JP2673128B2 - 多層ブロー成形品 - Google Patents

多層ブロー成形品

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多層ブロー成形品に関し、特にポリオレフ
イン層とポリオレフイン含有熱可塑性樹脂組成物の層と
からなる耐熱、塗装、大型ブロー成形性等の改善された
多層ブロー成形品に関する。
[従来の技術] 従来、ブロー成形品は、一般にポリオレフインやエン
ジニアリングプラスチックの単層又はポリオレフインと
エンジニアリングプラスチックとの層間に接着剤層(タ
イレジン)を介する多層からなるもの、例えば特開昭62
−138228号公報等がある。
しかし、ポリオレフインの単層ブロー成形品は、耐熱
性、塗装性等に問題があり、一方、エンジニアリングプ
ラスチックの成形品は、成形性、例えばドローダウン性
による大型ブロー成形やコスト高になる等の問題があっ
た。又、ポリオレフインとエンジニアリングプラスチッ
クとの多層ブロー成形では、層間に接着剤層が必要であ
り、又各樹脂層の線膨張係数の差が異なることによる成
形後の層間剥離、さらにはバリや成形不良品を一緒に再
生利用することができない。又、層構成の増加は、押出
機の増加となり、かつ多層ヘッド構造が複雑となりコス
トアップにつながる等の問題がある。
一方、ポリオレフインの物性改良のためのポリオレフ
インとエンジニアリングプラスチックとの組成物やポリ
オレフインとゴム成分とからなるポリオレフイン系熱可
塑性エラストマー組成物等のブロー成形品も考えられる
が、ポリオレフインとエンジニアリングプラスチックと
の組成物の単独では成形性、特に大型ブロー成形性が不
十分である。また、ポリオレフイン系熱可塑性エラスト
マー組成物では、大型ブロー成形品における剛性が不十
分である等の問題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上記のような課題を改善し、耐熱性、塗装
性、大型ブロー成形性、必要に応じて圧縮復元性、ソフ
ト感等を付与向上させたポリオレフイン多層ブロー成形
品を、接着剤層を用いない少ない層で形成し、かつ層間
接着が強固で、さらにはバリなどの再生利用や大型ブロ
ー成形を可能としたポリオレフインの多層ブロー成形品
の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)パリソンを所望の形状にブロー成形
した中空成形品で、該中空成形品の少くとも一層が結晶
性ポリオレフインであり、少くと他の一層が結晶性ポリ
オレフインとエンジニアリングプラスチックとこれらの
相溶化剤とを含む組成物またはポリオレフイン系熱可塑
性エラストマー組成物とからなり、層間の接着剤層を用
いることなく、隣接層が接着してなることを特徴とする
多層ブロー成形品、(2)上記多層ブロー成形品におい
て、前記他の一層とは異なる他の一層が、前記ブロー成
形品の製造におけるバリ及び/または成形不良品からな
る再生材層であることを特徴とする多層ブロー成形品、
及び(3)上記の(1)及び(2)の多層ブロー成形品
において、該結晶性ポリオレフイン層と前記各組成物層
との層間に、ポリオレフインまたは前記再生材からなる
発泡体層を有し、層間の接着剤層を用いることなく、隣
接層が接着してなることを特徴とする多層ブロー成形
品。
構成材料 本発明における結晶性ポリオレフインとしては、エチ
レンもしくはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1等のα−オレ
フインの単独重合体、エチレンとα−オレフインの共重
合体もしくはこれらα−オレフインの2種以上の共重合
体をあげることができる。上記ポリオレフインのうちで
は低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中・
高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エ
チレンランダムもしくはブロック共重合体等が望まし
い。これらのうちでは、高密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体が特に
好ましい。
本発明におけるエンジニアリングプラスチックとして
