JP2677000B2 - 改質木質材 - Google Patents
改質木質材Info
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- JP2677000B2 JP2677000B2 JP2267394A JP26739490A JP2677000B2 JP 2677000 B2 JP2677000 B2 JP 2677000B2 JP 2267394 A JP2267394 A JP 2267394A JP 26739490 A JP26739490 A JP 26739490A JP 2677000 B2 JP2677000 B2 JP 2677000B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、木質材料に改質用樹脂組成物を含浸・硬化
させた改質木質材に関する。
させた改質木質材に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 従来、木質材料の改良法として木材−プラスチック複
合材料化が知られている。例えば、特開昭63−77703
号、同63−109002号公報には、木質材料にアルキルシリ
ケート化合物や合成樹脂を含浸させて木質材料中で重合
硬化させる方法が提案されており、このような方法で得
られる木材−プラスチック複合材料は、耐摩耗性、耐水
性、耐候性、強度、寸法安定性などに優れたものとなる
ことが知られている。
合材料化が知られている。例えば、特開昭63−77703
号、同63−109002号公報には、木質材料にアルキルシリ
ケート化合物や合成樹脂を含浸させて木質材料中で重合
硬化させる方法が提案されており、このような方法で得
られる木材−プラスチック複合材料は、耐摩耗性、耐水
性、耐候性、強度、寸法安定性などに優れたものとなる
ことが知られている。
しかしながら、上記方法では木質材料中に含浸させた
合成樹脂を十分に重合硬化させるのに加熱や減圧などの
処理が不可欠であるが、このような処理は木質材の劣
化、作業性の低下などを招くという問題があり、これら
の問題の改善が望まれていた。更に、上記方法で得られ
る複合材料の性能は十分とは言い難いもので、一層の高
強度化、高耐久性などの性能向上も要望されていた。
合成樹脂を十分に重合硬化させるのに加熱や減圧などの
処理が不可欠であるが、このような処理は木質材の劣
化、作業性の低下などを招くという問題があり、これら
の問題の改善が望まれていた。更に、上記方法で得られ
る複合材料の性能は十分とは言い難いもので、一層の高
強度化、高耐久性などの性能向上も要望されていた。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、改質用樹脂
組成物が、常温常圧で湿気により短時間に硬化されるた
めその製造が容易である上、耐候性、耐水性、耐溶剤性
等の優れた性能が付与された改質木質材を提供すること
を目的とする。
組成物が、常温常圧で湿気により短時間に硬化されるた
めその製造が容易である上、耐候性、耐水性、耐溶剤性
等の優れた性能が付与された改質木質材を提供すること
を目的とする。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ね
た結果、(A)りん酸化合物とエポキシ基含有アルコキ
シシラン又はこれらの部分加水分解物もしくは部分共加
水分解物とをりん酸化合物の酸基としての水素原子1当
量に対しエポキシ基が0.6〜1.4当量の割合で反応させた
反応物、更には(B)加水分解性アルコキシシリル基を
含有する有機ケイ素化合物を含む樹脂組成物を木質材料
の改質剤として使用することにより、かかる樹脂組成物
が木質材料に容易に含浸し、常温常圧で湿気により短時
間に硬化してタックフリーになり、作業性に優れるの
で、樹脂含浸改質木質材の製造が容易になり、かつ、木
質材を劣化させることがない上、高硬度で傷つき難く、
しかも耐候性、耐水性(寸法安定性、耐吸水性)、耐溶
剤性に優れ、更に耐熱性、耐汚染性、耐薬品性、耐腐食
性が良好で耐久性に極めて優れた改質木質材が得られる
ことを知見し、本発明をなすに至った。
た結果、(A)りん酸化合物とエポキシ基含有アルコキ
シシラン又はこれらの部分加水分解物もしくは部分共加
水分解物とをりん酸化合物の酸基としての水素原子1当
量に対しエポキシ基が0.6〜1.4当量の割合で反応させた
反応物、更には(B)加水分解性アルコキシシリル基を
含有する有機ケイ素化合物を含む樹脂組成物を木質材料
