大曲げ強度(最大荷重Pu)よりも大き
く設計されており、振れ止め構造体の変形個所がピン40
に特定されている。 第23図ならびに第24図は本発明の第6実施例を説明す
るための図で、第23図は振れ止め構造体の平面図、第24
図はそれの側面図である。 この実施例に係る振れ止め構造体の場合、ボイラ本体
側に固定されたバツクステー22とその上方のバツクステ
ー22との間に、ピン43を架設する。一方、支持鉄骨23側
からは第23図に示すように前記ピン43を挟むようにブラ
ケツト44を突設する。従つてこれらの図において、矢印
X方向ならびに矢印Y方向へのスライドは可能である
が、矢印Z方向の水平力は拘束するようになつている。
そして前記ブラケツト44の弾性限界強度が、ピン43の最
大曲げ強度(最大荷重Pu)よりも大きくなるように設計
されており、振れ止め構造体の変形個所がピン43に特定
されている。 第25図ならびに第26図は本発明の第7実施例を説明す
るためのもので、第25図は実施例に係る振れ止め構造体
の平面図、第26図はそれの側面図である。 この実施例の振れ止め構造体の場合、第26図に示すよ
うに支持鉄骨23側に所定の間隔をおいて上下方向にブラ
ケツト45、45が突設され、そのブラケツト45間にピン46
が架設されている。一方、ボイラ本体側には前記ピン46
を挟むように2つのブラケツト47が突設されている。 そしてブラケツト45、47の弾性限界強度は、ピン46の
最大曲げ強度(最大荷重Pu)よりも大きく設計されてい
る。 第27図ならびに第28図は本発明の第8実施例を説明す
るための図で、第27図は振れ止め構造体の平面図、第28
図はそれの側面図である。 この実施例に係る振れ止め構造体の場合、ボイラ本体
側に固着されたバツクステー22には、油圧防振器取付台
47ならびに油圧防振器サポート48を介して、油圧ピスト
ンからなる油圧防振器49が取付けられている。この油圧
防振器49は、通常ボイラ装置に用いられるポペツト弁を
有するもので詳細な説明は省略する。この油圧防振器49
のピストンロツド側には、連結板50が設けられている。
一方、支持鉄骨23側の前記連結板50と対向する側にブラ
ケツト51が突設され、連結板50とブラケツト51にはそれ
ぞれピン52a、52bが貫通している。そして各ピン52a、5
2bの上下両端部は、リンク53によつて連結されている。 この振れ止め構造体では、油圧防振器49ならびにリン
ク53の座屈耐力(弾性限界強度)がピン52の最大曲げ強
度よりも大きく設計され、変形個所がピン52に特定され
ている。 第29図ならびに第30図は本発明の第9実施例を説明す
るための図で、第29図は振れ止め構造体の側面図、第30
図はそれの平面図である。 この実施例に係る振れ止め構造体の場合、ボイラ本体
側には油圧防振器取付台54を介して油圧防振器55が固着
され、その油圧防振器55のピストンロツド側には連結板
56が設けられている。 一方、支持鉄骨23の連結板56と対向する側にはブラケ
ツト57が突設され、前記連結板56を貫通してブラケツト
57間にピン58が渡されている。そして油圧防振器55なら
びにブラケツト57の弾性限界強度は、前記ピン58の最大
曲げ強度よりも大きく設計されている。 本発明の第2〜9実施例も第1実施例と同様に変形性
能に優れており履歴減衰効果が大きいので、ボイラ本体
の水平力を低減して支持鉄骨に伝達できる。また、圧縮
・引張側の変形特性が同一で、かつシンプルであるた
め、振れ止め構造体における動解析の計算モデル化が極
めて容易である。 今までは直線状のリンクを用いた実施例について説明
したが、リンクの形状を変更することもできる。第31図
は、前述した直線状リンクのバネ剛性算出モデルを示す
図である。 このリンクのバネ剛性K1は、次式によつて求められ
る。 K1=A・E/L ……(15) 式中のA:リンクの断面積 E:リンクの縦弾性係数 L:リンク長さ 一方、リンクの中央部を屈曲してくの字形にした場合
のバネ剛性算出モデルを第32図に示す。なお、第31図な
らびに第32図において、太い実線で示している部分がリ
ンクに相当する。第32図に示すリンクのバネ剛性K2は、
次式によつて求めることができる。 式中のI:リンクの断面二次モーメント e:リンクの偏心量 リンクの偏心量eをリンク長さLの10%にすると、リ
ンクのバネ剛性K2は同一サイズの直線状リンクのバネ剛
性K1の約1/5となる。従つてこのようなリンクを使用す
れば、ボイラ本体と支持鉄骨との間に相対変位が生じて
