JP2670688B2 - 低圧幹線分岐部形成方法 - Google Patents

低圧幹線分岐部形成方法

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JP2670688B2
JP2670688B2 JP63172353A JP17235388A JP2670688B2 JP 2670688 B2 JP2670688 B2 JP 2670688B2 JP 63172353 A JP63172353 A JP 63172353A JP 17235388 A JP17235388 A JP 17235388A JP 2670688 B2 JP2670688 B2 JP 2670688B2
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勇 土谷
恒昭 落合
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悠紀夫 見染
勝 子安
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株式会社竹中工務店
株式会社関電工
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ビル等の電気シャフトに配置される低圧幹
線から各階に給電を行うために用いられる分岐装置に関
し、特に、送電を中断することなしに、給電線を接続す
る動作を行い得るようにするために、幹線ケーブルに対
してコネクターを設けるための低圧幹線分岐部の接続装
置および分岐部の形成方法に関する。
(従来の技術) オフィスビル等のように電力使用量の大きい建物にお
いては、送電線の容量が大きく、送電能力の大きい平型
ケーブル等が多く使用されており、そのような送電線を
用いた低圧幹線から各階に給電線を分岐する際には、例
えば、実開昭58−141574号公報等に示されるような分岐
手段を用いていることが多い。
上記したような従来の給電線の分岐手段としては、第
8図または、第9図に示されるような分岐部の接続方法
が用いられる。
例えば、第8図および第8a図に示されるように、分岐
スリーブを用いて分岐線を接続する方法による場合に
は、幹線ケーブルの被覆として絶縁部材を剥離して導電
線を露出させ、その露出部分を覆うようにして分岐スリ
ーブ10Aを固定し、該分岐スリーブ10Aから側部に突出し
て形成した接続板13に分岐線の端部を接続するようにし
ている。
これとは別に、第9図に示されるような接続方法が用
いられる場合がある。この第9図に示される接続方式に
おいては、幹線ケーブル1の絶縁部材を除去して、その
導電線2の露出部分に対して分岐スリーブ10Bを固定す
るが、その分岐スリーブ10Bには、分岐線19の導電体19a
をも一体に取付けることによって、直接分岐線19を接続
出来るようになっている。
そして、上記したようにして分岐スリーブを介して分
岐線を接続し、その周囲を絶縁テープ等を巻き付ける等
して絶縁を行うとともに、分岐線の固定の作業を必要に
応じて随時行うことが出来る。
上記したような分岐線の接続方法としては、第8図に
示されるような例が多く用いられており、前述の従来例
の他に、例えば、実公昭52−21904号公報や、実開昭58
−141573号公報等に示されるような例がある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記したような従来の低圧幹線の分岐
装置においては、建物内の各階に給電を行うための分岐
線は、その建物の施工時に想定された電力使用量に応じ
て設けられているために、最近のOA化等に対応させて、
OA機器を多く使用するようになると、事務スペース内で
の電力使用量が飛躍的に増大して、従来の分岐線ではそ
の電力需要に対応出来ない等の問題が発生する。
そこで、幹線ケーブルに対して固定している容量の小
さい分岐線を幹線ケーブルから取り外し、新たな大容量
の分岐線を接続することが必要になる。しかし、前述し
たような幹線ケーブルに接続されている分岐線は、容易
に取り外しが出来ない状態で固定されているものであ
り、その工事のためには、導電線2を覆っている絶縁テ
ープ等の絶縁部材を除去し、接続部分での分岐スリーブ
を外して、新しい大容量の分岐線を固定する作業を行う
ことが一般的である。
ところが、上記したような作業は、幹線ケーブルに通
電したままの状態では行い得ないものであり、当然その
工事の間は停電状態となる。また、オフィスビルのよう
に、テナントが引っ越しを行う都度、その階での電力使
