JPH09500327A - プレスロール用再湿潤防止デッキ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 繊維状パルプスラリーの濃度を約４％から約３０〜５０％まで増大させるのに用いられるプレスロール（３）のための再湿潤防止デッキが提供される。これは、ロールシエルにある排水孔（１４０）の場所をロールシエル内の排水隔室の前縁に片寄せることによって達成される。ロールの回転勝手の必要性を避けるために、排水パターンを所望の方向に実効的に向けるそらせ板（１７５、１７７）を設けることによって実際の生産速度で再湿潤を最小にする目的を達成する機構が提供される。このようなそらせ板は、ロールの所望の回転勝手をいったん決めると、恒久的又は着脱可能に取付けできる。

Description

【発明の詳細な説明】 プレスロール用再湿潤防止デッキ 発明の背景 本発明は、一般的にいえばプレスロールに関し、さらに詳しくいえば、繊維状 パルプケーキが繊維状パプから液体を絞り出すロール間げきを通過した後に、繊 維状パルプケーキが再湿潤するのを最小にする機能を備えたロールを有する双ロ ールプレスに関する。 双ロールプレスは、パルプスラリーを約４％の濃度から３０％と５０％の間の 濃度（所定の重量のスラリーの中の乾燥繊維の％として測定される）に濃くする のに用いられる。このようなプレスは当該技術において周知であり、例えば、製 紙用パルプの脱水やそのような脱水に先行するそのようなパルプの洗浄に適用さ れる。 孔あきデッキを有する二つのロールがパルプスラリーを縦の両側から送り込ま れる加圧バット内に並べて取り付けられる。二つのロールは、それらの外縁がス ラリーの中へ下向きに移動し、内縁が上向きに移動して二つのロールの間に間げ きを形成するように対向回転をしている。多孔性のロールデッキを通る液体の流 れにより、ロールの表面に形成するパルプマットが高圧で間げき内につめ込まれ てパルプから残りの液体の大部分を絞り出す。ロール間げきを上向きに通過した 後に、比較的水分の少ないパルプケーキは、ドクタの刃によってロールからかき 落されて、供給濃度よりかなり高い濃度でバットから運び出される。 一般に、ロールは、それらの外縁で厚い壁の中空ロールシエルを支える多数の 縦の支持リブが配列されている軸方向の芯からなっている。ロールシエルには多 数の円周方向のみぞがあり、そのみぞの中にみぞ同志の間に液体を通過させる排 水孔及び芯の外面と支持リブとシエルの内面によって形成される多数の内部排水 隔室がある。排水スロットがロールシエルの内面に隣接した各支持リブ内に設け られて、抽出された液がロールデッキ内の最低排水隔室に流れることを可能にす る。液状のロールデッキ排水隔室からの実際の流れがロールの両端の外にある。 理想的には、孔あきロール表面を通して抽出されるろ液は、排水隔室が間げき の上に出るとき、液体がなくなることを確実にするのに十分な速度で排出される 。しかし、実際の生産速度では、これは、めったに達成されない。結果として、 排水隔室内に残っている液体の幾分かがロールの表面を通して逆戻りして膨脹し ているパルプマットによって吸収される。これによってロール間げき内で達成さ れた最大濃度未満の数点の濃度でパルプが排出されることになる。 能力の要求が大きくなるにつれて、ロールの長さを伸ばし、ロールの速度を高 め、そしてろ液流路を増すことが必要となる。なお、さらに高い濃度が常に望ま れ、間げきの負荷の増加を要求する。ロールシエル、支持リブ及び芯の厚さが増 大した間げきの負荷に必要な追加の支持を与えるように厚くされれば、同じロー ルの直径に対する流路は著しく小さくなる。生産が増えるとこれらの通路を通っ て流れるろ液の体積を大きくする必要がある。したがって、再湿潤の度合が増加 すると期待できる。