JP2672194B2 - 金型の製造方法 - Google Patents

金型の製造方法

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JP2672194B2
JP2672194B2 JP3057035A JP5703591A JP2672194B2 JP 2672194 B2 JP2672194 B2 JP 2672194B2 JP 3057035 A JP3057035 A JP 3057035A JP 5703591 A JP5703591 A JP 5703591A JP 2672194 B2 JP2672194 B2 JP 2672194B2
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寿澄 小笠原
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプレス加工のように、均
等な板厚を有する製品を成形する雄型と雌型とから成る
金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金型は、NC加工、倣い加工あるいは放
電加工によって製作される。その金型の雄型、雌型はそ
れぞれ別々のNCプログラム、倣いモデルあるいは放電
加工電極を用いて加工される。その後加工された雄型、
雌型に形状修正作業やみがき作業を施して完成させるの
が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、金型の加
工用のNCプログラム、倣いモデルあるいは放電加工電
極の製作は大変に手数を要する作業であり、非効率的で
ある。また、加工後の形状修正作業や表面みがき作業に
関しては、凸形状の雄型の場合は熟練を要し、時間もか
かり、比較的容易であるが、凹形状の雌型の場合は困難
を極める作業である。しかも雄型と雌型との間隙寸法を
均等に仕上げるのは限界がある。従って、必然的に金型
コストが高いと共に製造時間が長く、高精度が得られな
いという問題点がある。
【0004】一方、特公昭47-240号公報には、電気加工
用電極の製作方法が開示されている。この技術の目的
は、放電加工による加工電極の消耗に対応すべく、加工
電極を複数個、同形、同寸法に、容易に、精度よく製作
する方法を提供するものである。構成は、所望の形状に
相似した雄型ダイを用意し、衝撃圧力成形法によって金
属板を前記ダイに成形添着し、金属板をダイに着脱自在
に固定した状態で放電加工に供するものである。この構
成で放電加工を行い、金属板が所定量以上消耗したらそ
の消耗した金属板を取りはずし、新しい金属板を再度衝
撃圧力成形法によって添着し、放電加工を続行する。こ
うして全く同形の加工電極を複数個、容易にしかも再現
性よく製作でき、また金属板が薄い所から電極材料費の
節約にもなるという効果を得たものである。このように
特公昭47-240号公報には電気加工用電極の製作方法は開
示されているが、雄雌一対で使用する金型の雌型を製造
する方法までは開示されておらず、依然として開発が待
たれていた。
【0005】依って本発明は、このような問題点を解決
すべくなされたものであり、その目的は、精度の高い金
型を迅速に製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的に鑑みて、本
発明は、雄型、雌型によるプレス成形によって所望の面
形状の加工が行われる、均等な板厚を有した製品のプレ
ス成形用の金型の製造方法であって、前記製品の雄型に
よって加工される所望の面形状に対応した形状が前記雌
型との対向型面に形成されている雄型を予め製作し、前
記製品の板厚寸法から放電加工間隙寸法を差し引いた厚
さ寸法を有する金属板によって前記予め製作した雄型の
前記雌型との対向型面を覆い、前記金属板で覆われた雄
型を放電加工電極として前記雌型との間で放電加工を行
い、前記雌型の前記雄型との対向型面に前記製品の雌型
によって加工される所望の面形状に対応した形状を形成
することにより、前記雌型を製作する金型の製造方法を
提供するものである。
【0007】
【作用】比較的製作の容易な雄型を予め製作しておき、
該雄型と、該雄型を使って加工しようとする雌型とによ
って成形しようとする製品の板厚寸法から放電加工間隙
寸法を差し引いた厚さを有する金属板によって前記雄型
の外形寸法を調整して放電加工電極として用いれば、雄
