JP2670836B2 - 高純度チタンターゲット材 - Google Patents

高純度チタンターゲット材

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JP2670836B2 JP1033848A JP3384889A JP2670836B2 JP 2670836 B2 JP2670836 B2 JP 2670836B2 JP 1033848 A JP1033848 A JP 1033848A JP 3384889 A JP3384889 A JP 3384889A JP 2670836 B2 JP2670836 B2 JP 2670836B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高純度チタンターゲット材に関するもので
あり、特には半導体デバイス製造用の高純度チタンター
ゲットを製造するに適する高純度チタン材の製造に関す
るものである。本発明を基礎として作製されたチタンタ
ーゲットはVLSIの障壁層及びアルミニウムに替わる配線
材としての活用が有望視される。
(従来の技術) 従来、半導体デバイスにおける層間の膜バリヤ材とし
てはシリコン酸化膜が主に用いられてきたが、LSIの高
集積化に伴い、モリブデン、タングステン等の高融点金
属の一つとして特にチタンの活用に関心が高まってい
る。また、従来から用いられてきたアルミニウムに替え
てチタンを配線材として用いる試みも進んでいる。こう
したチタン層間膜バリヤや配線は代表的に、チタン製タ
ーゲットをアルゴン中でスパッタすることにより形成さ
れる。チタンターゲットは、市販のチタン原料を成型、
焼結及び溶解した後、機械加工を行なうことにより製造
されている。
半導体デバイス素子の性能の信頼性を向上するため
に、 (1)Na、K、Li等のアルカリ金属、 (2)U、Th等の放射性元素、 (3)Fe、Cr等の重金属、 (4)酸素 のような不純物の低減化が必要である。Na、K等のアル
カリ金属は、ゲート絶縁膜中を容易に移動し、MOS-LSI
界面特性の劣化の原因となる。U等の放射性元素は該元
素よりも放出するα線によって素子のソフトエラーの原
因となる。Fe等の重金属もまた界面接合部のトラブルの
原因となる。酸素は特性劣化を招く。ちなみに、最近の
1MDRAM及び4MDRAMで要求されるチタンターゲットの純度
は5N(99.999%、但しガス成分を除く)となっている。
現在工業的に製造されている純チタンは上記の重金属
元素、ガス成分の他、アルカリ金属元素も多く含有して
おり、このままの純度では半導体分野に用いることは出
来ない。
純チタンを更に高純度化する方法として、特開昭62-2
94177及び294179号に記載されるようなチタンヨウ化物
熱分解法がある。しかし、この方法は精製純度に限界が
あり、その実施例によると例えばFeが50ppmと要求水準
よりはるかに高く、半導体用途に適さない。更に、チタ
ンヨウ化物熱分解法は元来実験規模向きの方法であり、
工業規模での生産には適さない。その理由はチタン析出
速度があまりに小さいためであり、例えばTiO.225g/h・c
m2であり、チタン板の直径を10cmとしても10時間で176
g、時間当り析出量は17.6gに過ぎない。また、高温度
(1100〜1500℃)の熱分解を維持するために誘導加熱を
用いるが、電力当りのチタン析出量は0.59g/kwhと非常
に少ない。
このように、チタンヨウ化物熱分解法は、精製純度に
限界があり、生産性が劣りしかも極めて高価となる。
別の方法として溶融塩電解法が知られている。溶融塩
電解法はこれまでチタンの電解採取を目的に研究されて
きたが、チタンスポンジの精製も検討されている。例え
ば、文献「Bureauof Mines」(1957年)1〜43頁 Repo
rt of Investigationには、「LiCl-KClの混合塩を鉄製
のルツボに入れて溶融し、この中でまずTi条にTiCl4
吹き込んでTiCl2を生成する。次に、Tiスポンジを入れ
た鉄製バスケットとTiカソードに入れ替えて、Tiスポン
