JP2675879B2 - パルプ及び紙原料濃縮装置 - Google Patents

パルプ及び紙原料濃縮装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はセーフアート等の米国特許第4,722,793号の
装置の改善に関するものである。本発明の1つの見地に
関しては、もし供給原料が最初に供給されるブレストロ
ールと見なされることができるロールに供給原料が入る
ことができそしてロール内の室から排出されることがで
きる不連続外面を含むと、斯かる濃縮装置は有効性を失
なうことなく能力を増大することが発見された。例え
ば、ロールの不連続面は貫通した多くの開口を有する円
筒状外筒によって形成されることができる。斯かる開口
は、原料が外筒を通して両方向に自由に流れを形成する
ように、供給原料内の粒子の最大サイズよりも大きな流
れ面積を有するべきである。外筒により囲まれる室はロ
ールの内部に完全に収めることができる。
供給原料は外筒内の室に直接供給されることができる
か又はワイヤと外筒とにより、原料のほとんどの容量が
外筒の開口を通して室に入るような方法で、形成される
原料供給楔領域に供給されることができる。ロールに入
る原料は、続いて遠心力により室の外に投げ出され外筒
内の開口を通して外筒に巻掛けているワイヤに向って投
げ出される。その原料の多くの液体成分はワイヤを通し
て絞られ、ワイヤループの内面の濃縮されたパルプの層
を離脱する。この層はワイヤの内面により第2ロールと
の巻掛けの関係に搬送され、そこで更に脱水され次いで
上記のセーフアート等の特許に説明されるように集めら
れ除去される。
主な利点は、ロールに巻掛けられるときワイヤループ
の内部に十分に高い容量の原料が供給されることであ
る。このロールのまわりで脱水される低密度原料の容量
が増えると、遠心力によりワイヤを通して懸濁物の液体
成分が絞られるとき、ワイヤ上に堆積される繊維の量が
同様に増大する。
本発明の別の見地は、上記のセーフアート等の米国特
許の装置で第2ロールの不透過性の外筒の代りに「開
口」又は液体透過性の面又は外筒を使用することであ
る。例えば、ロールはワイヤメッシュにより覆われた穴
あき外筒を有することができる。斯かる第2ロールはセ
ーフアート等の米国特許に開示されているように不透過
性の第1ロールと共に又はここに開示するように不連続
又は開放面を有する第1ロールと共に操作することがで
きる。
第2位置に開放ロールを使用することで濃縮されたパ
ルプの高い排出濃度を得る。高い濃度は、ワイヤの張力
により生じる圧力の結果として網状繊維から絞られる液
体が半径方向外側と半径方向内側のいずれかに今や移動
することができ、そこで所定濃度を得るため必要とする
排液圧を低減するか、又は与えられた排液圧で水除去量
が増大しそこで排出濃度を増大することで達成される。
内方に移動する液体が外筒の内面から除去されない
と、液体は外筒を離れてからパルプが絞り領域を離れた
直後にパルプを再び濡らすことになる。製紙機械サクシ
ョンプレスに普通に使用されるように、内部ドクター又
はウエットサクションボックスは、水をロール内面から
除去して捕集しロール内部から外側に放出するために第
2ロールの外筒の内面に配置されることができる。水の
放出は中空軸を通して、又は第2ロールの端部の開口を
通して、又はこの第2ロールの開放面を逆に行なわれる
ことができる。後者の放出方法は、パルプがロールを離
れる点の後で、かつ新しい湿潤パルプが第2ロールに接
する楔領域の前で達成されることができる。適当な槽が
斯かる液体を捕捉することができる。
第2ロールの開口を通してパルプ層から水を半径方向
内方に除去することは有利であり、そこではワイヤとロ
ール表面との間のパルプマット又はパルプ層が十分な排
液抵抗を有する。排液抵抗はマットの厚さによりそして
繊維及びその中の細孔の特性により変る可能性がある。
水除去のため第2通路を形成することにより、水が移動
すべき最大距離が半減され、どちらかの方向に移動しな
ければならない水の量も半減され、水除去効果において
4倍の増大の可能性を形成する遠心水分離装置では、最
少量の水が半径方向内面に集まるのが許容される場所、
又はロールの開口を通して水が現われるとすぐに半径方
向内面近くから水が除去される場所で、遠心力に抗して
水の流入が増大する。
サクションボックス又は真空ボックスによる捕捉的な
水除去は、ボックスに入る前に上流堰又はボックスへの
分流器が水層を掻き取る所では増大する。他方、パルプ
層の排液抵抗が低い所では層の開口度及び層の薄さの一
方又は両方が作用するため、パルプ層を通して外方に流
入する空気流をロールの内側に向け水を除去してロール
開口を通過させることにより水除去を増大させることが
できる。
液体移動は、ワイヤに極く接近して取り付けられた外
部エヤブローボックスによって及び圧力下で空気を供給
することによって空気又は他のガスをワイヤ、パルプ
層、開放ロール外筒を通して半径方向内方に吹きつける
ことにより増大させることができる。幾らかの空気はブ
ローボックスとワイヤの間の間隙を通して逃げることが
でき、ワイヤくぼみから濾過スペースの中に水を除く。
空気は、内部ブローボックスと第2ロールの面に隣接す
る外部サクションボックスにより液体を半径方向外方に
動かすため遠心力の働きを助けるように使用することが
できる。
第2ロールのまわりのワイヤの移動の端部でメッシタ
イプのワイヤの網目孔は、表面張力が水の遠心力による
逃げを阻止するので、部分的又は完全に液体で満たされ
る。又水の薄い層がワイヤの外面に同じ理由で残る。終
局の放出のため濃縮されたパルプがワイヤから分離して
いると、液体の一部分又は全部はワイヤから引き出され
パルプの通路に沿って移動し、実際上パルプから分離で
