JP2006322158A - 耐震ダンパーおよび木造骨組耐震構造 - Google Patents

耐震ダンパーおよび木造骨組耐震構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 木造住宅などの木造骨組の耐震性を容易に高めることができる耐震ダンパー、およびこの耐震ダンパーが取り付けられた木造骨組耐震構造を提供する。
【解決手段】 土台41と、土台41に対して垂直に組み付けられた第1柱42とを具える木造骨組40に対して、土台41と第1柱42とを連結するように取り付けられ、木造骨組40の耐震性を高める耐震ダンパー1であって、鉛からなる棒状のダンパー本体部10と、ダンパー本体部10の両端に設けられ、木造骨組40に取り付けられる取付部20、20と、ダンパー本体部10に外装され、ダンパー本体部10の座屈を防止する座屈防止管31と、を備え、ダンパー本体部10と土台41とのなす取付角度が30°〜60°に設定されている耐震ダンパー1である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、木造骨組に取り付けられることで、その耐震性を高める耐震(制震)ダンパー、およびこの耐震ダンパーが取り付けられた木造骨組耐震(制震)構造に関する。
わが国において地震は多数発生するため、住宅などを含む建築物の耐震に関して、研究開発が盛んである(特許文献1参照)。一方、わが国には在来軸組み構法、2×4構法などによる木造住宅(木造建築物)が多数ある。
特開2001−90379号公報(段落番号0015〜0041、図5、図6)
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、壁の枠体間にダンパーを設けているため、柱と梁を備える一般的な壁体や、柱や梁に固定された壁パネルにダンパーを取り付けることは困難であった。すなわち、在来軸組み構法などによる木造住宅に、特許文献1の耐震技術を適用するには、大掛かりな改修工事が必要であった。
そこで、本発明は、木造住宅などの木造骨組の耐震性を容易に高めることができる耐震ダンパー、およびこの耐震ダンパーが取り付けられた木造骨組耐震構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、当該水平材に対して垂直に組み付けられたたて材とを具える木造骨組に対して、前記水平材と前記たて材とを連結するように取り付けられ、前記木造骨組の耐震性を高める耐震ダンパーであって、鉛からなる棒状のダンパー本体部と、前記ダンパー本体部の両端に設けられ、前記木造骨組に取り付けられる取付部と、を備えたことを特徴とする耐震ダンパーである。
このような耐震ダンパーによれば、その両端側の取付部を、木造骨組の水平材とたて材とにそれぞれ取り付けることで、水平材とたて材とが連結される。さらに説明すると、木造住宅の耐震補強を望む壁体に対して、その壁体の表面の壁パネルを部分的に取り除いた後、壁体を構成する木造骨組に耐震ダンパーを取り付けることができる。すなわち、大掛かりな改修工事をせずに、耐震ダンパーを木造骨組に取り付けることができる。
そして、このように耐震ダンパーが取り付けられた木造骨組、つまり、木造骨組耐震構造によれば、地震などの横揺れによって、水平材の長手方向に木造骨組耐震構造が振動した場合、ダンパー本体部に引張応力(軸力)が作用する。そうすると、鉛からなるダンパー本体部がその引張応力を吸収し、その結果として、木造骨組耐震構造の耐震性が高くなる。
請求項2に係る発明は、前記ダンパー本体部に外装され、当該ダンパー本体部の座屈を防止する座屈防止カバーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の耐震ダンパーである。
このような耐震ダンパーによれば、座屈防止カバーによって、ダンパー本体部の座屈を防止することができる。
請求項3に係る発明は、前記ダンパー本体部と前記水平材とのなす取付角度が30°〜60°に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐震ダンパーである。
このような耐震ダンパーによれば、ダンパー本体部と水平材とのなす取付角度が30°〜60°に設定されていることにより、ダンパー本体部に引張応力を好適に作用させることができる。
請求項4に係る発明は、水平材と、前記水平材に対して垂直に組み付けられた第1たて材および第2たて材と、を具える木造骨組と、当該木造骨組に取り付けられた、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐震ダンパーを2つと、を備え、前記2つの耐震ダンパーの一方は前記水平材と前記第1たて材とを連結しており、前記2つの耐震ダンパーの他方は前記水平材と前記第2たて材とを連結しており、前記一方と前記他方とは、互いに逆向きとなっていることを特徴とする木造骨組耐震構造。