の改質剤として使用することにより、かかる樹脂組成物
が木質材料に容易に含浸し、常温常圧で湿気により短時
間に硬化してタックフリーになり、作業性に優れるの
で、樹脂含浸改質木質材の製造が容易になり、かつ、木
質材を劣化させることがない上、高硬度で傷つき難く、
しかも耐候性、耐水性(寸法安定性、耐吸水性)、耐溶
剤性に優れ、更に耐熱性、耐汚染性、耐薬品性、耐腐食
性が良好で耐久性に極めて優れた改質木質材が得られる
ことを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、従来の改質用樹脂組成物は、通常、成分中に存
在する加水分解可能な官能基が酸、アミン、金属の有機
酸塩などの縮合触媒の存在下で空気中の湿気によって加
水分解、縮重合して硬化するものであるが、この硬化機
構では上述したように室温で短時間に硬化させることは
難しく、かつ、良好な性能を木質材料に付与することは
困難であった。これに対し、本発明の改質用樹脂組成物
は、木質材料への含浸性が良好である上、エポキシ基含
有アルコキシシラン又はこれらの部分(共)加水分解中
のエポキシ基が、りん酸化合物中の酸基としての水素原
子と反応結合してなる反応体の存在下において、
(A),(B)成分中の加水分解可能な基が空気中の湿
気あるいは木質材料中の水分で容易に加水分解、縮重合
して三次元のシロキサン構造を形成して硬化する機構
で、常温で急速に硬化し、しかも、強靭で優れた性能を
木質材へ付与し得るものである。
在する加水分解可能な官能基が酸、アミン、金属の有機
酸塩などの縮合触媒の存在下で空気中の湿気によって加
水分解、縮重合して硬化するものであるが、この硬化機
構では上述したように室温で短時間に硬化させることは
難しく、かつ、良好な性能を木質材料に付与することは
困難であった。これに対し、本発明の改質用樹脂組成物
は、木質材料への含浸性が良好である上、エポキシ基含
有アルコキシシラン又はこれらの部分(共)加水分解中
のエポキシ基が、りん酸化合物中の酸基としての水素原
子と反応結合してなる反応体の存在下において、
(A),(B)成分中の加水分解可能な基が空気中の湿
気あるいは木質材料中の水分で容易に加水分解、縮重合
して三次元のシロキサン構造を形成して硬化する機構
で、常温で急速に硬化し、しかも、強靭で優れた性能を
木質材へ付与し得るものである。
従って、本発明は、 木質材料に、(A)りん酸化合物とエポキシ基含有ア
ルコキシシラン又はこれらの部分加水分解物もしくは部
分共加水分解物とをりん酸化合物の酸基としての水素原
子1当量に対しエポキシ基が0.6〜1.4当量の割合で反応
させた反応物、更に必要により、(B)加水分解性アル
コキシシリル基を含有する有機ケイ素化合物を含む樹脂
組成物が含浸・硬化されてなることを特徴とする改質木
質材を提供する。
ルコキシシラン又はこれらの部分加水分解物もしくは部
分共加水分解物とをりん酸化合物の酸基としての水素原
子1当量に対しエポキシ基が0.6〜1.4当量の割合で反応
させた反応物、更に必要により、(B)加水分解性アル
コキシシリル基を含有する有機ケイ素化合物を含む樹脂
組成物が含浸・硬化されてなることを特徴とする改質木
質材を提供する。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の改質木質材は、上述したように、有機ケイ素
化合物を含有する改質用樹脂組成物が含浸・硬化されて
なるものである。
化合物を含有する改質用樹脂組成物が含浸・硬化されて
なるものである。
ここで、この樹脂組成物の(A)成分は、りん酸化合
物とエポキシ基含有アルコキシシラン又はこれらの部分
加水分解もしくは部分共加水分解物(以下、これらの総
称として(エポキシ基含有)アルコキシシラン類とい
う)との反応生成物であり、この(A)成分は(A)と
(B)成分のアルコキシシリル基の加水分解重合を促進
する触媒作用と、シロキサン結合を介して硬化物を構成
部分を形成する作用とを併せ持つもので、本組成物が常
温常圧で湿気により速やかに硬化し、かつ、強靭な改質
木質材を与えるための必須成分である。
物とエポキシ基含有アルコキシシラン又はこれらの部分
加水分解もしくは部分共加水分解物(以下、これらの総
称として(エポキシ基含有)アルコキシシラン類とい
う)との反応生成物であり、この(A)成分は(A)と
(B)成分のアルコキシシリル基の加水分解重合を促進
する触媒作用と、シロキサン結合を介して硬化物を構成
部分を形成する作用とを併せ持つもので、本組成物が常