用量が変化したり、社内セクションの移動等によって各
階毎のOA機器の配置が変わった場合等には、それに対応
した容量の給電線を設置することが必要となる。
そして、その分子線の容量アップの工事は、活線状態
では行い得ないために、当然休日等を利用して工事を行
うことになるが、ビルのフロアの数が多い場合には、各
フロアに対応して設ける分岐線の数も多くなり、工事に
多くの人手を必要とする等の問題がある。また、上記し
たような問題に加えて、古い分岐線を取り外して、新し
い分岐線を接続し、それに対する絶縁部材の施工等の多
くの面倒な工事を行うことが要求される。さらに、通常
のビルにおける電気シャフトは、比較的狭い場所であ
り、作業能率が非常に良くない等の問題がある。
(発明の目的) 本発明は上記したような従来の低圧幹線の分岐装置の
欠点を解消するもので、幹線ケーブルから分岐する電源
側コネクターを所定の位置に設けておき、該コネクター
に対して負荷側のコネクターを接続することのみによっ
て、容易に活線状態での工事を行い得るようにすること
が出来る手段を提供することを目的としている。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明の低圧幹線分岐部形成方法は、幹線ケーブルの
絶縁部材を除去して導電線を露出させ、該露出させた導
電線を覆うように設けるスリーブとして2つのスリーブ
部材を組合せて用い、前記スリーブ部材の端部には、そ
れぞれ溝と突起とを組合せて形成した係合手段を設けて
おき、該係合手段は、2つのスリーブ部材を対向して組
合せた際に、それぞれの突起と溝が互いに嵌合され得る
ように配置し、一方のスリーブ部材にはコネクターを挿
入するためのネジ孔を設け、ケーブルの導電線にスリー
ブ部材を固定する際に、ケーブルの導電線の露出部に対
して、両側から2つのスリーブ部材を嵌合し、該2つの
スリーブ部材の係合手段をケーブルの長さ方向にスライ
ドさせることによって係合させるとともに、前記一方の
スリーブ部材に設けたネジ孔に、硬いネジ部材を挿入
し、前記組合せたスリーブ部材の外側から圧接工具を用
いて、圧着する動作を行って導電線とスリーブ部材とを
一体に固着し、該圧着の作業の後で、一方のスリーブ部
材の挿入している硬いネジ部材を抜き取り、前記ネジ孔
に電源側コネクターのネジ部材を挿入して係止し、該コ
ネクターの接続端部が露出されるようにして、外部被覆
を設けるようにするものである。
前記したような低圧幹線分岐部の形成方法によると、
幹線ケーブルの分岐部に分岐スリーブを取付けるに際し
て、導電線の露出部分に対するスリーブの固定を良好に
行うことが出来るとともに、電源側コネクター用のネジ
孔を損傷したりすることがないので、該コネクターの取
付けを容易に行うことが出来るものとなる。そして、本
発明の低圧幹線の分岐部は、導電線に対する接触が良好
に維持されるものとなり、電源側のコネクターの接続の
作業を容易に行い得るものとなる。
また、前述したようにして構成した低圧幹線分岐部の
接続装置によると、建物内の各フロアの電力需要に対応
させて配線代えの作業を行う場合でも、幹線ケーブルに
対する接続は、単に幹線ケーブルの分岐部に設けた電源
側コネクターに対して、給電線のコネクターを挿入する
のみの作業で済むことにより、活線状態の幹線ケーブル
に対して、その送電を中断することなしに、大容量の給
電線の接続を行うことが出来る。
(実施例) 図示された例にしたがって、本発明の低圧幹線分岐部
の接続装置の構成を説明する。
本発明の幹線ケーブルの分岐部は、第1図に示される
ようにして構成されることが出来る。本発明の図示され
る実施例においては、幹線ケーブルの絶縁部材を剥離
し、導電線(銅導電体)2を露出させた部分に対して、
略リング状の分岐スリーブ10を取付けるようにしてい
る。本発明の実施例に示されるケーブルは、通常平型ケ
ーブルと呼ばれている形式のケーブル(例えば、600V単
心架橋ポリエチレン絶縁ビニールシース平型ケーブル)
であり、3相交流の場合には、同様なケーブルが3本並
列に電気シャフト内で配置されるようになる。
この分岐スリーブ10は、略U字状の2つのスリーブ部
材10a、10bを嵌合組合せ等の手段により、一体に組み合
わせて形成しており、各々のスリーブ部材には、その端
部に溝と突起とを組合せて形成した係合部材10c、10dを
設けておき、該部材10c、10dを互いにハシ箱状の嵌合部
材をスライドさせて、両者を噛合わせる状態で組合せる
ようにしている。つまり、この係合部材は、スリーブの