は、ポリアミド(PA、ホモ、コポリマー及びそれらの混
合物)、ポリエステル(PET、PBT及びその変性物)、ポ
リカーボネイト(PC)、変性ポリフエニレンオキシド
(変性PPO)、ポリフエニレンサルフアイド(PPS)、ポ
リアリレート、ABS樹脂等、又はこれらの混合物(例.PA
/PET、PBT.PC、変性PPO、PPS又はポリアリレート、PC/P
ET又はPBT)等があげられる。
ポリオレフインとエンジニアリングプラスチックとの
組成物の例としては、ポリオレフインと上記のエンジニ
アリングプラスチック及びこれらの相溶化剤との組成物
である。これらの組成物は、ポリオレフイン及び/又は
相溶化剤を少なくとも5重量%以上含有するものが望ま
しい。
相溶化剤の例としては、ポリオレフインに不飽和カル
ボン酸又はその誘導体をグラフトした変性ポリオレフイ
ン、低結晶性のエチレン−α−オレフイン共重合体(EP
R、EBR等)、エチレン−プロピレンジエン共重合体(EP
DM)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SB
R)、スチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)、
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重
体(SEB)、EPDMとスチレン及びアクリロニトリルのグ
ラフト共重合体(AES)、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、エポキシ基含有スチレン系重合体、オキサゾリ
ン環含有スチレン共重合体等のスチレン系共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、オキサゾリン
環変性ポリオレフイン、エポキシ基含有ポリオレフイン
等があげられる。
望ましい組成物の例としては、 (1) ポリオレフイン(ポリエチレン〜LDPE、LLDP
E、HDPE、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重
合体〜ランダム、ブロック等)/ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン61
0等)/不飽和カルボン酸又はその無水物で変性したポ
リオレフインとからなる組成物。
(2) 上記組成物/低結晶性エチレン−α−オレフイ
ン共重合体(EPR、EBR、EPDM等)又はその不飽和カルボ
ン酸変性物とからなる組成物。
(3) ポリオレフインとポリアミドの混合物の不飽和
カルボン酸もしくはその無水物での変性物/ポリアミド
/ポリオレフインとからなる組成物。
上記組成物の配合割合は、ポリオレフイン又は変性ポ
リオレフイン5〜95重量部、ポリアミド95〜5重量部
で、低結晶エチレン−α−オレフイン共重合体はポリオ
レフイン及びポリアミドの100重量部に対し5〜50重量
部が好ましい。
(4) ポリオレフイン/ポリカーボネイト(芳香族ポ
リカーボネイト等)/スチレン系共重合体(SBR、SEP、
SEB、AES、スチレン/無水マレイン酸等)さらにはEP
R、EPDM、オキサゾリン環変性ポリオレフイン、エポキ
シ基含有変性ポリオレフイン等。
(5) ポリオレフイン/ポリカーボネイト/不飽和カ
ルボン酸変性ポリオレフイン/スチレン系共重合体/ポ
リエステル(PBT、PET等)、 (6) ポリオレフイン/ポリカーボネイト/ケン化EV
A等があげられる。
上記組成物の配合割合は、ポリオレフイン5〜95重量
部、ポリカーボネイト95〜5重量部で、スチレン系共重
合体、変性ポリオレフイン、ポリエステル、ケン化EVA
等は、ポリオレフインとポリカーボネイト100重量部に
対して2〜100重量部が好ましい。
本発明における発泡体層は、前記のポリオレフイン、
望ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン
−エチレン共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−酢
酸ビニル共重合体またはこれらの混合物または前記の本
発明のブロー成形におけるバリ及び/または成形不良品
を裁断や粉砕した原料に、発泡剤を添加し溶融混合して
