JP2670064B2 - 蒸気温度調整装置 - Google Patents
蒸気温度調整装置Info
- Publication number
- JP2670064B2 JP2670064B2 JP62330226A JP33022687A JP2670064B2 JP 2670064 B2 JP2670064 B2 JP 2670064B2 JP 62330226 A JP62330226 A JP 62330226A JP 33022687 A JP33022687 A JP 33022687A JP 2670064 B2 JP2670064 B2 JP 2670064B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water injection
- steam
- temperature
- water
- flow rate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
この発明は蒸気温度の調整装置、特に蒸気の流量変化
や温度変化に対応して蒸気の温度を所定値に維持する蒸
気温度調整装置に関する。 〔従来の技術〕 蒸気温度の調整方法としては、従来から、水と蒸気の
熱交換器によるものや、高温蒸気の中に水を注入する方
法が用いられている。この一例を第3図に示す。 第3図は、従来例に係る蒸気温度調整方法を示す配管
の系統図である。同図において、蒸気温度調整装置は、
高温の蒸気配管1経路に設けられた減温器2と、この減
温器2内に突設された注水ノズル3と、注水ノズル3に
温度調整用の水(以下、注水と称する)を供給する注水
配管4と、注水配管4に設けられた注水調整弁5とから
主に構成されている。 注水調整弁5には、減温器2の下流側の蒸気配管1内
の蒸気温度を検出する温度センサ6の出力から注水調整
弁5の開度を調整し、注水ノズル3に供給する注水の流
量を制御するコントローラ7が接続されている。 上記のように構成された蒸気温度調整装置では、温度
センサ6で検出された減温器2下流側の蒸気の温度に対
応する検出信号がコントローラ7に出力され、コントロ
ーラ7はこの検出信号に応じ、上記下流側の蒸気が設定
した蒸気温度になるように注水調整弁5の開度を調整
し、注水ノズル3からの噴霧量を制御している。すなわ
ち、検出した蒸気温度と設定した蒸気温度との差が大き
いときには注水の流量を増して噴霧量を多くし、差が小
さいときには流量を減じて噴霧量を少なくするといつた
制御を行ない、プラントで使用する蒸気温度を一定にす
るようになつている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上記のような上記温度調整装置では、上記温
度がより高温になると、蒸気と水の温度差が大きくな
り、注水開始時や注水のON−OFF制御時等に注水ノズル
に非常に大きな熱応力が発生し、注水ノズルが折れる等
の問題があつた。また注水流量が少くなるに従つて噴霧
効果が減少して水滴が蒸気配管の管壁に当たり、配管に
も大きな熱応力が生じ、破損の虞もあつた。さらに注水
による方法では、蒸気温度調整範囲が噴霧効果を得られ
る範囲に限定されるので、制御範囲が狭いという問題も
指摘されていた。 この発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、熱応力の発生を減少さ
せ、破損事故を最小限に抑えるとともに、広範囲にわた
る温度制御が可能な蒸気温度調整装置を提供することに
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 従来技術が抱える問題点を解決し、上記目的を達成す
るため、この発明は、注水配管からの注水を、注水調整
弁を介して減温器内の注水ノズルから高温蒸気流内に噴
霧し、その蒸気温度を調整する蒸気温度調整装置を対象
とする。 そして前記注水調整弁の上流側および下流側の少なく
ともいずれか一方の注水配管系内に設けられた、例えば
注水加熱器などの注水の加温手段と、 前記減温器下流側の蒸気温度を検出する第1の温度セ
ンサと、 前記加温手段下流側の注水の温度を検出する第2の温