長さ方向には摺動可能な状態に形成されるが、該スリー
ブの巾方向には移動不能に設けられている。
そして、導電線2の巾方向の両側からスリーブ部材10
aと10bとを配置し、その2つの部材を係合部を介して組
み合わせた後で、例えば、実開昭59−146890号公報等に
示されるような構成の電線接続用の圧縮装置を用いて、
両方のスリーブ部材を一体に接続し、それによって、導
電線に対して分岐スリーブ10を固定するようにしてい
る。
すなわち、本発明の分岐スリーブを導電線に圧着する
ための装置としては、例えば、第2図に示されるような
構成のものを用いることが出来る。この第2図に示され
る装置は、分岐スリーブ10の上下に配置される上ダイス
17と下ダイス18とから構成されるもので、各ダイスをそ
れぞれ上板17aと下板18aとによって支持し、上ダイス17
に対して下ダイス18を油圧機構(図示を省略)等によっ
て移動させるように構成している。
また、導電線2に対して分岐スリーブを装着する際に
は、第1図に示されるようにして、分岐スリーブの2つ
のスリーブ部材を組合せ、一方のスリーブ部材10aの挿
入孔11に対して、炭素鋼等のような硬い材料で構成した
ネジを係止した状態で、第2図に示される上下のダイス
の凹部に挿入し、スリーブ部材の接合と導電線の圧着の
作用を行うようにする。
そのような作業を行うことによって、銅鋳物製の分岐
スリーブ10の孔に挿入された導電体をそれぞれ圧縮する
ものとなり、導電線に対して分岐スリーブを電気的に接
続した状態で固定出来るようになる。
また、上記したような圧接の作業によって、導電線と
一体に構成した本発明の分岐スリーブ10は、成形の作業
の後で、一方のスリーブ部材10aの側部のネジ穴11から
成形に際して使用した硬いネジ部材を取去り、このネジ
穴11に対して電源側コネクター15のネジ部分16をネジ込
むことによって、該分岐スリーブ10に対して一体に電源
側コネクター15のネジ部16を挿入することによって、分
岐部コネクターが一体に形成されることになる。
そして、前記電源側コネクター15の先端部を、分岐部
5を覆うようにして設けた絶縁部材、および、該絶縁部
材の表面を覆うようにして設けた保護カバー7から突出
させることによって、その電源側コネクター15突出部分
を介して、給電線21のコネクター20を接続することが出
来るようになっている。
第3図ないし第6図に示される実施例は、前述したよ
うな分岐部の接続手段を、幹線ケーブルに適用する場合
の例を示しているものであり、幹線ケーブル1は複数本
の導電線2、2……を並列状態に配置し、その周囲を絶
縁部材3で被覆して1本のケーブルとして形成してい
る。図示されるケーブルは、通常平型ケーブルと呼ばれ
ている形式のケーブルであり、3相交流の場合には、同
様のケーブルが3本並列に電気シャフト内で配置され、
ビル内での各フロアーに設けたOA機器等に対して、該幹
線ケーブル1より、それぞれの位相の単線に対して設け
た分岐部5を介して、給電を行い得るようにされてい
る。なお、本発明の装置は、その対象とするケーブル
が、通常の丸断面のものでも良いものであるが、この実
施例においては、平型ケーブルの場合について説明す
る。
第3図に示される例においては、幹線ケーブル1から
各階の給電線21に分岐する際に、該幹線ケーブル1の所
定の箇所に設けた分岐部5から、その側方に突出してい
る電源側コネクター15に対して、給電線21のコネクター
20を接続することによって、給電を行い得るようになっ
ている。
この実施例において、例えば、600V以下の低圧電源が
3相交流である場合には、分岐部5を同一の位置に設け
た3本の幹線ケーブル1、……を並列して設け、需要側
の3本の給電線をそれぞれ接続するようになる。
前記幹線ケーブル1から分岐スリーブ10を介して設け
たコネクター15に対して、各階に配線した給電線21の端
末に設けたコネクター23を装着することによって、容易
に給電を行うことが出来る状態にすることが可能であ
る。
前記第3図に示された例が、電源側コネクターに対し
て負荷側コネクターを直接接続する場合の例であるが、
第4図に示される実施例においては、2つのコネクター
15、20の間にレジューサ27を介在させるようにしてい
る。
この実施例においては、電源側のコネクターの容量を
例えば、500Aに設定しておいても、負荷側のコネクター
の容量が200Aでよい場合に、該レジューサ27の出力側を
200Aに設定したものを介在させて、安全な状態で負荷側
の給電線に給電を行い得るようにする。
また、その特定の分岐部5に対して、電力需要が増大
