JP2672492B2 - 光電スイッチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は投受光部に設けられるレンズ構造に特徴を有
する拡散反射型の光電スイッチに関するものである。 〔発明の概要〕 本発明による光電スイッチは、投受光部に用いられる
レンズをレンズ面の位置に応じて相異なる離芯率と曲率
半径を持った複数の部分レンズから成るレンズとして形
成し、光を照射及び受光する範囲を拡大することによっ
て至近距離から長距離までの物体を検出することができ
るようにした拡散反射型の光電スイッチである。 〔従来技術とその問題点〕 従来の拡散反射型光電スイッチは、第４図に示すよう
に発光ダイオード等の投光素子１やフォトトランジスタ
等の受光素子２を夫々レンズ3,4の焦点位置近傍に配置
し、投光部５からの光が物体に照射されて受光部６に与
えられたときに物体を検出している。このような従来の
拡散反射型光電スイッチでは、投受光部のレンズ3,4に
は球面又は非球面レンズが用いられ、光電スイッチの物
体検知領域は第５図に示すように投光部５から照射され
る光の範囲と受光部６の受光範囲とが重なった領域に設
定されていた。そして光電スイッチに近い領域を検知領
域とする場合には、第６図（ａ）に示すように投光素子
１と受光素子２が光軸より外側に配置されるように投受
光部5,6を構成し、又光電スイッチより遠く離れた領域
を検知領域とする場合には、第６図（ｂ）に示すように
投受光素子1,2を光軸にほぼ等しい位置することによっ
て長距離の物体を検知するようにしている。又至近距離
を検知領域とするために第６図（ｃ）に示すように投光
素子１と受光素子２を光軸より大幅にずらさせて構成し
たものもある。 しかしながら従来の光電スイッチでは１つの光電スイ
ッチで至近距離から長距離までを同時に検知することが
できないという問題点があった。又従来の光電スイッチ
は球面又は非球面レンズを用いているためレンズが厚
く、その焦点距離近傍に投受光素子を配置するため光電
スイッチ自体を小型化することが困難であった。 〔発明の目的〕 本発明はこのような従来の拡散反射型の光電スイッチ
の問題点に鑑みてなされたものであって、至近距離から
遠距離までの領域を検知領域とすることができる光電ス
イッチを提供することを目的とする。 〔発明の構成と効果〕 本発明は光を検知領域に照射し物体からの反射光によ
って物体を検知する拡散反射型の光電スイッチであっ
て、レンズ面の位置に応じて夫々異なる離芯率と曲率半
径を有する複数の部分レンズから成る第１のレンズと、
該第１のレンズの背面の該第１のレンズから偏芯した位
置に配置された投光素子とを有する投光部と、レンズ面
の位置に応じて夫々異なる離芯率と曲率半径を有する複
数の部分レンズから成る第２のレンズと、該第２のレン
ズの背面の該第２のレンズから偏芯した位置に配置され
た受光素子とを有する受光部とを備え、第１のレンズ
は、第２のレンズと反対側にある第１の端部で光束を光
電スイッチの光軸に実質的に平行もしくは外方へ拡大す
るように、又、第２のレンズ側にある第２の端部では光
束を第２のレンズ側に広げるように、第１のレンズの各
部分レンズにより夫々異なる領域に光を照射し、第２の
レンズは、各部分レンズが夫々異なった受光領域を有
し、該受光領域は投光部の照射領域と重なり、第１のレ
ンズの第２の端部の隣接する第１の端部では第１のレン
ズ側に広がり、第１のレンズと反対側にある第２の端部
では光電スイッチの光軸に実質的に平行もしくは外方へ
拡大した広範囲の領域の光を集光することを特徴とする
ものである。 このような特徴を有する本発明によれば、レンズ面の
位置によって異なる離芯率と曲率半径を有する複数の部
分レンズを用いたレンズによって光電スイッチの投受光
部を構成している。そして夫々のレンズの各部分レンズ
の照射領域及び受光領域を異ならせるようにしているた
め、任意の領域に光を照射し又は任意の領域より光を受
光する投受光部が構成される。従って至近距離から遠距
離までを検知領域とすることができる。更にレンズの厚
みが従来のレンズに比べて大幅に減少するため、光学系
を小型化し光電スイッチ自体も小型化することができ
る。又レンズの厚みが均一化しその整形も容易となるた
め価格を低減させることができる。 〔実施例の説明〕 第１図は本発明による光電スイッチの一実施例を示す
一部切欠断面図である。本実施例の拡散反射型光電スイ
ッチは投光部10及び受光部11の前面には曲率が異なる部
分を有するフレネル型のレンズ12,13が設けられる。本
実施例によるフレネルレンズ12,13は同一のものである
のでフレネルエレンズ12について以下に説明する。フレ
ネルレンズ12は第２図（ａ），（ｂ）に示すようにレン