度センサと、 前記第1の温度センサと第2の温度センサの検出信号
に基づいて、前記加温手段による注水のエンタルピなら
びに前記注水調整弁による注水流量を調整する、例えば
第1のコントローラならびに第2のコントローラなどか
らなる制御手段とを有し、 前記蒸気温度が低い場合ならびに蒸気流量が少い場
合、前記加温手段により注水のエンタルピを高めて注水
ノズルへの注水流量を確保して、注水ノズルから噴霧で
きるように、前記制御手段により加温手段と注水調整弁
が制御されるように構成されている。 〔作用〕 上記手段によれば、蒸気配管を流れる高温蒸気流内に
噴霧される蒸気温度調整用の水の温度を可変にし、蒸気
温度と注水される水の温度差を少なくして蒸気温度の制
御を行なうことができる。 すなわち、蒸気中に水を噴霧して蒸気温度の制御を行
なうということは、蒸気と水のエンタルピー差を利用し
ての蒸気温度制御であるから、水のエンタルピーを高く
すれば注水流量を減少しなくとも、蒸気の温度を高くす
ることができる。この原理を用い、蒸気流量の少ない範
囲でも、注水流量を比較的多くして、温度制御を容易に
なし得る。 〔実施例〕 以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明
する。 第1図は、この発明の第1の実施例の配管系統を示す
系統図である。なお、以下の説明において、第3図に示
した従来例と同一もしくは同一とみなせる構成要素には
同一の符号を付し、重複する説明は適宜割愛する。 第1図において、実施例に係る蒸気温度調整装置は、
蒸気配管1に挿入された減温器2内に突設された注水ノ
ズル3と、この注水ノズル3に供給する注水の流量を制
御する注水調整弁5と、注水配管4に設けられた注水加
熱器8と、注水加熱器8に供給される加熱用の蒸気の流
量を制御する注水温度調整弁9とから基本的に構成され
ている。 注水調整弁5は、従来と同様に減温器2の下流側の蒸
気温度を検出する温度センサ6の出力に応じて第1のコ
ントローラ7によつての開度が制御される。 注水加熱器8は、注水調整弁5の少なくとも上流側に
設けられており、注水加熱器8と注水調整弁5の間の注
水配管4に、注水温度検出用の温度センサ(以下、注水
温度センサと称する)10が取り付けられている。そし
て、注水温度センサ10からの検出出力が第2のコントロ
ーラ11に入力され、この入力値に応じて注水温度調整弁
9側に弁開度を指示する制御信号が出力される。注水加
熱器8は加熱蒸気配管13に設けられ、注水加熱器8に供
給する加熱蒸気の流量を制御して、注水配管4を通る注
水の温度制御を行なうものである。この場合、供給され
る加熱蒸気の蒸気源としては、例えばプロセス系統内の
余剰蒸気が用いられる。 また、この第2のコントローラ11から注水温度調整弁
9に至る信号経路14には、加算器12が設けられている。
この加算器12は、前記第1のコントローラ7から注水調
整弁5に至る信号経路15にも接続されており、第1のコ
ントローラ7から注水調整弁5に出力される制御信号
を、前記第2のコントローラ11から注水温度調整弁9に
出力される制御信号に加えて注水温度調整弁9に制御信
号を出力するように設定されている。その他、特に説明
しない各部は全て前記従来例と同等に構成されている。 上記のように構成された蒸気温度調整装置では、高温
の蒸気が蒸気配管1内を減温器2の上流側から下流側に
流れる。そして、注水が注水配管4を通つて注水ノズル
3から噴霧されるが、この際、注水ノズル3からの注水
量は、前述の従来例と同様に、温度センサ6によつて検
出した減温器2下流側の蒸気温度に応じて制御される。 一方、注水ノズル3に供給される注水の温度は、注水
温度センサ10により検出され、第2のコントローラ11に
よつて注水温度調整弁9の開度にフイードバツクされ
る。このフイードバツクに際し、注水調整弁5の開度が
加算されて、注水加熱器8に供給される加熱蒸気量が先
行的に制御されることになる。すなわち、上記実施例に
あつては、温度センサ6で検出される減温器2下流側の
蒸気配管1を流れる蒸気の温度と、注水温度センサ10で
検出される注水配管4内の注水の温度とに基づいて注水
