JP2676324B2 - 蓋付きちり取り - Google Patents

蓋付きちり取り

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JP2676324B2
JP2676324B2 JP6288774A JP28877494A JP2676324B2 JP 2676324 B2 JP2676324 B2 JP 2676324B2 JP 6288774 A JP6288774 A JP 6288774A JP 28877494 A JP28877494 A JP 28877494A JP 2676324 B2 JP2676324 B2 JP 2676324B2
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康昭 慶児
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柄で吊り上げれば本体
の掃き込み口が蓋で覆われる蓋付きちり取りに関する。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】掃き込み口部
a1を有する箱形状のちり取り本体aの両側部に、柄体
bの基部が回動自在に連結され、柄体bの中間部b3に
蓋体cが連結された蓋付きちり取りは、次のように使用
する。
【0003】すなわち、塵埃を本体aに掃き込む場合
は、作業者が柄体bの端部b2を握って柄体bを立てた
ままで本体aを底板a3にて対象面上に載置して掃き込
み口部a1を水平方向に向ける(図7)。それにより、
蓋体cが掃き込み口部a1を開き、掃き込み口部a1か
ら塵埃を本体a内に掃き込むことができる。また塵埃の
掃き込みを終了して作業者が移動する場合は、作業者が
柄体bにより本体aを吊り上げる。それにより、本体a
が掃き込み口部a1を上方に向けて起立し、蓋体cが掃
き込み口部a1を覆う(図8)。
【0004】ところが、従来の蓋付きちり取りは、蓋体
cが掃き込み口部a1を開き、柄体bの起立が保持され
た状態で清掃対象面上の任意位置に放置して、清掃作業
者が塵埃等の掃き集め等の作業をなし得、再び柄体bの
上端部b2を握る際には清掃作業者が楽に握れるように
するために、蓋体cのヒンジdを、柄体bが後傾起立状
態となる角度以上に回動し得ないよう構成したり、柄体
bが後傾起立状態となる角度以上に回動し得ないように
柄体bの基部を受止するストッパeを本体aの側部に設
けている。
【0005】そのため、本体aの底板部を対象面上に載
置して掃き込み口部a1を開いた状態では、全体の高さ
が高いため、比較的高さの低い個所や狭隘な個所に本体
aを差し入れて塵埃等を掃き込むことができなかった。
【0006】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであって、その目的とすると
ころは、蓋体が掃き込み口部を開いて柄体の起立を保持
した状態と、蓋体が掃き込み口部を開いたまま柄体を倒
して全体の高さを低くした状態の何れをもとり得る蓋付
きちり取りを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の蓋付きちり取り
は、前部に掃き込み口部を開口する箱形状の本体と、本
体を吊り上げて支持し得る支持体と、掃き込み口部を開
閉する蓋体とを有し、支持体と本体とが、ほぼ掃き込み
口部の掃き込み縁の方向に平行な本体回動軸線の回りに
相対的に回動し得るよう、本体の側部に支持体の基部が
連結されると共に、蓋体が、支持体の中間部に設けら
れ、支持体により吊り上げられた状態では、本体が掃き
込み口部を上方に向けて起立して蓋体が掃き込み口部を
覆い、支持体が起立し、本体が底板部にて対象面上に載
置されて掃き込み口部を水平方向に向けた状態では、蓋
体が掃き込み口部を開く蓋付きちり取りであって、蓋体
が掃き込み口部を覆う際に支持体と本体との相対的回動
が停止する前に、両者の間の摩擦力を漸次増大させて相
対的回動の速度を漸次低減させる摩擦制動手段を備えた
ことを特徴とする。 上記摩擦制動手段は、支持体と本体
における各摩擦部が本体回動軸線方向に重なり合う幅
が、蓋体が掃き込み口部を覆って支持体と本体の相対的
回動が停止する回動角度に近づくに従って漸次増大する
ものであることが望ましい。 また、本発明の蓋付きちり
取りは、支持体に対し蓋体が、本体回動軸線に平行な蓋
