JP2673971B2 - 撮影用写真フィルムの乾燥方法および装置 - Google Patents

撮影用写真フィルムの乾燥方法および装置

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JP2673971B2 JP2244263A JP24426390A JP2673971B2 JP 2673971 B2 JP2673971 B2 JP 2673971B2 JP 2244263 A JP2244263 A JP 2244263A JP 24426390 A JP24426390 A JP 24426390A JP 2673971 B2 JP2673971 B2 JP 2673971B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、撮影用写真フィルムの乾燥方法および装置
に関する。
〈従来の技術〉 撮影用写真フィルム等に代表されるハロゲン化銀写真
感光材料(以下感材または感光材料と略す場合がある)
は、カラー感材では、露光後、発色現像、脱銀、水洗、
安定等の工程により処理される。発色現像処理には発色
現像液、脱銀処理には漂白液、定着液、漂白定着液、水
洗には水道水、井水、化学処理もしくは物理処理した水
あるいはイオン交換水、蒸留水、安定処理には安定液が
それぞれ使用される。一方黒白感材では発色現像の代わ
りに黒白現像、定着、水洗によって処理される。各処理
液は通常20〜50℃に温調され、カラーないし黒白感材は
これらの処理液中に浸漬されて処理される。
このような処理は、通常、自動現像機等の処理装置を
用いて行なわれており、上記のように処理が施された感
材は、上記装置に一体的に設けられた乾燥部において、
乾燥される。この乾燥により、感材に担持された処理液
が蒸発し、感材はドライな状態となる。
このような乾燥部は、感材に熱風を吹きつけたり、赤
外線を照射したりする構成のものであり、例えば実開昭
58−138939号、同63−62840号、特開平1−118839号、
同1−118840号、同1−123233号、同1−123236号公報
に記載されているものが挙げられる。
このなかで、例えば、特開平1−123236号公報に記載
されている方法では、感材へ熱風を吹きつけるためのノ
ズルを有するチャンバーの一端に熱風供給用のダクトが
設けられているので、ノズルのダクト側端部と他方の端
部とでは熱風の吹出速度が異なり、これに起因して感材
の幅方向のわたって均一な乾燥を行なうことができない
という問題があった。
この問題を解決するために、本出願人は、「処理液に
浸漬処理後の感光材料を乾燥する感光材料乾燥装置にお
いて、乾燥風を供給するダクトと、該ダクトと連通し感
光材料の幅方向のほぼ中央に感光材料搬送方向に沿って
設けたチャンバーと、該チャンバーと連通し感光材料の
幅方向にわたって開口する複数のノズルと、感光材料近
傍の空気をチャンバーの後方へ吸引する吸気手段とを備
え、前記チャンバーの感光材料幅方向長が前記ノズルの
空気吹出口の感光材料幅方向長の1/2以下であり、前記
ノズルの空気吹出口を感光材料に近接して設けたことを
特徴とする感光材料乾燥装置」を提案している(特願平
1−270189号)。
これにより、効率のよい均一乾燥ができるという効果
を得ている。
また、上記のような効率のよい乾燥を行なうことのよ
り処理の迅速化を図るとともに、さらに装置の小型化を
図るという目的で、本出願人は、 「筐体の内部空間に乾燥用気体を供給しつつ、前記筐体
の内部空間に感光材料を通過させて該感光材料を乾燥す
る装置であって、 前記筐体の内部空間は、感光材料の厚さ方向の厚さが
薄いスリット状をなしており、 前記内部空間内における乾燥開始部付近の相対温度
と、乾燥終了部付近の相対湿度との差が30%RH以上であ
ることを特徴とする乾燥装置。」を提案している(特願
平1−153653号)。
しかしながら、上記のような乾燥装置を用い、撮影用
写真フィルムを乾燥すると、このフィルムにはパーフォ
レーションが設けられているために、このパーフォレー
ションの部分の水が飛散しやすく、この飛散した水滴が
乳剤面に付着して、この付着部分の乾燥が遅れて乾燥ム
ラが生じるという問題がある。
これを解決しようとして乾燥風の速度を小さくする
と、乾燥時間が長くなり、今度は、上記装置の利点が損
なわれてしまう。
特に、特願平1−153653号に記載の乾燥装置では、感
材の厚さ方向にてその厚さが薄い乾燥室となっているた
めに、パーフォレーション部分で風が上下に通ることに
起因しで搬送不良が生じやすいという欠点もある。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、乾燥ムラを生じることがなく、かつ
効率のよい乾燥を行なうことができる撮影用写真フィル
ムの乾燥方法および装置を提供することにある。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記(1)〜(3)の本発明によ
って達成される。
(1)画面部を除く長手方向の一端部または両端部に、
一画面当たり4個以内のパーフォレーションを有する 長尺の撮影用写真フィルムを、露光後、所定の処理液
により処理したのち、ノズルからの吐出風により乾燥す
る方法であって、 前記撮影用写真フィルムは、画面部を除く長手方向の
一端部または両端部に、一画面当たり4個以内のパーフ
ォレーションを有し、しかも画像露光部に対する画像露
光部以外の面積の比率が15〜40%であり、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐
出風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とす
る撮影用写真フィルムの乾燥方法。
(2)長尺の撮影用写真フィルムの画面部を除く長手方
向の一端部または両端部に、一画面当たり4個以内のパ
ーフォレーションを有する撮影用写真フィルムを、露光
後、所定の処理液により処理したのち、ノズルからの吐
出風により乾燥する装置であって、 入口から出口まで貫通するスリット状の内部空間を有