きない。
斯かる再湿潤を防ぐため、空気ジェット又は空気流
が、パルプがワイヤから離れる直前に抄紙機の幅を横切
って、ワイヤの外面に指向される。空気はワイヤのくぼ
みから液体を濾過スペースへ吹き出させる。ワイヤとパ
ルプとの分離点に達するとワイヤのくぼみは空気により
大部分が充填され再湿潤が最小化される。開放面ロール
が第2ロールとして使用されるとき、内部サクションボ
ックス又は外部ブローボックスが配置される位置より前
方で水をワイヤから吹き離すのが有利となる可能性があ
る。
又ニップロールが本発明により濃縮装置に使用するこ
とができる。ニップロールは滑らかな円筒状面をもつ
か、周方向、軸方向又はら旋状の逆穴、盲穴又は貫通穴
を有するさらに開放された面をもつこともでき、又はワ
イヤの被覆ロールとすることもできる。ニップロールは
遠心力による水除去が非常に完全に行われる第2ロール
の領域に配置されるべきである。空気ジェットが水をワ
イヤから吹き出すために使用されると、ニップロールは
斯かる装置の前に配置される。ニップロールが開放第2
ロールと協働すると、ニップロールは液体を半径方向内
側に引き出す前の点に配置される。ニップロールはワイ
ヤ張力だけによるよりも繊維マットをさらに圧縮するた
めに作用し、したがって多くの水がマットの外に絞り出
される。
絞り領域の後では、パルプはワイヤがロール面のいず
れかに追従することができ、パルプはこれらの面のいず
れかから除去され排出コンベヤに投入される。開放第2
ロールの面はドクター作業には役立たず、そのためにパ
ルプマットをロール面から離してもち上げる必要があ
る。内容ブローボックス又はブラッシロールはロールの
内側に取り付けることができ、その剛毛は開口を通して
侵入し、パルプをロール外面から押し出す。外部静止ブ
ラシ又は回転ブラシロールを使用することができる。パ
ルプがワイヤに追従する場合には、エヤブローボック
ス、ドクター又は同様の手段をパルプをワイヤから除く
ために使用することができる。
ある例では第2ロールの開口は大きくすることができ
るが、機械的脱水効果が得られず、そして開口面は第2
ロールが本発明に係る開放第1ロールと同様に遠心力作
用によってのみ脱水するように全表面積のうち高いパー
センテージを有する。斯かる設計は非常に脱水し易いパ
ルプ又は懸濁材料に適当であり、又は付加的な絞り作用
によって得られるような高い放出濃度が必要でないとこ
ろでの使用は適当である。このモードでは、パルプはワ
イヤに支えられて第2ロールのまわりをワイヤがこのロ
ールを離れるまで移動する。パルプは今や適切な手段に
よってワイヤから除去され機械から放出するための排出
コンベヤの中に案内されなければならない。
ロールの一方又は両方はロール直径と同じ直径の限定
された数のディスクを軸で担持する。ロール構造によっ
て開放面を形成するものとすることもできる。最小では
2個のディスクが、ロールの両端に1個宛配置され、ワ
イヤがこれらのディスクにより支持され案内される。他
の設計のように、液体とパルプの遠心作用及びワイヤ自
身の質量が、ワイヤのロール面により支持されていい領
域でさえもワイヤを十分に張った状態にする強い張力を
作り出す。
本発明の別の拡がりにより、ここに以下に詳細に説明
するように、ワイヤの支持ロールは軸線が異なる水平高
さで間隔をおいて取付けたり、特に軸線を同じ垂直面内
において取付けることができ、したがって1つのロール
は他のロールの直接上方に隔置され、そこで装置全体と
して必要とする床スペースを最小限に低減させたり、又
はロールの軸線を垂直に含む共通面に対して傾斜させる
ことができる。
本発明は、フレームと、該フレームに回転可能に間隔
をおいて取付けられた第1ロール及び第2ロールと、該
ロールとワイヤとによって境界される空間を形成するた
め協働する前記ロールの表面の十分な部分に巻掛けられ
る関係で前記ロール上を移動する無端ワイヤと、該無端
ワイヤ及び前記ロールを駆動するための1つのモータと
を含む液体中のパルプの懸濁液を濃縮するための装置に
おいて、少なくとも第1ロールの内部が中空でこの内部
を囲む貫通開口を有するか形成され、ヘッドボックスが
パルプ懸濁物を開口を通してワイヤに向って放出して、
前記第1ロールの内部に供給する濃縮装置として説明さ
れる。本発明の別の見地では、ヘッドボックスは第1ロ
ールに近づくワイヤと第1ロールにより形成される楔領
域に取付けることができ、いくらかの懸濁物を開口を通
してロールに入れ、続いてロールから放出するか又は、
ヘッドボックスの開放側が開口を通して懸濁物を外側に
流しそしてワイヤと係合するようにロールの内面に直接
隣接して配置することができる。
本発明の別の形態ではパルプ懸濁物の濃縮装置は、第
1ロールと第2ロールのまわりを移動するエンドレスの
ワイヤを有し、第1ロールでこのワイヤを通して液体を
絞ってパルプ層をワイヤの内面に形成し、パルプ層はワ
イヤにより第2ロールの外面に載せられて別の液体除去
のステージを経過するようになっており、この濃縮装置
の第2ロールは中空内部を有しロール表面から内部に導
びく液体案内開口が形成されてパルプ層からの液体の半
径方向流入又は内部からの圧力で空気を流出させる。更
にパルプから液体を移動させるために、第2ロールの開
口を通して、内方か外方の何れかに空気流を生じるよう
に配置した差動空気圧ダクトを特徴とする。ニップロー
ルがワイヤとロール外面との間のパルプ層を絞るために
第2ロールでワイヤの外面と圧触するように使用するこ
とができる。
本発明の別の形態は、第2ロールに隣接するワイヤ外
面に向って空気流を向ける空気ジェットを使用すること
であり、この空気流はワイヤ外面から液体を除去するた
め、ワイヤ外面に対して鋭角で吹き付けられる。一方又
は両方のロールは支持軸上の直径の等しい1対の隔置さ