への加熱量が制御され、注水の温度が調整される。 これを、流量バランスとエンタルピバランスとから説
明する。 第1図において、減温器2の入口側および出口側の高
温蒸気の流量、エンタルピをそれぞれQ1〔Kg/h〕,i1〔K
cal/Kg〕(以下、同様)、Q3,i3、注水ノズル3から注
入される注水の流量、エンタルピをそれぞれQ2,i2、注
水配管4の入口における注水の流量、エンタルピをそれ
ぞれQ2,i4、注水加熱器8の入口側および出口側の加熱
蒸気配管13内の蒸気の流量をQ5、エンタルピをそれぞれ
i5,i6とすると、次式が成立する。 Q3・i3=Q1・i1+Q2・i2 ……(1) Q2・i2=Q2・i4+Q5(i5−i6) ……(2) そして、(2)式から が得られる。これは、注水流量Q2と加熱蒸気流量Q5とが
比例関係にあることを示しており、蒸気配管1内の蒸気
温度が低下し、注水ノズル3から減温器2に噴霧される
注水の流量Q2が減少した場合には、加熱蒸気流量Q5を増
加させれば注水流量Q2を増加させることができることが
わかる。したがつて、従来では注水量が少なくて注水ノ
ズル3からの充分な噴霧効果が得られなかつた場合で
も、注水のエンタルピを増加させ噴霧効果を得られる流
量を確保して注水流量を制御することにより、減温器2
下流側の蒸気温度を規定値に制御することが可能にな
る。 以上のように、上記実施例によれば、 減温器2に上記配管1から流れ込む蒸気の温度が低
い場合や、蒸気の流量が少ない場合に、従来行なわざる
を得なかつた注水のON−OFF制御を行なう必要がないの
で、注水ノズル3に大きな熱応力が生じることがなく、
注水ノズル3の熱応力による破損事故を防ぐことができ
る、 また、注水の温度制御を行なうことにより注水の流
量が確保でき、それにより常時噴霧効果を得ることが可
能となり、水滴が蒸気配管1の管壁に当つて配管に大き
な熱応力をかけることがなくなつたので、配管の破損事
故の防止を図ることができる、 さらに、上記と同様の理由により常時噴霧効果が
得られるので、蒸気の温度制御範囲が広くなる、 等々の効果がある。 次に、第2の実施例を第2図に示す。第2図は、注水
を加熱する加熱蒸気圧力が、注水圧力と同等かそれ以上
の高圧である場合の蒸気温度調整装置の配管系統を示す
系統図である。以下、前記従来例および第1の実施例と
同一もしくは同一とみなされ構成要素には同一の符号を
付し、重複する各構成要素に関する説明は割愛する。 第2図において、この第2の実施例に係る蒸気温度調
整装置は、前記実施例における注水加熱器8に代わる蒸
気混合加熱器16が、注水調整弁5から注水ノズル3に至
る注水配管4に挿入され、さらに、注水温度センサ10が
蒸気混合加熱器16の下流側の注水配管4に設けられたも
ので、その他の各部は全て前記第1の実施例と同等に構
成されている。 この第2の実施例にあつては、注水圧力と同等もしく
はそれ以上の高い圧力の加熱蒸気が注水配管4内に直接
注入されるので、熱交換器を用いる場合に比して、熱交
換効率良く注水の温度制御が可能になる。その他の動作
および作用・効果は前記第1の実施例と同様である。 〔発明の効果〕 これまでの説明で明らかなように、蒸気配管内に噴霧
される注水の温度を調整可能な加温手段を設けたこの発
明によれば、注水の流量を噴霧効果を得ることができる
流量に保持して蒸気温度を調整することができるので、
注水ノズルや蒸気配管に発生する熱応力を最小限に抑え
ることができ、これにより破損事故の抑制が可能で、蒸
気温度の制御範囲が広い蒸気温度調整装置を提供でき
る。
や温度変化に対応して蒸気の温度を所定値に維持する蒸
気温度調整装置に関する。 〔従来の技術〕 蒸気温度の調整方法としては、従来から、水と蒸気の
熱交換器によるものや、高温蒸気の中に水を注入する方
法が用いられている。この一例を第3図に示す。 第3図は、従来例に係る蒸気温度調整方法を示す配管
の系統図である。同図において、蒸気温度調整装置は、
高温の蒸気配管1経路に設けられた減温器2と、この減
温器2内に突設された注水ノズル3と、注水ノズル3に
温度調整用の水(以下、注水と称する)を供給する注水
配管4と、注水配管4に設けられた注水調整弁5とから