する筐体を有し、 この内部空間にノズルを設け、前記撮影用写真フィル
ムの搬送方法に向けて吐出風を送り、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐
出風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とす
る撮影用写真フィルムの乾燥装置。
(3)長尺の撮影用写真フィルムの画面部を除く長手方
向の一端部または両端部に、一画面当たり4個以内のパ
ーフォレーションを有する撮影用写真フィルムを、露光
後、所定の処理液により処理したのち、ノズルからの吐
出風により乾燥 前記撮影用写真フィルムの搬送方向に延在する送風チ
ャンバーと、 このチャンバーに設けられ、吐出風を前記撮影用写真
フィルムにほぼ垂直に吐出するスリット状の複数のノズ
ルを有し、前記送風チャンバーには、前記撮影用写真フ
ィルムの搬送方向と逆方向に送風が行われ、前記チャン
バーの前記撮影用写真フィルム幅方向の長さが、ノズル
の前記撮影用写真フィルム幅方向長さの1/2以下であ
り、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐
出風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とす
る撮影用写真フィルムの乾燥装置。
〈作用〉 本発明では、ノズルからの吐出風により撮影用写真フ
ィルムを乾燥する方法を採用している。
このとき、迅速で効率のよい乾燥を行なうために、撮
影用写真フィルムの乳剤面位置の上記吐出風の速度を3m
/秒以上としている。ところが、上記フィルムのパーフ
ォレーションの数を一画面当たり4個以内としているの
で、パーフォレーション部分の水滴が乳剤面に付着して
起きる乾燥ムラの発生はない。
〈具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明に用いる撮影用写真フィルム(以下、写真フィ
ルムまたはフィルムと略す場合がある)は、長尺なもの
であり、パーフォレーションを一画面当たり4個以内、
好ましくは2個以内有するものである。
パーフォレーションは、画面部(画像部)を除く長手
方向の両端部あるいは一端部に設けられるものであり、
この数は各端部の合計数である。
このように、通常の135フォーマットのパーフォレー
ションに比べて、その数が著しく少ないものとなってい
るが、画面の位置決めを支障なく行なうことができる。
また、このように、パーフォレーションの数を規制す
ることによって、本発明の効果が得られるばかりでな
く、画像部を除いた部分を光学的情報記録可能部分に適
用したフィルムとする場合、その記録容量を大きくする
ことができる。このようなフィルムの詳細については後
述する。
なお、パーフォレーションの数が4個をこえると、臨
界的に水滴飛散による乾燥ムラが目立つようになり、特
に画面内に乾燥ムラが生ずることになり、実用的でなく
なる。
本発明においては、上記のような写真フィルムをノズ
ルからの吐出風により乾燥しているが、この場合乳剤面
位置における上記吐出風の速度(空気の流速)を3m/秒
以上、好ましくは、5m/秒以上としている。このような
速度とすることによって、効率のよい乾燥を行なうこと
ができ、乾燥時間の短縮を図ることができる。効率のよ
い乾燥という点では、速度は大きいほど好ましいが、装
置の関係、水滴飛散による乾燥ムラ、搬送性等の点で
は、上限は50m/秒程度とすればよい。
上記における吐出風は、フィルム乳剤面に対し、垂直
に吹つけられるものであっても、あるいは平行に流れる
ものであってもよい。さらには、その中間的なある角度
をもって吹きつけられるものであってもよく、その風の
方向には特に制限はない。
このように風の方向に制限がないことから、乳剤面位
置における風の速度とし、乾燥に供されるフィルム乳剤
面において定常的な流れを形成する空気の流れの方向の
速度をいうものとする。
したがって、上記の風の方向は、ノズルから吐出され
る風の方向と一致するものであっても、乳剤面位置で方
向をかえるものであってもよい。
また、本発明における乾燥温度は、35〜120℃、好ま
しくは40〜70℃とすればよく、乾燥時間は2〜100秒、
好ましくは5〜50秒とすればよい。
このとき、乾燥温度は、乾燥工程の始めから終りま
で、同一温度とするもの、あるいは始め高く徐々に低く
なるように温度勾配を設けるもの、始めからある時点ま
で高い温度とし、それ以降はそれより低い温度とするも
のなど、いずれであってもよい。
なお、本発明では、同じ温度としたときの従来の乾燥
時間に比べて、乾燥時間を5〜50%程度に短縮できる。
本発明の乾燥方法は、通常、自現機等の処理装置に一
体的に設けられた乾燥装置を用いて実施される。
この場合、乾燥に供される写真フィルムは、露光後、
所定の処理液により処理されたものである。
例えば、写真フィルムがカラー感材であれば、発色現
像、脱銀、水洗、安定等の処理がなされたものであり、
この場合の所定の処理液とは、発色現像液、漂白液、漂
白定着液、定着液、水洗水、安定液等をいう。
一方、黒白感材であれば、現像、定着、水洗、安定等
の処理がなされたものであり、この場合の所定の処理液
とは、現像液、定着液、水洗水、安定液等をいう。
このような乾燥装置としては、例えば、第1図に示す
ものが挙げられる。
第1図に示すように、乾燥装置1は、横断面が四角形
の箱状をなす筐体2を有しており、この筐体2の図中左
端には写真フィルム11の入口4、図中右端には写真フィ
ルム11の出口5がそれぞれ形成されている。なお、本明
細書では、入口4側を「前方」、出口5側を「後方」と
して説明する。
筐体2には、入口4から出口5まで貫通する内部空間
3が形成され、この内部空間3は、通過する写真フィル
ム11の厚さ方向(図中上下方向)の厚さTが薄いスリッ
ト状をなしている。すなわち、内部空間3の横断面はス
リット状をなしている。
筐体2の入口4付近であって、写真フィルム11の表面
(乳剤面)11A側および裏面11B側(図中上側および下
側)には、それぞれ内部空間3に連通する一対のノズル