ジをアノードとしそしてTiCl2をキャリアーとして電解
を行ない、Tiカソードに純チタンを析出させる。」 方法が記載されている。しかし、析出チタンのFe含有量
は200ppmという非常に高い水準にある。
更に、軟鋼容器(cell)を使用して別の装置で同様の
電解精製を行なった結果も析出チタンのFe含有量は110p
pmであった。
いずれも、鉄含有率が極めて高く、こうした方法及び
装置では本発明目的のFe<1ppm精製は到底不可能であっ
た。
鉄製ルツボ或いは容器に代えて、TiCl4及びTiCl2を含
む溶融塩に耐える構造材料として、ステンレス鋼、黒鉛
等が検討されてきたが、いずれも高温度の(500〜850
℃)の溶融塩に微量侵食されて溶出し、析出するチタン
を汚染した。更には、チタンスポンジは嵩密度が低いた
めに、装入量が少量となり、生産性を阻害する。精製物
の酸素含有量も多かった。
(発明が解決しようとする課題) 以上の現状に鑑み、本発明は、半導体分野でのスパッ
タリング用途にでも使用しうるに充分高純度の、しかも
工業的に採算のとれるチタン精製技術の確立を通して、
アルカリ金属、放射性元素及び重金属のみならず、酸素
ガス含有量のきわめて低い、高純度金属チタンターゲッ
ト材を提供することを課題とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、基本的に溶融塩電解法がこうした製造目
的に最適と考え、溶融塩電解法で使用可能な各種材料の
検討の結果、全く以外にも、ニッケルが溶融塩電解設備
の各種部品及び部材を構成する構造材料として適してい
ることを見出すに至った。ニッケルは、当初、貴な金属
であるため移行量は少ないが、それでも少量の移行は避
けられないとして考えられていたのであるが、意外に
も、チタンを汚染しないことがここに初めて判明したも
のである。こうして、本発明目的の高純度チタンターゲ
ット材の製造が可能となった。チタンスポンジをブリケ
ット状に圧縮したチタン原料を使用することが酸素の低
減化に有効であることも見いだした。
斯くして、本発明は、溶融塩電解法により高純度チタ
ンを製造する方法において、チタンスポンジをブリケッ
ト状に圧縮したチタン原料を使用しそして少なくとも溶
融塩が接触する部材乃至部品を高純度ニッケルから構成
した溶融塩電解装置により電解操業することを特徴とす
る高純度チタン製造方法を裏付けとして、アルカリ金属
含有率が0.1ppm以下、放射性元素含有率が1ppb以下そし
て重金属含有率が0.5ppm以下であり、更に酸素含有率が
100ppm以下であることを特徴とする高純度チタンターゲ
ット材を提供するものである。
本明細書において、アルカリ金属とは、周期表第IA族
に属する金属を指し、Na、K及びLiをもって代表とす
る。放射性元素とは、U、Th等の放射能を有する元素を
指す。重金属とは、比較的原子量の重いFe、Cr、Ni,Mn
等を包括する。
ところで、特公昭59-14556号は、隔膜を使用する溶融
塩電解採取によるチタンの製造に際しての隔膜の多孔性
の一定化に関しての改善を主目的として、隔膜を使用す
る溶融塩電解採取により3N(99.9%)程度の純度を有す
るチタンの製造を記載する。その構成材質と関連して、
溶融ハロゲン化物塩浴と四塩化チタンとを収納する容器
については、種々多数材質が適しているが一般に金属、
例えば鋼又はニッケルで出来ていると記載し、陽極につ
いては、適当な陽極材料は炭素又はグラファイトである
と記載し、陰極については、例えば普通の炭素鋼又はチ
タンの様な金属又は炭素のごとき材質であり、隔膜は、
ニッケル又はコバルトを付着(メッキ)した金網製とす
るのが好ましいとする。ニッケルが容器や隔膜において
随意的に使用可能であることを記載はするが、少なくと
も溶融塩に直接接触する部品或いは部材をニッケルで構
成することの必要性まで記載するものではない。例えば
「鋼又はニッケル」と鋼とニッケルとを構成材料として
均等視している。これは、本発明が目的とする5N乃至6N
の高純度チタンを製造する意図がなく、単に隔膜を用い
た溶融塩電解採取によって3N程度のチタンを安定して製