れたディスクにより形成され、ワイヤがディスクの外面
上を移動されてディスク間に開放スペースを形成する。
以上に明示したように、本発明は更に、第2ロール表
面とワイヤとの間において第2ロールのまわりに巻掛け
られワイヤ走行部の間で且つロールの間のスペース内で
第2ロールから隔置された小径の案内ロールのまわりに
巻掛けられ、第2ロールの表面からパルプを受入れる非
常に穴の多い無端のワイヤを有するパルプ除去装置を特
色としている。さらに、第1ロールの軸線と第2ロール
の軸線は、1つの面内で傾斜することができ、したがっ
て1つのロールは他のロールの上に、したがって両軸線
は水平でない位置に傾斜される。
[実施例] 本発明をより容易に理解できるように添付図により説
明する。
第1図は前記セイフアートの特許に開示される濃縮機
の構造を示すものである。前記構造は各々の側をサイド
ビーム11と適当な側部支柱により連結された2つの支柱
を有するフレーム13を含む。2つのロール20,22は夫々
本装置の主作動要素である第1ロールと第2ロールを形
成し、前記フレームの両端付近に組付けられる。ロール
22は支柱10の上端のピローブロックベアリング23により
組付けられた状態で示されている。前記ロール22は、全
体を24で示すワイヤ駆動部を介して、前記フレーム13に
取付けられたモータ25により駆動される。
織成した有孔の「抄き網」である無端のワイヤ30は、
ロール20と22の周りに巻掛けられ、本装置の他の作動部
品を配置するスペースをロール20,22と共に形成する。
ワイヤ30は、好ましくは、抄紙機抄き網のために一般に
使用される任意のプラスチック材料、例えばポリエステ
ルからなる。又機械の製品はワイヤをつけるのが不適当
であるシートであるよりむしろパルプであるので、ワイ
ヤーマーク30は抄き網の端部がオーバラップするループ
を含み、そのループを通して挿入される金属「ピン」に
より前記ループが互に取外し可能に連結されるピンシー
ムタイプとすることができる。ピンシームタイプのワイ
ヤを使用することは、ワイヤがシーム無しの無端ループ
である場合に必要とするような、ロールを片持ち支持す
ることなしにワイヤ交換を可能にするので、特に好まし
い。
ロール20はワイヤに張力を加える手段を含むフレーム
上の調節可能な取付部を有する。ロール20は各ジャーナ
ルはピローブロック31により基台33に支持され、該基台
33は前記サイドビーム11上を滑動可能に支持される。基
台33と近くの支柱10との間に連結される1対のジャッキ
スクリュー35のような手段が前記滑動をコントロール
し、ワイヤ30の張力をそれに応じて調整する。
ロール20は、該ロール20と同じ基台33の上に取付けら
れたヘッドボックス40との組合せにより、長網抄紙機の
ブレストロールと同じように機能するので、ヘッドボッ
クスはロール20に対して固定した間隔を維持する。この
ヘッドボックスは下部壁41と上部壁42を含むように示さ
れており、該下部壁41と上部壁42とは、供給原料の比較
的フラットなジェット44を前記ワイヤ30の前記ロール20
の近くの上部走行部とそれに隣接した前記ロール20自体
の表面とによて形成される楔領域45に放射する噴出口を
形成する。濃縮されるべき供給原料は図示しない普通の
原料供給ポンプから図示しない都合のよい供給ラインに
よりヘッドボックスへと供給される。
ワイヤ30の上部走行部と下部走行部及びロール20,22
により形成されるスペースの他端部には、ロール22の表
面とワイヤ30のこのロール22を離れる上部走行部により
形成される楔領域52内でロール22の表面からの濃縮され
たパルプを受入れるためのスクリューコンベヤ51を底部
に設けた受槽50がある。ドクターブレード55は、濃縮さ
れたパルプをロール22の表面から受槽50に搬送するた
め、ロール22の露出面と受槽50上流の側壁56との間のス
ペースを架橋し、スクリュー51は集まったパルプを機械
の背部の図示しないシュートさせ、該機械の背部はシス
テムの次のステーションとつながる。構造の詳細及び好
ましい形状のドクターブレード55の操作の態様は、ブリ
ス等の米国特許出願第229,673号、1988年8月8日出願
に開示されている。
本発明の一実施例に関し、そして第2図に示すよう
に、供給原料を初期的に受入れるので「第1」又は「初
期」ロールと表現されているロール20は、開口61を有す
る円筒外筒60を含み、前記開口61を通して非連続外表面
を有するロールを形成する。前記開口は供給原料内に懸
濁する可能性のある最大サイズの粒子を貫流する十分な
流れを確実にする十分に大きなサイズとする。例えば外
筒60はセイフアート等の米国特許第4,106,980号明細書
に示されるように構成された多孔円筒構造とすることが
できる。
又第2図に示されるように、外筒60は製紙産業用のシ
リンダーモールドの製造に普通に使用されるようなハニ
カム構造とすることができる。斯かるハニカム外筒は、
12.7mm(0.5インチ)〜25.4mm(1インチ)の範囲の幅
のシートメタルストリップで作ることができ、12.7mm
(0.5インチ)の長さのオーダーで外筒の各側壁62と六
角形の穴61のはまり合った列を形成するように配置され
形成される。斯かるハニカム構造の外筒が、シリンダモ
ールドに使用されるときにワイヤをカバーするための支
持部として作用する部位には、ワイヤ30により巻掛けら
れる表面に面した開口部を形成する可能性が残されてい
る。
紙挟みクリップのような比較的大きな除去材料片を含
む可能性のある原料内の最大固体粒子を通すに十分な大
きさを開口61にもたせるという要件が又別の理由のため
にも望ましい。この理由は、このような寸法の開口は、
ロール20がワイヤ30より滑らかでない外面をもつ原因と