した場合には、レジューサの出力側を大容量のものに換
えて、そのレジューサに対して容量の大きい給電線を接
続するようにして、需要に対応出来るものとなる。
第5図に示される本発明の別の実施例は、幹線ケーブ
ル1に対して1個の分岐部5を設けるが、その分岐部5
に対して2つの給電線21、21aに接続する二又部材(Y
分岐コネクター)25を設けている。
そして、1つの分岐部から複数の給電線を引き出すこ
とが必要となる場合に、上記したような二又部材25を用
いると、その電源側コネクターが1個の場合にも、2系
統の給電線に対する給電を行い得るように構成すること
が可能である。
また第6図に示される本発明の別の実施例において
は、分岐部5に複数個の電源側コネクター15、15a、15b
を設けておき、それぞれの電源側コネクターに対して別
系統の給電線21、21a、21bを接続出来るようにしてい
る。そして、上記したように分岐部を構成する場合に
は、各電源側コネクターに対してそれぞれ別系統の給電
線を3系統接続することが出来るので、負荷系統が異な
る場合でも、容易に給電系統の工事を行い得るものとな
る。
なお、上記したように、分岐部に3つの電源側コネク
ターを設ける場合は、1個の分岐スリーブに対して3つ
のネジ孔を設け、それぞれのネジ孔に対して、電源側コ
ネクターを取付ける等の手段を用いること、または、1
個の分岐部に対して3個の分岐スリーブを固定し、各々
の分岐スリーブに電源側コネクターを設けること等の、
任意の手段を用いることが出来るものである。そして、
いずれの場合でも、1個の電源側コネクターを設ける場
合に比較して、分岐スリーブの導電線に対する接触面積
を、その給電容量に比例させて大きく設定することが必
要となる。
そして、上記したように構成する場合には、前記2つ
の実施例の場合に比較して、各階での電力の使用の余裕
が生じるものとなり、その後の配線換え等の工事が容易
に行い得るものとすることが可能である。
また、前記第5図および第6図に示される例において
も、2つのコネクターの間にレジューサを設けることが
出来るものであり、その特定の分岐部に対して、電力需
要が増大した場合には、レジューサ30の出力側を大容量
のものに変換して、大容量の給電線側の需要に対応させ
ることが出来ることになる。
第7図に示されるコネクターは、本発明の電源側コネ
クターと、負荷側コネクターとして用いられ得るものの
例である。この実施例においては、符号を異るもので表
しているが、上記実施例において示された電源側コネク
ター15を符号30で示し、負荷側コネクター20を符号40で
示している。
この第7図に示されるコネクターの例において、電源
側のコネクター30には、その中央部にレセップ31を、該
レセップ31の周囲に固定円筒32を設けており、その周囲
にゴムカバー35を配置している。
また、前記固定円筒32の解放部側に消弧子33を設けて
いるが、この消弧子をポリアセタール樹脂等のような絶
縁性能の高い合成樹脂材料で形成し、レセップ31と負荷
側コネクター40のプラグ41との離接に際して、アークが
発生した際に、そのアークが周囲に影響を及ぼさない状
態とするために用いられる。
前記コネクター30に対して設けられる負荷側コネクタ
ー40は、前記したようなプラグ41と、該プラグ41の先端
部に対して消弧子43と、プラグ41の基部にネジ部材44と
を設けるとともに、これ等の各部材を覆うことが出来る
ようにゴムカバー45を設けている。なお、前記ネジ部材
44は、コネクターの接続に際して、直接手が触れる部材
であるから、消弧子の場合と同様に、ポリアセタール樹
脂等のような絶縁体で構成され、プラグ41の外周部で自
由に回転出来るように設けられる。
前記プラグ41の先端部に設けられる消弧子43として
は、上記コネクター30に設けた消弧子33と同様な材料で
構成することが出来、2つの消弧子によってレセップと
プラグとが離接する際のアークを、狭い隙間の中で消弧
する作用を行うようにして、そのアークが外部に漏れ出
すことを防止出来るようにする。
そして、電源側コネクター30に対して、負荷側コネク
ター40を装着する際に、まず、最初にレセップ31に対し
てプラグ41の先端部の消弧子43が挿入されて、その後の
プラグの摺動のガイドとしての役目を行い、その後で、
プラグ41がレセップ31に挿入されるようになる。
本発明の実施例において、前記電源側コネクター30
は、レセップ31の先端と、円筒32の挿入側先端部との間
隔L1と、負荷側コネクターのプラグ41の長さL2とは、L1
>L2の関係に形成されている。したがって、プラグ41を