主に構成されている。 注水調整弁5には、減温器2の下流側の蒸気配管1内
の蒸気温度を検出する温度センサ6の出力から注水調整
弁5の開度を調整し、注水ノズル3に供給する注水の流
量を制御するコントローラ7が接続されている。 上記のように構成された蒸気温度調整装置では、温度
センサ6で検出された減温器2下流側の蒸気の温度に対
応する検出信号がコントローラ7に出力され、コントロ
ーラ7はこの検出信号に応じ、上記下流側の蒸気が設定
した蒸気温度になるように注水調整弁5の開度を調整
し、注水ノズル3からの噴霧量を制御している。すなわ
ち、検出した蒸気温度と設定した蒸気温度との差が大き
いときには注水の流量を増して噴霧量を多くし、差が小
さいときには流量を減じて噴霧量を少なくするといつた
制御を行ない、プラントで使用する蒸気温度を一定にす
るようになつている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上記のような上記温度調整装置では、上記温
度がより高温になると、蒸気と水の温度差が大きくな
り、注水開始時や注水のON−OFF制御時等に注水ノズル
に非常に大きな熱応力が発生し、注水ノズルが折れる等
の問題があつた。また注水流量が少くなるに従つて噴霧
効果が減少して水滴が蒸気配管の管壁に当たり、配管に
も大きな熱応力が生じ、破損の虞もあつた。さらに注水
による方法では、蒸気温度調整範囲が噴霧効果を得られ
る範囲に限定されるので、制御範囲が狭いという問題も
指摘されていた。 この発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、その目的は、熱応力の発生を減少さ
せ、破損事故を最小限に抑えるとともに、広範囲にわた
る温度制御が可能な蒸気温度調整装置を提供することに
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 従来技術が抱える問題点を解決し、上記目的を達成す
るため、この発明は、注水配管からの注水を、注水調整
弁を介して減温器内の注水ノズルから高温蒸気流内に噴
霧し、その蒸気温度を調整する蒸気温度調整装置を対象
とする。 そして前記注水調整弁の上流側および下流側の少なく
ともいずれか一方の注水配管系内に設けられた、例えば
注水加熱器などの注水の加温手段と、 前記減温器下流側の蒸気温度を検出する第1の温度セ
ンサと、 前記加温手段下流側の注水の温度を検出する第2の温
度センサと、 前記第1の温度センサと第2の温度センサの検出信号
に基づいて、前記加温手段による注水のエンタルピなら
びに前記注水調整弁による注水流量を調整する、例えば
第1のコントローラならびに第2のコントローラなどか
らなる制御手段とを有し、 前記蒸気温度が低い場合ならびに蒸気流量が少い場
合、前記加温手段により注水のエンタルピを高めて注水
ノズルへの注水流量を確保して、注水ノズルから噴霧で
きるように、前記制御手段により加温手段と注水調整弁
が制御されるように構成されている。 〔作用〕 上記手段によれば、蒸気配管を流れる高温蒸気流内に
噴霧される蒸気温度調整用の水の温度を可変にし、蒸気
温度と注水される水の温度差を少なくして蒸気温度の制
御を行なうことができる。 すなわち、蒸気中に水を噴霧して蒸気温度の制御を行
なうということは、蒸気と水のエンタルピー差を利用し
ての蒸気温度制御であるから、水のエンタルピーを高く
すれば注水流量を減少しなくとも、蒸気の温度を高くす
ることができる。この原理を用い、蒸気流量の少ない範
囲でも、注水流量を比較的多くして、温度制御を容易に
なし得る。 〔実施例〕 以下、図面を参照してこの発明の実施例について説明
する。 第1図は、この発明の第1の実施例の配管系統を示す
系統図である。なお、以下の説明において、第3図に示
した従来例と同一もしくは同一とみなせる構成要素には
同一の符号を付し、重複する説明は適宜割愛する。 第1図において、実施例に係る蒸気温度調整装置は、
蒸気配管1に挿入された減温器2内に突設された注水ノ
ズル3と、この注水ノズル3に供給する注水の流量を制
御する注水調整弁5と、注水配管4に設けられた注水加