なり、パルプ又は紙のウエブは滑らかな面へと移行する
という自然の傾向をもつもので、ワイヤとロールの間に
集まったパルプ層は均らすことなくワイヤの下側走行部
上に堆積する傾向となることである。この結果は、更に
上記米国特許第4,722,793号明細書に示されたようなロ
ール20の5時の位置に近くにドクターを設けることによ
り確実にすることができるが、一般にはこのようなドク
ターは必要とされない。
ロール20の内部構造は、外筒60の開口61を通ってロー
ルの中に又はロールから外に原料が自由に循環するのを
妨げないようにロールの内部が区切られない限り、本発
明にとっては重要でない。ロールの端部は端部ヘッドに
より好ましく閉鎖されているので、流体はロールの内部
と開口61を通してのみ通過することができる。ロール20
は両端を閉じた状態で作られることができるので、ロー
ルの内部は外筒60により囲まれた1つの室として作用す
るが、開口61により供給原料は流出入が可能である。
操作時には、第2図に示すように、ヘッドボックス出
口からの供給原料のフラットなジェット44は楔領域45に
向けられ、好ましくはワイヤとロール外筒が出会う領域
の頂部に向けられる。この原料の幾らかはワイヤに衝突
し、ジェットの力で液体はワイヤを通して移動するの
で、直ちに部分的に脱水される。幾らかの原料は外筒30
とワイヤとの間に受入れられるが、外筒は表面が開放し
ているので十分な容量の原料は開口61を通してロール内
部に入る。
ロール20が914.4m/min(3000フィート/分)〜1219.2
m/min(4000フィート/分)のような比較的高い表面速
度で回転すると、外筒60内の開口61に入る材料は皆直ち
に相応して高い遠心力を受ける、それは開口61を形成す
る壁62が基本的にはワイヤ30と同じ速度で移動するから
である。このことは、開口61内の原料を同速で移動させ
るのみならず、遠心力で原料を外に戻させ、これらの開
口の外端を覆っているワイヤに戻させる。同様に、外筒
60を通って完全にロールの内部に通過する原料を遠心力
により外筒60の開口61の中にそして開口61を通してロー
ル20のヘッドボックス40とは反対の側に沿って戻すよう
に投げ出される。
そのときワイヤ30のみが原料のロールからの自由放出
を阻止するので、遠心力が連続的に作用することで原料
の液体成分がワイヤを通して圧搾され、液体中に懸濁さ
れるパルプ材料がワイヤに保持されこのワイヤの内面に
層を形成する。この方法で、ロールに巻掛けられ続いて
第2ロール22に巻掛けられたワイヤを通して圧搾された
液体は槽65(第1図)内に集められ、該槽はロール20と
22の両者の下方に延在し排液出口66を具備する。フード
67は全体として装置の上方に取付けられ、槽65の上部に
嵌込まれているので、このフードの内面に衝突する液体
はどれもフードから槽65の中に落ちる。
上記米国特許第4,722,793号に説明されているよう
に、ワイヤ30の基本の作用は原料の繊維及び他の固体成
分を、保留されるパルプの脱水をさせる主な要因である
遠心力の作用に抗して、内面に原料の繊維及び他の固体
成分を保持するフィルター材として作用することであ
る。最大容量の保留パルプを形成するために、ワイヤ
は、特にワイヤとロールの間の圧力がワイヤとロールの
間に集まるパルプの層により増大するので、ロール22か
らロール20への駆動力伝達に十分な張力以上の張力の下
で維持される必要はない。上記米国特許に開示されるよ
うに、張力は直線25.4mm(1インチ)に付0.453(1ポ
ンド)〜1.812kg(40ポンド)の範囲とすることができ
る。
初期脱水はワイヤのロール20に連続的に巻付けられる
部分を通して行なわれる。一般に、供給原料が0.5%の
濃度であると、ワイヤの下側走行部のパルプ層は6〜8
%の範囲の濃度にまで脱水される。より高濃度への脱水
は、その濃度のパルプ内の液体はも早遊離状態にはない
ので困難である。上記の操作条件は下で、ロール22から
除去されるパルプでは12〜14%の範囲の濃度を得ること
ができる。ロール20の中に開口61を通してのみ入ること
ができる液体はすべて、同じ開口のいくつかを通して離
れる。装置を、非常に大きな容積供給率で供給原料を供
給することによりあふれさせることも可能であるとはい
え、供給率を装置の能力とバランスさせて適切な脱水を
有効にすることは、供給率の観察及びコントロールが簡
単なことでないと同様に簡単ではない。
第3図はロール20に代って使用することができる異な
った構造の一次ロール又は第1ロールを示す第2図と同
様の図である。このロールはロール20と同じ方法で回転
するように順次取付けられている複数のヘッド75により
両端を支持される多数の比較的フラットなバー72により
形成された非連続外面を有する円筒状の外筒71を含む。
バー72は間にスロット状の開口77を形成するために周方
向に間隔をおいた関係で配置され、これらのバーは図示
しない適当なディスク部材によりその両端間の適宜の位
置で支持されることができる。ロール70が第1図のロー
ル20の位置に使用されるとき、スロット77が開口61と同
様に機能し、フラットバー72はスロット77の中の原料を
ベルトと同じ速度で強制的に移動させ外筒から外に放出
させるパドルとして作用することにより、作用は基本的
には第1図と第2図に関して説明したと同様である。
第4図では、ロール80の基本構造はロール20の構造と
同じにすることができるが、原料をロールに供給するシ
ステムは異なっている。より詳細には、ロール80は抄紙
機械のサクションロール正確にはブローロールに、その
穴あき外筒81がサクションロールの中の吸引室の如き静
止室82を囲む点において同じであり、静止室はワイヤに
より巻掛けられるロールの外筒81の最初の90゜の実質的