温常圧で湿気により速やかに硬化し、かつ、強靭な改質
木質材を与えるための必須成分である。
この場合、リン酸化合物は、エポキシ基と反応するこ
とができる酸基としての水素原子1分子中に2個以上有
するもので、例えばりん酸、ポリリン酸、オルソりん酸
などが好適である。
とができる酸基としての水素原子1分子中に2個以上有
するもので、例えばりん酸、ポリリン酸、オルソりん酸
などが好適である。
また、エポキシ基含有アルコキシシランとしては、下
記一般式(1) RnSi(OR′)4-n …(1) (但し、式中Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニ
ル基等の有機基であるが、少なくとも1つがエポキシ基
を含有する炭素数1〜10の有機基であり、R′は炭素数
1〜6のアルキル基又はアルケニル基である。また、n
は1≦n≦3を満たす正数である。)で示される化合物
が好適に用いられる。
記一般式(1) RnSi(OR′)4-n …(1) (但し、式中Rは炭素数1〜10のアルキル基、アルケニ
ル基等の有機基であるが、少なくとも1つがエポキシ基
を含有する炭素数1〜10の有機基であり、R′は炭素数
1〜6のアルキル基又はアルケニル基である。また、n
は1≦n≦3を満たす正数である。)で示される化合物
が好適に用いられる。
上記(1)式において、エポキシ基含有有機基はγ−
グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチル基等であり、他の有機基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等が挙げられ、R′は例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、エチニル基、プロペニル基等である。
グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチル基等であり、他の有機基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基等が挙げられ、R′は例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、エチニル基、プロペニル基等である。
このような(1)式の化合物として具体的には、γ−
グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシ
ラン等が例示される。
グリシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシ
ラン等が例示される。
なお、エポキシ基含有アルコキシシランとして、上記
(1)式の化合物の部分加水分解縮合物、上記(1)式
の化合物とシラノール基、アルコキシシリル基等を有す
る有機ケイ素化合物、例えばメチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルト
リメトキシシラン等の部分加水分解物や部分共加水分解
物を用いることもできる。
(1)式の化合物の部分加水分解縮合物、上記(1)式
の化合物とシラノール基、アルコキシシリル基等を有す
る有機ケイ素化合物、例えばメチルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリプロポキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルト
リメトキシシラン等の部分加水分解物や部分共加水分解
物を用いることもできる。
上記りん酸化合物とエポキシ基含有アルコキシシラン
類とは、りん酸化合物中の酸基としての水素原子とアル
コキシシラン類中のエポキシ基とが反応し、かつ、アル
コキシシラン類のケイ素原子に結合しているアルコキシ
基(−OR′基)が水分よって容易に加水分解されて縮重
合するものである。
類とは、りん酸化合物中の酸基としての水素原子とアル
コキシシラン類中のエポキシ基とが反応し、かつ、アル
コキシシラン類のケイ素原子に結合しているアルコキシ
基(−OR′基)が水分よって容易に加水分解されて縮重
合するものである。
この場合、りん酸化合物とエポキシ基含有アルコキシ
シランとの配合割合は、りん酸化合物の酸基としての水
素原子1当量に対してアルコキシシラン類のエポキシ基
が0.6〜1.4当量、特に0.9〜1.1当量となるような配合比
であることが好ましい。0.6当量に満たない配合比では