造することを目的とし、高純度化を目的としたものでな
いからに他ならない。
本発明の製造と係る装置において溶融塩が接触する部
材乃至部品を高純度ニッケルで構成する理由は、当初の
予想とは反対に、ニッケルがチタンを汚染しないことが
初めて判明したことによるのに対して、上記文献におい
て例えば隔膜にニッケル(またはコバルト及びこれらの
合金)を使用する理由は、容器内の腐蝕性環境に耐え又
隔膜として働く規定温度において充分な強度を保つこと
であり、チタン汚染防止ではない。チタンスポンジをブ
リケット状に圧縮したチタン原料を使用することを記載
しない。
いずれにせよ、この文献で製造されるチタンは純度9
9.9%の3N程度のものであり、本発明のような5N乃至6N
という高純度のものを製造することはできない。
(発明の具体的説明) 本発明の製造と関連して用いるニッケルは3N(99.9
%)以上に純度のものである。上に述べたように、ニッ
ケルは重金属であり、ニッケル自体によるチタン汚染が
憂慮され、また特に高純度の材料は構造材としての使用
は疑問視されそして溶融塩に少量は溶出するものと信ぜ
られていた。そうした予想とは反対に、ニッケルは溶融
塩電解装置の構成材料として非常に好適なことが判明し
た。このニッケルで、溶融塩電解装置において用いるル
ツボ、チタンスポンジバスケット、アノード、カソー
ド、槽内壁面その他温度計保護管等少なくとも溶融塩に
直接接触する部品或いは部材を構成する。溶融塩蒸気が
壁面に液滴として付着し、それが浴内に落下することに
より不純物汚染源となることもあるので、溶融塩蒸気に
曝露される装置内面もニッケルにて構成することが好ま
しい。ここで「構成する」とは、部品或いは部材をニッ
ケル自体で作製することのみならず、その表面を内張す
る或いはめっきその他の手段で被覆することをも包括す
るものである。
チタン溶融塩電解精製操業は、安定で、融点が低くそ
して導電率の大きな塩化物、一般にNaClを溶融塩として
使用し、スポンジチタンを収納するバスケットをアノー
ド側に接続しそしてカソード側の陰極にチタンを電析さ
せることにより行なわれる。電解精製を行なうに際し
て、電解浴のTi平均原子価が2.1〜2.3であれば良好な電
解を行なうことが出来、純度の高い六角板を含む結晶粒
の大きな樹枝状電析チタンが得られる。このため、チタ
ンスポンジ底部にTiCl4を導入して、浴中に次の反応 TiCl4+ Ti →2TiCl2 TiCl2+TiCl4→2TiCl3 を進行せしめ、NaCl浴中にTiCl2及びTiCl3を生成せしめ
る。が主反応である。これにより通常浴中のTiCl2
5〜6重量%そしてTiCl3は1.3〜1.8重量%、平均でTiC
l2.1-2.3とされる。この平均原子価2.1〜2.3は電解精製
を行なう上で重要な条件である。
第1図には、溶融塩電解装置の一例が示してある。電
解槽容器1は電気炉2内にセットされ、その上端には容
器蓋3がゴム製O−リング等のシールを介して装着され
る。容器蓋3にはゲートバルブ4を介して上チャンバー
5が設置されている。ニッケル製或いはニッケルライニ
ングルツボ6は容器1内部に装入される。2本のニッケ
ル製アノードパイプ7で支持した、チタンスポンジ収納
のためのニッケル製バスケット8が容器1内に吊下され
る。ニッケル製カソード棒9が容器中央に懸吊支持され
る。容器内雰囲気を排気するため或いは不活性ガスを導
入する為のパイプ10が容器蓋の直下に形成されている。
アノードパイプ7の上端にはアノード11が形成され、他
方カソード棒9の上端にはカソード12が形成される。13
aはカソード棒絶縁シールを表わし、13bはアノードパイ
プ絶縁シールを表わす。容器温度は適宜の保護管に挿入
した温度計14で検出される。容器蓋には、チタンスポン
ジの装入補加用のポート15が設けられている。以上が溶
融塩電解装置の概要である。こうした装置においては、
ルツボ、チタンスポンジバスケット、アノードパイプ、
カソード棒、温度計保護管等の溶融塩に直接接触する部
品或いは部材をニッケルで構成する。容器1と蓋3自体
はステンレス鋼製とされるが、溶融塩蒸気が壁面に液滴
として付着しやすい容器上方内面、容器蓋内面も好まし
