JP2673545B2 - エラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
エラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物Info
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- JP2673545B2 JP2673545B2 JP63160931A JP16093188A JP2673545B2 JP 2673545 B2 JP2673545 B2 JP 2673545B2 JP 63160931 A JP63160931 A JP 63160931A JP 16093188 A JP16093188 A JP 16093188A JP 2673545 B2 JP2673545 B2 JP 2673545B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性及び剛
性に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものであり、
自動車、電子、電気、機械等の工業材料分野をはじめと
する広い分野に利用されるものである。
性に優れたポリアミド樹脂組成物に関するものであり、
自動車、電子、電気、機械等の工業材料分野をはじめと
する広い分野に利用されるものである。
[従来の技術] ポリアミド樹脂(以下PAと略す)は優れた機械的性
質、耐薬品性、耐摩耗性等を有するが、耐衝撃性、特に
低温における耐衝撃性に劣るので応用分野が限定されて
いる。
質、耐薬品性、耐摩耗性等を有するが、耐衝撃性、特に
低温における耐衝撃性に劣るので応用分野が限定されて
いる。
この欠点を改良するため、種々の組成物が提案されて
いる。例えばPAとポリフェニレンエーテル系樹脂(以下
PPEと略す)とエラストマーとを混合した組成物が、特
開昭56−49753号、特開昭62−138553号、特開昭62−151
456号の各公報に開示されているが、いづれも低温にお
ける耐衝撃性が不十分という問題点がある。そこでこれ
を補うために、組成物中のエラストマーの重量部を増加
させると、低温における耐衝撃性は向上するが、常温に
おける剛性が失われるという新たな問題が発生する。
いる。例えばPAとポリフェニレンエーテル系樹脂(以下
PPEと略す)とエラストマーとを混合した組成物が、特
開昭56−49753号、特開昭62−138553号、特開昭62−151
456号の各公報に開示されているが、いづれも低温にお
ける耐衝撃性が不十分という問題点がある。そこでこれ
を補うために、組成物中のエラストマーの重量部を増加
させると、低温における耐衝撃性は向上するが、常温に
おける剛性が失われるという新たな問題が発生する。
本発明者らは、先に低温における耐衝撃性の優れたPA
組成物を見出し先に出願した(特開昭62−68850号)。
しかし、この組成物も常温における剛性が不足している
ため、実用的な応用、用途が限定されていた。
組成物を見出し先に出願した(特開昭62−68850号)。
しかし、この組成物も常温における剛性が不足している
ため、実用的な応用、用途が限定されていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はPAの低温における耐衝撃性を改良すると共
に、常温における剛性を高いレベルに保持した、実用性
の高いPA組成物を提供するものである。
に、常温における剛性を高いレベルに保持した、実用性
の高いPA組成物を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記のように改良された樹脂組成物を
得るべく鋭意研究の結果、本発明の目的に沿った新しい
PA組成物を開発した。
得るべく鋭意研究の結果、本発明の目的に沿った新しい
PA組成物を開発した。
すなわち目的を達成し得る材料は、PAとPPEとエラス
トマーとオイルとを含有する樹脂組成物であって、該組
成物を電子顕微鏡を用いて観察したときに、PAが連続相
となり、更にその中の分散相にPPEとエラストマーと
が、それぞれの分散相を形成し、かつその際にPPEの粒
径が0.6μm以下であり、エラストマーの粒径が1.5μm
以下であることを特徴とするエラストマーを含む耐衝撃
性PA組成物である。
トマーとオイルとを含有する樹脂組成物であって、該組
成物を電子顕微鏡を用いて観察したときに、PAが連続相
となり、更にその中の分散相にPPEとエラストマーと
が、それぞれの分散相を形成し、かつその際にPPEの粒
径が0.6μm以下であり、エラストマーの粒径が1.5μm
以下であることを特徴とするエラストマーを含む耐衝撃
性PA組成物である。
本発明の成分として用いられるPAは、ジカルボン酸と
ジアミンとの重縮合部、α−アミノカルボン酸の重縮合