りん酸化合物の酸基が過剰となってそのまま残存するの
で、改質木質材の耐水性、硬度が低下する場合があり、
1.4当量を越える配合比では反応残余のエポキシ基が残
って改質木質材の耐候性、耐汚染性が悪化する場合があ
る。
シランとの配合割合は、りん酸化合物の酸基としての水
素原子1当量に対してアルコキシシラン類のエポキシ基
が0.6〜1.4当量、特に0.9〜1.1当量となるような配合比
であることが好ましい。0.6当量に満たない配合比では
りん酸化合物の酸基が過剰となってそのまま残存するの
で、改質木質材の耐水性、硬度が低下する場合があり、
1.4当量を越える配合比では反応残余のエポキシ基が残
って改質木質材の耐候性、耐汚染性が悪化する場合があ
る。
なお、両化合物の配合割合は、上記配合比の範囲内で
特にりん酸化合物5〜40部(重量部、以下同様)に対し
てエポキシ基含有アルコキシシラン類を95〜60部とする
ことがより好ましい。
特にりん酸化合物5〜40部(重量部、以下同様)に対し
てエポキシ基含有アルコキシシラン類を95〜60部とする
ことがより好ましい。
更に、りん酸化合物の酸基としての水素原子とエポキ
シ基含有アルコキシシラン類のエポキシ基との反応は、
有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコー
ル類、アセトン等のケトン類、エステル類、芳香族系炭
化水素類、ハロゲン化炭化水素類などの存在下で行なう
ことが好ましく、また、反応条件は特に制限されない
が、20℃で1時間以上反応させることが好ましい。
シ基含有アルコキシシラン類のエポキシ基との反応は、
有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、イソブタノール、n−ブタノール等のアルコー
ル類、アセトン等のケトン類、エステル類、芳香族系炭
化水素類、ハロゲン化炭化水素類などの存在下で行なう
ことが好ましく、また、反応条件は特に制限されない
が、20℃で1時間以上反応させることが好ましい。
次に、上記改質用樹脂組成物を構成する(B)成分
は、加水分解性アルコキシシリル基を含有する有機ケイ
素化合物であり、アルコキシシリル基の加水分解縮合で
硬化物の構成部となるものである。
は、加水分解性アルコキシシリル基を含有する有機ケイ
素化合物であり、アルコキシシリル基の加水分解縮合で
硬化物の構成部となるものである。
この加水分解性アルコキシシリル基含有の有機ケイ素
化合物としては、例えばメチルトリアルコキシシラン、
ジメチルジアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシ
シラン、ジフェニルジアルコキシシランやそれらの部分
加水分解物又は部分共加水分解物、加水分解性アルコキ
シ基含有官能性シリコーン樹脂などが挙げられるが、特
にメチルトリメトキシシランやその部分加水分解物、部
分共加水分解物が好適に使用される。なお、この(B)
成分の有機ケイ素化合物は、シラノール基を含有してい
てもよい。
化合物としては、例えばメチルトリアルコキシシラン、
ジメチルジアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシ
シラン、ジフェニルジアルコキシシランやそれらの部分
加水分解物又は部分共加水分解物、加水分解性アルコキ
シ基含有官能性シリコーン樹脂などが挙げられるが、特
にメチルトリメトキシシランやその部分加水分解物、部
分共加水分解物が好適に使用される。なお、この(B)
成分の有機ケイ素化合物は、シラノール基を含有してい
てもよい。
更に、上記(B)成分の配合量は、(A)成分100部
に対して(B)成分が1000部以下、特に10〜1000部、よ
り好ましくは30〜350部であることが好適であり、1000
部を越えると強靭性が低下する場合がある。
に対して(B)成分が1000部以下、特に10〜1000部、よ
り好ましくは30〜350部であることが好適であり、1000
部を越えると強靭性が低下する場合がある。
上記(A),(B)成分を含む樹脂組成物は、有機溶
剤溶液として使用することが好ましい。有機溶剤は上記
(A)及び(B)成分が木質材料へ含浸するのを助ける
もので、有機溶剤としては、(A)及び(B)成分を溶
解し得、かつ、木質材料との親和性があり、木質材料へ
浸透し易い有機溶剤が好適に用いられる。このような有
機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。