部分の下にある。
ロール80は好ましくは静止中空軸85に回転可能に取付
けられ、該静止中空軸を通して供給原料はロールの内部
に導入され、そして穴あきの外筒81を通して原料を外方
に流させるに十分な圧力の下で86で示されるようにボッ
クス室82の内部に分散される。この圧力は又原料の液体
成分のいくらかを直接ワイヤ30を通過させるに十分であ
るべきであり、脱水は更にその後、ワイヤの内面に形成
する繊維層がドクターブレード55により設定される放出
位置に移動を続けるときに、遠心力により行なわれる。
本発明の付加的部分は第2ロール22のために開口した
面を有する又は液体を透過するロールを使用することで
あり、1つの好ましい配置は第5図のロール100で示さ
れており、ロール100は中空であり例えばドリルで穴あ
けされることができ、そしてワイヤ103によりカバーさ
れる外筒102を有する。張力を加えたワイヤの圧搾力又
は絞り力を使用して水を最大限に除去するための外筒の
開口105は、液体を通過するかパルプは通過しないだけ
小さくすべきである。
穴あきのロール100の利点は、第1ロール20としてこ
れを固定か水のどちらかが透過性のロールとすることに
より実現することができる。パルプ又は原料層106から
圧搾された水は今や第2流路から除去されるので、パル
プはさらに高い濃度になされる。前に述べたように、排
水圧力は、層106の圧縮領域又は区域に半径方向内方へ
の流路を形成することにより減少することができる。
第5図に示されるシステムでは、外筒の内面に内方へ
移動する遊離水を除去することと、液圧を最小に維持す
ることと、圧縮領域を離れるときパルプ層106が再び濡
れるのを防ぐことが重要である。この目的のため、吸引
ボックス110の形で内側ドクターが外筒の内側面に好ま
しくは、圧縮領域又は絞り領域の周辺で半分の路程以上
の位置であるがワイヤ30の走行出口側の楔領域51の前に
配列される。吸引ボックス110の上流側又は導入側での
ワイパー又はドクターブレード111は外筒102の内側面か
ら水のフィルム112を除去し、除去した水を除去槽113中
に放出する。水排出は図示しない中空ロール軸を通して
便利に流出することができる。
第5図は又繊維層106のどの部分を除去するかとして
もロール100の外面かワイヤの内面のいずれかに空気圧
縮ドクター又はブローボックスを用いるので、その好ま
しい配列を示す。ワイヤと楔領域52の上に配置されたブ
ローボックス115は、ワイヤ内に流入されたパルプ材料
をコンベヤ層50の中へ押し込み、必要ならば、流入され
た原料をロール外筒からコンベヤ槽50及びスクリュー51
内へ向けるため、第2のブローボックス116を楔領域52
で外筒102の内側面に配置することができる。
第6図の開放の第2ロール100の配置は、開放の外筒1
02との組合せで水除去を助けるため空気ジェット又は空
気圧を有利に使用することを示している。エヤーブロー
ボックス120は空気流をワイヤの外面に、好ましくは絞
り又は加圧領域の周辺の半道程以上の位置に向けるよう
に組付けられる。エヤーブローボックス120の側壁121と
122はワイヤの外周に対して間隔をおいた状態で終って
空気出口通路又はスロット124を形成しており、いくら
かの空気がワイヤ外面で接線方向に高速度で出口通路又
はスロットを通過して排出するのを可能にする。これら
の空気はワイヤ上に向けられワイヤに極く近接して流
れ、このワイヤの開口又はくぼみの外側の残りの水が流
入し、水をその場所に保持する傾向にある表面張力を克
服することにより水をこれらのくぼみから除去する。残
りの空気は槽125により集めるために、外筒内部にパル
プ層106を通して水を押すことにより水を除去するのを
助ける。ある例では、第2ロール100の表面は、第7図
に示すように表面がワイヤ103を含むかワイヤ103として
形成されているように、普通のドクター作業には適して
いない。内側のブローボックス116を組込み使用するこ
とができるが、単独では十分でない。このような場合、
ブラッシ130を外筒102の内側に組付けることができ、外
筒の開口105を通してブラッシの剛毛が侵入するように
配置することができる。第7図は又外部回転ブラッシ13
1を走行出口側の楔領域52に、その剛毛が外筒の外面と
接触し、スクリュー51内へ繊維粒子を押し流すように使
用することを示す。
原料層106の厚さ、透過性及びワイヤにより加えられ
た張力に依存するある例では、水の除去を助けるため
に、すでに存在する遠心力の方向すなわちほぼ半径方向
外方に清浄用空気を向けることが有利である可能性があ
る。そのための内部のブローボックス132は第7図に示
されている。この場合、又は吸引ボックス110の場合の
ように、その先端縁には、前に説明したように槽113へ
水フィルムを除去するためにワイパー又はドクター111
を設けることができる。
第8図は、ロール22が上に述べた種類のいずれかの不
連続表面を有するとき、特に有利である、第2ロール22
から濃縮パルプの層を除去するための別の配置を示す。
第8図では、ロール135はデッカータイプの濃縮機を有
するクーチロールとして屡々使用される種類のロールで
あり、したがってロール22の表面より滑らかなゴム被覆
のような外面を有する。2つのロールの配置は、ロール
135が炉22の表面上にパルプのマットと軽く圧触するよ
うにすべきであり、これによってパルプマットはロール
135のより滑らかな面へ移行し、該ロール135からドクタ
ー236により槽50の中へ除去される。
第9図では、例えば多くの平行な系(strings)又は
幅広の網目織の繊維からなる非常に穴の多い無端のワイ
ヤ140が、ロール22と槽50上に配置され小径の案内ロー
ル141とに巻掛けられる。この配置で、パルプマットは
