JP2673467B2

JP2673467B2 - スライディングノズルの詰物

Info

Publication number: JP2673467B2
Application number: JP2200909A
Authority: JP
Inventors: 寛有吉; 郷夫宗友; 晏嗣重本; 純一蓮沼; 政人水藤; 政美鵜瀬
Original assignee: 川崎炉材株式会社; 川崎製鉄株式会社
Priority date: 1990-07-27
Filing date: 1990-07-27
Publication date: 1997-11-05
Anticipated expiration: 2012-11-05
Also published as: JPH0484664A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、取鍋等のスライディングノズルの詰物に関
する。

（従来の技術）従来、取鍋等の溶湯流量制御用に使用されるスライデ
ィングノズルの詰物は、珪砂にSiO₂90〜99％）を使用
し、使用状況によってSiO₂の純度の調整で焼結するのを
防止したり（特開昭64−48662号公報参照）、逆に正長
石（K₂O・Al₂O₃・6SiO₂）を添加して焼結をおこさせ、
溶鋼に接する部分に粘調な皮膜を生成させて溶鋼の浸透
を防止したりしている。

しかし、前者では、ノズル詰物が焼結するのを防止し
ているが、詰物自体の溶融部が生成されないため、溶鋼
の浸透を防止することができない。そのため、ノズルの
自然開孔率が低く、大幅な自然開孔率の向上は期待でき
ない。

一方、後者では、通常の操業では十分に使用すること
ができるが、鋼の高級化にともなう炉外精錬や取鍋等の
２〜３時間にわたる高温長時間処理では、ノズル詰物自
身の焼結が進んで強固な皮膜が生成される。そのため、
自然開孔しないことが多く、操業に重大な影響を及ぼす
ものであった。

（発明が解決しようとする課題）そこで、黒鉛のもつ焼結阻害性や溶鋼との濡れにくさ
から、鱗状黒鉛や土状黒鉛を添加することが試みられて
いる。

しかし、使用前のホッパー内および紙袋やコンテナバ
ック内で比重差と黒鉛の滑りやすさから坏土の偏析を生
じ、実機での使用において期待した性能を発揮すること
ができない状態にある。

また、ピッチ等を使用することも検討されているが、
揮発分を30〜70％有し、かつ使用中にガスが発生して好
ましくない。さらに、偏析も生じるものであった。

（課題を解決するための手段）本発明は上記のような点に鑑みたもので、スライディ
ングノズルを珪砂やMgOクリンカー、ジルコンサンド等
で閉塞するノズル詰物において、ノズル詰物にカーボン
ブラックを0.05〜5.0重量％配合したことを特徴とする
スライディングノズルの詰物を提供することにある。

（作用）本発明者等は、ノズル詰物の性能として必要な焼結防
止、溶鋼侵入防止、特性向上のために、カーボンブラッ
クを配合させることがきわめて有効なことを見出した。
すなわち、カーボンブラックは、黒鉛、ピッチ等の従来
の配合物に比べて高残炭率を持ち、揮発分が少なく、焼
結防止、溶鋼侵入防止特性が優れ、また比表面積が大き
いため配合した際の分散効果に優れて偏析が防止でき
る。またさらに、珪砂等への付着性が優れる。

したがって、ノズル詰物にカーボンブラックを少なく
とも0.05％以上の外掛けで配合することによって、珪砂
等のまわりにカーボンブラックを付着した被覆状態と
し、この被覆状態となったカーボンブラックで珪砂等の
粒同志が焼結して結合するのが防止できる。また、カー
ボンブラックのもつ溶鋼侵入防止特性によって、溶鋼が
ノズル詰物に侵入することも防止でき、スライディング
ノズルの自然開孔率を改善できる。なお、カーボンブラ
ックの含有量が0.05重量％未満であると粒子同志の結合
防止作用が不足し、また5.0重量％を越えると残留カー
ボンが多くなって好ましくない。

（実施例）以下、本発明を実施例にもとづいて説明する。

本発明は、取鍋等のスライディングノズルの詰物を、
粒度調整した珪砂に黒鉛源としてカーボンブラックを外
掛で0.05〜5.0重量％比で配合して形成するものであ
る。

上記珪砂の粒度例としては、第１表に示すものが使用
できる。

また、その珪砂の化学組成例としては、たとえば第２
表のような純度のものが使用できる。

（製造例）このようなノズル詰物について、次のページの第３表
に示すように珪砂とカーボンブラックの配合をいろいろ
変えて、50mm径×50mm高さのノズル詰物をジルコンれん
が製のるつぼに入れ、1400℃、２時間焼成した。その結
果について、第３表の下部に表示した。第３表には、珪
砂だけの標準品と、珪砂にピッチや土状黒鉛を配合した
ものとを比較して示している。

第３表からわかるように、焼結状況は、カーボンブラ
ックを配合した本発明のものでは、粒同志の表面が少し
固着ないしはほとんど固着せず、その結合が弱く、期待
通りの良好な結果であった。

また、その製造品は、珪砂粒のまわりにカーボンブラ
ックが被覆しているといった状態で、カーボンの偏析も
みられなかった。

また、カーボンブラックの含有量が0.05重量％未満で
あると粒子同志の結合防止作用が不足し、また5.0重量
％を越えると残留カーボンブが多くなって好ましくなか
った。

（使用例）上記した第３表に示した本発明品のNO.2の製品につい
て、製塊用と連鋳用のスライディングノズルに使用し
た。その結果、第４表の通りである。

表のように本発明品では、使用回数が360〜500回で良
好な自然開孔率を示した。

なお、自然開孔しなかった場合には、ロングノズルを
取りはずしたり、下部から酸素を吹き込んで強制的に開
孔しなければならず、溶鋼が空気に触れ、品質に悪影響
を与えて品質の格落ちや廃材（70トン／回）等となって
多大な損害を生じるため、自然開孔率の改善は生産性の
向上に重要である。

上記した珪砂の粒度や化学組成は、実施例に限定され
ずに、それ以外の粒度や化学組成についても適用でき、
またマグネシア・クロムクリンカーやジルコンサンド等
のノズル詰物にも同様に適用可能である。

またさらに、珪砂等にカーボンブラックのみを添加配
合することに限定するものでなく、鱗状黒鉛を併用する
ようにもできる。その際、カーボンブラックは、0.05〜
50重量％の中、少なくとも30重量％以上配合する必要が
ある。

本発明のノズル詰物は、取鍋、タンディッシュ、その
他の溶融金属容器の溶湯流量制御用に適用できるもので
ある。

（発明の効果）以上のように本発明にあっては、カーボンブラックを
0.05〜5.0重量％配合したので、ノズル詰物自身の焼結
が進むのを防止でき、スライディングノズルの自然開孔
率の向上をはかることができて鋼材生産性の向上に多大
に寄与できるものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者重本晏嗣兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の２川崎炉材株式会社内 (72)発明者蓮沼純一岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地なし）川崎製鉄株式会社内 (72)発明者水藤政人岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地なし）川崎製鉄株式会社内 (72)発明者鵜瀬政美岡山県倉敷市水島川崎通１丁目（番地なし）川崎製鉄株式会社内 (56)参考文献特開昭52−147523（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−11578（ＪＰ，Ａ) 特開平１−271058（ＪＰ，Ａ) 特公昭52−1695（ＪＰ，Ｂ２)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】スライディングノズルを珪砂やMgOクリン
カー、ジルコンサンド等で閉塞するノズル詰物におい
て、ノズル詰物にカーボンブラックを0.05〜5.0重量％配合
したことを特徴とするスライディングノズルの詰物。