物、環状ラクタムの開環重合物等であり、具体的な例と
しては、ナイロン6、ナイロン4.6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族ポリアミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリテトラ
メチレンイソフタルアミド等の脂肪族−芳香族ポリアミ
ド、およびこれらの共重合体、混合物等が挙げられる。
本発明中のPA含有量は、90重量%以下、好ましくは30〜
85重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
ジアミンとの重縮合部、α−アミノカルボン酸の重縮合
物、環状ラクタムの開環重合物等であり、具体的な例と
しては、ナイロン6、ナイロン4.6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族ポリアミ
ド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリテトラ
メチレンイソフタルアミド等の脂肪族−芳香族ポリアミ
ド、およびこれらの共重合体、混合物等が挙げられる。
本発明中のPA含有量は、90重量%以下、好ましくは30〜
85重量%、より好ましくは50〜80重量%である。
次に本発明の成分として用いられるPPEは 一般式 (式中、R1,R2,R3,R4,R5は水素、ハロゲン原子、炭化水
素もしくは置換炭化水素基であり、少なくとも1つは必
ず水素である。)で表わされるフェノール化合物を1種
または2種以上を酸化重合して得られる重合体である。
素もしくは置換炭化水素基であり、少なくとも1つは必
ず水素である。)で表わされるフェノール化合物を1種
または2種以上を酸化重合して得られる重合体である。
上記一般式におけるR1,R2,R3,R4,R5の具体例として
は、水素、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチ
ル、フェニルエチル、ベンジン、ヒドロキシメチル、カ
ルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエ
チル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジ
メチルフェニル、エチルフェニルなどが挙げられる。
は、水素、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチ
ル、フェニルエチル、ベンジン、ヒドロキシメチル、カ
ルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエ
チル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジ
メチルフェニル、エチルフェニルなどが挙げられる。
上記一般式の具体的な例としては、フェノール、o
−,m−,またはp−クレゾール、2,6−,2,5−,2,4−ま
たは3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェ
ニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ
エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,3,5−,2,3,6−,及び2,4,6−トリメチルフェノー
ルなどが挙げられる。これらのフェノール化合物は、2
種以上用いることもよい。
−,m−,またはp−クレゾール、2,6−,2,5−,2,4−ま
たは3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェ
ニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジ
エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノー
ル、2,3,5−,2,3,6−,及び2,4,6−トリメチルフェノー
ルなどが挙げられる。これらのフェノール化合物は、2
種以上用いることもよい。
また上記一般式以外のフェノール化合物、例えばビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾル
シン、ハイドロキノン、などのような二価フェノールと
上記一般式のフェノール化合物との共重合でもよい。本
発明該組成物中のPPE含有量は、5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%である。
フェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾル
シン、ハイドロキノン、などのような二価フェノールと