ロール22のまわりを移動するときワイヤ140上に圧縮さ
れ、斯くして重力により槽50内に除去されるまで、ロー
ル22から離れてワイヤ140に従う。ドクターは、全ての
パルプマットをワイヤ140から確実に除去するために配
置することができ、又ブローボックス115を第7図に関
連して説明したように、ワイヤの上に配置することが望
ましい。
第10図は、ロール20のまわりを通過するとき濃縮され
た全てのパルプマットがロール20から除去され第2ロー
ルへのワイヤ30の内側に移行してロールから除去される
ことを確実にするため、ロール20との関連で非常に目孔
の多い同じようなワイヤ145の使用を示す。図示のよう
に、ワイヤ145はロール20と比較的小径の案内ロール146
とに巻掛けられ、したがってワイヤ145がロール146のま
わりを鋭角的にまわると、落下していない濃縮パルプを
除去され前方へ投げ出されてワイヤ30の内面上へ落下す
る。ワイヤ140又は145は透過性ロール又は不透過性のロ
ールのいずれかと共に使用できる。
第11図は、水をワイヤ開口又は表面くぼみから除去す
るために多数の交替した位置で1つのエアドクター150
を使用することを示す。ノズル151は、空気流を出側に
隣接した位置で圧縮領域の終端より前でワイヤの外面に
向ける。ノズル151の最適の場所は、ワイヤのくぼみの
形状に依存するが、衝突区域でのワイヤの速度ベクトル
を考慮することができる。
エアドクター150からの空気流は表面張力に打ち勝
ち、さもなくば水が逃げるのを遅らせる。このような裂
け目を水を除去することがパルプが再び濡れるのを低減
する。そうでないと、パルプ層が楔領域52に入るとき再
び濡れることになる。空気ジェットのエアドクター150
により除去された水は、第1図に示すように、フード67
の下方の濾過空間に入り、槽65と出口66により排水され
る。ワイヤにトラップされた水を除去するためのこの空
気ジェットの配置は、透過性ロール又は不浸透性のロー
ルのいずれかと共に使用することができる。
水除去を増大するための別の好ましい配列は、第12図
に示すように、ニップロール155によって形成される。
通常ロール100又は22の直径より小径のニップロール155
は、圧縮又は絞り領域でワイヤの外面に圧縮力を加え
る。このニップロールは圧縮領域を半分以上過ぎた場所
で、第2ロールによりすでに水除去が部分的に行なわれ
た部位に配置される。
ニップロール155は円滑な面をもつことができるが、
軸方向の溝又はら旋溝が例えば盲穴か貫通穴をもつより
開放的な表面とすることができる。ニップロールは又ワ
イヤで被覆されたロールとすることができる。エアドク
ター150が使用されると、ニップロール155は空気ジェッ
トより上流側に置かれるべきである。ニップロールがサ
クションボックス110又はブローボックス120との組合せ
で使用されると、ニップロールは斯かる装置より上流側
に置かれる。ニップロール155はパルプ又は繊維マット
又はパルプ層106をワイヤ張力のみによって可能である
よりも大きな圧力で圧縮する。
ある例では、第2ロールの開口は機械的絞り効果が達
成されないで、主として脱水が遠心力作用により行なわ
れるような大きさとすることができる。斯かる配列は原
料が容易に脱水する懸濁材料であるところ、又は絞りに
よって高い濃縮が実現されない所では好ましいものとな
る可能性があり、したがってパルプ層は初期的に又は全
体的にワイヤ30により支持されることになる。
斯かる装置は支持軸202を含む第13図のオープンロー
ル200により示され、前記支持軸202には同径の限定され
た数の同じディスク205が組付けられている。最小では
2個のディスク205が配設され、ロール200の両端に1個
宛設けられてロールを形成する。ワイヤ30はディスクに
支持されて案内され、パルプは前に説明したようにワイ
ヤの内側面を搬送される。他の実施例による如く、ワイ
ヤ自身と液体及びパルプの作用で、ワイヤがロールによ
り支持されない領域でさえ、ワイヤをぴんと張った状態
に保つ張力を作り出す。ロール200はロール20又は22の
一方又は両者の代りをすることができ、後に説明するヘ
ッドボックスアプリケーターと脱水装置を使用すること
ができる。
上記の各実施例に、ワイヤを支持する2つのロールの
軸線方向に直交する通路を移動するようにワイヤを案内
する手段が設けられるべきであり、斯かる案内をするた
めの好ましい手段は共有で1988年8月8日出願のポール
・ジー・マーシュの米国特許出願第229,393号に開示さ
れている。斯かる手段は、ワイヤループの内面の片縁又
は両縁とロールの面の補完的溝に沿って固定された案内
ストリップ又は第13図のロール200の両端のディスク205
とを接合し、図式的に206で示すように、ワイヤを巻付
けるロールの両端を突き出ているワイヤの対向線の1対
の案内ストリップで構成する。
第14図〜第19図は、ロール20と22の軸線が同じ水平面
内にない本発明の実施例の変形を示す。より詳細には、
第14図の第1又はブレストロール20は第2ロール22より
高い位置にあり、両者の軸線は水平に対し45゜で拡がる
面にある。第14図では、2つのロールとワイヤは反時計
方向に移動し、ヘッドボックス40は濃縮されるべき懸濁
液をロール20の上側の楔領域45を放出するように位置決
めされている。濃縮される原料は第1図に示すと同じ方
法で、ドクター55によりロール22から槽50の中へパルプ
マットを除去する。
第15図では、ロールの配列は第14図と同じであるが、
複数のロールとワイヤは、ワイヤに隣接する側部がワイ
ヤ自身により形成された側部開放槽となっており、側部
開放のヘッドボックス210と組合せで時計方向に移動す
るロール配列となっている。この供給装置により、ワイ
ヤとロール20の下側部分は濃縮されるべき懸濁液により