このような木造骨組耐震構造によれば、2つの耐震ダンパーが、互いに逆向きとなっていることにより、2つの耐震ダンパーのダンパー本体部に交互に引張応力が作用する。これにより、木造骨組の耐震性を効率的に高めることができる。
本発明によれば、木造住宅などの木造骨組の耐震性を容易に高めることができる耐震ダンパー、およびこの耐震ダンパーが取り付けられた木造骨組耐震構造を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る木造骨組耐震構造および耐震ダンパーについて、図1から図4を参照して説明する。参照する図面において、図1は、本実施形態に係る木造骨組耐震構造の斜視図である。図2は、本実施形態に係る木造骨組耐震構造の側面図である。図3は、本実施形態に係る耐震ダンパーおよびその取付状況を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る耐震ダンパーの斜視図である。
なお、本実施形態では、軸組み構法で構築された木造住宅の1階の壁体内の木造骨組に、耐震ダンパーを取り付けてなる木造骨組耐震構造を例示する。
≪木造骨組耐震構造の構成≫
図1および図2に示すように、本実施形態に係る木造骨組耐震構造Sは、木造骨組40と、これに取り付けられた2つの耐震ダンパー1、1と、を主に備えている。
<木造骨組>
木造骨組40は、軸組み構法で構築された木造住宅の1階の壁体内の骨組であって、土台41(水平材)と、土台41に立設された第1柱42(第1たて材)、第2柱43(第2たて材)および第3柱44と、耐震性を高める2本の筋かい46、46(斜材)と、胴差45とを主に備えている。第1柱42、第2柱43および第3柱44は、土台41および胴差45に対して垂直に組み付けられている。第3柱44は、第1柱42と第2柱43との中間に位置している。すなわち、第3柱44は、第1柱42と第2柱43との中間の中心線m上に配置している。
筋かい46、46は、第1柱42または第2柱43の上端部と、第3柱44の下端部とを、それぞれ斜めに連結している。
<耐震ダンパー>
2つの耐震ダンパー1、1のうち、図2における左側の耐震ダンパー1(一方)は、土台41と第1柱42とを連結しており、右側の耐震ダンパー1(他方)は第3柱44側の土台41と第2柱43を連結している。また、2つの耐震ダンパー1、1は、第1柱42と第2柱43の中心線mに対して、線対称となっている。すなわち、2つの耐震ダンパー1、1は、互いに逆向きとなっている。
各耐震ダンパー1は、図3に示すように、後記する取付部20の額板21を、その外側から土台41、第1柱42または第2柱43に、金具23、23で押さえつけ、金具23、23を皿ねじ(図示しない)等で土台41、第1柱42または第2柱43に固定することによって、それぞれ取り付けられている。
[耐震ダンパーの構成]
次に、耐震ダンパー1について、図3および図4を主に参照して説明する。
図3および図4に示すように、耐震ダンパー1は、ダンパー本体部10と、ダンパー本体部10の両端にそれぞれ設けられた取付部20、20と、座屈防止管31(座屈防止カバー)とを主に備えている。ダンパー本体部10および取付部20、20は、高純度の鉛(JIS H2105−1955、特種)から形成されている。そして、ダンパー本体部10の両端に取付部20、20が接合され、ダンパー本体部10と取付部20、20とは一体となっている。
(ダンパー本体)
ダンパー本体部10は、鉛製の棒状体である。したがって、ダンパー本体部10は適度な延性を有している。これにより、地震などによって横揺れが発生し、木造骨組40が胴差45の長手方向に変形し、ダンパー本体部10に引張応力(軸力)が作用した場合、ダンパー本体部10が、この引張応力を吸収して伸張し、横揺れを吸収するようになっている。その結果として、木造骨組40の耐震性が高められている。
ダンパー本体部10の長さおよび外径(太さ)は、木造骨組40に対して相対的に設定される。例えば、軸組み構法で構築された一般的な木造住宅の木造骨組40の場合、ダンパー本体部10の長さは1000mm、ダンパー本体部10の外径は30mmに設定される。ダンパー本体部10の外径が木造骨組40の第1柱42などに対して大きすぎると、木造骨組40の強度に対して、耐震ダンパー1の強度が高くなりすぎてしまい、木造骨組40が変形し、破損してしまうからである。すなわち、木造住宅の木造骨組40ではなく、神社や仏閣など太い骨格の木造骨組40に耐震ダンパー1を取り付ける場合、ダンパー本体部10の外径(太さ)を対応して大きくすることで、太い骨格の木造骨組40に対応した強度の耐震ダンパー1とすることができる。