も、リンクの方もある程度変形させることができるた
め、支持鉄骨への荷重の伝達を有効に軽減できる。 第33図ならびに第35図はこの「く」の字形のリンクを
用いた本発明の第10実施例を説明するための図で、第33
図は振れ止め構造体の側面図、第34図はそれに用いるリ
ンクの側面図、第35図はそのリンクの挙動を示す説明図
である。 この実施例の振れ止め構造体の場合、第33図に示すよ
うにボイラ本体に固着されたバツクステー59の端部に、
ピン60aが貫通している。一方、支持鉄骨61のバツクス
テー59に対向する側にはブラケツト62が突設され、それ
にもピン60bが貫通している。そして前記ピン60a、60b
の上端部どうしならびに下端部どうしを連結するように
リンク63が掛け渡されている訳であるが、これらリンク
63はそれぞれ上下方向に向いて突出した「く」の字形の
もので、連結ピン64を介してピン60a,60bにそれぞれ連
結されている。この実施例の場合もリンク63の座屈耐力
が、ピン60の最大曲げ強度よりも大きく設計されてい
る。 第35図に示すようにこのリンク63に引張荷重Pが作用
して、リンク63が伸び切つたときに所定のリンク軸方向
変形量δhが得られるように、リンク63が「く」の字形
に屈曲されている。 第34図のA付近は応力が集中しやすいから、同図に示
すように屈曲部は滑らかな円弧形状R1、R2に仕上げら
れ、応力集中を避けて、リンク63にバネ性をもたせてい
る。直線状のリンクに作用する荷重が軸力であるのに対
し、この実施例のように「く」の字形のリンクの場合
は、軸力と曲げモーメントとが作用する。その結果、バ
ネ剛性を小さくすることができる。 この実施例に係るリンクの作用荷重Pと軸方向変形量
δhの関係について実験を行い、その結果を第36図の曲
線トで示す。なお図中の曲線イは、従来の直線状リンク
の場合と同様の特性曲線である。 図中の0を中心とした曲線の傾きKがリンクのバネ剛
性を意味し、曲線イに比較して曲線トの傾きは約1/5
で、従つて「く」の字形のリンクを用いることにより、
バネ剛性を1/5以下にすることができ、バネ弾性の付与
に効果的である。 また、各曲線イ、トのa点ならびにb点が座屈開始点
であり、直線状リンク(曲線イ)の場合は、座屈すると
耐力が極端に低下するが、「く」の字形リンク(曲線
ト)の場合は、座屈後の耐力は僅かに低下する程度であ
る。従つて、「く」の字形リンクは変形吸収能力に富
み、履歴減衰効果が優れていることがわかる。 第33図に示す振れ止め構造体はピン60のみならず、リ
ンク63も塑性曲げ変形するので、本発明の第1〜9実施
例よりもさらに変形性能が優れている。したがつて、ボ
イラ本体の水平力をさらに低減して、支持鉄骨に伝達で
きる。 第37図は、リンク63の第1変形例を示す図である。こ
の変形例のリンク63は、全体が同一の厚さを有し、図に
示すように両端Cから中央部Bに向かつて幅が徐々に広
くなつており、従つてリンク63の断面積は端部Cから中
央部Bに向かつて順次大きくなるように設計され、各部
に作用する応力が等しくなるようにしてある。このリン
ク63に発生する曲げモーメントは、端部Cで零、中央部
Bで最大となり、B−C間は直線的に変化している。 第34図に示すリンクの場合はいずれの個所も断面積が
等しいため、中央部Aに最大応力が生じ、中央部A付近
の変形量が全変形量の大部分を占める。これに対して第
37図に示されているリンク63の場合は前述のように等応
力分布になるように、B−C間の断面積を徐々に変化さ
せているため、B−C間の全範囲で変形でき、そのため
にリンク63のバネ剛性がさらに小さくなる。 「く」の字形のリンクは面内曲げモーメントによつて
荷重伝達するようにしているので、リンクが面外に変形
したのでは振れ止め構造体としての機能は果さなくな
る。リンクが面外に変形しないようにするためには、リ
ンクの板厚を厚くしたり、面外曲げ剛性を面内曲げ剛性
よりも大きくしたりする手段がある。 しかし、リンクの板厚を厚くすると、リンク自体の重
量が増加するとともに、リンクを支持する連結ピンも大
きくなり、結果的に振れ止め構造体の総重量が増加し、
材料、製作コストの上昇を招くため好ましくない。 このような難点を解決したのが、次の第2変形例のリ
ンクである。第38図はこの変形例に係るリンクの側面
図、第39図は第38図D−D線上の平面図、第40図は第38
図E−E線上の拡大断面図である。 この変形例のリンク65は曲げ応力に有利なH形鋼を使
用し、それを「く」の字形に折り曲げている。これだけ