くはニッケルライニングを施される。
第1図の装置に基づいて溶融塩電解操業例を説明す
る。
先ず、ニッケル製ルツボ6に粉状無水精製塩化ナトリ
ウム(NaCl)を所定量装入しそして電解槽容器1に挿入
し、容器蓋3を密閉状態で取付け、これを電気炉2にセ
ットする。
粉状NaClの水分によるチタンスポンジの酸化を避ける
ために、前操作として、NaClは一旦溶融凝固せしめられ
る。パイプ10から真空ポンプで内部を排気しながら電気
炉2で約750℃まで加熱する。この加熱によりNaCl中の
水分は完全に除去される。次に、Arのような不活性ガス
を大気圧以上に封入し、温度をNaClの融点(801℃)以
上に上げ、NaClを溶融する。そして後、大気圧以下に圧
力が下がらないようにしつつ冷却して、NaClを凝固せし
める。
容器蓋3を開放して、チタンスポンジを入れたバスケ
ット8を支持するニッケル製パイプ7を蓋3に取付け、
バスケットがNaClが凝固した上の空間に置かれるよう蓋
3を再セットする。
次に、再び排気しながらNaClを再溶融し、不活性ガス
を封入し、チタンスポンジの入ったニッケルバスケット
を降下してNaCl浴内に沈める。
次の操作として、ニッケルパイプを通してチタンスポ
ンジ底部にTiCl4(液体)をマイクロポンプによって所
定の流量で導入して先に示した反応式及びを進行せ
しめる。の主反応でNaCl浴中にTiCl2が生成し、同時
にの反応も一部に起こってTiCl3が生成する。充分高
温に保持してTiCl2の拡散を計ることが必要である。TiC
l4注入量は通常浴中のTiCl2が5〜6重量%そしてTiCl3
が1.3〜1.8重量%、平均でTiCl2.1-2.3となるよう設定
される。前述したように、この平均原子価2.1〜2.3は電
解精製を行なう上で重要な条件である。
その後、カソード棒9が上チャンバーの上部から降ろ
され、その下端がルツボの底面と少し上となるように設
定して固定する。同じく、バスケットも同様の位置にパ
イプの調整を通して位置調整する。
こうして、アノード11を陽極そしてカソード12を陰極
として電解が行なわれる。カソード電流密度は0.8〜1.2
A/cm2そして電解槽電圧は一般に1.0〜1.4V範囲とされ
る。但しこれら値は条件によってかなり変化され得る。
電解により、アノードでは原料のTiと、Tiより電極電
圧が卑であるNa、K、U、Th、Mn等の不純物が溶出す
る。逆に、Tiより電極電圧が貴であるFe、Cr、Ni、Cu等
は溶出しないでスポンジ内に残留するかまたはスライム
で沈降する。一方で、カソードでは、Tiとそれより貴な
金属だけが析出する。この場合、浴中に溶け出す不純物
が実質皆無なので、チタン電析に当たってこうした不純
物が一緒に析出することはない。
ある期間電解を継続すると、槽電圧は0.6〜0.8Vに降
下し、そうなると第1回電解操作を完了する。
電解浴温度を保持したままカソード棒に電析したチタ
ンを上チャンバー内に引き上げて、ゲートバルブ4を閉
じる。電析チタンを酸化防止のため上チャンバーの水冷
ジャケットにて急速に冷やし後ゲートバルブ上のフラン
ジを外して取り出す。
別のカソード棒を替わりにセットし、先と同じ条件で
第2回電解操作を実施する。
原料チタンスポンジの量に応じて、電解操作を繰返
す。原料チタンスポンジの量が減少すると、バスケット
を浴の上に引き上げて、ポート15よりチタンスポンジを
装入して補加する。この際は、電解槽内に不活性ガスを
流して空気の侵入を防止する。
こうしてチタンスポンジの補加と、カソード棒の取り
替えを繰り返しながら電解操業が実施される。チタンス
ポンジの補加毎に、電解浴のTiCl2とTiCl3濃度を分析し
て、平均原子価が2.1〜2.3であり、TiCl2が5.5〜6%で
あることを確認するが、空気の侵入がなければ上記の操
作においては殆ど変化なく、チタンスポンジの補加もそ
のまま電解を継続し得る。
電解を連続して安定に行ないしかも酸素含有量の少な
い高品質の高純度チタンを得るには、上述の通り侵入空
気による酸化作用を極力回避することが必要である。侵
入空気は原料チタンスポンジに同伴するものと、装置周
囲雰囲気からの漏入酸素が考慮し得る。
チタンスポンジは嵩密度が0.7〜1kg/lと小さいために
電解槽への装入量が少量となり、装置の生産性を阻害
し、チタンスポンジの補加回数を多くし、それだけ空気
漏入の危険性を増大する。更に、チタンスポンジの嵩密
度が低いことはそれだけ空間率が大きいため電解浴への
装入の際必然的に空気を同伴し、常時不活性雰囲気への
空気侵入によって電解浴のチタン原子価に悪影響を与
え、また直接電析チタンの酸素含有量を高める原因とな
る。従って原料及び補加するチタンスポンジは嵩密度が
大きい程より結果をもたらす。そこで、ここでは、チタ
ンスポンジを金型等に入れてプレスによりブリケットに
成型する対策が採られる。チタンの真空度4.5に対して
スポンジ状で0.7〜1.0のものをブリケットで3.0以上と
することが好ましい。このように、チタンスポンジのブ
リケット成型は漏入酸素防止対策として有効のみなら
ず、生産性向上及び円滑な連続操業の観点からも有用で
ある。
上の操業の説明で述べたように、アノードパイプは浴
調整、チタンスポンジの補加等の際浴から持ち上げら
れ、またカソード棒も電析チタンを引き上げる際持ち上
げられる。従って、アノードパイプ或いはカソード棒の
絶縁シール13a、bの摺動時に空気漏入が起こり易い。
これを防止するために、アノードパイプ或いはカソー
ド棒摺動部用の特殊シールを使用する。その実施例が第
2図に示される。ここではアノードパイプ或いはカソー
ド棒を兼用して16として示してある。この摺動部は、ア
ノードパイプ或いはカソード棒16とフランジ接続のパイ
プ21との間にテフロン(ポリテトラフルオロエチレンの
商品名)製スリーブ17を挿入して電気絶縁するが、この
場合該スリーブ17を分割しそしてその間にゴム製O−リ
ング18のようなパッキングが介在せしめらられる。更
に、好ましくは、ゴムガスケット19がパイプ21の上端と
スリーブの下部分のフランジとの間に挿し挟まれる。こ
うすることによって、パイプ或いは棒16を上下に動かし
ても、シールが確保される。スリーブ及びO−リングを
熱破損から保護するために水冷ジャケット20を設けるこ
とが好ましい。
取り出した電析チタンは六角板を含む樹枝状結晶であ
り、水洗及び酸洗い後、真空乾燥して高純度チタンを得
る。
高純度チタンは、電子ビーム真空溶解等の方法によっ
てインゴットとなし、鍛造加工などを経てスパッタリン
グ高純度チタンターゲットに仕上げる。不純物除去効果
の大きな電子ビーム溶解法の採用が好ましい。電子ビー
ム溶解に供される成型体は冷間等圧加圧により得ること
が好ましい。得られたインゴットは、最終的に、所望の
形態のターゲットへと加工される。塑性加工、切断及び
表面仕上げは汚染防止に留意しつつ従来の方法により行
われる。
このターゲットを用いて例えばアルゴンガス中でスパ
ッタすることにより膜或いは配線が形成される。
(実施例) 第1図及び第2図の装置を用いて高純度チタンを溶融
塩電解精製する実施例を示す。
ニッケル製ルツボに粉状無水精製塩化ナトリウム40kg
を装入しそしてこれを電解槽容器に挿入し、容器蓋を密
閉状態で取付けて、電気炉にセットした。
粉状NaClの水分によるチタンスポンジの酸化を避ける
ために、前操作として、NaClを真空ポンプで内部を排気
しながら約750℃まで加熱した。次いで、Arをゲージ圧
0.1kg/cm2まで封入し、温度を更に850℃に上げ、NaClを
溶融した。そして後、大気圧以下にAr圧力が下がらない
ようにしつつ約500℃まで冷却した。
蓋開放後、20kgのチタンスポンジを入れた、ニッケル
製バスケット(3φ多孔板)を支持するニッケル製パイ
プを蓋に取付け、バスケットがNaClが凝固した上の空間
に置かれるよう蓋を再セットした。
次に、再び排気しながらNaClを再溶融し、不活性ガス
を封入し、チタンスポンジの入ったニッケルバスケット
を降下してNaCl浴内に沈めた。
次に、ニッケルパイプを通してチタンスポンジ底部に
TiCl4(液体)をマイクロポンプによって毎分15gづつの
流量で5.5時間導入した。これにより、浴中のTiCl2が5.