(取付部)
各取付部20は、鉛製であり、土台41(水平材)または第1柱42、第2柱43(たて材)に当接される額板21と、額板21の一面から突出した棒状を呈すると共に所定に曲がった曲部22とを、主に備えている。
額板21は本実施形態では円盤状を呈し、その直径は取り付けられる土台41(水平材)または第1柱42、第2柱43(たて材)の大きさ(幅など)に対して相対的に設定される。例えば、一般的な木造住宅の木造骨組40(柱の断面寸法が105×105mm)に耐震ダンパー1が取り付けられる場合、その直径は80mmに、その厚さは15mmに設定される。
曲部22の太さは、ダンパー本体部10の太さと同一に設定されている。
また、曲部22の曲がり程度は、耐震ダンパー1が木造骨組40に取り付けられた際に、ダンパー本体部10と、木造骨組40の土台41(水平材)とのなす取付角度θ1が、30°〜60°に設定されるように曲がっている。取付角度θ1が60°より大きい場合、または、取付角度θ1が30°より小さい場合、ダンパー本体部10に引張応力(軸力)が良好に作用せず、ダンパー本体部10が地震の横揺れによる振動エネルギーを吸収しにくくなるからである。特に、本願発明者らは、取付角度θ1が45°であると望ましいことを見出している。
(座屈防止管)
座屈防止管31は、ダンパー本体部10に外装されると共に、その内径はダンパー本体部10の外径よりも大きめに設定されている。これにより、ダンパー本体部10は、座屈防止管31に拘束されずに、その長手方向に伸張可能となっている。具体的には、例えばダンパー本体部10の外径が30mmの場合、座屈防止管31の内径は43mmに設定される。
また、座屈防止管31の長さは、ダンパー本体部10の長さに対して、やや短く設定される。例えば、ダンパー本体部10の長さが1000mmの場合、座屈防止管31の長さは880〜900mmに設定される。
座屈防止管31は鉄などから形成され所定の剛性を有している。これにより、ダンパー本体部10が大きく変形して、座屈しないようになっている。したがって、ダンパー本体部10が座屈して、木造骨組耐震構造Sを内部に備える壁体の外に、座屈したダンパー本体部10が飛び出さないようになっている。
このように座屈防止管31が所定の剛性を有するための具体的な手法としては、座屈防止管31の周壁の厚さを、所定(例えば1.5mm)に設定する方法や、座屈防止管31を鉄等の金属から形成する方法などが挙げられる。
[耐震ダンパーの作製方法]
次に、耐震ダンパー1の一作製(製造)方法について説明する。
耐震ダンパー1の作製方法は、ダンパー本体部10および取付部20を作製する第1工程と、ダンパー本体部10を座屈防止管31に挿通し、ダンパー本体部10に座屈防止管31を外装する第2工程と、ダンパー本体部10の両端に取付部20、20をそれぞれ接合する第3工程と、を含んでいる。
(第1工程)
ダンパー本体部10については、押し出し成型により、ダンパー本体部10の外径と同一の外径の鉛製シャフトを作製する。次いで、この鉛製シャフトを所定長さで切断し、ダンパー本体部10を得る。
取付部20については、その額板21および曲部22の形状に対応した金型(鋳型)に、鉛湯(鉛を溶融させたもの)を流し込み、鋳造品を得る。この鋳造の際、金型は280℃以上(好ましくは300〜310℃)に、鉛湯は480℃以上(好ましくは500〜510℃)に設定することが好ましい。次いで、この鋳造品を所定温度(例えば300〜310℃)に加熱し、鍛造型によって圧力を加えて鍛造(成形)し、取付部20を得る。
(第2工程)
そして、ダンパー本体部10を座屈防止管31に挿通し、ダンパー本体部10に座屈防止管31を外装する。ここで、次の第3工程において、座屈防止管31が外装されたまま、ダンパー本体部10の両端に取付部20、20を接合するため、座屈防止管31の不要な相対的な移動を防止するために、ダンパー本体部10と座屈防止管31とを一時的に仮止めしてもよい。
(第3工程)
ダンパー本体部10の両端と、各取付部20の曲部22の先端とを、それぞれ溶接する。そうすると、耐震ダンパー1を得ることができる。
≪木造骨組耐震構造の作用効果≫
次に、このように耐震ダンパー1を備えた木造骨組耐震構造Sの作用効果について説明する。