熱器8と、注水加熱器8に供給される加熱用の蒸気の流
量を制御する注水温度調整弁9とから基本的に構成され
ている。 注水調整弁5は、従来と同様に減温器2の下流側の蒸
気温度を検出する温度センサ6の出力に応じて第1のコ
ントローラ7によつての開度が制御される。 注水加熱器8は、注水調整弁5の少なくとも上流側に
設けられており、注水加熱器8と注水調整弁5の間の注
水配管4に、注水温度検出用の温度センサ(以下、注水
温度センサと称する)10が取り付けられている。そし
て、注水温度センサ10からの検出出力が第2のコントロ
ーラ11に入力され、この入力値に応じて注水温度調整弁
9側に弁開度を指示する制御信号が出力される。注水加
熱器8は加熱蒸気配管13に設けられ、注水加熱器8に供
給する加熱蒸気の流量を制御して、注水配管4を通る注
水の温度制御を行なうものである。この場合、供給され
る加熱蒸気の蒸気源としては、例えばプロセス系統内の
余剰蒸気が用いられる。 また、この第2のコントローラ11から注水温度調整弁
9に至る信号経路14には、加算器12が設けられている。
この加算器12は、前記第1のコントローラ7から注水調
整弁5に至る信号経路15にも接続されており、第1のコ
ントローラ7から注水調整弁5に出力される制御信号
を、前記第2のコントローラ11から注水温度調整弁9に
出力される制御信号に加えて注水温度調整弁9に制御信
号を出力するように設定されている。その他、特に説明
しない各部は全て前記従来例と同等に構成されている。 上記のように構成された蒸気温度調整装置では、高温
の蒸気が蒸気配管1内を減温器2の上流側から下流側に
流れる。そして、注水が注水配管4を通つて注水ノズル
3から噴霧されるが、この際、注水ノズル3からの注水
量は、前述の従来例と同様に、温度センサ6によつて検
出した減温器2下流側の蒸気温度に応じて制御される。 一方、注水ノズル3に供給される注水の温度は、注水
温度センサ10により検出され、第2のコントローラ11に
よつて注水温度調整弁9の開度にフイードバツクされ
る。このフイードバツクに際し、注水調整弁5の開度が
加算されて、注水加熱器8に供給される加熱蒸気量が先
行的に制御されることになる。すなわち、上記実施例に
あつては、温度センサ6で検出される減温器2下流側の
蒸気配管1を流れる蒸気の温度と、注水温度センサ10で
検出される注水配管4内の注水の温度とに基づいて注水
への加熱量が制御され、注水の温度が調整される。 これを、流量バランスとエンタルピバランスとから説
明する。 第1図において、減温器2の入口側および出口側の高
温蒸気の流量、エンタルピをそれぞれQ1〔Kg/h〕,i1〔K
cal/Kg〕(以下、同様)、Q3,i3、注水ノズル3から注
入される注水の流量、エンタルピをそれぞれQ2,i2、注
水配管4の入口における注水の流量、エンタルピをそれ
ぞれQ2,i4、注水加熱器8の入口側および出口側の加熱
蒸気配管13内の蒸気の流量をQ5、エンタルピをそれぞれ
i5,i6とすると、次式が成立する。 Q3・i3=Q1・i1+Q2・i2 ……(1) Q2・i2=Q2・i4+Q5(i5−i6) ……(2) そして、(2)式から が得られる。これは、注水流量Q2と加熱蒸気流量Q5とが
比例関係にあることを示しており、蒸気配管1内の蒸気
温度が低下し、注水ノズル3から減温器2に噴霧される
注水の流量Q2が減少した場合には、加熱蒸気流量Q5を増
加させれば注水流量Q2を増加させることができることが
わかる。したがつて、従来では注水量が少なくて注水ノ
ズル3からの充分な噴霧効果が得られなかつた場合で
も、注水のエンタルピを増加させ噴霧効果を得られる流
量を確保して注水流量を制御することにより、減温器2
下流側の蒸気温度を規定値に制御することが可能にな
る。 以上のように、上記実施例によれば、 減温器2に上記配管1から流れ込む蒸気の温度が低
い場合や、蒸気の流量が少ない場合に、従来行なわざる
を得なかつた注水のON−OFF制御を行なう必要がないの
で、注水ノズル3に大きな熱応力が生じることがなく、
注水ノズル3の熱応力による破損事故を防ぐことができ
る、 また、注水の温度制御を行なうことにより注水の流