体回動軸線の回りに回動し得るよう連結され、支持体が
後傾起立した状態で本体の天板部上を後方スライドしよ
うとする蓋体を受止し得、蓋体の上向き回動によりその
受止を解除して支持体を後倒し得る受止手段を備えたも
のとすることが望ましい。
【0008】
【作用】支持体の基部は本体の側部に回動可能に連結さ
れ、支持体により本体が吊り上げられた状態では、本体
が掃き込み口部を上方に向けて起立し、支持体の中間部
に設けられた蓋体は、掃き込み口部を覆う。
【0009】支持体と本体が本体回動軸線の回りに相対
的に回動することにより支持体が起立して本体が底板部
にて対象面上に載置された状態では、掃き込み口部が水
平方向に向き、支持体の中間部に設けられた蓋体も本体
回動軸線の回りに回動して掃き込み口部を開く。本体が
底板部にて対象面上に載置されて掃き込み口部を水平方
向に向け、蓋体が掃き込み口部を開いた状態から、支持
体により本体を吊り上げると、支持体と本体が相対的に
回動することにより、支持体が起立し、蓋体が掃き込み
口部を覆う。その際、支持体と本体との相対的回動が停
止する前に、摩擦制動手段により支持体と本体の間の摩
擦力が漸次増大して両者の相対的回動の速度が漸次低減
する。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明す
る。
【0011】図1乃至図6は何れも本発明の一実施例と
しての蓋付きちり取りに関するものであって、図1は開
蓋して柄体が後傾した状態の斜視図、図2は開蓋して柄
体が後傾した状態の側面図、図3は閉蓋状態の側面図、
図4は図3におけるIV−IV線要部断面図、図5は閉蓋完
了の少し前の状態の図3におけるIV−IV線に相当する部
分の要部断面図、図6は開蓋して柄体が後倒した状態の
側面図である。
【0012】本体10は、基本的に直方体状をなす比較
的偏平な(すなわち、高さが低い)箱形状である。本体
10を形成する材料としては、合成樹脂、金属等を適宜
採用し得る。本体10は、前部に掃き込み口部12を開
口する。この掃き込み口部12は、本体10の底板10
aの前縁部、すなわち掃き込み縁部14から後上方に向
かって開口している。天板10bの前縁部が底板10a
の前縁部よりも大きく後退しているので、ほうき等によ
り塵埃等を本体10内に掃き込むのが容易である。掃き
込み縁部14は、先端に向かって断面楔形状に薄くなる
合成ゴム板により形成されている。
【0013】支持体16は、略U字形状をなす枠部16
aと、その枠部16aの中央部に枠部16aと同軸状に
結合された棒状部16bからなる。棒状部16bの上端
部は、後方に向かってL字形状に屈曲する握り部16b
1に形成されている。握り部16b1の下端前部に、ほ
うき等の柄を嵌合保持し得る保持部16b2が設けられ
ている。支持体16の枠部16aにおける両縦部16a
1の下端部は、本体10のうち重心よりも前方の部分の
側部10cに外向きに突設されたボルト20挿通用の円
筒状突起18に対して、ボルト20及びナット22を用
いて回動可能なよう連結されている。これによって支持
体16と本体10は、ほぼ掃き込み口部12の掃き込み
縁の方向に平行な本体回動軸線の回りに相対的に回動し
得、支持体16により本体10を吊り上げると、本体1
0が掃き込み口部12を上方に向けて起立する。
【0014】蓋体24は、掃き込み口部12を覆うこと
ができる形状をなし、合成樹脂等の材料を適宜選択して
形成し得る。支持体16の枠部16aにおける両縦部1
6a1の上部間に、蓋体24の先端部が、本体回動軸線
に平行な蓋体回動軸線の回り回動可能なようにピン26
により連結されている。これにより、支持体16により
本体10を吊り上げた場合に、蓋体24が掃き込み口部
12を覆う(図3)。
【0015】支持体16と本体10とを本体回動軸線の
回りに相対的に回動させることにより本体10を底板1
0aにて対象面上に載置して支持体16を起立させる
と、支持体16の枠部16aに蓋体回動軸線の回り回動
可能なように先端部において連結された蓋体24は、本
体回動軸線の回りに回動しつつ蓋体回動軸線の回りにも
回動して掃き込み口部12を開く。支持体16を後傾さ
せると、蓋体24の後部において本体10の天板10b
上を後方スライドしようとする。本体10の天板10b
の後端部には、支持体16が後傾起立した状態で本体1
0の天板10b部上を後方スライドしようとする蓋体2
4の後縁部を受止し得る上向き突出の受止部28が設け