押出し発泡させた多層のパリソンをブロー成形したもの
である。なお、発泡剤としては、ポリオレフインまたは
再生材の融点以上の温度で分解または気化する化合物
で、多層ブロー成形を実質的に妨害しない限り、任意の
ものが使用できる。発泡剤の添加量は、ブロー成形品の
用途により適宜選択するが、一般には樹脂の100重量部
に対して0.5〜15重量部程度が好ましい。
上記の結晶性ポリオレフインとエンジニアリングプラ
スチックとの組成物及び結晶性ポリオレフインとからな
る多層ブロー成形品は、層間の接着剤が不要で、しかも
強固な層間接着強度を有する。また、大型ブロー成形性
を損うことなくポリオレフインの単独ブロー成形品に比
べて耐熱性を向上させるとともに塗装性を付与する。さ
らに、発泡体層を有するものは、圧縮復元性を付与する
ことができる。
本発明におけるポリオレフイン系熱可塑性エラストマ
ー組成物は、ポリオレフイン、オレフイン系ゴム及び/
またはその他の合成ゴム及び鉱油系軟化剤(プロセスオ
イル等)とからなる組成物である。これらの組成物は、
ポリオレフインを少なくとも5〜50重量%を含有するも
のが好ましい。また、これら組成物は、各成分の単純な
ブレンドタイプ、ゴム成分が部分架橋されたタイプまた
はゴム成分が完全に架橋したタイプのどれであってもよ
い。
オレフイン系ゴムの例としては、 エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン等のモノオレフインの内の二
種又は三種以上のモノオレフイン共重合体ゴム(代表的
にはエチレン−プロピレン共重合体ゴム)、並びに上記
モノオレフインの二種(エチレンとプロピレンが望まし
い)とジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シ
クロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデン
ノルボルネン等の非共役ジオレフインとの共重合体ゴム
が含まれる。その他、ポリイソブチレン、ブチルゴム、
塩素化又は臭素化ブチルゴムなども含まれる。
その他の合成ゴムの例としては、 スチレンとブタジエン、イソブレン等とのランダムも
しくはブロックの共重合体で、例えばスチレン−ブタジ
エンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体ゴム(SBS)、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体ゴム(SIS)、SBSを水添した
スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重
合体ゴム(SEBS)、SISの水添物などがあげられる。そ
の他、耐油性を向上させるニトリルゴム、クロロプレン
ゴム等があげかれる。
望ましい組成物の例としては、 (A)結晶性ポリオレフイン、好ましくはポリプロピ
レン又はプロピレン−エチレン共重合体10〜90重量部、
(B)オレフイン系共重合体ゴム、好ましくはエチレン
−プロピレンゴム又はエチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム90〜10重量部[但し、(A)+(B)=100
重量部]及び必要に応じて(C)鉱物油系軟化剤、好ま
しくはプロセスオイル(A)+(B)=100重量部に対
し10〜150重量部からなる熱可塑性エラストマーで、好
ましくは有機過酸化物等の架橋剤を添加して動的に熱処
理してゴム成分を部分架橋したもの、あるいは(A)結
晶性ポリオレフイン好ましくはポリプロピレン又はプロ
ピレン−エチレン共重合体10〜90重量部、(B)ハロゲ
ン化ブチルゴム、好ましくは塩素又は臭素化ブチルゴム
90〜10重量部[但し、(A)+(B)=100重量部]、
(C)オレフイン系共重合体ゴム、好ましくはエチレン
−プロピレン共重合体又はエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体ゴム(A)+(B)=100重量部に対し10〜1
20重量部及び必要に応じて(D)鉱物油系軟化剤、好ま
しくはポリセスオイル(A)+(B)=100重量部に対
し10〜150重量部とからなる熱可塑性エラストマーで、
好ましくは酸化亜鉛のような金属酸化物を架橋剤として