8が設置されている。これらのノズル8の先端にはスリ
ット状の吹出し開口が形成され、またノズル8の基端に
は、ファン(送風機)6の排気口7が接続されている。
また、ノズル8は、その先端が、後方に向けて傾斜し
た状態で設置され、ファン6の作動により排気口7より
送り出された乾燥用空気がノズル8の先端から内部空間
3内に噴出され、筐体の内部空間3において後方へ向け
て高速流を形成する。
この場合の空気は乾燥空気、好ましくは高温乾燥空気
とするのがよい。乾燥空気あるいは高温乾燥空気とする
には、ヒータ、除湿機等を適宜設置すればよい。
そして、内部空間3を通過した空気は、出口5より排
出される。
このとき、空気の流れは、ほぼ写真フィルム11の表面
11Aおよび裏面11Bに対し平行な流れとなり、この流速
は、前記のように3m/s以上、好ましくは5〜30m/sとす
る。
このように、内部空間3を前方から後方へ向けて空気
を高速で流しつつ、一対の搬送ローラ30にて挟持搬送さ
れた湿潤状態の写真フィルム11を入口4へ導入し、内部
空間3を通過させると、写真フィルム11の表面11Aおよ
び裏面11Bから水分が除去され、乾燥される。
このときの写真フィルム11は、パーフォレーションの
数が少ないものとなっているため、乾燥ムラの発生がな
く、また、搬送不良等も生じることがない。
この場合、内部空間3内の雰囲気の湿度は、前方から
後方へ向けて徐々に高くなっている。
すなわち、乾燥開始部X付近の相対湿度と、乾燥終了
部Y付近の相対湿度との差(絶対値)を30%RH以上、好
ましくは50〜90%RH程度とする。
これにより、感光材料の表面(乳剤面)の膜質不良、
特にレチキュレーションが防止される。
第1図に示す構成例において、乾燥開始部Xの位置
は、ノズル8の空気吹込口近傍であり、乾燥終了部Yの
位置は、筐体2の出口5近傍である。
なお、入口4には、写真フィルム11を導入し易くする
ために、写真フィルムの表面11A側および裏面11B側に、
後方へ向けて傾斜する傾斜面が形成され、また、その傾
斜面4aの先端には、ノズル8から噴出された空気が前方
へ逆流し、入口4から出るのを抑制するためのかえし
(段部)が形成されている。
また、ノズル8の傾斜角度αは、5°〜60°程度とす
るのが好ましい。αを5°未満とすると筐体2のサイズ
が大きくなるのでコンパクト設計上困難であり、またα
が60°を超えると、入口4への逆流が生じ易くなるから
である。
この構成例では、写真フィルム11の表面側および裏面
側からそれぞれ空気を供給することにより、内部空間3
を通過写真フィルム11の表面11Aと筐体内壁2aとの間お
よび裏面11Bと筐体内壁2bとの間に、それぞれ空気流が
形成され、よって、写真フィルム11が筐体内壁2a、2bに
密着するの防止することができる。このような写真フィ
ルム11の密着防止を考慮した場合、空気流の均衡を保つ
ために、感光材料Sの表面側と裏面側とに設置されるノ
ズル8の形状や設置角度αは対称とし、空気供給量も等
しくするのが好ましい。
第2図は、第1図中のII−II線での断面図である。同
図に示すように、ノズル8の吹出口の横幅WNと、写真フ
ィルム11の幅W11とは、WN<W11となる関係とするのが好
ましい。
これにより、上下の各ノズル8から噴出された空気
は、写真フィルム11の表面11Aおよび裏面11Bに当り、図
中矢印で示すように、写真フィルム11の両端部の方向へ
分流されるので写真フィルム11と、筐体内壁2a側および
筐体内壁2b側との間の空気流の均衡が保たれ、よって写
真フィルム11の図中上下方向および左右方向の揺動が抑
制され、安定化を図ることができる。
なお、図示されていないが、感光材料の密着防止手段
として、筐体内壁2a、2bに、例えば特願昭62−277678号
に示す「内部に向かって突出する柔軟な部材(例えば、
ループ状繊維)」と同様のものを設けること、あるい
は、感光材料の揺動防止手段として、筐体内壁2a,2bに
筐体長手方向に延材する凸部や溝部またはその他のガイ
ド部材を設けることが可能である。
写真フィルム11の筐体2内の搬送は、次のようにして
行われる。
写真フィウム11の長さが、筐体2の長さ(正確には、
入口4側搬送ローラ30と出口5側搬送ローラ31との距
離)より長い場合には、搬送ローラ30および31の回転力
により行われる。
すなわち、写真フィルム11の後端(前方側の端部)が
搬送ローラ30から外れないうちに、写真フィルム11の先
端(後方側の端部)が搬送ローラ31に挟持されるので、
写真フィルム11は、筐体の内部空間3を搬送ローラ30、
31の少なくとも一方にて挟持され、搬送される。
写真フィルム11の長さが、筐体2の長さより短い場合
には、写真フィルム11の後端が搬送ローラ30から外れた
後、写真フィルム11は、内部空間3を流れる高速の空気
流より後方へ搬送され(以下、空気搬送という)、写真
フィルム11の先端が搬送ローラ31に到達した後は、ロー
ラ31により挟持、搬送される。
なお、この場合でも、内部空間3に、駆動回転する搬
送ローラ対または、循環するエンドレスベルトのような
ローラ搬送系またはベルト搬送系等を設けてもよい。
なお、フィルムの搬送速度は5〜300cm/分程度とすれ
ばよい。
筐体2の内部空間3の横幅は、写真フィルム11の幅W
11(最大のもの)より大きいものとし、また、内部空間
3の厚さTは、写真フィルム11の厚さ3〜1000倍程度、
特に5〜100倍程度とするのが好ましい。
写真フィルム11の厚さの3倍未満であると乾燥中に接
着故障や写真フィルム11へのキズ発生等のトラブルが生
じ易く、また1000倍を超えると内部空間3の容積が大き
くなり、乾燥の条件によっては、本発明の効果を十分に
発揮することができなくなる場合があるからである。
なお、内部空間3の厚さTが、前方から後方に向けて
漸増または漸減するもの、すなわち内部空間3がテーパ
状となっているものでもよい。これにより内部空間3の
長手方向における空気の流速に、3m/s以上の条件下で変
化を与えることができる。例えば、乾燥前半部における
空気の流速が大である場合(Tが後方に向けて漸増)に
は、乾燥後半部が徐乾となり、特に硬膜剤が少ない写真
フィルムや乳剤層が厚い写真フィルムに対しては膜質劣
化防止効果がある。その逆の場合(Tが後方に向けて漸
減)には、乾燥後半部でもやや急乾傾向となり、特に乳
剤層の薄い写真フィルムには乾燥パス(時間)が短くな
り好適である。
以上のように内部空間の横断面がスリット状であるよ
うな乾燥装置は、図示例に限ることなく、本発明におい
て種々用いることができ、その構成例については、特願
平1−153653号の記載を参照することができ、乳剤面位
置の空気の流速3m/秒以上の条件下にいずれをも採用す
ることができる。一般に、このような構成では、空気は
乳剤面に対しほぼ平行に流れ、その流速は5〜30m/秒と
することが好ましい。
また、本発明では、第3図に示すような乾燥装置を用
いてもよい。
第3図に示すように、乾燥装置1′は、ハウジング50
を有し、ハウジング50の感光材料搬入口48の近傍には、
写真フィルム11の支持体面11B(図中上方)および乳剤
面(図中下方)11Aに接する複数の吸水性ローラ52が、
感光材料搬送路を介して千鳥配置されている。そして、
これらの吸水性ローラ52の吸水能力は、フィルム搬送方
向に向かって位置するに従って順次増大している。な
お、本構成例は支持体面11B側に4個、乳剤面11A側に3
個の吸水性ローラ52を設けてあるが、吸水性ローラ52の
数は限定されず適宜変更可能である。さらに、吸水性ロ
ーラ52を千鳥配置せずに当接配置してもよい。
吸水性ローラ52に連続して搬送ローラ54が千鳥配置さ
れている。写真フィルム11の支持体面11B側に位置する
搬送ローラ54は硬質ゴムからなり、乳剤面11A側に位置
する搬送ローラ56はフェノール樹脂からなる。また吸水
性ローラは、スポンジ等の吸水材で被覆したものであ
る。
また、写真フィルム11の乳剤面11A側には送風部58が
設けられ、送風部58の空気吹出口62は各ローラ間で写真
フィルム11の乳剤面11Aに対向して位置している。空気
吹出口62は写真フィルム11の幅方向にわたって開口して
いる。送風部58内には給気ファン85により常に乾燥空
気、好ましくは高温乾燥空気が送り込まれ、送り込まれ
た乾燥空気は空気吹出口62から写真フィルム11に向けて
吹き出される。乾燥空気あるいは高温乾燥空気は、ヒー
タ除湿機等の設置によって得ることができる。
空気吹出口62から吹き出された空気は図示しない吸気
口からハウジング50の外部に排出される。
吸水性ローラ52および搬送ローラ54、56の一方の軸端
にスプロケットが備えられている。そして、感光材料搬
送路に沿って駆動される無端チェーンが、スプロケット
を介して吸水性ローラ52および搬送ローラ54、56を回転
駆動し、写真フィルム11を30〜200cm/分の速度で搬送す
る。
処理工程に従って、例えば、水洗槽から乾燥装置1′
に写真フィルム11が搬入されると、吸水性ローラ52が写
真フィルム11に順次接することにより写真フィルム11に
付着していた膜状または滴状の水洗水が吸水材に吸収さ
れる。
写真フィルム11が複数の吸水性ローラ52と順次接する
と、写真フィルム11に付着していた水分は完全に除去さ
れるようになっているが、水分の除去効率に応じて吸水
性ローラ52の数は変更することかできる。
吸水性ローラ52の通過後の写真フィルム11は、搬送ロ
ーラ54、56により搬送される間、送風部58の空気吹出口
62から乾燥空気が吹きつけられ、搬出口60からハウジン
グ50の外部に搬出されるまでに完全に乾燥する。
第4図は送風部58の下方からの斜視図であり、第5図
は送風部58の感光材料搬送方向に沿った側面図である。
写真フィルム11の乳剤面11Aに空気を吹きつけるノズ
ル80は、吸水性ローラ52または搬送ローラ56を介して対
向して設けられ、各ノズル80には共通のチャンバー82が
連通して設けられている。ノズル80はほぼ扇形状に形成
され、チャンバー82は扇形の中心部に連結される。ま
た、チャンバー82には乾燥空気、好ましくは高温乾燥空
気を供給するダクト86が連通して設けられている。
ノズル80に形成されたスリット状空気吹出口62の感光
材料幅方向に沿った長さL1は、写真フィルム11の幅W11
より長い。また、チャンバー82の感光材料幅方向に沿っ
た長さL2は空気吹出口62の長さL1の1/2以下である。
第5図に示すように、ノズル80は写真フィルム11に対
してほぼ垂直に位置しており、ノズル80の空気吹出口62
と写真フィルム11との間隙Wは2〜20mm、好ましくは3
〜10mmに設定されている。また、チャンバー82の後方
(図中上方)には排気ファン84が設けられている。ダク
ト86には乾燥空気を供給するための給気ファン85が備え
られ(第3図参照)、ハウジング50の外部から吸引され
た空気は、ダクト86およびチャンバー82を通って、各ノ
ズル80に均等に供給される。そして、各ノズル80の空気
吹出口62からは写真フィルム11にほぼ垂直に前記のよう
に速度3m/s以上の空気が吹出され、写真フィルム11の表
面に付着していた水分は、ノズル80から吹出された空気
との接触により蒸発する。
この場合の風の速度は5〜30m/sであることが好まし
い。
ここで、ノズル80はほぼ扇形状であり、扇形の中心か
ら空気吹出口62へ供給されるので、写真フィルム11の幅
方向にわたる風の速度がほぼ均一になり、写真フィルム
11の両端部においては風の速度が等しい。
したがって、写真フィルム11は幅方向にわたって均一
に乾燥され、また、写真フィルム11は前記のようにパー
フォレーションの数が少ないものであるため、乾燥ムラ
や画質の低下等がない。
また、空気吹出口62は、写真フィルム11と2〜20mm、
好ましくは3〜10mmの間隔を有して近接しているので、
写真フィルム11に対して有効に空気が吹きつけられ、写
真フィルム11に付着した水分の蒸発が促進される。
また、蒸発した水分は写真フィルム11の表面近傍に滞
留しがちであるが、チャンバー82の後方に設けた排気手
段84の吸引により、蒸発した水分を含んだ空気は矢印で
示すように写真フィルム11の近傍からチャンバー82の脇
を通り、ハウジング50外に一部排気される。
本発明において、チャンバー82のフィルム幅方向に沿
