JP2672187B2 - 写真フイルムパトローネ及び遮光用テレンプ - Google Patents

写真フイルムパトローネ及び遮光用テレンプ

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JP2672187B2 JP2277118A JP27711890A JP2672187B2 JP 2672187 B2 JP2672187 B2 JP 2672187B2 JP 2277118 A JP2277118 A JP 2277118A JP 27711890 A JP27711890 A JP 27711890A JP 2672187 B2 JP2672187 B2 JP 2672187B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真フイルムを収納するパトローネに関
し、特に当該パトローネのテレンプの構造に関するもの
である。
〔従来の技術〕
写真フイルムパトローネは、ロールフイルムをスプー
ルに巻付け、これをパトローネ本体内に収納したもので
あり、フイルム排出口部分(ポート部)には、内部のフ
イルムを感光させないようにテレンプと称される遮光用
の布が設けられている。
このようなテレンプとしては、実公昭37−21388号公
報に記載されているように、織物構造の地布にパイル糸
を織り込んで形成されたものや、実公昭61−34526号公
報に開示されているように、編み物構造の地布にパイル
糸を織り込んで形成されたものや、実公昭37−4453号,
特開昭53−105222号,特開昭57−190947号各公報に開示
されているように、パトローネ出口部にパイル糸を植え
込んで成形されたものや、実開昭51−127737号公報のよ
うに不織シートで形成されたもの等種々の形態のものが
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記遮光用テレンプはポート部でフイ
ルムを押さえ込むように貼られ、またパイル糸を用いた
テレンプにおいては、当該パイル糸の向きが染色,ブラ
ッシング等の工程で乱れ、時にはフイルム給送方向の逆
の方向に倒れることがある。このため、当該テレンプが
フイルム給送の際に大きな抵抗となり、フイルムをスム
ーズに送り出せないという問題点があった。更に、これ
によってフイルム表面に傷が付いてしまうという不都合
も生じた。
また、例えば米国特許4832275号,同4834306号,同48
48693号,同4846418号の如く近年開発途上にあり、スプ
ールの回転によって写真フイルムを送り出す形式のパト
ローネにおいては、フイルムを先端まで全てパトローネ
内に収納しているため、上記のようにフイルム給送に対
する抵抗が大きいと、パトローネ内部でフイルムが折れ
曲がってフイルムが排出されないという問題もあった。
〔発明の目的〕
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、収納
されたフイルムをスムーズに引き出せる写真フイルムパ
トローネ及び遮光用テレンプを提供することを目的とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、パトローネの少
なくとも1つのテレンプのパイル糸を、その先端がパト
ローネからフイルムを出すときの給送方向を向くように
パイル糸の傾斜方向を合わせたものである。このため、
テレンプを経編物構造にするとともに、パイル糸を地布
の鎖糸に対して同一方向から入,出させ、地布に対する
パイル糸の編み込み方によてパイル糸を所定の方向に傾
斜させるとともに、前述のとおり、このパイル糸の先端
がフイルム送り出し方向を向くようにパイル糸の傾斜を
合わせて当該テレンプを配置している。織物構造におい
ては、パイル糸の根元部分の略垂直部の長さを0.5mm以
下とし、パイル糸が根元部分から地布に対して一定方向
に傾斜するようにしている。また、遮光用テレンプをパ
イル糸が全ての緯糸に掛けられるとともに、全ての経糸
に接触した織物構造とし、緯糸の打ち込み密度を1イン
チあたり50回以上100回以下,または経糸の本数が1イ
ンチあたり50本以上100本以下とした遮光材料から形成
している。
〔作用〕
本発明は以上のように構成しているため、フイルムを
パトローネ本体から引き出すと、テレンプのパイル糸は
フイルム給送方向にそのまま屈曲するため、テレンプと
フイルムの摩擦によって生じる抵抗が非常に小さくな