ではリンク65の中央部に応力が集中し、ウエブ部分は面
外に変形しようとする。この部分が変形するとリンク65
は靭性を失い、耐力が低下してしまう。その対策とし
て、リンク65の中央部に複数枚のリブ66が所定の間隔を
おいて溶接され、これによつて面外への変形が防止さ
れ、リンク65の軽量化と耐力向上が図れる。 第41図ないし第43図はリンクの第3変形例を説明する
ための図で、第41図はリンクの側面図、第42図は第41図
F−F線上から視た一部平面図、第43図は第41図G−G
線上の拡大断面図である。 この変形例に係るリンク67は、それの中央折り曲げ部
のウエブ部分を切除して開口部68とし、第43図に示すよ
うに前記開口部68の両側にあるフランジ部69が面内方向
に変形し易くしたものである。このようにフランジ部69
が面内に変形できると、リンクの耐力を失うことなく、
リンクの軸方向変形量δhが大となり、リンクのバネ剛
性はさらに小さくなる。 前述のように中央折り曲げ部のウエブ部分を切除する
ことによつてフランジ部69の機械的強度が確保できない
場合には、カバープレート70で補強するとよい。なお、
この変形例ではフランジ部69とカバープレート70とをボ
ルト71で連結したが、溶接によつて一体構造としてもよ
い。 第44図ならびに第45図はリンクの第4変形例を示す図
で、第44図はリンクの側面図、第45図は第44図H−H線
上の平面図である。 この変形例に係るリンク72は全体が円弧状をしてお
り、しかもそれの断面形状は円筒状になつている。この
ように円弧状のリンクを用いることにより、軸荷重がリ
ンク72を伝達する際に滑らかに伝達できるので、座屈後
にリンク72の耐力が極端に低下することがない。また、
リンク72の断面形状が円筒状であるから、リンク72が極
部座屈して面外に変形することがなく、この点からも座
屈後の耐力が著しく低下することが防止できる。従つ
て、変形吸収能力が向上し、しいては履歴減衰効果を高
めることができる。 第46図、第47図ならびに第48図は、リンクの第5変形
例、第6変形例ならびに第7変形例を説明するための図
である。 第46図に示すリンク73はコ字状に屈曲され、第47図に
示すリンク74はN字状に屈曲されている。このように折
り曲げ個所を増やすことにより、リンク73、74のバネ剛
性を小さくすることができる。 第48図に示すリンク75はΩ(オメガ)状にわん曲され
ており、円弧部分の曲率半径を小さくすることによつ
て、円弧部分の曲げ剛性を小さくして、リンク75のバネ
剛性を小さくしている。 リンクの第1〜7変形例は第33図に示す「く」の字形
リンク63よりもさらに変形性能を改善したものである。
従つてボイラ本体の水平力をさらに低減して支持鉄骨に
伝達できる。 第49図ならびに第50図は従来の挟みタイプの振れ止め
構造体の平面図ならびに側面図、第51図はその振れ止め
構造体の荷重−変形特性図である。 第49図ならびに第59図に示すように、支持鉄骨76の両
側面を挟むように2本のラグ77a、77bがボイラ本体78側
から突設されている。この振れ止め構造体は、ボイラ本
体78が運転中に熱膨張するため、上下方向ならびに水平
一方向への移動は妨げないようになつており、他の水平
一方向(第49図のX方向)にのみ力を伝達する構造にな
つている。 第49図ならびに第50図に示す振れ止め構造体は、大地
震などに対しては塑性変形を許容するように設計されて
いるが、著しい耐力低下や破断に至ると、ボイラ本体78
と支持鉄骨76とが切り離された状態となつて、双方が別
々に振動するようになり、ボイラ本体78と支持鉄骨76と
が衝突して重大な損傷を発生する恐れがある。つまり、
大地震のときに振れ止め構造体が塑性変形することによ
つて、ボイラ本体78や支持鉄骨76の過大損傷を防止して
転倒や崩壊などの重大災害を防ぐように、耐力を保有し
ながら塑性変形するとともに振れ止め構造体の塑性変形
による履歴減衰効果により減衰を高める。換言すれば、
変形吸収能力を持ちながら塑性変形する振れ止め構造体
が望ましい。 第49図ならびに第50図に示す従来の振れ止め構造体の
場合、地震力は往復運動であるから、今仮に+X方向に
過大な力が作用すると右側のラグ77aが変形して、逆に
−X方向に力が作用すると左側のラグ77bが変形し、こ
のような力の作用が繰返されることになる。 第51図に示すように従来の振れ止め構造体の荷重−変
形特性は、0→イ→ロ→ハ→ニ→0→ホ→ト→チ→リ→
ニ→ヌ→ル→ヲ→ワ→カ……のような履歴曲線を描きな