添加し、動的に熱処理してハロゲン化ブチルゴムのみを
部分架橋したもの等があげられる。
上記のポリオレフイン系熱可塑性エラストマー組成物
と結晶性ポリオレフインとからなる多層ブロー成形品
は、層間の接着剤が不要で、しかも強固な層間接着強度
を有する。また、ポリオレフインのブロー成形品に、塗
装性、圧縮復元性及びソフト感を付与する。さらに、発
泡体層を有するものは、圧縮復元及びソフト感をさらに
向上させる。また、ポリオレフイン系熱可塑性エラスト
マー組成物の単独ブロー成形品に比べて剛性を有するた
めに大型ブロー成形性を向上させることができる。
前記の各組成物には、強化剤として繊維状または粉体
状の無機充填剤、またはシラン系もしくはチタン系有機
化合物のカップリング剤を配合したものも含む。さら
に、通常配合される酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防
止剤、滑剤、造核剤、着色剤を配合したものも包む。
ブロー成形品の層構成 ブロー成形品の層構成は、ポリオレフイン層の少なく
とも片面に、前記の各組成物の層が隣接して接着して構
成される。さらに、これらの層構成にポリオレフインの
発泡体層やブロー成形時に発生するバリや成形不良品の
再生材(これらの発泡体でもよい)の層を加えることが
できる。この場合の発泡体層と再生材層とは、各層との
接着性に特に支障をきたさないため、どの層と隣接させ
てもよいが、通常は、ポリオレフイン層と前記各組成物
の層との中間層として用いるのが望ましい。又、ポリオ
レフイン層は、成形品の外層又は内層のどちらであって
もよい。
ブロー成形品の製造方法 本発明におけるブロー成形品の製造法は、従来公知の
成形装置を使用することができる。すなわち、ブロー成
形機にそれぞれ別個の押出機によって結晶性ポリオレフ
インと前記の各樹脂組成物、再生材または発泡体原料の
ポリオレフインもしくは再生材を溶融状態でブロー成形
機の同心円同一ダイスに注入して各層をダイ内で接合し
た状態で押出しパリソンを形成する。このパリソンを閉
じられた金型内でブロー成形する。
又、ブロー成形品の製造の際に生ずるバリの回収は、
ポリオレフイン中に少量混入してもよいが、前記再生材
層としてポルオレフインや各樹脂組成物の層と同様に溶
融押出して複層とすることができる。又、目的によりこ
れに発泡剤を混入し発泡体の層となるようにする。
なお、ポリオレフイン及び他の各層との厚みの比率
は、成形品の使用目的により適宜選択されるが、経済的
には剛性は小さいが比較的安価なポリオレフインの肉厚
を大きくすることが好ましい。通常は、ポリオレフイン
層を全体厚みの20〜80%、再生材層を10〜50%とするこ
とが好ましい。
実施例 使用材料 (1) ポリオレフイン(MFR0.5g/10分,230℃以下PP) (2) ポリエチレン(密度0.945g/cm3MI0.1g/10分,19
0℃以下HDPE) (3) 無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MFR1.0g/
10分,230℃,酸付加量0.4wt%以下CMPP) (4) 無水マレイン酸変性ポリエチレン (MI0.1g/10分,190℃,酸付加量0.4wt%以下CMPE) (5) ナイロン6(MFR1g/10分,235℃1000g(以下Ny
−6)) (6) エチレン−プロピレンゴム(エクソン化学
(株)製、ビスタロン707,以下EPR) (7) プロピレン−エチレンブロック共重合体(MFR1
5g/10分,230℃,エチレン含量5wt%,以下ブロックPP) (8) 塩素化ブチルゴム(エクソン化学(株)製クロ
ロブチル1066,以下IICl) (9) 発泡ポリプロピレン(発泡倍率30倍,以下発泡
PP) (10)ポリエチレン−ナイロン6組成物(HDPE:30wt%/
CMPE:10wt%/Ny6:60wt%,以下組成物(I)) (11)ポリプロピレン−ナイロン6組成物(PP:30wt%/
CMPP:10wt%/Ny−6:60wt%,以下組成物(II) (12)熱可塑性エラストマー組成物(ブロックPP:30wt
%/IICl:30wt%/EPR:40wt%,部分架橋物、以下組成物
(III) なお、ブロー成形品の物性評価は、次の試験方法によ
り行った。
(1) 塗装性:JISK1522の1級溶剤により洗浄した試