る。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ詳細に
説明する。
〔実施例〕
第2図には、本発明の実施例に係わる写真フイルムパ
トローネ10の構成が示されている。このパトローネ10
は、35mmのフイルム11をロール状にして収納したもので
あり、ポート部12の内側には遮光用のテレンプ14が貼ら
れている。
第1図には、本発明の第1の実施例に係るテレンプ14
の構成が示されている。以下、当該テレンプ14の構成に
ついて製造工程に沿って説明する。
テレンプ14の基礎となるパイル織物は、経緯二重組織
を用いて上下二枚のパイル織物を同時につくる方法によ
り、75デニールのレーヨンからなる経糸16と150デニー
ルのレーヨンからなる緯糸18で地布を形成し、これに75
デニールのナイロンからなるパイル糸20が織り込まれて
いる。
次に、上下2枚のパイル織物に共用されているパイル
糸のセンター部をカットして毛羽状のパイル糸24を形成
する。そして、当該テレンプ14を黒色に染色してベルベ
ット織物とする。
なお、パイル糸及び地布の素材としては、各種ナイロ
ン等のポリアミド系,ポリアクリロニトリル系,ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル系,ビニロン
系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系,ポリエ
チレンポリプロピレン等のポリオレフィン系,ポリエチ
レンポリカーボネート繊維のような合成繊維や、レーヨ
ン,キュプラ,アセテート,木綿,絹,羊毛等の天然,
または再生繊維などが用いられる。
この様に形成されたテレンプ14は、一般にはパイル20
をブラッシングして長手方向に起毛させるが、本実施例
においては長手方向に起毛させると同時に幅方向に傾斜
をもたせるようなブラッシングを行う。すなわち、テン
ター型乾燥機によって乾燥させながらワイヤーブラシロ
ール(密度200本/cm2)でテレンプ14を搬送方向に対し
て45゜の角度でブラッシングする。このように高温でブ
ラッシングを行うと、パイル糸20はナイロン(熱可塑性
繊維)で形成されているため、ブラッシング工程後にも
パイル糸20の傾斜が維持される。
そして、この様に形成されたテレンプ14を幅11.5mm
(上面用)と9.5mm(下面用)に裁断した後、パイル糸2
0の傾斜がポート部12の出口方向に向くようにパトロー
ネ10内に貼り付ける。なお、テレンプ14の貼り付け方法
は、一般には図のように接着剤21によって行われるが、
これは、テレンプ14に目止め剤を塗布した後、さらにホ
ットメルト接着剤を塗布し、当該テレンプ14を貼り付け
箇所に置いて熱,超音波あるいは高周波によって溶融再
活性させて接着する方法である。この場合、目止め剤と
接着剤を兼ねる目止め接着剤を用いることもできる。さ
らに、両面接着テープを用いたり、パトローネ10が樹脂
製の場合にはスポットを溶着で貼り付けても良い。
次に、第3図〜第11図に示された本発明の他の実施例
について説明する。
第3図には、本発明の第2の実施例に係る編構造テレ
ンプの編み込み状態、第4図には第3図のA−A方向の
断面の様子がそれぞれ示されている。このテレンプは、
上記第1の実施例と同様にダブルラッシェル編機によっ
て形成される編物構造のテレンプであるが、パイル糸24
を鎖糸22に対して編みたての幅方向の同一軸から入,出
するように編み込まれている。これによって、パイル糸
24が一定方向に立毛するようになっている。そして、編
み工程後は上記第2の実施例と同様な工程を経て加工
し、パイル糸26の傾斜がポート部12の出口方向に向くよ
うに編み立て方向に平行に裁断し、当該テレンプをパト
ローネ10内に貼り付ける。
第5図には、本発明の第3の実施例に係るテレンプの
編み構造が示されている。このテレンプの基礎となるパ
イル編み物は、22ゲージのダブルラッシェル編機によっ
て、上下2枚のパイル編み物を同時に形成したものであ
る。
すなわち、経糸である鎖糸22および緯糸である挿入糸
23として30デニールのポリエステル、パイル糸24として
50デニールのポリエステルをそれぞれ用い、パイル糸26
は、接着面側の鎖糸22aと平行して編み込まれ、鎖糸の
ニードルループ側27では、鎖糸とともにループを形成
し、鎖糸のシンカーループ側28では、地布から立ち上が
る様に編み込まれる。これによって、パイル糸24は編み
始め方向から編み終わり方向に傾斜をもって立ち上がる