がら、ラグ77a、77bが塑性変形によつて各サイクル毎に
ギヤツプmがm1,m2と徐々に広がつていく。このように
ギヤツプが広がつていくと滑らかな荷重伝達ができず、
ボイラ本体78ならびに支持鉄骨76に衝撃力が作用する。
さらに、ギヤツプmが各サイクル毎に広がることは履歴
曲線によつて囲まれる面積、つまり履歴減衰効果が乏し
い欠点がある。 また、一方向の力に対して片側のラグ77でしか受け持
たないので、中小地震に対して機械的強度を満足させる
ために形状が大きくなり、剛性が増しフレキシビリテイ
(可撓性)の欠ける構造体となり、従つて従来の振れ止
め構造体は変形吸収能力がほとんどない構造体であつ
た。 さらに従来のものは、ラグに対する荷重の作用点位置
が、荷重の大小ならびに変形の大小によつて不明確とな
るなどの問題点を有している。 第52図ないし第55図は本発明の第11実施例を説明する
ための図で、第52図ならびに第53図は実施例に係る振れ
止め構造体の平面図ならびに側面図、第54図はその振れ
止め構造体の荷重−変形特性図、第55図はその振れ止め
構造体の連結金具取付位置aと荷重作用点間距離lとの
比率(a/l)と、各ラグの曲げモーメント負担割合(Mb/
Ma)との関係を示す特性図である。 第52図ならびに第53図に示すように、支持鉄骨79の両
側面を挟むように2本のラグ80a、80bがボイラ本体78か
ら突出している。そしてこのラグ80a、80bは第53図に示
すように上、下面がピン81を介して連結金具82によつて
連結されている。このようにピン81ならびに連結金具82
を介して両方のラグ80a、80bを一体に連結することによ
り、曲げモーメントは伝達しないで、垂直荷重のみを伝
達する構造となる。 またラグ80a、80bの支持鉄骨79と接触する位置には、
曲面を有する支持点金具83が固着されて、ラグ80と支持
鉄骨79とが一点で接触するようになつている。 ボイラ本体78は支持鉄骨79に対して上、下方向(第53
図のY方向)ならびに水平一方向(第52図のZ方向)に
は自由に伸び、水平他方向(第52図のX方向)について
は移動を拘束する構造になつている。 今、仮に地震によつて+X方向に水平力Wが作用する
と、その力の一部はラグ80aの取付部に伝達され、他の
力は連結金具82を介して他方のラグ80bの取付部に伝達
される。従つて水平力Wは、ラグ80a、80bの2本で負担
することになる。大地震のように過大な荷重が作用した
時、ラグ80a、80bの取付部強度より連結金具82の強度を
十分に上回るように設計しておけば、2本のラグ80a、8
0bが塑性変形し、この変形状態は第52図で2点鎖線で示
すようになる。 またそのときの荷重−変形特性は第54図に示すように
0→イ→ロ→ハ→ニ→ホ……の特性曲線を描き、支持鉄
骨79とラグ80a、80bとの間にギヤツプは全く生じない
で、支持鉄骨79とラグ80a、80bとの間に衝突がなく、滑
らかな荷重伝達ができる。さらに、履歴曲線で占められ
る面積が大きくなるから減衰効果が優れている。 作用する水平力Wに対して2本のラグ80a、80bが均等
に力を受け持つには、ラグ80a、80bの取付部の曲げモー
メントMa、Mbが均等になるようにすればよい。連結金具
取付位置がラグ取付部の曲げモーメントの発生比率に及
ぼす影響を第55図に示す。この図の横軸に、第52図に示
すように、ラグ80の取付位置から荷重作用点までの距離
lに対する、ラグ80の取付位置から連結金具82の取付位
置までの距離aの比率(a/l)をとつている。また縦軸
には、ラグ80aと80bの取付部でのそれぞれの曲げモーメ
ントの割合(Mb/Ma)をとつている。 この図から明らかなように、連結金具取付位置aは荷
重作用点距離lの約60%以上であれば曲げモーメントの
負担割合は70%となり、2本のラグ80a、80bが比較的均
等に力を受持つことができる。このようにラグ80a、80b
の負担割合を均等化することによつて、ラグ80a、80bの
形状が小さくでき、そのために可撓性が出てくる。 またこの実施例のように、支持点金具83を取付けるこ
とによつて、荷重作用点が明確になり、従つて荷重作用
点間距離lと連結金具取付位置aとの比率(a/l)が常
に明確となる。 この実施例では中空状で箱型のラグ80a、80bを用いた
が、円筒状または中実状のものでもよい。また前記実施
例ではラグ80、80bと連結金具82とをピン81で連結した
が、連結手段は必ずしもピンでなくてもよく、要は双方
の金具が曲げモーメントを拘束しない構造であればよ
い。 第56図は、本発明の第12実施例を説明するための振れ
止め構造体の平面図である。 この実施例で前記第11実施例と相違する点は、ラグ80
a、80bの断面積が軸方向に沿つて不等となつている点で
ある。すなわち、曲げモーメントに対して等応力状態と
なるように、ラグ80a、80bの取付部から作用点側に向け
て、曲げモーメントに応じて徐々に小さくなるように設
計されている。このようにすることにより、ラグ80a、8
0bの曲げ剛性が小さくでき、よつて可撓性を高めて変形
吸収能力を増大することができる。 第57図は、本発明の第13実施例を説明するための振れ
止め構造体の平面図である。 この実施例で前記第11実施例と相違する主な点は、連
結金具取次位置aと荷重作用点間距離lとが等しくなつ
ており、そのために連結金具82の形状が支持鉄骨79を避
けるように平面形状が広角のコ字形になつている。この
ように荷重作用点間距離lに対する連結金具取次位置a
の比率を大きくすると(a=l)、双方のラグ80a、80b
の曲げモーメントの均等化を図ることができる。 第58図は、本発明の第14実施例を説明するための振れ
止め構造体の平面図である。 この実施例で前記第11実施例と相違する主な点は、連
結金具取付位置aが荷重作用点間距離lよりも長く(a
>l)設計されている点である。この実施例は、ボイラ
本体78と支持鉄骨79との距離が短い場合で、双方のラグ
80a、80bの分担する曲げモーメントを均等化するのに好
適である。 前記第13実施例ならびに第14実施例では、第12実施例
と同様に軸方向の断面積を不等にしたラグ80a、80bを用
いたが、軸方向に沿つて等しい断面積を有するものであ
つても構わない。 以上説明した本発明の第11〜14実施例も第1実施例と
同様に振れ止め構造体の変形性能が優れており、履歴減
衰効果が大きいので、ボイラ本体の水平力を低減して支
持鉄骨に伝達できる。また、+X,−X方向の変形特性が
同一でかつシンプルであるため、振れ止め構造体におけ
る動解析の計算モデル化が極めて容易である。 〔発明の効果〕 本発明は前述したように、ボイラ本体と支持鉄骨とを
連結する振れ止め構造体が主に第1部材と第2部材とか
ら構成されている。そして第2部材の座屈耐力(弾性限
界強度)が前記第1部材の最大曲げ強度よりも大きく設
計され、ボイラ本体と支持鉄骨との間に生じる相対変位
量が所定以上になると、主として前記第1部材の曲げに
よつて前記相対変位を吸収するように構成されている。 従つて大地震などによつてボイラ本体と支持鉄骨との
間に大きな相対変位が生じても、本発明の振れ止め構造
体の変形性能が優れており、履歴減衰効果が大きいの
で、振れ止め構造体の機能を喪失することなく、ボイラ
本体の水平力を低減して支持鉄骨に伝達できる。
【図面の簡単な説明】 第1図ないし第14図は本発明の第1実施例を説明するた
めの図で、第1図は振れ止め構造体の取付け状態を示す
一部斜視図、第2図ならびに第3図は振れ止め構造体の
平面図ならびに側面図、第4図はその振れ止め構造体に
用いられるリンクの斜視図、第5図は振れ止め構造体の
モデル図、第6図、第7図ならびに第8図は振れ止め構
造体に用いるピンの荷重に対する曲げモーメント等を説
明するためのモデル図、第9図はそのピンの荷重Pと変
形量δとの関係を示す特性図、第10図はそのピンの変形
角θ/θyと曲げモーメントM/Myとの関係を示す特性
図、第11図はピンの寸法条件(L2/D)と変形角θuとの
関係を示す特性図、第12図はピンの寸法条件(L2/D)と
破断時の変形量δuとの関係を示す特性図、第13図
(a)ならびに(b)は引張時ならびに圧縮時における
ピンの変形モードを示すモデル図、第14図はこの実施例
に係る振れ止め構造体の変形特性図である。 第15図ならびに第16図は、本発明の第2実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第17図ならびに第18図は、本発明の第3実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第19図ならびに第20図は、本発明の第4実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第21図ならびに第22図は、本発明の第5実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第23図ならびに第24図は、本発明の第6実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第25図ならびに第26図は、本発明の第7実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第27図ならびに第28図は、本発明の第8実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第29図ならびに第30図は、本発明の第9実施例に係る振
れ止め構造体の平面図ならびに側面図である。 第31図は直線状リンクのバネ剛性算出用のモデル図、第
32図は「く」の字状リンクのバネ剛性算出用のモデル図
である。 第33図ないし第36図は本発明の第10実施例を説明するた
めの図で、第33図は振れ止め構造体の側面図、第34図は
その振れ止め構造体に用いるリンクの側面図、第35図は
そのリンクの挙動を示すモデル図、第36図は荷重Pと変
形量δhとの関係を示す特性図である。 第37図は、リンクの第1変形例を示す側面図である。 第38図は第2変形例に係るリンクの側面図、第39図は第
38図D−D線上の平面図、第40図は第38図E−E線上の
拡大断面図である。 第41図は第3変形例に係るリンクの側面図、 第42図は第41図F−F線上の平面図、第43図は第41図G
−G線上の拡大断面図である。 第44図は第4変形例に係るリンクの側面図、第45図は第
44図H−H線上の平面図である。 第46図、第47図ならびに第48図は、第5変形例、第6変
形例ならびに第7変形例に係るリンクの側面図である。 第49図ならびに第50図は従来の挟みタイプの振れ止め構
造体の平面図ならびに側面図、第51図はその振れ止め構
造体の荷重−変形特性図である。 第52図ないし第55図は本発明の第11実施例を説明するた
めの図で、第52図ならびに第53図は振れ止め構造体の平
面図ならびに側面図、第54図は振れ止め構造体の荷重−
変形特性図、第55図はその振れ止め構造体の連結金具取
付位置aと荷重作用点間距離lとの比率(a/l)と各ラ
グの曲げモーメント負担割合(Mb/Ma)との関係を示す
特性図である。 第56図は本発明の第12実施例に係る振れ止め構造体の平
面図、第57図は本発明の第13実施例に係る振れ止め構造
体の平面図、第58図は本発明の第14実施例に係る振れ止
め構造体の平面図である。 第59図ならびに第60図は、発電所用ボイラの支持構造を
示すための概略構成図である。 第61図ないし第70図は従来の振れ止め構造体を説明する
ための図で、第61図は振れ止め構造体の側面図、第62図
ならびに第63図は冷缶時ならびにボイラ運転時における
振れ止め構造体のリンクの状態を説明するための概略構
成図、第64図ならびに第65図はボイラ本体と支持鉄骨と
の相対変位を説明するためのモデル図、第66図はリンク
の平面図、第67図は第66図のH−H線上の平面図、第68
図は第66図のI−I線上の拡大断面図、第69図はリンク
への荷重Pとリンクの軸方向変形量δhとの関係を示す
特性図、第70図は振れ止め構造体の変形特性図、第71図
は従来のリンクの復元力特性図である。 21……メンブレンパネル、22、59……バツクステー、2
3、61、76、79……支持鉄骨、24、33、35、39、41、4
4、45、51、57、62……ブラケツト、25a、25b、37、4
0、43、46、52、58、60a、60b……ピン、26……連結ピ
ン、27、36、53、6365、67、72、73、74、75、……リン
ク、31……床、32、34……ポスト、49、55……油圧防振
器、66……リブ、78……ボイラ本体、80……ラグ、連結
金具、83……支持点金具。
フロントページの続き (72)発明者 楠部 辰一 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 今村 正勝 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (72)発明者 渡部 恒夫 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社呉工場内 (56)参考文献 特開 昭62−66005(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ボイラ本体を支持鉄骨で吊り下げて支持し、そのボ
    イラ本体と支持鉄骨との間を振れ止め構造体で連結して
    なるボイラ装置において、 前記振れ止め構造体に主は第1部材と第2部材とから構