上記一般式のフェノール化合物との共重合でもよい。本
発明該組成物中のPPE含有量は、5〜50重量%、好まし
くは10〜40重量%である。
本発明の成分として用いられるエラストマーには、エ
チレン−プロピレン教共重合体ゴム、及びポリブタジエ
ン系ゴム、ブロック共重合体ゴム等が挙げられる。好ま
しくは、ビニル化合物重合体Aとオレフィン化合物重合
体ブロックBとからなる共重合体であって、ブロックB
の不飽和度が20%を越えない水素ブロック共重合体エラ
ストマーである。エラストマーの含有量は、5〜30重量
%、さらに好ましくは、10〜25重量%である。
チレン−プロピレン教共重合体ゴム、及びポリブタジエ
ン系ゴム、ブロック共重合体ゴム等が挙げられる。好ま
しくは、ビニル化合物重合体Aとオレフィン化合物重合
体ブロックBとからなる共重合体であって、ブロックB
の不飽和度が20%を越えない水素ブロック共重合体エラ
ストマーである。エラストマーの含有量は、5〜30重量
%、さらに好ましくは、10〜25重量%である。
本発明の成分として用いられるオイルは芳香族環、ナ
フテン環、およびパラフィン鎖の三者組合わさった重量
平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素化合物の混合物
であった。パラフィン鎖の含量が50%以上のもの、好ま
しくは、芳香族が2%以下、ナフテン環が15〜39%、パ
ラフィン環が60〜84%(試験法n−d−M)のものであ
る。
フテン環、およびパラフィン鎖の三者組合わさった重量
平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素化合物の混合物
であった。パラフィン鎖の含量が50%以上のもの、好ま
しくは、芳香族が2%以下、ナフテン環が15〜39%、パ
ラフィン環が60〜84%(試験法n−d−M)のものであ
る。
組成物中のオイルの含有量は、0.1〜20重量%、好ま
しくは、0.5〜15重量%である。
しくは、0.5〜15重量%である。
本発明の組成物の組織構造は、四酸化オスミウムによ
る染色固定法で調製された超薄切片を透過型電子顕微鏡
(以下電顕と省略する)で観察することができる。本発
明の組成構造は、PAが連続相であり、PPEとエラストマ
ーが分散相を形成するものである。さらに詳しくは、
(A)PPEと、PPEを内包しないエラストマーとがPA連続
相中に独立に分散相をつくるもの、(B)PA連続相中
に、PPEまたはPAを内包とするエラストマーが分散相を
つくるもの、(C)(A)と(B)の両方が存在するも
の、のうちいずれかである。
る染色固定法で調製された超薄切片を透過型電子顕微鏡
(以下電顕と省略する)で観察することができる。本発
明の組成構造は、PAが連続相であり、PPEとエラストマ
ーが分散相を形成するものである。さらに詳しくは、
(A)PPEと、PPEを内包しないエラストマーとがPA連続
相中に独立に分散相をつくるもの、(B)PA連続相中
に、PPEまたはPAを内包とするエラストマーが分散相を
つくるもの、(C)(A)と(B)の両方が存在するも
の、のうちいずれかである。
本発明の組成物中におけるPPE分散相の粒径は、PPE分
散相が、0.6μm以下であることが好ましい。PPE分散相
の測定は写真倍率20000倍で実施し、楕円形のときはそ
の長径および長径の中央に垂線を立て、楕円体との交点
間の距離を短係として測定し、 式 D=(長径+短径)/2 から求めたDをPPEの分散相の粒径とする。
散相が、0.6μm以下であることが好ましい。PPE分散相
の測定は写真倍率20000倍で実施し、楕円形のときはそ
の長径および長径の中央に垂線を立て、楕円体との交点
間の距離を短係として測定し、 式 D=(長径+短径)/2 から求めたDをPPEの分散相の粒径とする。
本発明の組成物中におけるエラストマー分散相の粒径
は、エラストマー分散相が1.5μm以下であることが好
ましい。エラストマー分散相の測定はPPE分散相の測定
と同様に行う。円形または楕円形以外の形を成している
ものについては、エラストマー分散相の一端から一端ま
でを結ぶ直線で(直線はエラストマー分散相中に含まれ
なくても良い)、その長さが最大となるものを長径と
し、長径と垂直な方向に、同じく一端から一端までを結
ぶ直線で(同様に、直線はエラストマー分散相中に含ま
れなくても良い。)その長さが最大となるものを短径と
して測定し、 式 D′=(長径+短径)/2 から求めたD′をエラストマー分散相の粒径とする。
は、エラストマー分散相が1.5μm以下であることが好
ましい。エラストマー分散相の測定はPPE分散相の測定
と同様に行う。円形または楕円形以外の形を成している
ものについては、エラストマー分散相の一端から一端ま
でを結ぶ直線で(直線はエラストマー分散相中に含まれ
なくても良い)、その長さが最大となるものを長径と
し、長径と垂直な方向に、同じく一端から一端までを結
ぶ直線で(同様に、直線はエラストマー分散相中に含ま
れなくても良い。)その長さが最大となるものを短径と
して測定し、 式 D′=(長径+短径)/2 から求めたD′をエラストマー分散相の粒径とする。
本発明のPA組成物の製造法に関しては、本発明におい
ては特に限定しないが、好ましくはPA、以下に説明する
変性PPE、および変性エラストマー、またオイルの4つ
の成分を二点押出機によって混練する方法がある。本発
明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空
成形など一般に熱可塑性樹脂の公知の成型法に供され
る。
ては特に限定しないが、好ましくはPA、以下に説明する
変性PPE、および変性エラストマー、またオイルの4つ
の成分を二点押出機によって混練する方法がある。本発
明の組成物は、射出成形、押出成形、ブロー成形、真空
成形など一般に熱可塑性樹脂の公知の成型法に供され
る。
変性PPEとは、PPEにカルボン酸無水物基または、エポ
キシ基を有する1,2−置換オレフィン化合物を反応させ
たものであって、その反応量は、本発明の目的が達成さ
れる量であればよい。即ち、PA樹脂組成物の低温耐衝撃
性と剛性とを満足させるに十分な量であればよい。
キシ基を有する1,2−置換オレフィン化合物を反応させ
たものであって、その反応量は、本発明の目的が達成さ
れる量であればよい。即ち、PA樹脂組成物の低温耐衝撃
性と剛性とを満足させるに十分な量であればよい。
本発明に用いられる変性PPEの製造法は、本発明を実
施する上で制限されるものではなく、例れば次の方法を
用いることができる。
施する上で制限されるものではなく、例れば次の方法を
用いることができる。
1)特公昭52−30991号公報、特公昭52−19864号公報に
開示されうように、芳香族ポリエーテル樹脂を含む溶液
にラジカル発生剤の共存下でカルボン酸またはその誘導
体を有する1,2−置換オレフィン化合物を加え、50〜200
℃の温度で数十分〜数時間撹拌する方法。
開示されうように、芳香族ポリエーテル樹脂を含む溶液
にラジカル発生剤の共存下でカルボン酸またはその誘導
体を有する1,2−置換オレフィン化合物を加え、50〜200
℃の温度で数十分〜数時間撹拌する方法。
2)特公昭59−11605号公報に開示されるように、実質
的に溶媒を含む系で、溶融混練下に各成分を接触させる
方法。
的に溶媒を含む系で、溶融混練下に各成分を接触させる
方法。
PPEと反応させるカルボン酸基またはその誘導体基を
有する1,2−置換オレフィン化合物の具体例としては、
無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、フマル
酸、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート
等が挙げられるが、これらの中では、無水マレイン酸が
好ましい。
有する1,2−置換オレフィン化合物の具体例としては、
無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、フマル
酸、無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、
アクリル酸、メタクリル酸、グリシジルメタクリレート
等が挙げられるが、これらの中では、無水マレイン酸が
好ましい。
ラジカル発生剤としては、公知の有機過酸化物ジアゾ
化合物類を用いることができ、具体例としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
化合物類を用いることができ、具体例としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
アゾビスイソブチロニトリルなどが挙げられる。
変性エラストマーは、エラストマーに、カルボン酸
基、酸無水物基、またはエポキシ基を有する1,2−置換
オレフィン化合物を反応させたものである。その反応量
は、エラストマー100重量部あたり0.05〜10重量部が好
ましく、さらには0.1〜5重量部が好ましい。
基、酸無水物基、またはエポキシ基を有する1,2−置換
オレフィン化合物を反応させたものである。その反応量
は、エラストマー100重量部あたり0.05〜10重量部が好
ましく、さらには0.1〜5重量部が好ましい。
変性エラストマーの製造法に関しては、本発明におい
ては特に限定しないが、得られたエラストマーの溶融粘
度が著しく増大して加工性が悪化する製造方法は好まし
くない。好ましくは押出機中で、ラジカル開始材剤の存
在下で、エラストマーと不飽和カルボン酸無水物または
不飽和カルボン酸とを反応させる方法である。
ては特に限定しないが、得られたエラストマーの溶融粘
度が著しく増大して加工性が悪化する製造方法は好まし
くない。好ましくは押出機中で、ラジカル開始材剤の存
在下で、エラストマーと不飽和カルボン酸無水物または
不飽和カルボン酸とを反応させる方法である。
[発明の効果] 本発明によって得られる組成物は、従来のものと比べ
剛性を高いレベルに保持したまま低温における耐衝撃性
が向上しているという特徴を有する。その結果、本発明
のPA組成物の耐衝撃性における延性−脆性転位点となる
温度を低温側にずらすことが可能となった。
剛性を高いレベルに保持したまま低温における耐衝撃性
が向上しているという特徴を有する。その結果、本発明
のPA組成物の耐衝撃性における延性−脆性転位点となる
温度を低温側にずらすことが可能となった。
[実 施 例] 以下、本発明を実施例で説明するが、本発明の範囲を
これらの実施例に限定するものではない。なお、実施例
中の部はすべて重量部である。
これらの実施例に限定するものではない。なお、実施例
中の部はすべて重量部である。
実施例1〜5 a 無水マレイン酸変性PPEの調製 数平均重合度140のポリ(2,6−ジメチルフェニレン−
1,4−エーテル)、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよ
び無水マレイン酸を、重量比100/1/5の割合で室温下で
ドライブレンドした後、スクリュー係30mm、L/D=30の
異方向回転式のベント付二軸押出機を用い、シリンダー
温度300℃、スクリュー回転数75rpmの条件で溶融して、
滞留時間1分で押出し、冷却浴を経た後、ペレット化し
た。このペレットを0.05g採取し、クロロホルムを用い
て約15ミクロン厚みのフィルムにした後、エタノールを
用いて、ソックスレー抽出器で10時間加熱環流した。次
いで、このフィルムを乾燥し、赤外分光測定用試料とし
た。この試料中の無水マレイン酸との反応に由来する−
CO2−構造の存在を赤外吸収スペクトルの1700〜1800cm
-1の吸収ピークの解析により確認した。
1,4−エーテル)、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよ
び無水マレイン酸を、重量比100/1/5の割合で室温下で
ドライブレンドした後、スクリュー係30mm、L/D=30の
異方向回転式のベント付二軸押出機を用い、シリンダー
温度300℃、スクリュー回転数75rpmの条件で溶融して、
滞留時間1分で押出し、冷却浴を経た後、ペレット化し
た。このペレットを0.05g採取し、クロロホルムを用い
て約15ミクロン厚みのフィルムにした後、エタノールを
用いて、ソックスレー抽出器で10時間加熱環流した。次
いで、このフィルムを乾燥し、赤外分光測定用試料とし
た。この試料中の無水マレイン酸との反応に由来する−
CO2−構造の存在を赤外吸収スペクトルの1700〜1800cm
-1の吸収ピークの解析により確認した。
b 無水マレイン酸変性エラストマーの調製 HTR〔旭化成株式会社、タフテック、H−1271(油添
量35wt%,オイル出光興産(株)製PW380)を75重量
部、H−1041を25重量部〕100重量部に対して1重量部
の無水マレイン酸、0.5重量部のパーヘキサ2.5B(日本
油脂製)を均一に混合した後、二軸押出機(スクリュー
直径45mm;L/D=33,ベント付)に供給しベント口から吸
引して未反応の無水マレイン酸を除去しながら、シリン
ダー温度260℃でマレイン酸付加反応を行なった。この
変性エラストマーを加熱、減圧乾燥した後、分析したと
ころ無水マレイン酸の付加量は0.3重量%であった。
尚、無水マレイン酸の付加量は、ナトリウムメチラート
による適定により求められた。
量35wt%,オイル出光興産(株)製PW380)を75重量
部、H−1041を25重量部〕100重量部に対して1重量部
の無水マレイン酸、0.5重量部のパーヘキサ2.5B(日本
油脂製)を均一に混合した後、二軸押出機(スクリュー
直径45mm;L/D=33,ベント付)に供給しベント口から吸
引して未反応の無水マレイン酸を除去しながら、シリン
ダー温度260℃でマレイン酸付加反応を行なった。この
変性エラストマーを加熱、減圧乾燥した後、分析したと
ころ無水マレイン酸の付加量は0.3重量%であった。
尚、無水マレイン酸の付加量は、ナトリウムメチラート
による適定により求められた。
c 組成物および試験片の調製 ナイロン6.6(旭化成工業(株)製、レオナ1300S)30
〜60重量部、aで得られた無水マレイン酸変性PPE10〜4
0重量部、cで得られた無水マレイン酸変性エラストマ
ー7.4〜22.1重量部、オイル2.6〜7.9重量部を表−1に
示す組成比で夫々の実施例に於て混合し、300℃に設定
した二軸押出機(スクリュー径44mm,L/D=33)で押し出
し、冷却浴を通してペレット化した。このペレットを80
℃で8時間真空乾燥した後、下記条件で射出成形を行
い、物性測定用成形片を作製した。