レセップ31に向けて挿入する間は、レセップ31に対して
プラグ41の先端部に設けた消弧子43が係合される状態と
なり、両者の導電体は直接接続されることがないので通
電状態とはならない。
そして、上記したような状態でプラグが挿入された後
で、プラグ41の後部に設けたネジ部材を、プラグ本体に
対して自由に回転させて、前記固定円筒の先端部に設け
たメネジ34に対してネジ込む動作を行う途中で、プラグ
41がレセップ31に挿入され、両者は導電体が直接接触さ
れて通電状態になる。
また、上記した通電状態の設定に際しては、導電体の
間でアークが発生したとしても、そのアークは密閉状態
に設定された円筒の内部で消弧されるので、外部に漏れ
出すことは完全に防止されるものとなる。
そして、前記したように、ネジ部材44をメネジ34に全
部ネジ込むことによって、両者は完全に固定され、通電
状態を確保することが出来るものとなる。なお、前記し
たコネクターの装着に際して、ネジ部材44はプラグ41の
周囲で自由に回転することが出来るので、該ネジ部材44
を回転させても負荷側ケーブルがねじられたりすること
はなく、プラグがレセップ31の内部に深く挿入されるよ
うな動作が行なわれるのみとなる。
前述したコネクターの固定の動作の後で、負荷側コネ
クター40のカバー45を、電源側コネクター30の端部に接
するようにして、その固定円筒32に対して移動させて、
該2つのゴムカバー35、45によって接続部をシールす
る。
なお、図示される実施例においては、カバー35と45と
は、ケーブルの外径、および固定円筒32よりも若干小径
に形成されており、さらに、ケーブル19と、給電線21と
のそれぞれに摺動する部分のカバーには、それぞれ、リ
ング状の溝36と、46とが設けられていて、それらの溝に
シリコングリスを収容することによって、該カバーの摺
動を良好に行い得るようにするとともに、その部分での
水密性能を得ることが出来るようにされる。したがっ
て、本発明のコネクター部分では、本体の周囲をゴムカ
バーで覆うことによって、接続部でのシールを完全に行
うことが出来るものとなる。
なお、上記したような本発明の幹線ケーブルに対し
て、分岐部を取付ける作業は、工事現場でも出来ること
であるが、建物の仕様に合せて、工場で製造して、その
ケーブルを工事現場に搬入し、建物の電気シャフトに取
付けて、各階の負荷側コネクターを順次接続するように
する場合には、現場での工事を大幅に簡素化出来るもの
となる。
以上記載した本発明の実施例においては、一般のオフ
ィスビル等に多く使用される平型ケーブルに対して、負
荷側のコネクターを容易に接続することが出来るように
する場合の例を説明したが、本発明の分岐装置は、前述
したような平型ケーブルに対してのみ適用されるもので
はなく、その他に、一般の丸型断面を有するケーブル等
に対しても、同様に適用が可能である。
その場合には、分岐スリーブの形状をそのケーブルの
断面に一致するように構成し、そのケーブルに対して、
分岐用コネクターを分岐スリーブに一体に圧着させる等
の手段によって固着し、該スリーブから電源側コネクタ
ーを突出させて設けることによって、分岐部を容易に形
成出来るものとなる。
(発明の効果) 本発明の低圧幹線分岐部の形成方法によると、幹線ケ
ーブルの分岐部に分岐スリーブを取付けるに際して、導
電線の露出部分に対するスリーブの固定を良好に行うこ
とが出来るとともに、電源側コネクター用のネジ孔を損
傷したりすることがないので、該コネクターの取付けを
容易に行うことが出来るものとなる。そして、本発明の
低圧幹線の分岐部は、導電線に対する接触が良好に維持
されるものとなり、電源側のコネクターの接続の作業を
容易に行い得るものとなる。
また、前述したようにして構成した低圧幹線分岐部の
接続装置によると、建物内の各フロアの電力需要に対応
させて配線代えの作業を行う場合でも、幹線ケーブルに
対する接続は、単に幹線ケーブルの分岐部に設けた電源
側コネクターに対して、給電線のコネクターを挿入する
のみの作業で済むことより、活線状態の幹線ケーブルに
対して、その送電を中断することなしに、大容量の給電
線の接続を行うことが出来る。そして、本発明の幹線ケ
ーブルを用いることにより、通常の業務を行っている状
態で、その配線代えの作業を行うことが出来るので、休
日を選んで停電状態での作業を行う必要がなくなるとと
もに、給電容量を変更する必要がある分岐部が多数存在
する場合でも、各分岐部の接続は、単に幹線ケーブルに
対して、古い給電線のコネクターを抜取り、新しい線の
コネクターを装着するのみの作業を行うことにより容易
に行い得るものとなる。幹線ケーブルに対して、分岐ス
リーブを容易に固定することが出来るものであり、その
分岐スリーブの固定を行うための圧着の作業を行うに際
して、給電側コネクター用のネジ孔を潰す等の不都合な
状態が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の低圧幹線分岐部の接続装置の構成を示
す斜視図、第2図は分岐スリーブの圧着に用いられる治
具の説明図、第3図は本発明の分岐スリーブを適用する
幹線ケーブルの斜視図、第4図はレジューサを介在させ
る場合の例を示す斜視図、第5図は負荷側のコネクター
に二又部材を用いる場合の斜視図、第6図は分岐部に複
数のコネクターを設ける場合の斜視図、第7図は本発明
の実施例で用いられるコネクターの構成を示す断面図、
第8図と第8a図は従来の分岐スリーブを用いる場合の例
を示し、第9図は給電線としての分岐線を直接接続する
場合の従来例の説明図である。 図中の符号 1……幹線ケーブル、2……導電線、3……絶縁部材、
5……分岐部、7……保護カバー、10……分岐スリー
ブ、11……ネジ孔、15……電源側コネクター、20……負
荷側コネクター、21……給電線、22……導電線、25……
二又部材、27……レジューサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 国道 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 梶家 治 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東京電力株式会社内 (72)発明者 柿崎 治郎 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 土谷 勇 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (72)発明者 落合 恒昭 東京都文京区湯島4丁目1番18号 株式 会社関電工内 (72)発明者 高水 正貴 東京都文京区湯島4丁目1番18号 株式 会社関電工内 (72)発明者 見染 悠紀夫 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号 三菱電線工業株式会社東京事務所内 (72)発明者 子安 勝 東京都千代田区丸の内3丁目4番1号 三菱電線工業株式会社東京事務所内 (72)発明者 稲垣 達夫 埼玉県熊谷市新堀1008番地 三菱電線工 業株式会社熊谷製作所内 (72)発明者 宗政 義仁 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱 電線工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭49−21185(JP,U) 実開 昭47−10088(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】幹線ケーブルの絶縁部材を除去して導電線
    を露出させ、該露出させた導電線を覆うように設けるス
    リーブとして2つのスリーブ部材を組合せて用い、 前記スリーブ部材の端部には、それぞれ溝と突起とを組
    合せて形成した係合手段を設けておき、該係合手段は、
    2つのスリーブ部材を対向して組合せた際に、それぞれ
    の突起と溝が互いに嵌合され得るように配置し、一方の
    スリーブ部材にはコネクターを挿入するためのネジ孔を
    設け、 ケーブルの導電線にスリーブ部材を固定する際に、ケー
    ブルの導電線の露出部に対して、両側から2つのスリー
    ブ部材を嵌合し、該2つのスリーブ部材の係合手段をケ
    ーブルの長さ方向にスライドさせることによって係合さ
    せるとともに、前記一方のスリーブ部材に設けたネジ孔
    に、硬いネジ部材を挿入し、 前記組合せたスリーブ部材の外側から圧接工具を用い
    て、圧着する動作を行って導電線とスリーブ部材とを一
    体に固着し、 該圧着の作業の後で、一方のスリーブ部材の挿入してい
    る硬いネジ部材を抜き取り、 前記ネジ孔に電源側コネクターのネジ部材を挿入して係
    止し、該コネクターの接続端部が露出されるようにし
    て、外部被覆を設けるようにすることを特徴とする低圧
    幹線分岐部形成方法。
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