耐震ダンパー1および木造骨組耐震構造Sが簡易な構成であるため、耐震補強を望む木造住宅の壁体に対して、その壁体の表面の壁パネルを部分的に取り除き、内部の断熱材などを除去した後、壁体を構成する木造骨組40に耐震ダンパー1、1を取り付けることができる。すなわち、大掛かりな改修工事をせずに、耐震ダンパー1、1を木造骨組40に取り付けて、木造骨組耐震構造Sを構築することができる。
図2に示すように、耐震ダンパー1、1が中心線mに対して線対称で、つまり、互いに逆向きで配置しているため、地震の横揺れによって、木造骨組耐震構造Sが土台41の長手方向に振動し、第1柱42が土台に対して左側に傾こうとした場合、図2における左側の耐震ダンパー1に引張応力が作用する。そうすると、左側の耐震ダンパー1のダンパー本体部10が伸びることによって、この引張応力を吸収する。一方、右側の耐震ダンパー1に圧縮応力が作用する。ここで、この圧縮応力が大きい場合、右側の耐震ダンパー1が左上方向または右下方向に移動しようとするが、右側の耐震ダンパー1の座屈防止管31によって、ダンパー本体部10の座屈が防止される。
これとは逆に、第2柱43が右側に傾こうとした場合、図2における右側の耐震ダンパー1に引張応力が作用し、左側の耐震ダンパー1には圧縮応力が作用する。
すなわち、木造骨組耐震構造Sに作用する横揺れを、互いに逆向きに位置した耐震ダンパー1、1が交互に吸収する。その結果として、木造骨組耐震構造Sの耐震性は、従来の木造骨組に対して飛躍的に高くなる。
以上、本発明の好適な実施形態について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
前記した実施形態では、筋かい46、46を備える木造骨組40に耐震ダンパー1、1を取り付けて、木造骨組耐震構造Sを構成したが、筋かい46、46を備えない木造骨組40に耐震ダンパー1、1を取り付けてもよい。
前記した実施形態では、耐震ダンパー1によって、土台41(水平材)と、第1柱42または第2柱43とを、連結する場合について説明したが、胴差45(水平材)と第1柱42または第2柱43とを、連結してもよい。
前記した実施形態では、2つの耐震ダンパー1、1を使用し、これを互いに逆向きに配置した木造骨組耐震構造Sについて説明したが、1つの耐震ダンパー1のみを備えた木造骨組耐震構造Sであってもよい。
前記した実施形態では、木造住宅の1階部分の木造骨組40に耐震ダンパー1を取り付ける場合について説明したが、その他に例えば、木造住宅の2階部分の木造骨組に耐震ダンパー1を取り付けてもよい。
前記した実施形態では、軸組み構法で構築された木造骨組40に耐震ダンパー1を取り付ける場合について説明したが、木造骨組の構築方法はこれに限定されず、例えば2×4構法であってもよい。
前記した実施形態では、ダンパー本体部10の座屈を防止する座屈防止カバーとして、筒状の座屈防止管31を使用した場合について説明したが、座屈防止カバーはこれに限定されず、その他に例えば、鉄板を丸めて筒状にし、この筒状を適宜な金具で保持して座屈防止カバーとしてもよいし、断面が「U(またはコ)」の字形の鉄製部材を座屈防止カバーとしてもよい。このような場合、ダンパー本体部10と取付部20、20とを接合した後に、座屈防止カバーを取り付けることができる。
前記した実施形態では、取付部20の作製において、曲部22の曲がりに対応した鋳型を使用したが、これに限定されず、鋳物をゴム製ハンマーなどで叩いて曲げ、曲部22を作製してもよい。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。
(1)実施例1
(1−1)木造骨組耐震構造
表1に示すように、筋かい46、46を備えない木造骨組40に、耐震ダンパー1を、図2に示す位置に2つ取り付けて、実施例1に係る木造骨組耐震構造Sを作製した。耐震ダンパー1、木造骨組40の仕様は表1に示す通りである。また、各耐震ダンパー1のダンパー本体部10と、土台41とのなす取付角度θ1は45°に設定した。
Figure 2006322158
(1−2)木造骨組耐震構造の静的載荷試験
実施例1に係る木造骨組耐震構造Sの土台41を固定し、次いで、胴差45にロードセルの受感シャフトを取り付けた。そして、地震の横揺れを想定し、油圧ジャッキにより、ロードセル本体を胴差45の長手方向に1cm刻みで複数サイクルにて往復振動させた。この振動において、木造骨組耐震構造Sからロードセルに作用する荷重と、胴差45の長手方向における変位量とから、実施例1に係る変位−荷重曲線を求めた。また、各サイクルにおける変位−荷重曲線で囲まれた面積から、変位量に対する履歴エネルギーを求めた。さらに、各サイクルおいて、変位量と履歴エネルギーとの関係を図9に示す。
(2)実施例2