型との間隙寸法が均等な所望寸法形状の雌型が放電加工
によって形成される。
【0008】
【実施例】以下本発明を添付図面に示す実施例に基づい
て更に詳細に説明する。本発明によって製造しようとす
る金型は、図4に示す様に一定の板厚Tを有する製品W
を成形するための1対の雄型Pと雌型Dとである。ここ
ではプレス金型の例を示したが、射出成形金型等他の金
型でもよい。よって成形製品Wは板金製品である場合の
他、射出成形による樹脂製品の場合もある。
【0009】まず製作の比較的容易な雄型Pを自動プロ
グラミングシステムやNC加工機を用いて加工し、更に
みがき加工を行って製作する。次に、上述した製品Wの
板厚寸法Tから図1に示す放電加工時の放電加工間隙寸
法gを差し引いた寸法tの板厚を有する銅板Cを雄型P
の表面に被覆させる。例えば、T=1mmの製品Wを最終
的に得る場合、g=0.1mmとなるような加工条件を設定
するとして、求める銅板Cの板厚tは、1−0.1=0.9
mmとなる。この被覆方法の1つとして前述の特公昭47-2
40号公報に衝撃圧力成形法が開示されており、また、高
圧の油圧を利用して成形するフォーミングプレス方法等
を用いることができる。後者は雄型Pの表面に成形材で
ある銅板Cをのせて高圧筒内にセットし、上部からダイ
ヤフラムを介して油圧を作用させ、ダイヤフラムを雄型
Pの表面形状に沿ったように変形させ、もって銅板Cを
雄型Pに密着成形する方法である。銅板Cを雄型Pに被
覆する前の状態を図2に示しており、被覆後の状態を図
3に示す。
【0010】こうして銅板Cの被覆された雄型Pを使用
して雌型Dを製造する。その状態を図1に示す。即ち、
雌型Dを製造するワーク素材D′と上記銅板Cの被覆さ
れた雄型Pとを対向させ、該雄型Pの側を放電加工電極
として用いる。この放電加工によれば雄型Pと該雄型P
を用いて製造された雌型Dとの隙間寸法は、銅板の板厚
寸法tと放電加工間隙寸法gとの和となり、これは前述
した成形製品Wの板厚寸法Tである。従って、雄型Pの
みは従来通りのNC加工等によって製作するが、これに
対応する雌型は放電加工という比較的容易であって、し
かも精度の高い加工方法により製造される。更には、困
難な形状修正作業やみがき作業が不要となる。もちろん
ワーク素材D′には、予め切削加工により荒取り加工を
施しておき、仕上げ加工のみを上記放電加工で行う方法
もある。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に本発明によ
れば、雌型を加工するためのNCプログラム、倣いモデ
ル、あるいは放電加工電極をわざわざ作らずに、一対で
用いる雄型そのものを利用して雌型が製造できるのであ
る。しかも雄型と雌型との間隙が均等な精度の高い金型
を迅速に製造することができる。よってこの金型を用い
た成形加工製品の形状寸法精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金型の製造方法の原理を示す断面
図である。
【図2】本発明に係る加工用電極を形成する前の雄型と
銅板を示す断面図である。
【図3】本発明に係る加工用電極のみを示す断面図であ
る。
【図4】本発明によって製造された1対の金型の使用状
態を示す断面図である。
【符号の説明】
C…銅板 D…雌型 P…雄型 T…成形製品の板厚寸法 W…成形製品 g…放電加工間隙寸法 t…銅板の厚さ寸法

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄型、雌型によるプレス成形によって所
    望の面形状の加工が行われる、均等な板厚を有した製品
    のプレス成形用の金型の製造方法であって、 前記製品
    の雄型によって加工される所望の面形状に対応した形状
    が前記雌型との対向型面に形成されている雄型を予め製
    作し、 前記製品の板厚寸法から放電加工間隙寸法を差し引いた
    厚さ寸法を有する金属板によって前記予め製作した雄型
    の前記雌型との対向型面を覆い、 前記金属板で覆われた雄型を放電加工電極として前記雌
    型との間で放電加工を行い、前記雌型の前記雄型との対
    向型面に前記製品の雌型によって加工される所望の面形
    状に対応した形状を形成することにより、前記雌型を製
    作することを特徴とした金型の製造方法。
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