った長さL2は、ノズル80の感光材料幅方向に沿った長さ
L1に基づいて設定される。チャンバー82の長さL2とノズ
ル80の長さL1との差が小さいと、ファン84により吸引さ
れる写真フィルム11の表面近傍の空気の通路が狭くなる
ので、ファン84により吸引される空気の流通の障害とな
らないように、チャンバー82の長さL2のノズル80の長さ
L1に対する比は1/2以下に設定される。上記の長さの比
が1/2以下のときは吸引される空気の流通には悪影響が
なく、写真フィルム11の表面11A近傍に空気は良好に吸
引される。
しかし、この長さ比が小さすぎると、ダクト86からチ
ャンバー82に供給された空気をノズル80に良好に供給で
きない恐れがあるので、上記の長さの比は1/2以下でし
かも空気の供給に障害とならない範囲で設定するのがよ
い。
このようにして乾燥された写真フィルム11は搬送口60
からハウジング50外に搬出される。
以上、図示例にて、本発明に適用される乾燥装置の構
成例を示してきたが、これに限定されるものではない。
本発明における写真フィルムは、前述のように、パー
フォレーションの数が少ないものであり、その利点を生
かして情報記録能が付与されたものである。
このような写真フィルムにおいては、画像部(画像露
光部)一コマの面積は、プリントの画質を保持するため
に、350mm2以上とするのが好ましく、光学的な情報記録
に使用できる部分の面積を確保する上で1200mm2以下と
することが好ましい。
なお、本発明の乾燥方法との適合性を考慮すれば、好
ましい写真フィルムの幅は35mmである。
また、光学的情報記録可能部分の面積は、画像露光部
一コマの面積の15%以上とし、この比率の上限は40%で
あり、好ましくは35%である。
ここで、画像露光部一コマの面積に対する光学的情報
記録可能部分の面積の比率は次のように定義するものと
する。第6図に示すように、画像露光部一コマの横の長
さをa、一コマ同士の間隔をa0、縦の長さをb、写真フ
ィルムの幅をcとすれば、一コマ分のフィルム面積Aは
A=(a+a0)×c、画像露光部の面積BはB=a×
b、光学的情報記録可能部分の面積CはC=A−B=a
×(c−b)+a0×cとなる。従って、光学的情報記録
可能部分の面積比率はC/A=(A−B)/A=[(a+
a0)×c−a×b]/(a+a0)である。
また、この比率を上記範囲とするのは以下の理由によ
る。
現在の写真フィルムは左右いずれかの片方のパーフォ
レーションの外側に写真フィルム製造情報をバーコード
で入力することが多い。この製造情報の他に各種の情報
をバーコード方式で入力しようとすると、写真フィルム
の両側に一列ずる入力していたのでは入力スペースが足
りず、少なくとも片側に二列の入力スペースが必要であ
る。このため、画像露光部一コマの面積に対する光学的
情報記録可能部分の面積の比率を現在の11%から15%に
増加させることが必要となる。バーコード以外の記録方
式を採用する場合でも情報密度は大差なく、同様の面積
比率が必要となる。
一方、上記の上限は、プリントの画質を保持するため
である。
本発明のフィルムは、写真フィルムパトローネに収納
されており、これを構成するカートリッジ内部で軸線回
りに回転可能に支持されたスプールにロール状に巻回さ
れた状態となっている。
また、本発明において、写真フィルムパトローネは、
写真フィルムも含めて情報記録能が付与されたものであ
る。
この場合の情報としては、製造工程のみならず、撮影
段階、ラボにおけるプリント工程、再プリント依頼時な
どがある。
また、情報記録手段としては、前記の光学的情報記録
を可能とする光学的記憶手段のほか、電気的記憶手段お
よび磁気的記憶手段のうち少なくとも一つを設けること
が好ましい。
少なくとも2種の情報記録手段を併用することによっ
て多様な情報をフィルム製造時、撮影時、現像時、プリ
ント時、再プリント時等の時期に容易かつ確実に入力す
ることが容易になる。
この場合の有効な情報の具体例としては、例えば、撮
影情報(ストロボの有無、色温度、LV値、撮影距離、レ
ンズの焦点距離、被写体コントラスト、撮影年月日およ
び時刻、撮影場所等)、フィルム情報(フィルム種、フ
ィルム製造年月日、プリント条件等)、ラボ情報(ラボ
名、現像年月日、同時プリント時のプリント条件等)な
どを例示できる。これらの情報を有効活用することによ
ってプリントの画質の向上が可能となる。
また、電気的記憶手段としてはカートリッジに半導体
素子を用いたものが好ましく、磁気的記憶手段はフィル
ムまたはカートリッジに設けることが好ましい。
なお、当然のこととして、光学的情報記録可能部分を
常にすべて活用する必要はなく、目的に応じて情報記録
に活用すればよい。十分な情報記録容量を付与しておく
ことが大切である。
以下、本発明のフィルムを収納した写真フィルムパト
ローネについて詳述する。
本発明において、光学的情報記録可能部分は画像露光
部の写真フィルム幅方向の外側に形成することが好まし
い。これは、画像露光部と画像露光部との間に光学的情
報記録可能部分を形成すると、写真フィルムの全長が伸
び、カメラの薄型化に不利となるからである。また、パ
ーフォレーション間に光学的情報記録部分を形成する
と、同部分への情報入力と情報読み取りには非常に複雑
なカメラ機構を必要とするからである。このため、画像
露光部間またはパーフォレーション間には形成せず、画
像露光部の外側に形成する。
文字情報は文字またはバーコードの形で入力すること
が好ましい。
フィルム製造時または撮影時に入力する各種情報は写
真フィルムの感光性を利用する光学的手段を用いて入力
することが製造工程簡素化、カメラの小型化、コスト低
減等の点から好ましい。但し、フィルムの使用状況(未
使用、使用済、撮影枚数等)を確認するための情報の入
力や読み取りは磁気的手段または電気的手段を用いて行
なう方がフィルムを現像する必要がないので好ましい。
また、ラボにおける各種情報の入力は磁気的手段また
は電気的手段を用いて行なう方が、フィルム現像後も情
報に可能になるため好ましい。
一般に、撮影時には光学的手段を用いて、現像後には
磁気的手段を用いて情報入力を行なうことが適してい
る。例えば、撮影時にカメラからの情報を磁気的に写真
フィルムに入力するためには、フィルムと磁気ヘッドと
の相対速度を一定に保つことが必要であるが、そのため
にはカメラに複雑な機構を備えなければならない。この
ため、撮影時の情報入力には写真フィルムの感光性を利
用した光学的手段がその確実性および簡便性のために優
れている。
これに対して、一旦写真フィルムを現像した後は写真
フィルムの感光性を利用した光学的手段を用いることが
できないので、磁気的手段を用いることが必要となる。
電気的記憶手段として使用する半導体素子はEEPROM等
が好ましい。半導体素子はカートリッジに付着させるこ
とが好ましいが、カートリッジと半導体とを分離して別
々にカメラに装填するようにすることもできる。また、
マイコンとEEPROMとを含むICカードを電気的記憶手段と
して用いることもできる。
磁気的記憶手段としては、米国特許第4302523号、同3
782947号、同4279945号等に示された透明磁気ベースが
好ましい。この透明磁気ベースが優れている点は、フィ
ルム画面に隣接した位置に画面に関する情報を入力でき
る点、および光学的情報記録部を磁気的情報記録部とし
ても活用できる点である。磁気的情報記録層は画像露光
部の外側にのみ形成することもできる。この場合は磁気
的情報記録層は不透明でもよい。
カートリッジに磁気的情報記録手段を設けた場合、こ
の磁気的手段にはDXコードやフィルムの使用状況に関す
る情報を入出力できる。カートリッジに入力されたフィ
ルム使用状況に関する情報はフィルムをカートリッジか
ら取り出すことなく確認きるので好ましい。カートリッ
ジに磁気的記録手段を設ける手段としては、カーリッジ
に磁気テープを貼り付ける方法、カートリッジを磁性体
を混合分散したポリマーで成形し、カートリッジに磁気
記録機能を与える方法、磁性体を分散したインクでカー
トリッジを印刷する方法等がある。
なお、光学的手段により入力した情報いわゆる「光か
ぶり」によって消滅することを防止するため、カートリ
ッジは光密型のもの(例えば、実願平1−17253号記載
のもの)が好ましい。
例えば、この場合の写真フィルムとして、第7図およ
び第8図に示すものが挙げられる。
第7図が写真フィルムパトローネ15に写真フィルム11
が収納されている状態を示す。写真フィルムパトローネ
15はスプール16およびカートリッジ本体17からなり、ス
プール16は、その一端16aがカートリッジ本体17内部で
軸線回りに回転自在に支持され、他端61bはカートリッ
ジ本体17の外部からスプール16を回転できるように支持
されている。写真フィルム11はスプール16にロール状に
巻かれた状態で収納されており、カートリッジ本体17に
は写真フィルム11を引き出すための開口部18が形成され
ている。写真フィルム11は画像露光部19、光学的情報入
力部分110、光学的情報入力と磁気的情報入力の双方を
兼ねる部分111および写真フィルム11のコマの位置決め
用のパーフォレーション112を有する。
また、第8図に示すように、写真フィルム11のベース
12は厚さ122μのものを使用する。ベース12は三酢酸セ
ルロースベースであり、その裏側には0.1g/m2の割合で
磁性体(γ−Fe2O3)13が塗布されている(特公昭57−6
576号公報参照)。
ベース12の表側には塗布銀量約7g/m2の割合で例えば
感度400のカラーネガフィルム用の感光層(乳剤層)14
が形成されている(特開昭63−236035号公報等参照)。
光学的情報入力部分110は写真フィルム11の感光性を
利用した光学的記憶手段である。
以上のような写真フィルムパトローネ15に収納された
写真フィルム11を用いた各種情報入力およびその情報を
活用するプリント作成は、例えば、次のように行なわれ
る。
フィルム加工時にDXコード、フィルム製造年月日等の
情報を光学的兼磁気的情報入力部分111に入力する。入
力は文字でもよく、またはバーコードを用いてもよい。
カメラに装着したLEDを用いて撮影年月日、ストロボ
の有無、擬似ズーム用トリミング情報等を光学的情報入
力部分110にバーコードの形で入力する。
フィルム製造年月日、撮影年月日、現像年月日等のデ
ータからフィルムの経時変化を補正するプリント条件を
自動的にセットする。セットは予めオートプリンターに
組み込まれたプログタムに従って自動的に行なわれる。
これによって、フィルムの経時変化によるプリント品質
の劣化を最小限に抑えることができる。
ストロボを使用した場合、オートプリンターに組み込
まれたプログラムに従って、プリントにイエローを加え
るように自動的に補正がなされる。これによって、従来
は人手に頼っていた色補正が自動的になされることにな
り、ストロボ使用写真の色のばらつきが減少する。
擬似ズーム情報に従って、プリント時にオートプリン
ターで自動的にトリミングが行なわれる。トリミングを
行なっても撮影年月日はプリントの画面の下隅にプリン
トされる。このように、人手をかけずに擬似ズームプリ
ントを作ることができ、かつ擬似ズームプリントには日
付をプリントすることが可能になる。
ラボにおいて、で予測したプリント条件および各コ
マの補正されたプリント条件を光学的兼磁気的情報入力
部分111に磁気的に入力する。これによって、同時プリ
ント時や再プリント時における色合いの変化を少なくす
ることができる。
再プリント時のプリント枚数、トリミング条件等を取
次店店頭において光学的兼磁気的情報入力部分111に磁
気的に入力する。これによって、ラボの再プリントの効
率が向上するとともに、撮影者の意図をプリントに反映
することが容易になる。
以上から明らかなように、上記図示例のように光学的
手段と磁気的手段とを併用することにより、各種情報を
撮影時のみならず現像後においても入力することが可能
になり、プリントの画質を向上させることができる。
また、写真フィルムパトローネは、第9図に示すよう
なものであってもよい。
第9図に示すように、パトローネ20はカートリッジ本
体21、カートリッジ本体21とその一端において接合して
いる可撓性壁部22、およびカートリッジ本体21内部に回