洗浄プレスの場合には、汚ない液体でこのように再湿潤する ことは、洗浄効率をひどく下げる。 前述のことは、現在の装置と方法にあると知られている欠点を例示している。 したがって、上述の欠点の一つ以上を解消することを目的とした代替品を提供す ること、が有益であろうことは明らかである。それゆえ、以下にさらに完全に開 示する特徴を備える適当な代替品を提供する。 発明の概要 本発明の一つの面において、これは、各々が孔あき、デッキと前記デッキの下 方にある排水隔室を備えた二つのロールを備え、前記ロールがそれらの間に間げ きを形成するように回転自在に共働し、前記間げきにおいてはそれを上向きに通 過する繊維状スラリーがつめ込まれてそれから液体を絞り出すようになっている プレスにおいて、前記プレスと組合せて、水平面を越えて間げきより上の位置へ 回転された排水隔室からの液が前記間げき内で前記ロールの表面に保持されてい る繊維状材料から絞り出された後に前記繊維状材料の中に戻る逆流を最小にする 手段を備える改良によって達成される。 前述及びその他の面は、添付図面と併せて考慮するとき、以下の詳細な説明か ら明らかになる。 図面の簡単な説明 図１は、構成要素の一般的配置を例示する代表的双ロールプレスの横部分略断 面図である。 図２は、双ロールプレスの一方のロールの構成のさらに詳部を示し、ロール内 の液体の理想的分布をさらに図示する横断面図である。 図２ａは、図２のＡ−Ａと表わされた領域の縦断面図である。 図３は、代表的プレスロールの排水隔室内の液体の概略分布を示す図２におけ ると同様の部分図である。 図４は、本発明の再湿潤防止機構の１実施形態を示すプレスロールの部分図で ある。 図４ａは、本発明の再湿潤防止機構のもう一つの実施形態を示す図４における と同様の部分図である。 図５ａ〜５ｄは、本発明の再湿潤防止機構のそらせ板実施形態の四つの変形態 様を表わしている。 詳細な説明 本発明は、図１、２、２ａ及び３が現在の技術のプレスロールの共通の構造的 特徴と欠点を例示しているので、それらを一緒に考慮することによって最もよく 理解できる。 代表的双ロールプレス１には二つの縦の入口箱１５によって供給される加圧バ ット１０（入口箱１５はバットの各縦の側面に一つある）、二つのプレスロール ３及びパルプ排出装置２０がある。二つのプレスロール３の間の最も近い接近点 において間げき５が形成され、それを各プレスロール３の最外面にある孔あきフ ィルタ板５０の表面に形成されたパルプマット１７が通過する。 パルプスラリーが入口箱１５から入るにつれて、それは各プレスロール３のロ ールデッキ３３０の外面と一緒にバット１０の内面に沿って下向きに移動する。 ロールデッキ３３０はロールシエル３０の表面に支えられ、円周方向のみぞ３３ と、液を通過させ、ロールシエル３３にある排水孔４０を通って、排水隔室３１ と通じる小孔を有する孔あき排水板３５０からなっている。排水隔室３１は、支 持リブ３５、ロール芯３２及びロールシエル３０によって形成されている。交さ ポート４５がロールシエル３０の内側表面に隣接して、支持リブ３５内にあり、 プレスロール３０の内部の最低部に抽出された液体の下降流を許すように排水隔 室３１の間に液体を流通させる。 バット１０が加圧され、排水隔室３１が大気圧に保たれるので、パルプスラリ の液体部分、すなわちろ液１６、は孔あきロールデッキ３３０を通って排水隔室 ３１の中に駆動される。これによってロールデッキ３３０の表面にパルプマット １７が形成され、それは平行なプレスロール３の間に最も近く接近した線によっ て形成された間げき５に回転するデッキ上を前方に運ばれる。間げき５を通って 移動するときに、パルプマット１７は、パルプマット１７からのろ液１６のほと んど大部分を絞り出し、ドクタナイフ６０によってプレスロール３の表面からか き落されて双ロールプレスのバット１０から排出装置２０によって取除かれる高 濃度パルプケーキ１９をもたらす極度の機械的圧力を受ける。 