ズの軸に応じて複数の非球面レンズを分割して部分レン
ズから形成したものである。即ちレンズ12の第１の端部
である上部より第２の端部である下部まで複数の部分レ
ンズ12a〜12fを有するレンズによってフレネルレンズを
構成している。 ここで本発明のフレネルレンズ12は各部分レンズ12a
〜12fが夫々異なる曲率半径と離芯率を有するレンズと
する。そしてそのレンズから偏芯した位置に発光ダイオ
ード等の投光素子１を配置したときに夫々の部分レンズ
12a〜12fより重ならず順次異なった領域に光が照射され
るように部分レンズを設定する。例えば第３図に示すよ
うに部分レンズ12aよりほぼ平行な光ビームを前方に照
射し、部分レンズ12bより12aの光ビームと交叉しないよ
うに下方にやや広がりを有する光ビームとし、部分レン
ズ12c〜12fについても同様に夫々光ビームが重ならずに
順次下方に照射角度を広がるようにフレネルレンズ12の
各部分レンズを構成する。受光部11を構成するフレネル
レンズ13についても同様の部分レンズを有するフレネル
レンズを用いてそのレンズから偏芯した位置に受光素子
２を配置するものとする。 こうして構成されたフレネルレンズを用いて投受光部
10,11を構成すれば第３図に示すように投光部10のフレ
ネルレンズ12より夫々異なった領域に光が照射される。
又受光部11もフレネルレンズ13の夫々の部分レンズ13a
〜13fより異なった受光領域の光を焦点位置に配置され
た受光素子２に集光する。従ってこれらの交叉領域が検
知領域となり光電スイッチの至近距離から遠方までの領
域を検知領域とすることができる。ここで投光部10の投
光素子１の光強度を大きくし、又受光素子２の出力を高
増幅率で増幅することによって遠方の検知領域を拡大す
ることが可能となる。 尚本実施例ではフレネルレンズ12,13の最外部にある
部分レンズ12a,13aの光ビームを光電スイッチの水平の
光軸とほぼ平行なものとしているが、これらを外部に拡
大することによって更に広い範囲の領域を検知する近接
スイッチを構成することが可能である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明による光電スイッチの一実施例を示す一
部切欠断面図、第２図（ａ）は本実施例の光電スイッチ
に用いる多段フレネルレンズの一実施例を示す断面図、
第２図（ｂ）はその正面図、第３図は本実施例によるフ
レネルレンズを用いた投受光部の光の照射，受光領域を
示す図、第４図は従来の光電スイッチの一部切欠断面
図、第５図は照射，受光領域と検知領域を示す図であ
り、第６図（ａ）〜第６図（ｃ）は従来の光電スイッチ
の投受光素子の位置に対する検知領域の変化を示す図で
ある。 １……投光素子、２……受光素子、5,10……投光部、6,
11……受光部、12,13……フレネルレンズ、12a〜12f,13
a〜13f……部分レンズ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−75049（ＪＰ，Ａ) 実開 昭60−133546（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−63510（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．光を検知領域に照射し物体からの反射光によって物
   体を検知する拡散反射型の光電スイッチにおいて、 レンズ面の位置に応じて夫々異なる離芯率と曲率半径を
   有する複数の部分レンズから成る第１のレンズと、該第
   １のレンズの背面の該第１のレンズから偏芯した位置に
   配置された投光素子とを有する投光部と、 レンズ面の位置に応じて夫々異なる離芯率と曲率半径を
   有する複数の部分レンズから成る第２のレンズと、該第
   ２のレンズの背面の該第２のレンズから偏芯した位置に
   配置された受光素子とを有する受光部とを備え、 前記第１のレンズは、前記第２のレンズと反対側にある
   第１の端部では光束を光電スイッチの光軸に実質的に平
   行もしくは外方へ拡大するように、又、前記第２のレン
   ズ側にある第２の端部では光束を第２のレンズ側に広げ
   るように、前記第１のレンズの各部分レンズにより夫々
   異なる領域に光を照射し、 前記第２のレンズは、各部分レンズが夫々異なった受光
   領域を有し、該受光領域は前記投光部の照射領域と重な
   り、前記第１のレンズの前記第２の端部に隣接する第１
   の端部では前記第１のレンズ側に広がり、前記第１のレ
   ンズと反対側にある第２の端部では光電スイッチの光軸
   に実質的に平行もしくは外方へ拡大した広範囲の領域の
   光を集光することを特徴とする光電スイッチ。