量が確保でき、それにより常時噴霧効果を得ることが可
能となり、水滴が蒸気配管1の管壁に当つて配管に大き
な熱応力をかけることがなくなつたので、配管の破損事
故の防止を図ることができる、 さらに、上記と同様の理由により常時噴霧効果が
得られるので、蒸気の温度制御範囲が広くなる、 等々の効果がある。 次に、第2の実施例を第2図に示す。第2図は、注水
を加熱する加熱蒸気圧力が、注水圧力と同等かそれ以上
の高圧である場合の蒸気温度調整装置の配管系統を示す
系統図である。以下、前記従来例および第1の実施例と
同一もしくは同一とみなされ構成要素には同一の符号を
付し、重複する各構成要素に関する説明は割愛する。 第2図において、この第2の実施例に係る蒸気温度調
整装置は、前記実施例における注水加熱器8に代わる蒸
気混合加熱器16が、注水調整弁5から注水ノズル3に至
る注水配管4に挿入され、さらに、注水温度センサ10が
蒸気混合加熱器16の下流側の注水配管4に設けられたも
ので、その他の各部は全て前記第1の実施例と同等に構
成されている。 この第2の実施例にあつては、注水圧力と同等もしく
はそれ以上の高い圧力の加熱蒸気が注水配管4内に直接
注入されるので、熱交換器を用いる場合に比して、熱交
換効率良く注水の温度制御が可能になる。その他の動作
および作用・効果は前記第1の実施例と同様である。 〔発明の効果〕 これまでの説明で明らかなように、蒸気配管内に噴霧
される注水の温度を調整可能な加温手段を設けたこの発
明によれば、注水の流量を噴霧効果を得ることができる
流量に保持して蒸気温度を調整することができるので、
注水ノズルや蒸気配管に発生する熱応力を最小限に抑え
ることができ、これにより破損事故の抑制が可能で、蒸
気温度の制御範囲が広い蒸気温度調整装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の実施例に係る蒸気温度調整装置を説明す
るための配管系統を示す系統図、第2図は第2の実施例
に係る同系統図、第3図は従来例に係る同系統図であ
る。 1……蒸気配管、2……減温器、3……注水ノズル、4
……注水配管、5……注水調整弁、8……注水加熱器、
9……注水調整弁、13……加熱蒸気配管、16……蒸気混
合加熱器。
るための配管系統を示す系統図、第2図は第2の実施例
に係る同系統図、第3図は従来例に係る同系統図であ
る。 1……蒸気配管、2……減温器、3……注水ノズル、4
……注水配管、5……注水調整弁、8……注水加熱器、
9……注水調整弁、13……加熱蒸気配管、16……蒸気混
合加熱器。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.注水配管からの注水を、注水調整弁を介して減温器
内の注水ノズルから高温蒸気流内に噴霧し、その蒸気温
度を調整する蒸気温度調整装置において、 前記注水調整弁の上流側および下流側の少なくともいず
れか一方の注水配管系内に設けられた注水の加温手段
と、 前記減温器下流側の蒸気温度を検出する第1の温度セン
サと、 前記加温手段下流側の注水の温度を検出する第2の温度
センサと、 前記第1の温度センサと第2の温度センサの検出信号に
基づいて、前記加温手段による注水のエンタルピならび
に前記注水調整弁による注水流量を調整する制御手段と
を有し、 前記蒸気温度が低い場合ならびに蒸気流量が少ない場
合、前記加温手段により注水のエンタルピを高めて注水
ノズルへの注水流量を確保して、注水ノズルから噴霧で
きるように、前記制御手段により加温手段と注水調整弁
が制御されるように構成されていることを特徴とする蒸
気温度調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62330226A JP2670064B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 蒸気温度調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62330226A JP2670064B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 蒸気温度調整装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01174804A JPH01174804A (ja) | 1989-07-11 |