ようになっている。なお、本来挿入糸23は4本使用され
るが、第3図においては説明の便宜上1本のみ示してい
る。
そして、2枚対向して編み立てられたパイル編み物の
パイル糸のセンター部をカットして毛羽状のパイル糸24
を形成した後、上記第1の実施例と同様に黒色に染色
し、テンター型乾燥機によって乾燥し、最後にワイヤー
ブラシにて起毛してテレンプを作り上げる。
その後、パイル糸24の傾斜がポート部12の出口方向に
向くように当該テレンプを編み立て方向に直角に裁断
し、パトローネ10内に貼り付ける。
第6図は本発明の第4実施例を示すものであり、パト
ローネ本体31の内壁には周方向に沿って、一対のリブ3
2,33が一体に形成されている。これらのリブ32,33は、
フイルム34の外周面に当接して巻きほぐれを防止してい
る。このリブ32,33にはフイルム34の先端と当接して、
これをフイルム34の外周面から剥離する先端分離爪35,3
6が形成されている。このように構成された写真フイル
ムパトローネ37では、スプール38が時計方向に回転され
ると、フイルム34の先端は即応して時計方向に回動され
る。そして、フイルム34の先端は先端分離爪35,36で、
外周面から剥離され、ポート部39からパトローネ本体31
外に給送される。
第7図は本発明の第5実施例を示すものであり、この
写真フイルムパトローネ40多び蓋41の内壁には、一対の
突起42,43が対向するように形成されている。この突起4
2,43はスプール44のフランジ45,46にそれぞれ当接し
て、これらを内側に押し曲げている。この押し曲げられ
たフランジ45,46は、フイルム34の両端を挟持して、フ
イルム34の先端がフイルム34の外周面から剥がれないよ
うしている。このため、フイルム34はスプール44から巻
きほぐれなくなり、スプール44を回転して、フイルム34
の初期送りを行うことができる。
第8図は本発明の第6実施例を示すものであり、この
写真フイルムパトローネ50の内壁には図示のように周方
向に沿って、一対の溝51,52が形成されている。この一
対の溝51,52には、リング53,54が嵌合されている。これ
らのリング53,54はフイルム34の外周面に当接して、巻
きほぐれないように、これを押圧している。そして、ス
プール55が回転され、フイルム34の先端が図中上方に回
動されると、フイルム34の先端はリング53,54の押圧か
ら解除されて、先端分離爪35,36により、フイルム34の
外周面から剥離され、ポート部方向に送り出される。
第9図は本発明の第7実施例を示すものであり、この
写真フイルムパトローネ60では、フランジ61,62の外周
に沿って、内側に突出する爪63,64を設けている。これ
らの爪63,64はフイルム34の外周面に当接して、これが
巻きほぐれないように規制している。これらの爪63,64
は前記先端分離爪35,36の側面に当接して、図示のよう
に外側に押し曲げられる。このため、フイルム34の先端
が回動され、先端分離爪35,36に当接すると、その先端
は爪63,64の規制から解除され、かつフイルム34の外周
面から剥離されて、ポート部方向に送り出される。
第10図及び第11図は本発明の第8実施例を示すもので
あり、この写真フイルムパトローネ65のスプール66は2
個のスプール片67,68からなる。このスプール片67の円
筒形の軸69にはスプール片68の軸70がスライド自在に挿
入されている。軸69には外周面に突条69aが形成されて
おり、この突条69aは蓋71に形成された溝に嵌合されて
いる。
軸70の先端は第10図に示すように軸69に形成された斜
面72の先端と係合しており、スプール片67,68は全体と
して、軸方向に伸びた状態に保たれている。また、スプ
ール片67,68には外周が内側に少し凹んだフランジ73,74
がそれぞれ設けられている。また、パトローネ本体75の
内壁には周方向に沿って、リブ76,77が形成されてい
る。このリブ76,77はスプール片67に巻かれたフイルム3
4の外周面に当接して、これが巻きほぐれないようにし
ている。
このため、スプール片67が回転されると、フイルム34
の先端は第5実施例同様にパトローネ本体75外に送り出
される。そして、スプール片67が回転されると、スプー
ル片68が図示しないカム溝により、図中左方向にスライ
ドして、軸70の先端は第11図に示すように軸69の斜面72
全体と係合する。この後、スプール66は全体として縮ん
だ状態となり、フイルム34の両端を挟持する。このた
め、パトローネ本体75外にフイルム34が送り出された後
に、フイルム34の外周面がリブ76,77に当接しなくて
も、図示のように巻きほぐれることがなくなる。
次に、以上説明した各実施例のフイルム引出し力を従
来のものと比較する。なお、基準とするテレンプは第1
の実施例と同様な方法で織り、パイル糸をほぼ垂直に起
毛させたものが使用される。また、比較試験はJIS135型
写真フイルムパトローネを用に、予めフイルムを巻き締
めた後、巻き戻らないようにスプール軸をテープで固定
して50℃で一夜放置し、これを室温に戻した後にテープ
を取り外して当該フイルムをインストロン引張試験機で
引出し力を測定した。
その結果、基準例のテレンプを用いた場合の引出し力
は180gであるのに対し、第1実施例が120g,第2実施例
が85g,第3実施例が80gとなった。この結果から明らか
なように、上記各実施例においては、パイル糸(20,24,
26)がパトローネ10の排出口方向に傾斜しているため、
従来に比べて引出し力が著しく減少する。
次に、本発明の別の実施例に係る写真フイルムパトロ
ーネ88の構成を第12図,第13図に示す。写真フイルムパ
トローネ78は、パトローネ本体79の内周に巻き緩み防止
用の幅0.5mm,高さ0.6mmのリブ80,81を設け、スプール回
転によってフイルム82の先端部82aをポート部83から送
り出すとともに、フイルム先端部82aに例えば2つの係
止穴84,85を設け、パトローネ本体79内にフイルム82を
引き込む際に、テレンプ87に係止穴84,85が引っ掛かる
ようにしてフイルム先端部82aをポート部83で係止する
ようにしたものである。なお、符号89はフイルム先端部
82aをテレンプ87に押し付けてテレンプ87と係止穴84,85
との係合を補助する押圧遮光部材である。
このテレンプ87の材料となるパイル織物90を示す第14
図において、パイル糸91の根元で略垂直な部分は押圧に
より傾斜を付与できない部分であり、その長さhは、第
15図,第16図に示すように、フイルム先端部82aをポー
ト部83から送り出す際の給送トルク,フイルム82を引き
込む際にポート部83でフイルム先端部82aを係止させる
係止力に各々大きく影響することが判る。
即ち、第15図からは長さhが短くなる程小さい給送ト
ルクでフイルム先端部82aを送り出すことができるよう
になることが判り、第16図からは長さhが短くなる程フ
イルム先端部82aを確実にポート部83で係止できるよう
になることが判る。また、この長さhは、第17図に示す
ように、地布の糸間隔によって変化し、糸間隔が0.51mm
を超える(緯糸の打ち込み密度が1インチあたり50回以
下になる)と、遮光不良が生じることが判る。したがっ
て、長さhは0.5mm以下,緯糸の打ち込み密度は1イン
チあたり50回以上100回以下とし、好ましくは60回以上9
0回以下とすべきであることが判る。
この結果を踏まえた本発明の実施例を以下説明する。
本発明の第9実施例に係るパイル織物90は、シャットル
織機を使用して120デニール/30フィラメントのレーヨン
からなる経糸92と150デニール/25フィラメントのレーヨ
ンからなる緯糸93で地布を形成し、これに100デニール/
48フィラメントの66ナイロンからなるパイル糸91を織り
込んだ第18図に示すような織構造を有するベルベット織
物で、緯糸93の打ち込み密度を1インチあたり64回とし
た。なお、第18図において、符号Wは経糸,Fは緯糸,Pは
パイル糸を示し、斜線部分は経糸が緯糸の上に出ている
部分,×部分はパイル糸が緯糸の上に浮いている部分を
それぞれ示している。即ち、×部分をシャーリングする
ことにより、第14図に示すようなパイル糸91a,91bが形
成される。
パイル糸の長さは、従来のテレンプでは1.6mm程度で
あるが、これを1.8mm以上としてパイル糸を傾斜させた
ときに隣のパイル糸にのりかかるようにすることが、フ
イルム巻き戻し時の先端係止力を向上させる上で好まし
い。しかし、この長さを長くし過ぎると、テレンプ全体
の厚みが厚くなり過ぎ、ポート部の内側寸法を広くしな
ければならなくなる。
したがって、パイル織物90のパイル糸91をシャーリン
グ機によって2.0mmの長さに切断し、ウインス染色機で
黒色の直接染料と黒色の酸性染料によって1浴2段染め
で濃色に染色した。染色後、十分にソーピングを行った
のち、ウインス染色機から揚げて遠心脱水を実施した。
これに、ブラッシングローラ付きのドラム乾燥機によっ