充満されているので、可成りの濃縮が、ワイヤとロール
20の間の空間に懸濁液が到達する前にワイヤから液体を
排出するかたちで行なわれる。濃縮されたパルプは、曲
線形状のドクター212によりロール22の表面から除去さ
れ、そこでドクターは第14図に示すように槽50中へパル
プマットを放出させる。
第16図は、ワイヤの配置が第15図と同じであるが、ヘ
ッドボックス215は構造と操作モードが米国特許第4,72
2,793号明細書の第1図に40で示されるヘッドボックス
と同じである。すなわち、加圧型のヘッドボックスは片
側42が他側41より短かいので、原料を楔領域45内とワイ
ヤの方向とに向けさせる。濃縮されたパルプを除去する
装置は第16図に示されたものと第15図に示されたものと
同じでよい。
第17図と第18図は、ロール20と22が逆であり、ブレス
トロール20が低い位置にあることを除いて、第14図と第
15図に代る配置を示す。第17図では、ブレストロール20
と、第2ロール22とワイヤ30は反時計方向に移動し、ヘ
ッドボックス40は濃縮されるべき懸濁液を第1図に示す
ように楔領域45に放出するように位置決めされている。
同様に濃縮されるパルプはドクター55によりロール22か
ら槽50の中へと除去される。第17図の装置の第1図の装
置に対する実際の利点は装置を全体として傾斜すること
から床スペースが低減するという効果である。
第18図では、ロールの配置は第17図の配置と同じであ
るがロールとワイヤは時計方向に移動する。ヘッドボッ
クス215は第1図と第14図の40で示すノズル型のヘッド
ボックスとすることができるが、第16図と同じ構造で示
されており、したがって懸濁液はロール20の下方側の楔
領域45に向かって及び同様にワイヤに向かって直接放出
される。
第18図の第2ロール22は好ましくは、濃縮されたパル
プマットがワイヤの楔領域52に移行するよりむしろロー
ルの上に残ることを特徴とする面を有するものであり、
濃縮されたパルプを重力により槽50の中に搬送するため
に図示された位置にスライド216を設けるのが好まし
い。遠心力によりロール22から投げ出されることのない
幾らかの濃縮パルプはドクター55により除去され槽50へ
排出される。又幾らかの濃縮されたパルプがワイヤ上に
残っても、楔領域45内の新鮮な懸濁材料とロール22に再
循環されるものと簡単に混合されるので、取るに足らな
いことであることに注目されたい。
第19図は、ロール20と22がその軸線が同じ垂直面内に
あるように組付けられるので、必要とする床スペースが
最小になるいう実際的な利点を有する本発明の一実施例
を示す。その別の点で、第19図のロール軸線の垂直配置
は第18図の傾斜配置と比較可能であり、本発明のこれら
の2つの形式の操作は、したがって、ヘッドボックス21
5が図示するように第18図の形式と同じであるか、又は
他の図で示されるノズル形式と同じかどうかを厳密に比
較可能である。いずれの場合も初期脱水は基本的に下向
きであり、したがって脱水は抄紙機械の側部と上部を囲
むフードにより集められる液体を受入れる機械の下のこ
ぼれ受けにより容易に処理される。
第1図〜第19図に示される全ての実施例において、ロ
ール20と22は軸線が水平の場合を示されるが、本発明は
斯かる配列に限定されるものではない。反対に、これら
のロールの軸線は水平に対して任意の角度にすることが
でき、ほぼ平行であるが交叉機械方向に水平に対して角
度をもつ2つの軸線をもつことに実際的な利点がある。
例えば、第20図に示すように45゜傾斜すると、第2ロー
ルからパルプが放出される槽は同様に傾斜され、したが
ってパルプはワイヤループの内部から流落される。
別の斯かる変形である第21図,第22図では、ロール22
0と222が軸線が垂直で互に横に隔てて組付けられる本発
明の特別の実施例を示し、それは両者とも有利であり実
際に本発明の装置の高いワイヤ速度での操作が可能でる
という理由により作られている。
より特別には、供給する懸濁材料を垂直に拡がるジェ
ット流として楔領域45の中へ放出するために位置決めし
たヘッドボックス40により、懸濁材料がワイヤ230とロ
ール220の間に、重力の影響下で下方流の機会をもつ前
にトラップされる。次いで濃縮されたパルプがロール22
0の外側走行側に出るとき、ワイヤ230の速度と、ロール
220のまわりを移動する間に形成されるパルプマットに
作用する遠心力が、ワイヤがロール222に移動するとき
ワイヤにそのマットをしっかり保持し、このワイヤの移
動の間遠心力と懸垂力の組合せにより更に脱水される。
この濃縮されたマットは次いでロール222のまわりを
移動するとき、更に遠心力により脱水され、したがって
長網抄紙機のクーチロールでの紙ウエブの密度と比べて
ひけをとらなぬ密度のマットがロール222の外側走行側
に生成される。ロール222が滑らかで液体を通さない
と、マットはワイヤから離れてそのロール表面に追って
いき、次いでマットは適当なドクターブレード255によ
りロールから容易に除去されることができ、前記ドクタ
ーブレードはマットを適当に曲げられた垂直壁256の方
へそらし、該垂直壁によりマットはさえぎられ、下方
へ、システムの次のステーションに導くパイプ又はシュ
ート257へと案内される。
ワイヤ230のループの内側から濃縮されたパルプを除
去するためこの配列は簡単で効果的であり、他の図に示
したようなコンベヤの必要性が排除される。同様に、ワ
イヤを通して絞り出された液体の除去は簡単且つ容易で
ある。底壁265はパルプ排出用のパイプ257と液体排出用
のパイプ266が貫通する穴を除いて装置全体の下にあ
り、装置は又側壁267と上壁268とに囲まれ、上壁268は
ワイヤ230の交換を容易にするため取り外き可能であ