表1に示す仕様の座屈防止管31を備える耐震ダンパー1を使用して、実施例2に係る木造骨組耐震構造を作製した。その他は、実施例1と同じである。
(3)実施例3
筋かい46、46を備える木造骨組40に、耐震ダンパー1、1を取り付けて実施例3に係る木造骨組耐震構造Sを作製した。その他は、実施例1と同じである。
(4)実施例4
表1に示す仕様の座屈防止管31を備える耐震ダンパー1を使用して、実施例4に係る木造骨組耐震構造を作製した。その他は、実施例3と同じである。
(5)比較例1
筋かい46、46を備えない木造骨組40を比較例1とし、実施例1と同様に静的載荷試験を行った。
(6)評価
(6−1)実施例1と比較例1
図5、図8に示すように、耐震ダンパー1を備える実施例1に係る変位−荷重曲線に囲まれた面積は、比較例1(木造骨組40のみ)に係る変位−荷重曲線に囲まれた面積に対して、大きくなっていることにより、実施例1に係る木造骨組耐震構造Sの耐震性は高くなっていることがわかる。
このことは、図9に示すように、実施例1に係る履歴エネルギーが、比較例1に係る履歴エネルギーより高くなっていることからも明らかである。
(6−2)実施例1と実施例2
実施例1に対して、座屈防止管31を備えた実施例2は、図6に示す変位−荷重曲線に囲まれた面積が、実施例1に係る図5の面積に対して小さくなっておらず、また、図9に示すように、履歴エネルギーが高くなっていることにより、座屈防止管31の影響を受けずに、ダンパー本体部10の良好に伸張して引張応力を吸収したことがわかる。
(6−3)実施例1と実施例3
図9より明らかなように、実施例1に対して、筋かい46、46を備えた実施例3は、履歴エネルギーが高くなっていることにより、その耐震性が高いことがわかる。
(6−4)実施例4
図7および図9より明らかなように、座屈防止管31と筋かい46との両方を備えた実施例4は、実施例1〜3および比較例1よりも耐震性が高いことがわかる。
本実施形態に係る木造骨組耐震構造の斜視図である。 本実施形態に係る木造骨組耐震構造の側面図である。 本実施形態に係る耐震ダンパーおよびその取付状況を示す斜視図である。 本実施形態に係る耐震ダンパーの斜視図である。 実施例1に係る木造骨組耐震構造の変位−荷重曲線である。 実施例2に係る木造骨組耐震構造の変位−荷重曲線である。 実施例4に係る木造骨組耐震構造の変位−荷重曲線である。 比較例1に係る木造骨組の変位−荷重曲線である。 実施例1〜4に係る木造骨組耐震構造、比較例1に係る木造骨組において、変位量と履歴エネルギーとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 耐震ダンパー
10 ダンパー本体部
20 取付部
21 額板
22 曲部
31 座屈防止管(座屈防止カバー)
40 木造骨組
41 土台(水平材)
42 第1柱(第1たて材)
43 第2柱(第2たて材)
44 第3柱
45 胴差(水平材)
S 木造骨組耐震構造
m 中心線
θ1 取付角度

Claims (4)

  1. 水平材と、当該水平材に対して垂直に組み付けられたたて材とを具える木造骨組に対して、前記水平材と前記たて材とを連結するように取り付けられ、前記木造骨組の耐震性を高める耐震ダンパーであって、
    鉛からなる棒状のダンパー本体部と、
    前記ダンパー本体部の両端に設けられ、前記木造骨組に取り付けられる取付部と、
    を備えたことを特徴とする耐震ダンパー。
  2. 前記ダンパー本体部に外装され、当該ダンパー本体部の座屈を防止する座屈防止カバーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の耐震ダンパー。
  3. 前記ダンパー本体部と前記水平材とのなす取付角度が30°〜60°に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐震ダンパー。
  4. 水平材と、前記水平材に対して垂直に組み付けられた第1たて材および第2たて材と、を具える木造骨組と、
    当該木造骨組に取り付けられた、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐震ダンパーを2つと、
    を備え、
    前記2つの耐震ダンパーの一方は前記水平材と前記第1たて材とを連結しており、
    前記2つの耐震ダンパーの他方は前記水平材と前記第2たて材とを連結しており、
    前記一方と前記他方とは、互いに逆向きとなっていることを特徴とする木造骨組耐震構造。
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