て、熱ドラム温度を170℃,熱ドラム前後のテンション
を10kg/10cm幅,搬送速度を4m/分の条件で傾斜を付与し
た。
即ち、パイル織物90は、ドラム乾燥機に入れる直前に
ブラッシングローラで経糸92方向に毛並みを揃え、搬送
は熱ドラムの回転数をパイル織物90の搬送速度より遅く
して、乾燥機の入口側に向かってパイル糸91が傾斜する
ようにし、熱ドラムには、パイル面が接触するようにし
た。そして、裏面にアクリル系の目止め剤を塗布して遮
光用テレンプとした。このようにして作成された遮光用
テレンプのパイル密度は28000本/cm2,パイル厚みは1.65
mmであった。
次に、本発明の第10実施例は、パイル糸に100デニー
ル/40フィラメントのキュプラを用いて第19図に示すよ
うな織構造とし、黒色の直接染料で濃色に染色して、ド
ラム乾燥の温度を90℃とした以外は、第9実施例と同様
に作成したものである。このテレンプのパイル密度は26
000本/cm2,パイル厚みは1.60mmであった。
次に、本発明の第11実施例は、第9実施例で、熱ドラ
ムにて傾斜する付与する際に、熱ドラムに入れる前に緯
糸方向に毛並みを揃えるために、ブラッシングローラを
搬送方向に対して45度に設置し、搬送方向とは逆に回転
させるとともに、回転の周期を搬送速度の約1.5倍とし
た。そして、パイルを緯糸方向に揃えて倒した後、すぐ
に熱ドラムに入れるようにした。この際、熱ドラムの回
転数は周速がテレンプの搬送速度と一致するようにし
た。その他は、第9実施例と同様に実施して遮光テレン
プを作成した。
次に、本発明の第12実施例は、第10実施例を第11実施
例と同様の方法でパイルを緯糸方向に傾斜させたもので
ある。
以上の第9実施例〜第12実施例に対する比較例として
は、織構造を第20図に示すものとし、緯糸の打ち込み密
度を1インチあたり120回とし、さらにシャーリングし
たパイル糸の長さを1.6mmとした以外は、第9実施例と
同様に作成したものである。
以上のように作成したパイル織物を、実施例1,2,比較
例については緯糸方向に長くなるように、また実施例3,
4については経糸方向に長くなるように、幅5mm,長さ40m
mに打ち抜いて、第12図及び第13図に示すパトローネ78
のポート部83の内側にアクリル系の厚み0.15mmの粘着剤
で貼り付けた。なお、ポート部83の口幅を2.0mmとし、
フイルム82としてはフジカラースーパーHG400を使用
し、その先端部を最先端部から60度の傾斜をつけてカッ
トした。
このように構成したパトローネ78のフイルム送り出し
時の給送トルクを給送トルク計で測定した。なお、測定
値はフイルム先端部82aがポート部83から突出した時の
ピーク値とした。さらに、測定個数50個で、ポート部83
からフイルム先端部82aが突出した個数を頭出し率とし
て測定した。また、前記係合穴84,85の幅を10mmとし、
フイルム先端部82aを引き込む際のトルク値(引込トル
ク)を測定した。そして、これらの測定結果を以下の表
1に示す。
この表1から判るように、本発明の実施例9〜13は、
いずれも給送トルクが小さく、頭出し率も100%と確実
なフイルム給送ができるとともに、引込トルクも1000g
・cmを超えており、確実にフイルム先端部の係止を行う
ことができる。なお、テレンプ87のフイルム面と接触す
る面に潤滑剤等を塗布しておけば、送り出しトルクをさ
らに低減させることができる。
また、本発明は上記のような通常の写真フイルムを収
納するパトローネに限定されず、カラー印画紙,電算写
植フイルム,感熱紙,感光樹脂フイルム,マイクロフイ
ルム等のあらゆる帯状の感光材料を収納する容器に適用
できるものである。
本実施例は、ベルベット織物,ダブルラッシェル編を
用いたが、トリコット編をはじめ、パイルを有する織編
物であれば、適用可能である。
本実施例は、本発明の遮光テレンプをポート部両側に
粘着したが、本発明の遮光テレンプを一方に使用し、他
方には従来通り傾斜をもたない遮光テレンプを粘着して
も全く同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明においては、パイル糸の編み込み方等によって
パイル糸をフイルム給送方向に傾斜させているため、給
送時にフイルムに加わる抵抗が減少し、フイルムをスム
ーズに引き出せるという効果がある。また、パイル糸の
根元部分の略垂直部の長さを0.5mm以下とし、パイル糸
が根元部分から地布に対して一定方向に傾斜するように
したので、より低いトルクでフイルムの頭出しを行うこ