JP2670064B2 true JP2670064B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=18230265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62330226A Expired - Fee Related JP2670064B2 (ja) | 1987-12-28 | 1987-12-28 | 蒸気温度調整装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2670064B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6919545B2 (ja) * | 2017-12-12 | 2021-08-18 | 住友金属鉱山株式会社 | オートクレーブ供給用の高圧蒸気の温度制御装置及びこれを用いた温度制御方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6054924B2 (ja) * | 1977-06-07 | 1985-12-03 | 三共株式会社 | 農園芸用殺菌剤 |
JPS5762306A (en) * | 1980-10-03 | 1982-04-15 | Hitachi Ltd | Control system of steam temperature reducing apparatus |
-
1987
- 1987-12-28 JP JP62330226A patent/JP2670064B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01174804A (ja) | 1989-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2670064B2 (ja) | 蒸気温度調整装置 | |
JPS6219641A (ja) | 給湯機用燃焼制御方法 | |
JPS621162B2 (ja) | ||
JP2000274603A (ja) | 給水制御装置 | |
JPH0412330Y2 (ja) | ||
JPH04299973A (ja) | 培養装置の温度制御方法 | |
JPH0412329Y2 (ja) | ||
JPH09126409A (ja) | 給水加熱器の温度制御方法およびその装置 | |
JPS6252356A (ja) | 給湯装置 | |
JPS60159553A (ja) | 給湯機の制御装置 | |
JPS62141407A (ja) | 蒸気減温器の冷却水噴射量制御装置 | |
JPH10110907A (ja) | ボイラにおける過熱度調節装置 | |
JPH04151403A (ja) | 蒸気温度制御装置 | |
JPH02187506A (ja) | 再熱器温度制御方法 | |
JP2637837B2 (ja) | 給湯器 | |
JPH03140747A (ja) | 給湯器の制御装置 | |
JPS5484102A (en) | Evaporator outlet steam tempeature controller | |
JPH0325027Y2 (ja) | ||
JPS61107007A (ja) | 蒸気過熱器の蒸気温度制御方法 | |
JPH03260503A (ja) | 給水加熱器のドレン水位制御装置 | |
JP3129863B2 (ja) | 炭酸給湯装置 | |
JPH0223928Y2 (ja) | ||
JPS6034006B2 (ja) | 蒸気温度制御装置 | |
JPS5974425A (ja) | 給湯制御装置 | |
JPS6017609A (ja) | 温度制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |