JPH0752037Y2 - 扉のステー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は箱体の上端開口を施蓋する扉を開蓋状態に保持
するための扉のステー装置に関するものである。

（従来の技術） 従来のこの種の扉のステー装置は、ステーの一端のガイ
ドピンを摺動自在に支持するステーガイドの案内長孔に
係合部を形成しておき、開蓋時にはガイドピンがこの係
合部に自動的にはまり込んで扉を開いた状態に支持する
ことができるが、閉蓋時には手動操作によりステーのガ
イドピンを係合部から外す構造のものが普通であった。

（考案が解決しようとする課題） ところがこのような従来のものにあっては、閉蓋時にス
テーのセットを解除する際に扉を手により保持する必要
があるため、ステーが１本のみであるときは不都合はな
いが、扉が大型でステーを左右２箇所に設けた場合には
１人で扉を閉じるのは困難であるばかりでなく危険を伴
うものであった。そこで、ステーのセットの解除が扉の
作動と連動して自動的に行えるステー装置が待望されて
いる。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記のような待望に応えて完成されたものであ
り、ステーの先端に大径軸部と小径軸部とを持つガイド
ピンを突設し、この大径軸部のステーの基端側に対向す
る箇所に傾斜面を形成するとともに、ステーガイドには
前記小径軸部が嵌合できる長孔部の基端に大径軸部を嵌
合できる拡大孔部と、これに続く前記長孔部と同幅の孔
部とを透設し、ガイドピンの先端部にはこれに嵌合され
たステーガイドに向かってステーを引き寄せるばかね付
きの座金を設けたことを特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案を天板を扉に形成したデスク型の電気機器
収納用箱に使用した実施例により詳細に説明する。

（１）は箱本体（２）の上端開口（３）を施蓋する扉で
あり、該扉（１）は後側を箱本体（２）の後側上端に枢
動自在に取り付けられている。（４）はステーであり、
該ステー（４）は基端を箱本体（２）のステー支持台
（５）に枢着されており、その先端の側面には基端を大
径軸部（６）に形成するとともにこれに続いて小径軸部
（７）を連設したガイドピン（８）が突設されている。
このガイドピン（８）の大径軸部（６）にはステー
（４）の基端側に対向した箇所を切欠して形成した傾斜
面（９）が設けられている。

（10）は扉（１）の側板（1a）に取り付けられたステー
ガイドである。ステーガイド（10）はガイドピン（８）
を摺動自在に支持するための案内長孔（14）が透設され
ている。この案内長孔（14）は前記小径軸部（７）が嵌
合できるが大径軸部（６）が嵌合できない長孔部（11）
と、その基端に形成された大径軸部（６）が嵌合できる
拡大孔部（12）と、これに続く前記長孔部（11）と同幅
の孔部（13）とからなるものである。この拡大孔部（1
2）は長孔部（11）及び孔部（13）になだらかに続く形
状とされているが、扉（１）を開いて行くときにガイド
ピン（８）が当たる下側コーナーのみは角張った形状と
されている。

このステーガイド（10）の案内長孔（14）にはステー
（４）のガイドピン（８）が摺動自在に支持されている
が、ガイドピン（８）の先端部にはこれに嵌合されたス
テーガイド（10）に向かってステー（４）を引き寄せる
ばね（17）付きの座金（15）が設けられている。

（作用） このように構成されたものでは、箱本体（２）の上端開
口（３）を扉（１）が施蓋している状態では、第１図に
示すようにステー（４）はそのガイドピン（８）の小径
軸部（７）を扉（１）側に設けたステーガイド（10）の
案内長孔（14）の長孔部（11）の先方に嵌合されて扉
（１）に添うように伏倒状態にある。しかし扉（１）を
開ければ、ステー（４）は基端を中心に上方に向け回動
することとなり、ガイドピン（８）はステーガイド（1
0）の長孔部（11）の基端に向かって摺動する。そして
ガイドピン（８）がステーガイド（10）の基端に形成し
た大径軸部（６）を嵌合できる拡大孔部（12）に到る
と、ステー（４）のガイドピン（８）はばね（17）付き
の座金（15）の弾発力によりステーガイド（10）を大径
軸部（６）側へ押し、逆にステー（４）のガイドピン
（８）はステーガイド（10）側に引き寄せられることと
なり、第２図および第８図に示すようにガイドピン
（８）の大径軸部（６）がばね（17）の弾発力により拡
大孔部（12）に嵌合することになる。この状態で扉
（１）から手を放し扉が自重で逆回動しようとしても、
ガイドピン（８）の大径軸部（６）が拡大孔部（12）か
ら長孔部（11）に入り込むことができず、ステー（４）
はこの状態で停止するので開蓋状態を保持することとな
る。