られているので、蓋体24が受止部28により受止さ
れ、それによって、蓋体24が掃き込み口部12を開い
た状態での支持体16の後傾起立が保持される(図1、
図2)。なお、蓋体24の後縁部に下向き突部を設け、
本体10の天板10b部に、その下向き突部を受止し得
る凹部を設けることにより蓋体24を受止することも可
能である。
【0016】蓋体24が受止部28により受止された状
態から、例えば作業者が足で蓋体24の後部を押し上げ
ることにより、蓋体24を支持体16の枠部16aに対
し蓋体回動軸線の回りに上向きに回動させることによっ
て、容易に受止部28による受止を解除して支持体16
を後倒し得る(図6)。
【0017】本体10の両側部における円筒状突起18
の前方に、それぞれ本体10の側部から外方に張り出し
た制動ストッパ30が設けられている。制動ストッパ3
0の下端部は、外方に突出し、上側において支持体16
の枠部16aにおける縦部16a1の前側16cを受止
するストッパ部30aを構成する。ストッパ部30a
は、蓋体24が掃き込み口部12を覆う際に、蓋体24
が本体10の掃き込み口部12に接しない状態で支持体
16と本体10との相対的回動を停止させるよう配設さ
れている。
【0018】制動ストッパ30のうちストッパ部30a
の上方の外側部は、本体摩擦部30bを構成する。本体
摩擦部30bは、下方に向かって漸次外向きに張り出
す。これにより、支持体16の枠部16aにおける縦部
16a1の内側部のうち本体摩擦部30bに対応する支
持体摩擦部16dとその本体摩擦部30bとが回動軸線
方向に重なり合う幅が、ストッパ部30aにより支持体
16と本体10の相対的回動が停止する回動角度に近づ
くに従って漸次増大する(図4、図5)。
【0019】本体10が底板10aにて対象面上に載置
されて掃き込み口部12を水平方向に向け、蓋体24が
掃き込み口部12を開いた状態から、支持体16により
本体10を吊り上げると、支持体16と本体10が相対
的に回動することにより、図3に示されるように支持体
16が起立し、蓋体24が掃き込み口部12を覆う。そ
の際、本体10と支持体16との相対的回動が、支持体
16の枠部16aにおける縦部16a1の前側16cを
ストッパ部30aが受止することにより停止して蓋体2
4の閉蓋を完了する前に、支持体16の支持体摩擦部1
6dが制動ストッパ30の本体摩擦部30bと次第に強
く圧接し、両者間の摩擦力が漸次増大して本体10と支
持体16の相対的回動の速度を漸次低減させる。
【0020】蓋体24が掃き込み口部12を覆う際に、
本体10の掃き込み口部12と蓋体24が衝突すること
がなく、また、ストッパ部30aにより支持体16と本
体10との相対的回動が停止する前に本体摩擦部30b
と支持体摩擦部16dとの間の摩擦力が漸次増大して両
者の相対的回動の速度が漸次低減するので、ストッパ部
30aによる相対的回動停止の音も可及的に低減され、
蓋体24が跳ねることもない。合成ゴム製の掃き込み縁
部14に蓋部が接しないので、掃き込み縁部14の損傷
も防がれる。
【0021】ストッパ部30a及びそれにより受止され
る枠部16aの縦部16a1の前側16cのうち一方又
は両方、並びに本体摩擦部30b及び支持体摩擦部16
dのうち少なくとも一方は、比較的弾力性のある合成樹
脂等の材料により構成されることが望ましい。何れの場
合も、作動により耳障りな音を発しない材料の組み合わ
せであることを要することは言うまでもない。
【0022】なお、以上の実施例についての記述におけ
る上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のため
のものであって、実際の使用状態等を限定するものでは
ない。また、以上の実施例についての記述における構成
部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配置などは、
特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、この発
明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、
単なる説明例に過ぎない。
【0023】
【発明の効果】本発明の蓋付きちり取りでは、支持体に
て本体を吊り上げることにより支持体と本体が相対的に
回動して支持体が起立し、蓋体が掃き込み口部を覆う際
に、支持体と本体との相対的回動が停止する前に摩擦制
動手段により支持体と本体の間の摩擦力が漸次増大して
両者の相対的回動の速度が漸次低減するので、支持体と
本体との相対的回動停止の際の音が可及的に低減され、
蓋体が跳ねることもない。 また、請求項3の蓋付きちり
取りでは、掃き込み口部を開いた蓋体を受止手段が受止
し、支持体の後傾起立が保持された状態において、清掃
作業者は、蓋付きちり取りを清掃対象面上の任意位置に
放置したままで、ほうき等により塵埃等を掃き集め、必
要に応じ支持体の上部を作業者が握って、塵埃等を掃き
込み口部から本体内に掃き込むことができる。支持体は
起立しているので、作業者は支持体の上部を楽に握るこ
とができる。
【0024】而も、従来の蓋付きちり取りとは異なり、
蓋体を受止手段が受止した状態から蓋体を上向きに回動
させることによりその受止を解除すれば、支持体を後倒
することができる。それによって、本体が底板部にて対
象面上に載置され、掃き込み口部が開いた状態で、全体
の高さを低くして全体の前後方向長さを長くすることが
できるので、比較的高さが低い個所や、比較的狭隘な個
所の塵埃等を、本体を差し入れて容易に掃き取ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開蓋して柄体が後傾した状態の斜視図である。
【図2】開蓋して柄体が後傾した状態の側面図である。
【図3】閉蓋状態の側面図である。
【図4】図3におけるIV−IV線要部断面図である。
【図5】閉蓋完了の少し前の状態の図3におけるIV−IV
線に相当する部分の要部断面図である。
【図6】開蓋して柄体が後倒した状態の側面図である。
【図7】従来の蓋付きちりとりの開蓋して柄体が後傾し
た状態の斜視図である。
【図8】従来の蓋付きちりとりの閉蓋状態の側面図であ
る。
【符合の説明】
10 本体 12 掃き込み口部 16 支持体 16a 枠部 16a1 縦部 16c 前側 16d 支持体摩擦部 24 蓋体 28 受止部 30a ストッパ部 30b 本体摩擦部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−12362(JP,U) 実開 昭62−83364(JP,U) 実開 昭50−22973(JP,U) 実公 昭36−7467(JP,Y1) 実公 昭12−1198(JP,Y1) 実公 昭42−9416(JP,Y1) 実公 昭60−35484(JP,Y2) 実公26442(大正15年)(JP,Y1 T)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前部に掃き込み口部を開口する箱形状の本
    体と、本体を吊り上げて支持し得る支持体と、掃き込み
    口部を開閉する蓋体とを有し、 支持体と本体とが、ほぼ掃き込み口部の掃き込み縁の方
    向に平行な本体回動軸線の回りに相対的に回動し得るよ
    う、本体の側部に支持体の基部が連結されると共に、蓋体が、支持体の中間部に設けられ、 支持体により吊り上げられた状態では、本体が掃き込み
    口部を上方に向けて起立して蓋体が掃き込み口部を覆
    い、支持体が起立し、本体が底板部にて対象面上に載置
    されて掃き込み口部を水平方向に向けた状態では、蓋体
    が掃き込み口部を開く蓋付きちり取りであって、蓋体が掃き込み口部を覆う際に支持体と本体との相対的
    回動が停止する前に、両者の間の摩擦力を漸次増大させ
    て相対的回動の速度を漸次低減させる摩擦制動手段 を備
    えたことを特徴とする蓋付きちり取り。
  2. 【請求項2】摩擦制動手段は、支持体と本体における各
    摩擦部が本体回動軸線方向に重なり合う幅が、蓋体が掃
    き込み口部を覆って支持体と本体の相対的回動が停止す
    る回動角度に近づくに従って漸次増大するものである請
    求項1記載の蓋付きちり取り。
  3. 【請求項3】支持体に対し蓋体が、本体回動軸線に平行
    な蓋体回動軸線の回りに回動し得るよう連結され、 支持体が後傾起立した状態で本体の天板部上を後方スラ
    イドしようとする蓋体を受止し得、蓋体の上向き回動に
    よりその受止を解除して支持体を後倒し得る受止手段を
    備えた請求項1又は2 記載の蓋付きちり取り。
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