剤溶液として使用することが好ましい。有機溶剤は上記
(A)及び(B)成分が木質材料へ含浸するのを助ける
もので、有機溶剤としては、(A)及び(B)成分を溶
解し得、かつ、木質材料との親和性があり、木質材料へ
浸透し易い有機溶剤が好適に用いられる。このような有
機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソ
プロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル類などが挙げられる。
この場合、有機溶剤の使用量は、(A)成分100部に
対して1000部以下、特に100〜500部とすることが好まし
い。なお、(A)及び(B)成分の分子構造を選択し、
低粘度とすれば、木質材料へ各成分が十分に含浸する
が、使用性の点から有機溶剤を1000部以下の割合で用い
るもので、1000部より多いと有用性がなく、経済的な不
利が生じる場合がある。
対して1000部以下、特に100〜500部とすることが好まし
い。なお、(A)及び(B)成分の分子構造を選択し、
低粘度とすれば、木質材料へ各成分が十分に含浸する
が、使用性の点から有機溶剤を1000部以下の割合で用い
るもので、1000部より多いと有用性がなく、経済的な不
利が生じる場合がある。
なお、樹脂組成物を調製するに際しての加水分解にお
いて、加水分解に必要な水分量は別に制限されないが、
加水分解により縮合反応で組成物がゲル状にならない範
囲内の水分量であることが好ましく、通常、全成分中の
加水分解可能な基のモル数の約50%以下に相当するモル
数の水分量であることが望ましい。
いて、加水分解に必要な水分量は別に制限されないが、
加水分解により縮合反応で組成物がゲル状にならない範
囲内の水分量であることが好ましく、通常、全成分中の
加水分解可能な基のモル数の約50%以下に相当するモル
数の水分量であることが望ましい。
而して、本発明の改質木質材は、木質材料に上記樹脂
組成物を含浸・硬化してなるものであるが、この樹脂組
成物は、上記(A)成分のりん酸化合物中の酸基として
の水素原子とエポキシ基含有アルコキシシラン中のエポ
キシ基との反応結合体の存在下に、水分の存在で
(A),(B)成分中の加水分解可能な基が加水分解、
縮重合して三次元構造となり、硬化するものであり、常
温常圧下において湿気により容易に硬化する。例えば、
木質材料は、上記樹脂組成物の溶液中に5〜30時間程度
浸し、風乾することで容易に樹脂組成物が含浸・硬化し
て改質木質材とすることができる。なおこの場合、樹脂
組成物の含浸・硬化は常温かつ常湿常圧で行なうことが
できる。
組成物を含浸・硬化してなるものであるが、この樹脂組
成物は、上記(A)成分のりん酸化合物中の酸基として
の水素原子とエポキシ基含有アルコキシシラン中のエポ
キシ基との反応結合体の存在下に、水分の存在で
(A),(B)成分中の加水分解可能な基が加水分解、
縮重合して三次元構造となり、硬化するものであり、常
温常圧下において湿気により容易に硬化する。例えば、
木質材料は、上記樹脂組成物の溶液中に5〜30時間程度
浸し、風乾することで容易に樹脂組成物が含浸・硬化し
て改質木質材とすることができる。なおこの場合、樹脂
組成物の含浸・硬化は常温かつ常湿常圧で行なうことが
できる。
この場合、木質材料に特に制限はなく、例えば松、
杉、桧、栂、ヒバなどの針葉樹、ナラ、ブナ等の広葉
樹、そしてこれらの無垢材、合板、集成材等が挙げられ
る。
杉、桧、栂、ヒバなどの針葉樹、ナラ、ブナ等の広葉
樹、そしてこれらの無垢材、合板、集成材等が挙げられ
る。
発明の効果 本発明の改質木質材は、加熱や減圧処理が不要で、改
質用樹脂組成物が常温常圧で湿気により短時間に硬化し
得るので、作業性に優れ、工程が簡単化されて、改質木
質材を低コストで容易に得ることができ、かつ、木質材
を劣化させることがない上、高硬度で傷つき難く、しか
も、耐候性、耐水性、耐溶剤性に優れ、更に耐熱性、耐
汚染性、耐薬品性、耐腐食性が良好で、木質感を残しな
がら耐久性に極めて優れている。
質用樹脂組成物が常温常圧で湿気により短時間に硬化し
得るので、作業性に優れ、工程が簡単化されて、改質木
質材を低コストで容易に得ることができ、かつ、木質材
を劣化させることがない上、高硬度で傷つき難く、しか
も、耐候性、耐水性、耐溶剤性に優れ、更に耐熱性、耐
汚染性、耐薬品性、耐腐食性が良好で、木質感を残しな
がら耐久性に極めて優れている。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