〜60重量部、aで得られた無水マレイン酸変性PPE10〜4
0重量部、cで得られた無水マレイン酸変性エラストマ
ー7.4〜22.1重量部、オイル2.6〜7.9重量部を表−1に
示す組成比で夫々の実施例に於て混合し、300℃に設定
した二軸押出機(スクリュー径44mm,L/D=33)で押し出
し、冷却浴を通してペレット化した。このペレットを80
℃で8時間真空乾燥した後、下記条件で射出成形を行
い、物性測定用成形片を作製した。
射出成形機 1オンス シリンダー温度 290℃ 射出圧力 700kg/cm2 射出時間 15秒 冷却時間 20秒 金型温度 90℃ d 物性測定 低温耐衝撃性;1/8″厚みのノッチ付試験片を用い−30
℃、絶乾状態にてASTM D256により、アイゾット衝撃強
度を測定した。
℃、絶乾状態にてASTM D256により、アイゾット衝撃強
度を測定した。
剛性;1/8″厚みの試験片を用い、絶乾状態にしてASTM
D790−80により、曲げ弾性率を測定した。以上の結果お
よび分散相の粒径測定結果を表−1に示す。
D790−80により、曲げ弾性率を測定した。以上の結果お
よび分散相の粒径測定結果を表−1に示す。
e 電顕による観察 代表例として実施例1を四酸化オスミウムにより染色
した電顕写真をとって観察したところ、濃く染色された
部分にPPE分散相、白い部分にエラストマー分散相が観
察され、且つ連続相となっている部分にPA相が観察され
た。
した電顕写真をとって観察したところ、濃く染色された
部分にPPE分散相、白い部分にエラストマー分散相が観
察され、且つ連続相となっている部分にPA相が観察され
た。
比較例 1〜6 比較例1〜6は、夫々対応する実施例のエラストマー
成分であるHTRに油添されていないH−1041を100重量部
使用した他は全て対応する実施例と同様にして実施し
た。その結果を表−1に示した。
成分であるHTRに油添されていないH−1041を100重量部
使用した他は全て対応する実施例と同様にして実施し
た。その結果を表−1に示した。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリアミド樹脂とポリフェニレンエーテル
系樹脂とエラストマーとオイルの4成分を含有する樹脂
組成物であって、該組成物を透過型電子顕微鏡を用いて
観察したときに、ポリアミド樹脂が連続相をなし、更に
その中にポリフェニレンエーテル系樹脂の分散相とエラ
ストマーの分散相とが存在し、且つ、ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂の分散相の粒径が0.6μm以下であり、エ
ラストマーの分散相の粒径が1.5μm以下であることを
特徴とするエラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63160931A JP2673545B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | エラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63160931A JP2673545B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | エラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0211656A JPH0211656A (ja) | 1990-01-16 |
JP2673545B2 true JP2673545B2 (ja) | 1997-11-05 |
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ID=15725347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP63160931A Expired - Fee Related JP2673545B2 (ja) | 1988-06-30 | 1988-06-30 | エラストマーを含む耐衝撃性ポリアミド樹脂組成物 |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS6268850A (ja) * | 1985-09-21 | 1987-03-28 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 耐衝撃性に優れたポリアミド含有樹脂組成物 |
-
1988
- 1988-06-30 JP JP63160931A patent/JP2673545B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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