る。ワイヤ230を通して絞り出された全ての液体は、し
たがって先ず直接底壁265に落下するか、側壁267にぶつ
かってはね返り底壁と落下する。
斯くして第21図,第22図に示した装置は、他の図に示
した本発明の形状と同じ利点を示し、加えてワイヤがロ
ール220と222を片持ち支持する必要なしに上方から交換
することができるという実際的利点を有する。色々のロ
ール構造と上記の組合せの任意のものがロール220と222
として使用できることも理解されるべきである。
第14図〜第19図に示す本発明の全ての態様は、第1図
〜第3図及び第13図との関連で上述したような開口面ロ
ールを有利に含むことができ、又はロール20と22又はロ
ール220と222の1方又は両者が、ブレストロールが溝付
き又は他の方法で凹刻状に形成されている米国特許第4,
722,793号明細書に開示されたような液体を通さないロ
ールとすることができる。与えられた装置のために特別
のロールを選択することは、上記の米国特許と前述の示
唆により当業者により可能である。全ての場合に、ワイ
ヤの案内のために、第13図に関連して上述したように適
当な設備が必要となる。
本発明の濃縮装置は、製紙パルプ又は繊維懸濁材料の
処理に使用するために開発されたもので、それを特に参
考にして説明した。しかし、本発明の装置は、例えばス
ラッジ等のような固体粒子の他の希釈液懸濁材料を濃縮
するために使用することができることが理解されるべき
であり、ここで「パルプ」という用語は広く懸濁液に使
用されると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
第1図は供給原料が供給されるロールがハニカム構造の
穴あき外筒と組合される本発明の1実施例に関する濃縮
装置の部分断面略側面図、第2図は供給原料が初期ロー
ルに供給されるときの供給原料の動きを示す第1図の拡
大破断図、第3図は第1図の初期ロールの位置に穴あき
表面ロールの別の構造を示す略断面図、第4図は違った
構造の穴あき表面ロールを示す第3図と類似の図、第5
図はロールが開口面で形成され補助脱水装置が第2ロー
ルの内部から液体を除去するため使用されている第2ロ
ールの略断面図、第6図は液体及びパルプ除去を助ける
ブローボックスの使用を示す、第5図と類似の断面図、
第7図は又ロール表面から原料繊維又はマットを除去す
るためブラッシの形の補助機械装置を使用する第2ロー
ルの図、第8図は第2ロールの表面から濃縮マットを除
去するため、クーチロールの使用を示す第7図と類似の
図、第9図は第2ロールの表面から濃縮マットを除去す
るため糸又はオープンメッシュの無端のワイヤを使用す
ることを示す第8図と類似の図、第10図はブレストロー
ルの表面から濃縮マットを除去しこのマットを第2ロー
ルに移動させるためワイヤ面に落す形式におけるオープ
ンメッシュのワイヤの使用を示す破断図、第11図は流入
された液体をワイヤから除去するため、ワイヤ表面に横
に空気ジェットを向けるための空気衝突装置と組合され
固体又は不浸透性の第2ロールを使用する第5図と類似
の図、第12図は液体除去のため補助ニップロールの使用
を示す第11図と類似の図、第13図は最大程度の開口を形
成するため、ワイヤが軸に組付けた2以上のディスクの
上を案内される別の実施例の略傾斜図、第14図は2個の
ロールの軸線が水平に対して傾斜した面内にあり、ブレ
ストロールが第2ロールより高い位置にある本発明の形
状を示す略図、第15図は充満ニップ形ヘッドボックスを
組合せた代りの配置を示す第14図と類似の図、第16図は
ノズル形ヘッドボックスの使用を示す第15図と類似の破
断図、第17図はブレストロールが第2ロールより低い位
置にある本発明の形状を示す第14図と類似の図、第18図
は代りの配置を示す第17図と類似の図、第19図は2つの
ワイヤ支持ロールが垂直に重ねられ間隔をおいて配置さ
れた本発明の実施例を示す略図、第20図は2つのロール
の軸線が交差機械方向に傾斜している別の実施例を示す
略図、第21図は2つのロールが軸線を垂直にして組付け
られている実施例を示す部分破断側面図、第22図は第20
図の上壁を除いて示す本装置の平面図である。 13……フレーム 20……第1のロール 21……第2のロール 25……モータ 30……ワイヤ 61……開口 81,82……ヘッドボックス 155……ニップロール

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレーム(13)と、該フレームに回転可能
    に間隔をおいて取付けられた第1のロール(20)及び第
    2のロール(21)と、前記両ロールにワイヤ表面の相当
    な部分が巻掛けられて前記ロール上を移動し前記両ロー
    ルと協働して前記両ロールとワイヤの対向走行部とによ
    り境界される空間を形成する無端の前記ワイヤ(30)
    と、前記ワイヤとロールとを駆動するモータ(25)と、
    を含む液体中のパルプ粒子の懸濁物を濃縮する装置にお
    いて、 少なくとも第1のロール(20)が多くの貫通する開口
    (61)を有し中空内部を囲む不連続円筒状外面と、前記
    開口(61)を通して前記第1のロールから放出するため
    前記第1のロールの内部に懸濁物を供給するためのヘッ
    ドボックス(81,82)とを有することを特徴とする濃縮
    装置。
  2. 【請求項2】前記ワイヤと前記ロール外面との間の領域
    でパルプ層を絞るため前記第2のロールに前記ワイヤ外
    面と加圧係合するように取付けられたニップロール(15
    5)を特徴とする請求項1に記載の濃縮装置。
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