転可能に支持されたスプール23からなる。可撓性壁部22
には両端にカメラ側の機構と係合する一対の突起24a、2
4bが形成されている。写真フィルム25はスプール23にロ
ール状に密に巻かれた状態でカートリッジ本体21内部に
収納されている。写真フィルム25は第7図および第8図
に示した写真フィルム11と同じものを用いる。
パトローネ20をカメラに装填すると、カメラ側の機構
(図示せず)が突起24a、24bと係合し、突起24a、24bを
押し上げる。
カートリッジ20はカメラ内部に固定的に装填されてい
るので、突起24a、24bの押し上げにより、可撓性壁部22
が第9図に示すように、上方に撓み、フィルム引き出し
口26を形成する。この後、スプール23をフィルム送り方
向(第9図では反時計方向)に回転させることにより、
写真フィルム25はスプール23に密に巻かれているので、
写真フィルム25はフィルム引き出し口26から送り出さ
れ、カメラ内のフィルム露光位置に導かれる。
このパトローネ20のカートリッジ本体21の壁部外側に
は磁気的記憶手段として磁気テープ27が貼り付けられて
いる。磁気テープ27は、例えば、オーディオ用の市販の
磁気テープを用いることができる。
磁気テープ27には予めフィルム感度に関する情報を入
力しておき、パトローネ20の装填時にカメラ側の適当な
入出力機構(図示せず)がその情報を読み出す。また、
パトローネ20をカメラから取り出す時に、フィルムの使
用枚数の情報がカメラ側の入出力機構によって磁気テー
プ27に入力される。このフィルム使用枚数の情報を入力
したパトローネを再度カメラに装填すると使用済のフィ
ルムは給送されないようにすることができ、また写真フ
ィルムが途中まで使用されている場合には未撮影コマが
カメラ露光位置に達するまで自動的に写真フィルムが給
送されるようにすることができる。
磁気的記憶手段としては、磁気テープ27に代えてEEPR
OMを使用することもできる(特開昭62−116932号公報参
照)。このEEPROMにはDXコード、フィルム使用状況、撮
影場所等を入力する。また、ラボにおいて、プリント条
件等の情報をEEPROMに入力しておけば、後にその情報を
再プリント時に活用することができる。また、撮影者の
再プリント枚数やトリミング条件等をこのEEPROMに入力
することもできる。
さらに、上記図示例において、磁性体を含むフィルム
ベースを三酢酸セルロースベースとした写真フィルムを
用いても良い。この場合、ラボにおいて各コマのプリン
ト条件もEEPROMに入力する。
なお、写真フィルムパトローネは、図示例に限らず、
種々のものであってもよい。
本発明における撮影用写真フィルムとしては、黒白写
真用、カラー写真用のいずれであってもよく、例えば、
カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、カラーポジ
フィルム、黒白ネガフィルム、マイクロフィルム、映画
用フィルム等が挙げられる。
また、これらのフィルムのサイズも特に限定されず、
135サイズ、110サイズ等の既存のものの他、任意のサイ
ズが可能である。
このような感光材料における乳剤層(感光層)のハロ
ゲン化銀の構成、添加剤、あるいは乳剤の製造方法など
については、特開昭63−70857号、特開平1−190889
号、特開平1−103035号、特願平1−214895号、同1−
224701号、同1−248498号、同1−131872号、同1−13
1873号、同1−134479号等の記載およびこれらに記載さ
れた文献を参照することができる。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1 特開昭63−70857号の実施例5に従ってカラーネガフ
ィルムを作製(試料N1)した。このフィルムを35mm巾1m
に裁断し、両端部(両耳)を通常のパーフォレーション
を穿孔するかわりに、一端部(片耳)に一画面当り1個
のパーフォレーションを穿孔した。このパーフォレーシ
ョンはフィルム端から2mmのところとした。
ただし、上記のフィルムベースは、予め裏面に磁性体
(γ−Fe2O3)を0.1g/m2の割合で塗布した三酢酸セルロ
ースベース(厚さ122μm)を用いた。
このようにして、第6図および第8図に示すような写
真フィルム(試料101)を作製した。
この写真フィルムにおける光学的情報記録可能部分の
面積は、前記定義の比率で表わすと、画像露光部の1コ
マの面積の32%であった。
このように、上記写真フィルムは光学的情報記録可能
部分の面積が大きく、光学的手段による記録容量が大き
く、かつ磁気的手段による記録も可能なものになる。
次に、上記写真フィルムを、第7図に示すように、カ
ートリッジに収納し、写真フィルムパトローネを作製し
た。
このものを通常のカメラ(例えば富士写真フィルム
(株)製DL−200 DATE)に装填し、カメラ撮影後、フィ
ルムを取り出し、富士写真フィルム(株)製の自現機FN
CP−40Bの改造機を使用して、特開昭63−70857号実施例
5に記載の処理工程および処理液にて処理した。
ただし、乾燥装置は第1図に示すものを用い、その仕
様は、以下のとおりであり、リーダ搬送によりネガフィ
ルム1本ずつを乾燥した。
(1)筐体/ 全長 :500mm 内部空間幅 :40mm 内部空間厚さT: 3mm 材質 :石綿材 (2)ノズル/ 配置 :1対、上下対称 傾斜角度α :45° 吹出口横幅WN :33mm 吹出口長 : 1mm (3)乾燥用気体/ 供給空気温度 :48℃ 供給空気湿度 :55%RH 筐体内流速 :23m/s (フィルム乳剤面とほぼ平行な流れ) (4)乾燥開始部Xと乾燥終了部Yとの湿度差 :30%RH以上 (5)フィルムの搬送速度75cm/分 なお、上記の乾燥時間は、従来の乾燥時間(1.5〜2.5
分程度)に比べて50〜70%程度短縮されたものである。
このような処理を処理1Aとする。
次に、試料101において、通常のパーフォレーション
を有する試料を作製した。これを試料102とする。この
試料102を用いて、処理1Aと同様に処理した。
これを処理1Bとする。
さらに、処理1Aにおいて、画像露光部に対する光学的