今説明したように、双ロールプレスの動作は、図２に示されているように、排 水隔室３１内の理想的ろ液分布が大勢を占める場合には、人が期待できるもので ある。しかし、このろ液の分布は、円周方向のみぞ内のろ液のレベルを図２に示 されたレベル以下に保つように、プレスの動作がプレスロール３の両端からろ液 が十分に速く流れることができるようにするのに十分に遅い場合にのみ得られる 。このモードの動作は間げき５より上のパルプケーキの再湿潤を回避する。しか し、実際の生産速度で作動されるとき、排水隔室３１内のろ液１６の分布は、図 ３によってもっと正確に記載されている。こゝでは、排水隔室３１内のろ液が排 水孔４０および排水板５０を通して間げき５よりずっと上のパルプケーキ１９の 中へ再湿潤させるに十分なレベルに留まることが分る。 本発明の二つの実施形態が図４及び４ａに示されており、それらの図において プレスロールのすべての番号を付けてない機構は、図１〜３におけると同じであ る。排水隔室３１の前縁に排水孔１４０を設けることによって、ろ液１６に逆流 に対する障壁が効果的に与えられる。これは、図４において明瞭に例示され、図 において排水隔室３１から円周方向のみぞ３３に、そしてそこから孔あき排水板 ５０を通る液体の逆流がロールの回転する排水孔１４０がロール上の９時の位置 に入る前に止ることが分る。これは間げき５の最もきつい部分の下であり、した がってパルプケーキ１９の濃度に全く関係がない。図４ａに示されているように 、回転方向に対して傾斜した角度に孔２４０をあけることによって、円周方向の みぞ３３の中の液体レベルを図４における排水孔１４０によって与えられるより わずかに低いレベルにバイアスしてもよい。孔２４０が運動の方向に前方に傾け られて示されているが、それらの孔はまた運動の方向から遠ざかるようにあけら れてもよい。 図４及び４ａに示された両方の場合に、二つのロールは、回転方向が決まって いる。すなわち、二つのロールは、整合されてバット内で単一の向きにだけ取付 けられなければならず、さもないと再湿潤防止機構が無効になる。 図５ａ−５ｄは、本発明の再湿潤防止特徴のそらせ板実施形態の４例を示して いる。そらせ板１７５は、支持リブ３５の前方面から排水隔室の前縁に近い点ま で上向きに伸びているものが示されている。これは、そらせ板１７７が支持リブ ３５の前方面でなくロールシエル３０の内面に取付けられていることを除いて、 図５ｃにおけるそらせ板１７７と同様である。この取付けは、方法を特定しない で示されているが、この取付けは、溶接、ボルト止め又はあり溝などによってさ えできることは明らかである。両方の場合に、そらせ板１７５及び１７７は、排 水隔室３１の前縁近くの点までしか伸びていない。これは、図４及び４ａに示さ れているように、ロールシエル内の排水孔１４０及び２４０の位置を選択的に決 めたときに生じたものと同様の結果を生ずる。主な相違点は、この場合には、従 来のロールシエル３０を使用できることであり、そらせ板が取付けられるまで、 シエルが回転勝手が決まらないからである。また、そらせ板１７５及び１７７の 保持があり溝などによって達成されるとき、そらせ板の装着を特定のロールシエ ル３０の回転方向に関係なく、達成できるように、みぞを対称に設けることがで きることも明らかである。 図５ｂにおけるそらせ板１７６及び図５ｄにおけるそらせ板１７８は、排水隔 室３１の全高さにわたって伸びて排水ポート１８０がろ液１６の表面レベルより 上に回転した後に排水隔室からのろ液１６の逆排水が止るようになっている。ま た、そらせ板１７６及び１７８の取付けがボルト止め又は溶接によってもよいが 、取付けの好ましい方法は、あり溝又は他の同様のみぞによるものでなければな らず、それらのみぞの中へそらせ板をロールに望まれる回転勝手を決めた後に、 縦に押してもよい。 