とができる。また、遮光用テレンプの材料をパイル糸が
全ての緯糸に掛けられ、全ての経糸に接触するように織
り、緯糸の打ち込み密度を1インチあたり50回以上100
回以下,または経糸の本数を1インチあたり50本以上10
0本以下としたので、確実な遮光を得ることができると
ともに、フイルムをパトローネ本体内に巻き戻す際にも
確実にフイルム先端部をフイルム排出口に係止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のテレンプの織状態を示す断面
図である。 第2図は実施例に係るパトローネの構成を示す斜視図で
ある。 第3図は本発明の他の実施例に係るテレンプの編み込み
状態を示す拡大平面図である。 第4図は第3図のA−A方向の断面図である。 第5図は本発明の他の実施例に係るテレンプの編み込み
状態を示す断面図である。 第6図〜第11図は本発明パトローネの実施態様を示す図
面である。 第12図は本発明の他の実施例に係るパトローネの構成を
示す斜視図である。 第13図は第12図に示したパトローネの構成を示す断面図
である。 第14図は本発明の他の実施例に係るパイル織物の構成を
示す断面図である。 第15図はパイル糸の根元の長さhと給送トルクとの関係
を示すグラフである。 第16図はパイル糸の根元の長さhとフイルム先端係止力
との関係を示すグラフである。 第17図はパイル糸の根元の長さhと地布の糸間隔との関
係を示すグラフである。 第18図は本発明の第9実施例の織構造を示す組織図であ
る。 第19図は本発明の第10実施例の織構造を示す組織図であ
る。 第20図は比較例の織構造を示す組織図である。 10,37,40,50,60,65,78……写真フイルムパトローネ 11,34,82……フイルム 12,39,83……ポート部 14,87……テレンプ 20,24,26,91……パイル糸 90……パイル編物。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パイル糸を用いて成形された遮光用のテレ
    ンプをフイルム排出口に配置した写真フイルムパトロー
    ネにおいて、 前記テレンプを経編物構造とし、前記パイル糸を地布の
    鎖糸に対して同一方向から入,出して所定方向に傾斜す
    るように編み込むとともに、このパイル糸の先端が、フ
    イルムをパトローネから出すときの給送方向を向くよう
    にパイル糸の傾斜方向を合わせて当該テレンプを配置し
    たことを特徴とする写真フイルムパトローネ。
  2. 【請求項2】パイル糸を用いて成形された遮光用のテレ
    ンプをパトローネ本体に形成したフイルム排出口に配置
    するとともに、フイルムを巻きつけたスプールを回転さ
    せることによってフイルムをフイルム排出口から外部に
    送り出すようにした写真フイルムパトローネにおいて、 前記パイル糸の地布から略垂直に立ち上がった根元部分
    の長さを0.5mm以下とし、この根元部分を除くパイル糸
    の上部が地布に対して一定方向に傾斜するように前記テ
    レンプを形成するとともに、このテレンプを、パイル糸
    の先端が、パトローネ本体からのフイルム送り出し方向
    を向くようにパイル糸の傾斜方向を合わせて前記フイル
    ム排出口に配置したことを特徴とする写真フイルムパト
    ローネ。
  3. 【請求項3】パイル糸が全ての緯糸に掛けられていると
    ともに全ての経糸に接触している織物構造であり、かつ
    緯糸の打ち込み密度が1インチあたり50回以上100回以
    下,または経糸の本数が1インチあたり50本以上100本
    以下であることを特徴とする遮光用テレンプ。
  4. 【請求項4】フイルムを巻きつけたスプールをパトロー
    ネ本体内に回動自在に収納し、スプールを回転させるこ
    とによってフイルムをフイルム排出口から外部に送り出
    すようにした写真フイルムパトローネにおいて、 パイル糸が全ての緯糸に掛けられているとともに全ての
    経糸に接触している織物構造であり、かつ緯糸の打ち込
    み密度が1インチあたり50回以上100回以下,または経
    糸の本数が1インチあたり50本以上100本以下の遮光用
    テレンプをフイルム排出口に配置したことを特徴とする
    写真フイルムパトローネ。
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