情報記録可能部分(画像露光部以外)の面積を通常の11
%、パーフォレーションを1個とした。これを試料103
とする。これを同様に処理して処理1Cとした。
処理1A、1B、1Cについては、処理後の試料の乾燥ムラ
を調べた。
結果を表1に示す。
乾燥ムラは、画像露光部の乳剤面における水滴状のム
ラの有無を目視により観察した。
表1中の○はムラが全くないこと、××はムラ多いこ
と、×××はムラが非常に多いことを示している。
なお、処理1Bでは、パーフォレーションのところで、
乾燥風が吹き抜けるため、フィルムが壁につきやすくな
り、搬送不良も生じた。
実施例2 実施例1の処理1A、1Bにおいて、乾燥装置を第3図〜
第5図で示されるものにかえて同様に処理した。それぞ
れに対応させて処理2A、2Bとする。
この場合の乾燥装置の仕様は以下の通りであるり、リ
ーダによりネガフィルムを2本同時に搬送するものとし
た。
(1)全体の搬送経路長:30cm (2)ノズルの空気吹出口の長さ (感材巾方向)L1:146mm (3)チャンバーの長さ (感材巾方向)L2:50mm (4)空気吹出口と写真フィルムとの間隙W :5mm (5)風の吹きつけ方向:写真フィルムの乳剤面に対し
てほぼ垂直 風の速度:15m/s (6)乾燥用空気の供給時温度:48℃ 乾燥用空気の供給時湿度:46%RH (7)感材の搬送速度:90cm/分 なお、処理2A、2Bでは、乾燥時間は20秒とし、乾燥温
度は45℃であった。
これらの処理について実施例1と同様にして乾燥ムラ
を調べた。
結果を表2に示す。
表2中の○は乾燥ムラがないこと、××は乾燥ムラが
かなり発生していることを示す。
実施例3 実施例2の処理2A、2Bにおいて、乾燥装置として、吸
水ローラを設置するかわりに通常の搬送ローラを設置し
た乾燥装置とし、これを用いて同様に処理した。
なお、乾燥時間は20秒、乾燥温度は52℃とした。
このような処理を、処理2A、2Bにそれぞれ対応させて
処理3A、3Bとする。
これらの処理3A、3Bについては、実施例1と同様に乾
燥ムラを調べた。
結果を表3に示す。
表3中の○は乾燥ムラがないこと、×は乾燥ムラが発
生していることを示している。
〈発明の効果〉 本発明によれば、乾燥ムラの発生がなく、迅速で効率
のよい乾燥を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における乾燥装置の一構成例の概略を
示す断面図である。 第2図は、第1図中のII−II線での断面図である。 第3図は、本発明における乾燥装置の他の構成例を示す
概略構成図である。 第4図は、第3図における送風部の下方からの斜視図で
あり、第5図は、送風部の感光材料搬送方向に沿った側
面図である。 第6図は、本発明における撮影用写真フィルムを説明す
るための平面図である。 第7図は、本発明における写真パトローネの一構成例を
示す断面図である。 第8図は、第7図におけるVIII−VIII線断面図である。 第9図は、本発明における写真パトローネの他の構成例
を示す斜視図である。 符号の説明 1、1′……乾燥装置 8、80……ノズル 11、25……写真フィルム 11A……写真フィルム乳剤面 12……パーフォレーション

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画面部を除く長手方向の一端部または両端
    部に、一画面当たり4個以内のパーフォレーションを有
    する長尺の撮影用写真フィルムを、露光後、所定の処理
    液により処理したのち、ノズルからの吐出風により乾燥
    する方法であって、 前記撮影用写真フィルムは、画面部を除く長手方向の一
    端部または両端部に、一画面当たり4個以内のパーフォ
    レーションを有し、しかも画像露光部に対する画像露光
    部以外の面積の比率が15〜40%であり、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐出
    風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とする
    撮影用写真フィルムの乾燥方法。
  2. 【請求項2】長尺の撮影用写真フィルムの画面部を除く
    長手方向の一端部または両端部に、一画面当たり4個以
    内のパーフォレーションを有する撮影用写真フィルム
    を、露光後、所定の処理液により処理したのち、ノズル
    からの吐出風により乾燥する装置であって、 入口から出口まで貫通するスリット状の内部空間を有す
    る筐体を有し、 この内部空間にノズルを設け、前記撮影用写真フィルム
    の搬送方向に向けて吐出風を送り、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐出
    風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とする
    撮影用写真フィルムの乾燥装置。
  3. 【請求項3】長尺の撮影用写真フィルムの画面部を除く
    長手方向の一端部または両端部に、一画面当たり4個以
    内のパーフォレーションを有する撮影用写真フィルム
    を、露光後、所定の処理液により処理したのち、ノズル
    からの吐出風により乾燥する装置であって、 前記撮影用写真フィルムの搬送方向に延在する送風チャ
    ンバーと、 このチャンバーに設けられ、吐出風を前記撮影用写真フ
    ィルムにほぼ垂直に吐出するスリット状の複数のノズル
    を有し、前記送風チャンバーには、前記撮影用写真フィ
    ルムの搬送方向と逆方向に送風が行われ、前記チャンバ
    ーの前記撮影用写真フィルム幅方向の長さが、ノズルの
    前記撮影用写真フィルム幅方向長さの1/2以下であり、 前記撮影用写真フィルムの乳剤面位置における前記吐出
    風の速度を3m/秒以上として乾燥することを特徴とする
    撮影用写真フィルムの乾燥装置。
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