本発明が、今までより速い生産速度で双ロールプレス洗浄器やパルプ濃縮器の 動作を可能にすることが明らかなはずである。この生産の増加は、双ロールプレ スの特徴として非常によく知られている濃度の増加を犠牲にしないで達成される 。さらに、本発明を組入れることがプレスロールの寸法又は構造強度を大きくす る必要なしに生産速度の増大を達成するのを可能にする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メルセル、フランク ジェイ，ザ サード アメリカ合衆国マサチュセッツ州01970 セイラム オーロラ レイン ３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．孔あきデッキと前記デッキより下にある排水隔室とをそれぞれに有する 二つロールを備え、前記二のロールが回転自在に共同作用して前記二つのロール の間に間げきを形成し、前記間げきの中で前記間げきを上向きに通過する繊維状 スラリーがつめ込まれて液体をスラリーから絞り出すようにしたプレスにおいて 、前記プレスと組合せて、 前記液体が前記間げき内で前記ロールの表面に保持された繊維状材料か ら絞り出された後に、水平面を越えて間げきより上の位置へ回転した排水隔室か ら液体が前記繊維状材料の中へ逆流するのを最小にする手段を備えることを特徴 とするプレス。 ２．繊維状材料を処理する液体抽出プレスロール用デッキにおいて、 外側表面の円周方向みぞ内に排水孔のある中空円筒形ロールシエルと、 前記プレスロールを回転自在に駆動する軸芯を備え、前記軸芯がロール シエルを支える縦支持リブを備えるとともに、前記軸芯、前記支持リブ及び前記 ロールシエルによって境界を限られている排水隔室を形成し、前記支持リブはさ らに前記排水隔室の間を液体が流れることのできるようにする交さポートを有す るように構成された軸芯と、 前記ロールシエルに取付けられ、液体を円周方向のみぞの中へ通過させ て排水孔を通り外表面に繊維状材料を保持しながら排水隔室内に入れられるよう にする孔あきフィルタ板と、 前記デッキと共同作用する液体抽出プレスロールのデッキの間に形成さ れた間げきより上の位置に回転した前記排水隔室からの液体が前記フィルタ板の 外面にある前記繊維状材料に逆流するのを最小にする手段と、 を備える液体抽出プレスロール用デッキ。 ３．液体の逆流を最小にする手段が各排水隔室の前縁においてのみロールシ エルの円周方向のみぞにある排水孔を備える請求項２に記載のデッキ。 ４．排水孔がロールシエルの表面の移動方向に対してある傾斜角であけられ ている請求項３に記載のデッキ。 ５．液体の逆流を最小にする前記手段が前記ロールシエルから半径方向に内 側に各排水隔室内に縦のそらせ板を備える請求項２に記載のデッキ。 ６．前記そらせ板が、後方支持リブに結合されて前記ロールシエルの移動の 方向に後方支持リブから前記排水隔室の前縁に近い点まで伸びている請求項５に 記載のデッキ。 ７．前記そらせ板が前記排水隔室の後縁近くで前記ロールシエルに結合され て前記排水隔室の前縁に近い点まで伸びている請求項５に記載のデッキ。 ８．前記そらせ板が各排水隔室を形成する後方支持リブと前方支持リブの間 の全距離に伸びており、前記そらせ板は、前記ロールシエルと前記そらせ板の間 の空間から液体を前記排水隔室の中へ排水する排水ポートを有し、前記排水ポー トは前記排水隔室の前縁近くに位置決めされている請求項５に記載のデッキ。 ９．前記そらせ板が前記排水隔室内で前記排水隔室の前、後縁にある縦みぞ の中に支持され、前記プレスロールから縦にすべることによって前記プレスロー ルの端を通して取除くことのできる請求項５に記載のデッキ。