次に扉（１）を閉じる際には、扉（１）を更に開き方向
に回動すれば、ガイドピン（８）は拡大孔部（12）から
更に基端側に移動することとなり、しかもガイドピン
（８）の大径軸部（６）のステー（４）の基端側に対向
した箇所に傾斜面（９）が形成されているとともに拡大
孔部（12）の基端には案内長孔（11）と同幅の孔部（1
3）が続かせてあるので、第３図のように傾斜面（９）
がばね（17）の弾発力に抗して孔部（13）と拡大孔部
（12）との段部の外側に乗り上げ、第４図に示すように
大径軸部（６）は拡大部（12）から離脱して小径軸部
（７）が孔部（13）に嵌合された状態となる。そこで、
扉（１）を閉蓋方向に回動すれば、第５図のように扉
（１）の自重によりガイドピン（８）の小径軸部（７）
はステーガイド（10）の拡大孔部（12）の上縁（12a）
に押圧されつつ摺動して拡大孔部（12）を通過する。こ
のときには第４図に示すように大径軸部（６）の端面が
ステーガイド（10）の側面に当接した状態を保ち、大径
軸部（６）が拡大孔部（12）に再嵌合することがないの
で、ガイドピン（８）の小径軸部（７）は拡大孔部（1
2）から長孔部（11）へと移動し、ステー（４）の停止
状態は解除されて扉（１）は閉じることとなる。

このように本考案の装置によれば扉（１）を開いた状態
から更に少し持ち上げることによりステー（４）の停止
状態を解除することができるので、従来のように片手で
扉（１）を支えながら他方の手で解除操作を行う必要が
なく、扉が大型でステーを左右２箇所に設けた場合にも
１人で扉を容易に閉じることができることとなる。なお
一連の工程を第９図に示した。

（考案の効果） 本考案は以上の説明によって明らかなように、ステーガ
イドの案内孔の形状とこの案内孔に嵌合して摺動するス
テーのガイドピンの構造とを巧妙に組合わせることによ
り、扉の開閉動作と連動させてステーのセットおよび解
除をできるようにしたもので、従来のこの種の扉のステ
ー装置の問題点を解決したものとして、その実用的価値
は極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を施蓋状態で示す一部切欠側面
図、第２図はステーのセット状態を示す一部切欠側面
図、第３図、第４図、第５図はステーの解除の過程を示
す一部切欠側面図、第６図はステーのガイドピンがステ
ーガイドの案内長孔に嵌合した状態を示す一部切欠平面
図、第７図はステーのガイドピンがステーガイドの拡大
孔部に嵌合した状態を示す一部切欠平面図、第８図は要
部の分解斜視図、第９図はガイドピンと案内長孔との関
係を示す斜視図である。 （４）：ステー、（６）：大径軸部、（７）：小径軸
部、（８）：ガイドピン、（９）：傾斜面、（10）：ス
テーガイド、（11）：長孔部、（12）：拡大孔部、（1
3）：孔部、（15）：座金、（17）：ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステー（４）の先端に大径軸部（６）と小
   径軸部（７）とを持つガイドピン（８）を突設し、この
   大径軸部（６）のステー（４）の基端側に対向する箇所
   に傾斜面（９）を形成するとともに、ステーガイド（1
   0）には前記小径軸部（７）が嵌合できる長孔部（11）
   の基端に大径軸部（６）を嵌合できる拡大孔部（12）
   と、これに続く前記長孔部（11）と同幅の孔部（13）と
   を透設し、ガイドピン（８）の先端部にはこれに嵌合さ
   れたステーガイド（10）に向かってステー（４）を引き
   寄せるばね（17）付きの座金（15）を設けたことを特徴
   とする扉のステー装置。