験片にアクリルラッカー塗料を塗布し、ごばん目テスト
を実施した。塗料の剥れが0/100のものを○,それ以外
のものを×とした。
(2) 耐熱性:JIS K7207,荷重18.6kg/cm2で70℃以上
を○,70℃未満を×とした。
(3) 成形性:JIS1ボトル(成形性1)長さ1.4m成
形品(成形性2)を成形し、良好な製品が得られたもの
を○,破損又はドローダウンで成形できないものを×と
した。
(4) 接着強度:成形品を15mm幅に切断し、一端から
接着層を剥し、5cm/分の速度で90゜剥離試験を行った。
(5) ソフト感:ソフトな手触りであるものを○,ソ
フトな手触りでないものを×とした。
(6) 剛性:肉厚1.2mmのボトルの座屈試験を圧縮速
度10mm/minで行い、座屈強度25kg以上のものを○,25kg
未満のものを×とした。
実施例1〜7,比較例1〜7. 前記の各材料[HDPE,PP,発泡PP,Ny−6及び組成物
(I)(II)]及びこれら材料を用いたブロー成形にお
けるバリまたは成形不良品からなる再生材を用い、小型
多層ブロー成形機(Bekum社製,3種5層)にて3種3層
ダイを使用して肉厚1.2mmの1ボトルを成形し、その
評価を評−1に示した。
まお、比較のために本発明の層構成でない各層または
層間接着剤を用いた複層についても同様にして1ボト
ルを成形し、その評価を表−1に併記した。
実施例8〜12,比較例8〜10 前記の熱可塑性エラストマー組成物[組成物(II
I)]を用い、大型中空成形機[石川島播磨重工業社
製、IPB200C]にて、長さ1.4m、幅0.1m、高さ0.05mのバ
ンパーを成形し、その評価を表−2に示した。
なお、比較のために組成物(III)を単独で用いた場
合についても同様にしてバンパーを成形し、その評価を
表−2に併記した。
[発明の効果] 本発明におけるブロー成形品は、層間に接着剤層(タ
イレジン)を用いることなく、ポリオレフインのブロー
成形品に塗装性、耐熱性あるいは必要に応じて圧縮復元
性、ソフト感を付与することができ、しかも隣接する層
間は十分な接着強度を有する。又、その製造において
は、耐ドローダウン性等の大型ブロー成形性が良好であ
り、又接着層が不要であるため、従来のブロー成形機に
比べてダイスを減少させることができるためにブロー成
形機を単純化できる。さらには、ブロー成形の際に発生
するバリや成形不良品の再生使用を可能とするため、合
わせて生産性を向上させ製造コストを低減させることが
できる。
上記のような優れた特性により、各種用途の成形品に
応用することができる。例えば、自動車のバンパー,ス
ポイラー,外板,内装材,天井材等の自動車用部品,家
電気用外板,断熱材,遮音材等の各種用途に好適であ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パリソンを所望の形状にブロー成形した中
    空成形品で、該中空成形品の少くとも一層が結晶性ポリ
    オレフインであり、少くとも他の一層が結晶性ポリオレ
    フインとエンジニアリングプラスチックとこれらの相溶
    化剤とを含む組成物またはポリオレフイン系熱可塑性エ
    ラストマー組成物とからなり、層間の接着剤層を用いる
    ことなく、隣接層が接着してなることを特徴とする多層
    ブロー成形品。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多層ブロー成形品におい
    て、前記他の一層とは異なる他の一層が、前記多層ブロ
    ー成形品の製造におけるバリ及び/または成形不良品か
    らなる再生材層で、層間の接着剤層を用いることなく、
    隣接層が接着してなることを特徴とする多層ブロー成形
    品。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の多層ブロー成形
    品において、前記結晶性ポリオレフイン層と前記各組成
    物層との層間に、ポリオレフインまたは前記再生材から
    なる発泡体層を有し、層間の接着剤層を用いることな
    く、隣接層が接着してなることを特徴とする多層ブロー
    成形品。
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