〔実施例1〜11、比較例1〜3〕 成分Aの調製 成分A−1: オルソリン酸(85%品)をイソプロピルアルコールの
10%溶液とし、この溶液100gにγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン73gを添加して40℃で2時間反応
させた。
10%溶液とし、この溶液100gにγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン73gを添加して40℃で2時間反応
させた。
成分A−2: オルソリン酸(85%品)をイソプロピルアルコールの
10%溶液とし、この溶液100gにβ−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン75gを加え、4
0℃で2時間反応させた。
10%溶液とし、この溶液100gにβ−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン75gを加え、4
0℃で2時間反応させた。
成分A−3: ポリリン酸(平均重合度5、分子量48)をイソプロピ
ルアルコールの10%溶液とし、この溶液100gにγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン40gを加え、40℃
で2時間反応させた。
ルアルコールの10%溶液とし、この溶液100gにγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン40gを加え、40℃
で2時間反応させた。
成分A−4: 上記A−1にメチルトリメトキシシラン80gと水17gを
加え、40℃で1時間共加水分解縮合させた。
加え、40℃で1時間共加水分解縮合させた。
成分A−5: 上記A−1にフェニルトリメトキシシラン70gと水11g
を加え、40℃で1時間共加水分解縮合させた。
を加え、40℃で1時間共加水分解縮合させた。
成分A−6: 上記A−1にメチルトリメトキシシラン40g、ジフェ
ニルヒドロキシシラン30g、水8gを加え、40℃で1時間
共加水分解縮合させた。
ニルヒドロキシシラン30g、水8gを加え、40℃で1時間
共加水分解縮合させた。
含浸液の調製と試験片の作成 第1表に示す通り、成分A、成分Bを配合し、イソプ
ロピルアルコールで不揮発分30%とした含浸液(改質用
組成物)を調製した。
ロピルアルコールで不揮発分30%とした含浸液(改質用
組成物)を調製した。
次に、この溶液中に10×10×60mm大の杉材を常温、常
圧で12時間沈めた後、風乾し、試験片(実施例1〜9)
を作成した。
圧で12時間沈めた後、風乾し、試験片(実施例1〜9)
を作成した。
また、比較のため、未処理の杉材(比較例1)、エチ
ルシリケート40(コルコート(株)製)を杉材に12時間
含浸させ、風乾12時間後、60℃で2時間加熱したもの
(比較例2)、湿気硬化型メチルフェニルメトキシポリ
シロキサン(信越化学工業(株)製)を用い、上記比較
例2と同様に処理したもの(比較例3)を作成した。
ルシリケート40(コルコート(株)製)を杉材に12時間
含浸させ、風乾12時間後、60℃で2時間加熱したもの
(比較例2)、湿気硬化型メチルフェニルメトキシポリ
シロキサン(信越化学工業(株)製)を用い、上記比較
例2と同様に処理したもの(比較例3)を作成した。
得られた試験片を下記方法で評価した。結果を第1表
に併記する。
に併記する。
評価方法 乾燥性: 室温(25℃)でのタックフリー時間を下記基準で評価
した。
した。
○:30分未満 △:30分以上〜2時間未満 ×:2時間以上 硬度: バーコール硬度計(No.935)で測定した。
曲げ強度: 10×10×60mm試験片を用い、オートグラフ(支点間距
離50mm)で測定し、破壊時の最大荷重で表示した。
離50mm)で測定し、破壊時の最大荷重で表示した。
耐候性: アトラス・ユブコン((株)東洋精機製作所製、70℃
UV照射8時間、湿潤度下50℃、4時間、サイクルテス
ト)暴露500時間後の木目表面の外観を目視で観察し、
異常のないものを○、異常が認められるものを×で示し
た。
UV照射8時間、湿潤度下50℃、4時間、サイクルテス
ト)暴露500時間後の木目表面の外観を目視で観察し、
異常のないものを○、異常が認められるものを×で示し
た。
耐水性: 室温(25℃)で10日間浸漬と、100℃で2時間浸漬の
両テストで異常のないものを○、吸水などによる異常の
みられるものを×とした。