    成され、その第2部材の弾性限界強度が前記第1部材の
    最大曲げ強度よりも大きく設計され、ボイラ本体と支持
    鉄骨との間に生じる相対変位量が所定以上になると、主
    として前記第1部材の曲げによつて前記相対変位が吸収
    されるように構成されていることを特徴とするボイラ装
    置。 2.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第2
    部材の弾性限界強度が座屈強度であることを特徴とする
    ボイラ装置。 3.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第2
    部材の弾性限界強度が引張強度であることを特徴とする
    ボイラ装置。 4.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第1
    部材がボイラ本体側ならびに支持鉄骨側に固着されたピ
    ンで、前記第2部材がそれらピンの間を連結する連結部
    材であることを特徴とするボイラ装置。 5.特許請求の範囲第(4)項記載において、前記ボイ
    ラ本体側ならびに支持鉄骨側に固着されたピンの両端部
    が各々突出しており、そのピンの上端部どうしならびに
    下端部どうしが前記連結部材でそれぞれ連結されて、リ
    ンク機構を構成していることを特徴とするボイラ装置。 6.特許請求の範囲第(4)項または第(5)項記載に
    おいて、前記ボイラ本体側に固着されるピンがボイラ本
    体側のバツクステーを貫通していることを特徴とするボ
    イラ装置。 7.特許請求の範囲第(5)項記載において、前記ピン
    の直径Dに対するピンの長さLの比率(L2/D)が2200以
    上であることを特徴とするボイラ装置。 8.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第1
    部材が支持鉄骨の上、下方向に所定の間隔をおいて設け
    られた床と床の間に渡されるポストからなり、前記第2
    部材がボイラ本体から突出されてポストの両側面を挟む
    ブラケツトからなることを特徴とするボイラ装置。 9.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第1
    部材がボイラ本体の上、下方向に所定の間隔をおいて設
    けられたバツクステーとバツクステーとの間に渡される
    ポストからなり、前記第2部材が支持鉄骨側から突出さ
    れて前記ポストと回転可能に連結されたリンクからなる
    ことを特徴とするボイラ装置。 10.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第
    1部材が、ボイラ本体の上、下方向に所定の間隔をおい
    て設けられたバツクステーとバツクステーとの間に渡さ
    れたポストと、そのポストの中間部分にブラケットを介
    してポストと平行に取付けられたピンと、支持鉄骨側に
    前記ピンと平行に固着されたピンとから構成され、前記
    第2部材が、前記ピンの上部どうしならびに下部どうし
    を連結するリンクから構成されていることを特徴とする
    ボイラ装置。 11.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第
    2部材がボイラ本体側ならびに支持鉄骨側からそれぞれ
    突出されたブラケツトからなり、前記第1部材がボイラ
    本体側ブラケツトから支持鉄骨側ブラケツトに向かつて
    掛け渡されたピンからなり、前記ボイラ本体側ブラケツ
    トならびに支持鉄骨側ブラケツトのいずれか一方のブラ
    ケツトが、前記ピンに対して一つの水平方向にスライド
    可能になつていることを特徴とするボイラ装置。 12.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第
    2部材が、ボイラ本体側の上、下方向に所定の間隔をお
    いて設けられたバツクステーと、支持鉄骨側から突出さ
    れてブラケツトとからなり、前記第1部材がバツクステ
    ー間に架設されたピンからなり、ブラケツトによりピン
    の中間部が挟持されていることを特徴とするボイラ装
    置。 13.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記ボ