5重量%そしてTiCl3が1.5重量%、従って平均原子価は
2.1〜2.2となった。
カソード棒下端及びバスケットをルツボ底面から3cm
に設定した。
カソード電流密度は1.0A/cm2そして電解槽電圧を1.2V
として電解を行なった。
約70時間通電したところで、槽電圧は0.6〜0.8Vに降
下し、第1回電解操作を停止した。
電解浴温度を850℃に保持したままカソード棒に電析
したチタンを上チャンバー内に引き上げて、ゲートバル
ブ4を閉じ、電析チタンを50℃に冷やした後ゲートバル
ブ上のフランジを外し、取り出した。取り出した電析チ
タンは約5kgで、約1cmの六角板を含む樹枝状結晶であっ
た。水洗及び5%HCl酸洗い後、真空乾燥して高純度チ
タンを得た。
こうして3回の電解を継続して行ない、Niバスケット
を浴の上に引き上げてポートより50mmφチタンブリケッ
ト15kgを補加した。チタンブリケット補加後も、そのま
ま電解を継続しえた。チタンスポンジ及び電析チタンの
分析値は次表の通りであった: (発明の効果) 本発明によって純度5N乃至6Nの高純度でしかもアルカ
リ金属含有率が0.1ppm以下、放射性元素含有率が1ppb以
下そして重金属含有率が0.5ppm以下であり、更に酸素含
有率が100ppm以下であるチタンターゲット材が提供され
る。これを用いることによって、益々高集積化が進みつ
つある半導体デバイスにおいて信頼性の高い、LSI用層
間膜バリア材及び配線材等の構成部品の作製を可能とす
るターゲットを工業規模で低コストで製造することを可
能とする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明と関連する溶融塩電解装置の一例の正
面図である。 第2図は、パイプ及びその摺動部の絶縁シールの断面図
である。 1:電解槽容器 2:電気炉 3:容器蓋 4:ゲートバルブ 5:上チャンバー 6:ルツボ 7:アノードパイプ 8:バスケット 9:カソード棒 10:パイプ 11:アノード 12:カソード 13a:カソード棒絶縁シール 13b:アノードパイプ絶縁シール 14:温度計 15:チタンスポンジ補加用ポート 16:アノードパイプ或いはカソード棒 17:スリーブ 18:パッキング 19:ガスケット 20:水冷ジャケット 21:パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊竹 直幸 埼玉県戸田市新曽南3丁目17番35号 日 本鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−294177(JP,A) 特開 昭62−294179(JP,A) 特公 昭59−14556(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属含有率が0.1ppm以下、放射性
    元素含有率が1ppb以下そして重金属含有率が0.5ppm以下
    であり、更に酸素含有率が100ppmであることを特徴とす
    る高純度チタンターゲット材。
JP1033848A 1989-02-15 1989-02-15 高純度チタンターゲット材 Expired - Lifetime JP2670836B2 (ja)

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DE19904004575 DE4004575A1 (de) 1989-02-15 1990-02-14 Verfahren und vorrichtung zur hersellung von hochreinem titan und eines titan-targets fuer die kathodenzerstaeubung
US07/942,347 US5336378A (en) 1989-02-15 1992-09-09 Method and apparatus for producing a high-purity titanium

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