両テストで異常のないものを○、吸水などによる異常の
みられるものを×とした。
耐溶剤性: 室温(25℃)でトルエンとアセトンに30分間浸漬し、
異常のないものを○、異常の見られるものを×とした。
異常のないものを○、異常の見られるものを×とした。
第1表の結果より、本発明の改質木質材(実施例1〜
9)は、他の含浸液で処理した改質木質材(比較例1〜
3)に比べ、含浸液が室温で短時間に硬化し、耐候性、
耐水性、耐溶剤性等の優れた特性を有することがわかっ
た。
9)は、他の含浸液で処理した改質木質材(比較例1〜
3)に比べ、含浸液が室温で短時間に硬化し、耐候性、
耐水性、耐溶剤性等の優れた特性を有することがわかっ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】木質材料に、酸基としての水素原子を1分
子中に2個以上有するりん酸化合物とエポキシ基含有ア
ルコキシシラン又はこれらの部分加水分解物もしくは部
分共加水分解物とをりん酸化合物の酸基としての水素原
子1当量に対しエポキシ基が0.6〜1.4当量の割合で反応
させた反応物を含む樹脂組成物が含浸・硬化されてなる
ことを特徴とする改質木質材。 - 【請求項2】樹脂組成物が加水分解性アルコキシシリル
基を含有する有機ケイ素化合物を含む請求項1記載の改
質木質材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2267394A JP2677000B2 (ja) | 1990-10-04 | 1990-10-04 | 改質木質材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2267394A JP2677000B2 (ja) | 1990-10-04 | 1990-10-04 | 改質木質材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04142901A JPH04142901A (ja) | 1992-05-15 |
JP2677000B2 true JP2677000B2 (ja) | 1997-11-17 |
Family
ID=17444239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2267394A Expired - Fee Related JP2677000B2 (ja) | 1990-10-04 | 1990-10-04 | 改質木質材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2677000B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3119774B2 (ja) * | 1993-12-03 | 2000-12-25 | ヤマハ株式会社 | 木材の表面処理法 |
EP0747183A3 (en) * | 1995-05-25 | 1997-10-15 | Shinetsu Chemical Co | Wood modification |
AU764542B1 (en) * | 2002-02-21 | 2003-08-21 | Sumitomo Forestry Co., Ltd. | Method for preparing modified wooden material |
JP2008238598A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Matsushita Electric Works Ltd | 木質板 |
CN101905471B (zh) * | 2010-08-18 | 2012-05-16 | 东北林业大学 | 木材-有机-无机杂化复合材料的制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63265601A (ja) * | 1987-04-23 | 1988-11-02 | 松下電工株式会社 | 改質木材およびその製造方法 |
-
1990
- 1990-10-04 JP JP2267394A patent/JP2677000B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04142901A (ja) | 1992-05-15 |
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