    イラ本体側に油圧防振器が固着され、その油圧防振器の
    ピストンロツド側に取付けられた連結板に第1ピンが貫
    通され、前記支持鉄骨側から突出されたブラケツトに第
    2ピンが貫通されて、前記第1ピンならびに第2ピンの
    上端部どうしならびに下端部どうしをそれぞれ連結する
    ようにリンクが渡されて、前記ピンが第1部材、前記油
    圧防振器ならびにリンクが第2部材になつていることを
    特徴とするボイラ装置。 14.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第
    1部材がボイラ本体側に固着された油圧防振器と、支持
    鉄骨側に上、下方向に所定の間隔をおいて突設されたブ
    ラケツトからなり、前記第1部材が前記油圧防振器のピ
    ストンロツドに取付けられた連結板を貫通し、両端がそ
    れぞれ前記ブラケツトに固着されたピンからなることを
    特徴とするボイラ装置。 15.特許請求の範囲第(5)項記載において、前記リ
    ンクが「く」の字形になつていることを特徴とするボイ
    ラ装置。 16.特許請求の範囲第(15)項記載において、前記リ
    ンクの両端部から屈曲した中央部に向かつて断面積が徐
    々に大きくなつていることを特徴とするボイラ装置。 17.特許請求の範囲第(15)項記載において、前記リ
    ンクがH形鋼からなつていることを特徴とするボイラ装
    置。 18.特許請求の範囲第(15)項記載において、前記リ
    ンクの屈曲した中央部に補強リブが設けられていること
    を特徴とするボイラ装置。 19.特許請求の範囲第(15)項記載において、前記リ
    ンクがH形鋼からなり、屈曲した中央部のウエブ部分が
    切除されていることを特徴とするボイラ装置。 20.特許請求の範囲第(19)項記載において、前記切
    除されたウエブ部分と隣接するフランジ部分にカバープ
    レートが固着されていることを特徴とするボイラ装置。 21.特許請求の範囲第(5)項記載において、前記リ
    ンクが円弧状に湾曲されていることを特徴とするボイラ
    装置。 22.特許請求の範囲第(21)項記載において、前記リ
    ンクの断面形状が円筒状をしていることを特徴とするボ
    イラ装置。 23.特許請求の範囲第(5)項記載において、前記リ
    ンクが途中に複数個の屈曲個所を有していることを特徴
    とするボイラ装置。 24.特許請求の範囲第(1)項記載において、前記第
    1部材がボイラ本体側から突出されて前記支持鉄骨の両
    側面を狭持する2本のラグからなり、前記第2部材がそ
    の2本のラグを連結する連結部材からなることを特徴と
    するボイラ装置。 25.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの断面形状が箱形になつていることを特徴とするボイ
    ラ装置。 26.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの支持鉄骨と対向する部分に曲面を有する支持点金具
    が取付けられていることを特徴とするボイラ装置。 27.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの取付部から荷重作用点までの距離lに対するラグの
    取付部から連結部材取付位置までの距離aの比率(a/
    l)が、60%以上であることを特徴とするボイラ装置。 28.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの取付部から荷重作用点までの距離lと、ラグの取付
    部から連結部材取付位置までの距離aがほぼ等しいこと
    を特徴とするボイラ装置。 29.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの取付部から荷重作用点までの距離lよりも、ラグの
    取付部から連結部材取付位置までの距離aの方が長いこ
    とを特徴とするボイラ装置。 30.特許請求の範囲第(24)項記載において、前記ラ
    グの途中に少なくとも一個所屈曲部が設けられているこ
    とを特徴とするボイラ装置。
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